経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
サタデー自習室 -- 水の 経済学 ⑫
2017-06-24-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 急成長する水ビジネス = 世界の水ビジネスは、急速に拡大している。いろいろな機関が発表している将来予測をみても、そろって大幅な伸びを見込んでいる。ただ調査によって対象とする国やビジネスの範囲が異なっており、将来の予測値だけではなく過去の数値でさえ必ずしも一致しない。

たとえば国連の推計では、09年のビジネス規模は60兆円。これが25年には111兆円に増大すると予測している。新聞や雑誌に「111兆円の水ビジネス」という見出しがよく使われるのは、このためだ。一方、経済産業省は15年が83兆6000億円。これが20年には100兆7000億円に拡大するという予測を発表している。

経産省の発表で15年の内訳をみると、上水道関係が36兆1000億円で全体の36%を占めていた。次いで下水道が31兆9000億円、産業用水が19兆円となっている。これが20年になると、上水道が43兆円に。下水道は39兆2000億円に、産業用水は18兆6000億円に拡大する。

世界経済の成長率は、このところ5-6%程度。それに比べて水ビジネスの伸び率は、きわめて大きい。人口の増加と新興国の生活水準が急速に上昇することが、その根底にある。先進国の企業にとっては、またとないビジネス・チャンス。各国の関連企業が一斉に乗り出してきたことも、当然の成り行きと言えるだろう。

                                  (続きは来週サタデー)

      ≪23日の日経平均 = 上げ +22.16円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】  

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「需要 > 供給」の発表に 違和感
2017-06-23-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ まさか内閣府の“忖度”では = 内閣府は先週「昨年10-12月期とことし1-3月期の国内需要が供給を上回った」と発表した。国内のモノやサービスの需給は、14年の消費増税前の駆け込みで需要が大きく上回ったあとは、その反動もあって供給過剰気味の状態が続いていた。需要が供給を上回れば、物価は上がりやすくなり、景気も拡大に向かう。

需要と供給の差を需給ギャップと言い、これがマイナスだと景気は上向かない。物価も上昇しにくく、経済はデフレ状態に陥る。最近の日本経済は、ずっとこの状態に悩まされてきた。それだけに、2四半期連続で需給ギャップがプラスになったことは大ニュースのはず。しかし日経新聞を除けば、ほとんど紙面に載らなかった。

日経新聞によると、需給ギャップがプラスに転じたのは「時代遅れになった生産設備の供給力を、従来より低めに見積もったから」だという。経済統計の推計方法を見直すことは、決して悪くはない。しかし、そのためにいい結果が出たとしても、決して喜べないだろう。もっと厳しく見直せば、結果はさらに改善してしまう。

見直しの時期にも問題がある。いまアベノミックスの効果が消え去り、日本経済は自力でデフレを克服できるかどうかの瀬戸際に置かれている。そんなとき、なぜ内閣府はこんな発表をしたのだろう。言いたくはないが、内閣府は得意の“忖度”をこんなところでも働かせているのでは。なんとも違和感を拭い切れない発表だった。

      ≪22日の日経平均 = 下げ -28.28円≫

      ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ


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小池構想の弱点と その矯正法
2017-06-22-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 進捗状況をもっとオープンに = 小池東京都知事は20日、築地市場の移転問題についての方針を正式に表明した。これで汚染対策を進めて、豊洲に市場を移転することが明確になったことは喜ばしい。また築地市場の再開発を進める方向も、十分に理解できる。だが築地を「食のテーマパーク」にする構想のなかで、市場機能も持たせると述べたことは全くの説明不足。新たな議論を巻き起こすことになってしまった。

豊洲に最新鋭の生鮮市場を構築すると述べる一方で、築地にも市場機能を持たせる。そんな役割分担が可能なのだろうか。二重投資になるのではないか。新たな疑問を誘発すると同時に、5年後には再び市場を豊洲から築地に戻すという憶測まで呼んでしまった。築地の市場機能についての説明がなかったために生じた、無用の混乱である。

「市場機能を持ったテーマパーク」という構想は、おそらく専門家会議の席上で披露されたアイディアなのだろう。だが具体的に詰められていないから、小池知事も説明ができなかった。要するに都庁内部での議論が遅れているためである。議論が遅れると、小池知事も決断がつかない。すると「決められない知事だ」と批判される。

この弱点を解消する方策――「一週間で何が進捗したか」を簡潔に書き並べた紙を、毎週の記者会見時に配布する。たとえば「××会議では、○○を決めた」というように。こうすれば、どこの部門で議論が停滞しているかがひと目で判る。なぜ知事の決断が遅れるのか。どこを直せば、政策のスピードを上げられるのか。小池知事の弱点は、かなり矯正されると思う。

      ≪21日の日経平均 = 下げ -91.62円≫

      ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ


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円安でも 貿易収支は赤字に
2017-06-21-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ LNGなどの輸入価格が上昇 = 財務省は19日、5月の貿易統計を発表した。それによると、輸出は5兆8514億円で前年比14.9%の増加。輸入は6兆0547億円で17.8%の増加だった。その結果、貿易収支は4か月ぶりに2034億円の赤字となっている。輸出で伸びが目立ったのは自動車、鉄鋼、船舶など。輸入で増えた品目はLNG(液化天然ガス)、石炭、原油・粗油だった。

貿易収支を地域別にみると、対アメリカは4111億円の黒字。対アジアも3091億円の黒字だったが、対EUは405億円の赤字。また対中国も3118億円の赤字。対中東は4688億円の赤字となっている。ここで驚くのは、中国からの石炭輸入が前年の5倍以上に跳ね上がったこと。中東からの輸入と合わせて、相変わらずエネルギーの輸入が最大の赤字要因になっている。

この5月の為替レートは、平均値で111円47銭。前年より2.3%の円安だった。輸出はアメリカやアジア諸国の景気回復と円安に助けられて、15%近くも伸びている。にもかかわらず貿易収支が赤字に落ち込んだのは、エネルギー素材の輸入価格がやはり円安で高騰した影響が大きい。

もちろん、2000億円程度の貿易赤字を問題視する必要はない。だが5月の貿易統計をみると、円安が必ずしも日本経済にプラスとは限らないことが判る。と同時に、いつまでも高いエネルギーを大量に輸入する体質でいいのか。改めて考えさせられる。日本のエネルギー計画は、どこに行ってしまったのだろうか。

      ≪20日の日経平均 = 上げ +162.66円≫

      ≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ


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市場に現われた 景気警戒論 / アメリカ
2017-06-20-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ FRBは楽観論だが = アメリカの中央銀行であるFRBは先週、政策金利を年1.00-1.25%に引き上げた。一昨年12月に引き締めに転じてから4回目の利上げで、政策金利が1%台に載せるのは8年半ぶりのこと。市場は今回の利上げを完全に織り込んでいたから、全く動揺は見られなかった。しかし景気の先行きを巡っては、FRBと市場の見方に明らかなミゾが生じ始めている。

イエレンFRB議長は会見で、利上げを決断した理由として「アメリカ経済が好調で底堅い」ことを強調した。また「物価の伸び悩みは一時的」「雇用には改善の余地がある」とも述べている。5月の消費者物価が1.7%の上昇にとどまり、小売り売上高や新車の売れ行きも予想を下回った。また雇用者の増加数も、大きく鈍化している。イエレン議長はこうした最近の経済指標を念頭に置きながら、景気の先行きに心配はないと説明したわけである。

この景気見通しに対する市場の反応は、まちまちだった。株式市場はあまり気にせず小幅に上げて、ダウ平均は最高値を更新している。ところが債券市場の反応は違った。ふつう政策金利が引き上げられれば、長期金利は上昇する。しかし今回は国債などが買われ、10年もの国債の利回りは7か月ぶりに2.10%まで低下した。このため為替市場では、ドル安・円高が進行することになった。

景気の先行きは、そんなに思わしくない。FRBによる年内の追加利上げは不可能だ。したがって、金利はもう上がらない。債券市場ではこうした見方が多くなって、買い物が増えた。FRBの楽観的な見方を否定したわけである。さて、FRBと債券市場の見方はどちらが正しいのか。7月初めに発表される6月の雇用統計と新車販売台数が、その行司役を務めることになりそうだ。

      ≪19日の日経平均 = 上げ +124.49円≫

      ≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ


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今週のポイント
2017-06-19-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 利上げでも新高値を更新中 = FRBは先週、大方の予想通り4回目の金利引き上げを決定した。ニューヨーク株式市場は気にしながらも、横目で通り過ぎた感じ。ダウ平均は週間112ドル値上がりして、またまた史上最高値を更新した。IT関連株の急落もあったが、金融株などの上昇で相場は支えられた。この勢いは、どこまで続くのだろうか。

株式市場の反応は薄かったが、債券市場と為替市場はやや異常な反応を示した。政策金利が上昇すれば、ふつうは長期金利が上がる。だが債券市場では、逆に債券が買われて金利は下落。10年もの国債の利回りは、7か月ぶりの低水準に下がっている。金利が低下したため、為替市場ではドルが下落した。

日経平均は先週70円の値下がり。円高の影響も受けたが、どうしても2万円台を回復できない。外国人投資家が加計学園の事件を嫌っているという見方も出ているが、根本的な理由はやはり経済の先行き不透明にあるのではないだろうか。アベノミックスが賞味期限切れになったあと、日本経済は目標を失ったという声も出始めているようだ。

今週は19日に、5月の貿易統計。21日に、4月の全産業活動指数と5月の訪日外国人客数。アメリカでは21日に、5月の中古住宅販売。22日に、4月のFHFA住宅価格と5月のカンファレンス・ボード景気先行指数。23日に、5月の新築住宅販売が発表される。

      ≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2017-06-18-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第14章 景気対策って、なんだろう? ⑦

◇ アベノミックスの中身 = アメリカのレーガン大統領が実施した大胆な景気対策。当時のマスコミが、これをレーガノミックスと名付けました。第2次安倍内閣が12年12月に誕生、大胆な景気対策を打ち出したとき、これにちなんでアベノミックスという言葉が生まれたのです。直訳すれば「安倍の経済学」という意味になります。

その中身は①大胆な金融政策②機動的な財政政策③民間投資を喚起する成長戦略--の3本柱から成り立っていました。安倍首相自身は、これを“3本の矢”と表現しています。この3本の矢によって景気を回復し、経済成長率を3%以上に引き上げると公約したのです。

もう少し具体的にみると、まず第1の矢である金融政策は2%のインフレを目標とし、無制限の量的緩和を実行。これにより金利を引き下げ、結果的に円高を是正することにしました。同時に第2の矢である財政面からは、大規模な公共投資を行うことにしたのです。このため13年1月には、総額13兆1000億円の補正予算を編成しました。

第3の矢である成長戦略は、要するに規制緩和です。戦後、日本経済が発展するにつれて「××はダメ」という法律的な規制が数多く作られました。その多くが既得権益とも結びつき、新しい民間の活動を妨げています。これらをできるだけ撤廃することで、企業の活動範囲を広げ、生産性を向上させることが目的です。

                                (続きは来週日曜日)
              

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サタデー自習室 -- 水の 経済学 ⑪
2017-06-17-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 幅が広い水ビジネス = 上水道や下水道のインフラ整備、海水の淡水化プラント建設。あるいは汚水の処理場、工場排水の再利用などなど。ひと口に水ビジネスと言っても、その範囲はかなり広い。特に新興国では、こうした水ビジネスに対する需要が強まっている。たとえば1つの大都市に下水道を完備すれば、何兆円もかかるだろう。ビジネスの規模も、非常に大きい。

日本はこうした分野でも、長年培った経験と技術を持っている。たとえば上水道でみると、東京都の水漏れ率は約3%。マニラの60%、ジャカルタの50%に比べれば圧倒的に低い。これは特殊な鋳鉄管を使ったり、音で水漏れを発見する技術を持っているからだ。また料金の徴収率は99.9%にのぼり、海外からは驚異の目で見られている。

下水道の歴史も古い。日本初の下水道は1881年、横浜の外国人居留地に設置された。次いで東京では1884年に作られた神田下水道。戦後の高度成長期には建設が追い付かず河川の汚染を招いてしまったが、その後は急速に整備された。ここでも地面を掘らずに下水道管を設置する技術は、世界から注目されている。

このように日本は、海水や汚水を濾過する逆浸透膜の製造技術、さらに上下水道のインフラ技術の両方を持っている。市場としての大きさをみると、インフラの方がずっと大きく、逆浸透膜は水ビジネス全体の100分の1ほどしかない。それでは今後、この市場はどのように拡大して行くと予測されているのだろうか。

                                   (続きは来週サタデー)

      ≪16日の日経平均 = 上げ +111.44円≫

      【今週の日経平均予想 = 1勝4敗】   


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