経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
主役に躍り出た 金利と原油 (上)
2018-05-24-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ マイナス効果が増大してきた = 金利高原油高が、世界経済を動かす主役になりつつある。初めはそのプラス効果が株高をもたらしたが、最近ではマイナス効果の方が強く意識され始めた。現状からみる限り、金利も原油もまだ上昇する可能性が大きい。したがってマイナス効果は、今後も増大して行くだろう。これにどう対処するのか。先進国にとっても新興国にとっても、大きな課題となるに違いない。

アメリカの長期金利は、4月下旬に3%台に載せた。ニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)の先物価格は、5月に入ると1バレル=70ドルに到達した。このためウォール街では銀行株とエネルギー関連株が買われ、ダウ平均が上昇。一方でドル相場も上がったことから円安が進行、東京市場の株価も上向いている。

ところがアメリカの金利は先週16日、一時3.10%まで上昇。6年10か月ぶりの高さになった。原油価格も72ドルに近づき、3年半ぶりの水準に上昇した。金利がここまで上がると、資金が株式市場から債券市場に移りやすくなる。住宅ローンや自動車ローンも上昇して、消費を阻害する。特に自動車はガソリン価格の高騰もあって、販売に陰りがみえてきた。

ドル高・円安も進んだから、東京市場の株価は上昇基調を維持している。しかしアメリカの金利高で、新興国からは資金が引き揚げられ始めた。このため新興国は政策金利を引き上げたり、為替市場に介入するなど防戦に必死となっている。この結果、新興国の景気が下降すれば、日本の輸出も伸び悩む。新興国の経済が破たんすれば、世界経済全体が不調に陥る危険もないではない。

                               (続きは明日)

       ≪23日の日経平均 = 下げ -270.60円≫

       ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ


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アメリカ向け鉄鋼輸出が 2ケタ増
2018-05-23-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 関税引き上げにもかかわらず = 財務省は21日、4月の貿易統計を発表した。それによると、輸出は6兆8200億円で前年比7.8%の増加。輸入は6兆2000億円で5.9%の増加だった。この結果、貿易収支は6260億円の黒字で、黒字の幅は前年より31%も増えている。それだけ外需の力が強く、景気を押し上げる援軍になったことは間違いない。

発表の内容をよく読むと、いくつか注意すべき点にぶつかる。第1はアメリカ向けの鉄鋼輸出額。4月の輸出額は181億6400万円で、前年より13.7%も増加した。周知のようにトランプ大統領は安保上の理由と称して、輸入する鉄鋼に25%もの関税をかけ、3月下旬から発効している。専門家は「日本製品はアメリカでは造れないから、輸出額は減らない」と予想していたが、4月だけの数字をみる限り、その通りになっている。

第2はそのアメリカとの貿易収支。日本側の6150億円の黒字となっている。前年比では4.7%の増加だった。17年度の統計は、日本側の黒字7兆円となっている。アメリカはいま、LAFTA(米州自由貿易協定)や中国との貿易交渉で大忙し。日本にまで手が回らない。しかし、そのうち二国間交渉を持ち出してくるだろう。トランプ大統領が、日本の対米黒字額にどんな評価を下すのか。

第3はエネルギーの輸入額。原油の国際価格が高騰しており、日本の輸入額も大幅に増えている。4月は鉱物性燃料の輸入額が1兆3700億円に達した。2年前の4月は7900億円にとどまっている。原油やLNG(液化天然ガス)が上がれば、電気料金やガソリン代も上がる。それだけ日本の企業や家計の購買力が、海外に流出しているわけだ。政府が何も対策を講じようとしないのは、怠慢ではないのか。

       ≪22日の日経平均 = 下げ -42.03円≫

       ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ


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米中貿易戦争は “保留”
2018-05-22-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 米朝首脳会談を前に一時休戦? = 米中両国政府はワシントンでの貿易協議を終え19日、共同声明を発表した。声明では「アメリカの対中貿易赤字を減らすため、中国がアメリカのモノとサービスの輸入を大幅に増やすことで合意した」「引き続き高いレベルで貿易問題の打開策を探る」と明記している。ただ中国側がどれだけアメリカからの輸入を増やすか、についての具体的な金額や品目には触れていない。

アメリカの対中貿易赤字は、17年に3752億ドル(約41兆円)にのぼっている。貿易協議でアメリカ側は、この赤字を2000億ドル減らすよう要求したと伝えられた。さすがに中国側も、この要求は受け入れなかったと思われる。面白いのはアメリカ側のこの要求に対して、中国側が「米中間の貿易は計画経済的であってはならない」とコメントしたこと。時代の流れを感じさせる一幕だった。

懸案事項は、モノの貿易だけに限らない。特許権や著作権の保護や外資規制、さらにはIT企業に対する不当な補助金など。アメリカ側の要求項目は数多い。短時間では議論が煮詰まらず、継続審議に持ち込まざるをえなかったのだろう。アメリカ側も中国に対する報復関税の実施を延期するなど、譲歩の姿勢を打ち出した。

ムニューシン米財務長官は「貿易戦争は保留だ」と語っている。これで一時停戦は確実となり、株式市場にも安心感が広がった。米朝首脳会談を間近かに控えて、米中両国が緊張関係にあるのは得策でないという判断も働いたのだろう。ただし保留は保留。再び両国が貿易問題を巡って緊張することは避けられそうにない。

       ≪21日の日経平均 = 上げ +72.01円≫

       ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ


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今週のポイント
2018-05-21-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 高揚感のない8週連騰 = 日経平均は先週172円の値上がり。これで8週間連続の上昇となった。この間の上げ幅は2300円。そう悪くない成績だろう。しかし市場には高揚感が全くない。先行きについても、強気の見方は影を潜めてしまった。これは19年3月期の企業業績が減益になるという予測が、しだいに固まってきたからである。ただ目先はアメリカの金利高で円安が進み、これを頼りに何とか上げているという恰好だ。

ニューヨーク市場は、金利高と原油高の影響に揉まれている。金利高で銀行株が、原油高でエネルギー関連株が買われた。するとダウ平均は上昇する。ところが金利高は、カネの流れを株式から債券に変えやすい。また消費を抑制する効果も大きい。原油高も消費者の財布を直撃する。この後者の考え方が強まると、株価は下落する。結局、ダウ平均は先週116ドルの値下がり。

北朝鮮などの地政学的なリスクからも目は離せないが、目下の焦点は金利と原油の動向。今週はその動きに変化が生じるかどうか。FRBによる6月の利上げは確定的だから、当面ドル高の傾向は続くだろう。したがって円が上昇に振れる可能性も大きくはない。そうしたなかで日米の株価は、先週と同じような動きを続けるのではないか。

今週は21日に、4月の貿易統計。23日に、3月の全産業活動指数。25日に、5月の東京23区消費者物価。アメリカでは23日に、4月の新築住宅販売戸数。24日に、4月の中古住宅販売戸数が発表される。

       ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ


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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2018-05-20-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第3章  経 済 が な い 世 界 

≪33≫ 200年後の地球 = この星で暮らし始めてから、早いもので2年が経過した。といってもダーストン星の公転周期は168日だから、地球の時間で言えばまだ1年に満たない。それでも生活にはすっかり慣れ、この国の人々ともずいぶん仲良くなった。見聞きしたことについては毎日メモを付けているが、この辺で2年間のまとめを書いておこう。そう思って、ノートに書き始めると・・・。

いつの間にかマーヤが机の前に来て、ノートを覗き込んでいる。ロボットなら何でも一瞬にして記憶できるから、ノートに書き込むなんていうことはしない。人間は面倒な作業をするものだと、あきれて見ているのだろう。そう思ったが、無視して記憶をまとめることに集中した。

1)完璧な医療技術-----どんな病気でもケガでも完全に治してしまう。だから人間が死ななくなった。人口の増え過ぎを抑えるために、憲法で「全ての国民の寿命は100歳」と定めている。あと200年もすれば、日本の医療技術もこの水準に達するかもしれない。しかし寿命を100年に決めることは、絶対にムリだろう。

2)人間的ロボットの完成-----ロボットの頭脳回路に、人間のDNAを組み込むことに成功。これによりロボットが、人間的な思考や感情を持つことになった。いま人々やロボットたちの最大の関心事は、国の執行機関である賢人会が「人間とロボットの結婚」を認めるかどうか。

3)経済が消滅-----モノの生産や輸送は、すべてロボットに委ねられている。このためコストが全くかからない。人々は欲しいモノを注文すれば、何でも無料で届けられる。だから街中には小売店が見当たらない。すべてがタダだから、通貨も必要がなくなった。人々の生活態度や生活意識も、ずいぶん変わったものになっている。

4)地球の将来像-----この国の科学・技術は、地球より少なくとも200年は進んでいる。ということは200年たてば、地球にも人間的ロボットが出現するかもしれない。だが人間的ロボットが出来なくても、機械的ロボットが進化して生産・流通の仕事をこなすようになれば、経済は消滅する可能性がある。100年後には、そうなるのではないか。そのとき地球人の生活意識は、いまのダーストン人のように変化するのだろうか。

マーヤはまだ食い入るように、ぼくのノートを見つめている。目と目が合うと、言い訳をするように「日本の文字と文章を学習しているんです。いつか役に立つと思いますから」と、つぶやいた。これが素晴らしい予言になるとは、神ならぬ身の知る由もなし。

                           (続きは来週日曜日)
          

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北朝鮮は なぜ豹変したのか : 一つの推論
2018-05-19-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 核実験場はすでに崩壊した? = 核実験を繰り返し、予告なしにICBM(大陸間弾道弾)を発射する。こんな横暴を重ねてきた北朝鮮が、一転して紳士的になった。米朝首脳会談に応じ、核兵器やミサイルも放棄するという。来週23-25日には、北東部の豊渓里にある核実験場を爆破するとも発表した。いぜん独裁者として君臨する金正恩労働党委員長が、豹変した理由は何なのか。一つの仮説を立ててみた。

北朝鮮はこれまで豊渓里の実験場で、6回の核実験を実施した。6回目は昨年9月3日。爆発の規模はそれ以前のものより格段に大きく、しかも最初の爆発の8分後に2度目の地殻変動があったことが確認されている。このとき山が陥没して実験場は完全に崩壊、地下の設備はすべて埋まってしまったのではないだろうか。もしそうなら、北朝鮮が実験場を再開することは難しい。

要するに核弾頭を積んだICBMで、アメリカを脅かすことが不可能になった。だから平和外交に転じて体制を保証してもらい、経済援助を受けるしかない。それなら崩壊した実験場の入り口を爆破して塞ぎ、平和路線のアピールに利用する方が賢明だ。海外のマスコミを立ち会わせても、深い地下坑道の状態までは見ることが出来ない。

トランプ大統領は、この実験場の爆破について「有難う。親切な行為だ」と論評した。実験場がすでに崩壊していることを承知のうえでの反応ならば、なかなか老獪な対応と言えるだろう。だが仮にその可能性を認識せずに感謝したのならば、トランプ大統領は首脳会談の前から金正恩委員長の戦術に乗ってしまったことになる。危ういかな。

       ≪18日の日経平均 = 上げ +91.99円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】  


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M&Aは いま花盛り
2018-05-18-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 企業のグローバル化が進む = 国内最大手の武田薬品工業が先週、アイルランドの製薬会社シャイアーに対するM&A(合併・買収)を発表して話題となった。シャイア―社の全株式を460億ポンド(約6兆8000億円)で買い取り、子会社化する構想。両社の取締役会は了承しており、株主総会の賛同が得られれば成立する。日本企業による海外企業の買収案件としては、過去最大の規模となる。

企業はふつう年々売り上げを伸ばし、利益を貯めて規模を拡大して行く。ところがM&Aで優良な企業を傘下に収めれば、一挙に規模を拡大させることが出来る。もちろん、すべてのM&Aが結果的に成功するとは限らない。したがって経営的には、常にある程度のリスクが伴う案件だと言える。にもかかわらず、最近は世界中でM&Aが大流行だ。

イギリスの調査会社ディールロジックによると、ことし1-3月には世界中で総額1兆1167億ドルのM&A案件が報告された。この金額は、前年比で47%も多い。これは金利が上昇する前に買収資金を借りてしまおうという思惑が働いたため、と同社では解説している。武田の場合も銀行から3兆3000億円を借り入れる予定だから、そうかもしれない。

日本企業による海外企業のM&Aは、これまでにもソフトバンク、日本たばこ産業、サントリー、松下電器などの例がある。今後も海外企業に対するM&Aが進めば、それらの企業で海外部門の比率が高まることは当然だ。その結果、国内での稼ぎより海外での儲けの方が大きくなる。このため利益を海外で使い、国内の設備投資や人件費を増やさない傾向は強まって行くだろう。

       ≪17日の日経平均 = 上げ +121.14円≫

       ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ


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2年ぶりに  マイナス成長 : 1-3月期
2018-05-17-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 回復のカギは個人消費 = 内閣府は16日、1-3月期のGDP速報を発表した。それによると、実質成長率は年率換算でマイナス0.6%。一昨年と昨年の2年にわたって続いたプラス成長が、途切れた形となっている。生活実感に近い名目成長率はマイナス1.5%で、実質値よりもマイナス幅が大きい。この結果、17年度の成長率は実質でプラス1.5%、名目でプラス1.6%になった。

1-3月期の実質成長率を構成要素でみると、いずれも年率換算で個人消費がマイナス0.1%。企業の設備投資がマイナス0.3%、住宅投資がマイナス8.2%と、そろって下向いた。これに対して輸出が2.6%増加して、内需の落ち込みを埋めている。個人消費の減退は寒波の影響で野菜など生鮮食品が高騰、さらに原油高の影響も加わって暖房費が増加。これで家計の節約意識が強まったためとみられている。

問題は4-6月期以降、プラス成長に戻れるかどうか。まず輸出の環境は、あまりよくない。米中貿易戦争や新興国からの資金流出、また世界的なスマホ需要の減退など、外需に頼れる状態ではなさそうだ。となるとプラス成長へのカギは内需、特に個人消費の復活しだいということになる。

たしかに悪天候の影響は消滅した。ある程度の賃上げも進んでいる。だが原材料費の高騰や人手不足の影響で、食品をはじめ生活用品の値上げが続く。原油価格の高止まりで、ガソリン代や光熱費も上昇基調。家計の圧迫要因はなくならない。民間調査会社は総じてプラス成長への回帰を予測している。しかし1-3月期の落ち込みが本当に一時的なものなのかどうか、そう楽観的にはなれない気がする。

       ≪16日の日経平均 = 下げ -100.79円≫

       ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ


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