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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
最悪のバラマキ : 大学無償化
2019-04-20-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本の将来を危うくする = 低所得世帯の学生に大学教育を受けさせるため、授業料を免除する。こういう触れ込みの「大学等就学支援法案」が衆院で可決され、参院に送られた。必要な財源は年7600億円。消費税引き上げによる増収分で賄う方針。一見すると良さそうな内容だが、考え方はズサン極まりない。下手をすると、日本国の将来に大きな悪影響を及ぼしかねない危険性を持っている。

法案によると、対象となるのは年収が380万円未満の世帯。具体的には、国公立大学の学生には最大年54万円、私立大学の場合は70万円の給付型奨学金を支給する。実施は来年4月からの予定。本人の学力や学習意欲、進学目的などで奨学金に差を付けるというが、いったい誰がどんな基準で審査をするのだろうか。

いま日本には768の大学が存在する。そのうちの約8割が私立大学だ。この私立大学のうち300校近くが赤字経営で、学生の数が定員に達していない。つい最近も定員不足を補うため、外国人留学生を大量に入学させて問題を起こした大学もあった。こんな大学なら、勉強しなくても入学できる。そして奨学金をもらって、遊んで暮らす。こんな若者が増える可能性は否定できない。

日本の伝統技術を継承して行くためには、高校出の若者も必要だ。そういう人たちが奨学金につられて、大学に進学したら。大学無償制度が普及しているヨーロッパ諸国の例をみると、中学・高校の時代から生徒の選別が始まる。その過程で選ばれた若者に奨学金を与えている。今回の法案とは、全く考え方が違う。今回の法案は選挙を控えたバラマキであって、若者を重視した政策ではない。

       ≪19日の日経平均 = 上げ +110.44円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   


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対中輸出・対米黒字・燃料輸入の動向
2019-04-19-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ トランプ大統領は納得しない = 財務省は17日、3月分の貿易統計を発表した。それによると、輸出は7兆2000億円で前年比2.4%の減少。輸入は6兆6700億円で1.1%の増加だった。この結果、貿易収支は5300億円の黒字となっている。いま貿易に関して重要な視点は、対中輸出、対米収支、燃料輸入の3点だろう。季節的な変動をならすために、1-3月期の数字を前年同期と比較してみた。

まず対中輸出。3月の輸出総額が減少したのも、中国向けが9.4%も減ったため。1-3月期でみると、輸出額の合計は3兆6800億円。前年に比べて7.6%の減少だった。1月に大きく減少したあと2月はプラスになったが、3月には再び落ち込んでいる。中国政府は1-3月期の成長率が下げ止まったと発表したが、日本の輸出にはまだその影響が現われていない。

次は対米収支。1-3月期の収支は1兆6000億円の黒字だった。前年同期比では4.4%の増加となっている。日米間の貿易交渉を控えて日本はシェール・ガスや防衛装備品の輸入を増やす努力をしたが、その効果は数字に出なかった。トランプ大統領も、これでは納得しないだろう。5月以降の本格的交渉で、アメリカ側はこの数字を持ち出して厳しい姿勢をみせるのではないか。

もう1つはエネルギーの輸入額。1-3月期に輸入した原油など鉱物性燃料の総額は4兆7600億円だった。前年比では4.2%減っている。これは原油などの国際価格が下落したためで、輸入数量は減っていない。最近は原油価格が急騰しているから、4月以降の輸入額は増加に転じるだろう。政府は早急にエネルギー計画を立て直す必要がある。

       ≪18日の日経平均 = 下げ -187.85円≫

       ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ


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習マジック? : 成長率が底入れ
2019-04-18-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 1-3月期は前期と同じ6.4%に = 中国統計局が17日発表した1-3月期のGDP速報によると、前年同期に比べた実質成長率は6.4%だった。この成長率は、昨年10-12月期と同じ。したがって昨年1-3月期の6.8%成長から減速していた中国の成長率は、ちょうど1年で下げ止まったことになる。米中貿易戦争の影響で輸出は大きく減退したが、習政権の景気対策が功を奏して生産や消費が回復した。

同時に発表された経済指標をみると、1-3月期の輸出は1.4%の増加。18年の9.9%増加から大幅に減少している。その半面、鉱工業生産は6.5%の増加。18年の6.2%増加を上回った。また固定資産投資も6.3%増加し、18年の5.9%増加より改善。小売り売上高は8.3%と18年の9%には及ばなかったが、3月だけをみると8.7増加に回復している。これらはいずれも、政府による巨額のインフラ投資に刺激された結果だという。

アメリカやEUの景気見通しに陰りが見えてきたいま、中国経済が一足先に回復すれば、世界同時不況は免れる。その意味では喜ばしいことだが、この先も成長率が順調に上昇して行くという見方は少ない。米中貿易戦争が終わらない限り、輸出の減退が続き、政府のインフラ投資も息切れになると考えられるからだ。

さらに数字そのものに対する疑問が、またまた出始めている。たとえばシカゴ大学と香港中央大学の共同研究では「08-16年では成長率に年平均1.7ポイントが上乗せされた」という結論を出した。地方政府が過大に報告した数字を「統計局が適正にチェックしていないため」だと分析している。そう言えば、集計が異常に速い。1-3月期のGDP速報はアメリカが4月26日、日本は5月20日の予定なのだ。

       ≪17日の日経平均 = 上げ +56.31円≫

       ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ


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最初は グー : 日米貿易交渉 (下)
2019-04-17-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 殺し文句は自動車の輸入規制 = アメリカ政府が農産物の次に関心を持っているのは、自動車である。日本側の通関統計でみると、18年の日本の対米輸出は175万台。一方、アメリカ車の輸入は2万台。金額にすると、4兆5000億円と1000億円という完全な片貿易になっている。トランプ大統領としては、来年の選挙を前に支持基盤である農業と自動車産業のテコ入れを図っておきたいところだ。

貿易の不均衡を是正する目的で、アメリカ側が為替条項の設定を要求してくることは確実。為替相場を「下落に誘導するような政策は禁止する」という趣旨だが、これが曲者だ。政府が市場に直接介入することだけでなく、日銀のマイナス金利政策にまで適用されるようだと、日本側は反論の仕様がない。

交渉が行き詰まったとき、アメリカ側がちらつかせるのは日本車の輸入規制だろう。輸入台数の上限を設定する方法と、高い関税を課するやり方がある。トランプ大統領がメキシコや中国との交渉で使った“奥の手”だ。これを実施されると、日本側の被害はきわめて大きい。対抗しようにも、アメ車の輸入はないに等しいから出来ない。

日本側の強みは、アメリカ産のシェール・ガスと防衛装備品の輸入を急増させていることだ。この結果、たとえば18年の対米貿易黒字は8.1%減少している。ことしの黒字も減る見込みだ。日本としてはこうした実績を背景に交渉し、できるだけアメリカ側に自動車の輸入規制を言わせないようにする。そこがポイントになるだろう。

       ≪16日の日経平均 = 上げ +52.55円≫

       ≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ


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最初は グー : 日米貿易交渉 (上)
2019-04-16-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 始まった閣僚級の折衝 = 茂木経済財政相とライトハイザーUSTR(通商代表部)代表は15-16の両日、ワシントンで貿易問題を話し合う。これにより日米が二国間貿易協定を結ぶ交渉が、正式にスタートした。トランプ政権は発足以来、カナダとメキシコ、中国、EUと精力的に交渉してきたが、今後は最後に残った日本との貿易協定成立に全力を傾けることになる。

まず決めなければならないのは、今後の交渉の範囲。日本側はモノの貿易だけに限る方針で、協定の名称もわざわざTAG(物品貿易協定)と呼んでいるほどだ。これに対してアメリカは「サービス部門も含めたい」意向。だが、この点については、そんなに揉めることはないと予想される。

というのもアメリカ政府にとって、当面の関心事は農産物だ。TPP(環太平洋経済連携協定)が発効したことで、たとえば日本のオーストラリア産牛肉の関税は段階的に9%まで引き下げられるが、アメリカ産は38.5%の関税がかかったまま。農業団体から「何とかしろ」と突き上げられている。日本側も「TPPと同じ水準に下げること」に異論はない。また日本側には、サービス部門でも通関手続きの簡素化ぐらいは受け入れる用意がある。

今月26-27日には、安倍首相とトランプ大統領が会談する予定。常識的に考えれば、その前に無用な衝突は避けるはずだ。だから今回の閣僚会議では、波風は立たない。しかし最初はグーでも、その後の交渉ではアメリカは強く出てくるに違いない。まず農産物の輸入関税をTPP以上に下げる。さらに自動車の輸入を増やせ。円相場の下落を導くような政策の規制などなど。本当の真剣勝負は、5月以降にやってくる。

                              (続きは明日)

       ≪15日の日経平均 = 上げ +298.55円≫

       ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ


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今週のポイント
2019-04-15-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ カベにぶつかった株価 = 日経平均は先週63円の値上がり。週の終り値は2万1871円となり、なんとか年初来高値に到達した。しかしTOPIXは5日間の続落。これからどんどん値を上げて行く雰囲気ではない。どうやら2万2000円が、手ごわいカベになってきたようだ。このカベを突き抜けるにはかなり大きな材料が必要だが、いまのところ視界には何も入ってこない。

ダウ平均は先週13ドルの値下がり。史上最高値の更新を目前にしながら、こちらも2万6500ドルがカベになっているようだ。それでもダウは年初来12%の上げ。上海総合の28%には及ばないが、日経平均の9%よりは大きい。こうした年初からの株価上昇率は、各国の景気対策と相関している。日本の財政支出増は、消費税による収縮を相殺するだけの効果しかない。

日米間の貿易交渉が、いよいよ始まる。今週15-16日の閣僚級会議で、アメリカ側がどんな要求をしてくるか。市場は聞き耳を立てるだろうが、あまり表面には出てこないかもしれない。一方、日米ともに企業の3月期決算発表が始める。経営者がことしの業績を、どう予想するのか。市場は一喜一憂しながら眺めることになる。

今週は16日に、2月の第3次産業活動指数。17日に、3月の貿易統計と訪日外国人客数。19日に、3月の消費者物価。アメリカでは16日に、3月の工業生産と4月のNAHB住宅市場指数。17日に、2月の貿易統計。18日に、3月の小売り売上高とカンファレンス・ボード景気先行指数。19日に、3月の住宅着工戸数。また中国が17日に、1-3月期のGDP速報と3月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。

       ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ


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大統領の 火遊び? ⇒ 原油の高騰
2019-04-13-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 計算違いで自身が火傷も = 原油の国際価格が、また急騰している。ニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)先物相場でみると、昨年末には1バレル=40ドル強だったものが、今週は64ドル台まで上昇した。最近の要因は、リビア国内での軍事衝突。OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどが減産を継続し、アメリカのシェール生産は増加している。にもかかわらず価格が上昇した背景には、トランプ大統領の思惑的な戦術が隠れているようだ。

サウジアラビアなどOPEC諸国とロシアは、全体で日量120万バレルを減産する協定を守り続けてきた。その一方、アメリカのシェール生産は増加し続け、ついにアメリカはロシアやサウジを抜いて世界一の産油国となっている。このため原油の国際価格は昨年を通じて下げ続けていた。それが急反発したのは、イラン、ベネズエラ、リビアという産油国が、立て続けにアメリカから経済制裁を受けたためである。

トランプ大統領はしばしば「原油価格は高すぎる」と批判しており、原油価格の高騰を嫌っていることは明らかだ。ガソリンが値上がりすると消費者の不満が高まり、その矛先は政府に向けられる。来年の大統領選挙を控えて、その思いは強まっているに違いない。その一方で反アメリカ的な国は敵国とみなし、経済制裁を徹底する外交戦略も重視している。

イラン、ベネズエラ、リビアに厳重な経済制裁を科せば、原油の国際価格は押し上げられる。しかし世界一の産油国になったアメリカが増産すれば、価格の上昇は抑えられる。トランプ大統領は、こう考えたに違いない。だが現実の価格は65ドルにまで上昇してきた。これが80ドルにもなったら、トランプ大統領は計算違いをしたことになる。何か新たな手を打ち出すのだろうか。

       ≪12日の日経平均 = 上げ +159.18円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】  


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イギリスの離脱は ない?
2019-04-12-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ EUが「10月末までの延期」を認めた真意 = EUは10日の首脳会議で「イギリスの離脱期限を10月31日まで延期する」ことを承認、イギリス側に通達した。ただし5月下旬に開くヨーロッパ議会に、イギリスが議員を送り込むことが条件になっている。このため今後の可能性としては①イギリス議会が10月末までに協定案を批准し、その時点で離脱する②ヨーロッパ議会に議員を送らず、6月1日に“合意なき離脱”となる――の2つに絞られたとみられている。

だがアイルランドとの国境問題を巡って、イギリス議会がまとまる気配は全くない。しかしイギリス議会は「合意なき離脱には反対」の決議をしている。すると①も②も実現する可能性はゼロに近い。残された道は、国民投票によって“残留”を決めるしかないのではないか。EUはそのために必要な時間を、イギリスに与えたのではないか。

いまのイギリス議会は離脱派と残留派が伯仲しており、メイ首相がどんな提案を出しても否決されてしまう。だが“合意なき離脱”の恐ろしさが判ってきたので、これだけは避けたいという主張が多数を占める。この点は一般国民も同じで、いまもし国民投票を実施すれば“残留”票が過半数を占める確率はきわめて高い。

EUはこの方向を、最も望ましいと考えている。イギリスには大きな貸しを作れるし、他の加盟国に対する“みせしめ”にもなる。経済に及ぼす悪影響も、最小限度に抑えられる。もっとも、その場合でもイギリス国内での離脱派と残留派の激しい対立は続くだろう。しかし分裂はイギリスの国内問題に限定されるから、EUとしては傍観していればいい。

        ≪11日の日経平均 = 上げ +23.81円≫

        ≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ


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