経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
苦しくなってきた イギリス経済 (下)
2017-08-18-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ メイ首相が30日に初来日 = ポンド安⇒物価高⇒景気下降の悪循環は、今後も進行する可能性が大きい。イングランド銀行はポンド安を阻止するため金利の引き上げを検討したようだが、利上げは景気をいっそう悪化させる心配があって決断し切れない。そうこうしているうちに成長率がマイナスに落ち込めば“インフレ下の不況”になって、国民の不満は高まる危険性がある。

イギリスのEU離脱は19年3月に実現する。EU側に本拠を移そうと計画する企業は、営業権の獲得などの準備に1年はかかるだろう。したがって逆算すると、ことしの年末から来年春にかけて最終的な決断を下さなければならない。つまりイギリスからの脱出は、これから本格化することになるだろう。

離脱交渉もこれから本格化するが、イギリス政府が望む「過渡的な関税引き下げ協定」が結べる可能性は決して大きくない。EU側とこの協定が結べないと、イギリスのEUに対する輸出は激減する恐れがある。そこでイギリス政府は、アメリカや中国などEU以外の主要国との間でFTA(自由貿易協定)を締結したい考えだ。

こうした数多くの難題を抱えて、メイ首相が30日に日本を訪れる。安倍首相は「北朝鮮に対する制裁の強化で結束」などを話し合うなどと言っているが、メイ首相はそれどころではない心境だろう。この際は日本政府も2国間FTAの締結に向けて“思いやり外交”を展開したら、どうだろうか。

      ≪17日の日経平均 = 下げ -26.65円≫

      ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ

           
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苦しくなってきた イギリス経済 (上)
2017-08-17-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 外国企業の脱出も始まる = イギリスが国民投票でEU離脱を決めてから1年2か月。その悪影響が明白に現われてきた。この1年2か月の間に英ポンドの為替レートは1割以上も下落、このため物価が上昇して消費が抑制されている。たとえば5-7月の消費者物価は前年比2.6-2.9%と、4年ぶりの上昇率に。7月の小売り売上高は前月比0.9%増まで鈍化している。製造業の生産高は、このところ全く増えていない。

4-6月期のGDP成長率は0.3%に落ち込んでいる。昨年同期のちょうど半分に減速した。物価上昇率が賃金の上昇率を上回りつつあるから、国民の不満も高まり始めた。そうしたなかで特に注目されるのは、これまで上げ基調だったロンドンの不動産価格が上げ止まったこと。これは外国企業がロンドンから撤退し始めた影響だとみられている。

英大手会計事務所が7月に行った調査によると、イギリスで業務する大手金融機関のうちアイルランドのダブリンに本拠を移したところが19、フランクフルトが18、ルクセンブルクが11となっている。日本の金融機関も、三菱UFJ証券がアムステルダム。野村ホールディングス、三井住友銀行、みずほ証券などは、フランクフルトに業務の中核を移す方針だ。

その一方で、7月17日から始まったイギリスとEUの本格的な離脱交渉は難航している。今後の交渉を離脱の条件と離脱後の関係に分けて行うことでは一致したが、イギリスがEU分担金600億ユーロを支払うかどうかで大揉め。なかなか本題には入れそうにない。この交渉に進展がみられないと、それだけポンド相場の下落や外国企業の脱出に拍車がかかる可能性がある。

                        (続きは明日)

      ≪16日の日経平均 = 下げ -24.03円≫

      ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ

              
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2年ぶりの 4%成長だが・・・
2017-08-16-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 立ちはだかる北朝鮮リスク = 内閣府は14日、4-6月期のGDP速報を発表した。それによると、実質成長率は前期比で1.0%、年率換算では4.0%の高い伸びとなった。事前に民間の調査機関が算出した2.5%前後の予測を大きく上回っている。四半期の実質成長率が4%台になったのは、15年1-3月期以来のこと。名目成長率は年率4.6%だった。

成長率が跳ね上がった理由は、個人消費と企業の設備投資、それに政府の公共投資という内需の3本柱がそろって増大したため。GDPの6割以上を占める個人消費は年率3.7%と、久しぶりに大きく増加した。設備投資も9.9%増加した。人手不足に対処するための省力化投資も、目立ってきたようだ。また公共投資は21.9%増えている。

日本の経済成長率は、このところ平均すると1%にも達しない。アメリカやヨーロッパ諸国と比べても、元気のなさが目立っていた。それが4%成長に飛び上がったのだから、ある意味では驚きである。仮にこの調子がもう少し続けば、経済の好循環が始まる可能性も出てくるだろう。最も喜んでいるのは安倍首相かもしれない。

だが4%成長が発表された14日の株価は、大幅に下げた。北朝鮮リスクが、いぜん尾を引いているからである。このリスクが長引くと、個人消費や設備投資は再び引っ込んでしまうかもしれない。4-6月期の4%成長が一瞬のアダ花に終わってしまう危険性は、どうしても否定できない。

      ≪15日の日経平均 = 上げ +216.21円≫

      ≪16日の日経平均は? 予想 = 下げ

          
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北朝鮮リスクの衝撃度 : ウォール街
2017-08-15-Tue  CATEGORY: 政治・経済
恐怖指数が倍近くに上昇 = 北朝鮮がグアム島を標的にICBM(大陸間弾道弾)を発射すると発表したため、先週10日のダウ平均は200ドル以上も急落した。特に“恐怖指数”と呼ばれるVIX(予想変動率)が急上昇して注目を集めている。7月末には8台だった指数が、10日には16台にまで2倍近くの水準に跳ね上がった。

VIXというのは、SP500のオプション取り引きを基に算出される指数。3か月後の株価がどのくらい変動するかを予測するもので、市場の将来に対する不透明感が拡大すると、指数は上昇する。恐怖指数と言っても戦争の脅威だけではなく、たとえばリーマン・ショックやイギリスがEU離脱を決めた国民投票などのときにも、指数は上昇した。

ウォール街では今回のVIX上昇に関連して、ある著名な証券ストラテジストが「こんどの事態と比較できるのはキューバ危機だけだ」と論評して、大きな話題となっている。キューバ危機というのは冷戦のさなかの1962年に、当時のソ連がキューバに核兵器を持ち込もうとして、米ソが一瞬即発の状態に追い込まれた事件。そのとき以来の緊張感だというわけだ。

北朝鮮リスクが長引けば長引くほど、VIXは上昇する可能性が大きい。当然ながら株式は売られやすくなり、経済全体にも悪影響が及ぶ。そこで最も警戒されるのが、アメリカ経済の景気後退入りである。すでに8年間も回復を持続してきたアメリカ経済には、自動車の販売不振など異常な面も散見され始めた。VIXのさらなる上昇が、アメリカの景気にどんな影響を及ぼすのか。ニューヨーク市場の関心は、そこに集中しそうだ。

      ≪14日の日経平均 = 下げ -192.64円≫

      ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ

              
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今週のポイント
2017-08-14-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 北朝鮮の脅威で株価が急落 = 2か月以上も膠着状態を続けていた日経平均が、先週9日に257円も急落した。北朝鮮がグアム島をICBM(大陸間弾道弾)の標的にすると発表したためである。北京や香港、ソウル市場などの株価も大幅に下げ、さらにロンドンやフランクフルトなどヨーロッパ市場にも株安は波及した。日経平均は週間223円の値下がり。

ニューヨーク市場の株価も10日になって急落した。ダウ平均は先週月曜日まで10日間の連騰、新高値を切り上げていた。北朝鮮による日本海に向けたICBMの発射などは、無視してきたわけである。ところが今回はグアムが標的として名指しされたため、市場も深刻に受け止めたようだ。ダウ平均は週間234ドルの値下がり。

この緊張状態は、どこまで続くのか。その見通しは、極めて困難だ。北朝鮮は本当にICBMをグアムに向けて発射するのか。アメリカはどう対応するのか。正確に予想できる人はいないだろう。また緊張状態が長引いた場合、円相場は上昇し続けるのか。ニューヨークの株価は、これをきっかけに下降局面に入るのではないか。こうした疑問に答えることも、きわめて難しい。

今週は14日に、4-6月期のGDP速報。16日に、7月の訪日外国人客数。17日に、7月の貿易統計。アメリカでは15日に、7月の小売り売上高と8月のNAHB住宅市場指数。16日に、7月の住宅着工戸数。17日に、7月の工業生産とカンファレンス・ボード景気先行指数。18日に、8月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が14日に、7月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額。EUが16日に、4-6月期のGDP速報を発表する。

      ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2017-08-13-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第14章 景気対策って、なんだろう? ⑮

◇ 新幹線と自転車 = 政府は「第2次安倍内閣が発足した12年12月以来、景気はずっと回復を続けている」と強調しています。内閣府の発表によると、その長さはことし2月で57か月。1990年前後のバブル経済期に作った51か月を抜いて戦後3番目の記録になりました。もし9月まで回復が続くと、1965-70年の“いざなぎ景気”を抜いて戦後2番目の長さになるそうです。

ところが現在「景気がいい」と感じている人は、そんなに多くありません。というのも今回の景気回復は、とても勢いが弱いからです。たとえばGDP成長率でみると、今回の回復期は年平均で1%にも達していません。これに対して“いざなぎ景気”のときは、年平均が10%を超えていたのです。

仮に年平均1%の成長が続いた場合、GDPの実額が2倍になるためには70年近くかかります。これに対して10%成長なら、GDPは7年ちょっとで2倍になってしまいます。いわば景気回復のスピードが、新幹線と自転車ほども違うのです。ですから、いまは景気回復と言われても、なかなか実感が湧きません。

もちろん一国の経済が成熟すると、成長率が低下することは避けられません。たとえば16年の場合、中国の成長率は6.7%、インドは6.8%でした。これに対して先進国と呼ばれるアメリカは1.6%、ドイツは1.8%です。日本の1.0%は、どうも低すぎる感じがしますね。本当なら景気対策を打ち出し、もう少し成長率をあげたいところですが、財源がないので我慢しているのが実状です。

                             (続きは来週日曜日)


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サタデー自習室 -- 水の 経済学 ⑲
2017-08-12-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 東南アジアでも激しい競争 = 世界の水ビジネス企業は、いま巨大な需要が見込める中国に殺到している。しかし沿海部の重要な都市には、フランスなどのメジャー企業がすでに進出。内陸部では地方政府の権限が強く、地元企業と連携しなければ入札にも参加しにくい。日本の企業も含めて、後発組は悪戦苦闘している例も少なくないようだ。

インドは水ビジネスの民営化が遅れており、需要はまだ大きくない。そこで各国の水ビジネス企業は、東南アジアに目をつけることになる。ところが東南アジア諸国の需要は、国や地域によって千差万別。きれいな上水、海水の淡水化、下水の処理、工業用水の確保から、水道水の漏水や盗難の防止まで。キメ細かい対応が要求される。

さらに財政的に苦しい国や自治体も多いから、コストの点でも要求はきつい。水質の完全性よりは、コストの安い方がいいという要求も少なくないという。またシンガポール、フィリピンなど地元の水ビジネス企業も力をつけてきた。こうしたなかで、日本の企業も東南アジア諸国にはいろいろな形で進出している。

だが経済産業省の資料によると、東南アジアの水ビジネスに占める日本の割合はまだ1.2%に過ぎない。北米の0.1%、中国の0.6%に比べれば多少は高い比率だが、出遅れてしまったことは間違いない。水ビジネスの将来性に気付くのが遅かったと言えるだろう。対照的にアジアのなかで、大成功したのがシンガポールである。

                       (続きは来週サタデー)

      ≪10日の日経平均 = 下げ -8.97円≫

      【今週の日経平均予想 = 2勝2敗】   


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日米ともに 絶好調 : 企業の業績
2017-08-10-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 東京の株価は反応せず = アメリカ企業の4-6月期決算発表が、ピークを過ぎた。トムソン・ロイター社の推計によると、主要500社の純利益は前年同期比で8.5%の増加になる見通し。4四半期連続の増益となって、利益の水準は過去最高。1株当たりの利益も140ドル近くに達するという。このためニューヨーク市場の株価は、連日のように史上最高値を更新している。

日本の決算発表は、ピークを迎えた段階。日経新聞がこれまでの発表分を集計したところ、売り上げは前年比7.7%増、純利益は43.3%の増加となった。また製造業を中心に、18年3月期の見通しを上方修正した企業も少なくない。これまでに決算を発表した企業の7.8%が上方修正。下方修正した企業は0.6%にとどまっている。

ニューヨーク株式市場はこの好決算を素直に受け入れ、ダウ平均は2万2000ドルを突破した。ところが日経平均は2万円を軸に、小浮動を繰り返すばかり。もちろん好決算を受けて急伸した銘柄もないではないが、全体としての株価はほとんど上昇しない。

数字のうえからみると、アメリカの増益率は前1-3月期の半分に縮小している。一方、日本企業の増益率はきわめて高い。加えて通期の見通しも好転している。それなのに株価が動かないのは、なぜなのだろう。その答えが出ないうちに、9日の東京市場は北朝鮮問題の緊迫化を受けて大きく下落した。

      ≪9日の日経平均 = 下げ -257.30円≫    

      ≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ


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