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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
下げ止まった鉱工業生産
2007-08-01-Wed  CATEGORY: 政治・経済
低下気味だった鉱工業生産が、下げ止まった。経済産業省の発表によると、6月の生産指数は前月比1.2%の増加。4か月ぶりの上昇である。出荷も増加、在庫は減少という、いい形を記録した。予測調査では、7月が1.8%、8月も4.9%の増加となっている。

業種別にみると、電子部品・デバイス、輸送機械、情報通信機械などの生産が増加。一般機械、電気機械、プラスチック製品などが減少した。ここ3か月ほど低下していた部門が、軒並み盛り返した。特に自動車生産が上向きになった点は、景気にとって大きなプラス要因と言えるだろう。

鉱工業生産は、ことしに入ってから低下傾向。2月は前月比でプラスになったが、あとはマイナス。経済産業省も5月の水準をみて、全体の判断をそれまでの「緩やかな上昇傾向」から「横ばい」に下方修正していた。

それが4か月ぶりに増加に転じた。しかも7月、8月の予測は増加となっている。にもかかわらず、今回は判断を「横ばい」のまま据え置いた。これはちょっと慎重に過ぎる感じだ。もしかすると、中越沖地震の影響を考慮に入れたのかもしれない。とにかく予測通りに推移すれば、景気はことし前半の中だるみ状態から抜け出す可能性が大きくなると思われるのだが。

    ≪31日の日経平均 = 下げ≫

    ≪1日の日経平均は? 予想=下げ

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判りにくい失業・家計・勤労統計の関係
2007-08-02-Thu  CATEGORY: 政治・経済
総務省が発表した6月の完全失業率は3.7%だった。前月より0.1ポイントの低下で、雇用情勢の改善が持続していることを示している。就業者数は前年比で53万人の増加。失業者数は37万人減った。特に高卒、大卒者の就職内定率が上がったため、若年層の失業率が目立って改善した。

同じく総務省が発表した6月の家計調査によると、1世帯平均の消費支出は実質で前年比0.1%の増加。6か月連続のプラスとなった。またサラリーマン世帯の実収入は、前年比7.6%増と大きく伸びている。可処分所得も7.6%増加、6月としては94年以来の高い伸びを記録したという。

雇用統計と家計調査をみる限り、年初から停滞気味だった景気は6月になって回復の勢いをやや増してきたように思われる。ところが厚生労働省が発表した6月の勤労統計調査は、ちょっと感じが違う。現金給与総額は、前年比1.1%の減少。これで7か月連続の減少となった。このうち基本給は0.1%の減少。賞与も2.3%減った。厚生労働省では「団塊世代の大量退職が響いた」と説明している。

就業者が増え、サラリーマン世帯の平均実収入も大幅に増加した。それなのに現金給与総額が減り続けているのは、なぜだろう。調査の対象や方法が違う、と言ってしまえばそれまでだ。しかし、どうして違いが生じるのかは、役所はむろんのこと、新聞もエコノミストも納得のいく解説はしていない。

    ≪1日の日経平均 = 下げ≫

    ≪2日の日経平均は? 予想=上げ

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地価上昇で 損をする人
2007-08-03-Fri  CATEGORY: 政治・経済
国税庁が発表したことし1月1日現在の路線価。標準宅地の全国平均価格は1平方メートル当たり12万6000円。前年比8.6%、2年連続の上昇だった。3大都市圏ばかりでなく、地方の中核都市にも上昇の波が広がり始めたことが大きな特徴だ。

東京圏の上昇率は13.1%、大阪圏8.1%、名古屋圏9.1%で、いずれも前年の伸び率を大きく上回っている。都道府県別でみると、12都道府県が上昇、横ばいが4県、下落は31県。前回のバブル期には全国で一様に上昇したが、今回は二極化の傾向が鮮明になっている。

地価が上がると、喜ぶ人は多い。だが不動産業の人は別として、ふつう一般の人は自分が住んでいるから、おいそれとは売れない。資産価値が上がって借金の担保価値は上昇するが、だからといって一般の人は借金をするわけでもない。将来の売却価格が上がるだろうと期待しても、その時点の価格が保証されたことにはならない。

路線価というのは、国税庁が相続税や贈与税の算定基準にするため調査し、公表しているもの。だから、ごく一部の人を除けば大半の人にとって、その上昇は“損”になると考えた方が正しい。公示価格も上昇すれば、固定資産税が増えるだけである。ただ地価の下落が止まらない地方の現状は、人口流失などで景気の回復が遅れている証拠。地価は下がった方がいい、というわけでもない。

    ≪2日の日経平均 = 上げ≫

    ≪3日の日経平均は? 予想=上げ

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サタデー自習室 ―― 円の軌跡 (1)
2007-08-04-Sat  CATEGORY: 政治・経済
1)円の誕生 = みんなが毎日お世話になっている円。その誕生は1871年(明治4年)だから、ことしで136歳になる。この年、明治政府は日本の近代国家体制を作り上げる一環として新貨条例を制定。円を日本の通貨単位と定めた。そのなかで1円の価値を純金1500ミリグラムと決め、1円のほか5円、10円、20円の貨幣を鋳造した。いまは「円」と書いているが、当時は当然ながら「圓」である。

この1円の金価値は、当時の1米ドルと同じ。したがって1円=1ドルだった。また補助単位として、円の100分の1を銭、1000分の1を厘と決めた。同時に「両」の時代には4進法だった計算法を改め、10進法を採用している。

なぜ「円」という名称になったのかは、はっきりしていない。一説によれば、新貨条例の建議を出した大隈重信候が、人差し指と親指でマルを作り「これがいい」と決めたともいう。また貨幣を小判型ではなく円形にしたので、この名前になったという説もある。ローマ字で Yen(¥)としたのは、en だと「イン」と読まれるのを避けるための工夫だったという。

紙幣については、1872年(明治5年)にドイツの会社に印刷を委託し、初めての紙幣である「明治通宝」を発行。81年からは自前での印刷を開始した。そのとき神功皇后の肖像を使ったが、原版をイタリア人のキヨソネに頼んだため、皇后が外国女性風になってしまったそうだ。

                  (続きは来週サタデー)

    ≪3日の日経平均 = 下げ≫

    【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2007-08-05-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第6章 会社って、なんだろう? ①

みんなの家の、お父さんやお母さん、お兄さんやお姉さん。だれか会社に勤めている人はいますか。その会社の名前を言えますか。そのほかにも知っている会社があれば、名前を紙に書いてみましょう。いくつ書けましたか。

日本には、会社が数え切れないほどあります。どんな会社かをみるには、どうしたらいいでしょうか。たとえば学校なら、小学校、中学校、大学校に分けられます。また公立か私立か、でも分けることができますね。

会社にも、いろいろな分け方があります。株式会社か、そうでない会社か。大きさはどうか。どんな業種か。もうかっているかどうか、など。きょうはそのうちの1つだけ、製造業か非製造業かを考えてみましょう。製造業というのは、モノを作っている会社。非製造業というのはモノを作らない会社です。

製造業にもいろいろあります。鉄を作る会社、飛行機を作る会社、テレビや冷蔵庫、洋服や化粧品、ビールやパン・・・。非製造業はどうでしょう。電力やガス、鉄道やバスやタクシー、デパートやスーパーやコンビニ、銀行や飲食店・・・(電力会社は電気を、ガス会社はガスを作っていますが、電気やガスはモノとは考えません)。ほかにも考えてみてください。お父さんが勤めている会社は製造業ですか、それとも非製造業ですか。

                   (続きは来週日曜日)

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今週のポイント 
2007-08-06-Mon  CATEGORY: 政治・経済
先週のこの欄で「サブプライム不安は落ち着くのか。参院選の後遺症は小さいのか。その答えは、日米両国の株価が示してくれる」と書いた。株価が示してくれた結果は、両国ともに大幅な下落。ダウ平均は乱高下の末に、1週間で176ドルの下げ。日経平均も前週に続いて303円値下がりした。

特にアメリカのサブプライム(信用度の低い住宅ローン)問題は、状況が悪化している。これまではローンの焦げ付きで一部のヘッジファンドが経営危機に陥り、これが市場のムードを暗くしていた。ところが先週は、この問題が住宅産業全体に悪影響を及ぼし、住宅価格の下落や販売の鈍化が明らかになった。

アメリカ経済の現状は、全体としてみる限り順調である。企業の業績は好調だし、景気も拡大中だ。しかし住宅問題が景気の足を引っ張るのではないか、という不安が出てきたことは事実。財務長官やCEA(大統領経済諮問委員会)の委員長たちが、口を揃えて「経済は健全」と言い出したことが、その証拠だろう。

住宅問題がアメリカの景気に、どこまで悪影響を与えるかはまだ不明。8日にはアメリカの住宅ローン指数が発表される。その内容と、これにダウ平均がどう反応するか。ダウがさらに下落するようだと、円キャリーの解消で円相場は上昇。日本の株価も下値を模索する展開になりかねない。

    ≪6日の日経平均は? 予想=下げ

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景気動向指数の信頼度は?
2007-08-07-Tue  CATEGORY: 政治・経済
内閣府が6日発表した6月の景気動向指数。景気の現状を表わす一致指数は77.8%で、3か月連続して50%を上回った。一致指数は11個の景気指標をもとに、内閣府が算出している。50%を上回れば景気は上向き、下回れば下向きと判定される。3か月連続で50%を上回ったため、景気はこのところ順調に回復しているということになる。

だが4-6月の景気は、そんなに好調だったのか。どうも実感とは、かなり乖離しているように思われる。たとえば間もなく発表される4-6月期のGDP(国内総生産)統計は、かなり落ち込みそう。もしそうなれば、どちらの統計を信用していいのか。

6月の先行指数は80.0%に跳ね上がった。こちらはずっと50%を割り込み続けており、50%を超えたのはなんと1年ぶり。先行指標は12個の統計をもとに算出する。5-6か月後の景気を予測する指数だと内閣府は言っている。ところが昨年7月から50%を超えていないのに、一致指数が50%を割り込んだのはことしの1-3月だけ。つまり先行指数は、あまり当たっていなかったことになる。

景気動向指数は、景気の山や谷の判定にも使われる重要な経済指標だ。それが最近は、どうも実際の動きとかなり食い違っているような気がしてならない。政府の政策や民間の企業経営にも大きな影響力を持っているだけに、その信頼度の低下は大きな問題だ。内閣府は算出方法の改善を考えるべきではないのか。

    ≪6日の日経平均 = 下げ≫

    ≪7日の日経平均は? 予想=上げ

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労働白書で 欠落した視点
2007-08-08-Wed  CATEGORY: 政治・経済
厚生労働省が発表した07年度の労働経済白書。いま高水準の利益をあげている企業は、その利益をもっと雇用の拡大や賃金の上昇に配分すべきだと指摘した。お役所が作った白書にしては、なかなか大胆な主張である。たしかに所得が増えて個人消費が伸びないと、景気回復の長期的な持続はむずかしい。

だから白書の指摘は、まったく正しい。しかし白書はこの問題についての、もう1つの側面を見落としている。それは団塊世代の大量退職が、全体の所得を引き下げているのではないかという疑問。要するに高い所得の人が退職し、所得の低い若い人が就職する結果として、全体の所得が下がっているのではないかという分析である。

たとえば、ある会社で年収800万円の人が2人定年退職したとする。それを埋めるため、この会社は年収300万円で若い人を3人雇用した。すると雇用者数は1人増えるが、人件費は700万円も減ってしまう。この場合、この会社は利益を賃金に回していないと批判されても、まったく迷惑な話である。

団塊の世代の人たちも、全部が定年で退職するわけではない。子会社に転出したり、嘱託で残ったりする例も多い。だから日本全体として人件費がどのくらい減っているかを、正確には算定し難い。それが出来るのは厚生労働省だけ。その白書なのだから、この辺をきちんと試算し、そのうえで労働分配率を高めるべきだと主張して欲しかった。

    ≪7日の日経平均 = 上げ≫

    ≪8日の日経平均は? 予想=下げ

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大田弘子大臣への質問状(上)
2007-08-09-Thu  CATEGORY: 政治・経済
 拝啓  経済財政担当大臣 大田弘子さま
貴女は今週の記者会見で「脱デフレは後ズレしている」と発言されたそうですね。過去に何回も、同様の発言をされています。つまり日本経済はまだデフレ状態から抜け出ていないという認識を、ずっとお持ちになっているように見受けられます。

そこで単刀直入に、貴女の言うデフレとは何なのかをお聞きしたい。経済学では、デフレとは物価の下落が続く状態と定義していますね。物価の上昇が続くインフレの反対語です。とすれば、いまの日本経済は果たしてデフレなのでしょうか。

たしかに消費者物価指数だけを捉えてみれば、生鮮食料を除く指数は前年比で0.1%の下落が3か月続いています。しかし企業物価指数はこの3か月間、2.2%-2.3%の上昇ですね。この卸売り段階での値上がりが消費者段階にも波及して、このところは値上げのラッシュ。食料、紙、石油製品、金属、合板、それにガソリン、クリーニング代までが、じわじわと上がっています。

にもかかわらず消費者物価が上昇しないのは、単価の大きい薄型テレビやパソコンなどの電子製品が大幅に値下がりしているため。そんなことは釈迦に説法ですが、土地も大幅に上昇してきたではありませんか。庶民にとってみれば10年に1度買うか買わない電子製品のためにデフレだと言われても、実感とは全く一致しないのです。

                      (続きは明日)

    ≪8日の日経平均 =上げ≫

    ≪9日の日経平均は? 予想=上げ

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大田弘子大臣への質問状(下)
2007-08-10-Fri  CATEGORY: 政治・経済
デフレという言葉には、不況の意味が込められる場合もないではありません。物価が下がる原因はいろいろですが、需要の不足も大きな原因の1つです。需要不足は景気を悪くし、同時に物価を引き下げることがあるため、デフレ=不況という感覚が生じるのでしょう。

いまの日本経済は2%程度の成長ながら、拡大しています。ですから不況ではありません。貴女も7日の月例報告で「景気の回復は続いている」と報告された通りです。ただ貴女のこれまでの言動からは、もしかして「いつまた不況になるか心配」というニュアンスも感じられます。しかし景気回復が無限に続くことはありえません。そんなことを心配していたのでは、インフレにでもならなければ、デフレ脱却などは永久に宣言できないでしょう。

ふつうの国民は、景気が上向きである限り、物価は安い方がいいと考えています。この立場からみると、貴女の発言は物価は上がった方がいい、というように受け取れます。これは、どう考えてもおかしい。この辺でデフレ警戒論は、お止めになったらいかがですか。

もし日銀の利上げを牽制するのが目的でしたら、表現を変えていただきたい。貴女がいつまでもデフレ警戒論に固執していると、国民は日本経済の実態に無用の不安を感じるでしょう。外国人からみれば、日本政府は経済の先行きに自信がないと映るだけです。安倍内閣では最高の経済通である貴女。ご自身の発言の心理的な副作用についても、ぜひお考えください。   敬具

    ≪9日の日経平均 =上げ≫

    ≪10日の日経平均は? 予想=下げ

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サタデー自習室 ―― 円の軌跡 (2)
2007-08-11-Sat  CATEGORY: 政治・経済
2)円と戦争 = 誕生してからの円は、ある意味では戦争に翻弄されたと言っていい。まず1877年(明治10年)の西南戦争。政府が戦費調達のため大量の紙幣を発行したことで、大インフレが発生。円の価値は急落した。この処理をめぐって81年に大隈重信が失脚。大蔵卿となった松方正義が厳しい財政緊縮策を断行したため、日本経済は深刻なデフレに見舞われることとなった。

1882年には、日本銀行が設立された。85年から日本銀行券の発行が始まったが、この日本最初の日銀券にはなんと蒟蒻(こんにゃく)が含まれていたため、虫やねずみに食い荒らされて困ったと伝えられる。いろいろ流通していた各種の紙幣が回収され、日銀券だけに統一されたのは、1899年のことだった。

その直前の1897年(明治30年)に、貨幣法が成立。日清戦争の賠償金を紙幣の兌換準備に充てることで、本格的な金本位制が確立した。紙幣を日銀に持って行けば、同価値の金と交換できるという制度である。ただ、このとき1円=金750ミリグラムに改定されたので、1円の重みは当初の半分となった。

この金本位制、つまり紙幣の兌換制度は、1917年(大正6年)に停止された。第一次世界大戦が勃発したためである。その後、1930年(昭和5年)になって復活したが、翌31年には再び停止されてしまった。不幸なことに世界大恐慌が起り、金本位制を取り続けていた日本から、たとえば2か月間で現在の価格にして10兆円もの金が海外に流失。これに耐えられなかった。

                  (続きは来週サタデー)

    ≪10日の日経平均 = 下げ≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2007-08-12-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第6章 会社って、なんだろう? ②

世界で初めての会社は、1602年にオランダで作られた「東インド会社」だといわれています。日本では関ヶ原の合戦があった2年後、徳川家康が江戸幕府を開いた前年のこと。ずいぶん古い会社です。

そのころヨーロッパでは、スペインとイギリスとオランダの3国が張り合っていました。3国ともアフリカ大陸の南を回ってインドや東南アジアへ進出。胡椒(こしょう)をはじめアジアの珍しいものを持ち帰って、大きな利益をあげていました。冷蔵庫がなかった当時は、肉が腐るのを防ぐため胡椒はとても大切なものだったのです。

しかし木造の船でアジアまで航海するのは、とても危険な旅でした。いい船を造り、優秀な乗組員を集めるのにはおカネがかかります。そこでオランダでは、金持ちの商人からおカネを集め、会社という組織を作ったのです。

おカネを出した人たちは、東インド会社の株主になりました。会社はそのおカネを使って、大きな船を造り、アジアから品物をどんどん運んできます。それを売ってもうけが出ると、それを株主に分けるのです。これを配当(はいとう)と言います。ですから東インド会社の目的は、できるだけ大きな利益をあげること。株主は配当を目当てに、おカネを出したのでした。

                   (続きは来週日曜日)

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今週のポイント 
2007-08-13-Mon  CATEGORY: 政治・経済
アメリカのサブプライム(凖優良住宅ローン)問題に端を発した市場の不安ムードは先週、一気に拡大してしまった。サブプライムを小口化した債券に投資したファンドの損失が、ドイツやフランスでも発覚した。日本でも野村ホールディングスが、726億円の損失を発表。この問題はアメリカだけに止まらず、国際的な広がりを持ってきた。

驚いた金融当局は、信用不安を防ぐため短期市場に対する大量の資金供給を発表。日米欧の中央銀行は、先週後半の2日間だけで合計34兆円にものぼる資金を供給した。しかし各国の株価は大幅に下落。9、10の2日間でダウは418ドル、日経平均は265円の下げ。ヨーロッパやアジア市場も3-6%下げている。

アメリカでは、6月の新築住宅販売件数が前月比で6.6%も減少した。不安心理が高まったことと、金融機関の審査が厳重になったことが原因。株価の下落が購買意欲を冷やすと、さらに販売が鈍化するかもしれない。それが住宅着工にまで響くと、実体経済への悪影響は免れない。

今週はこうした心理的な不安が鎮まる兆候をみせるのか。実体経済への影響を遮断できるのかどうか。また各国の株価がどう動くのか。そこがポイントだ。この点で、今週いちばん先に取り引きが始まる東京市場の動向には、世界の注目が集まるだろう。

    ≪13日の日経平均は? 予想=下げ

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景気はいいのか、悪いのか?
2007-08-14-Tue  CATEGORY: 政治・経済
内閣府が13日発表した4-6月期のGDP(国内総生産)速報。実質成長率は年率換算で0.5%だった。1-3月期の3.2%に比べると、大幅な鈍化。ゼロ成長すれすれの低空飛行に戻ってしまった。企業の設備投資は4.9%増と健闘したが、個人消費、住宅投資、輸出が振るわなかった。

昨年秋以降の推移をみると、10-12月期が5.4%、1-3月期が3.2%だったから、成長率は急降下した形になっている。じっさい4-6月期の景気はかなりスローダウンしたように感じられたが、この数字はその感じを裏付けるものとなった。まだマイナスにまでは落ち込んでいないが、ほとんどゼロ成長だったわけである。

ところが、同じ内閣府が作成する景気動向指数は、逆の動きをしている。動向指数は毎月の数字で表わされ、50%を超えると景気は上向き。また数字が大きいほど、景気上昇の力が強いことを示すように作られている。昨年10-12月は毎月54-68%の間、したがってGDPの5.4%とよく対応していた。本年1-3月は9-27の間に下がり、GDPも3.2%に減速した。

しかし4-6月の動向指数は、60-77%という高さ。昨年10-12月よりもかなり高い。にもかかわらず、GDPはわずか0.5%へと急減した。GDPは経済活動の結果を最終的に示す指標。動向指数は景気変動の山と谷を決めるのにも使われる指標。きわめて重要な2つの指標が、逆のことを告げている。景気はいいのか、悪いのか? 内閣府は説明すべきだろう。

    ≪13日の日経平均 =上げ≫

    ≪14日の日経平均は? 予想=上げ

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日銀は利上げのメリットを宣伝せよ(上)
2007-08-15-Wed  CATEGORY: 政治・経済
日銀は来週22、23の両日、政策決定会合を開く。参院選も終わったことから、ここで利上げに踏み切るはずだったが、周囲の状況は急速に悪化してしまった。1つは、アメリカのサブプライム(凖優良住宅ローン)焦げ付きに端を発した世界的な信用不安の影。もう1つは、4-6月期のGDP(国内総生産)が予想以上に落ち込んだことである。

サブプライム不安は、各国の中央銀行が大量の資金を市中に放出したことで、いまは小康状態を取り戻している。だがアメリカの住宅市場はかなりの打撃を受けるにちがいない。その影響はこれから徐々に表面化するだろうから、日銀が決定会合を開く来週までに問題が終息することは全く期待できない。

4-6月期の実質成長率はかなり鈍化すると予想されていたが、年率で0.5%という数字は予想を大幅に下回る低水準だった。特にこれまでの成長を支えてきた輸出の落ち込みは、ショッキングだったと言えるだろう。昨年10-12月期からみると、成長率の低下が急角度な点も気になるところだ。

このような環境の悪化を無視して、日銀が利上げを決めることはきわめて困難だろう。8月もまた政策金利の引き上げは、見送られる公算が大。それは仕方がない。だが、できるだけ早い時点で利上げをするために、日銀はもっと国民に対して、利上げすることのメリットを判りやすく説明すべきではないか。

    ≪14日の日経平均 = 上げ≫

    ≪15日の日経平均は? 予想=下げ

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日銀は利上げのメリットを宣伝せよ(中)
2007-08-16-Thu  CATEGORY: 政治・経済
福井総裁をはじめ日銀幹部は、これまでも「利上げが遅れると、金融政策面からの刺激効果が強まり、景気が上ぶれする危険がある」と説明している。しかし、この説明は当たり前のことを難解に言っただけ。一般の国民には、なんとも判りにくい。もっと具体的で判りやすい宣伝を、大々的にやったらどうだろう。

たとえば① 銀行の預金金利がきわめて低いために、91年から05年の間に家計が失った利子所得の累計は331兆円に達すると、日銀自身が試算している。政策金利を0.5%上げると、家計の利子所得はいくら増えるのだろう。預貯金と年金だけで生活している人たちも、懸命に貯金をしている若い人たちも、大歓迎するにちがいない。また増えた利子所得の一部が消費に回れば、景気にとってもプラスになる。

たとえば② 金利水準の上昇は、円相場を引き上げる方向に働く。現在のような過度の円安水準が是正されれば、輸入物価は安くなる。食料や資源の相場が世界的に値上がりしているいま、少しでも輸入価格が下がれば、輸入品に頼っている企業は楽になる。個人の生活にとっても、メリットは大きい。

たとえば③ 金利をある程度まで上げておけば、景気が下降を始めたときに引き下げて景気にテコ入れができる。現在の金利水準では、引き下げの余地がない。財政の発動もムリだから、先進国のなかでは日本だけが景気対策としての政策手段を持っていないことになる。これで、いいのだろうか。

    ≪15日の日経平均 = 下げ≫

    ≪16日の日経平均は? 予想=下げ

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日銀は利上げのメリットを宣伝せよ(下)
2007-08-17-Fri  CATEGORY: 政治・経済
たとえば④ 日本はまだデフレだ、と思っている人は多い。だが世界経済の流れは、確実にインフレへと向かっている。日本の消費者物価も、値下がり幅の大きい薄型テレビや携帯電話などの家庭用電子機器を除いてみれば、おそらく上昇しているにちがいない。インフレが始まってから金利を上げても、効き目はなかなか出ない。予防的に金利を上げておく方が効果的である。

たとえば⑤ 外国人記者の多くは、日本経済の将来に懸念を持っているようだ。中国との比較感もあるが、懸念材料の1つは異常な超低金利。政府や日銀は、日本経済の将来を不安視しているために金利を上げられずにいる、と彼らは考えている。これは日本にとっての大きなマイナス・イメージだ。

もちろん、金利の引き上げにはデメリットもある。借金を抱えている企業や個人は、利子負担が増えてしまう。国債の利子も上がるから、財政負担も増大する。輸出産業にとっては、円安メリットが減少する。だから日銀は、利上げのデメリットについても、はっきり説明してほしい。

その結果として、利上げはそのデメリットよりもメリットの方が大きいと、多くの国民が考えるかどうかである。国民の大半がそう考えるようになれば、日銀の利上げは支持される。そういう状況になれば、日銀は政治的にも強くなれる。いつまでも「金融政策は日銀の専管事項」などと、古めかしいことを言っていると、利上げはどんどん遠のいてしまう。

    ≪16日の日経平均 = 下げ≫

    ≪17日の日経平均は? 予想=上げ

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サタデー自習室 ―― 円の軌跡(3)
2007-08-18-Sat  CATEGORY: 政治・経済
3)360円の時代  = 1945年(昭和20年)8月、第2次世界大戦が終結。敗戦国となった日本は、激しいインフレに見舞われた。このため円は、坂道を転げ落ちるように減価して行く。政府は1946年2月、新円切り替えを断行。5円札以上を強制的に銀行に預け入れさせ、1人100円まで新円での引き出しを認めた。この措置で日銀券の流通高は4分の1に縮小。インフレはやや勢いを削がれた。

さらにインフレを終息させるため、連合軍は経済顧問として来日したドッジ氏(デトロイト銀行頭取)の勧告をもとに、49年(昭和24年)3月、超緊縮財政の実施を日本政府に命令した。続いて連合軍は同年4月、1ドル=360円の為替レートを設定。このレートは復興途中だった日本経済にとっては、非常にきびしい円高水準だった。

1ドル=360円の根拠。1935年(昭和10年)の為替レートは1ドル=3円50銭だった。それ以降、アメリカの物価は2倍、日本の物価は208倍に上昇。ここから104倍の切り下げで、360円に決められたという。だが日本の物価上昇はもっと大きかったので、このレートが円の過大評価になったと解説されている。

このきびしい円レートのもとで、日本は戦後の復興を成し遂げ、さらに高度成長期へと進んで行く。そして貿易が恒常的に黒字化し、外貨準備も増え始めたのは、実に東京オリンピックから4年が経過した1968年(昭和43年)だった。そこからは、1ドル=360円は過小評価だという批判を受けることになる。

    ≪17日の日経平均 = 下げ≫

    【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2007-08-19-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第6章 会社って、なんだろう? ③

世界で最初の会社といわれる「東インド会社」では、金持ちの商人からおカネを集め、たくさん利益をあげることを目的にしたのでした。商人たちはおカネを出して株主になり、その見返りにもらえる配当を目当てに、おカネを出したのでした。いまの株式会社でも、この考え方は全く変わっていません。

会社の仕組みも、かなり似通っています。東インド会社では、どうしたら利益をたくさん出せるかを考えて、みんなに命令する人たちが17人選ばれました。つまり会社の運営を任された人たちです。もちろん実際に船に乗って遠いアジアまで出かける乗組員、持ち帰った胡椒(こしょう)などの品物を売りさばく人たちも、おおぜい必要でした。

株主と経営者と社員。現在の会社でも、この構成は同じです。経営者は取締役と呼ばれ、そのなかから社長が選ばれます。社員はモノを作る人や売る人、社内を管理する人など、さまざまですね。また株主は、株主総会に出席していろいろ意見を言う権利を持っています。場合によっては、経営者を交代させることさえできるのです。

株主は自分が持っている株式を、売ったり買ったりすることができます。そう、第5章で勉強した株式市場を通じて売り買いするのです。その会社の株式をぜんぶ売ってしまえば、その人はもう株主ではなくなります。こんどはその株式を買った人が、新しい株主になるわけです。

                   (続きは来週日曜日)

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今週のポイント 
2007-08-20-Mon  CATEGORY: 政治・経済
先週はアメリカ発のサブプライム(凖優良住宅ローン)台風が、予想以上に猛威を振るった。特に日本はワリを食った形。1週間でダウ平均は157ドルの下落で済んだが、日経平均は1490円の暴落となった。円相場の急騰と、FRB(連邦準備理事会)による公定歩合引き下げが取り引き終了後に飛び込んできたためである。

FRBの緊急措置によって、アメリカの信用不安は一応鎮まったようにみえる。今後はこれが実体経済に、どの程度まで悪影響を及ぼすのかを見極める段階に入るだろう。その程度によっては、日本経済にもかなりの衝撃があるかもしれない。

22日と23日に、日銀が政策決定会合を開く。この経済環境のなかで、政策金利の引き上げを決めることは全くありえない。ただ終了後の23日に行う記者会見で、福井総裁が現在の金融、経済情勢をどのように分析するか。そのニュアンスはきわめて慎重に解釈する必要がある。

アメリカでは23日に7月の住宅ローン申請件数、24日には新築住宅販売件数が発表される。どちらも注目度は高いが、サブプライム台風が発生した時点での数字。それほどの影響力はない。それよりも、アメリカ南部に接近している大型のハリケーン。こちらも猛威を振るうと、実体経済に大きな影響が出る。

    ≪20日の日経平均は? 予想=上げ

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半値戻した 株価の先行きは?
2007-08-21-Tue  CATEGORY: 政治・経済
20日の日経平均は、458円の急反発となった。しかし先週末の暴落とも言える874円の下げを52%回復しただけ。これから、どういう動きをみせるのだろうか。答えは以前にも増して、アメリカの株価と円相場の動きに連動すると思われる。

先週末の日経平均は、円相場の急騰に仰天した売り一色。しかもFRB(連邦準備理事会)による公定歩合の引き下げが取り引き終了後に伝わったため、予想外の大幅な下げとなった。20日の半値戻しはその反動であり、まあ正常な反応だったと言えるだろう。

アメリカの株価は、今後サブプライム関連で新しい破綻が出ない限り、急落する可能性は小さい。ただ今回の信用不安が、実体経済にどんな悪影響を与えるのか。これから、その程度が徐々に明らかになってくる。特に個人消費にまで影響が出るようだと、株価も素直に上げ基調には戻れない。

おそらくアメリカ国内では、FRBによるFFレート引き下げ期待が急速に高まるだろう。そうなると、日米間の金利差は縮小の方向がイメージされる。したがって「アメリカの株高=円安」の図式は変わらないとしても、その関連性はやや鈍くなるかもしれない。とにかくダウと円相場から、目は離せない。

    ≪20日の日経平均 = 上げ≫

    ≪21日の日経平均は? 予想=上げ

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4割を切った食料自給率
2007-08-22-Wed  CATEGORY: 政治・経済
農林水産省の集計によると、06年度の食料自給率はついに4割を切り、39%に落ち込んだ。カロリーに換算した自給率は98年に40%に低下したあと、05年度までは40%で推移してきた。それがわずかとはいえ、とうとう30%台にまで減少してしまった。

1人1日当たりの平均カロリー消費量は2548キロ・カロリー。前年度より1.0%減少した。消費の減少は、自給率の増加要因だ。ところが同じくカロリー生産量は996キロ・カロリーで、前年度比2.6%も減少した。コメ、砂糖、果実、いも類が天候不順などで減産したことが原因。このため自給率は、下がってしまった。

ついでに紹介しておくと、コメの自給率は100%。あとは100%に達していない。たとえば小麦は13%、いも類は80%、豆類は7%、肉類は55%、鶏卵は95%、魚介類は52%、きのこ類は81%といったぐあい。

カロリー自給率が、4割に達しないという事実。このことは、もし輸入が全く途絶えたとすれば、日本人のカロリー摂取は現在の4割を下回るということになる。戦争でもなければ、輸入が途絶えることはないだろう。しかし世界の人口が急増し、途上国の経済が発展しつつあるいま、カネを出しても食料が十分には手に入らない兆候も現れつつある。日本は大丈夫なのかしら。

    *食料自給率については、昨年10月のブログ土曜版を参照してください。

    ≪21日の日経平均 = 上げ≫

    ≪22日の日経平均は? 予想=下げ

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20代の若者は 車離れ?
2007-08-23-Thu  CATEGORY: 政治・経済
最近の若いサラリーマンは、あまり酒を飲まないようだ。先輩に誘われても、飲み屋には行かない。といって、同期の人たちだけで一杯やるわけでもない。近ごろ入社してきた若い社員たちを観察していると、こんな印象が浮かび上がってくる。

と感じていたら、日本経済新聞がこれを裏付ける調査を実施した。それによると、首都圏に住む20代の若者で「酒を全く飲まない」「月1回以下しか飲まない」と答えた人は34.4%。30代の人より6.8ポイントも高いという結果が出た。理由のなかで「おカネがもったいない」という答えが29.6%もあったという。

この調査でもっと驚いたのは、若者の車離れ。20代で車を持っているのは13.0%。また「乗用車が欲しい」と答えた人は25.3%だった。2000年の調査では、これがそれぞれ23.6%、48.2%だったから、車を持っていない人も欲しい人も半分近くに激減したことになる。

こうした変化は、どうして起きたのだろう。車の渋滞や事故が多いからか。所得の伸びが小さいからか。将来の生活に不安を感じているからなのか。いいか悪いかは別として、20代の車離れは日本の社会・経済全体に大きな影響を及ぼす可能性がある。もっと広範囲な調査と、その理由についての詳細な分析が必要だろう。

    ≪22日の日経平均 = 下げ≫

    ≪23日の日経平均は? 予想=上げ

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経済閣僚の人選に注目
2007-08-24-Fri  CATEGORY: 政治・経済
安倍首相は27日、内閣を改造する。参院選で大敗し、参議院の主導権を民主党に奪われたあとだけに、どういう布陣で態勢の立て直しを図るのか。党3役をはじめ主要閣僚の人選に注目が集まっている。いまの経済状態から考えると、特に経済関係閣僚の人選はきわめて重要だ。

まずは世界の経済情勢。サブプライムの焦げ付きに端を発した信用収縮の危機は、ひとまず乗り切ったとみていい。しかしアメリカの実体経済に対する影響は、これから出てくる。その程度はまだ誰にも判らない、というのが事実だろう。仮に影響が大きく出てアメリカの景気が落ち込んだ場合、日本にもかなりの衝撃波がやってくる。

もちろん、その可能性が大きいとは思わないが、最悪の事態に備えておくことは重要だ。日本は金融面からの対策を、ほとんど期待できない。財政面からの対策は法律が必要であり、時間がかかる。そうした制約のなかで、どう対処するのか。さっそくに検討し、準備するのが経済閣僚の役割である。

次に国内面では、経済政策の目標を早急に再構築する必要がある。これまで安倍内閣が掲げてきた「成長による財政再建」は、消費税問題ひとつをとっても実現には明らかなカベが出現してしまった。新しい目標と達成のための道筋を考えないと、来年度予算の編成までが無責任なものとなってしまうだろう。こうした問題にリーダーシップをとれる人を、閣僚に選んでもらいたいものだ。

    ≪23日の日経平均 = 上げ≫

    ≪24日の日経平均は? 予想=上げ

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サタデー自習室 ―― 円の軌跡(4)
2007-08-25-Sat  CATEGORY: 政治・経済
4)ニクソン・ショック = 日本経済が高度成長を遂げて力強さを増していた1971年(昭和46年)8月15日、青天の霹靂とも言える大事件が発生した。アメリカのニクソン大統領が突如として、ドルと金との交換制度を停止すると発表したのである。戦後の各国通貨はドルにリンクし、ドルを仲介として金とつながっていた。この金・為替本位制が一夜にして崩壊してしまったわけである。

当時のアメリカはベトナム戦争の影響もあって、大幅な貿易赤字とインフレに悩まされていた。ドルが減価したため、ドルを金に交換する動きが活発となり、さすがのアメリカもこれには耐えられなかった。ニクソン大統領は議会にも諮らず、抜き打ち的に発表したため、世界中に大きな衝撃が走った。

この事態を収拾するため、年末になって先進10か国の蔵相会議がワシントンのスミソニアン博物館で開かれた。ここでは各国間の為替調整を行なったうえ、いぜんとして固定相場制を維持することを決める。その結果、円は1ドル=308円へと16.88%も切り上げられることになった。

日本の代表団は切り上げ幅をもっと縮小しようと発言を求めたが、各国代表団は聞く耳を持たなかったと言われている。最初はかなりの重荷だった360円レートを克服した日本にとっては、また新たなハードルが出現した格好となった。

                  (続きは来週サタデー)

    ≪24日の日経平均 = 下げ≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2007-08-26-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第6章 会社って、なんだろう? 

会社というのは、利益をあげるために作られた組織です。では、会社が追求する利益とは、なんでしょうか。たとえば、その会社がモノを作る製造業の場合、売上げからコストを差し引いたものが利益です。その会社が作った製品を売って、入ってきたおカネが売上げ。その製品を作ったり、売るためにかかったおカネがコストです。

製品を作るために必要な原料や材料の購入費。電気代や水道代。会社や工場の土地代。販売にかかった費用や広告費。交通・通信費。それに社員に支払った給料など。これがコストです。たとえば、これらのコストが合計8000万円だったとします。その会社の売上げが1億円だったとすれば、利益は2000万円ということになるわけです。

このように利益が出ている状態を、黒字の経営と言います。会社はこの黒字を、どう使うのでしょうか。まず利益をさらに大きくするために、新しい工場を建てたり、最新鋭の機械を買ったりします。次に株主に配当金を払わなければなりません。経営者にも役員報酬を支払います。

売上げよりもコストが大きいと、利益は出ません。この状態を赤字と言います。赤字になると、新しい工場などは建てられませんし、配当も払えなくなります。経営者は責任を問われることになります。そんな状態になると、その会社の株式を買う人が減ってしまいますから、株価も値下がりすることになるのです。

                   (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2007-08-27-Mon  CATEGORY: 政治・経済
月末はいつも経済指標の発表ラッシュ。まずアメリカでは27日に7月の中古住宅販売件数、30日に4-6月期のGDP(国内総生産)改定値。31日には7月の家計支出、それにバーナンキFRB(連邦準備理事会)議長の講演が予定されている。このうち特に注目されるのは中古住宅販売と家計支出だが、7月は住宅ローン焦げ付き問題の初期段階だったから、まだ大きな影響は現れていないだろう。

要するに、住宅ローン問題がアメリカの実体経済にどこまで悪影響を及ぼすか。この程度を判断するのには、8月の経済指標を見る必要がある。あと1か月ほどしないと、それが判らない。この意味では、バーナンキ議長が現在の金融情勢をどう見ているのか。また実体経済への影響をどう予測しているのか。この辺の発言内容を、じっくり解釈することが大切だ。

国内では、31日に7月の雇用統計、家計調査、消費者物価、鉱工業生産、住宅着工が一斉に発表される。4-6月期にかなり鈍化した景気の回復が、持ち直しに転じたのか。物価はプラス傾向に進むのか。すべての指標が、みな重要な意味を持っている。

先週はダウ平均が257ドル、日経平均も975円上げた。今週もこの戻り調子が持続するのかどうか。日経平均は先週に続いて、ダウと円相場の動きに左右される展開となるだろう。

    ≪27日の日経平均は? 予想=上げ

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値上げ必至の パン、うどん、中華そば
2007-08-28-Tue  CATEGORY: 政治・経済
国内産の小麦は豊作が予想されているのに、パンやうどん、中華そばなどの値上げが避けられそうにない。理由は小麦の国際相場が高騰したため。国際相場はことしになってから、約50%も上昇した。新興国の需要が増大していること、オーストラリアの干ばつ、アメリカの冷害。それにバイオ・エネルギーへの転用などが原因だ。アメリカ農務省の発表によると、世界の小麦在庫は30年ぶりの低さになっている。

日本の輸入小麦は、政府が商社などを通じて輸入したものを買い取り、これを製粉業者に売り渡す仕組み。その差益が、国内小麦の生産振興費に使われている。農林水産省は輸入価格の高騰を理由に、10月からこの売り渡し価格を一律10%引き上げることを決めた。主要5銘柄の加重平均でみると、1トン当たり4840円上がって5万3270円になる。

製粉業者も当然その分を上乗せして売るから、小麦を原料としている食品メーカーも値上げせざるをえない。当面は製粉業者や食品メーカーが1か月分ほどの在庫を持っているため、末端での値上げは11月ごろからとみられている。主としてパン、うどん、中華そば、それに菓子類などが対象。

日本の小麦自給率は06年度で、わずか13%。つまり需要の87%を輸入に頼っているわけだ。したがって国際相場が上昇すれば、どうしてもコストは高くなってしまう。つい先週22日のこのブログで、日本の食料自給率が40%を切ったと書いたばかり。新興国の需要増やバイオ燃料は、小麦に限った話ではない。ほかの輸入食料は、大丈夫なのだろうか。

    ≪27日の日経平均 = 上げ≫

    ≪28日の日経平均は? 予想=下げ

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落第点の 新聞記者たち
2007-08-29-Wed  CATEGORY: 政治・経済
安倍改造内閣が27日、発足した。夕刻、恒例の記者会見がテレビで放映された。新しい大臣たちが次々に登場して、抱負を述べる。続いて新聞記者からの質問。だが、この様子を見ていて、がっかりしてしまった。新大臣に対する質問が、全くなっていないのである。いま日本は、数多くの問題を抱えている。経済問題だけでも税制改正、消費税、財政再建、金融政策、中小企業、デフレ、食料問題、温暖化対策etc。

各省が直面している最大の課題についての質問が、ほとんど聞かれなかった。なりたての大臣に聞いてもムダと思ったのか、それとも最初だから手心を加えたのか。仮に大臣が「よく勉強してから」と答えたとしても、それはそれで意味がある。記者団は国民の代表として聞いているのだから、もう少し中味のある会見にしてほしかった。

特にくだらなかったのは、ほとんど全部の大臣に「8月中に政治資金収支報告書の訂正をしたか」「今後に発覚したら、どうするか」と、しつこく聞いていたこと。こんな質問に「私は不正な報告をしていました」などと答えるわけがない。政治とカネの問題を記事にしたかったら、自分でコツコツと取材して記事にすべきだろう。

国民が聞きたいことを聞かず、ほとんど意味のない質問で大事な時間を使ってしまった記者会見。新聞記者自体が、勉強不足で質問できなかったのかどうか。いずれにしても、この会見は点数をつければ30点。残念ながら、落第だったと思う。

    ≪28日の日経平均 = 下げ≫

    ≪29日の日経平均は? 予想=下げ

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アメリカ経済に “黄”信号(上)
2007-08-30-Thu  CATEGORY: 政治・経済
アメリカ経済に、黄色の注意信号が灯った。それも限りなく赤に近い、濃い黄色。カンファレンス・ボードが発表した8月の消費者信頼感指数は、前月比6.7ポイントの大幅な下落だった。またスタンダード・プア―ズが発表した6月の住宅価格指数は、前年比3.2%と20年ぶりの急落。こうした指標の落ち込みを受けて、28日のダウ平均株価は280ドルの値下がりを記録した。

サブプライム・ローンの焦げ付きに端を発した金融不安。これがアメリカの実体経済に影を落し始めた最初の兆候だと言えるだろう。元財務長官のサマーズ氏は「アメリカ経済が景気後退に陥るリスクは、9.11テロ以来で最大になっている」と警告した。ローン焦げ付きが表面化してから、株式市場は主に心理的な不安で動揺してきたが、今週からは景気後退の不安が売り材料の中心になりつつある。

住宅関連の指標をみると、たとえば7月の新築住宅販売件数は前月比で2.8%増えた。だが住宅着工件数は6.1%減少して、10年ぶりの低水準に落ち込んでいる。ローンの焦げ付き問題は6月下旬に発覚したが、7月はまだ初期段階。今後8月の数字が出れば、状況はもっときびしくなる可能性がある。さらに消費支出や雇用面などへの悪影響が確認されると、状況はさらに深刻になって行く。

FRB(連邦準備理事会)は、金融機関向けの公定歩合だけを引き下げて様子を見ているが、政策金利のFFレート引き下げにも踏み切らざるをえないだろう。9月の定例理事会を待たずに、抜き打ち的に決定を下す可能性も高まっている。こうしたアメリカ経済の急展開は、当然ながら日本経済にも大きな影響を及ぼす。

                               (続きは明日)

    ≪29日の日経平均 = 下げ≫

    ≪30日の日経平均は? 予想=上げ

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