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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
ドバイ・ショックは 広がるのか? (上) 
2009-12-01-Tue  CATEGORY: 政治・経済
アラビア半島のペルシャ湾に面した小さな国。面積は東京都の2倍、人口は220万人ほど。09年のGDPは約4兆円。この小国を震源地とする金融の津波が先週末、世界を駆け巡った。各市場の株価は下落。ユーロの相場が急落して、日本円の独歩高となった。いわゆるドバイ・ショック。このショックは、まだ拡大するのだろうか。

ドバイ政府は先週25日、政府の持ち株会社であるドバイワールドの債務について、来年5月に予定されている返済期限の延長を要請すると発表した。ドバイは原油の産出量が少ないため、金融・商業・交通・観光の面で中東の中心的な存在になることを目標に国造りを進めてきた。そのため世界中の金融機関から多額の融資を受け、大型の開発投資を継続してきている。ドバイワールドは、その中核を担った国策会社。

特に有名なのは世界一の高さを誇る825メートルのブルジェ・ドバイ塔、それに沖合いに造った巨大な人工島である。ところが昨年の金融危機によって資金の流入が細り、不動産価格は半分の水準に落ち込んだといわれる。このためドバイワールドも資金繰りに苦しみ、今回の返済延期要請に至ったわけだ。

負債総額は590億ドル(約5兆円)。要するに不動産バブルが崩壊したわけである。だが仮に債務不履行ということにでもなれば、ヨーロッパを初めとして世界の大金融機関は多額の損失を被らなければならない。このことがサブプライム・ローン事件やリーマン・ブラザーズの倒産を連想させて、世界の市場にショックが走った。

                                    (続きは明日)

    ≪30日の日経平均 = 上げ +264.03円≫

    ≪1日の日経平均は? 予想 = 下げ

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ドバイ・ショックは 広がるのか? (下)
2009-12-02-Wed  CATEGORY: 政治・経済
ドバイワールドは政府と一体の会社だから、今回の債務返済延期の要請はドバイ政府にも援助資金がないことを意味している。さらにドバイ政府はいくつもの開発会社を保有しているから、全体の債務はもっと巨額にのぼるかもしれない。これらの債務不履行が表面化したとき、国際金融システムにどの程度の衝撃が及ぶのか。

またドバイ政府が買収した海外の株式や不動産を売却すると、ヨーロッパを中心に株価や不動産価格が急落するかもしれない。世界中の投資家がこれを心配して資金を引き揚げると、市場は再び混乱する危険性もある。特にドバイとの関係が深いロンドン市場の動向が注目点だ。

そうしたショックの芽を摘むため、IMF(国際通貨基金)や世銀がどのくらい支援できるのか。それより大きいのは、UAE(アラブ首長国連合)を構成する近隣諸国が援助に乗り出すかどうかだろう。もし国際機関や近隣諸国による十分な救済が早めに実行されれば、ドバイ・ショックのさらなる拡大は止めることができるだろう。

特に注目されるのは、UAEのなかでも最大の油田を持っているアブダビの動向。GDPはドバイの約2倍。豊富なオイルマネーを保有しているから、援助の能力は十分にある。しかしドバイとの関係は、必ずしも良くないという情報も流れている。いずれにしてもイギリスの大銀行に経営問題が生じなければ、ショックは短期間で収まりそうだ。

    ≪1日の日経平均 = 上げ +226.65円≫

    ≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ

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輸出 & 雇用統計 : 物足りない新聞の記事 (上)
2009-12-03-Thu  CATEGORY: 政治・経済
このところ新聞の経済記事を読んでいて、どうも物足りない感じが続いた。1つは貿易統計の輸出に関する記事。もう1つは雇用統計の記事である。両方とも、内容的には間違っていない。だが統計の数字を紹介するだけにとどまり、その裏を読む努力に欠けていたのではないか。そんな印象を強く抱いた。

1) 輸出に関する記事--いまの景気にとって輸出の回復は、唯一の頼みの綱。読者の関心はきわめて高い。その10月の輸出は、財務省の貿易統計によると前年比で23.2%の減少だった。これについて多くの新聞は「減少率は3か月連続で縮小した」と書いている。この記事を素直に読んだ読者は「輸出の回復は続いている」と受け取って、一安心したのではないか。

だが盲点がある。昨年9月に発生したリーマン・ショックの影響で、日本の輸出は10月から急減した。その急減した水準と比べて、ことし10月の前年比減少率が縮小したと言っても、あまり意味がない。そこで世界不況が起きる前の07年10月の輸出額と比べてみると、ことし10月の輸出は29.3%の減少だった。

同様にことし9月の輸出を07年9月と比べてみると、減少率は29.6%。つまり10月の輸出は9月からほとんど改善していないことが判る。前年比でみた減少率が縮小したことは事実だが、記事がそこで終ってしまうと、読者に誤解を与えるのではないか。この前年比の問題は11月以降、さらに大きくなる。要注意だ。

                                      (続きは明日)

    ≪2日の日経平均 = 上げ +36.74円≫

    ≪3日の日経平均は? 予想 = 下げ

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輸出 & 雇用統計 : 物足りない新聞の記事 (下)
2009-12-04-Fri  CATEGORY: 政治・経済
2) 失業率に関する記事-- 総務省の発表によると、10月の完全失業率は5.1%で前月より0.2ポイント低下した。これについて、多くの新聞は「3か月連続の改善」と書いている。たしかに失業率の数字は過去最高だった7月の5.7%から、毎月0.2ポイントずつ低下して5.1%にまで下がってきた。だから3か月連続の改善は、決して誤りではない。

10月の雇用統計をみると、完全失業者数は344万人。前月より19万人減少している。その一方で、就業者数も6271万人で前年同月より117万人減少した。失業率は、完全失業者と就業者の合計に対する失業者の割合。したがって10月の失業率が低下した大きな原因は、完全失業者数が減ったことに求められる。

ところが、ここに盲点がある。完全失業者は、ふつう景気がよくなれば減少する。しかし景気がよくならなくても、減少する場合があることに注意しなければならない。というのも景気が悪化して雇用の状況が厳しさを増すと、仕事探しを断念してしまう人が増える。こういう人たちは失業者ではなく非労働力人口にカウントされてしまうので、失業者の数は減少するわけだ。

最近のように大学生の就職内定率が極端に低いといったニュースが流れると、こういう現象が起きやすい。10月の場合をみても、就業人口が減っている。しかも非労働力人口は増えているから、この現象が起きて失業率が低下した可能性は高い。ここまで記事に書き込んでくれないと、読者は間違った印象を持ってしまうのではないだろうか。

    ≪3日の日経平均 = 上げ +368.73円≫

    ≪4日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 膨張する中国経済 ⑤
2009-12-05-Sat  CATEGORY: 政治・経済
5) 大不況を最初に克服 = 08年9月に発生したリーマン・ショックは、中国経済にも大きな悪影響を及ぼした。それまで2ケタの伸び率を続けてきた経済成長率は、09年1-3月期に6.1%まで低下。株価は急落。輸出も激減したため、臨海部の製造業では倒産が続出した。農村地域から出稼ぎにきていた労働者は職を失い、Uターン・ラッシュが社会問題になったほど。

しかし中国経済の立ち直りは素早かった。日本や欧米諸国はいまだに不況の後遺症に悩まされているが、中国はほぼ完全に不況から脱却したとみていい。7-9月期の成長率は8.7%にまで回復。たとえば自動車産業を例にとっても、ことしの国内生産と販売はともに1300万台に達する見通し。アメリカと日本を抜いて、世界最大の自動車王国になることは確実だ。

素早い立ち直りの原因は、中国政府の間髪を入れない対応の速さにあった。まずリーマン破綻のあくる日に利下げ。さらに10月にも再利下げを実施した。財政面からの景気対策を実行したのは11月9日。リーマンから54日目である。総額4兆元(約57兆円)が住宅、産業基盤、鉄道、道路、空港建設に投入された。日本の景気対策は半年以上も遅れて、国会で成立している。

中国は発展途上国であり、政府による公共事業が有効に働くという事情はある。だが、やはり素早い対策が効を奏したことに間違いはない。一党独裁で、日本や欧米諸国のように議会で審議する必要がない有利さ。今回の中国の例に学んで、日本も災害対策費のように“景気対策費”をあらかじめ決めておくような方法を研究する必要がありそうだ。

                          (続きは来週サタデー)

    ≪4日の日経平均 = 上げ +44.92円≫

    【今週の日経平均予想 = 1勝4敗】

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2009-12-06-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第16章 失業率って、なんだろう? ⑩

きょうは失業率について、知っておくと役に立つ知識を2つ勉強しましょう。失業率の高さは、ふつう景気のよしあしを示しているのでしたね。ところが景気が悪いときでも、失業率が下がる。こんなことも、たまにはあるのです。つまり景気が悪いと失業者の数は増えるはずですが、逆に少なくなる場合もあることを知っておいてください。

それは景気が悪くなると、それまで仕事を探していたのに「こんなに景気が悪いのだから、仕事はとても見付からないだろう」と、仕事探しをあきらめてしまう人が増えたときに起ります。こういう人たちは失業者ではなく、非労働力人口に数えられてしまうのでしたね。つい最近、10月の失業率が前月より下がって5.1%になったという発表がありました。この場合の失業率の低下は、どうもこの例に当てはまる感じがします。

もう1つは景気と失業率の関係で、失業率はいつも景気の動きに遅れて変動するという事実です。たとえば景気がピークを超えて下がり始めてから、しばらくして失業率は上昇し始めます。景気がよくなるときも同じで、失業率は数か月あとになってから下がり始めるのです。

景気が悪くなると、会社の経営者は従業員を減らそうと考えます。しかし契約期間などの問題もあって、すぐには減らせません。また景気が上向いたとき、経営者は本当に景気の上昇が続くかどうか見極めようとするので、すぐには人員を増加しない傾向があります。このため失業率は、いつでも景気より一足遅れて動くのです。

                             (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2009-12-07-Mon  CATEGORY: 政治・経済
今週も円相場の下落傾向が続くかどうか、日経平均株価が続伸するかどうか。この2点に大きな関心が集まっている。先週はアメリカ経済の先行きに明るさが増したこと、政府と日銀の協調的な景気対策が発表されたことで、円は反落し株価は大幅に上げた。ダウ平均が週間79ドルの値上がりだったのに対して、日経平均は941円も上昇して1か月ぶりに10000円の大台を回復した。

政府と日銀の対策が実際にどの程度の景気浮揚効果を持つのかについては、まだ判然としない。だが大方の予想より早く対策が打ち出されたことの、市場に与えた心理的な効果は大きかった。日銀などは火曜日の2時から臨時の金融政策決定会合を開くと事前に公表、株価への影響力に配慮している。だが厳密に言えば、これはルール違反だった。

円相場は先々週にオーバーシュート(行きすぎ)した反動もあって反落したが、今週も反落傾向は続きそうだ。しかし年末までの見通しとしては、再び円高に進むという見方が強い。株価については、売り買いが交錯して10000円を上下する動きとなる可能性が大きい。

今週は9日に、7-9月期のGDP改定値が発表になる。一次速報の年率3.5%成長が下方修正されることは確実だが、それが円相場や株価にどのくらい影響するか。ほかに8日には、11月の景気ウォッチャー調査。10日には、11月の企業物価と10月の機械受注。11日には、11月の消費動向調査。また11日にはアメリカの11月・小売り売上高、中国の生産、貿易、固定資産投資などの統計が発表になる。7日からはデンマークのコペンハーゲンでCOP15会議が始まる。

    ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ

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日銀・白川総裁の “豹変” (上)
2009-12-08-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 奇妙な日銀の決定 = 日銀は先週1日、臨時の金融政策決定会合を開いて新しい(?)金融緩和策を決めた。その内容は、金融機関に対して0.1%の超低金利で、3か月間に最大10兆円の貸し出しに応ずるというもの。金融機関からは担保として社債、CP(コマーシャル・ペーパー)、それに国債を受け取る。だが、この日銀の決定は、まことに奇妙なものだと言わざるをえない。

と言うのも、日銀はことし1月から同様の緩和策を実施しているからだ。しかも10月30日の政策決定会合では、景気の先行きに明るさが増したという理由から、この緩和策を年末で打ち切ると決めたばかり。この決定を取り消して、現行の緩和策を延長しただけである。唯一の違いは、担保物件に国債を追加しただけ。新しい金融緩和策とは、とうてい言いがたい。

日銀の白川総裁は「ドバイ・ショックや円高の進行に対処するため」と説明したが、それにしては金融政策決定会合や政策委員会を臨時に招集する必要があったのかどうか。真相はやはり市場の片隅で密かに語られているように、鳩山内閣の圧力に屈したのだろう。2日に鳩山・白川会談がセットされたために、その前日に政策決定会合を開かなければならなくなった、とみるのが自然というものである。

この決定は、日銀が景気の見通しについても、わずか1か月前の判断を撤回したことを意味する。そこまで言うのは酷かもしれないが、白川さんが日銀総裁になれたのも民主党が人事に嘴を突っ込んだおかげ。日銀総裁の任免権を持つ総理大臣を前にしては、日銀のメンツも中央銀行の独立性も吹っ飛んだというのが今回の奇妙な決定の真相だろう。

                              (続きは明日)

    ≪7日の日経平均 = 上げ +145.01円≫

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日銀・白川総裁の “豹変” (下)
2009-12-09-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ ひょうたんから駒 = 政府の圧力に屈した日銀の奇妙な決定だったが、その効果は予想外に大きかった。たまたまアメリカの景気見通しが明るさを増し、金利がやや上昇した。ドバイ・ショックも地域的な事件で終る可能性が高まった。そこへ日銀の決定が重なって、日本の金利はやや下がった。結果は円高が目に見えて修正された。株価も大幅に上昇した。

日銀が慌てて政策転換したことも、市場にはプラスに働いた。年末には終了すると公表していた量的緩和政策を、こんなに早く方針転換して継続するとは思っていなかったから、逆に心理的な効果は強まることになった。日経平均が一週間で1000円近くも上昇したのは、このためである。こうした結果にいちばん驚いているのは、白川総裁自身かもしれない。

もちろん政府が第2次補正予算の編成に踏み切り、金額が上積みされたことも好影響を与えた。しかし補正予算が成立して、実際におカネが支出されるのは早くても来年3月。それまでの景気を、今回の金融緩和政策で下支えできるのかどうか。この点についての疑問は、どうも消えそうにない。すでに経済界やマーケットでは、さらなる緩和政策を期待する声が強まってきている。

年末から年初にかけてアメリカの景気回復が着実に進み、中国をはじめとするアジア各国の経済も上向きになれば、日本の景気も再下降することは避けられるかもしれない。だが特にアメリカの景気が一進一退を続けると、日本の景気が二番底に陥る懸念が再燃する可能性は否定できない。そのとき日銀の今回の措置が現行の緩和策となんら変わりないことが再認識されると、ひょうたんから出た駒はあえなく融解してしまう危険性を秘めている。

    ≪8日の日経平均 = 下げ -27.13円≫

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目標が見えない 緊急経済対策 (上)
2009-12-10-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 年の劫より亀の甲? = 政府は8日の閣議で、緊急経済対策の金額をやっと決定した。当初は麻生前内閣が編成した第1次補正予算の執行停止で浮いた2兆7000億円程度の規模を考えていたが、急激な円高の進行とドバイ・ショックに驚いて金額を積み増した。さらに最終的には亀井国民新党代表に食い下がられて、ようやく7兆2000億円で決着した次第。

亀井氏は8兆円を上回る追加対策を執拗に要求、閣僚委員会にも欠席する始末。だが、これ以上の積み増しには国債の大幅な増発が必要とあって、最終的には鳩山首相の裁定に従っている。しかし結果的には大いに名前を売ったし、国民新党の存在感を誇示して、参院選にも有利な立場を築いたと言えるだろう。年の劫(鳩山首相=62歳、亀井代表=72歳)もさることながら、亀の甲もしたたかだった。

追加経済対策は、財政支出の総額が7兆2000億円。地方の支援に3兆5000億円、中小企業対策に1兆7000億円、エコポイント制度やエコカー補助金の延長と住宅エコポイントの新設に8000億円、インフルエンザ対策など生活の安心確保に8000億円、また雇用対策に6000億円を配分する内容となっている。一部が重複するので合計は合わないが、いわゆる景気対策としての「真水」部分は7兆2000億円である。

その事業規模は24兆4000億円。事業規模というのは、真水によって誘発されると考えられる需要の増加分をいう。たとえばエコポイントなどによって売れると考えられる住宅や自動車、家電製品の金額が4兆1000億円になると試算している。ちなみに麻生前内閣が作った第1次補正予算の真水は約15兆円、事業規模は57兆円だった。これに比べると、今回の追加対策は半分以下の大きさだが、財政面からの制約があるから仕方がない。ただし、これでどうなるという先が見えない。その点が最大の欠陥である。

                           (続きは明日)

    ≪9日の日経平均 = 下げ -135.75円≫

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目標が見えない 緊急経済対策 (下)
2009-12-11-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 目標を持たない戦略 = 今回の緊急経済対策を実施することによって、地方の財政を支援したり、個人消費の拡大を図る。鳩山内閣の意図は、部門別には表明された。ところが、その結果として日本経済の総合的な姿がどう変わるのか。景気はどのくらい良くなるのか。雇用情勢は改善されるのか。言い換えると、政府が何を究極の目標にして緊急対策を実施しようとしているのかが、全く見えてこない。

エコ住宅やエコカー補助で消費を盛り上げようとしているが、8000億円の呼び水ではいかにも力不足。真水の約半分は交付税の減額分を補填するため地方自治体に支出されるが、これがどう使われるかは見当も付かない。要するに、この緊急対策には中心となるべき柱がない。だから税金をこれだけ使っても、国民には政府の意図が全く伝わってこない。

そのうえ、鳩山内閣は経済成長率や失業率の見通しを全く発表しない。世界でも、こんな政府は珍しい。たとえばオバマ大統領は「2年間で350万人の雇用を創出する」と明言しているし、中国政府も「09年の成長率は8%台、都市部の失業率は4.6%以下にする」と明確な目標を打ち出している。

世界中の国々が大不況の後遺症に悩みながらも、財政出動によって成長率を引き上げ、景気を回復させようと懸命に努力している。各国はそれぞれ回復への設計図を描いているが、その最終的な目標は経済成長率就業者の増加に置かれている場合が多い。ところが鳩山内閣は発足以来、この数値を口にしたことがない。だから打ち出す政策にも、迫力がない。その理由は不明だが、まことに不可解な姿勢だと言うしかない。

    ≪10日の日経平均 = 下げ -141.90円≫

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サタデー自習室 -- 膨張する中国経済 ⑥
2009-12-12-Sat  CATEGORY: 政治・経済
6) 断トツの外貨準備高 = 中国の外貨準備高は、ことし6月末で2兆1316億ドルに達した。日本の準備高は11月末で1兆0737億ドルだから、その約2倍。もちろん世界最大の保有国である。2000年には1656億ドルしかなかったが、03年から急増して06年2月に日本を抜いて世界一となった。急増した原因は、輸出の急拡大と政府の為替相場に対する介入政策。

1997年から2005年まで、中国元の対ドル相場は1ドル=8.28元でほとんど動いていない。これは政府が元売り・ドル買いの介入を続けたため。この結果、手持ちのドルが急増して外貨準備高が積み上がった。アメリカからの強い圧力と国内に元が出回りすぎたため、中国政府は05年7月、やっと元の切り上げに踏み切る。だが現在のレートは1ドル=6.83元ほど。まだ実質的な元安が続いている。

中国政府はこの豊富な手持ち外貨を、対外投資という形で積極的に活用している。金融関連を除いた対外投資額は、07年で年間200億ドルにのぼった。また07年9月には外貨準備を運用するための政府系投資ファンド、中国投資有限貿易公司(CIC)を設立。外国企業の買収や合弁事業に乗り出している。運用資金は2000億ドル、世界でも最大級の投資ファンドだ。

外貨準備の大半はアメリカの国債。ことし4月末の保有残高は7635億ドルだった。仮に中国がアメリカ国債を大量に売れば、アメリカの長期金利が暴騰する。この意味では、アメリカは中国に弱みを握られたと言えないこともない。ただしアメリカの国債価格が暴落すれば中国の財産が急減するわけで、その意味では中国にとっても痛し痒し。最近では金(きん)の保有も増やしており、保有高は1054トン、世界第5位になったと伝えられる。

                           (続きは来週サタデー)

    ≪11日の日経平均 = 上げ +245.05円≫

    【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2009-12-13-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第16章 失業率って、なんだろう? ⑪

雇用の状況を調べるときに、失業率と並んでよく使われる統計に「有効求人倍率(ゆうこうきゅうじんばいりつ)」があります。名前はむずかしいのですが、その内容は簡単。全国の公共職業安定所(愛称はハローワーク)に仕事を探しにきた人数と、会社が働く人を探している人数の割合なのです。ここで仕事を探しにきた人数を求職者数、働く人を探している人数を求人数ということを覚えておきましょう。

求人倍率は、求人数を求職者数で割って計算します。たとえば求人数が100人で、求職者数が80人だとすると、求人倍率は 100÷80=1.25 ということになります。逆に求人数が80人で、求職者数が100人だとどうなるでしょう。答は0.8ですね。ここからも判るように、求人倍率が1より大きいと「働く人が足りない状態」、1より小さいと「働く人が余る状態」を示しているのです。

では実際の数字を調べてみましょう。05年12月から07年10月までは、ずっと1以上が続いていました。いちばん高かったのは06年12月の1.08でした。07年の11月と12月はちょうど1.0。そのあと08年1月からはずっと1を下回る状態が続いています。いちばん最近のことし10月は0.44にまで下がってしまいました。景気が悪いからですね。

有効求人倍率はハローワークに仕事を探しにきた人、企業が働く人を探したいと言ってきた人数しか反映されません。たとえば雑誌やネットなどで、職業を探したり、働く人を募集する人数は含まれません。また中学、高校、大学の卒業生についてもカウントされません。ですから雇用情勢をみる場合には、就業者数や失業者数、失業率と求人倍率や新卒の就職内定率などを総合的に分析する必要があります。

                         (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2009-12-14-Mon  CATEGORY: 政治・経済
きょう14日に2つのポイント。1つはドバイワールド社が債務返済の延長を要請した問題で、子会社のナキール不動産による最初の償還期日がきょう。債務はイスラム債の35億ドル(約3150億円)。ただ2週間の猶予期間があるので、きょう決着が付かなくても、ただちに債務不履行とはならない見込み。しかしドバイワールド社の債務全体260億ドルの処理がどうなるかを占う材料としては、注目に値するだろう。

もう1つは、日銀が発表する12月分の短観。事前の予測では、大企業・製造業のDI(業況判断指数)が3か月前より6ポイント改善する見通し。仮にこの予想を下回る結果が出れば、市場にもショックが走るだろう。また、この予測通りになったとしても、DIはまだマイナス27という低さ。改めて日本経済の鈍い回復ぶりを印象付けることになるのではないか。

先週の日経平均は85円の値上がり。ダウ平均は83ドルの値上がり。ともに小幅高で終ったが、その内容はだいぶ違う。日経平均は毎日の振れが大きかったが、ダウは小幅の動きに終始した。どちらかというとダウの方が堅実な歩みで、年初来高値にあと8セントという水準にまで迫っている。日経平均は円相場に左右されたところが大きい。

経済指標は、15日にアメリカの11月・生産者物価と鉱工業生産。16日に、11月の消費者物価と住宅着工件数が発表になる。国内では、16日に10月の第3次産業活動指数。17日には、日銀が7-9月期の資金循環統計を発表する。ほかに週末までには政府が来年度の税制大綱をまとめる予定。また14日から17日まで、中国の習近平国家副主席が来日する。18日はCOP15の最終日。オバマ大統領と鳩山首相も出席する。

    ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ

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中堅・中小は先行き不安 / 日銀短観
2009-12-15-Tue  CATEGORY: 政治・経済
日銀は14日、12月分の企業短期経済観測調査を発表した。この短観は日銀が10000社以上の企業を対象に、3か月ごとにその企業の業況判断を調べているもの。3か月前と比べて業況が「良くなった」と答えた企業の割合から「悪くなった」と答えた企業の割合を引いて、業況判断指数(DI)を作成している。ほかにも設備投資や雇用状況など、いろいろな点を調査しており、経済界の注目度はきわめて高い。

今回の調査で、大企業・製造業のDIはマイナス24。前回より9ポイント改善した。最悪だった3月調査のマイナス58からみれば、かなり改善したと言えないこともない。しかしマイナス24というのは水準としてはかなり悪く、日本経済の回復の遅れを象徴しているとみた方がよさそうだ。14日の株式相場も、全く反応しなかった。

このほか大企業・非製造業のDIはマイナス22で、前回の調査より2ポイントの改善。また中堅企業・製造業はマイナス30で、10ポイントの改善。中小企業・製造業はマイナス40で、12ポイントの改善などとなっている。こうした数字を見る限りは、企業の業況は鈍いながらも改善しつつあると解釈できそうだ。

ところが短観では、来年3月の見通しも聞いている。その結果は大企業は製造業、非製造業ともに3-6ポイント改善する見込みという答え。しかし中堅企業では1-4ポイント、中小企業では2-6ポイント悪化の見通しという答えになった。景気対策の内容に期待が持てないのか、円高の進行が重石なのか。少なくとも中堅・中小企業は、まだ“二番底”を心配する状況にあることが判る。

    ≪14日の日経平均 = 下げ -2.19円≫

    ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ

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中国の輸入増 : 気になることは
2009-12-16-Wed  CATEGORY: 政治・経済
中国税関総署の発表によると、11月の輸入額は945億6000万ドル(約8兆5000億円)だった。昨年同月に比べると26.7%の大幅な増加となっている。前年の水準を超えたのは、ちょうど1年ぶり。一方、輸出額は1136億5300万ドルで、前年比は1.2%の減少だった。ほぼ前年並みの勢いを取り戻したと言えるだろう。この結果、11月の貿易黒字は190億9300万ドルとなった。

輸入が大幅に増えたのは、国内の景気が回復して生産が増大。部品や原材料の輸入増加につながった。11月の鉱工業生産は前年比で19.2%増と、2年5か月ぶりの高い伸びを示している。中国の場合は輸入した部品や原材料を組み立てて輸出するケースが多いため、輸入の増加は近々のうちに輸出の増加となって現われる。それが景気をさらに押し上げる可能性が大きいと考えられている。

日本の景気にとって重要なのは、中国の輸入動向だ。中国の輸入額は、世界不況の影響で昨年11月から激減。これが日本の対中輸出を減少させる結果となった。たとえば、ことし1月に中国の輸入額は前年比で43.1%も減少した。このとき日本側の通関統計で、中国向けの輸出は45.2%の減少となっている。

中国の輸入額は、11月に前年比27%も伸びた。日本の対中輸出は、どのくらい増加したのだろうか。前年比でプラスになるのは確かだが、一部の情報によると日本からの輸入は17%程度の増加に止まったという。正確な数字は財務省が21日ごろ発表する貿易統計を見なければ判らないが、どうも中国の輸入全体の伸びに比べると日本の対中輸出は増加率が小さくなるい可能性が強い。気になるポイントだ。

    ≪15日の日経平均 = 下げ -22.20円≫

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ギリシャを笑えない 日本の財政赤字
2009-12-17-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 収入の半分以上を国債に依存 = 政府は15日の閣議で、総額7兆2000億円の09年度第2次補正予算案を決定した。これに伴う新規国債の発行額は9兆3420億円。これで09年度の新規国債発行額は合計53兆4550億円に。また借換債などを含めた国債の総発行額は158兆4000億円に達する。この総額は当初予算で予定した発行額より26兆1000億円も多い。

国の歳入に占める国債発行高を、財政の国債依存度と言う。財務省によると、09年度の国債依存度はなんと52.1%になる。08年度の39.2%から大幅に上昇した。過去最高だった03年度の42.9%も大きく上回る。国債依存度が50%を超すのは、もちろん初めてのこと。日本の財政は、とうとう収入の半分以上を国債で賄うという異常な事態に陥った。

この結果、09年度末の国と地方を合わせた長期債務残高は825兆円にのぼる見通し。GDPに対する比率は171%と、世界でも断トツの借金大国になる。このうち国の借金は627兆円に増える見込みだ。名目GDP比では130%にもなる。日本の国民が1年3か月働いた分を、すべて返済に回さなければ、この借金は消せない計算になる。

話は飛ぶが、いまギリシャが財政赤字に悲鳴を上げている。国債の格付けが引き下げられ、金利が高騰。政府は社会保障費の10%カットや公務員の削減に踏み切る騒ぎとなっている。このギリシャのGDPに対する政府債務の比率は124.9%で、日本よりも低い。日本の場合は政府や民間の保有する債権が大きいので、ただちにギリシャと比較するわけにはいかない。しかし油断は禁物。日本の国債にも、格下げの懸念が忍び寄っている。

    ≪16日の日経平均 = 上げ +93.93円≫

    ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ

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エコカー補助政策の効果は?
2009-12-18-Fri  CATEGORY: 政治・経済
政府は1月の通常国会に提出する「緊急経済対策」のなかに、エコカーの購入補助制度を来年9月末まで延長する措置を盛り込んだ。この制度は自民党の麻生前内閣が、不況対策の一環として4月10日から実施。燃費の低い新車を買った人に最大25万円を支払う仕組みで、来年3月末までの時限措置だった。これを半年間延長する。なおエコカーを購入する際にかかる取得税と重量税の減税措置は、12年3月末までの実施が決まっている。

この補助制度は、どの程度の効果があるのだろうか。自動車業界団体の集計によると、11月の軽自動車を除く新車販売台数は29万3400台だった。不況で売れ行きが落ち始めた前年に比べると36.0%の増加である。しかし1-11月の累計は267万台。前年比11.8%の減少で、ことしは通年でも300万台には達しない見通し。一方で補助金が登録車の半分しか出ない軽自動車は、あおりを食った形。

軽自動車の販売台数は、11月も14万3100台で前年比は6.5%の減少。業界ではことし通年でも167万台と前年比10%減少になるとみている。したがって軽自動車を含む新車販売は、11月が43万6500台で前年比18.3%の増加。通年で500万台割れは確実となった。ただ8月以降は補助金制度にも助けられて、全体の売れ行きは持ち直し気味に推移している。

そこで新車販売がどの程度まで回復したかをみるために、不況の影響が出ていなかった一昨年11月と比較してみよう。すると軽自動車を除く販売台数は前々年比で1.2%減。軽自動車を含めると3.3%の減少という結果が出た。この数字からみる限り、補助政策は国内の新車販売をほぼ不況前の水準にまで持ち上げたということができるだろう。ただ需要が先取りされた可能性は否定できないから、今後の押し上げ効果は徐々に鈍るかもしれない。

    ≪17日の日経平均 = 下げ -13.61円≫

    ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 膨張する中国経済 ⑦
2009-12-19-Sat  CATEGORY: 政治・経済
7) 資源・食糧・エネルギー = いまや経済大国に成長した中国。しかも、その成長スピードは速い。その結果、国内のインフラ整備と工業生産のために使われる物資の量が急増している。さらに個人の消費も急拡大中だ。加えて政府も、重要な物資の戦略備蓄を強力に推進している。資源・食糧・エネルギーに対する中国の需要は、うなぎ登りだ。

たとえば原油。かつて中国は国産の原油で需要を賄い、余った分を輸出したこともあった。ところが現在は大口の輸入国に変身。07年の原油輸入量は1億6300万トンにも達している。さらに、ことし10月の輸入量は1934万トンで、年間ベースにすると2億トンを超えた。産業の重化学工業化とモータリゼーションの普及が、主たる原因である。

政府による戦略備蓄も大きい。たとえば石油については、現在1億バレルの備蓄を20年までに4億4000万バレルに。そのほか石炭や銅・亜鉛・アルミニウム・リチウムなどの鉱物資源。あるいはコメ・小麦・とうもろこし・大豆などの備蓄も増やす計画だ。特に最近はタングステン・リチウムなどの希少金属に重点を置いている。

こうした国際商品に対する中国の買い付け増加は、当然ながら商品価格の押し上げ要因として働く。最近のように不況で世界的に需要が減退している時期には、価格を下支えする。またバブル期のように需要が強い時期には、価格をいっそう押し上げる要因となる。その結果は日本を含む世界各国の経済に少なからぬ影響を与えるから、中国の一挙手一投足を見逃せない状況になってしまった。

                         (続きは来週サタデー)

    ≪18日の日経平均 = 下げ -21.75円≫

    【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2009-12-20-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第16章 失業率って、なんだろう? ⑫

ちょうど1年前の年末から正月にかけて、東京のど真ん中にある日比谷公園に、大きなテントがいくつも立ち並びました。不況で失業者が増え、なかには食べるものも寝る所もなくなった人たちが500人も、このテント村に集まったのです。これらの人たちを助けるために1500人ものボランティアが、ご飯をたいたり味噌汁を作ったりしました。これを「年越し派遣(はけん)村」と呼んでいます。

では、なぜ「派遣村」と呼ばれたのでしょうか。いま日本では、5500万人近くの人が会社やお店で働いています。しかし、その働き方はいろいろ。いちばん多いのは「社員」として働いている人たちですが、ほかにもアルバイト、パートタイム、臨時社員、それに派遣社員などの形で働いている人がいます。このうち社員になっている人は、ふつう定年まで働くことができ、給料も安定している場合が多いと言えます。

これに対して社員以外の人たちは、働く期間が短かったり、給料も低い場合が多いのです。ただ毎日は働けない主婦や学生にとっては、バイトやパートの方が働きやすいと言えるでしょう。会社側も景気が悪くなったとき、こういう人たちに辞めてもらい、人件費を節約できるから便利なのです。

しかし臨時社員や派遣社員の大多数は、その収入で生活しています。ですから不況で職を失うと、すぐ生活に困ってしまう人も多いのです。こういう人たちが日比谷公園に集まったので「派遣村」と名付けられたのでした。とにかく不況だからと言っても「派遣村」ができるようでは困りますね。そこで政府も生活に困るような失業者に対する援助、また失業者そのものをできるだけ少なくするように努力している最中です。

                      (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2009-12-21-Mon  CATEGORY: 政治・経済
今週の市場はニューヨーク、東京ともに祝日の関係で4営業日しかない。アメリカはクリスマス休暇、日本も年末を控えて、為替や株価も大きくは動けないだろう。先週の株価は、ダウ平均が143ドルの値下がり。にもかかわらず日経平均は、円高が少し修正されたこともあって週間34円の上昇だった。

今週の経済指標は、きょう21日に発表される11月の貿易統計に注目したい。特に中国向けの輸出が、どのくらいまで回復したか。それというのも、先に発表された中国の統計によると、中国側の11月の輸入が大幅に増加しているからだ。世界不況の影響を受けて中国の輸入も過去1年間、前年比で減少を続けていた。それが11月は前年を26.7%も上回る輸入額になったという。

日本の中国向け輸出額は、10月分でみると9934億円。前年比では14.3%減少となっている。減少率はしだいに縮小しているが、10月まで13か月連続で前年を下回った。これが11月はプラスに転じる公算は大きい。しかし、どの程度のプラスになるか。中国はいまやアメリカを上回る輸出先。その程度によっては、日本の景気に及ぼす影響も大きい。

このほか24日には、10-12月期の法人企業景気予測調査。また25日には、11月の労働力調査、消費者物価、企業向けサービス価格、住宅着工件数が発表になる。アメリカでは22日に、10月の住宅価格指数と11月の中古住宅販売。23日には、11月の新築住宅販売件数が発表される。

    ≪21日の日経平均は? 予想 =上げ

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不満足な 輸出の回復
2009-12-22-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 甘い新聞の見方 = 財務省が21日発表した11月の貿易統計によると、輸出は4兆9917億円で前年比は6.2%の減少だった。一方、輸入は4兆6177億円で16.8%の減少。この結果、貿易黒字は3739億円となり、10か月連続の黒字を記録した。前年比でみた輸出の減少率が10月の23.2%から大幅に縮小したため、新聞などには「輸出は順調に回復」といった記事も散見される。しかし、こうした見方には賛成できない。

というのも昨年11月の輸出が、不況の影響で急減しているからだ。この急減した水準と比べて、減少率が縮小したと考えるのは間違っている。昨年の輸出減少率は10月の7.9%減に対して、11月は26.8%だった。たとえば不況が始まる前の07年と比較してみると、11月の減少率は31%で10月の29%からむしろ悪化していることが判る。

11月の輸出を地域別にみると、アメリカは前年比7.9%減、EU(ヨーロッパ連合)は15.0%減、ロシアは74.1%減と、まだ成績が悪い。そうしたなかで、アジア向けが4.7%の増加となったことが目を引く。特に日本にとってはいまや最大の輸出相手国になった中国。その前年比は7.8%の増加で、実に14か月ぶりにプラスを回復した。この傾向は確かに歓迎していい。

ところが先に発表された中国側の貿易統計によると、中国の11月の輸入は前年比26.7%も伸びている。それなのに日本の対中輸出は7.8%しか増えなかった。考えられる理由は2つ。1つは日本が他の輸出国との競争で後れをとったのか。もう1つは日本の製品や部品メーカーが中国での現地生産を増やしたのか。日本の政府や経済団体は、この原因究明を早急に行なう必要があると思う。

    ≪21日の日経平均 = 上げ +41.42円≫

    ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ

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大失敗のCOP15 / 温暖化防止は霧の中 (上)
2009-12-24-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 実質的な合意はゼロ = デンマークのコペンハーゲンで開いた国連の気候変動枠組み条約締結国会議(COP15)は、地球温暖化防止のために必要な合意を得られず、完全な失敗に終った。オバマ大統領や鳩山首相ら世界の首脳が参集し、会期を19日まで延長して議論したが、結局は「コペンハーゲン合意に留意する」という全く珍妙な表現のの文書を採択しただけ。地球温暖化を阻止する試みは、コペンハーゲンの厚い霧に覆い隠されてしまった。

この会議のなかで、日米欧と中国などの26か国がかろうじて一致できた内容が「コペンハーゲン合意」。その骨子は①先進国は来年1月中に、20年までの温暖化ガス排出規制についての中期目標を提示する②途上国は自主的にガス排出の削減計画を作る--の2点だけ。あとは途上国への資金援助しか書かれていない。しかも、この合意には拘束力がないというのだから、実質的には何も決まらなかったと言えるだろう。

ところが驚いたことに、総会ではこんな内容のない合意までが否決されてしまった。中南米の一部諸国などが「先進国が勝手に作った合意」だからと拒絶したためである。結果として会議が決裂というのはマズいとの配慮から、最終的には「コペンハーゲン合意に take note (留意)する」という前代未聞の文書を採択した。

アメリカや中国が参加すると、26か国でも拘束力のないコペンハ-ゲン合意ぐらいがやっとのこと。まして193か国がそれぞれの利害を主張する総会では、一歩の前進も困難なことが判明した。いや主要国間ではすでに合意をみていた「50年にガス半減」目標さえ吹っ飛んでしまったのだから、むしろ退歩だったとも言える。1年後にメキシコで開くCOP16までに、事態の打開を図れるのか。日本の25%削減宣言はどうするのか。

                        (続きは明日)

    ≪22日の日経平均 = 上げ +194.56円≫

    ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ

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大失敗のCOP15 / 温暖化防止は霧の中 (下)
2009-12-25-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ まず失敗を認めよう = 「合意に留意する」という全く無意味な文書を採択して終了したCOP15。ところが新聞報道によると、鳩山首相は「よかった、よかった」と感想を洩らしたというし、会議に参加した某外務副大臣は「非常に大きな一歩だ」と評価したそうだ。当事者という立場を考慮しても、この反応はひどすぎる。

新聞各紙は、さすがにプラス評価はしていない。しかし大失敗という判定も下していない。失敗と断定すれば、将来に対する希望が失われてしまうかもしれない、という配慮なのだろう。だが193か国による全会一致でなければ決まらない現在のCOP方式で、意味のある合意が成立する可能性はゼロに近いのではないだろうか。この際は失敗を素直に認めて、その原因を究明する。場合によっては、新しい枠組みを考えることも必要かもしれない。日本はその先頭に立って、活動すべきではないか。

そうしたなかで、鳩山首相が国連総会で表明した「20年までに25%削減」の大風呂敷をどうしたらいいのか。この削減案については、国内でも産業界を中心に根強い反対論がある。「他の国がやらなければ、日本もやらない」と言ってしまうのは簡単だ。だが、それでは地球の将来が危うくなる。

一つの問題は民主党内閣が、25%削減の具体的な方策や行程表を全く作成していない点にある。国連演説から3か月を過ぎたのに、目標達成のための肉付け作業は行なわれていない。これでは競争力の低下を憂慮する産業界に対して、有効な説得ができない。負担の問題も明確でないから、国民も具体的に考えられない。海外諸国も、日本の真剣さに疑問を持つかもしれない。COPの失敗とは切り離して、政府は国内の意思統一に全力を傾けるべきだろう。

    ≪24日の日経平均 = 上げ +158.89円≫

    ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫ 

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サタデー自習室 -- 膨張する中国経済 ⑧
2009-12-26-Sat  CATEGORY: 政治・経済
8)億万長者は5万人 = 中国のGDPは08年で4兆4000億ドルだった。IMF(国際通貨基金)の推計によると、10年には日本を抜いてアメリカに次ぐ世界第2の経済大国になる。だが人口は日本の10倍だから、1人当たりのGDPは日本の10分の1ということになる。その意味では、平均的にみた中国の豊かさはまだ低く、“発展途上国”だとも言えるだろう。

ところが所得の格差は驚くほど大きい。上海のイギリス系会計事務所の調査によると、1000万元(約1億4700万円)以上の資産家は全国で82万5000人。このうち1億元(14億7000万円)以上の億万長者は5万1000人を数えるという。その一方で、1日の生活費が1ドル以下の貧困層は、全人口の1割を超えるという調査もある。

経済的な格差は、地域間、都市部と農村部、民族・社会階層、職業の面でいちじるしい。たとえば1人当たりの域内総生産でみると、最高の上海市と最低の貴州省では10倍の差。都市住民と農民の所得格差は、優に3倍を超えている。さらに道路や水道といった生活インフラ、また医療・教育・社会保障の面でも、農村部の立ち遅れは際立って大きい。

こうした経済格差を背景に、時として民族間の紛争や反政府運動が発生する。中国政府はこうした動きを最も警戒し、胡錦濤政権は「和諧(わかい=調和のとれた)社会」づくりを基本方針として打ち出した。特に農民に対しては、農業税の廃止やインフラ整備、最低賃金や社会保障制度の普及に力を入れている。だが格差は、ほとんど縮小していないのが現実のようだ。

                       (続きは来年1月9日)

    ≪25日の日経平均 = 下げ -42.21円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝0敗】

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2009-12-27-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第16章 失業率って、なんだろう? ⑬

勤めていた会社の経営が悪くなったり、自分が病気で働けなくなったり。失業はいろいろな原因で発生し、いつやってくるかわかりません。そんなときのために備える制度を、雇用保険(こようほけん)と言います。これは会社と社員があらかじめおカネを積み立てておいて、失業した人に保険金を支払う仕組みです。運悪く失業してしまった人も、このおカネで生活しながら、次の仕事を探すことができるわけですね。

ところが正社員はたいがい雇用保険に入っていますが、臨時社員や派遣社員、アルバイトやパートの人たちはほとんど入っていません。このため失業するとおカネがなくなってしまい、家賃も払えなくなってしまいます。こういう人たちの集まりが“派遣村”でした。もう年末ですが、ことしも派遣村はできるのでしょうか。

こうした失業者に食べ物をあげたり、寝るところを探してあげる。これも最低限の失業対策でしょう。しかし、それだけでは失業者を減らすことはできません。そこで政府は、失業してしまった人に職業訓練をするなど、いろいろな対策を実施しています。いま失業者は増えていますが、その半面で医療や介護、それに農業の分野などでは人手不足です。訓練をして、こうした分野で働いてもらおうという考え方ですね。

もっと広い意味で考えると、日本全体の景気がよくならないと失業者は減りません。ですから景気をよくするための政策は失業対策だということにもなります。政府もそのつもりで景気対策を実行していますが、景気はなかなかよくなりません。おととい25日に発表された11月の失業率は5.2%で、前の月よりも0.1ポイント上昇してしまいました。

                      (失業率って は終わり)

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今週のポイント
2009-12-28-Mon  CATEGORY: 政治・経済
いよいよ2010年を迎える。早いもので、21世紀に入ってもう10年たった。1999年のGDPと想定される2009年のGDPを比べてみると、実質で約10%増えた。ゼロ金利政策は続いたが、年平均はほぼ1%の低成長である。現在の円相場は、10年前よりも約11円の円高・ドル安。日経平均株価は8400円も値下がりした。この10年間の日本経済は、何と表現したらいいのだろう。

先週の株式市場は、日米ともに4営業日。ダウ平均は4日とも上げて、週間では191ドル上昇した。日経平均は週間353円の値上がり。来年度の税制改正や新年度予算案が発表されたにもかかわらず、東京市場はあまり反応しなかった。ほとんど円高の修正に助けられた値上がりと言っていい。この値上がりによって、日経平均は鳩山内閣が発足した9月16日の終り値を225円だけ上回ることができた。

同じ期間をとってみると、海外の株価はみな大きく上げている。たとえばダウは10%、英FTは8%、ロシアは32%、中国も14%の上昇というぐあい。特にニューヨークのナスダック市場は、08年9月のリーマン破綻前の水準を回復した。日本の株価だけが取り残されている。来年は寅年、大きく跳んで追いつけるかどうか。

今週は28日に、11月の鉱工業生産と商業販売統計。アメリカでは29日に、SPケースシラーによる10月の住宅価格とコンファレンスボードによる12月の消費者信頼感指数が発表になる。なお東京市場は30日が大納会。ただし、ことしから平日と同じ終日立会いになる。

    ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ

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生産の回復 : 自動車がリード
2009-12-29-Tue  CATEGORY: 政治・経済
経済産業省の発表によると、11月の鉱工業生産は前月より2.6%増加した。出荷も0.9%の増加だった。これで生産と出荷の増加は、ともに9か月連続している。また今後の予測では、12月が3.4%、来年1月も1.3%増加する見通しとなった。これらの数値から、同省では「生産は持ち直しの動きで推移している」という基調判断を据え置いた。

では、どの程度まで持ち直したのだろうか。発表によると、前年同月比は3.9%の減少。新聞各紙もこの数字を載せているが、これはあまり意味がない。いつも言うように、昨年11月の生産水準が不況の影響で大きく落ち込んでいるからだ。昨年12月はもっと落ち込みが激しくなっているから、もし予測の通り12月の生産が3.4%増加すれば、12月に前年の水準を上回るのは当然ということになる。

1つの比較方法は、生産が最も低下したことし2月の水準と比べてみることだろう。その結果は27%の増加。つまり最低水準からは3割近く這い上がったことがわかる。もう1つは、生産指数の基準年次である05年平均との比較。これでみると、11月の水準は11.7%の減少ということになる。あと1割ちょっと上昇しないと、05年のレベルに達しないわけだ。

11月の生産を引き上げた最大の品目は自動車だった。たとえば乗用車の生産は05年を100とすると、ことし2月には48.3まで落ち込んでいる。これが11月には100.4まで回復した。つまり乗用車の生産に関する限りは、ようやく05年の水準に戻ったこと。最低水準からみると、2倍以上に増加したことが判明する。今後の生産動向も、自動車しだいと言えるかもしれない。

    ≪28日の日経平均 = 上げ +139.52円≫

    ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ

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来年度1.4%成長は 達成できるのか
2009-12-30-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ やっぱり輸出頼み = 経済成長率についてはずっと口を閉ざしてきた鳩山内閣が、やっと来年度の成長見通しを決定した。それによると、10年度の実質成長率は1.4%、名目成長率は0.4%となっている。この見通しが実現すると、実質値は今年度に見込まれるマイナス2.6%からは4ポイントの上昇。実質・名目とも、3年ぶりにプラス成長へ戻ることになる。

実質成長率見通しの内訳けをみると、個人消費がエコポイント制度などの対策によって、今年度のプラス0.6%から1.0%に増加する。また住宅投資や設備投資も、今年度のマイナスがプラスに転じると予測している。なかでも輸出は世界経済の好転に伴って、今年度のマイナス14.4%から来年度はプラス8.3%へと大幅に伸びる予想。やっぱり輸出の回復に大きな期待をかける形になった。

世界同時不況のあとだけに、1.4%という低い成長率でも仕方がないのかもしれない。だが、これは最低限度の目標だと考えて、ぜひ実現してもらいたいものだ。そこで心配な点は、この政府見通しではエコポイントや子ども手当て、あるいは農家に対する戸別所得補償制度などのプラス効果は計算に入れているが、ダムや道路など公共事業を削った分のマイナス効果をきちんと測定しているかどうかである。

公共事業費を削減したことが悪い、と言っているのではない。ただ公共事業の削減で失業者が増えると、全体としての個人所得は減少してしまう。これが子ども手当てなどで増える所得を、どの程度まで相殺するのか。場合によっては全体の所得が低下して、結果的に消費が伸びない危険性はないのだろうか。この点は、失業者に対する再就職訓練などの成果にもかかってくるが、やはり心配である。

    ≪29日の日経平均 = 上げ +3.83円≫

    ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ

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