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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
今週のポイント
2010-02-01-Mon  CATEGORY: 政治・経済
今週は5日に、アメリカ労働省が1月の雇用統計を発表する。12月の失業率は10.0%と2ケタのまま。雇用者の減少もまだ止まらない。ユーロ圏の失業率も12月は同じ10.0%で、通貨統合後では初めて2ケタを記録した。日本の失業率も12月は5.1%と、高止まりしたままだ。日米欧の先進国は不況から脱出しつつあるが、雇用情勢だけは改善しない。各国経済にとっては、共通の試練になってきた。

こうしたなか、オバマ大統領は一般教書演説で「ことしは雇用創出を最優先課題にする」方針をきわめて明確に打ち出した。アメリカ経済が抱えた問題点を正確に把握した、施政方針演説だったと言えるだろう。片や、日本の施政方針演説。鳩山首相は50分間の演説で「いのち」という言葉を24回も使ったが、雇用の創出については言葉少なだった。理念だけで具体性に欠けると評された一因である。

先週の株式市場は、全く冴えなかった。ダウ平均は週間106ドルの値下がり。これで3週連続の下落となった。日経平均は393円の値下がり。先々週からの2週間で784円の大幅な下げである。アメリカの金融規制強化や中国の引き締め懸念などが響いたとしても、やや弱気に走りすぎ。その根底には、雇用の改善はむずかしいという悲観論の広がりがあるのかもしれない。

今週1日には日本の、また2日にはアメリカの、1月の新車販売台数が発表になる。日米の新車販売は回復の方向にあるが、最近は伸びが鈍りがち。どんな結果が出るのだろうか。国内では5日に、昨年12月の景気動向指数が発表になる。こちらの方は、順調な改善になると思われる。
    

    ≪1日の日経平均は? 予想 = 下げ

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1月の新車販売 : 不況前の水準を回復
2010-02-02-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 減税・補助金に助けられ = 日本自動車販売協会連合会の集計によると、1月の軽自動車を除く新車販売台数は23万8362台だった。前年同月比は36.8%増という高い伸び。これは前年が不況の影響で、売れ行き不振だったため。しかし不況前の08年1月の水準まではあと3500台。また07年1月よりは5000台増えているから、新車販売はなんとか不況前の水準を回復したとみてよさそうだ。

このうち乗用車は、前年比42.8%増の21万9844台。トラックは9.0%減の1万7556台。またバスは7.6%減の962台だった。メーカー別にみると、トヨタが42.9%増の11万7154台と大きくリード。続いて日産が24.3%増の3万8260台。ホンダは65.3%増の3万6510台と、日産に肉薄した。

乗用車の販売増加は、政府のエコカーに対する減税や補助金政策に負うところが大きい。第2次補正予算の成立で補助金制度はことしの9月まで延長されたが、その効果はしだいに低下する可能性が大きい。ことしの新車販売は、その影響を受けざるをえないだろう。各社の販売戦略が試されることになる。

一方、補助金政策の恩恵が少なかった軽自動車はまだ苦戦中。1月の販売台数は12万8297台で、前年比はやっと0.7%の増加となった。前年比のプラスは08年10月以来15か月ぶり。それでも08年1月に比べると、まだ5%低い水準だ。また1月も乗用車だけをみると、前年比で2.2%の減少となっている。


    ≪1日の日経平均 = 上げ +6.98円≫

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失業率5.1% の読み方
2010-02-03-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 悪化したの? 改善したの? = 新聞に「失業率は5.1%」という見出しが揃った。ところが、ソデ見出しでは「悪化」としたところと「改善」と書いたところがあって、ちょっと混乱した。だが両方とも間違っているわけではない。昨年の平均失業率は5.1%、前年より1.1ポイント悪化した。昨年12月の失業率もたまたま5.1%で、こちらは前月より0.1ポイント改善したという次第。

不況の影響で09年の雇用情勢がどれだけ悪化したかを知るには、昨年の平均失業率。現在の雇用動向を見るには、12月の数字が重要なことは言うまでもない。しかし12月の数字が0.1ポイント低下したことが、ほんとうに雇用情勢のわずかな改善とみていいかどうかについては疑問がある。厚生労働省の発表を点検してみよう。

発表によると、12月の就業者数は6223万人。完全失業者は317万人だった。ここで完全失業率というのは、就業者が増加するか、失業者が減少すれば低下することになる。そこで12月の数字を11月の数字と比較してみると、就業者数は108万人減少、失業者数は14万人の減少だった。12月の失業率が0.1ポイント低下したのは、失業者数の減少に負うところが大きい。

だが就業者数が減っているのに、なぜ失業者数も減るのだろう。その理由は雇用の環境がさらに悪化した結果、それまでは就職を希望していた人が「就職はとてもムリ」だと考えて、求職活動を止めてしまったからだと思われる。そうだとすれば、失業率の低下は全く雇用情勢の好転を意味しない。政府は失業率5.1%の意味を正しく捉えて、雇用対策に全力を挙げるべきである。
   

    ≪2日の日経平均 = 上げ +166.07円≫

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追い詰められた 家計の収支
2010-02-04-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 4年前に戻った収入 = 総務省が集計した昨年12月の家計調査によると、2人以上の勤労者世帯が受け取った実収入は平均90万6884円だった。一昨年の12月に比べると、6.5%も少なくなっている。世帯主の定期収入が6.9%減少したうえに、賞与や臨時収入も11.1%減ってしまった。配偶者や他の世帯員の収入も減少。この結果、税金や社会保険料などを差し引いた可処分所得は76万8386円で、前年より6.4%少なくなっている。

2人以上の勤労者世帯がボーナス月でもある12月に受け取った実収入を調べてみると、06年から08年にかけての3年間は95万円ー97万円の水準を維持していた。その前の05年は90万5000円だったから、昨年12月の実収入は4年前の金額に逆戻りしたことになる。しかも可処分所得は、4年前よりも8000円ほど減少した。

このため、昨年12月の消費支出は35万9254円に止まっている。一昨年12月に比べて1.7%の減少。4年前に比べても5.6%減っている。定職のあるサラリーマン世帯でさえ、一般的な支出を抑制して家計を守っているわけだ。これでは個人消費が伸びるはずもない。

さらに貯蓄や保険料などの受払いを差し引くと、昨年12月の2人以上の勤労者世帯では、最終的な財産の純増加額がわずか5366円に落ち込んでいる。実収入がほぼ同じだった05年の12月は、純増額が2万8889円あった。要するに昨年12月の数字は、平均的なサラリーマン世帯が貯蓄を取り崩すかどうかの瀬戸際に追い詰められている姿を表わしていると言えるだろう。


    ≪3日の日経平均 = 上げ +33.24円≫

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喜べない 原油輸入量の激減
2010-02-05-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 主因は景気の低迷 = 財務省が発表した09年の貿易統計によると、原油や天然ガスなどのエネルギー輸入が激減した。たとえば原油・粗油の輸入量は2億1300万キロリットルで、前年より11.9%減少した。液化天然ガスは6449万トンで6.9%の減少。石炭も1億6186万トンで15.6%減少している。

08年はエネルギーの国際価格が高騰したため、日本の輸入価格も急上昇した。09年は価格も落ち着いたため、輸入価格でみると、前年に比べた減少率はきわめて大幅になっている。たとえば原油・粗油の輸入価格は7兆5636億円だったが、この金額は前年より53.5%も減っている。価格でみると、天然ガスは39.3%、石炭は32.8%も前年を下回った。

日本の原油輸入量は、97年の2億6800万キロリットルがピーク。その後は減少気味に推移してきたが、09年になって急減した。本来ならば、日本の経済や環境問題にとってエネルギー輸入の減少は喜ぶべきことである。だが、その主たる原因は不況による経済活動の停滞。どうも素直には喜べない。

企業の生産活動が低下して、エネルギーの需要が縮小。消費者の節約志向や低燃費車の普及で、ガソリンの販売量が下落。物流の低迷で、トラックの軽油消費も減退。こうした理由から、エネルギーの輸入が大幅に減ったわけである。年間の原油輸入量は、中国に抜かれて世界第3位になった。経済成長を達成しながらエネルギー輸入を減らせる時代が、早くきてほしいものだ。


    ≪4日の日経平均 = 下げ -48.35円≫

    ≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 現代のお宝・ レアメタル ①
2010-02-06-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 存在量は少なくない = 希少金属と言うと、地球上に存在する量が非常に少ない金属だという感じがしてしまう。だが埋蔵量が少ないものもあるが、むしろ大半のレアメタルの存在量は少なくない。ただ鉱石から抽出することがむずかしく、精錬コストも高いものが多い。レア=希少という意味は「世の中に出てきにくい」と理解した方がよさそうだ。

そのレアメタルが、いま脚光を浴びている。電子機器から自動車に至るまで、なにしろハイテク産業には必要不可欠な材料になったからだ。プラチナのようにかなり古くから使われていた金属もあるが、いわゆるレアメタルと呼ばれる金属のほとんどは、ハイテクの発達とともに需要が急増したと言える。

不思議なことに、レアメタルの学術的な定義はない。また国際的な規定もない。日本では経済産業省が、今後の産業発展に重要な原材料として、現在30の鉱種とレアアース(希土類)の31品目をレアメタルと認定している。したがって、日本でレアメタルと言う場合は、この31品目を指すと考えていい。

とにかく近年は各国による争奪戦が始まり、価格も急騰している。だがプラチナやタングステン、ニッケル、チタン、ゲルマニウムなどはよく知られているが、一般の人がハフニウム、タリウム、ビスマスなどの名前を聞くことはあまりない。まして17種類あるレアアースの名前は、専門家でなければ一つも言えないだろう。そういう意味でも、レアなのかもしれない。
                          

                            (続きは来週サタデー)

    ≪5日の日経平均 = 下げ -298.89円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】 

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2010-02-07-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第17章 国債って、なんだろう? ⑤

前回は、利子の支払い方や元金が返済されるまでの期間、つまり償還期限によって国債が分類されることを勉強しました。きょうは、その他の分類について説明しましょう。それは国債を売って得たおカネを、国が何に使うかで分ける方法です。この分け方では、国債を建設国債と赤字国債に分類することができます。

国は道路や鉄道を造ったり、学校や病院を建てたりします。おカネがたくさん必要ですね。そのために発行する国債を建設国債と呼んでいます。これに対して、予算を組むときにどうしてもおカネが足りない。その不足分を補うために発行する国債が赤字国債です。

建設国債の場合は、結果として国民の生活をよくするための財産が残ります。しかし赤字国債は何も残りません。みなさんの家でも、自動車やテレビを買うための借金ならモノが残りますが、生活費に使ってしまった借金では何も残りませんね。同じ借金でも、使い方によってずいぶん違うと思いませんか。

いま国会が審議している10年度予算で、国債の発行額を見てみましょう。まず建設国債の発行予定額は6兆3530億円です。ところが赤字国債の方は37兆9500億円も発行することになっています。不況の影響で税金の収入が大きく落ち込む見通しなので、その分を埋めるために赤字国債の発行額がこんなに大きくなってしまいました。 

                           (続きは来週日曜日)                           
         
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今週のポイント
2010-02-08-Mon  CATEGORY: 政治・経済
いま日米両国ともに、企業の決算発表がピーク。その内容は、景気の回復を反映して予想以上にいい。日本経済新聞の調査によると、上場企業の3月期決算は全体の1割が最高益を見込んでいるという。だが先週の株価は後半になって、日米ともに大幅な下落となった。結局、ダウ平均は週間55ドル、日経平均は141円の値下がり。

週後半に売り込まれた原因は、南ヨーロッパから飛んできた。昨年末から財政不安がくすぶっていたギリシャに続いて、ポルトガルやスペインの財政危機が報じられたことから、株式市場や商品市場から資金が引き揚げられたためである。ユーロが売られ、つれてドル安となったために、円高が進行。東京市場では、警戒感が増幅された。

ギリシャもポルトガルもスペインも、EU(ヨーロッパ連合)の一員である。したがって最終的にはECB(ヨーロッパ中央銀行)が支援するはず。だから財政が破綻して、デフォルト(債務不履行)宣言にまで行き着くことはまず考えられない。ECもECBも、近く何らかの支援策を打ち出すだろう。ただ、それまでの間は、やや混乱が続くかもしれない。

今週はユーロの対円相場がどう動くか。1ユーロ=121円台は11か月ぶりの円高水準だが、これが120円を突破するかどうかが注目される。経済指標は8日に、1月の景気ウォッチャー調査。10日に、1月の企業物価。12日に、1月の消費動向調査。アメリカでは11日に、1月の小売り売上高。12日にミシガン大学の2月・消費者信頼感指数。ほかに12日にはEUが10-12月期のGDP速報を発表する予定。

    

    ≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ

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南ヨーロッパ発の “低気圧” (上)
2010-02-09-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 心配なユーロの下落 = 南ヨーロッパに強力な低気圧が発生した。最初はギリシャで観測されたが、いまはポルトガルとスペインを巻き込んでいる。まだ強い低気圧の段階だが、その影響は東京を含む世界の市場に及んできた。このまま放っておくと最大級の嵐に発達しかねないだけに、警戒は怠れない。

低気圧の原因は、各国の財政不安。まずギリシャでは昨年末に、実際の財政赤字が公表されていた数字を大幅に上回っていたことが発覚した。このため国債の格付けが引き下げられ、国債の売れ行きが不調に。このままだと、ギリシャは国の債務を返済できなくなるのではという不安が高まった。いわゆるデフォルト(債務不履行)宣言に追い込まれる可能性が生じたわけである。

さらに年が明けると、ポルトガルやスペインでも財政不安が表面化した。ちなみに09年の統計でみたギリシャの財政赤字は、GDPに対して12.7%。またポルトガルは同じく8.0%、スペインは11.2%だった。仮に、これらの国がデフォルトに追い込まれると、これらの国の国債を買っていたヨーロッパの金融機関は、巨額の損失を蒙ることになる。再びリーマン・ショックが起るかもしれない。

その警戒感から世界中の投資家が市場から手を引き、先週後半は株価や商品相場が大幅安となった。同時に統一通貨であるユーロも売り込まれ、円の対ユーロ相場は先週1ユーロ=121円台にまで上昇。11か月ぶりの高値を付けている。南ヨーロッパ低気圧が発達すれば、ユーロが下落する。したがって当面は、ユーロ相場が気圧計になると考えていい。


                             (続きは明日)

    ≪8日の日経平均 = 下げ -105.27円≫

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南ヨーロッパ発の “低気圧” (下)
2010-02-10-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ ECの試金石にも = 財政難に陥ったギリシャ、ポルトガル、スペインの3国は、いずれもEU(ヨーロッパ連合)の加盟国である。このため今回の問題も、最終的にはECB(ヨーロッパ中央銀行)やドイツあるいはフランスなどの有力加盟国が面倒をみるだろうと考えられている。そうなれば、南欧の“低気圧”も急速に勢力を弱めるだろう。

ところがドイツもフランスも、いまは経済的な余力があまりない。不況対策を実施したために、財政状態も悪化している。たとえば09年の財政赤字はGDP比で、ドイツが3.4%、フランスが8.3%と、EUが決めた「3%以内」の基準を突破してしまった。しかもまだ不況から脱し切れず、両国ともに失業率は高水準のまま。積極的な支援は、しにくい状況にある。

EUは1967年に6か国でスタートした。いまや、その加盟国は27か国にふくらんでいる。総人口は5億人。GDPは12兆ユーロ(約1600兆円)と、アメリカをしのぐ経済圏に成長した。しかし最大のアキレス腱は、通貨統合は進めたものの、財政は各国が独自の政策で運営している点。今回の問題は、その欠陥を露呈したものと言えるだろう。

昨年12月に新しいリスボン条約が発効、初代の大統領にファンロンパイ前ベルギー首相を選出したEC。通貨に続いて政治面での統合をさらに前進させたが、早くも加盟国の財政不安という荒天に直面した形。EUが早目の支援に成功すればいいが、もし失敗すると世界経済は再び暴風雨に見舞われる。EU自体も、その結束にヒビが入りかねない。


    ≪9日の日経平均 = 下げ -18.92円≫

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失業率の低下 : アメリカも同じ現象
2010-02-12-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 単純には喜べない = アメリカ労働省が発表した1月の雇用統計によると、失業率は9.7%で前月より0.3ポイント低下した。アメリカの失業率は08年夏から上昇し始め、09年10月には10%台に。それがようやく1ケタに下がったことから、雇用情勢も最悪期は脱したという声も出ている。だが必ずしも単純には喜べない。

というのは発表された統計をよく読むと、雇用者数が前月より2万人減っている。にもかかわらず失業率が低下したのは、同時に失業者数も43万人減少したためだ。雇用者数が増えないのに失業者数が減るという現象。これは雇用情勢が厳しくなったために、仕事を探す人があきらめてしまって求職活動を止めたことから生じる、統計上の一種のマジックだ。

日本でも12月の失業率は改善したが、全く同様の現象が起っている。このことは、2月3日付けのこのブログで解説した。したがって今後の雇用動向を占うには、失業率よりも就業者数あるいは雇用者数の増減が重要なポイントになってくる。アメリカの場合で言うと、1年前には1か月で60万人ー70万人の職が失われたが、最近では数万人の減少にまで縮小してきた。これがいつ増加傾向に転じるかである。

アメリカ労働省の集計によると、景気後退が始まった07年12月から現在までの雇用者数の減少は、累計で840万人に達した。これだけ雇用者数が増えなければ、雇用の状況は不況の前に戻らないことになる。このためオバマ大統領も「ことしは雇用の創造を最優先課題にする」と宣言した。日本も同じ問題を抱えているが、鳩山内閣からはそんな決意があまり発信されていない。
    

    ≪10日の日経平均 = 上げ +31.09円≫

    ≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 現代のお宝・ レアメタル ②
2010-02-13-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 現代産業のビタミン剤 = レアメタルは、いずれも驚くべき特技の持ち主だ。他の金属や素材と混ぜ合わせることによって、その強度を飛躍的に高くする。素材の伝導性や磁性を強くしたり、電池の容量を増大したり。現代産業にとっては不可欠の物質であり、モノ作りのためのビタミン剤と言ってもいいだろう。

電気自動車やハイブリッドカー、テレビ受信機やステレオ、パソコン。さらに冷蔵庫から掃除機にいたるまで、身の回りの生活用品にも、レアメタルが使われていないものを探す方がむずかしい。一例をあげると、携帯電話に使用されているレアメタルは、インジウム、ネオジウム、ガリウム、タンタル、チタン、リチウム、ベリリウム・・・といった具合。

レアメタルの特性は、大きく4つに分けられるかもしれない。1つは構造材を強化する機能。たとえば鉄や銅、アルミニウムなどに添加すると、強度が増して錆びにくくなる。クロムやニッケル、モリブデン、パナジウム、チタンなどが代表例だ。2つ目は、排気ガスを浄化する触媒機能。代表的なプラチナは、いまや宝飾品に使用されるよりも自動車の排ガス抑制に使われる量の方が圧倒的に多い。

3つ目は、電子材料や磁気材料としての機能。半導体は主にシリコンやゲルマニウムが材料だし、発光ダイオード、リチウムイオン電池、磁気記録素子、超伝導材料など、この分野での利用は急速に拡大中だ。ニッケルやリチウムのほか、ネオジウムやインジウム、それにレアアース類がこの分野では活躍している。4つ目は、機能性材料としての機能。光触媒や光学ガラス、ニューセラミックス、プラズマディスプレーなどの材料として使われる。携帯電話には、これら4つの機能がすべて利用されている。


                          (続きは来週サタデー)

    ≪12日の日経平均 = 上げ +128.20円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝0敗】

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2010-02-14-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第17章 国債って、なんだろう? ⑥

お小遣いを貯めて、国債を買ってみませんか。国債には、一般の人が買いやすいように工夫した「個人向け国債」もあります。いまは償還期限が10年で変動金利のものと、償還期限が5年で固定金利のものの2種類が売り出されています。これに加えて7月からは、償還期限3年の固定金利型も発売される予定です。

個人向け国債は、1万円から買えることが最大の特色。これなら君にも買えるでしょう。銀行や証券会社あるいは郵便局で、売っています。未成年者でも親のOKがあれば、自分の名前で買うことができますよ。半年ごとに利子をもらえるほか、期限がくれば元金も戻ってくるのは他の国債と同じです。

もう1つ、借り換え国債について説明しておきましょう。建設国債にしても赤字国債にしても、国は新しく国債を発行することになりますね。ところが過去に発行した国債の償還期限がくると、国はその元金を返済するためのおカネが必要になります。そのおカネを作るために、また国債を発行する。これが借り換え国債と呼ばれる国債で、建設国債や赤字国債のような新規国債とは区別されるのです。

政府が作った10年度予算案をみると、建設国債と赤字国債を合計した新規国債の発行予定額は44兆3000億円です。ところが10年度に発行する予定の国債は、総額では162兆4000億円となっています。その差額の大部分が、この借り換え国債なのです。この数字だけを見ても、国の借金のやりくりは大変なことがわかるでしょう。


                              (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2010-02-15-Mon  CATEGORY: 政治・経済
昨年10-12月期のGDP速報値が、きょう15日に発表される。世界不況の影響で昨年1-3月期にはマイナス11.9%にまで低下した実質成長率は、4-6月期=プラス2.7%、7-9月期=プラス1.3%と、ようやくプラス成長を取り戻した。10-12月期は輸出が増加したこともあって、プラス幅は拡大すると思われる。経済企画協会がまとめた民間エコノミスト40人の予測は、平均値がプラス3.46%だった。

この予測通りならば、景気の回復はまずまず順調ということになる。しかし問題は、ことし1-3月期の動向。補正予算の執行に空白が生じたことや円高の進行で、成長率は再び下向くという見方が強い。心配された二番底にはならないにしても、踊り場的な状態に落ち込む可能性はかなり大きい。

ここ当分の間、株価もこうしたマクロの経済動向を気にするのではないか。円高傾向と中国の金融引き締めと合わせた3点セットが警戒要因。これに対してミクロの企業業績は、予想以上に好転してきた。この春の株価は、この両者の綱引きで変動することになるだろう。

今週15日はアメリカ、中国、韓国、台湾、シンガポールなどの市場が休み。17日には、12月の第3次産業活動指数が発表になる。またアメリカでは17日に、1月の住宅着工件数と工業生産指数。18日には、1月の卸売物価とコンファレンスボードの景気先行指数。19日には、1月の消費者物価が発表される。
    

    ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ

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GDP : 10-12月期は順調だったが 
2010-02-16-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 心配な1-3月期 = 内閣府が15日発表した昨年10-12月期のGDP速報によると、前期比を年率換算した実質成長率は4.6%だった。内容的にみると内需と外需のバランスがとれて、久しぶりにいい形となっている。しかし心配な問題点もあって、ことし1-3月期には息切れ気味となる可能性が大きい。

項目別に点検すると、輸出は21.7%の増加。中国向けのほか、アメリカ向けも拡大した。この外需に加えて、内需も健闘している。個人消費は2.8%の増加、企業の設備投資も4.0%伸びた。住宅投資は12.8%のマイナスだったが、それでもマイナス幅は前期の半分に縮小した。内需全体がプラスになったのは、7四半期ぶりのことである。

ところが心配な問題点も内包している。その1つは、輸出の増勢が鈍ってきたこと。たしかに20%を超える伸び率は小さくはないが、前期の37.8%増に比べるとかなり縮小した。中国をはじめアメリカなどの輸入が大きく伸びているなかで、日本の輸出シェアは低下しているのではないか。この傾向が一時的なものかどうかが、気にかかるところだ。

もう1つは、個人消費の動向。10-12月期はエコカーや家電製品に対する政策的な支援が、需要を下支えした。政府は支援政策を延長したが、その効果はしだいに薄れるだろう。しかも雇用者報酬は、10-12月期も1.2%の減少だった。減少はもう7四半期も続いている。この2つの問題点から、ことし1-3月期の成長率は減速を免れない公算が大きい。1-3月期の結果がゼロ成長に近づくと、民主党政権に対する批判はさらに高まる。その集計は5月になるが、参院選での大きな論争点になるような気がする。


    ≪15日の日経平均 = 下げ -78.89円≫

    ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ

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EUのお荷物 : ギリシャの命運 (上) 
2010-02-17-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 景気の回復も一時停止 = EU(ヨーロッパ連合)が、99年に通貨を統一してから最大の経済問題に直面している。ギリシャを火元とする南ヨーロッパ3国の財政危機に、どう対処するか。処理を誤ると、EUの結束にヒビが入りかねない。ユーロの信認にも、深刻な懸念を生じる。世界経済全体にとっても重大な影響があるだけに、ここ当分の動きから目を離せない。

具合の悪いことに、ユーロ圏全体の景気回復にもブレーキがかかってしまった。EU統計局の発表によると、ユーロ圏16か国の昨年10-12月期の実質成長率は、前期比の年率でプラス0.4%に減速した。昨年7-9月期にはマイナス成長から抜け出し、年率1.6%のプラス成長となって一息ついたところ。それがまたゼロ成長に近づいてしまったわけだ。

昨年10-12月期はアメリカが5.7%、日本も4.6%のプラス成長を取り戻した。それとの比較でもEUの減速ぶりは際立っている。ユーロ圏の中核であるフランスは2.4%の成長を確保したが、ドイツは0%成長に逆戻り。問題の南欧3か国についてみると、ギリシャはマイナス3.2%、ポルトガルは0%、スペインはマイナス0.4%という成績だった。

ドイツやフランスとしてみれば、これら3か国の財政危機を助けないと、必ず自国に火の粉が飛んでくる。だが自国の財政状態も芳しくない。そのうえゼロ成長に逆戻りしてしまい、失業者も減らないから、さらなる景気刺激策が必要になってきた。そんなときに国民の税金を使って、他国の財政危機を助けることができるのか。EUはいまこんな矛盾を抱えながら、対処の方法に頭を悩ませている。


                             (続きは明日)

    ≪16日の日経平均 = 上げ +20.95円≫

    ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ≫ 

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EUのお荷物 : ギリシャの命運 (中)
2010-02-18-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 国家の粉飾決算 = ギリシャは面積が日本の3分の1、人口は10分の1という小国だ。しかし西洋文明の源流、由緒ある国でもある。そのギリシャが、いま大混乱に陥っている。発端は昨年10月の総選挙。全ギリシャ社会主義運動が勝って、パパンドレウ政権が発足した。そこでカラマンリス前内閣が財政赤字を小さく見せるために、細工していたことが発覚した。国家の粉飾決算である。

この問題が表面化すると、ギリシャの国債償還能力に対する疑念が一気に高まった。10年もの国債の利回りは7%台に急騰したが、買い手がつかない。ギリシャ国債は、主としてヨーロッパ各国の金融機関が、その7割以上を引き受けている。仮に償還不能ということになれば、これら金融機関は大きな損失を蒙らざるをえない。さてはリーマン・ブラザーズの二の舞? 世界中にショックが拡大した。

パパンドレウ内閣は不安を鎮めるため、財政再建計画を発表した。その骨子は、今後3年間で財政赤字をGDPの3%以下に抑える。そのために増税、社会保障費の削減、公務員手当ての引き下げなど。09年の財政赤字はGDP比で12.7%にのぼっているから、かなりの大手術である。

ところがこの計画が発表されると、大規模なストライキが勃発した。選挙ではパパンドレウ氏を支持した公務員連合もストを主導。45万人が参加して、官公庁から学校、鉄道や空港までがまる1日休止される騒ぎとなった。ここまでくると、EU委員会やドイツ、フランスなどの主要国も黙っているわけにはいかない。11日にはEU緊急首脳会議、15-16日には財務相会議を開いて対処方針を決めた。
 

                            (続きは明日)

    ≪17日の日経平均 = 上げ +272.58円≫

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ECのお荷物 : ギリシャの命運 (下)
2010-02-19-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ オリンピックのうちに = EUは11日の臨時首脳会議で、ギリシャを支援することで合意。これを受けて15-16日に開いた財務相会議では、ギリシャ政府の財政再建計画を承認した。そのうえでギリシャ政府に対して、10年中に財政赤字のGDP比を4ポイント引き下げるための具体的な措置を、3月16日までに提出するよう求めている。

この3月16日という期限には意味がある。ギリシャは3月末から5月にかけて、250億ユーロ(約3兆円)にのぼる国債を償還しなければならない。それまでに再建計画の詳細を確定し、それに合わせて支援するというのがECの最終決定である。要するにギリシャ自身が財政再建に最大限の努力をすれば、面倒をみましょうという話だ。ちょうどオリンピックの真っ最中。発祥の地ギリシャの国民がバンクーバーを向いているうちに、超緊縮政策を決めてしまおうという作戦も見え隠れする。

財務相会議では、資金援助はECB(ヨーロッパ中央銀行)とIMF(国際通貨基金)が中心となって行うことも決めたようだ。しかし、それなら一安心というわけには行かないだろう。最大の問題は、若年失業率が20%を超える不況のなかで、ギリシャ国民が超緊縮・耐乏政策に理解を示すかどうかだ。パパンドレウ首相自らも、厳しい緊縮財政を条件とするIMFの支援を受けることには反対だと伝えられる。

国民の激しい抵抗のなかで緊縮政策を推し進めれば、政権がもたないかもしれない。政府が国民と妥協すれば、ECBやIMFの援助はむずかしくなる。それでもギリシャのデフォルト(債務不履行)は絶対に困る。いまや“取り扱い注意”のお荷物となったギリシャを背負い、横目でポルトガルとスペインの様子を窺いながら、EUは発足以来の難問に直面している。
    

    ≪18日の日経平均 = 上げ +28.86円≫

    ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 現代のお宝・ レアメタル ③
2010-02-20-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ きびしい産地の偏在 = レアメタルの特徴の一つは、産地がかなり偏在していること。たとえばプラチナは南アフリカ、ロシア、カナダの3か国で9割以上が産出される。またコバルトはコンゴ、ザンビア、オーストラリアで6割以上。ハイブリッド車のモーター製造に欠かせないレアアース類は、中国がなんと9割以上を独占している。

電気自動車やハイブリッド車の電池材料として、いま引っ張りだこのリチウム。この産地は南米大陸のボリビア、チリ、アルゼンチンに集中している。鉄鋼やチタンの強度を上げるために添加されるパナジウムは、南アフリカと中国、ロシアで98%を産出する。

国別にみると、中国はレアアース類の93%、タングステンの90%、アンチモンの86%、インジウムの55%を産出。南アフリカはプラチナの78%、クロムの44%、パナジウムの42%。またオーストラリアはタンタルの62%、ガリウムの24%、マンガンの14%。ロシアはパナジウムの21%、プラチナの12%、タングステンの4%を産出する。これらの国々は、レアメタル王国と言っていいだろう。

このようにレアメタルは、中国や南アメリカ、それにアフリカとロシアといった地域に集中している。したがって、これらの諸国の政情や資源政策によって、その供給が大きく左右されやすい。このためレアメタルを大量に消費する先進工業国は、その確保にいま必死となっている。日本も大消費国だが、レアメタルの産出はゼロに近い。


                              (続きは来週サタデー)

    ≪19日の日経平均 = 下げ -212.11円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】 

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2010-02-21-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第17章 国債って、なんだろう? ⑦

みなさんの家では、借金がありますか。住宅ローンなどの借金が多いと、家計のやりくりも大変ですね。国の場合も、借金が多いと大変です。その大変さを数字で表わす方法はいくつもありますが、きょうは国債依存度(いぞんど)について勉強しましょう。これはある年の予算で、収入のうちのどのくらいを国債に頼っているかを示す数字です。

戦後の日本は東京オリンピックが開かれた1964年度(昭和39年度)まで、国債を発行しませんでした。ですから国債依存度はゼロだったわけです。40年度から国債を出し始め、石油ショックのあとの79年には、依存度が34.7%にまで上昇しています。その後は景気がよかったため国債の発行は少なくてすみ、91年度の依存度は9.5%にまで下がりました。

ところが94年度からは景気の悪化で国債の発行が急増しています。依存度は03年度に42.9%。09年度は52.1%と、とうとう50%を上回る最悪の水準に達してしまいました。いま国会で審議中の10年度予算案では48.0%で、もし年度の途中で国債の発行を追加するようだと、また50%を超えてしまう可能性があります。

他の先進国の状況は、どうでしょうか。アメリカは10年の数字が35.0%、フランスは09年で33.4%でした。ドイツは09年で12.4%ですから、比較すれば低い水準です。日本はアメリカやフランスよりも、かなり高くなっていますね。国債依存度という物差しでみるかぎり、日本は世界でも借金に頼る度合いがいちばん大きいと言えるわけです。
                               

                             (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2010-02-22-Mon  CATEGORY: 政治・経済
アメリカの中央銀行に当たるFRB(連邦準備理事会)は18日夕刻、意表を突いた形で公定歩合の引き上げを発表した。現行の公定歩合0.5%を0.75%に引き上げるという内容。この発表を受けて最初に開いた東京市場は動揺して、19日の日経平均は212円の値下がりとなった。ところが本家本元のニューヨーク市場は軽く受け止めて、19日のダウ平均株価は9ドルの値上がりだった。

この結果、先週の株価は日経平均が31円の小幅な上昇に止まったのに対して、ダウ平均は303ドルの大幅高となった。この差は日米両国の、公定歩合に対する感覚の違いから生じたように思われる。日本では「公定歩合は金利の王様」であり、各種の金利は公定歩合に追随して動くという過去の常識がまかり通っている。

ところがアメリカでは数年前から、金利はFRBが量的な金融調節で動かすFF(フェデラル・ファンド)市場の金利で変動するという考え方が定着した。金融機関は通常、FF市場で資金を調達し、公定歩合はそれが不可能な場合に中央銀行から借り入れるときの金利でしかない。したがって、公定歩合は中央銀行が持っている金融調節手段のごく一部でしかなくなっているわけだ。

日本の投資家がこの点を理解すれば、今週の日経平均はその反省から反発して始まる可能性が高い。その後は経済指標の結果に左右されるだろう。24日には、1月の貿易統計と企業向けサービス価格。26日には、1月の鉱工業生産、消費者物価、住宅着工が発表される。アメリカでは24日に、1月の新築住宅販売。25日に、12月の住宅価格。26日に、1月の中古住宅販売と住宅関係の発表が並ぶ。ほかに24日からアメリカ議会で、トヨタ関連の公聴会が始まる。


    ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ

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世界的に堅調な 金への投資 (上)
2010-02-23-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日経の記事は誤報? = 世界の金需給を調査しているワールド・ゴールド・カウンシルの発表によると、09年の総需要量は3386トンで前年を11%下回った。不況と価格の高騰によって、宝飾用の需要が20%減少したのが原因。ただ投資用の需要は7%の増加で、堅調に推移している。宝飾用は1747万トン、投資用は1271万トン、ほかに工業・歯科用が368万トンだった。

金への投資が伸びたのは、08年秋のリーマン・ショック以来、各国の通貨や財政状態に対する不安が高まったからに他ならない。特にドルの信頼性が低下したことから、信用リスクのない金への投資が増加した。このため国際市場では金の価格が急騰。昨年12月初めには、1トロイオンス(約31グラム)=1227.5ドルの史上最高値を記録している。99年の安値252ドルからみると、5倍に近い値上がりだ。

価格が上昇したために、ドル建てでみた総需要額は1056億ドルとなり、前年とほとんど変わらなかった。金額でみると、宝飾品需要は前年比10%の減少。投資用需要は20%の増加となっている。また投資用ではETF(上場投資信託)の伸び率がいちじるしく、金額ベースでは前年比99%増の177億ドルに達した。

このワールド・ゴールド・カウンシルの発表を伝えた日本経済新聞の記事。11%減ったはずの総需要量を11%「増加した」と書いている。また「投資需要が宝飾品を上回った」とも。しかしゴールド・カウンシルの発表のどこを探しても、それらしい数字はない。日経に問い合わせてみたが、返事はまだない。誤報なのか?
                          

                            (続きは明日)

    ≪22日の日経平均 = 上げ +276.89円≫

    ≪23日の日経平均は? 予想 = 下げ

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世界的に堅調な 金への投資 (下)
2010-02-24-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ “多様性”の力 = ワールド・ゴールド・カウンシルは、09年に金価格が高騰したことについて「これは金の特性である“多様性”が存分に発揮された結果」だと総括している。つまり宝飾的な価値、信用リスクのない投資対象、工業的な需要といった金の持つ特別な性格が、価格の上昇に寄与したというわけだ。たしかに09年の推移をみると、宝飾需要が減退したときには投資需要が増え、投資が一服した時期には宝飾品需要が盛り返している。

金には公的機関からの需要もある。たとえば09年中に、中国は外貨準備として保有する金の量を76%も増加させた。インドも56%増、ロシアは23%増やしている。これらの諸国は、外貨準備の運用先であるアメリカ国債の下落を警戒して、金の保有率を引き上げたとみられている。

世界全体を合わせても、金の在庫量は推定16万トン。過去40年間で2倍になった。これに対して09年の生産量は3890トン。在庫に対する生産の比率はきわめて小さい。中国は増産に努めているが、南アフリカなど古くからの産金国では生産量が年々減ってきており、全体的に生産量が増える可能性はきわめて小さい。こうした生産面からの制約も、金の価格を下支えする一因となっている。

現在、ニューヨーク市場の金相場は1トロイオンス=1120ドル近辺。ことしの展望は、アメリカの金利しだいと専門家は考えている。この見方からすると、いまの景気情勢から言って年の前半には利上げはなさそう。後半に景気がはっきり回復すると利上げの可能性。したがって前半は投資需要が、後半は宝飾品需要が金価格を支えることになりそうだ。つまり、ことしも金の“多様性”が有効に働くのでは。


    ≪23日の日経平均 = 下げ -48.37円≫

    ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ

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輸出の回復 : やっと八合目に
2010-02-25-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 自動車の回復が遅い = 財務省が発表した1月の貿易統計によると、輸出は4兆9024億円で昨年1月の実績を40.9%も上回った。ところが昨年の1月は不況の影響で輸出が最も縮小し、前年比で45.7%も減少した月。そこで輸出が好調だった一昨年の1月と比較してみると、まだ23.5%も低い水準であることが判る。景気を支える輸出の回復は、やっと八合目にさしかかったところだ。

相手国別にみると、中国向けの輸出が9200億円。前年比では79.9%の伸び。一昨年比でも1.3%の減少だから、ほぼ不況前の水準に戻している。アメリカ向けは7100億円で、中国との差はかなり開いてきた。前年比では24.2%伸びたが、一昨年比では41.5%の減少。ピーク時の6割程度にしか達していない。

商品別では、自動車の出遅れが目立つ。輸出金額は6360億円で、前年比は59.2%の増加。しかし一昨年比では46.1%の減少で、まだ六合目にも達していない。その他の主力商品では、電気機器が一昨年比で21.7%の減少。鉄鋼は同じく15.3%の減少だった。

ここで気になるのは、政府が月例経済報告のなかで「輸出の伸びが緩やかになる」という判断を示したことだ。これはトヨタ問題を意識したためだと考えられるが、景気にとってはマイナス材料に違いない。輸出の回復が八合目から九合目まで登るのに何か月もかかるようだと、それだけ景気の回復にも時間がかかることになる。トヨタ問題の行方と2月以降の輸出動向に注目したい。
    

    ≪24日の日経平均 = 下げ -153.27円≫

    ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ

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真っ暗だった 昨年の雇用情勢
2010-02-26-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 憂うつな数字ばかり = 総務省がまとめた09年の労働力調査をみると、昨年の雇用情勢は予想以上に悪化していたことが判る。まず就業者数は年平均で6282万人。前年よりも103万人減少した。この減少幅は過去最大。製造業では71万人、建設業では20万人減った。医療・福祉部門で23万人増えたのが、唯一の救いである。

失業者は年平均336万人で、前年に比べて71万人増加した。この増加幅も過去最大。失業率は平均5.1%で、前年を1.1ポイント上回った。特に15ー24歳の若年層は深刻で、男性が10.1%と2ケタの失業率に。女性も8.4%の高率を記録している。また勤め先の都合で職を失った人は110万人、前年よりも48万人増えた。企業の倒産やリストラの結果とみていいだろう。

そのうえ労働力人口の減少も顕著になった。労働力人口は企業による雇用者と自営業者を合わせた就業者、それに完全失業者を足した人数。09年は6617万人で、前年より33万人減少した。15歳以上の人口に占める割合も59.9%に落ち込み、はじめて60%を割り込んだ。労働力人口の減少は、潜在成長力を低下させる原因になる。ILO(国際労働機関)の推定によると、日本の労働力人口比率はさらに低下し、20年には56.3%になるという。

日本の労働力人口は、98年の6793万人がピークだった。それが減り続けることは、長期的にみると景気の押し下げ要因として働く。だが当面の問題は、就業者を増加させること。それなしに景気の本格的な回復はむずかしい。政府は長期的な観点と短期的な必要性の両面から対策を迫られているわけだが、いまの鳩山内閣にはその問題意識がきわめて希薄だ。だから政策の実行もない。


    ≪25日の日経平均 = 下げ -96.87円≫

    ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 現代のお宝・ レアメタル ④
2010-02-27-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 争奪戦 vs 囲い込み = 貴重なレアメタルをめぐって、いま世界的な争奪戦が始まっている。主役はアメリカ、ヨーロッパの先進諸国、それに日本。加えて韓国や中国も参入。産出国に対する経済援助、技術支援、共同開発計画など、各国は官民が協力して資源外交に人脈とカネとチエを注ぎ込んでいる。

産出国の側はレアメタルを活用して、国造りの基礎にしたいと考えているところが多い。リチウムの最大産出国であるボリビアは憲法を改正して、天然資源をすべて国有化することを決めた。産出国でもあり消費国でもある中国は、レアアースとタングステンの開発から外資を排除。レアメタルの輸出を許可制にして、06年から輸出量を減らし続けている。

レアメタルの価格は、ここ5-6年の間に軒並み数倍に跳ね上がっている。ただリーマン・ショック後は需要の落ち込みで値下がりしていたが、世界経済の回復とともに現在は再び上昇基調に戻っている。景気の回復が進み、ハイブリッド車や電気自動車が普及すると、価格の上昇と争奪戦はさらに激しさを増すことになるだろう。

経済産業省は09年7月「レアメタル確保戦略」を作成した。その骨子は①資源外交による権益の確保②レアメタルの代替材料開発③国家備蓄の強化④リサイクルの推進。このうち備蓄は、タングステン、コバルト、パナジウムなど9品目について60日分の備蓄を目指しているが、まだ3分の1程度しか達成されていない。


                            (続きは来週サタデー)

    ≪26日の日経平均 = 上げ +24.07円≫

    【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】 

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2010-02-28-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第17章 国債って、なんだろう? ⑧

1年間に500万円の生活費が、どうしても必要な家があったとします。しかし家族の収入を合わせても400万円しかありません。仕方なく100万円は借金でまかないました。つまり必要なおカネの20%を借金に頼ったわけです。国の場合、この比率を国債依存度というのでしたね。この比率は、ある1年間に限って借金の重さを示した数字だと言うことができます。

こういう借金生活が何年も続くと、借金の総額はだんだん大きくなって行きますね。国の場合は、この借金の総額を国債発行残高(ざんだか)という数字で表わします。財務省が国会に提出した資料によると、10年度末にこの国債発行残高は637兆円にのぼる見込みです。国民1人当たりにすると、499万円の借金ということになります。

この借金の総額が、その国にとってどのくらい重荷になっているか。それを示すのによく使われるのが、国債発行残高をGDP(国内総生産)で割った比率です。その国の経済の大きさに対して、借金の総額がどのくらいあるかを表わす数字と言えるでしょう。特に各国の状態を比較するときに、使われることが多いようです。

日本のGDPに対する国債発行残高の比率は、たとえば1970年度(昭和45年度)には、わずか3.7%でした。それが毎年のように増大して、2004年度(平成16年度)にはとうとう100%を突破。11年3月末には134%に達する見込みとなっています。アメリカやヨーロッパの先進国も不況対策のため、国債をたくさん発行しました。でも各国のGDP比はまだ100%に達していません。


                             (続きは来週日曜日)

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