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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
生産の低下は、景気下降の兆し
2010-10-01-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 踊り場どころではない = 経済産業省が30日発表した8月の鉱工業生産は、前月比0.3%の低下だった。これで生産の水準は、6月から3か月連続の低下となった。出荷も前月比0.5%減少、在庫は0.7%増加している。あまりいい形でないことは、だれの目にも明らかだ。

生産の減少が大きかった業種は、一般機械工業や鉄鋼業など。品目では、反応用機器やアクティブ型液晶素子、普通トラックなど。出荷の減少が大きかった業種は、輸送機械工業や一般機械工業などだった。ここから推測できることは、まず円高の影響が出始めていること。また自動車はまだ減産はしていないが、出荷は減り始めていることなどだ。

問題なのは、予測値も芳しくない点である。9月は前月比0.1%減少、10月は2.9%の大幅な減少見込みとなった。このため経済産業省は、基調判断を従来の「生産は持ち直し」から「横ばい傾向で、先行きは弱含み」に下方修正している。だが、この3か月間の推移をみると「横ばい傾向」というのは、かなり苦しい。

こうした生産の動向を踏まえて、民間エコノミストのなかにも「景気は踊り場へ」と解説する人が多い。しかし過去の経験からすると、生産がこのような状態に陥ると、よほどのことがない限り景気は下降局面に突入する。政府も日銀もその重大な兆候を認識しないと、日本経済はまたまた水面下に沈没する危険性が大きい。


    ≪30日の日経平均 = 下げ -190.03円≫

    ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 戸別所得補償の点検 ⑨
2010-10-02-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 1人1日の摂取量は2436キロカロリー  農林水産省の計算によると、日本人が1人1日当たり食料から摂取したカロリーは09年度の場合で、平均2436キロカロリーだった。これに対して、国内の農業生産で供給できたカロリーは964キロカロリーしかない。割り算をすれば、自給率は39.57%ということになる。

食品ごとの自給率は、どうだろうか。たとえばコメの場合は、摂取カロリーが571キロカロリーだったのに対して、国産カロリーは548キロカロリー。自給率は96%になる。自給率が100%に達しないのにコメ余りの状態になるのは、コメも輸入されているからだ。

同様に他の食品についても自給率を計算してみると、小麦は9.3%、大豆は2.5%、野菜は79.5%、畜産物は16.9%、魚介類は62%という結果が出る。ここからも判るように、全体の自給率を引き上げるためには小麦や大豆あるいは飼料の増産が欠かせない。

生産額ベースでみると、自給率はもう少し高くなる。たとえば小麦は8.6%とやや低めだが、大豆は4.6%、野菜は83%、畜産物は60%といったぐあい。畜産物の自給率がカロリーベースに比べて大幅に高いのは、09年の畜産製品と飼料の輸入金額がかなり減ったため。この結果、全体の生産額ベース自給率は69.6%となっている。


                           (続きは来週サタデー)

    ≪1日の日経平均 = 上げ +34.88円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2010-10-03-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第20章 スマートグリッドって、なんだろう? ①

みなさんのなかでスマートグリッドを知っている人は、きっと少ないでしょう。おとなの人に聞いても、ちゃんと説明できる人はそんなに多くありません。でも10年ー20年後、みなさんがおとなになったときには、必ずスマートグリッドの時代になっています。

最初にキーワードを、いくつか並べてみましょう。まず電気、それから送電線。風力や太陽光発電といったクリーン・エネルギー、蓄電池、電気自動車、そしてコンピューターを使った情報回線。これだけのキーワードから、みなさんはどんなことを想像できますか。

たとえば、みなさんの家の屋根に太陽光発電のパネルを敷き詰めます。もう設置している家も、見ることがありますね。そこで発電した電気を自分の家で使うだけではなく、蓄電池に溜めておきます。その電気をたとえば電力会社などに売ることができる。これがスマートグリッドの基本です。

これまで電気は外の電線を伝わって、家のなかに送られてきました。電灯をつける、テレビを映す、冷蔵庫を冷やす、ブザーを鳴らす・・・いろいろな仕事をしてきました。こんどは家からも電気を送り出すのです。みなさんの生活も、きっと大きく変わると思いますよ。今回は、このスマートグリッドをじっくりと考えて行きましょう。


                           (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2010-10-04-Mon  CATEGORY: 政治・経済
きょうとあす、日銀が開く金融政策決定会合。ここで、どんな追加緩和策が決まるのか。もちろん何も決定しない可能性もないわけではないが、日銀もそこまで鈍感ではないだろう。ただ新型オペの拡大ぐらいでお茶を濁そうとすると、産業界や市場は逆に失望する。国債の買取り増加にまで踏み切れるかどうか。

景気対策については、民主党のプロジェクトチームが今週中に内容を取りまとめる。補正予算では総額4兆8000億円の追加対策が計上される方向だ。この規模については、与野党間に大きな意見の相違はみられない。しかし内容に関しては、大きな開きがある。効率的に意見のすり合わせをしないと、年内の成立が怪しくなってしまう。だから日銀の打つ手が大事になってくる。

先週の株価は、日米ともに冴えなかった。ダウ平均は週間31ドルの値下がり。5週間ぶりの下落となった。日経平均も67円の値下がり。それでも9月は月間545円の上昇だった。過去60年間の記録を見ると、12か月のなかで最も成績の悪いのが9月。それにしては、ことしは頑張ったと言えるのかもしれない。

今週は7日に、8月の景気動向指数。8日に、9月の景気ウォッチャー調査が発表になる。またアメリカでは8日に、9月の雇用統計が発表される。そろそろ上向きの結果が出ないと、オバマ民主党は11月の中間選挙で大苦戦に陥るかもしれない。ほかに8日からワシントンでG7財務相・中央銀行総裁会議。


    ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ

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9月の新車販売 : 日米の暗と明
2010-10-05-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 10月以降は4割減も? = 日本自動車販売協会連合会の集計によると、9月の軽自動車を含む新車販売台数は47万1954台で、前年比1.2%の減少だった。前年比の減少は13か月ぶり。政府による補助金の支給が9月7日で打ち切りになった影響が、早くも出始めた。

このうち登録車の販売台数は30万8663台。14か月ぶりに前年比4.1%の減少を記録した。特に補助金制度の恩恵が大きかった小型乗用車は12.2%も減少している。逆に恩恵の少なかった軽自動車は4.6%増加した。メーカー別でみても、エコカーの比率が高いトヨタやホンダの減少が目立っている。

一方、アメリカの新車販売は息を吹き返した。9月の販売台数は95万8966台。前年の実績を28.5%上回った。アメリカの場合は補助金制度が昨年夏に終了し、9月の販売は急減している。したがって前年比が大きく伸びたという事情もあるが、年率換算した販売台数は1176万台で、ことし最大の成績となった。1年半ぶりに、大型車の売れ行きが小型車を上回ったのも特徴的だ。

アメリカは日本より1年早く、補助金制度を打ち切った。そのため1年後のいま、やっと自動車の販売が正常な状態に戻ろうとしている。これに対して日本は、これから補助金制度の後遺症に悩まされることになる。各メーカーはすでに2割程度の減産体制に入っているが、専門家の間では10月以降の販売は2-4割に達するという見方が強い。


    ≪4日の日経平均 = 下げ -23.17円≫

    ≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ

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日銀の緩和政策 : まだ不十分 (上)
2010-10-06-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日銀にしては踏み込んだけれど = 日銀は5日の金融政策決定会合で、新たな金融緩和策を決めた。そのポイントは3つ。第1は政策金利を現行の0.1%から0-0.1%に引き下げること。0-0.1%などと不思議な表現だが、要するに無担保コール翌日物の誘導金利をゼロにする。4年3か月ぶりにゼロ金利政策を復活するという意味だ。

第2は、このゼロ金利政策を「物価の安定が展望できる情勢になったと判断できるまで」継続すると宣言したこと。つまりデフレ状態が続く限り、ゼロ金利を続けるという姿勢を内外に鮮明にした。これまでの決定会合で行われた議論から推理すると、消費者物価が前年比1%上昇する状態が「物価の安定が展望できる情勢」ということになるだろう。

第3のポイントは、5兆円規模の「資産買い入れ基金」を創設。国債やコマーシャル・ペーパー、社債、上場投信、不動産投信などを購入する。このうちの3兆5000億円で、今後1年間に国債と政府短期証券を買い入れる方針だ。日銀はこれまで「国債の保有高は日銀券の発行残高を上回らない」という自主ルールを作っていたが、この“日銀券ルール”を見直すことになる。

何ごとにつけても慎重で臆病な日銀が、これだけの対策に踏み切った背景には、円高と景気の先行きに対する不安感があった。決定会合は景気の動向について「緩やかに回復しつつあるものの、改善の動きが弱まっている」と解説している。それでは、この追加政策で円高の進行を阻止できるのか。景気の下降を防げるのか。残念ながら、この大目標を達成するには、まだ不十分だという感じが強い。


                                 (続きは明日)

    ≪5日の日経平均 = 上げ +137.70円≫

    ≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ≫  

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日銀の緩和政策 : まだ不十分 (下)
2010-10-07-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 再び迫られる追加策? = 日銀が決めた金融緩和政策は、金利の引き下げと量的な緩和の二本建てだ。だが金利の引き下げは0.1%を0%に下げたところで、タカが知れている。資産買い入れ基金が国債などを購入すれば、市中の流動性が増大することは確か。しかし現状でも金融機関や企業はカネ余りの状態だから、その景気浮揚効果にはあまり期待できない。

一方、いまの為替相場はわずかな金利の変動にも、きわめて敏感だ。したがって今回の金融緩和措置は、景気よりも円相場の上昇を抑える方に役立つかもしれない。だが為替相場は、日本側の政策だけで動くわけではない。ドルがさらに安くなれば、円は上昇してしまう。

この点で気になるのが、アメリカの金融政策だ。FRB(連邦準備理事会)は11月2-3日に開くFOMC(公開市場委員会)で、追加の金融緩和策を決めるという観測が強まっている。その内容は、国債の買い取りを大幅に増やすということになりそうだ。このため円相場も、いまのところ下落していない。

カード・ゲームで、弱気の日銀は「5」ぐらいしか出さないと思われていた。ところが絵札の「ジャック」を出してきたので、いま市場関係者はびっくりしているところ。しかし、こんどはアメリカが「キング」を切ってくると、どうなるだろう。日銀はもう一度、勝負を迫られることになるのではないか。


    ≪6日の日経平均 = 上げ +172.67円≫

    ≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ

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派遣労働者は大幅減 / 法案どうする? 
2010-10-08-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 97万人も減少した = 厚生労働省の調査によると、09年中に派遣労働者として働いた人は延べ302万人だった。派遣労働者の数が最高に達した前年度に比べると、97万人もの大幅な減少である。この調査は派遣事業を行っている7万1560社の報告を集計したもの。

このうち仕事があるときだけ派遣会社と契約する登録型の派遣労働者は、延べ206万人で75万人減少した。また派遣会社の社員となっている常用型は96万人で、22万人減っている。一方、派遣先となった企業の数は延べ90万社、前年よりも3割近く減った。

主たる原因は、リーマン不況の影響を受けて企業が人件費の削減を重視し、いわゆる“派遣切り”に走ったことにある。だが同時に、労働者派遣法を改正して規制を厳しくしようとする動きが影響したことも間違いない。特に景気が回復し始めても、企業は製造業を中心に派遣労働者の採用をためらった。 

派遣労働者の生活権を守ろうという趣旨は、十分に理解できる。ただ製造業への原則禁止など、あまりに性急な規制はかえって失業者の増大を生む。政府はこの臨時国会に派遣法改正案を提出する方針だが、自民党やみんなの党は反対。カギはどうやら条件付き賛成の公明党が握っているようだ。


    ≪7日の日経平均 = 下げ -6.62円≫

    ≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 戸別所得補償の点検 ⑩
2010-10-09-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 牛乳は6日にコップ1杯? = 自給率が低いことは、食料の輸入が多いことを意味する。通関統計によると09年の場合、食料品の輸入額は5兆円で、輸入総額の9.7%に達した。内訳けでは魚介類が1兆2000億円で最も多く、次いで肉類の8900億円、穀物類の7300億円などとなっている。

農林水産省が子ども用に作った資料によると、天ぷらソバの材料はソバ粉の国産比率が21%、エビは5%、ころもの小麦は14%、天ぷら油の大豆は6%だという。すしの場合もマグロは48%、イカは75%、サケ・マスは40%が国産。あとはすべて輸入品だ。

万が一にも輸入が全く途絶えたら、どうなるのか。同じ資料によると、みそ汁は2日に1杯、牛乳は6日にコップ1杯、納豆は3日に2パック、たまごは7日に1個、肉は9日に1食しか食べられない。こういう事態を少しでも軽減するために、農家に対する戸別所得補償政策で戦略作物の増産を図る必要があるというわけだ。

干ばつや洪水といった異常気象、あるいは広範な地域にわたる戦乱や政治不安で、食料の輸入は制約を受ける可能性がある。そうでなくても世界の人口爆発で、食料は不足するかもしれない。世界的に需給が逼迫すれば、食料の価格は高騰するだろう。日本が中長期的に、こうした局面をいかに乗り切っていくのか。大問題であることに間違いはない。


                         (続きは来週サタデー)

    ≪8日の日経平均 = 下げ -95.93円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】  

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2010-10-10-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第20章 スマートグリッドって、なんだろう? ②

画期的な電力の供給方式であるスマートグリッドを勉強する前に、いま電気がどうやって送られているかについて、簡単なおさらいをしておきましょう。経済産業省の資料によると、09年度の総発電量はほぼ1兆キロワット時でした。キロワット時というのは、電力量と時間を掛け合わせた単位。たとえば1キロワット時は、1キロワットの電力を1時間発電あるいは消費したという意味です。

電気はいろいろな発電所で作られていますね。いちばん多くの電気を作ったのは09年度の場合、LNG(液化天然ガス)を燃料にした火力発電所と原子力発電所。ともに総発電量の3割近くを発電しました。ほかに石炭を燃やす火力発電所、石油を使う火力発電所、さらに水力発電所などがあります。

山奥や海岸の発電所で作られた電気は、送電線を通じて町に送られてきます。みなさんも、高い鉄塔に吊り下げられた送電線はよく見るでしょう。町の近くには変電所があって、工場や家庭で使いやすいように電圧を100ボルトとか200ボルトに下げています。そこからは電柱に張られた電灯線で、みなさんの家まで届けられる仕組みです。

この説明からもわかるように、電気は発電所から家庭や工場に向かって流れるもの。これが、いままでの常識でした。ところがスマートグリッドの時代になると、電気は反対の方向にも流れるようになるのです。家庭やビルや工場が発電所になる、と言っても差し支えありません。


                         (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2010-10-12-Tue  CATEGORY: 政治・経済
今週は、政府・日銀が再び円の売り介入を断行するかどうかが最大の焦点。円の対ドル相場は先週末のニューヨーク市場で一時81円台にまで上昇したが、G7(主要7か国)財務相・中央銀行総裁会議に遠慮した形で介入は見送られた。今週は仮に円が80円台に突入する勢いを見せれば、介入に踏み切る公算が強い。

アメリカでは先週、9月の雇用統計が発表された。失業率は前月と同じ9.6%だったが、農業部門を除いた雇用者数が予想を大幅に上回る9万5000人の減少となった。にもかかわらず株価は上昇、雇用の悪化で金融緩和の追加が確実になったという読みが広がったためである。ダウ平均は週間177ドルの値上がりで、5か月ぶりに1万1000ドルを回復した。

景気の悪い方が株価は上がる。まことに不可思議な現象だが、金融の緩和予測はドル安・円高にもつながった。要するに、中長期的な展望よりも超短期的な利ざや取りを狙う投機資金の行動を反映した現象だと言えるだろう。そんななかで、日経平均は週間185円の値上がりとなった。

今週は13日に、8月の機械受注。14日に、9月の企業物価が発表になる。アメリカでは14日に、9月の生産者物価と8月の貿易統計。15日には、9月の消費者物価と小売り売上高、それにミシガン大学による10月の消費者信頼感指数が発表される。また13日には、中国が9月の貿易収支を公表する予定。


    ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ

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緊急経済対策は 誇大表示 ? (上)
2010-10-13-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 財政支出は5兆0500億円 = 政府は8日の閣議で「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」を決定した。財政支出の規模は5兆0500億円。いま開会中の臨時国会に10年度補正予算案として提出、会期中の成立を目指す。社民党や新党日本も賛成しているので、成立の可能性はきわめて高い。

財源には、10年度税収の予算超過分2兆2000億円と金利低下による国債の利払い不要分1兆4000億円。それに09年度決算の余剰金、来年度予算の公共事業前倒し、予備費の取り崩しなどを充てる。使えるカネは全部持ち出す格好で、国債の追加発行はしない方針。

対策の内容は雇用と人材育成に3000億円、レアアースなど天然資源の確保に1000億円、住宅エコポイントの拡充に2000億円。子育て・医療・介護などに1兆1000億円、地域活性化や社会資本整備に3兆1000億円などとなっている。広範な対象だとも言えるが、それだけに軸となる施策が見当たらない。

驚いたことは、この対策によって生み出される事業規模が21兆1000億円になるという政府の試算だ。11年度末までのGDPを0.6%押し上げ、雇用の創出効果は45万人ー50万人になるともいう。いまのところ試算の根拠は明らかにされていないが、どう考えてもそんなに力があるとは思えない。これは誇大表示ではないだろうか。


                              (続きは明日)

    ≪12日の日経平均 = 下げ -200.24円≫

    ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ

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緊急経済対策は 誇大表示 ? (下)
2010-10-14-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 失業率は4%に下がる? = 景気対策のたびに政府が持ち出す事業規模というのは、実際のところよく判らない。たとえば金融機関の中小企業向け融資に政府が1000億円の融資保証をすると、実際の融資は1兆円になるかもしれない。また住宅エコポイントの原資を2000億円増やせば、実際の住宅投資は1兆円増えるかもしれない。そんな“獲らぬ狸の皮算用”が、いわゆる事業規模である。

菅首相は3段ロケットの景気対策を実行すると宣言した。第1弾は9月10日に閣議決定した経済対策。財政支出は9182億円だったが、その事業規模は9兆8000億円。雇用を20万人創出すると宣伝した。今回の第2弾と合わせると、事業規模はなんと31兆円に近い。また雇用の創出は、合計70万人に達する。

仮に今後1年半にわたって雇用の情勢に変化がないとすれば、第1弾と第2弾の景気対策によって、11年度末の完全失業率は4%にまで下がる計算だ。GDPも0.9%押し上げられることになる。だが残念なことに対策の中身からみて 、そんな思惑が現実のものになるとは全く考えられない。

奇妙なことは、第1弾では1兆円足らずの支出で20万人の雇用。第2弾は5兆円で50万人。口を開けば「1に雇用、2に雇用、3に雇用」と言う菅内閣が、第2弾では何でこんなに効率の悪い補正予算を組むのだろう。どう考えても、政府の試算は誇大表示だとしか思われない。そして景気対策の第3弾は11年度予算ということになるが、こんどの第2弾でその財源をかなり先食いしてしまった。


    ≪13日の日経平均 = 上げ +14.87円≫

    ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ

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日本人 : お金持ちは165万人
2010-10-15-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 世界では1000万人 = 「あなたは、お金持ちですか」と聞かれて「ハイ」と答えられそうな人は、私の周辺には見当たりません。でも日本には、お金持ちが165万人もいるそうです。全世界では1000万人も。やはりアメリカがいちばん多くて287万人。日本は世界で二番目にお金持ちの人数が多いらしいのです。

三菱UFJメリルリンチPB証券が、09年末時点で調査した結果です。この場合のお金持ちの定義は、居住用の不動産を除いた資産額が100万ドル(約8200万円)以上。この種の調査でお金持ちというのは、だいたい100万ドル以上の資産家となっているようです。これだけの資産があれば、遊んでいても豊かな生活ができるからでしょう。

この調査によると、世界第3位はドイツで86万人。4位には中国が進出して48万人、イギリスやフランスを追い抜きました。その中国では、推定資産800億元(約1兆円)の大富豪が出現したと民間の調査機関が伝えています。その人は杭州で飲料会社を経営する宋慶後会長。また100億元を上回る資産家は200人に達したといいます。

世界中でこうした大金持ちが増えて行くと、やがて汗を流して働く人はいなくなってしまうのでは。こんな心配は取り越し苦労かもしれませんが、これら大金持ちの資産が投機に流れている現実は否定できません。石油や小麦や不動産が、急騰したり急落したり。そうした現象が、ますますひどくなるのではないかと案じられる昨今です。


    ≪14日の日経平均 = 上げ +180.00円≫

    ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ≫  

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サタデー自習室 -- 戸別所得補償の点検 ⑪
2010-10-16-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 麦と大豆はかえって減少 = 農家に対する戸別所得補償政策の目的は、コメ作り農家の経営を安定させながらコメの生産を減少させること。同時に麦や大豆などの戦略作物を増産することによって、食料自給率の上昇を図ることの2点にある。ことしはまだ初年度だが、その成績はあまり芳しくない。

まず、この制度には154万戸が加入した。対象となる農家の8割を超しているから、まずまずの成績だと言える。ところがコメの作付け面積は、1万ヘクタールしか減らなかった。まだ4万ヘクタールが過剰とみられている。作柄が平年並みだったために、生産量は830万トンになる見通し。これに対して、需要見通しは805万トンだ。

当然ながら価格は下がる。新米の取り引き価格は、昨年より1-2割安くなってしまった。新潟産コシヒカリも03年度産に比べると、約3割の値下がりだという。これ以上に値下がりすると、政府は変動部分を補償しなければならない情勢だ。そうなれば財政支出はもっと増える。

戦略作物の増産も、失敗と言っていい。転作助成金の申請は、麦が1000ヘクタール、大豆が6000ヘクタール減ってしまった。これは自民党時代に実施されていた産地確立交付金が廃止され、給付が逆に減ってしまったケースが出た影響が大きい。少なくとも初年度に関する限り、所得補償制度が目指す20年度の自給率50%の目標はむしろ遠のいたと言えるだろう。


                        (続きは来週サタデー)

    ≪15日の日経平均 = 下げ -83.26円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝0敗】

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2010-10-17-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第20章 スマートグリッドって、なんだろう? ③

近ごろ、クリーン・エネルギーという言葉をよく耳にします。熱や電気を発生させるとき、CO2(二酸化炭素)や汚染物質を出さないエネルギー源のことを言います。具体的には水力発電や風力発電、また地熱発電や太陽光発電など。でも家庭では、水力や風力、地熱による発電はムリですね。ですから家庭や事務所などでのクリーン・エネルギーは、太陽光を利用する発電ということになります。

最初に太陽光発電の実用化に成功したのはアメリカの海軍で、1958年(昭和33年)のこと。人工衛星バンガード1号に載せました。ごく最近、7年もかかって小惑星の探査から帰還した日本の人工衛星はやぶさ。大きな話題になりましたが、これも太陽光発電でエネルギーを補給していました。

いま住宅やビルでの太陽光発電が、急速に広がっています。みなさんも、住宅の屋根やビルの屋上に設置された発電用のパネルを見たことがあるでしょう。四角い格子のようなこのパネルのことを、一般に太陽電池と呼んでいます。太陽の光を電気に変える装置、つまり超小型の発電所なのです。

太陽電池の国内向け出荷量は、1981年(昭和56年)にはわずか358キロワットにすぎませんでした。それが09年には62万キロワットを超えています。このうち住宅向けは54万キロワットでした。政府は2020年までに民間の太陽光発電量を2800万キロワット、原子力発電所25基分にまで引き上げようとしています。そのために補助金も出しており、家庭の発電所も大幅に増えて行く見込みです。


                          (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2010-10-18-Mon  CATEGORY: 政治・経済
日米の株価は先週、ともに比較的狭い範囲内に収斂した。ダウ平均は週間56ドルの上げ、日経平均は89円の下げ。アメリカの実体経済は下り坂の様相だが、株価は金融緩和への期待が強く買われた。日経平均は相変わらず、円高が重石になって売られた。注目された円売り介入は見送られている。

円の対ドル相場は先週、一時80円台の後半にまで上昇した。菅首相をはじめ政府首脳は、たびたび「為替介入も辞さない」と強調している。またG7の会議では「過度の為替変動に対する介入は容認された」とも説明した。にもかかわらず介入しなかったのは、なぜだろう。

先週の円相場は81円台前半で始まり、終わっている。結局、ほとんど動かなかった。このため「過度の変動」という理屈を付けにくかったのではないか。したがって介入の次のチャンスは、相場が80円台前半で79円台への突入が懸念される状態になったときだろう。今週も、その緊張感は続く。

経済指標は18日に、8月の第3次産業活動指数。21日に、8月の全産業活動指数。アメリカでは18日に、9月の工業生産。19日に、9月の住宅着工件数。21日には、コンファレンスボードによる9月の景気先行指数。また21日には中国が7-9月期のGDP速報、9月の生産者物価、消費者物価、小売り売上高、鉱工業生産、固定資産投資額を発表する。韓国の慶州では22-23日、G20財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。


    ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ

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二極化が止まらない 世界経済 (上)
2010-10-19-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 弱い先進国 vs 強い新興国・途上国 = かつては世界経済をリードしてきた日米欧の先進国。いまは低成長とデフレに悩み、今後の見通しも決して芳しくない。その一方で、これまで低成長と貧困にあえいできた新興国・途上国は、いま好景気を謳歌している。世界経済は明と暗の二極化。この傾向は当分の間、続きそうだ。

IMF(国際通貨基金)の調査によると、日米欧の先進国グループは合計すると、ことし1兆ドル(約82兆円)の需要不足に陥っているという。日本は25兆円、アメリカは24兆円、ユーロ圏は32兆円の不足という推計だ。このため失業率はユーロ圏が10%、アメリカも10%近く、日本は5%を超えている。消費者物価は日本がマイナス、アメリカやユーロ主要国も上昇率は1%を切っている。

新興国と途上国を合計すると、ことしの名目GDPは20兆ドル(約1640兆円)になる。ことしの実質成長率は先進国が2.7%なのに対して、新興国は7.8%になるとIMFでは予測している。このうち中国は10.5%、インドは9.4%、ブラジルは7.1%だ。

IMFの推計によると、世界中の名目GDPはことし61兆7800億ドルになる。08年に比べ5600億ドルの増加だ。しかし先進国グループのGDPは41兆5600億ドルで、2年前よりも7100億ドル減少する。その一方で新興国・途上国は20兆2200億ドル。2年前より1兆2700億ドル増える見通しだ。


                             (続きは明日)

    ≪18日の日経平均 = 下げ -1.76円≫

    ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ

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二極化が止まらない 世界経済 (中)
2010-10-20-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 高度成長期に入ったASEAN諸国 = 21世紀に入ってから停滞気味の先進国経済を尻目に、びっくりするほどの発展を続けているのがBRICsと呼ばれる新興国グループだ。BRICsはブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字を並べた名称。リーマン・ショックからもいち早く立ち直り、いまや世界経済の主役に躍り出たと言える。

このBRICsを追いかけてきたのが、発展途上国のなかの先頭グループ。このグループは東南アジア地域に多く、10か国で構成するASEAN(東南アジア連合)に属している。具体的には、そのなかのシンガポール、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム、インドネシアの6か国の発展が目覚しい。

ADB(アジア開発銀行)の予測によると、ASEAN諸国のことしの実質成長率は10か国全体で7.4%、中核6か国の平均は7.8%になる。特にシンガポールは14.0%の成長が見込まれている。平均的にみると、まだ中国の9.6%、インドの8.5%には及ばないが、経済の発展段階に入ったことは間違いない。一部の国々は高度成長期を迎えたと考えられる。

東南アジア諸国が成長期に入ったのは、中国やインド向けの輸出が増大したこと。また中国やインドの人件費が上昇したため、アメリカや日本の企業が現地生産に進出したこと。さらには上昇基調に乗った株式や不動産を目指して、世界中から資金が流入していることなどが挙げられる。この資金流入問題については、22日から韓国の慶州で開くG20財務相・中央銀行総裁会議でも議題に取り上げられる予定。


                              (続きは明日)

    ≪19日の日経平均 = 上げ +40.96円≫

    ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ

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二極化が止まらない 世界経済 (下)
2010-10-21-Thu  CATEGORY: 政治・経済
 ◇ 悩みはインフレ懸念と通貨高 リーマン・ショックから中国やインドなどの新興国がいち早く立ち直り、続いてシンガポールやマレーシアなどの途上国・先頭グループも経済の拡大期に入った。このため先進国も、大いに助けられている。たとえば日本の場合も8月の貿易統計をみると、アジア向けの輸出額は全体の6割に近い。ASEAN向けは、アメリカ向けの輸出額を上回っている。

だが新興国・途上国側の経済にも、問題が出てきた。その1つはインフレ懸念。各国政府は一様に、物価や不動産価格の高騰に神経を尖らせている。中国もついに金融機関の貸し出し・預金金利を引き上げた。ASEAN諸国のなかでも、金利を引き上げた国が多い。しかし内需が旺盛なうえに海外からの資金流入が大きく、期待したほどの効果は上がっていない。

もう1つの問題は、海外から資金が流入することに伴って、自国通貨の為替相場が上昇してきたこと。たとえばタイ・バーツやフィリピン・ペソは最高値を更新。オーストラリア・ドルは、とうとう米ドルと等価にまで上昇した。韓国ウォンも4か月ぶりの高値を付けている。

先進国はみな景気を浮揚する目的で、金融の超緩和政策をとっている。このため世界的にカネ余りの状態となり、このカネが高金利や株高、不動産高を目指して、新興国や途上国に流れ込んでいる。見方を変えると、先進国の不況が新興国や途上国のインフレ懸念、通貨高を惹き起こしていることになる。やがて新興国・途上国のバブルは崩壊すると心配するのは、取り越し苦労だろうか。
    
    ≪20日の日経平均 = 下げ -157.85円≫

    ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ

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踊り場ではなく、下り階段だ
2010-10-22-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 再上昇の可能性は小さい = 政府は19日に発表した10月の月例経済報告で、景気の基調判断を1年8か月ぶりに下方修正した。これまでの景気は「持ち直してきている」という表現を「足踏み状態となっている」に変更している。ただ今後の見通しについては「持ち直していくことが期待される」とも付け加えた。

月例経済報告というのは、政府が毎月1回まとめる公式の経済判断。リーマン・ショックのあとはずっと「悪化している」が続いたが、昨年5月からは「持ち直し」に変わった。それが「足踏み」に下方修正されたわけ。政府が期待するように、もし再び「持ち直し」になれば、この「足踏み」はちょうど階段の途中にある“踊り場”ということになる。

エコノミストの多くも、今回の月例報告を受けて「景気は“踊り場”入り」と解説している。だが“踊り場”⇒再上昇となる可能性はかなり小さいのではないだろうか。円高に加えてエコカー補助金打ち切りの反動、猛暑による一時的な消費増の反動。さらに中国を初めとして東南アジア諸国が、インフレを懸念して金利を引き上げ始めた。

対抗手段は、日銀の新たな金融緩和政策と政府の2度にわたる景気対策のみ。よほどの僥倖に恵まれなければ、これで景気が再上昇に転じるとは思えない。政府・日銀は“踊り場”説に固執することなく、早急に次の対策を準備すべきだろう。さもないと、またまた手遅れということになる。


    ≪21日の日経平均 = 下げ -5.12円≫

    ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 戸別所得補償の点検 ⑫
2010-10-23-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 集約化・生産性向上に逆行? = 農家に対する戸別所得補償方式には、基本的な反対論も少なくない。零細農家や兼業農家にも補償金を支払うため、こうした小規模な農家が土地を手放さなくなる。その結果は農地の集約化が遅れ、生産性の向上が進まない。これが基本的な反対論の考え方だ。

じっさい、農家1戸当たりの平均耕作面積は日本の2.2ヘクタールに対して、アメリカは83ヘクタール、ドイツでも32ヘクタールだ。これでは生産性の点で、とても勝負にはならない。しかも農業従事者の高齢化が進んでいる。農地を集約して大規模化し、経営を協同組合会社組織にすれば、若い人たちの参入も期待できるだろう。

お隣り韓国はアメリカやEU(ヨーロッパ連合)との間で、FTA(自由貿易協定)を締結した。だが日本は農業問題がネックとなって、まだ交渉にも入れない。FTAを結べば工業製品の輸出はしやすくなるが、農産物の輸入関税を大幅に引き下げなければならない。農産物に競争力がない日本は、頭が痛い。

来月7日から一週間、横浜でAPEC(アジア太平洋経済協力会議)が開かれる。アメリカや日本も参加するこの会議ではTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が議題にのぼるというが、日本はここでも農業問題で苦しい立場に置かれるだろう。早急に農業の生産性を高めないと、日本が世界の動きに付いて行けないことは確かなようだ。


                        (続きは来週サタデー)

    ≪22日の日経平均 = 上げ +50.23円≫

    【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】    

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2010-10-24-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第20章 スマートグリッドって、なんだろう? ④

屋根の上に太陽光発電パネルを設置するには、おカネがかかります。ふつうの家では3-4キロワットのパネルを使いますが、その費用は200万円ぐらい。そこから計算すると、家庭での発電コストは電力会社の7倍近くにもなってしまいます。そこで政府は補助金を出したり、家庭で余った電気を電力会社に売れるようにしました。

この電力会社による買い取り制度は、昨年の11月に始まったばかりです。住宅の場合は1キロワット当たり48円、事業所や工場などは24円で、電力会社がいつでも買い取ることになりました。国や地方自治体の補助金に、この買い取り制度による収入を加えると、一般の家庭では10年ぐらいでモトがとれるようになったといわれています。

家庭では太陽光パネルで発電した電力を、まず自分の家で使うでしょう。それでも余った電力を売るには、電気をためておくバッテリー(蓄電池)があると便利です。また電力会社から送られてくる電力を使うこともありますから、入ってくる電気と出て行く電気をきちんと記録する必要もありますね。そのための記録計がスマートメーターです。

いま家庭には電気メーターが付いていて、1か月にどれだけの電力を使ったかを記録しています。でも、このメーターは入ってくる電力だけを記録しています。これに対してスマートメーターは、電力会社に売った分の電力も記録するわけです。ここまでくると、みなさんにもスマートグリッドの姿がおぼろげながら見えてきませんか。


                         (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2010-10-25-Mon  CATEGORY: 政治・経済
為替相場は、G20(主要20か国)財務相・中央銀行総裁会議の結果待ちで動けない。株価は日米ともに景気の将来を不安視するなかで、割合に好調な7-9月期の企業決算をうまく消化できない。先週はこんな一週間だった。今週はG20が終わり、主要企業の決算発表が続く。為替と株価は、どう動くのだろうか。

AT&T、アマゾン、マクドナルドなど、アメリカ主要企業の7-9月期決算は収益が大幅に改善した。このため先週のダウ平均は70ドルの値上がり。木曜日には1万1147ドルと、約5か月半ぶりの高値を付けた。だが株価の上げ幅は、その割に小さい。今週は27日に7-9月期のGDP速報が発表されるが、おそらく成長率は前期より下がるのではないか。

日経平均は先週74円の値下がり。為替相場への警戒感が薄れないうえに、政府が月例報告で「景気の足踏み」を正式に認めるような状態だから仕方がない。G20がまとめた共同宣言では「過度な為替変動を監視する」という表現が盛り込まれたが、その意味はきわめて曖昧。週明けの市場は、どう受け取るのだろう。

今週は25日に、9月の貿易統計。26日に、9月の企業向けサービス価格。28日に、9月の商業販売統計。そして27日には、9月の鉱工業生産、労働力調査、家計調査、消費者物価、住宅着工が発表になる。このうち、いくつかの統計は、景気がすでに下り坂に差しかかった兆候を示すのではないだろうか。


    ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ

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きわめて曖昧 : G20の共同声明
2010-10-26-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 為替レートの過度な変動を監視 = 韓国の慶州で開いたG20(主要20か国)財務相・中央銀行総裁会議は、通貨安競争の回避を明記した共同声明を採択して閉幕した。日米欧の先進国と、中国などの新興国を集めたこの会議。考え方が大きく異なるなかで、やっと見出した一致点だ。それだけに、どうやって通貨安競争を回避するのかについての具体策はない。

日本にとって最大の関心事は、為替レートの過度な変動についての表現だった。この点について、共同声明は「先進国は為替レートの過度な変動や無秩序な動きを監視」と書いている。これは全く意味不明。いまだって監視していない国はあるまい。過度な変動や無秩序な動きとは、何を指すのかも明らかでない。

仮に「過度な変動は好ましくない」と書かれれば、政府による為替介入も認められると解釈できるかもしれない。だが“監視”では、解釈のしようもない。会議後、野田財務相は「必要なときには適切な行動をとるという意味だ」と述べたが、この解釈にはかなりムリがあるだろう。

アメリカと議長国の韓国が提案した、経常収支の不均衡是正案も見送られた。結局、今回のG20会議は、先進国と新興国の深い利害対立を浮き彫りにしたと言えるだろう。しかも経済の不調に悩む先進国と、いま伸び盛りの新興国。そうした世界経済の二極化のなかでの対立は、今後ますます激化する危険性をはらんでいる。


    ≪25日の日経平均 = 下げ -25.55円≫

    ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ

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やっぱり気になる 輸出の鈍化
2010-10-27-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 円高の影響が出始めた = 財務省が発表した9月の貿易統計によると、輸出は5兆8429億円で前年同月比は14.4%の増加だった。輸入は5兆0459億円、前年比は9.9%の増加。この結果、貿易黒字は7970億円で前年同月より54%も増加した。ただ輸出の伸び率は8月から目に見えて縮小している。円高の影響が出始めた。

輸出額の前年比伸び率は、7月の23.5%増から8月は15.5%増に低下。9月は14%台へと落ち込んだ。地域別の伸び率を7月と9月で比べてみても、アジア向けは23.8%増から14.4%増へ。アメリカ向けも25.9%から10.4%増へと減速した。アジアのなかでは中国も22.7%増から10.3%増へと落ち込んだが、ASEAN(東南アジア連合)向けは21.3%増が20.4%増へとほぼ横ばい。

経済が好調なASEAN諸国を除けば、ほぼ各地域向けの輸出が勢いを失ってきた。中国の場合は尖閣列島の余波を受けたのかもしれない。しかし貿易統計によると、輸出数量はそれほど落ちていないから、やはり円高の影響が大きいと考えられる。ちなみに日銀の資料によると、9月平均の円相場は84円31銭、昨年9月は91円40銭だった。

G20(主要20か国)財務相・中央銀行総裁会議では、為替相場の過度な変動について「監視する」という意味不明瞭な宣言をするに止まった。9月の貿易統計では、輸出に円高の影響が色濃く出始めたが、その一方で貿易黒字は大幅に増えている。こうした条件のなかで、仮に円レートが80円を突破した場合、政府は円売りの単独介入に踏み切る勇気があるのかどうか。


    ≪26日の日経平均 = 下げ -23.78円≫

    ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ

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経済政策を総動員 / 中国 (上)
2010-10-28-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 財政、金融から税制、為替まで = 中国が複雑多岐にわたる経済政策を使い始めた。まず財政政策。08年9月のリーマン・ショック直後に4兆元(当時のレートで57兆円)の景気対策を断行したが、その後も財政支出の水準は高い。詳細は不明だが、固定資産投資の統計からみると、公共事業の規模も減少した気配はない。要するに、財政面からの景気刺激策は持続している。

その半面、金融政策は引き締めに転じた。リーマン・ショック後は金融も緩和の一途をたどったが、昨年1月には預金準備率を引き上げている。預金準備率はその後も引き上げられ、この10月には4回目の引き上げを実施した。そして10月19日、人民銀行は金融機関の預金・貸し出し金利の0.25%引き上げを決定した。金融面では、明らかな引き締め政策に転換したわけである。

金融面では、住宅ローンに対する規制も強化した。一般市民が住宅を購入する場合、2軒目については金利を高くしたり、審査を厳しくする。3軒目は事実上の禁止となった。また中央銀行が利上げした翌日、中国政府は人民元の基準価格を一気に0.3%引き下げる措置をとっている。続いて政府は、外国企業に対する税制上の優遇措置を全廃すると発表した。

こうした多岐にわたる経済政策の目標は、インフレ抑制と不動産バブルの予防、高い経済成長と輸出水準の確保にある。そして、これらの目標はすべて国内の格差を是正するための手段と言っても差し支えない。大都市と農村、沿岸部と山岳地帯、民族や宗教の違い。これらによって生じている経済格差を縮小すること。これが中国政府の究極の政策目標である。


                            (続きは明日)

    ≪27日の日経平均 = 上げ +9.65円≫

    ≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ

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経済政策を総動員 / 中国 (下)
2010-10-29-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ すべては格差是正のために = 中国政府は物価の上昇傾向に警戒感を強めている。消費者物価は9月、前年比3.6%の上昇となった。政府は物価上昇を3%以内に抑えることを目標に掲げているが、これで3か月連続して目標を上回った。特に食料品の値上がりが著しい。物価の上昇は低所得層の不満を増大しやすい。当面はインフレ予防が、政府の最優先課題になったと言える。

主要70都市の不動産価格は8月、前月比で0.5%上昇した。金融機関の貸し出し規制を強化しても、価格は下落しない。貿易黒字が大きいうえに、海外からの投資・投機資金も流入する。さらに為替介入による元の放出。こうした過剰流動性が惹き起す不動産バブルを放置すれば、崩壊の危険性が増す。貧富の差も拡大しかねない。政府はバブル予防にも神経を使っている。

実質経済成長率は1-3月期の11.9%から、7-9月期には9.6%にまで減速した。政府は8%以上の成長を目標にしているが、これは成長率が8%を下回ると失業が多発すると予想されるため。そこで財政面からの景気刺激は続けざるをえない。成長率の維持には輸出も重要だから、元レートはおいそれと切り上げられないことになる。

外資に対する都市維持建設税と教育費付加制度の免除を廃止した。これまで政府は外資を優遇することでカネと技術の導入を促進してきたが、カネ余りは抑制する必要が出てきた。また国内企業との格差が目立ち、国民の間に不満が生じてきたことも一因。ほかに上海市では固定資産税を導入するなど、小技も取り入れている。これら経済政策の究極の目的は、すべて格差の拡大防止にあると言っていい。


    ≪28日の日経平均 = 下げ -21.00円≫

    ≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 戸別所得補償の点検 ⑬
2010-10-30-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 農業の将来が見えない = コメの生産を減らし、麦や大豆などの戦略作物を増産する――これが戸別所得補償政策の目標である。だが、ことしはコメの生産が減らず、価格は大幅に下落した。戦略作物の生産もあまり増えない。まだ始まったばかりで結論を出すのは尚早だが、そんななかで多くの農家が頭を痛めているのは「日本農業の明日が見えない」という現実である。

民主党は戸別所得補償について、マニフェストでは「11年度から1兆円規模で本格的に実施する」と明記している。最大で1兆4000億円を支出するとも説明していた。しかし11年度予算について、農林水産省は制度の拡充を畑作6品目と漁業に限る方針。予算も9500億円程度、しかも現行の支援策をかなり削って財源を捻出するという。

こんな調子だから、農家のなかには所得補償制度への参加が収入増につながるのかどうか、迷いも生じている。現実にことしも土地改良事業費が減額されて、補償を受けても年間所得が減るケースが出現した。また世論調査によると、農家の8割がこの制度は財源難のために長続きしないと考えているという。

規模の拡大を目指して結成された協同組合では、参加した零細農家が補助金ほしさに脱落した例も少なくない。要するに現行の所得補償制度は、生産性の向上を目指しているのかどうか疑わしい。日本の農業をどう変えて行こうとしているのか。政府・民主党はもう一度、基本理念を見直す必要に迫られているのではないだろうか。


                      (戸別所得補償は 終わり)

    ≪29日の日経平均 = 下げ -163.58円≫

    【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2010-10-31-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第20章 スマートグリッドって、なんだろう? ⑤

最近はハイブリッド・カーがよく売れています。ガソリン・エンジンだけでなく蓄電池も積んでいて、ガソリンと電気の両方を使って走る自動車です。ガソリンが節約できるし環境にも優しい車なので、人気があるわけです。さらに自動車メーカーは、電気自動車も売り出しました。これはガソリンを全く使わず、電気だけで走る車です。排気ガスも全く出しません。

ハイブリッド・カーはガソリン・エンジンで走っている間に、自分で発電して電気を溜め込みます。しかし電気自動車は、外から電気を取り込んで蓄電池に溜めなければなりません。ふつうの家からも、電線をつなげば電気を取り込めます。でもドライブの途中で、電気が足りなくなったら困るでしょう。ですから街の方々にガソリン・スタンドがあるように、電気を供給するスタンドがたくさん必要になってきます。

いまハイブリッド・カーはよく売れていますが、電気自動車はまだそんなに売れていません。しかし自動車の値段がもっと下がり、電気を供給するスタンドが方々にできれば、みんなが電気自動車を買うようになるでしょう。あと10年か20年もすると、街を走る車の大半は電気自動車になると予測されています。

たとえば君の家では、屋根に太陽光パネルを乗せて発電します。自分の家で使った残りを溜めておいて、電力会社に売ります。そのときには蓄電池が必要になりますが、電気自動車の蓄電池を利用すれば、とても便利でしょう。スマートグリッドのキーワードの一つに、電気自動車を挙げた意味がわかりましたね。


                           (続きは来週日曜日)

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