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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
今週のポイント
2010-11-01-Mon  CATEGORY: 政治・経済
あす2日は、世界の耳目がアメリカに集中する。まずは中間選挙の投票日。上院は定数100のうち37議席が改選、下院は定数435のすべてが改選される。また37州の知事も選出される。直前の予想では、いずれも共和党が有利。オバマ政権は下院ではもちろん、上院でも少数党に転落する可能性がある。仮に共和党が勝つと、大きな財政支出を伴う法案は成立しにくくなるだろう。

次にFRB(連邦準備理事会)は2-3の両日、FOMC(公開市場委員会)を開いて金融緩和の追加策を決定する。事前の予想では、中長期国債の買い入れ増加が中心になりそうだ。市場では、買い入れ増加の金額に関心が集まっている。この追加的な金融緩和で、円相場はどのくらい上昇するのか。95年につけた1ドル=79円75銭を超えるのかどうか。

中間選挙とFOMCを前にして、先週のダウ平均は小動きに終始した。週間では14ドルの値下がり。日経平均は円高の圧力に押されて、週間では224円の値下がりとなった。日米ともに企業の決算内容は悪くないが、今後の見通しとなると慎重なトーンが頭をもたげる。このことも株価にとっては重石となった。

今週は1日に、10月の新車販売台数が発表になる。補助金制度の終了で、売れ行きがどれほど減少するか。結果によっては、経済全体に暗いムードが広がるかもしれない。アメリカでは3日に、10月の新車販売台数。そして5日には、10月の雇用統計が発表される。また5-6日には京都で、APEC(アジア太平洋経済協力会議)の財務相会合が開催される。


    ≪1日の日経平均は? 予想 = 下げ

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新車販売台数 / 10月は激減
2010-11-02-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 42年ぶりの20万台割れ = 「やっぱり」と言うべきか。新車の販売台数がガクンと落ち込んだ。日本自動車販売協会連合会が1日まとめた10月の登録車販売台数は19万3258台で、前年同月に比べると26.7%の大幅な減少となった。10月に20万台を割り込んだのは、実に42年ぶりのこと。原因は言うまでもなく、9月7日に打ち切られたエコカー補助金の反動だ。

月間販売台数の最高記録は90年10月の50万4641台。これに比べると6割以上も減少した。メーカー別にみると、トヨタが24.2%の減少。次いでホンダが29.9%、日産は30.6%の減少だった。さらに三菱は48.7%、マツダは52.2%の減少で、これら2社は昨年の半分ほどしか売れなかったことになる。

一方、軽自動車協会連合会の集計によると、10月の軽自動車の販売台数は11万1070台。前年比では16.2%の減少だった。前年比プラスは10か月ぶりに途絶えたが、補助金の恩恵が少なかったこともあって、登録車ほどの急激な落ち込みはなかった。

問題は今後の見通しと、経済全体に与える影響だろう。業界関係者のなかには10月の落ち込みが予想よりは小さかったので、回復は早いという見方も流れている。しかし補助金打ち切りの影響は、10月の後半になって色濃く出ている。11月はもっと減少率が拡大するのではないか。とすれば工業生産は10、11月と低下する可能性が大きい。自動車関連産業に対する悪影響が、非常に心配される。


    ≪1日の日経平均 = 下げ -47.73円≫

    ≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ

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マイナス成長に転落 : 10月以降
2010-11-04-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 生産、消費ともに大幅減の公算 = 経済産業省の発表によると、9月の鉱工業生産は前月に比べて1.9%の減少となった。これで生産の減少は4か月連続。特に輸送機械工業と電子部品・デバイス工業の減産率が大きかった。出荷も前月比0.7%の減少。在庫は0.2%の増加で、前年同月に比べても3.5%増加している。生産統計の形としては、きわめて良くない。

輸送機械工業の減産は、エコカー補助金の打ち切りで自動車の販売台数が激減することを見越したメーカー側の対策。また電子部品・デバイス工業は輸出の鈍化による影響が大きかった。補助金打ち切りの反動や輸出の鈍化傾向は今後も続くとみられ、予測調査をみても10月は前月比3.6%の大幅な減少が見込まれている。

一方、総務省が発表した9月の家計調査によると、2人以上世帯の実質消費支出は27万5367円で前年同月と変わらなかった。旅行などへの支出は減ったが、エアコンやテレビなど耐久財への支出は23.4%増加した。レジャー費用を節約して、補助金制度があるうちに家電を買おうと考えた家庭が多かったのかもしれない。

生産は減少、消費はまずまず。こうした9月の結果を踏まえて、民間エコノミストが7-9月期の実質成長率を予測している。それによると、成長率の平均値は年率で2.9%だという。4-6月期の1.5%より高くなる。しかし問題は10月以降だ。生産の予測値は大幅減少、消費も補助金制度の効力が低下する。エコノミストの予測も、10-12月期はマイナス1.4%と厳しい。こういう状況なのに、政府・民主党から心配する声が聞こえてこないのは、どうしてだろう。


    ≪2日の日経平均 = 上げ +5.26円≫

    ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ

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改善しない 男性の失業率
2010-11-05-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 女性が圧倒的に優位 = 総務省が発表した9月の雇用統計によると、完全失業率は5.0%で前月より0.1ポイント改善した。就業者数は6309万人で前年比14万人の増加。失業者数は340万人で23万人の減少だった。まだ全体の雇用情勢が明るくなったとは言えないが、就業者が増えて失業者が減るという形にはなってきた。

就業者が最も多く増加したのは医療・福祉部門で、前年比42万人の増加だった。製造業も5万人増加し、08年4月以来の増加を記録した。その半面、卸・小売り業は11万人、建設業も9万人の減少だった。一方、失業者はこれで4か月連続の減少となった。

ところが9月の調査を男女別に分けてみると、圧倒的に女性優位なことが判る。まず就業者数では女性が20万人の増加だったのに対して、男性は6万人減少している。また失業者数は女性が20万人減少したのに対して、男性は3万人しか減っていない。この結果、失業率も女性が0.3ポイント改善して4.3%まで低下したのに対して、男性は0.1ポイント悪化して5.5%となっている。

民主党政府は、潜在需要が大きい医療・福祉部門での雇用増大を目指している。9月の調査結果は、経済・社会が少しその方向に動き始めたことを示しているのかもしれない。これらの部門には、男性よりも女性の方が入りやすいのだろう。だが一方では卸・小売りや建設業の就業者が減っている。政府の視点には、これら分野への目配りが欠けているようにも思えるのだが。


    ≪4日の日経平均 = 上げ +198.80円≫

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サタデー自習室 -- 発展段階に入った ASEAN ①
2010-11-06-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ BRICsを追う新興国グループ  = 「ベトナムの原発2基を日本が受注」「シンガポールがオーストラリア証券取引所を買収へ」「タイの新車販売は前年比5割増」「インドネシアなどの株価は史上最高値を更新」--最近の新聞紙面には、ASEAN経済の活況を伝える記事があふれている。日本とも関係の深いASEAN諸国が、いま脚光を浴び始めた。

ASEANは、Association of South-East Asian Nations の頭文字をとった名称。東南アジア諸国連合と訳されている。1967年8月、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシアの5か国で発足した。経済、社会、政治、安全保障、文化の面で、域内協力をすることが目標。その後、84年にブルネイ、90年代後半にベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジアが参加。現在は10か国が加盟している。

21世紀に入ってから停滞気味の先進国経済を尻目に、びっくりするほどの発展を続けているのがBRICsと呼ばれる新興国グループだ。BRICsはブラジル、ロシア、インド、中国の4か国。リーマン・ショックからもいち早く立ち直り、いまや世界経済の主役に躍り出た感じが濃い。

このBRICsを追いかけているのが、発展途上国のなかで先頭を走るASEANだ。特に最初からの加盟国であるインドネシアなどの5か国にベトナムを加えた6か国の発展が目覚ましい。ADB(アジア開発銀行)の予測によると、この6か国のことしの実質成長率は7.4%になる見通し。なかでもシンガポールは14.0%になると見込まれている。ASEANは確実に、経済が自律的に発展する段階に入った。


                           (続きは来週サタデー)

    ≪5日の日経平均 = 上げ +267.21円≫

    【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2010-11-07-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第20章 スマートグリッドって、なんだろう? ⑥

いまから20年後、いくつもの都会でスマートグリッドが実現しているでしょう。その状況を大胆に想像してみると――各家庭には、太陽光発電の装置が取り付けられています。いまのようなガラス製の重たいパネルではなく、薄くて軽いプラスチック製のパネルが屋根だけでなく、壁やガラス窓にも張り付けられているはずです。小型の蓄電池か電気自動車が電燈線につながっていて、玄関脇にはスマートメーターが。

スマートメーターは、コンピューターの頭脳と携帯電話のような通信機能を持った電力計です。入ってくる電気と出て行く電気を計量するだけでなく、電気自動車やテレビ、冷蔵庫、クーラーなどの電気製品を常に管理しています。そして情報を電力会社にも伝えます。

その日は晴天で、お日さまがピカピカでした。すると各家庭の発電量がグンと増えます。その情報が届くと、電力会社は火力発電所などの発電量を減らすことができるのです。逆に雨が降って太陽光発電が減ると、電力会社は不足する分をすぐに計算して、発電量を増やすことができるわけです。

町に大型の蓄電池を備えておくと、町のなかで電力の余った家から不足している家へ電気を供給することができます。また隣の町と、電力を融通し合うこともできるでしょう。こうした電力のやりとりは、各家庭のスマートメーターがすべて記録。その家がどこに電気代をいくら払うのか。また逆にいくら貰うのかを計算します。もちろん、おカネの出し入れも銀行に通知してキチンとやってくれるのです。


                            (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2010-11-08-Mon  CATEGORY: 政治・経済
株式市場の視界が急速に開けてきた。ダウ平均は先週5日間の連騰、週間では326ドル値上がりした。特に4日にはリーマン・ショック前の水準を回復している。FRB(連邦準備理事会)の追加的な金融緩和に加えて、10月の雇用統計も好感された。主要企業の決算も悪くはない。金融緩和の発表で、金や原油、穀物などの国際商品も買われている。

ダウ平均につられて、日経平均も週間424円の値上がりとなった。週間の上げ幅が400円を超えたのは、09年7月以来のこと。アメリカの金融緩和にもかかわらず、円相場の急騰がなかったことが大きい。国内企業の決算も、全体としてみれば好調だ。日経新聞の集計によると、上場企業の3月期予想は経常利益が49%増になるという。

ところが日本の株価は元気がない。世界の主要20株式市場のうち、すでに14市場がリーマン前に戻っている。だが東京市場は19番目の成績で、リーマン前より21%も低い水準。円相場も上限は見えた感じが強い。今週は日銀の国債買い入れも始まる。そろそろ東京にも日が射し始めるのではないか。

今週は8日に、9月の景気動向指数。9日に、10月の景気ウォッチャー調査。11日に、10月の国内企業物価。中国が10日に、10月の貿易統計。11日に、10月の生産者物価、消費者物価、小売り売上高、鉱工業生産、固定資産投資を発表する。ほかに12日にはアメリカで、ミシガン大学の11月消費者信頼感指数。ユーロ圏の7-9月期GDP。また13-14日には横浜で、APEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議が開かれ、オバマ大統領も出席する。


    ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ

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なぜ改善しない?  アメリカの失業率
2010-11-09-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 雇用者が増え、失業者は減ったのに = アメリカ労働省の発表によると、10月の失業率は9.6%で前月と変わらなかった。依然として高い水準が続き、アメリカ経済が不況から抜け出せずにいることを示している。オバマ大統領も「失業率は受け入れがたいほど高い」とコメントした。

このニュースは、日本の新聞各紙も報道した。それによると、10月の農業を除く雇用者数は前月より15万1000人増えた。特に民間部門では15万9000人の増加で、4月以来のプラス。一方、失業者数は前月と変わらなかったという。たしかに雇用者数の増加は市場でも好感されて、ダウ平均はリーマン・ショック以前の水準を回復している。

だが、待てよ。雇用者数が増えて失業者数が変わらなければ、常識的にみて失業率は下がるはず。それが下がらなかったのは、なぜだろう。そこでアメリカ労働省の発表文をチェックしてみた。すると失業者数はわずかだが、前月より7万6000人減っている。それなのに失業率が下がらなかったのは、不況のために職探しをあきらめた人が120万人と、前年より41万人も増えたためだと説明している。

これらの人たちは統計上、労働力人口からはずされてしまう。失業率は失業者数を労働力人口で割った数字だから、雇用者がふえ失業者が減っても、失業率は下がらなかった。それ以上に重要なことは、雇用情勢が少しよくなると、これらの潜在失業者が職探しを始めて失業者数に加わってくる可能性が大きいという点だ。ここまで見ると、オバマ大統領の嘆きもよく理解できる。


    ≪8日の日経平均 = 上げ +106.93円≫

    ≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ

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中央銀行の国債購入 : その結果は? (上)
2010-11-10-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日銀は今週から買い入れ = 日銀とFRB(連邦準備理事会)は、ともに国債の買い増しを中心とする新しい金融緩和策に踏み切った。日米両国の中央銀行はすでに政策金利を0%近辺にまで引き下げており、金利面での緩和策は使い果たしてしまった。したがって残るは量的緩和しかない。その量的緩和の中心的手段として、最もリスクの少ない国債の買い入れを選んだのは偶然ではない。

日銀の買い入れ予定額は5兆円。片やFRBは6000億ドル(約49兆円)だから、10倍も多い。ただFRBが国債だけを買い入れの対象としているのに対し、日銀はリスクの大きい社債やCP(コマーシャル・ペーパー)、それにETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)も購入する。

日銀は今週から国債と国庫短期証券の購入を開始する。買い入れ予定額は3兆5000億円。残りの1兆5000億円で、12月から社債などを購入する。一方、FRBは来年6月までに全額を使い切る方針。どちらも1-5年程度の中期金利を引き下げることによって、景気へのテコ入れと為替相場の引き下げを狙っている。

FRBが大規模な国債買い入れを発表したにもかかわらず、予想に反して円相場は上昇しなかった。これは日銀の政策によって“相打ち”の形になったと考えられる。その意味では、いまのところ日銀の決断は正しかったと言えるだろう。ただ政策の発表にあたって、白川総裁が景気対策であることばかりを強調し、為替に触れなかったのは疑問。もっと堂々と円高阻止の決意を表明すべきだったろう。


                              (続きは明日)

    ≪9日の日経平均 = 下げ -38.43円≫

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中央銀行の国債購入 : その結果は? (中)
2010-11-11-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 景気対策としての効果は疑問 = 日銀は流通市場で、主に残存期間1-5年程度の国債を買い入れる方針。すでに期間1年未満の短期金利は、政策金利をゼロに近付けているから十分に下がっている。今回は残存期間1-5年の国債買い入れで、中期金利の引き下げを図るわけだ。だが、こうした金利引き下げとそれに伴う資金供給の増大で、景気はよくなるのだろうか。

流通市場で国債を売るのは、ほとんどが金融機関だろう。しかし金融機関はいま大量の資金を抱え込み、貸し出し先が見付からなくて困っている状態だ。余ったおカネで、大量の国債を買い入れている。その金融機関が国債を日銀に売って、また資金を手に入れる。そのおカネは、どう運用するのだろうか。

一方、借り手側の企業も資金を貯め込んでいる。上場企業の半数近くが、実質的に無借金の経営だ。企業の銀行借り入れ額も、このところ急減している。そんな状況だから、金利がわずかに下がったからといって資金需要が増えたり、設備投資が盛んになるとは思えない。景気に対しては、あまり効果がないのではないか。

ただ今回の措置によって円高の進行がストップすれば、輸出企業の業績は安定する。また日銀がETFやREITの買い入れを始めれば、株式市場には明るさが戻るかもしれない。株価が上昇すれば、企業の経営にはプラスだし、個人所得の増加を通じて消費への押し上げ効果も期待できる。景気浮揚の効果が出るかどうかは、株価しだいだろう。


                                 (続きは明日)

    ≪10日の日経平均 = 上げ +136.03円≫

    ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ

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中央銀行の国債購入 : その結果は? (下)
2010-11-12-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日米で54兆円の資金を放出 = 中央銀行が国債を購入することによって、日本とアメリカを合計すると新たに54兆円の資金が市場に放出される。その大半は金融機関の手に渡るが、金融機関はこの資金をどこに貸すのだろう。最も考えられる貸し付け先は、低利融資を望んでいるフェッジファンドなどの投資機関にちがいない。

その途端に、この資金は投機資金に変貌する。行き先は国際商品市場や金利の高い新興国だ。現にニューヨークの商品市場では、FRB の発表を受けて国際商品が軒並み高騰した。金は史上最高値を更新、原油も7か月ぶりの高値を付けている。銅やアルミ、小麦や大豆なども大幅に上昇した。国債買い入れで放出される資金が回ってくると期待した動きである。

投機資金は新興国にも突入する。経済が活況を呈し、金利も高い。その株式や不動産、あるいは特産物におカネが向かう。すでに新興国にはこうした資金の活発な流入が始まっている。その結果は経済を刺激する効果もあるが、インフレの危険性が高まり、為替レートの上昇を招いてしまう。54兆円の資金が放出されれば、その傾向はいっそう加速されるにちがいない。

中央銀行が一時的に大量の国債を追加購入することは、平時では初めての経験だ。したがって、その結果として何が起きるかを正しく予測することはむずかしい。一昔前ならば、通貨の流通を増やせば、その国はインフレになった。だが現在の世界では過剰流動性になって、資金を放出した国からは遠く離れた新興国でインフレを惹き起こすのではないか。


    ≪11日の日経平均 = 上げ +30.94円≫

    ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 発展段階に入った ASEAN ②
2010-11-13-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 9年間で2.5倍に成長 = ASEANの本部は、インドネシアの首都ジャカルタにある。公用語は英語。10か国を合計した面積は448万平方キロメートルで、日本の12倍に近い。人口は09年の統計で5億8100万人。EU(ヨーロッパ連合)よりも多い。全体として出生率が高いため、国連では2030年には7億人を超えると推定している。

世界銀行の推計によると、10か国を合計した09年のGDPは1兆4854億ドル。2000年のGDPは5928億ドルだったから、21世紀に入ってからの9年間で2.5倍に成長した。日本の高度成長期に匹敵する発展ぶりである。もっともGDPの水準自体はまだ低く、日本の3割程度。1人当たりGDPは、日本の6.4%にすぎない。

加盟国間の格差も大きい。人口でみると、最大のインドネシアが2億3000万人なのに対して、最小のブルネイはわずか40万人。GDPでは、最大のインドネシアが5400億ドル。最小のラオスは59億ドルという状況だ。しかし域内での自由貿易協定の効果もあって、貿易量はかなり大きい。09年の場合、輸出入の額はともに8000億ドル前後。貿易収支は98年からずっと黒字を保っている。

日本にとっても、ASEANは最重要な貿易相手になってきた。日本側の通関統計でみると、09年の対ASEAN輸出は7兆5000億円。輸入は7兆2680億円だった。それがことしの4-9月は、輸出が5兆円、輸入が4兆4900億円に急増している。前年比伸び率は輸出が31.4%、輸入が25.8%だ。少なくとも現状では、ASEANが日本の景気を支えている。


                       (続きは来週サタデー)

    ≪12日の日経平均 = 下げ -136.65円≫

    【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】 

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2010-11-14-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第20章 スマートグリッドって、なんだろう? ⑦

スマートグリッドが実現すると、いろいろなメリットがあります。まず電力会社は太陽光発電や風力発電の増減に合わせて、火力発電所や原子力発電所の運転をこまかく調節できるようになります。つまりムダな発電を抑えられますから、コストをかなり下げることができるでしょう。

また地震や台風などの災害で送電線が切れてしまっても、地域ごとに溜めている電気を融通し合うことにより停電の被害を少なくすることができます。さらにスマートメーターが自動的に電気の出入量を計ってくれるので、いまのように人が一軒一軒を回って検針する作業もなくなります。

消費者にとっては、まず自分の家で起こした電気を使うことで、電気代が安くなるでしょう。余った電気を電力会社に売れば、収入を増やすことができます。さらにスマートメーターを携帯電話で操作することによって、外出先から家のなかの電気製品に命令することができるようになるでしょう。たとえばお風呂やヒーターのスイッチも入れられますね。

太陽光発電による電気がたくさん使われ、火力発電が減ればCO2(二酸化炭素)の排出量はそれだけ減ることになります。したがって環境問題に対しても、とても大きなメリットがあるわけです。このようにスマートグリッドは良いことづくめですが、その実現には解決しなければならない多くの問題点があることも事実です。


                        (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2010-11-15-Mon  CATEGORY: 政治・経済
ポイントは日経平均の1万円台回復。と言い切りたいところだが、なかなか障害も多い。まずアイルランドでの信用不安再燃。次いで中国での金融引き締め懸念。このうちアイルランド問題はEUの支援基金もあるから、燃え広がることはないだろう。一方、中国では10月の消費者物価が4.4%も上昇したため、近く政策金利の引き上げは避けられないという見方が強い。

こうした障害が重石になって、先週のダウ平均は252ドルの値下がりとなった。その半面、日経平均はなんとか99円の値上がりで終わった。ダウが下がったのに日経平均が上昇したのは、鳩山前首相が退陣を表明した6月の第1週以来のことである。週末の終り値は9725円。1万円台は射程距離内だが、届くかどうか。

今週は15日に、7-9月期のGDP速報が発表になる。民間の事前予測では、前期比の年率で2.6%程度になる見通し。エコカー補助金への駆け込みなどで個人消費が堅調だったため、4-6月期の1.5%をかなり上回る。ところが10-12月期はその反動が出て、マイナス成長に落ち込む公算が大きい。株式市場がこの辺をどう評価するか。10-12月期に目が向くと、株価は週初から出鼻をくじかれる。

16日には、9月の第3次産業活動指数。19日には、9月の全産業活動指数。アメリカでは15日に、10月の小売り売上高。16日に、10月の生産者物価と工業生産。17日には、10月の消費者物価と住宅着工件数。18日には、コンファレンスボードによる10月の景気先行指数が発表になる。


    ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ

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反動減が怖い 12月期のGDP
2010-11-16-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 耐久財向け支出は52.5%も増加 = 内閣府が15日発表した7-9月期のGDP速報によると、年率換算した前期比の実質成長率は3.9%だった。民間の調査機関による事前の予測を大幅に上回る成長率で、15日の日経平均はこの数字を好感して上昇している。ところが内容的にみると、エコカーや家電製品に対する補助金につられた個人消費の独り相撲。大きな反動に見舞われることは、いまから覚悟しておかねばならない。

個人消費の伸び率は、年率で4.7%だった。特に自動車や家電製品など耐久財に対する支出は、年率で52.5%ときわめて大きい。これは言うまでもなく、エコカーや家電製品に対する補助金の効果だ。個人消費以外の項目をみると、企業の設備投資が3.2%、住宅投資は5.4%、輸出は10.0%の増加だった。これらの寄与度は、いずれもあまり大きくない。

補助金をあて込んだ消費の増大は、あくまで一時的な現象にすぎない。消費者はその分、需要を先取りしてしまったわけだから、あとは必ず需要が減退する。先取りが大きければ大きいほど、その反動減も大きくなると考えられる。そういう意味からいうと、7-9月期の消費増加は大きすぎた。

リーマン・ショックに直面して、アメリカやヨーロッパの主要国もエコカー補助金制度を実施した。だが、これらの国々は反動減が大きくなることを心配して、いずれも早めに制度を停止している。日本はどうも長々と引っ張りすぎたような気がする。しかも反動減の対応策も講じていない。補正予算を出してはいるが、執行は来年になってからだ。10-12月期の大幅な落ち込みが心配である。


    ≪15日の日経平均 = 上げ +102.70円≫

    ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ

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試される 中国のインフレ対策
2010-11-17-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 本格的な金融引き締めの可能性 = 中国はいよいよ本格的な金融引き締め体制に入るのか。いま世界中が注目している。先週末にはその観測が強まり、ニューヨーク市場では株価が下落。金や原油などの国際商品相場も軒並み値下がりした。そのあおりを受けて、円高の傾向が収まったにもかかわらず、東京市場の株価も下げている。

中国政府が最も警戒しているのは、不動産バブルとインフレの進行。10月の経済統計をみても、主要70都市の不動産価格は前年比で8.6%上昇した。また消費者物価は前年比4.4%上昇。政府が公約した3%の上限を4か月連続で上回った。特に食料品の値上がりが大きく、北京市の野菜は前年より5割も高くなっているという。

高い成長率が続いており、消費者の購買意欲も旺盛だ。そのうえ外国から大量の資金が流入して、カネ余りの状態が解消しない。これに対して、人民銀行はことし預金準備率を5回にわたって上げ、10月には政策金利を0.25%引き上げた。政府も金融機関の不動産向け融資を抑制したり、投機資金の流入規制を強化したりしている。

それでも効果はあまり出ていない。不動産バブルは破たんが怖いし、特に物価高は国民の政府批判につながりやすい。そこで今回はもっと強烈な引き締め措置をとるのではないか、という観測が強まったわけだ。もともと中国はどんな政策でも政府の一存で決定でき、国会の承認もいらない。だから物価統制令もすぐ出せるわけだが、それでは海外の信用をなくす。次のインフレ対策は何か。中国政府の手腕が注目されている。


    ≪16日の日経平均 = 下げ -30.41円≫

    ≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ

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“氷河期”を超えた 就職難の原因
2010-11-18-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大学生の内定率は60%割れ = 文部科学省と厚生労働省が発表した10月1日現在の大学生の就職内定率は57.6%だった。前年を4.9%下回っている。10年前の“氷河期”といわれた就職難時代でも、この時点での内定率は60%台を確保していた。来春に卒業する見込みの大学生の半分近くがまだ職探しに追われる現状は、異常だとしか言いようがない。

男女別にみると、男性の内定率は59.5%で前年より3.8ポイント低下。女性は55.3%で6.3ポイント悪化している。また文系の内定率が3.8ポイントの低下だったのに対して、理系は10.2ポイントと大きく悪化した。地域別にみると九州が 最も悪く、内定率は51.5%にとどまっている。

就職事情が悪化した原因について、関係者は景気の低迷と需給のミスマッチを挙げている。新聞などに紹介されている専門家の話をみても「景気の先行きが不透明なので、企業は人を増やせない」「人員計画を作るときに、円高が進行した」「中小企業はよい学生を探しているのに、学生は大企業を志望している」などという解説が多い。

不景気が就職の門戸を狭めていることは、だれの目にも明らかだ。だが原因は、それだけではないだろう。企業の海外移転、とりわけ製造業の流出が響いているのではないか。この問題は日本経済の空洞化として論じられているが、雇用にも空洞化を招いているにちがいない。とすれば問題は長期的、構造的である。いまの政府には、そういう視点が全く欠けている。


    ≪17日の日経平均 = 上げ +14.56円≫

    ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ

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テレビは 12月も売れるのか
2010-11-19-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 財源不足でポイントを半減 = 省エネ家電製品を買うと付与されるエコポイントが、12月1日購入分からほぼ半分に減る。たとえば46型以上の大画面テレビでは、これまでもらえた3万6000ポイントが1万7000ポイントに。501リットル以上の大型冷蔵庫では、1万ポイントが5000ポイントに減ってしまう。理由は財源を食い延ばすためだというから、ちょっと淋しい気もする。

家電エコポイント制度は、リーマン不況対策として昨年5月に導入された。当初はことし3月に終了する予定だったが、結局は来年3月まで延長することに。エコカーに対する補助金制度を9月で打ち切ったため、その反動減を緩和しようという配慮が働いたものと考えられる。いま国会で審議中の補正予算には、そのための対策費770億円を盛り込んだ。

これまでのところ、家電エコポイント制度はそれなりの効果をあげている。たとえば10月の薄型テレビの売り上げは、昨年10月に比べて2.3倍。月間の売り上げとしては新記録となった。また11月第1週は前年同期の5倍に近い売れ行きだという。業界では、ことしの販売台数は昨年の実績を600万台上回り、2000万台に達するだろうと予想している。

だがポイントが半減してしまう12月の売れ行きはどうだろう。たしかに12月にはボーナスも出て、年末商戦も盛り上がる。だから売れ行きはそれほど落ちないと見る人も多い。政府が予算切れを心配してポイントを半減したのも、こうした見方に基づいている。だが消費者はそんなに甘くない。12月は家電の売れ行きが、予想以上に減るのではないだろうか。


    ≪18日の日経平均 = 上げ +201.97円≫

    ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 発展段階に入った ASEAN ③
2010-11-20-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ ことしの成長見込みは7.4% = ADB(アジア開発銀行)の調査によると、ASEAN10か国のことしの経済成長率は実質で平均7.4%に。また中核6か国の平均をとっても、同じく7.4%になる見通しだ。昨年はリーマン不況の影響を受けて、10か国の成長率は1.2%にとどまっていた。それがことしは順調な回復ぶりをみせている。

景気回復の原動力は、輸出の高い伸び。特にASEANとの間でFTA(自由貿易協定)を結んでいる中国とインド向けの輸出が増大している。ただ輸出品目は国によって、まちまちだ。たとえばシンガポールやマレーシアは電子機器、タイは自動車部品、インドネシアは石炭などの鉱物性燃料が中心といったぐあい。輸出所得が増えたために、各国とも内需は堅調に推移している。

ADBの予測で、ことしの成長率が最も高いのは14.0%のシンガポール。次いでタイが7.0%、マレーシアが6.8%、いちばん低いインドネシアも6.1%となっている。全体としてみれば中国やインドの成長率には及ばないが、日米欧の先進国に比べればかなり高い。

その日米欧の各国が加盟するOECD(経済協力開発機構)が、最近はじめてASEAN6か国の経済見通しを公表した。それによると6か国のことしの成長率は7.3%で、ADBの予測とほとんど変わらない。ただ、これまでは先進諸国の経済だけを調査していたOECDが、東南アジアにも目を向け始めたことは興味深い。それだけASEAN経済の存在感が増した表れだと言えるだろう。


                       (続きは来週サタデー)

    ≪19日の日経平均 = 上げ +8.76円≫

    【今週の日経平均予想 = 1勝4敗】 

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2010-11-21-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第20章 スマートグリッドって、なんだろう? ⑧

スマートグリッドが完成した街のことを、最近はスマートシティと呼ぶようになりました。直訳すると「とても賢い街」という意味です。ところが、そこへ行きつくまでには、まだまだ技術の進歩が必要です。まず太陽光を電気に変えるパネル、つまり太陽電池の効率を上げなければなりません。現在のパネルでは、発電コストが原子力発電所の7倍にもなってしまうのです。

このため太陽電池のメーカーや大学の研究所では、電池に新しい材料を使うなどして効率を上げる研究に力を入れています。現在の太陽電池は届いた光の15%程度しか電気に変えていません。これを20年後には、40%以上に引き上げることが目標になっています。同じ面積のパネルなら、発電量が3倍になるわけですね。

一方、蓄電池の改良も不可欠です。たくさんの電気を早く充電でき、小型化して寿命も長くする。家庭や事務所、あるいは街に設置する蓄電池だけではなく、電気自動車に積むバッテリーも同じです。バッテリーの性能が向上すれば、電気自動車が一回の充電で走れる距離もどんどん延びるでしょう。

スマートメーターの研究も始まっています。こちらの方は技術的には、ほとんど問題がありません。この機械にどんな仕事をさせたら、いちばん便利かを決めればいいのです。たとえば携帯電話で外出先から、お風呂や暖房機に指令を出せるようにする。お年寄りが元気で生活しているかどうかを、30分ごとに通知させる。こんな機能を付けるかどうかです。


                            (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2010-11-22-Mon  CATEGORY: 政治・経済
日経平均は先週18日、5か月ぶりに1万円の大台を回復した。週間の値上がりは298円で、3週連続の上昇を記録。アメリカがこれ以上の金融緩和に進む可能性が薄れ、円高の進行に一応のストップがかかったことで、日本株が買われた。国内よりも海外からの買い注文が大きく、海外投資家の売買は11月1-2週で2700億円の買い越しとなっている。

それでも日経平均の水準はまだ低い。4月に付けたことしの最高値1万1339円を12%も下回っている。いまはその出遅れ感が注目されて買われている状態だ。その勢いが持続するかどうかは、国内投資家の態度にかかっていると言えるかもしれない。

実は20年前にバブルが崩壊してから、日経平均は20回にわたって1万円を回復している。こんどは21回目の回復だ。この回復がことしの最高値更新、さらには1万5000円へと上昇して行くかどうか。アメリカの景気回復、アイルランドなどヨーロッパの金融不安、中国の引き締めなど、超えるべき障害は多い。もちろん、10-12月期の国内景気も心配だ。

今週は25日に、10月の貿易統計と企業向けサービス価格。26日には、10月の消費者物価が発表になる。アメリカでは23日に、7-9月期のGDP改定値と10月の中古住宅販売。24日には、10月の新築住宅販売件数が発表になる。そろそろアメリカの住宅関連指標にも、底入れのサインが表れていい。


    ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ

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メガバンクの 不思議な好決算
2010-11-24-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 増益の主役は国債の売却益 = 3大銀行グループの4-9月期決算は、そろって大幅な増益となった。三菱UFJ、みずほ、三井住友の3大銀行グループを合計した純利益は1兆1158億円。前年同期の約3倍、9月中間決算としては4年ぶりに1兆円を超えた。だが本業である貸出残高は減っており、代わって増益の主柱となったのは国債の売却による利益だった。

日銀が金融緩和政策を推し進めたため、4-9月期はほぼ一貫して金利が低下。その結果、国債の流通価格は急上昇した。銀行は安いときに買った国債を、高値で売って儲けたわけである。三菱UFJの永易社長は記者会見で「国債の売買益が大きすぎてバランスを欠いた」と正直な感想を漏らしたほどだ。

こうして3大銀行グループはリーマン・ショック以前の利益水準を回復したが、法人税を払っていない。これは単年度の赤字を翌年度以降の黒字から差し引くことができるため。過去の不良債権処理で巨額の赤字を出したために、まだこの繰り越し欠損金の制度が生きている。合法的ではあるが、庶民感情としては何となくフに落ちない。

もう1つ、よく判らないことがある。日銀は新しい金融緩和政策として、国債の購入を開始した。その結果は、国債の流通価格を引き上げる方向に働く。銀行はゼロに近い金利で日銀からカネを借りて新発国債を買い入れ、価格が上がったときに日銀に売る。不景気が続く、つまり金利が上がらない限り、こういう商売が成立するというのもヘンな話である。


    ≪22日の日経平均 = 上げ +92.80円≫

    ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ

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アイルランド問題 : 3つの教訓
2010-11-25-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 財政赤字のGDP比は32%に = 財政難に陥ったアイルランドに対して、ヨーロッパ金融安定化基金が9000億ユーロ(約10兆4000億円)の支援を決定した。まだ不安視する見方も少なくないが、燃え上がりそうになったアイルランド問題は、これで初期消火に一応は成功したように見受けられる。

アイルランドの大手金融機関は破格の優遇条件で海外の資金を集め、大儲けをしていた。それがリーマン・ショックの直撃を受けて破たん。政府が巨額の公的資金を投入して救済したため、こんどは国家財政が大赤字となってしまった。ことしの財政赤字はGDP比で32%に達する見込み。国債の金利は一時9%にまで上昇した。

ヨーロッパ金融安定化基金というのは、EUとIMFがギリシャ問題を契機として5月に設立した金融支援組織。アイルランドはその支援第1号になったわけだが、その条件として厳しい財政再建努力を課せられる。来年からの4年間に財政支出を150億ユーロ(約1兆7000億円)削減して、対GDP比を3%にまで低下させることになった。

このアイルランド問題は、3つの教訓を残したのではないか。まず次に財政破たんが心配されるポルトガルやスペインに財政再建の重要性を再認識させたこと。次に自国の緊縮財政に不満を持ち、反対運動を展開しているイギリスやフランスの一部の国民にも。さらに本来なら地味に儲けるはずの大銀行が、大儲けをし始めたら危ないという教訓。日本もこれらの教訓を忘れてはいけない。


    ≪24日の日経平均 = 下げ -85.08円≫

    ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ

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景気回復 : 輸出主導型の終えん?
2010-11-26-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 伸び率はついに1ケタに = 財務省が25日発表した10月の貿易統計によると、輸出総額は5兆7236億円で前年比は7.8%の増加だった。輸出の前年比は7月が23.5%増、8月が15.5%増、9月が14.3%増としだいに縮小してきたが、10月はとうとう1ケタの伸びに落ち込んだ。それだけ景気を押し上げる力が弱まったわけで、外需に頼った景気の回復はもうムリだと覚悟しなければならない。

10月の輸入総額は5兆3083億円、前年比は8.7%の増加だった。この結果、貿易黒字は8219億円、前年同月を2.7%上回っている。輸出を商品別にみると、金属加工機械が94.3%増、原動機が30.2%増、自動車が10.2%増と大きく伸びた。しかし音響機器が20.0%減、電算機類が11.3%減、船舶が15.1%減となるなど振るわず、全体の伸び率を押し下げた。

地域別にみると、アジア向けは11.3%の増加。うち中国向けは17.5%増と比較的に伸び率が高かった。しかしアメリカ向けは4.7%の増加にとどまり、EU向けは1.9%減と11か月ぶりのマイナスを記録している。ロシア向けは147.0%増と大きく増加したが、中東向けは13.9%の減少だった。

昨年はリーマン・ショックで激減した輸出が、順調に回復した時期。したがって輸出の前年比伸び率が、しだいに縮小することはやむをえない。しかし10月の輸出額はリーマン直後の08年10月に比べて、まだ83%の水準にしか戻っていない。ここで早くも輸出の伸びが息切れしてきたことは否定できない。補正予算で、その穴埋めができるのかどうか。


    ≪25日の日経平均 = 上げ +49.65円≫

    ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 発展段階に入った ASEAN ④
2010-11-27-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 悩みはインフレ懸念と通貨高 = ASEAN各国の景気は絶好調と言っていい。たとえば中核6か国の1-9月の新車販売台数は、前年同期比で36%も増加した。特にインドネシアは60%増、タイは50%増を記録している。株価もインドネシアとフィリピンが史上最高値を更新するなど、軒並み活況を呈している。

リーマン・ショックの後遺症などは、全く見当たらない。しかし各国共通の悩みは、インフレ懸念と自国の通貨高だ。リーマン不況からの回復が遅れているアメリカや日本が超低金利政策をとったために、投機資金が新興国へ殺到している。放置すればインフレを惹き起す危険がある一方で、金利を上げればさらに資金が流入し、自国の為替相場を押し上げてしまう。中国やインド、韓国や台湾なども、同じ問題に直面している。

思わぬ形で、リーマン・ショックの影響を受け始めたASEAN諸国。それぞれに防御対策を講じてはいる。まずマレーシアが先頭を切って、3月に金利を引き上げた。5月と7月にも利上げを実施している。タイは7月と8月に金利を引き上げたが、その影響で9月には通貨バーツが最高値に。インドネシアは6月に短期資金の流入規制、11月には預金準備率を大幅に引き上げた。

インドネシアでは最近、消費者物価の上昇率が6%を超えている。金利を引き上げたいところだが、そうすると自国通貨ルピアの相場が上がって輸出に悪影響が出るかもしれない。また外資の流入規制をあまり強化すると、経済の発展に必要な長期資金まで引き揚げられる危険がある。他のASEAN諸国も同様の問題を抱えており、経済政策のカジ取りはなかなか微妙だ。


                          (続きは来週サタデー)

    ≪26日の日経平均 = 下げ -40.20円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝0敗】  

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話
2010-11-28-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第20章 スマートグリッドって、なんだろう? ⑨

スマートシティを建設するには、たくさんのおカネが必要です。ですから失敗は許されません。また、どのように設計すれば、いちばん住みよい街づくりができるのか。そのためのデータを集めるためには、小規模なスマートシティを実際に作ってみる必要があります。この“実験”は、もう始まっています。

実験は全国で4か所、2014年まで行われます。場所は横浜市、愛知県の豊田市、北九州市、それに京都府。この4地域で合計5000戸を超える住宅と、電力会社や自動車メーカーなど80社以上の企業が参加します。おカネは全部で1266億円かかる予定です。たとえば横浜市では日産自動車が、豊田市ではトヨタ自動車が、それぞれ電気自動車を家庭の蓄電池として使用することにしています。

このほかにも、各地で実験が始まっています。たとえば沖縄県の宮古島市では、沖縄電力が中心となって4000キロワットの太陽光発電所と4000キロワットの蓄電池を建設しました。風力で起こした電気も加えて、島に住んでいる5万5000人の電力需要をまかなう計画です。

青森県の六ヶ所村では、実験のために新しい住宅が6戸建てられました。風力発電と住宅の太陽光パネルを組み合わせた実験です。また北海道の稚内地方では、東京ドーム3個分の広大な敷地に太陽光発電パネルが敷き詰められました。雪の多い地方で、最も発電効率がいいパネルを完成させることが目的です。こうした実験を積み重ねることで、10年後には本格的なスマートグリッドの実現へと進みます。


                              (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2010-11-29-Mon  CATEGORY: 政治・経済
日経平均は1万円、ダウ平均は1万1000ドルを下値抵抗線として持ちこたえている。先週は日経平均が週間17円の値上がり、ダウ平均は112ドルの値下がりだった。ポルトガルやスペインで財政不安が再燃し、ヨーロッパの銀行株は大きく下げている。そのうえ北朝鮮による砲撃事件。その割りには、よく持ちこたえた。

さらに国内では柳田法相の更迭に続いて、仙谷官房長官と馬淵国土交通相に対する問責決議案が可決され、政局は大揺れのまま週を越した。今週はこの政局の行くえが最大のポイント。もう1つ、黄海沖での米韓合同軍事演習に対して、北朝鮮がどう反応するかも重大なポイントだ。

それでなくとも日経平均は11月に入ってから800円以上も値上がりし、過熱感が強まっている。補正予算は成立したが、10-12月期のGDPはマイナス成長に落ち込むことが確実。こうした厳しい環境の下で、日経平均は1万円の大台を守れるかどうかが試される。

今週は29日に、10月の商業販売統計。30日には、10月の家計調査、労働力調査、鉱工業生産、住宅着工件数。1日には、11月の新車販売。2日には、7-9月期の法人企業統計が発表になる。アメリカでは30日に、コンファレンスボードによる11月の消費者信頼感指数。1日には、11月の新車販売。3日には、11月の雇用統計。この3つの統計が上向きならば、アメリカの年末景気は明るさを増すことになりそうだ。


    ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ

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補正予算 - 補助金の反動 = ?
2010-11-30-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 10-12月期はマイナスに = 2010年度の補正予算が、やっと成立した。景気にとってプラスとなる金額は、緊急経済対策の4兆8500億円に公共事業の前倒し分を足した5兆0900億円。専門家の試算によると、10年度の実質GDPを0.1%、11年度のGDPを0.5%押し上げる効果があるという。では、これで補助金制度の反動から生じるマイナスを埋められるのだろうか。

エコカーに対する補助金制度はすでに9月で打ち切られ、大きな反動を生じている。自動車メーカー各社を合計した10月の国内生産台数は、前年比で9.4%の減少。11月は減少幅がもっと大きくなると予想されている。一方、家電に対するエコポイントはあす12月から半分に減らされる。このため11月は駆け込み需要が殺到、売れ行きは前年の3-4倍にのぼった。その反動が12月から現れることは避けられない。

これも専門家の試算によると、家電の駆け込み需要は10-12月期で7000億円程度だという。その半面、エコカーの反動減は10-12月期で1兆7000億円。差し引きでは約1兆円のマイナスになる。ところが補正予算の効果はまだ出てこない。そのうえ輸出の伸び率が急速に鈍化している。したがって10-12月期はマイナス成長に陥るという予測になってしまう。

問題は来年1-3月期がどうなるかだが、予測はかなり難しい。エコカーの反動減は同じ強さで続くのか、それとも弱まるのか。家電の反動減はどの程度なのか。補正予算の乗数効果も不明だが、感じとしては反動減のマイナスを埋め切れないような気がする。とすれば、あとは海外の景気が回復して輸出の伸長に頼るしかない、ということになるのだが。


    ≪29日の日経平均 = 上げ +86.43円≫

    ≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ

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