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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
4-6月期は 円安・株安か?
2011-04-01-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 恐ろしい3月の経済指標 = きょうから新年度入り。本来ならば心機一転というところだが、経済の見通しは決して明るくない。大震災と原発事故の影響が、これから経済指標となって次々に現れる。アメリカの景気回復など明るい材料もあるが、少なくとも4-6月期は円相場も株価も下落する公算が大きい。

先週までに発表された2月の経済指標は、おおむね良好なものが多かった。たとえば生産は4か月連続で上昇。輸出は中国向けを中心に持ち直した。失業率も前月より0.3ポイント改善して4.6%にまで低下している。だが、これらの数字はすでに色褪せてしまった。これから発表される3月の指標がどこまで悪化するか、関心はそちらに集中せざるをえない。

その一番手が、きょう発表される日銀の短観だ。特に企業が3か月後の業況を、どう見ているかが注目される。また災害によって部品の供給が止まったうえに計画停電の影響で、生産活動がどの程度まで阻害されたか。工業生産の水準は1割も低下するという予測も出ている。さらに輸出や雇用に対する悪影響。そして企業の収益は・・。

もちろん円も株も一進一退を繰り返しながら、傾向的には値下がりするだろう。円相場は下がりすぎると原油価格など輸入物価を上昇させて、復興の障害になりかねない。円と株の下落幅を縮小する要素は2つ。1つは原発事故の速やかな終息。もう1つは政府が十分な復旧・復興計画を早く策定できるかどうかだろう。


    ≪31日の日経平均 = 上げ +46.31円≫

    ≪1日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- TPP の基礎知識 ⑨
2011-04-02-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 遠大なアメリカの戦略 = オバマ大統領は昨年11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で「アメリカはTPPに参加し、そこに永住する」と宣言した。これによってシンガポールなど4か国が創設したTPPは、一挙に脚光を浴びることになる。オーストラリアなど4か国も参加することになったため、合計9か国のGDPと人口はEU(ヨーロッパ連合)に匹敵する大きさになるからだ。

では、アメリカはどうして急にTPPへの参加を表明したのだろう。そこには、急成長する中国を睨んだアメリカの遠大なアジア戦略が透けて見える。中国は日本を抜いて世界第2位の経済大国となったが、このまま行けば2020年ごろにはGDPでアメリカをも上回る。その経済力は、すでに近隣のアジア諸国に対しても大きな影響を及ぼし始めた。

アメリカはTPPを通じてアジア諸国との関係を深め、中国と対抗する。このことは、中国一辺倒になることを嫌うアジア諸国の利益にもなるはずだ。さらにアメリカはNAFTA(北米自由貿易協定)やMERCOSUR(南米共同市場)とも連携して、文字通りの“太平洋経済圏”を形成しようと考えている。

その場合、日本のTPP参加は欠かせない。日本が参加するだけで、TPP加盟国のGDPは21兆ドルに跳ね上がる。そのうえアメリカは日本に対して牛肉や小麦の輸出がしやすくなる。また金融サービスや政府調達などの面でも、いろいろ要求を通しやすくなるだろう。オバマ大統領が決断した背景には、こんな理由が隠されていた。


                            (続きは来週サタデー)

    ≪1日の日経平均 = 下げ -46.71円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-04-03-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第2章 おカネって、なんだろう? ⑤

◇ 大きな石のおカネも = 太郎さんたち4人は、なぜ青い貝がらをおカネにしたのでしょうか。その理由は、かんたんには手に入らないこと。持ち運びに便利なこと。こわれたり溶けたりしにくいこと――が大切だと考えたからでした。

大むかしの人たちも、物々交換の経済から便利な貨幣(おカネ)を使う経済へと移行しました。いまから3000年も前の中国・殷(いん)の時代には、太郎さんたちと同じように貝がらをおカネとして使っていたのです。おカネと縁が深い漢字、たとえば買・貯・貨・貴などに「貝」が付いているのは、このためです。

面白いのは、西太平洋のヤップ島に住んでいた人たちが使った石のおカネです。大きな石を車のタイヤのような形に丸くけずり、真ん中に穴をあけました。大きなものは直径が3メートル60センチもあったそうです。おカネを使うときには、大汗をかいたでしょうね。

技術が発達するにつれて、おカネは金属で作られるようになりました。形もしだいに、みんながいま使っている百円玉や十円玉のような丸い形になっていったのです。


                            (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2011-04-04-Mon  CATEGORY: 政治・経済
2010年度の日経平均は、ギリシャの財政危機や東日本大震災の影響もあって、結局12%の値下がりで終わった。ダウ平均など海外の株価に比べると、かなり割安感が強くなっている。また円高是正の傾向も、しだいにはっきりしてきた。このため外国人投資家を中心に、下値を拾う動きも活発だ。その半面、地震・津波と原発事故の実体経済に及ぼす影響は、これから急速に表面化する。

先週は日経平均が172円の上げ、ダウ平均も156ドルの上昇だった。ダウ平均の方は雇用統計の改善など実体経済の回復を好感した健全な動きだが、日経平均の方は震災後の大幅下落に対する反動といった感じが強い。実体経済の悪化が表面化するにつれて、割安感からの反動買いがどこまで持続するのか。

すでに3月の国内新車販売台数は、前年同月に比べて37%の減少。3月としては42年ぶりの低水準に落ち込んだことが明らかとなった。日銀がきょう再集計して発表する3月の短観も、かなりショッキングな内容になるかもしれない。そして今週は、小売り業の決算発表が集中する。今後の営業見通しが、予想以上に悪化することも覚悟しなければならない。

今週は4日に、日銀が短観の再集計分を発表する。6日には、2月の景気動向指数。8日には、2月の国際収支と3月の景気ウォッチャー調査。企業決算は7日に、ファーストリテイリングやファミリーマートなど。8日には、サークルKサンクスや高島屋、ダイエー、ユニー、オンワードなど。


    ≪4日の日経平均は? 予想 = 下げ

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意外な結果 / 日銀・短観の再集計
2011-04-05-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大企業・全産業はむしろ改善 = 日銀は4日、企業短期経済観測を再集計した結果を発表した。これは3月分の調査中に大震災が発生したため、地震発生の3月11日以前に回収した分と以後に回収した分を区別して、集計し直したもの。その結果は当然、大幅に悪化すると予想されたが、大企業・全産業の業況判断が逆に改善するなど、意外な内容になった。

まず大企業・製造業の業況判断は、地震前がプラス7だったのに対して、地震後もプラス6で大きな落ち込みはなかった。ところが大企業・非製造業は地震前のプラス1が、地震後はプラス7と大幅に改善。このため大企業・全産業ではプラス4からプラス6に好転する結果となった。中小企業でも、製造業はマイナス10からマイナス6へと改善している。

ただ3か月後の先行き予想では、大企業・製造業が地震前はプラス3だったものがマイナス2へ。非製造業も0からマイナス4へと悪化した。中小企業でも、製造業がマイナス16からマイナス18にやや後退している。しかし悪化の幅は、予想されたよりもかなり小さい。

全体として悪化が小幅に止まった理由は、よく判らない。地震後に届いた回答が地震前に書かれた。原発事故の影響がまだ消化されていなかったのかもしれない。そう言えばリーマン・ショックが起きた08年9月のときも、短観の調査中だった。その9月の調査結果は、大企業・製造業がマイナス3だったが、12月調査ではマイナス24に。翌年3月調査ではマイナス58へと急落している。今回も6月の調査では、大きく落ち込む可能性が高そうだ。


    ≪4日の日経平均 = 上げ +10.50円≫

    ≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ

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学校・病院を 高度な防災拠点に
2011-04-06-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 菅首相の“復興構想”に欠けた視点 = 菅首相は11年度予算が成立したあとの記者会見で「復興構想会議」を11日までに立ち上げると表明した。このなかで震災地の復旧は「世界のモデルになるような新しい街づくり」を目指すと強調。具体的には①山を削って高地に住宅地②バイオ燃料による地域暖房完備のエコタウン③福祉都市――の構想を掲げている。

非常にいい構想であり、大いに支持したい。あとは政府と与野党が協力して十分な財源を確保し、早急な実現に向けて走り出すことが肝要だ。ただ、この構想には、大きな視点が1つ欠けている。それはこのブログで何度も主張したように、公立の学校と病院を高度な防災施設に作り替えることだ。(たとえば10年4月23日付け、10年8月26日付け参照)

今回の大震災で、岩手・宮城・福島3県の公立小学校・中学校・高校は合計1669校が被災した。全体の69%にものぼっている。また避難所として使われている学校は323校あるという。一方、公立病院の被災数は不明だが、何らかの損傷を受けた病院は少なくないだろう。これらの学校や病院を再建する場合はもちろん、被害のなかった施設についても防災拠点としての機能を強化してもらいたい。

まず耐震性の強化。次に太陽光を含む自家発電設備。さらに井戸。食料の備蓄。要するに避難所としての機能をできるだけ整備する。もちろん被災することもあるだろうが、周辺地域にこうした防災拠点が多数あれば今回のような悲惨な事態は少なからず軽減できるだろう。学校や病院の防災基地化は全国的に必要だが、東北の復興でそのモデルを作ってほしい。


    ≪5日の日経平均 = 下げ -103.34円≫

    ≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ

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心配な 円高是正の行きすぎ (上)
2011-04-07-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇1か月足らずで9円も下落 = 円高を是正する動きが急速に進行している。現在の円相場は1ドル=85円台。3月17日にニューヨーク市場で記録した史上最高値の76円25銭から、1か月足らずで9円も安くなった。円相場が適正な水準に戻ってきたことは歓迎していいが、市場では円安がもっと進むという見方も増えている。仮にそういうことになると、こんどは原油などの輸入価格が上昇して、災害復旧や経済の立て直しにとって大きな障害になってしまう。

投機筋の大量買いが惹き起した異常な円高は、G7の協調介入で修正された。その後の円安について、市場では日米経済の差が原因だと説明している。つまり日本経済が戦後最大の困難に直面したのに対して、アメリカ経済は回復の足取りが確かなものとなった。このため日米の金利差は開く方向にあり、これがドル買い・円売りの理由になっているというわけだ。

だが現在の円相場は、ユーロをはじめアジア諸国の通貨に対しても、軒並み値を下げている。たとえば対ユーロは120円台で、11か月ぶりの安値。韓国ウォンに対しても、震災前に比べて5%下落した。この現象はいまの円安が日米関係というよりは、日本経済の悪化を重視したものと考えることができる。そこから円はさらに下落し、対ドルでは90円から100円に接近するという見方も強くなってきた。

もし90円から100円にまで下落すると、どうなるか。輸出企業の採算がよくなることは確かだが、円安のメリットはそんなに大きくはない。というのも輸出企業は円建て契約を増やしており、たとえば10年の輸出総額に占める円建て分の割合は41%。10年前より5%増加した。その半面、10年の輸入総額に占めるドル建て分の割合は71.7%に達しているから、円安が進みすぎると明らかにデメリットの方が大きくなってしまう。


                                 (続きは明日)
 
    ≪6日の日経平均 = 下げ -31.18円≫

    ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ

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心配な 円高是正の行きすぎ (下)
2011-04-08-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 原油は100ドルを踏み台に = 原油価格が着実に上昇している。ニューヨーク商品取引所のWTI(ウエストテキサス・インターミディエート)先物価格は1バレル=110ドル台に。2年半ぶりの高値となった。この国際価格の上昇を受けて、日本国内のガソリン小売り価格も1リットル=150円台に乗せている。

08年の春から夏にかけても、原油価格は急騰した。7月には147ドル27セントの史上最高値を記録。当時、日本のガソリン小売り価格は180円台にまで上昇している。このときは9月にリーマン・ショックが起きて、価格は急落。09年2月には30ドル近くにまで下落した。しかし、その後は再び上昇に転じ、ことしの3月1日に100ドルを突破。そのあとも騰勢は収まらない。

日本の輸入価格も大幅に上昇したが、これまでのところは円高が上昇にある程度のブレーキをかけていた。ところが円安が進むと、逆に上昇幅を拡大させる。原発事故によって、これから当分の間は火力発電に頼らざるをえない日本にとって、原油などの輸入エネルギー価格が上がることは大きな打撃になりかねない。

円安の進行は、食料品の輸入価格をも引き上げる。これらによって物価が上昇すれば、国民の負担も増大する。不況下の物価高という事態にも陥りかねない。株式市場では、これまで「円安⇒株高」が絶対的な方程式だった。これからは「円安⇒株安」の時代に入るかもしれない。


    ≪7日の日経平均 = 上げ +6.56円≫

    ≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- TPP の基礎知識 ⑩
2011-04-09-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 完成図を描いてみると = TPPへの参加を表明した9か国は、いま11月の合意を目指して着々と準備を進めている。間もなく第1回目の協定草案も出来上がる予定だ。09年の統計でみると、この9か国の総人口は約5億人、GDPは15兆9000億ドルに達する。この経済規模はEU(ヨーロッパ連合)の人口約5億人、GDP16兆4000億ドルに比べてもヒケをとらない。もし日本が加われば、人口は6億人、GDPは21兆ドルになる。

同様に09年の統計でみると、この9か国の輸出ベースでみた貿易総額は、全世界貿易量の14.7%を占める。もし日本が加われば、この比率は19.4%に跳ね上がる。これだけ比重の大きい各国が一挙に自由化を進める経済的な効果は、計り知れない。TPP域内はもちろん、世界全体へも大きな影響を及ぼすに違いない。

TPPは、まず輸入関税の完全な撤廃を目指している。関税については、原則的に全廃することが目的だ。ただ各国にとっての重要品目については、段階的に撤廃することも認める方向。たとえば現行のTPPで、チリは小麦や砂糖の輸入関税を10年間で撤廃することになっている。このため例外品目については、最長10年での撤廃を認めることになるだろう。

関税の撤廃だけではなく、TPPはカネやヒトの移動も自由化する方針。具体的には金融サービスや電子商取り引きから環境、労働に至るまで広範囲な分野での自由化についても、こまかく取り決める。したがってTPPは単なるFTA(自由貿易協定)ではなく、EPA(経済連携協定)の大型版。TPPは、多国間協定による広域EPAだと定義することができる。


                               (続きは来週サタデー)

    ≪8日の日経平均 = 上げ +177.15円≫

    【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-04-10-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第2章 おカネって、なんだろう? ⑥

◇ 世界最大の金貨は = 日本では、大むかしの人は中国の銅銭を使っていたようです。7世紀に入ると、唐の開元通宝(かいげんつうほう)のほかに、日本で初めて造られたといわれる富本銭(ふほんせん)が登場しました。さらに8世紀になると、有名な和同開珎(わどうかいちん)が出現しています。

時代がずっと下がって16世紀ごろになると、各地の大名が金貨や銀貨を造り始めました。なかでも価値が高かったのは、豊臣秀吉が造った天正大判と呼ばれる金貨です。だ円形で長い方の径が約17センチ、重さは165グラム。世界でいちばん大きい金貨として有名でした。ところが2004年にオーストリア政府が31キログラムもある金貨を鋳造したために記録は破られましたが、この巨大な金貨は流通していません。ですから天正大判は、世界一の金貨だと言ってもいいでしょう。

徳川家康が造った慶長小判も有名です。江戸時代には、金貨と銀貨のほかに銭貨と呼ばれる小銭が広く流通しています。時代劇に出てくる小判は、山吹色の金貨ですね。おカネの単位は両、分、朱などでした。明治政府は1871年(明治4年)になって、おカネの単位を円、銭などに改めました。これが現在も続いているわけです。

明治時代にも金貨や銀貨、銅貨が流通していました。いまのような西洋式の印刷で造られた紙幣が発行されたのは、1872年のことです。明治政府が最初に造った紙幣は、ねずみや虫に食べられて困ったそうです。というのも、この紙幣にはこんにゃくが含まれていたためでした。


                                (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2011-04-11-Mon  CATEGORY: 政治・経済
大震災の直後に、外国人投資家は日本の株式を大量に買っていた。財務省の発表によると、3月13-19日の1週間に、外国人投資家は日本の株式を8932億円も買い越している。海外に比べて出遅れ気味だった日本の株価が震災でさらに下げたのを見て、年金ファンドなどが買ったらしい。この動きは先週も続いたようで、週末の日経平均は震災後の高値となった。週間では60円の値上がり。

ダウ平均は先週わずか3ドルの上昇。アメリカでは暫定予算の延長をめぐって与野党の合意が得られず、政府機関の活動停止が心配されたこと。加えて原油価格の上昇が景気回復の阻害要因になるという見方が強まって冴えなかった。日本の原発事故については、最悪の事態は回避されたという安心感が広まっている。

今週はやはり原発の状態が、最大の注目点になるだろう。もう1つは、円相場の動向。EUが金利を引き上げ、アメリカも6月には金融緩和政策を停止するという観測が強まっている。このため円相場は、各国通貨に対して下落の方向。仮に90円を超えて円安が進むようだと、こんどは原油など輸入物価の上昇が心配になってくる。

経済指標は11日に、2月の機械受注。13日に、3月の企業物価。アメリカでは12日に、2月の貿易統計。13日に、3月の小売り売上高。14日に、3月の生産者物価。15日には、3月の消費者物価と工業生産、それにミシガン大学による4月の消費者信頼感指数。また15日には、中国が3月の生産者物価、消費者物価、小売り売上高、鉱工業生産、固定資産投資と1-3月期のGDPを発表する予定。


    ≪11日の日経平均は? 予想 = 下げ

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景況感が急落 : 景気ウォッチャー調査
2011-04-12-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 震災後はじめての経済統計 = 大震災と電力不足で、経済の悪化は避けられない。問題は当面の景気がどこまで落ち込み、いつになったら回復するかだ。これを予測するための材料となる経済指標はこれから続々と出てくるが、その第1号となる調査結果が内閣府から発表された。3月の景気ウォッチャー調査である。

景気ウォッチャー調査というのは、景気の動きに敏感な町なかの人たちを対象にした調査。たとえばデパートやコンビニの店員、商店街の代表、タクシー運転手などの感触を毎月末に聞いている。調査の内容は、3か月前に比べた現在の景況感と先行きの判断。いわば街角の景気世論調査だ。今回の調査は3月25日-31日に行われたから、震災の影響を全面的に反映している。

それによると、景気の現状判断は前月に比べて20.7ポイント下落した。この下落幅は過去最大。特に東北地方では32.1ポイントの下落、関東地方でも24.2ポイント低下した。業種別では飲食業の27.5ポイント、小売り業の21.5ポイント下落が目立っている。また2-3か月後の見通しも20.6ポイントの低下だった。

一方、民間調査機関のGDP予測は11社の平均値で、1-3月期が年率マイナス0.6%。4-6月期はマイナス2.6%だが、7-9月期になると復興需要などでプラス成長に戻るという姿を描き出している。景気ウォッチャーの感触に比べると、やや楽観的な感じがしないでもない。いずれにしても、十分な補正予算が次々と遅滞なく組まれることが先決。与野党の議員は、この際ハラを据えて活動してもらいたい。


    ≪11日の日経平均 = 下げ -48.38円≫

    ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ

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夏の10-3時 : 冷房を止めてみよう (上)
2011-04-13-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 夏の電力不足は1000万キロワット = 政府は先週、夏の電力需給対策を正式に決定した。需要のピークを7-9月の平日午前10時から午後9時までと想定。大口需要家、小口需要家、一般家庭の3分野に対して、それぞれ電力消費の抑制を要請する。これによって予想される1000万キロワットの不足を乗り切り、突然の大規模停電や計画停電を回避する考えだ。

東京電力によると、猛暑時のピークには6000万キロワットの電力需要が見込まれる。これに対して、現在の供給能力は4500万キロワットしかない。ただ東電は7月までに、火力発電所の復旧やガスタービン発電所の新設などで500万キロワット分を上乗せできる見込み。このため需給の差となる1000万キロワット分を、需要側で抑制しなければならない。

まず契約電力が500キロワット以上の大口需要家に対しては、電気事業法27条に基づく使用最大電力の制限を発動。これでピーク時の瞬間最大電力を25%程度削減する。また500キロワット未満の小口需要家には20%の削減、さらに家庭には15-20%の削減努力を要請する。このうち大口需要家の場合は不履行に対する罰則規定もあるが、小口需要家や家庭については努力目標を示すだけとなっている。

大口需要家というのは、主として大規模工場、大きなオフィスビル、デパートなど。東京電力の場合、これら大口需要家の電力消費は全体の約3割を占める。あとは小口需要家が約2割、家庭が4割に近い。したがってピーク時の電力消費を供給能力以下に抑え込めるかどうかは、家庭の節電にかかっていると言えるだろう。


                                     (続きは明日)

    ≪12日の日経平均 = 下げ -164.44円≫

    ≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ

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夏の10-3時 : 冷房を止めてみよう (下)
2011-04-14-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ カギを握る猛暑時の冷房 = 計画停電が解除された最近の電力需要は、ピーク時でも4100万キロワット-4200万キロワット程度。供給能力の4500万キロワットを下回っている。この需要が7-9月になると、5500万キロワットから6000万キロワットに跳ね上がると予想されている。その主たる原因は、冷房による電力の消費だ。要するに、仮に冷房の使用がなければ電力の不足は生じない。

もう1つ重要な点は、1日のうちでも電力需要が増大するピーク時の消費が抑えられればいいということ。政府は石油ショック時の1974年にも電力の使用制限令を発動したが、このときと現在とでは全く状況が違う。というのも当時は原油の確保が困難になり、化石エネルギーの総消費量を削減する必要に迫られていた。しかし今回は総量規制の必要はなく、ピーク時の需要を抑えることが課題となっている。

したがって、冷房需要がピークになる平日の10時-3時に冷房を使わない運動を展開したらどうだろう。被災地のことを念頭に置いて、いちばん暑い昼の5時間を我慢する。電車も新幹線などを除いて、この時間帯には冷房を入れない。もし関東地方の家庭の8割がそうすれば、ピーク時の電力需要を500万キロワットほど削減できる計算だ。

その代わり、病院や福祉施設などに対する使用制限は行わない。またピーク時以外の不必要な節電も奨励しない。デパートやスーパー、飲食店や小売り店は、できれば昼のピーク時は休んで夜遅くまで営業する。照明を明るくし、冷房も入れれば、お客も夕方から買い物に出かけるようになるだろう。景気にとっても大きなプラス。東京電力に供給余力ができれば、東北電力に電気を送ることも可能になる。「がんばれ! にっぽん」の気合で、“10-3冷房なし”運動を始めてみよう。


    ≪13日の日経平均 = 上げ +85.92円≫

    ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ

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教えて! ①食品の積算線量は心配ない?
2011-04-15-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 風評被害を防ぐためにも = 近ごろ、よく判らないことが多い。きょうは飲食物の放射線汚染は積算しなくてもいいのかという疑問。――政府は11日、福島第1原発の20キロ圏外にある5町村を「計画的避難区域」とし、住民に避難を呼びかけた。放射線の積算量が1年間で20ミリシーベルトに達する可能性があり、健康被害を予防するためだという。

なるほど微量の放射能でも毎日降り積もれば、そうなるかもしれない。一般の人の年間許容量は1ミリシーベルトだというから、予防的に避難をしてもらった方が安全なのだろう。だが待てよ。地面の場合がそうだとすれば、食品や飲料水の場合はどう考えたらいいのだろう。

茨城県産のホウレンソウと福島県産の原乳から、食品衛生法上の暫定基準値を超える放射能濃度が検出されたのは3月19日。それから小松菜やキャベツ、水道水やコウナゴ、シイタケなどからも、基準値を超える放射能が見付かった。その後、ほとんどの品目で線量が下がり、摂取制限や出荷制限は解除された。だから「食べても安心」だと、政府も宣伝している。

だが「ホウレンソウは安心」「小松菜は健康に害はない」と言われても、消費者は漠然とした心配を捨て切れない。というのも1つ1つの品目は大丈夫でも、これらの食品を何種類も食べたらどうなのか。いわば食品についての積算効果については、何も知らされていないからだ。ここから被災地の生産物はなるべく敬遠した方がいいといった一種の風評被害も生じている。農林水産省も厚生労働省も、口を閉ざしたまま。どなたか、正解を教えてくれませんか。


    ≪14日の日経平均 = 上げ +12.74円≫

    ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- TPP の基礎知識 ⑪
2011-04-16-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本の針路は不透明に = 政府はTPPへの参加を6月末までに決める方針だったが、大震災の影響で決定を先送りすることになった。各省の担当者は地震や原発事故の対応セクションに回され、予定されていた地方での説明会も中止されている。このためTPPの協定草案が完成する11月までに、日本が参加の意思を固めることは不可能になった。

じっさいに9か国によるTPPが発足するのは、来年の秋ごろになると考えられている。したがって日本がもし来年春ごろまでに参加を表明すれば、最初の加盟国として名を連ねることができるかもしれない。しかし、その場合はすでに出来上がっている協定の内容を丸飲みする必要がありそうだ。コメや牛肉の関税について注文をつけても、受け付けられない公算が大きい。

今回の大震災は、東北地方の農業にも大きな打撃を与えた。このため農業の自由化に対する慎重論が強まる公算も大きい。この点を考慮に入れると、来春までの決定も困難かもしれない。その場合の1つの選択肢は、韓国型の自由化路線だろう。韓国はTPPへの参加は未決定のまま、重要な貿易相手国とのFTA締結に全力を挙げてきている。

世界はいま貿易自由化・経済自由化の大きな流れに乗っている。TPPがスタートすれば、大災害に見舞われたとはいえ、日本だけが何もしないというわけにはいかない。アメリカや中国、オーストラリアやカナダといった重要な貿易相手国と個別にFTAを結ぶとしても、農業の問題を避けては通れない。震災を契機に農業の改革にも手を着ける。そんな空気が醸成されるかどうか。日本の針路は、そこにかかっている。


                               (続きは来週サタデー)

    ≪15日の日経平均 = 下げ -62.40円≫

    【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】 

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-04-17-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第2章 おカネって、なんだろう? ⑦

◇ “紙切れ”でモノが買える理由 = みなさんがいま使っているおカネには、どんな種類があるでしょうか。まず、お札と呼ばれる紙幣でよく使われているものには、1万円札、5000円札、2000円札、1000円札など。またコインでは500円玉、100円玉、50円玉、10円玉、5円玉、それにアルミ製の1円玉が使われていますね。

では1万円札を使うと、どうして食料や衣類などの品物を買えるのでしょうか。むかしの大判や小判ならば、それ自体が金でできていましたから、それだけの価値があります。ところが1万円札は小さな紙切れにすぎません。そのもの自体には、ほとんど価値がないのです。

それでも商品を買えるのは、政府が「この1万円札を持って行けば、どこでも1万円分のモノが買えます」と保証しているからです。これを経済の用語では「信用」と言います。みんながおカネの持つふしぎな力を信用しないと、いまの貨幣経済は成り立ちません。ときどき悪い人がいて、ニセ札を造って使います。こんなニセ札が出回ってしまうと、本物のお札まで信用を失うかもしれません。ですから本物のお札には、普通の印刷ではマネができないように、いろいろ工夫がされています。

もしも、この世の中におカネというものがなかったら? たとえば、お店に行ってタマゴを買うのに、お皿や洋服を持って行って取り替えるしかありませんね。でも洋服とタマゴいくつを取り替えたらいいのでしょう。ひとりのお客さんだけで、何時間もかかってしまうかもしれません。とても商売なんかできません。みなさんも、おカネがなかったらどんなことが起きるか。いろいろ考えてみてください。


                                 (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2011-04-18-Mon  CATEGORY: 政治・経済
原発事故の影響で、日本を訪れる外国人の数が急減している。観光局の集計によると、震災後の3月中下旬では前年比73%の減少だという。ところが株式市場では、全く逆の現象が起きている。東証の集計によると、3月14日ー4月8日の外国人投資家による買い越し額は1兆5500億円。昨年1年間の買い越し額3兆2104億円の半分近くに達した。

その一方で、国内の個人投資家や金融機関は大きく売り越している。このため先週も、日経平均は週間177円の値下がりとなった。この程度の下げ幅に止まったのは、外国人投資家のお蔭と言っていい。外国人投資家は割安になった日本株に目を付けているわけだが、その姿勢がいつまで続くのか。原発の復旧作業や震災の復興事業がモタつくと、空気が変わる危険もある。

ダウ平均も先週は38ドルの下げ。小幅ながら4週間ぶりの値下がりとなった。不安定な中東情勢を受けて原油が高騰、ガソリン価格の上昇で個人消費が抑制されるのではないかという心配。ギリシャの国債利回りが14%に上昇、財政不安が再燃したこと。一部企業の決算が期待を下回ったことなどが、株価の足を引っ張った。

今週はインテル、ヤフー、シティ・グループ、IBM、マクドナルド、GEなど主要企業の決算が集中する。ニューヨーク市場がどんな反応を見せるか。経済指標は19日に、3月の消費動向調査。20日に、2月の第3次産業活動指数と3月の貿易統計。アメリカでは19日に、3月の住宅着工。20日に、3月の中古住宅販売。21日に、2月の住宅価格が発表になる。3月の貿易統計では、輸出の減少幅が注目される。


    ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ

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止まらない物価高 : 中国の悩み
2011-04-19-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 相次ぐ引き締めも効果なし = 中国統計局の発表によると、3月の消費者物価は前年比で5.4%の上昇だった。2月の上昇率4.9%を大きく上回り、2年8か月ぶりの上昇率となっている。人民銀行による度重なる金融引き締めにもかかわらず、物価の上昇に歯止めがかからない。中国政府にとっては、威信を問われる最大の問題となってきた。

3月の結果をみると、特に食料品が11.7%の上昇。2月よりも上昇幅を広げている。食料品の価格上昇は一般大衆の不満を醸成しやすいから、政府としても悩みのタネ。今回も預金準備率を、すぐさま引き上げた。昨年からこれまでに預金・貸し出し金利を4回にわたって引き上げ、預金準備率は計11回も引き上げている。

さらに中国経済界では、4月中にも追加の利上げが行われるという見方が支配的になっている。しかし3月は、食料品に加えて工業製品の値上がりも目立ってきた。これは国際的に原油や金属が値上がりし、輸入価格が上昇したためだ。また国内で賃上げが進んだことから、製品コストも上昇し始めている。

こうしたコスト・プッシュ型の物価高には、金融を引き締めてもあまり効果がない。効果が出るほど引き締めれば、景気がおかしくなってしまう。そこで輸入物価の引き下げに効果が期待できる元の切り上げ論が、再び浮上してきた。最近のレートは1ドル=6.53ドル前後。これを短期間に6ドル近くにまで切り上げるという見方も、一部では出始めている。元相場の推移は、よく見ておく必要がある。


    ≪18日の日経平均 = 下げ -34.87円≫

    ≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ≫ 

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いまこそ 復興マニフェストを (上)
2011-04-20-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 基本的な考え方を明確に = 震災の復興対策についての基本的な考え方が、少しずつ固まってきた。政府はまず総額4兆円程度の第1次補正予算を早急に組み、災害地の復旧に充てる。そのあと6月をメドに第2次補正予算を成立させて、本格的な復興事業を開始する方針。並行して検討を開始した復興構想会議では、財源についての具体的な試案も提起されている。

第1次補正予算は、ガレキの撤去や仮設住宅の建設などの費用。第2次補正予算は、まだ復興計画が全く手つかずなので、その総額は算定できない。しかし阪神・淡路大震災の事例から推計すると、少なくとも10兆円は必要だと考えられている。問題はその財源をどこに求めるかだ。

この点については、震災特例国債を発行するしか方法はないだろう。この国債は通常の赤字国債とは全く切り離し、復興事業以外には使えないようにする。また償還は、増税に頼るしかない。この増税も復興特別税とし、復興需要で景気が好転する2-3年後に導入、特例国債の償還以外には使えないようにする。税目は「みんなで負担する」ことを基本にして、所得税、法人税、それに消費税を5年程度に限って引き上げる。

こうした基本的な考え方が最も常識的かつ現実的だと思われるが、いま与党のなかにも野党のなかにも反対論が散見される。だが仮に震災特例国債復興特別税が実現したとして、途中で政権が代わったら基本的な考え方も変更されるようなことがあってはならない。たとえば特例国債や特別税の収入を、財政赤字の穴埋めに転用されては困るわけだ。各政党はいま、復興計画と財源に関する基本的な考え方をマニフェストとして国民に約束すべきではないか。


                                     (続きは明日)

    ≪19日の日経平均 = 下げ -115.62円≫

    ≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ

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いまこそ 復興マニフェストを (下)
2011-04-21-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 政治家は何を負担するのか = 国会議員が個人的にいろいろな考え方を持つことは当然だろう。だが意見を言い合って議論をするのはいいが、それで政党としてのマニフェストが作成できないのでは困る。基本的な考え方がまとまらないと、復興計画の遂行が遅れてしまうからだ。政党としての考え方が決まれば、一致点はすぐに実行できる。そこから妥協点も見つけ出せる。

たとえば復興計画については、①被災地の再建計画は国がつくるのか、それとも主として地元に任せるのか②経済特区は東北地方に広く設けるのか、それとも範囲を限って数か所に造るのか。こうした点について、各政党は早急に態度を決めてほしい。もちろん地元の意見を聞く必要があり、それによって復興計画の基本的な姿勢に地元の意見を反映させることができる。

財源については、③震災特例国債の発行についての賛否④復興特別税への賛否。金額や税率については復興計画の進展に合わせてあとから決めるしかないが、基本的に賛成か反対かは表明してほしい。また⑤特別税の範囲をどの税目にするか。この点に関しては、⑥今度の大災害は「日本国民がみんなで負担する」という考え方にも賛成かどうか。もし賛成だとすれば⑦政治家も議員定数の削減や歳費の縮小という形で負担を分け合う意思があるかどうか。

このほか⑧原発事故によって発生した被害を、どの程度まで税金で負担するか――といった微妙な問題もあるだろう。これから復興計画が進むにつれて、解決しなければならない問題は数多い。その処理を素早く行うためにも、各政党が基本的な考え方だけはマニフェストの形で公にしておく方がいい。国民の大多数は「がんばれ、にっぽん」の気持ちで緊張感を持っている。いまこそ政治家は初心に戻り、誠意を持って活動してほしいものだ。


    ≪20日の日経平均 = 上げ +165.79円≫

    ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ

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教えて! ②ピーク時以外の節電も必要か?
2011-04-22-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 過度の節電は景気を悪くする = 夏の電力不足に備えて、政府は大口需要家に対する使用制限令を発動することになった。民間企業も夏休みの延長や輪番操業など、対策に頭をひねっている。東京電力によると、夏の供給能力は最大5200万キロワット。これに対して、需要見込みは5500万キロワット-6000万キロワットだという。

電力の消費が夏に急増する原因は、言うまでもなく冷房だ。したがって需要のピーク時は午前9時-午後5時ごろになる。この時間帯以外の朝方や夜間に、電力が不足することはないだろう。それなのに政府も東京電力も、時間帯に関係なく「節電」を盛んに呼び掛けている。

大口需要家に対する電力使用制限令は、石油ショック時の1974年にも発動された。このときは原油の確保が危うくなったので、朝から晩までの節電が必要だった。だが今回は事情が異なる。朝や夜に節電しても、電力は貯められない。

特に夜の節電は、街を暗くする。人々が外に出ず、繁華街にも閑古鳥が鳴くようだと、景気は悪くなってしまう。逆に小売店や飲食店は照明を明るくし、真夜中まで営業した方が売り上げも伸びるだろう。必要以上に電力を使うことはないが、節電の行き過ぎは景気のためにも復興のためにも、逆効果になるのではないか。


    ≪21日の日経平均 = 上げ +78.95円≫

    ≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- TPP の基礎知識 ⑫
2011-04-23-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 不参加なら製品輸出に大打撃 = 災害復旧が進むにつれて、TPPに参加するかどうかの議論は必ず再燃する。そこで最後に、賛成論と反対論の根拠をまとめておこう。まず賛成論の主たる理由は、多くの国々が輸入関税を撤廃して行くなかで、日本だけがその動きに参加しなければ、日本の工業製品輸出はきわめて不利になるという点に集約される。

この点でよく引き合いに出されるのが、韓国との比較。たとえばEUはいま乗用車には10%、薄型テレビには14%の輸入関税をかけている。このEUとFTAを結んだ韓国に対してはは、この関税が5年以内にゼロになる。日本が何もしなければ、日本の輸出品については関税がそのままかかってしまう。ジェトロの試算によると、アメリカや中国との間でも同様の事態が生じた場合、日本の輸出は年間110億ドルを韓国に奪われるという。

日本の製造業は当然ながら自衛策を講じる。つまり生産拠点をASEAN諸国に移し、そこからEUやアメリカ、中国へ輸出すれば関税がかからない。これまでも安い人件費や円高による為替差損を回避するため、いわゆる“空洞化”は進行してきた。さらに関税問題が加われば、この傾向は加速するだろう。経済産業省は関税面での不利と空洞化で、2020年の国内雇用は81万2000人減少すると予測している。

日本の農業は国際的にみても、生産性が極端に劣っている。この状態を抜本的に改革するために、むしろTPPに参加して冷たい風にさらされた方がいいという主張もある。こうした意見は農村部からも出ており、TPPを契機に「負けない農業」を目指そうという運動も始まっている。


                              (続きは来週サタデー)

    ≪22日の日経平均 = 下げ -3.56円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】 

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-04-24-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第2章 おカネって、なんだろう? ⑧

◇ 見えないおカネも登場 = いまは見えないおカネも使われています。たとえばAさんがBさんにおカネを支払うとき、Aさんは銀行の振り込み機を使っておカネを送ってしまいます。こうすると、Aさんが銀行に預けてあるおカネがその分だけ減って、Bさんの銀行預金がその分だけ増えるのです。

また、みなさんはクレジットカードやスイカを知っていますね。おカネを持っていなくても、商品が買えたり、食事ができたり、電車に乗れたり。とても便利でしょう。クレジットカードは使った人の銀行預金から使った金額が引き出されて、それがお店に払い込まれます。スイカやパスモは最初におカネを出して買っておき、電車に乗るたびに乗車賃が引かれる仕組みです。

振り込みやカードを使った支払いでは、紙幣もコインも使われません。だれの目にも見えないところで、コンピューターが仕事をしてくれているのです。カードにはICチップと呼ばれる記録装置が入っていて、ちゃんと計算しています。小さなコンピューターと言ってもいいでしょう。

こうした目に見えないおカネのことを、電子マネーと呼んでいます。電子マネーはどんどん広がっていて、最近は携帯電話がクレジットカードやスイカの働きをするようにもなりました。とても便利ですが、携帯電話=お財布なのですから、うっかりなくすと大変。みなさんも気をつけましょうね。


                                 (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2011-04-25-Mon  CATEGORY: 政治・経済
アメリカでは1-3月期の企業決算が続々と発表されているが、その結果はおおむね好調。主要企業の最終利益は12%の増益になる見込み。先週もインテルやアップルが過去最高の売り上げ、デュポンも27%増益の好決算を発表した。このためダウ平均も週間で164ドル値上がりし、2年10か月ぶりの高値を回復している。

日経平均も週間91円の値上がりだったが、やはり原発事故の後遺症が重くのしかかっている。そのうえ円相場が一転して上昇に振れた。これはS&P社がアメリカ国債の格付け見通しを引き下げたためで、ドルは各国の通貨に対して軒並み安。震災後は下落傾向にあった円も、つられて高くなった。今週もその傾向が続くかどうかは、やや疑問。

国内では、災害復旧のための第1次補正予算案がまとまり、国会での早期成立にもメドがついたようだ。インフラの整備や仮設住宅の建設費が中心だが、ようやく本格的な復旧事業が軌道に乗る。短期間に4兆円が支出されるので、経済に対する刺激効果も大きい。その半面、今週から地震の影響を受けた3月分の主要な経済指標が次々に発表される。株式市場は、どちらを重視するだろうか。

その経済指標は25日に、3月の企業向けサービス価格。27日に、3月の商業販売統計。28日には、3月の雇用統計、鉱工業生産、消費者物価、住宅着工件数。アメリカでは25日に、3月の新築住宅販売。26日に、2月のS&Pケースシラー住宅価格指数。28日には、1-3月期のGDP速報。また29日には、ユーロ圏の4月の消費者物価。ECBが金利を引き上げたあとだけに注目したい。


    ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ

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復旧予算は4兆円 : 次は復興予算へ
2011-04-26-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 道路・港湾・下水道に8235億円 = 東日本大震災の復旧費を盛り込んだ11年度の第1次補正予算案がまとまった。支出総額は4兆0153億円。政府は28日に国会提出、5月2日の成立を目指している。財源を確保するため、基礎年金の国庫負担財源から2兆5000億円近くを流用。野党はこれに反対しているが、この非常事態の下では成立を遅らせるわけにもいかないだろう。

主な支出項目をみると、道路・港湾・下水道・農業施設などの復旧に1兆2000億円。仮設住宅10万戸の建設に3600億円。学校や病院の再建に4100億円。中小企業の資金繰り対策に5100億円などとなっている。これらの支出は緊急性を要するものばかり。短期間で支出されるから、景気に対する浮揚効果も大きいと考えられる。復興需要の第1弾だ。

財源はまず民主党の目玉政策を見直した。子ども手当の上積みを断念して2100億円、高速道路料金の割り引きを止めて2500億円を捻出。ODA(政府開発援助)も500億円削減した。さらに基礎年金の国庫負担割合を維持するための財源から2兆5000億円を転用。これらの措置によって、国債の増発は回避した。

あとは本格的な復興を目指す第2次補正予算の編成へ。その前提となる復興計画の策定を急がなくてはならない。復興構想会議の発言を聞いても、いまのところは議論百出の状態。だが6月中ぐらいには計画をまとめないと、2次補正は遅れてしまう。1次補正に組み込んだ8000億円のインフラ復旧費も、復興計画外の地域で使われてしまうかもしれない。また1次と2次の間が空きすぎると、復興需要も途切れてしまう。


    ≪25日の日経平均 = 下げ -10.25円≫

    ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ

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1500ドルを超えた 金の国際価格
2011-04-27-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 3年で5割の値上がり = ニューヨーク商品市場で19日、金の先物価格が1トロイ・オンス=1500ドルを超えた。1000ドルの大台に乗せたのは08年3月だったから、この3年間で50%も値上がりしたことになる。つれて日本国内の小売り価格も、1グラム=4200円台に上昇した。(注=1トロイ・オンスは31.1035グラム)

金価格の上昇は、需給関係によるものではない。世界的にみて実需はそれほど増大していない。その半面、生産はむしろ増加した。ワールド・ゴールド・カウンシルの調査によると、10年の生産量は2659トン。9年ぶりの高水準で前年より3%増えた。価格の高騰で、生産が刺激されたためだとみられている。

主たる理由は、投機マネーが流入していること。中東・北アフリカ情勢の緊迫化、ギリシャの財政危機再燃、日本の大災害・原発事故。さらにアメリカ国債の格下げ懸念、世界的なインフレ兆候。これらの不安要素が重なり、株式や債券などへの投資は見送り気分が強まっている。残るは安全資産の金というわけだ。

金の価格が上がっても、一般の人たちにはあまり影響がない。だが金の高騰はドル離れを意味するため、円の対ドル相場は上昇に振れやすい。もう1つ、金価格が上がるときは、投機資金が国際商品市場にも流れ込む。原油や金属、食料品の相場が高騰すると、日本人の生活にも大きな影響があることは言うまでもない。


    ≪26日の日経平均 = 下げ -113.27円≫

    ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ

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小沢系議員の あきれた非常識
2011-04-28-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 地震で世の中変わったのに = ガソリンの平均価格が3か月続けて1リットル=160円を上回ったら、上乗せ分の税金25円を免除する。この特別措置の一時凍結を盛り込んだ税制関連法案が22日、衆院本会議で可決された。政府・民主党が大地震の復旧・復興財源を確保するために提出したもので、自民党・公明党などの野党もみな賛成した。

ところが民主党の小沢一郎氏に近い議員数人がこれに反対。本会議場を退席したり、ひな壇に登って菅首相に抗議文を手渡したり。反対の理由は「税収減を嫌う財務省に牛耳られている」「東北の被災者に大きな負担増になる」など。さらに「菅首相の退陣を求める」「復興のための第2次補正予算には反対票を投じる」とも。

いまは全国民が一致して被災者を助け、復興に協力しようとしている。野党でさえもじっと我慢して、第1次補正予算を成立させようとしている。そんなときに与党のなかからの造反事件。初当選の新人議員たちが古い形の政争に狂奔する姿には、まったく驚いた。しかも復興にとって最も重要な「第2次補正予算に反対だ」と、公言してはばからない。

ガソリンの減税は、ガソリンの消費を刺激する。原発事故で、日本はこれから火力発電の比重を高めざるをえない。原油価格も高騰している。そんなときに、ガソリンの消費を増やしていいわけがない。あの大災害によって、日本の経済構造はまるっきり変わってしまった。造反議員たちには、その認識がない。不勉強であり、全く非常識だ。菅首相を辞めさせようとするなら、もっと筋道の通った方法を考えるべきだろう。


    ≪27日の日経平均 = 上げ +133.15円≫

    ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- TPP の基礎知識 ⑬
2011-04-30-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 農業は壊滅、食料自給率は14%に = TPP参加への反対論で最も強烈なのは「日本の農業が壊滅する」という主張だろう。農業関係者から聞こえてくることが多いが、驚いたことに農林水産省も同様の見解を公表している。それによると、コメなど主要19品目の関税を撤廃すると、農産物の生産額は4兆1000億円減る。また食料自給率は14%に低下するという。

日本はこれまでに12の国とFTAを締結した。それでも関税を撤廃しなかった品目は940にのぼる。そのうち850品目が農林水産物だ。コメには778%の関税がかけられている。こんな状態だから、輸入関税を取っ払ったらひとたまりもない。急に農業を強くしろと言われても、できるわけがない。反対論者の言い分である。

仮にいま日本がTPPに参加したとすると、日米を合わせたGDPは全体の9割に達する。とすれば新しいTPPの主役はアメリカと日本。アメリカは農産物のみならず、懸案となっている牛肉の輸入自由化や金融、投資あるいは郵政の民営化についても厳しく要求してくるに違いない。このアメリカの思惑に乗るのは不利だ、という反対論もある。

このようにTPPについては、賛成論も反対論も一理がある。しかしそう遠くないうちに、日本は態度を決めなければならない。菅首相の言う“平成の開国”になるのか、それとも“鎖国”になるのか。どういう手順で決まるのか。政府に世論をリードする力があるのか。今回の大災害によって、国民の考え方がどちらに傾くのか。


                                 (TPPは終わり)

    ≪28日の日経平均 = 上げ +157.90円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝0敗】

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