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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
哲学なき EU との EPA 交渉 (上)
2011-06-01-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 韓国に先を越されて = 日本とEU(ヨーロッパ連合)は、EPA(経済連携協定)の締結を目指して予備交渉を始めることになった。菅首相とEU首脳の会談で合意したもの。会談後に発表された共同コミュニケでは「予備交渉を可能な限り早期に開始する」と明記している。

EPAというのは、いわばFTA(自由貿易協定)の拡大版。FTAが輸入関税の撤廃など貿易面での規制緩和を推進するのに対して、EPAは貿易面だけではなく経済の広い分野での規制緩和を追及する。たとえばEU側は、医療機器に関する安全基準の緩和や政府調達への参入拡大など、数多くの要求を持ち出してくるものとみられている。

日本にとって、EUは中国とアメリカに次ぐ第3の大輸出市場。昨年の輸出総額に占める対EU輸出の割合は11%にのぼっている。そのEUが工業製品の輸入関税を撤廃してくれれば、日本のメリットはきわめて大きい。いま日本からの輸入品には、たとえば自動車だと10%、薄型テレビだと14%の関税がかかっている。

韓国はEUとの交渉を早くから進め、この7月にはFTAが発効する。すると韓国からの輸入品に対する関税は徐々に軽減され、やがては撤廃される。そうなったら日本の輸出は、きわめて不利になる。そこで慌ててEUとの交渉を始めることになった。


    ≪31日の日経平均 = 上げ +188.76円≫
    
    ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ

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哲学なき EU との EPA 交渉 (下)
2011-06-02-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 農業の改革ができるのか = 新聞報道によると、EUは「日本の震災復旧に協力するため」に合意したという。だが、そんなに甘い話ではない。アメリカとアジア諸国で創ろうとしているTPP(環太平洋経済連携協定)に日本がもし参加すると、EUの立場は弱くなる。その先手を打って、日本との関係を強化しておこうというのがEUの本音だろう。

予備交渉は、年末まで続けられる見込み。その間にEUは加盟27か国の意見を聞き、本交渉で取り上げる分野について日本側と合意したい考え。そのなかには当然、小麦やワイン、あるいは畜産品に関する関税交渉も入ってくると思われる。

日本側も年末までに体制を整え、考え方を統一しなければならない。TPPに加盟すべきかどうかを議論する委員会も、震災のためと称して中断したまま。ネックはやはり農業問題。農業を自由化の波にさらしていいかどうかの議論は、いぜん賛否両論が国内を二分しているありさまだ。農業輸出国であるオーストラリアとのFTA交渉は、もう4年も続いているが決着できずにいる。

コメの輸出はないEUだが、やはり農業問題に結論を出さなければ交渉はむずかしい。開国か攘夷かで国論が割れているとき、いまの政府に方向性を打ち出す能力を期待できるのだろうか。予備交渉に入っても、相手側との駆け引きには切り札が必要だ。農業問題についての哲学を持たない政府には、その切り札を用意できないのではないか。


    ≪1日の日経平均 = 上げ +25.88円≫

    ≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ≫ 

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景気の回復 : 当面はV字型へ
2011-06-03-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 追加補正が遅れるとピンチ = 経済産業省の発表によると、4月の鉱工業生産は前月比1.0%の増加だった。3月の記録的な15.5%減少から、意外に早く立ち直ったという印象である。3月は16業種すべてが減産となったが、4月は増産と減産が8業種ずつとなった。被災地の部品工場などが、急速に復旧しつつあることを示している。

業種別にみると、一般機械工業が半導体製造装置を中心に12.8%増加した。また電気機械工業も4.6%増加している。その半面、携帯電話や液晶テレビなどの情報通信機械工業は17.2%、自動車を柱とする輸送用機械工業は1.5%の減少で、生産の低下が続いた。

同時に発表された予測指数は、5月が8.0%の増加。6月も7.7%の増加で、生産は5月からV字型の回復となる見通し。もし予測通りならば、6月の生産は震災前の2月の水準に戻る計算だ。特に輸送用機械工業は5月が35.7%、6月は36.7%と激増する見込み。5-6月の景気は、この自動車生産の回復にリードされて急激に上昇すると考えられる。

ただ、ここまでの回復は震災による落ち込みからのリバウンドだ。震災によって所得や消費も減退しているから、その後の景気を押し上げる力は乏しい。そこで期待される強力な原動力は、復興を目指した追加の補正予算しかない。政府と国会が6月中に第2次補正、さらに秋には第3次補正を成立させないと、V字型の景気回復も短期間で終わってしまう危険性が大きい。永田町で権力争いをしている場合ではない。


    ≪2日の日経平均 = 下げ -164.57円≫

    ≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 電力不足を乗り切る ⑤
2011-06-04-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 東京電力・東北電力は綱渡り = いよいよ夏。気象庁の長期予報によると、ことしの夏は「昨年ほどの猛暑ではないが、平年よりは暑い」らしい。そこで各電力会社の供給能力を調べてみると、東京電力と東北電力は平年並みの暑さでギリギリ。中部電力は猛暑ならギリギリという結果が出た。いずれにしても、節電がなければ危ない。

東京電力の発電能力は、震災のため一時3100万㌔㍗にまで低下した。その後は火力発電所の復旧、ガスタービン発電所の新設、それに夜間の電力を使って水を汲み上げる揚水発電などで能力を増強。現在の見通しでは、7月末に5380万㌔㍗を確保できる見込み。平年並みの暑さでも100万㌔㍗ほど足りない。仮に猛暑だと、600万㌔㍗ぐらい不足する。

東北電力も火力の復旧やガスタービン発電、それに北海道電力からの融通もあって、現在の供給能力は1210万㌔㍗にまで回復した。7月末には1370万㌔㍗にまで増える見込み。しかし夏の需要予測は最大で1480万㌔㍗。ピーク時の不足は110万㌔㍗になる計算。暑さが平年並みなら、もう少しの努力で追いつける。

中部電力は浜岡原発の停止で361万7000㌔㍗の出力を失った。その結果、現在の供給能力は2637万㌔㍗に。ことしのピーク予想は2560万㌔㍗なので、余裕はほとんどないが、何とか間に合いそう。ただ猛暑だった昨年のピーク需要は2621万㌔㍗だったから、昨年並みの暑さになると文字通りギリギリ。ただ中部電力の場合は、関西電力や北陸電力から融通を受けられる可能性がある。


    ≪3日の日経平均 = 下げ -62.83円≫

    【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-06-05-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第3章 貿易って、なんだろう? ⑥

◇ 明治時代から近代的な貿易 = 日本の貿易は、かなり古い時代から始まっています。いまから1000年以上も前から、中国大陸や朝鮮(ちょうせん)半島の国々との貿易が行われていました。平安時代や鎌倉時代の古い文書にも、貿易の様子が書き残されています。

1500年代から1600年代にかけては、東南アジアの国々とも盛んに貿易が行われました。いまのタイやラオスといった国々が相手でした。これを「南蛮(なんばん)貿易」と言います。南の国の珍しい品物が、たくさん輸入されました。

江戸時代になると、幕府(ばくふ)の方針で、外国との貿易が禁止されてしまいました。これを鎖国(さこく)と言います。鎖国は270年間も続きました。この間、長崎の出島でオランダとの貿易だけが許されたのです。ですからオランダを通じて、ヨーロッパの品物が輸入されました。

明治時代になると、やっと近代的な貿易が始まりました。世界各国から主に綿花や砂糖、鉄鋼などを輸入し、生糸や綿糸、それに石炭などを輸出したのです。このころから日本の貿易は原材料を輸入し、それを加工して輸出する「加工貿易」が盛んになりました。


                            (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2011-06-06-Mon  CATEGORY: 政治・経済
アメリカ経済の先行きが、いちだんと重苦しくなってきた。サプライマネジメント協会が発表した5月の製造業景況感指数が急落、さらに5月の雇用統計も予想を裏切る結果となった。このため先週のダウ平均は後半3日続落、週間では290ドル値下がりした。終り値は1万2151ドルと、2か月半ぶりの安値水準に落ち込んでいる。これで7年ぶりに5週連続の下げ。

日経平均は先週30円の小幅安。ニューヨークの軟調に加えて、上海総合の下落が影響した。さらに国内の政局が、株価の頭を抑えている。政局の混迷で、震災復興への足取りが乱れる不安が増大してきた。外国人投資家の29週続いた買い越しが途切れてしまったことも、市場の空気を暗くしている。

東京証券取引所の集計によると、5月第4週に外国人投資家は日本株を71億円売り越した。売り越しの額は小さいが、これで昨年11月から続いた買い越し記録は途切れてしまった。これが一時的な現象なのか、それとも日本の放射能汚染や政治の混乱を心配した売りなのか。

今週は7日に、4月の景気動向指数。8日に、4月の国際収支と5月の景気ウォッチャー調査。9日に、1-3月期のGDP改定値と5月の消費動向調査。10日には、5月の企業物価と4月の第3次産業活動指数が発表される。アメリカでは9日に、4月の貿易統計。また10日には、中国が5月の貿易統計を発表する予定。


    ≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ

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注意信号 = アメリカの雇用統計
2011-06-07-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 製造・小売り業も雇用が減少 = アメリカの雇用回復が頭打ちになった。労働省の発表によると、5月の失業率は9.1%で前月より0.1ポイント悪化。農業を除いた雇用者数も5万8000人しか増えなかった。非農業雇用者数は過去3か月平均で22万人増加していたから、雇用の改善傾向が急激に鈍化したことを示している。

雇用増加の内容をみると、民間部門は8万3000人の増加。政府部門は2万9000人減少した。ただ民間部門では、景気に敏感な製造業が5000人、小売り業が8500人、娯楽・接客業が6000人の減少となったことが目立っている。政府部門は、財政赤字に悩む地方自治体の人減らしが主因。

アメリカではこのところ、景気の減速を示す経済指標が次々に発表されている。サプライマネジメント協会の製造業景況感指数は急降下。工業生産は横ばい。新車販売台数は減少。住宅価格は最安値の水準。ガソリン価格の高騰で、個人消費にもかげりが見られる。そこへ雇用回復の頭打ち傾向。もし雇用状況が悪化に向かえば、生産や消費は確実に縮小してしまう。こうした心配から、ダウ平均株価も7年ぶりに5週連続の値下がりとなった。

いったいアメリカの雇用情勢は、この1年間でどのくらい改善したのだろうか。5月の雇用者総数は1億3978万人で、前年同月より43万人しか増えていない。一方、失業者数は1391万人で97万人減った。しかし失業者数には入らない失業予備軍が220万人もいる。こうしてみると、この1年間での改善はほとんどないに等しい。来年の選挙を控えて、オバマ大統領にとっても頭痛のタネに違いない。


    ≪6日の日経平均 = 下げ -111.86円≫

    ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ

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東北沿岸を 世界初のスマート地帯に (上)
2011-06-08-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ スマート市、町、村の創造 = 東日本大震災の被災地では、まもなく本格的な復興事業が始まる。その具体的な青写真は、あくまでも現地の意思を尊重して描かれることが基本。だから復興の形態は、市町村の意思によって違ってくるだろう。たとえば高台に新しい居住区を造るのか、海岸に防災ビルを建てるのか。また漁業、農業、工業、観光業のうち、何を生活の中心に据えるのかなど。

ただ、いずれの場合でもスマート・シティの構築を、復興の軸に置いたらどうだろう。まず住宅やビルの屋上あるいは近くの空き地に太陽光発電パネルを設置する。この自家発電によって、電力会社に支払う料金が節約されることは当然。逆に電力が余れば蓄電池に溜めておき、夜間に使ったり、電力会社に売ることもできる。さらに電気自動車にも、この電力を供給できるようにする。

狭い地域内で、あるいは地域と地域の間で、お互いに電力を融通し合える仕組みも作る。この電線網を利用して、屋内の家電製品を屋外から操作できるようにもする。これがスマート・シティの概要だ。被災地の市町村を、すべてスマート市、スマート町、スマート村に改造してしまう。

特に学校と病院は太陽光発電と蓄電池の設置によって、常に最低限度の電力を確保する。同時に学校は生徒、病院は患者だけの施設という従来の発想を改め、地域住民すべての人たちが普段から活用できる場所として設計する。付属する体育館や集会所をあらかじめ避難所にも使えるよう設計しておく。食糧や水、医薬品の備蓄は言うまでもない。


                                 (続きは明日)

    ≪7日の日経平均 = 上げ +62.60円≫

    ≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ

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東北沿岸を 世界初のスマート地帯に (中)
2011-06-09-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 外国人が見にくる場所へ = 福島原発の事故に続いて、浜岡原発も停止された。政府は他の原発については運転停止を求めないと言っているが、原発の新増設はもちろん、定期検査後の再開もむずかしい状況になっている。今後は原発への依存度は下げざるをえないだろう。

その分を火力で埋めればコストの増大を招くし、温暖化ガスの放出も問題になる。したがって日本はクリーン・エネルギーに頼らざるをえない。ところが日本の総エネルギー消費量に占めるクリ-ン・エネルギーの比率は、水力を含めてもまだ4%ほど。太陽光による発電量は、福島第1原発の10分の1にすぎないという試算もある。

今後は全国的に、太陽光発電の普及を促進して行かなければならない。東北の被災地を、そのモデル地域にしたらどうだろう。人口が数百人の小さな集落から、数万人の大きな都市まで。いろいろな形のクリーン市、クリーン町、クリーン村を創る。さらに、これらの市町村を電力網で結ぶ。

財源は震災復興のための補正予算に組み込んでおく。完成には3-5年かかるかもしれないが、青写真をしっかり描いておいて、新しい街づくりと整合性が保てるようにする。完成すれば、全国から見学者が訪れるだろう。いや、世界中から多くの人が見にくるようなスマート地帯に仕上げてもらいたい。


                                 (続きは明日)

    ≪8日の日経平均 = 上げ +6.51円≫

    ≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ

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東北沿岸を 世界初のスマート地帯に (下)
2011-06-10-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 空振りだった菅首相の演説 = 菅首相は先月末のG8(主要8か国)サミットで「2030年までに太陽光パネルを住宅1000万戸に設置する」と表明した。この発言について、あるアメリカの雑誌記者は「サミットの席上で思い付いたアイディアでは」と、盛んに首をひねっていた。それほど迫力に欠けた内容。外国のマスコミは、この首相発言をほとんど報道していない。

この雑誌記者に言わせると、原発事故を受けて日本の首相がサミットで「今後の原子力政策をどうするのか」を明らかにするものと予想していた。これ以上は原発に頼れない。だから太陽光発電の普及に力を入れるという趣旨ならよく判る。だが“パネル1000万戸”だけが、唐突な感じで飛び出してきた。2030年というのは、いまから20年も先の話。放っておいても、そのくらいは普及するのではないか。

もう1つは“パネル1000万戸”と気軽に言い放ったが、財源には全く触れなかった。だから政府が最重要な政策として位置付けているのかどうか、よく判らない。海江田経済産業相も「話は聞いていなかった」とコメントしたくらいだから、やはり“思い付き”程度の発言だったのかもしれない。

方向性は正しいが、方法論は皆無。仮に東北の被災地を、その第一弾にする。財源は復興のための補正予算で確保する――と説明すれば、現実性を帯びた構想に聞こえたに違いない。そうすれば各国首脳やマスコミに対するインパクトも大きくなったろう。惜しいチャンスを逸したものである。


    ≪9日の日経平均 = 上げ +17.69円≫

    ≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 電力不足を乗り切る ⑥
2011-06-11-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 電力使用制限令を発動 = 東京電力と東北電力の管内では、夏の電力供給が不足する可能性が強い。そこで政府は、この両電力管内の企業と家庭に対して一律15%の節電を求めることになった。なかでも契約電力が500㌔㍗以上の大口需要家については、電気事業法27条に基く使用制限令を発動する。

具体的には、平日の午前9時から午後8時までの間、使用電力を昨年の実績より15%減らさなければならない。違反すると罰金を科せられる。期間は東京電力管内が7月1日から9月22日まで。東北電力管内が7月1日から9月9日までとなっている。

契約電力が500㌔㍗未満の小口需要家と家庭については、罰則規定がない。しかし電力の消費量に占める大口需要家の比重は約3割に過ぎない。したがって小規模な工場やスーパーなどの小口需要家と家庭の節電が、対策の成否を左右すると言っていい。

なお30の分野については、15%節電の対象にしない。これらの分野は0%、5%、10%の節電目標に3分類される。たとえば救急医療施設、避難所、介護施設、震災の被災企業は0%で節電は不必要。鉄道は正午から午後3時までに限って15%の節電を実施。またホテルや旅館は10%、空港は5%というように節電目標が軽減されている。


                          (続きは来週サタデ―)

    ≪10日の日経平均 = 上げ +47.29円≫

    【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】 

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-06-12-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第3章 貿易って、なんだろう? ⑦

◇ 日本の輸出額は67兆円 = 太郎さんたちは、大きな島の人たちに魚や肉を売って、赤い貝がらを手に入れましたね。あれが輸出。手に入れた赤い貝がらで、ナイフやおなべを買いましたね。あれが輸入でした。輸出と輸入を合わせて、貿易と言うのです。いまの貿易でも、考え方は同じ。たとえば日本の円は青い貝がら、アメリカのドルは赤い貝がらだと思ってください。

さて、話はぐんと飛びますが、いまの日本はどんな貿易をしているのか、調べてみましょう。10年の日本の輸出額は、67兆4000億円でした。ものすごい金額ですね。最大の輸出相手国は中国、続いてアメリカ、韓国の順です。また品目では自動車などの輸送機械、電気機械、鉄鋼の順となっています。

輸入の合計額は、60兆7650億円でした。最大の輸入相手国は中国、続いてアメリカ、サウジアラビアの順。品目では石油や天然ガスなどの燃料、電気機械、一般機械の順でした。サウジが3番目の輸入相手国になっているのは、石油を輸入しているからですね。

輸出額から輸入額を引いてみてください。6兆6000億円も余りますね。つまり日本は輸出でかせいだおカネを使って輸入しても、まだおカネが余る状態なのです。これを貿易黒字と言います。貿易黒字は将来の輸入に使えますから、貯金のようなものと考えていいでしょう。


                             (続きは来週日曜日)                                                                                                           

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今週のポイント
2011-06-13-Mon  CATEGORY: 政治・経済
ニューヨークの株価が、明らかに何かを訴えている。先週のダウ平均は199ドルの下げ。6月に入ってから上げたのは1営業日だけ。終り値は3か月ぶりに1万2000ドルを割り込んだ。また5月に入ってからは6週間連続で下落、8年10か月ぶりの記録を作っている。いったい、何を訴えているのだろう。

株価が示唆しているのは、アメリカの景気下降。まだ景気後退とまでは行かないにせよ、少なくとも踊り場に入ることを予知していると考えていい。景気回復の鈍化傾向は雇用と住宅の面に象徴されているが、全体として財政・金融面からの浮揚効果が消滅しつつあるためだと思われる。したがって新しい政策が用意されないと、景気の低迷は長引く可能性もないではない。

ダウ続落の影響もあって、世界の株式市場は軒並み下落した。そうした状況のなかで、日経平均は予想外に頑張っている。先週は震災後はじめての4日間続伸を記録した。週間の上げ幅は22円と小さいが、珍しい現象とさえ言えるだろう。割安感復興への期待が株価を支えているが、この傾向がいつまで続くのか。

今週は13日に、4月の機械受注。14日に、4-6月期の法人企業景気予測調査。アメリカでは14日に、5月の小売り売上高と生産者物価。15日に、5月の消費者物価と工業生産。16日に、5月の住宅着工。17日には、ミシガン大学による6月の消費者信頼感指数とコンファレンス・ボードによる5月の景気先行指数。また14日には、中国が5月の消費者物価、生産者物価、小売り売上高、鉱工業生産、固定資産投資額を発表する。


    ≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ

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貿易統計に現れた 大震災の影響
2011-06-14-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 米中の対日輸入が激減 = アメリカ商務省が発表した4月の貿易統計によると、日本からの輸入は通関ベースで88億2800万ドルだった。前月に比べて25.5%の大幅な減少。金額にすると30億1900万ドルの減少で、過去最大になった。特に自動車・同部品は前月比54.4%も減っている。

一方、日本への輸出は52億4200万ドルで前月比9.4%減少した。輸出入ともに減少したのは、大震災で自動車部品などの供給が一時ストップした影響が大きい。FRB(連邦準備理事会)も、このところアメリカ経済が減速している原因の1つに、日本の大震災の影響を挙げている。

中国税関総署が発表した5月の貿易統計によると、全体の輸入額は1441億1000万ドル。前年比で28.4%増大した。しかし日本からの輸入額は7.8%の増加にとどまっている。その半面、EU(ヨーロッパ連合)とASEAN(東南アジア連合)からの輸入が大幅に伸びた。大震災で日本の供給力が落ちた分を、ヨーロッパや東南アジアから調達したためとみられる。

すでに発表されている日本側の統計をみると、4月の輸出総額は前年比12.4%の減少だった。被災地での自動車や電子機械部品の生産はかなり回復してきたが、中国の統計からみる限り5月の輸出も急増はムリかもしれない。日本にとって最大の輸出先である中国とアメリカの今後の輸入動向が、きわめて注目される。


    ≪13日の日経平均 = 下げ -66.23円≫

    ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ

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底入れはしたけれど : 消費者の心理
2011-06-15-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ ショックは消えたが厳しい = 内閣府が発表した5月の消費動向調査によると、一般世帯の消費者態度指数は前月より1.1ポイント改善して34.2となった。改善は4か月ぶりだが、水準自体はまだかなり低い。大震災のショックからは立ち直ったが、消費マインドは冷え込んだままである。

消費動向調査は、全国の6720世帯を対象に「暮らし向き」「耐久消費財の買い時」「収入の増え方」「雇用の環境」を聞いている。それぞれについて「よくなる」「ややよくなる」「変わらない」「やや悪くなる」「悪くなる」を答えてもらい、これに点数を付けて指数化したもの。消費動向の先行きを占うための世論調査と言える。

5月調査の結果は、「暮らし向き」が1.6ポイント、「耐久財」が2.6ポイント、「収入」と「雇用」がともに0.2ポイント改善した。しかし全体としての指数34.2は、水準としてはきわめて低い。3月を4.4ポイント、1月を7ポイントも下回っている。

このため総務省も「消費マインドは依然として厳しい」と判定した。今後も少しずつ改善するだろうが、その動きは鈍そうだ。ただ今回の底だった4月の指数は33.1で、リーマン・ショック時の底だった08年12月の27.4よりは高い。このときは40に戻るまでに9か月かかった。今回はどうだろうか。


    ≪14日の日経平均 = 上げ +99.58円≫

    ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ

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迷走 ⇒ 空中分解へ / 公務員の賃下げ (上)
2011-06-16-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ マニフェストのすり替え = 政府は、国家公務員の給与を引き下げるための関連法案を国会に提出した。その内容は一般公務員の場合、課長・室長職以上は10%、本省課長補佐・係長相当職は8%、係員は5%の給与引き下げを13年度末まで実施する。これに準じて閣僚や副大臣は20%、総理大臣は30%の給与を減額する。平均削減率は7.8%、これにより総人件費を年間2900億円減らすことができる。

一見すると、大変にいい政策のように見える。だが、この法案が国会で成立する可能性はゼロに近い。なぜかというと、法案作りの過程で迷走が続き、関係者との意見調整も満足にできなかったからである。とにかく国会に提出して形を作ればいい。菅首相と民主党執行部は、こう考えているとカンぐられても仕方がない。

民主党は09年の衆院選マニフェストで「国家公務員の総人件費を2割削減。1兆1000億円の節約」を打ち出した。ところが、これまでの成果は昨年1.5%削減して790億円を節約できただけ。そこで大震災が起こると、復興財源を捻出するという名目に切り替えて労働組合側と交渉を始めた。組合側には協約締結権、つまり労使交渉による賃上げの決定方式を提示。一部の組合はこのエサに飛びついて、賃下げに同意した。

マニフェストに掲げた公務員給与の削減は、財政再建を目標にした政策だった。それが復興財源の調達策にすり変わり、3年間だけの賃下げに衣替え。その間の事情は、国民にも全く知らされていない。協約締結権の付与はスト権にも結びつく大問題。野党はもちろん、民主党内からも批判の声が出ている。民主党出身の西岡参院議長は「参院はこの法案を審議しない」と言明するありさまだ。


                                 (続きは明日)

    ≪15日の日経平均 = 上げ +26.53円≫

    ≪16日の日経平均は? 予想 = 下げ

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迷走 ⇒ 空中分解へ / 公務員の賃下げ (下)
2011-06-17-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 民主党の欠陥を象徴 = 最初から大震災の復旧費用に充てるため公務員の給与を減らすというなら、それは結構な話に違いない。すべての国民が重荷を分担するという考え方にも合致する。だが、それは民主党がマニフェストで国民に約束したものとは、全く異なる内容である。それがいつの間にか、すり替わってしまった。

すり替えで賃下げは3年間だけに限定された。しかも、その代償として協約締結権を差し出している。だから3年後には労使交渉によって、給与を決めることになる。マニフェストで約束した公務員人件費の2割削減などは、どこへ行ってしまうのか。こんな重大な政策の変更を、民主党執行部は国民に何も知らせずに決めてしまった。

とにかく将来のことなど考えない、国民を無視した民主党の欠陥がここにも表れている。震災復興のために公務員も身を切ると言えば、国民は感心して賛同すると思ったのだろうか。仮に法案を提出しても、どうせ“ねじれ国会”で成立しないと見越したスタンドプレーならば、最低・最悪の政治だと言えるだろう。

民主党は子ども手当についても、自民党など野党と協議して修正した。高速道路の無料化も、なしくずしに止める方向だ。だが子ども手当にしても高速無料化にしても、マニフェストの変更に関しては国民に一言も説明していない。菅首相は鳩山前首相に「うそつき」呼ばわりされることは心外だろうが、国民には「うそつき」と言われても仕方ないだろう。


    ≪16日の日経平均 = 下げ -163.04円≫

    ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 電力不足を乗り切る ⑦
2011-06-18-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 自動車メーカーは業界ぐるみ = 使用制限令で15%の節電を強制された契約電力500㌔㍗以上の大口需要家は、実にさまざまな工夫をこらして節電を実現しようとしている。たとえば自動車メーカー13社は、全国70か所を超える工場で7-9月は木曜と金曜日を休業。その代わり土曜と日曜日に操業することを決めた。部品工場の多くも、これに追随する見込み。

このほか夏休みの長期化、輪番休日、夜間や休日の操業、営業時間の変更など。また生産拠点や自社の大型サーバーを、西日本に移転するケースも見られる。さらに冷房温度や照明の調整、LED電球の使用。エレベーターの間引き運転から自動販売機の節電まで、いまその準備に大わらわだ。各業種、各企業の節電意識はきわめて高い。

鉄鋼、化学、石油、鉄道の分野では、企業が自家発電の設備を増設する動きが目立っている。関東地方だけで各企業は震災後、こうした自家発電の能力を150万㌔㍗も積み上げた。現在の総発電能力は1640万㌔㍗に達したという。各企業は自分の工場などで使う電力をこれで賄うほか、余った電力を東京電力に売る形で電力不足に協力する。ただ重油の値上がりでコスト高なのが、頭の痛いところだ。

海外のマスコミは、こうした企業の節電に対する積極的な姿勢を驚きの目で見ているという。ただ大口需要家の消費電力量は、総電力消費量の約3割にすぎない。したがって夏の電力不足を克服できるかどうかは、水銀柱の上がり方にもよるが、小口需要家や家庭の節電にかかっていると言える。


                            (続きは来週サタデ―)

    ≪17日の日経平均 = 下げ -59.88円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】  

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-06-19-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第3章 貿易って、なんだろう? ⑧

◇ 世界の輸出額は15兆ドル = 最後は、世界の貿易についての勉強です。2010年の世界貿易は、輸出も輸入もそれぞれ約15兆ドルでした。日本の円にすると、約1200兆円です。最大の輸出国は中国、続いてドイツ、アメリカ。日本は第4位でした。輸入の方からみると、最大はアメリカ、続いて中国、ドイツ、フランス。日本は第5位でした。

世界の国々は、どうしてこんなに貿易をするのでしょうか。それは自分の国でたくさん作れるものを輸出し、足りないものをよその国から輸入することによって、人々の生活が便利になり、豊かになるからです。太郎さんたちと大きい島の人たちも、そうでしたね。

太郎さんたち4人は魚をとる人、けものを捕まえる人、野菜を作る人、大工仕事をする人に分かれましたね。それぞれが得意なことをしたからです。これを「分業」と言います。世界の貿易でも、それぞれの国が得意な商品を輸出し、足りないものを輸入しています。これを「国際分業」と言います。

先進国は工業が進んでいますから、機械などの輸出が多いのです。発展途上国は農産物や石油などを、たくさん輸出しています。先週の勉強で、日本は輸出でも輸入でも電気機械や一般機械が多いと説明しました。でも日本の輸出品は作るのがむずかしい機械や部品。輸入品はそれを使って組み立てた機械が多いのです。


                             (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2011-06-20-Mon  CATEGORY: 政治・経済
アメリカの景気不安、ギリシャの財政不安、中国の引き締め不安。ウォール街は、この3つの不安に縛られている。先週は独仏の首脳が「ギリシャへの追加支援を早く決める」ことで一致、ダウ平均は7週間ぶりに値上がりした。だが週間の上げ幅は52ドルにとどまっている。アメリカと中国の不安が頭を抑えているからだ。

日経平均の方は、この3つの不安に加えて政局不安と原発不安を抱えている。先週は163円の値下がりだった。終り値の9351円は、震災直後の2月18日以来の安値。日経平均はPBR(株価純資産倍率)がきわめて低いという好条件を持っているが、5つの不安材料に押されて上げ切れない。

大きな不安材料が顔を揃えたため、国際商品相場も鎮静化している。原油やトウモロコシ、あるいは金市場への資金流入も細ってきたという。原油や食料価格の反落は、日本経済にとってはプラス材料。この傾向を投機の行き過ぎ是正とみるか、世界同時不況の前触れとみるかの判断はむずかしい。

今週は20日に、5月の貿易統計。21日に、4月の全産業活動指数。24日に、5月の企業向けサービス価格が発表になる。アメリカでは21日に、5月の中古住宅販売。23日に、5月の新築住宅販売。24日には1-3月期GDP統計の確報値が発表される。また20日にはユーロ圏財務相会議、23日にはEU首脳会議が開かれる。ギリシャ問題が鎮静化するかどうか。


    ≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ

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自動車と原油 : 貿易赤字の2大要因
2011-06-21-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 5月下旬は2000億円の黒字 = 財務省が20日発表した5月の貿易統計によると、輸出は4兆7600億円で前年比10.3%の減少。輸入は5兆6100億円で12.3%の増加。この結果、貿易収支は8500億円の赤字だった。この赤字額は4月の4600億円を大きく上回り、リーマン・ショック後の09年1月に次ぐ過去2番目の記録である。

輸出の減少は、自動車が前年比で38.9%も落ち込んだことが大きい。また輸入の増大は、原油など鉱物性燃料が25.2%も増加したことが響いている。言うまでもなく、自動車の輸出減少は震災で部品の供給が滞ったため。原油の輸入増は原発事故で、火力の発電量が急増したためだ。

地域別の輸出をみると、アメリカ向けが14.6%、EU向けが8.8%、アジア向けが8.7%と軒並み減少した。アジアのうち中国向けも8.1%減少している。ただアメリカ向けとEU向けは、減少率が4月よりも縮小した。一方、輸入面では中東からの輸入金額が22.0%も伸びた。

ただ輸出は急速に立ち直っている。たとえば自動車の輸出は4月の前年比67.0%減少からみれば、減少率を大きく縮小した。また5月上中旬の貿易赤字は1兆0500億円に達していたが、月間では赤字幅が縮小した。つまり下旬には約2000億円の黒字になったわけである。原油価格が下落していることもあって、6月の貿易収支は劇的に改善すると期待できるだろう。 


    ≪20日の日経平均 = 上げ +2.92円≫

    ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ

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利上げで景気は減速へ / 中国経済
2011-06-22-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 引き締め強化しかない = 中国の国家統計局が発表した5月の消費者物価は、前年比で5.5%の上昇だった。この伸び率は2年10か月ぶりの高さ。中国政府が目標として掲げた4%の上限を、8か月連続で上回っている。人民銀行は直ちにことし6回目の預金準備率引き上げを実施したが、政策金利の引き上げも不可避だろう。

物価のなかでも、特に食料品の価格が11.7%も高騰した。中国人の食生活に欠かせない豚肉は40%も高騰している。また地域別にみると、都市部が5.3%の値上がりだったのに対して、農村部では6.0%上昇した。所得の低い農村部で食料品が上がると、社会不安に直結しやすい。現に広州の近郊では、生活苦が引き金になったとみられる暴動が発生している。

物価の高騰を抑えるため、中国政府・人民銀行はこれまでにも預金準備率を毎月のように引き上げ、政策金利も昨年10月から4回にわたって引き上げてきた。このため最近では景気にやや減速感が出ている。5月の数字を3月と比べると、鉱工業生産は1.5ポイント、小売り売上高は0.5ポイント低下した。自動車や家電の売れ行きにも、やや陰りが生じている。

しかし、この程度の景気減速では物価の高騰を抑え切れない。だが財政支出を絞れば、失業者が増大してしまう。またアメリカや日本などの経済停滞で輸出も伸び悩んでいるから、元相場の切り上げにも慎重になっている。残るは金融引き締めのさらなる強化だけ。成長率や景気を犠牲にしても、物価の抑制に専念せざるをえないところにまで追い込まれたようにみえる。


    ≪21日の日経平均 = 上げ +105.34円≫

    ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ

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国家の破産! : 瀬戸際のギリシャ経済
2011-06-23-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 12票差で新内閣を信任 = ギリシャ国会は22日未明、パパンドレウ改造内閣を12票差の賛成多数で信任した。これにより新内閣は28日にも中期財政再建計画を国会で採決、承認を求める予定。だが野党や国民の多くはこの財政再建計画に反対しており、首都アテネでは連日のように大規模なデモが続いている。

深刻な財政難に陥ったギリシャに対して、EU(ヨーロッパ連合)とIMF(国際通貨基金)は昨年5月、総額1100億ユーロ(約12兆6000億円)の金融支援を決めた。その条件はギリシャによる徹底的な財政支出の削減。ところが緊縮財政の実行は遅々として進まない。そこで今週開いたEU財務相会議では「中期財政再建計画が国会で承認されなければ、7-9月分の金融支援を行わない」と決め、ギリシャ側に通告した。

パパンドレウ首相は財政再建に反対の閣僚を切って内閣を改造、その信任をなんとか取り付けたわけである。財政再建計画の国会による承認も、僅差で乗り切れる見通し。そうなればEUとIMFによる120億ユーロの融資も実行される。だが問題は、財政再建計画が実際に進むかどうかだ。

2015年までに財政の健全化を確実に進める。そのためには公務員の定員と人件費の大幅な削減、銀行や鉄道など国営企業の大半を民営化、年金の圧縮、増税・・。多くの国民が反対しているから、財政再建のための個々の法案が国会で成立する見通しは不透明。3か月後に再び同様の混乱が生じると、金融支援は停止される可能性も。そのときギリシャは国債の償還ができなくなり、国家として破産することになる。


    ≪22日の日経平均 = 上げ +169.77円≫

    ≪23日の日経平均は? 予想 = 下げ

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原発の再開要請は 拙速の見本だ!
2011-06-24-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 1基ずつの安全証明を = 海江田経済産業相は「全国の原子力発電所について安全対策が完了した」と発表、定期検査が終わった原発の再稼働を地元に要請する意向を表明した。菅首相もこれに同調し「安全性が確認された原発は稼働して行く」と述べている。しかし政府のこの姿勢は、全く拙速の見本。これでは地元や国民の理解を得ることは難しい。

定期検査を終えた原発が再稼働しなければ、来年春には54基の原発がすべて運転を停止する。そうなれば電力の供給力が約3割も低下し、国民生活や産業活動に甚大な影響を及ぼす。だから再稼働させなければならない。この考え方は十分に理解できる。だが、ほんとうに安全なのかどうか。政府はその説明をしていない。

政府はIAEA(国際原子力機関)に提出した事故報告書のなかで「安全対策の抜本的な見直しが不可避だ」と述べ、たとえば津波の最大の高さを想定したり、複数の原子炉が並んでいる場合は個々の操作について独立性を確立することの重要性を列挙している。だが全国の原発で、こうした見直しが完了したとは思えない。

海江田経産相も「短期の安全対策が完了したので」と言っている。だから本格的な対策はまだだが、応急措置が済んだので再稼働してもらいたいと言っているだけだ。これでは世論の納得はむずかしい。この際は数基の原発について本格的な改修を行い、1基ずつの安全性を証明して再稼働して行く方が賢明ではないのか。


    ≪23日の日経平均 = 下げ -32.69円≫

    ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 電力不足を乗り切る ⑧
2011-06-25-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 小口需要家には節電計画を要請 = 契約電力が500㌔㍗以上の大口需要家に対して、契約電力が500㌔㍗未満の使用者を小口需要家と呼んでいる。この小口需要家は数が多い。このため電力使用量も大きく、東京電力の場合は消費量全体の36%を占めて大口需要家の使用量を上回っている。使用制限令による罰則規定はない。

企業の規模は大小さまざま。業態も多岐にわたっているから、業界ぐるみの対応はむずかしい。ある意味では、大口需要家よりも複雑な対応を迫られるケースが多い。たとえば部品の製造工場では、自動車メーカーが木曜と金曜日を休業しても、それに合わせられないところがある。というのも、この部品工場では自動車向けばかりではなく、電機メーカーなどにも出荷しているからだ。

そこで政府は、代表的な8つの業種について「節電のための計画書」を作成。各企業はこれを基に節電計画を作って、公表するように求めている。代表的な8つの業種は、オフィスビル、卸・小売り、スーパー、医療機関、ホテル・旅館、飲食店、学校、製造業。

具体的には空調・照明・OA機器・エレベーター・ショウケース・自動販売機などの節電。営業時間の変更や短縮、夏休みの延長・分散化。これらを組み合わせることによって、7-9月の平日9時ー20時の電力使用量を15%節約するよう要請した。事業者の意識はおおむね高いが、結果はやってみないと判らない面もある。


                         (続きは来週サタデ―)

    ≪24日の日経平均 = 上げ +81.97円≫

    【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-06-26-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第3章 貿易って、なんだろう? ⑨

◇ 貿易を自由にする流れ = 貿易の拡大は、世界中の人たちの仕事をふやしたり、生活を豊かにします。そこで世界の国々は貿易をさらに拡大させれるための話し合いをしています。貿易がしにくいような制度を各国がなくして行く。これを自由貿易と言います。

自由貿易の進め方には、世界中の国々が参加して話し合う方法。2国間で決める方法、数か国で交渉する方法があります。その内容もこれまでは輸入品にかける関税の引き下げや撤廃が中心でしたが、いまではおカネや人の流れを自由にする話し合いも行われています。

日本の経済にとって貿易がどれほど大事かは、あの東日本大震災の結果からもよく判ります。東北地方の工場が被災したため部品の供給が不足し、自動車や電機製品の生産が大幅に減ってしまいました。このため輸出も激減し、たとえば5月の輸出は昨年より1割以上も少なくなったのです。景気は急に悪くなりました。

また東北地方で自動車の部品を造っていた工場が被災したため、アメリカや中国、東南アジアやヨーロッパの自動車メーカーまでが、生産台数を減らす結果となりました。日本の一工場が貿易を通じて、世界各国の経済と深い関係を持っていたことに、人々はびっくりしたのです。いま震災の復興は順調に進んでおり、秋までには元の状態に戻せるでしょう。


                             (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2011-06-27-Mon  CATEGORY: 政治・経済
今週は震災後の急速な復旧を示す経済指標が、いくつか発表される。28日には、5月の商業販売統計。29日には、5月の鉱工業生産。30日には、5月の自動車生産と住宅着工戸数。そして1日には、5月の雇用統計、家計調査、消費者物価。6月の日銀短観、新車販売台数が発表になる。このうち鉱工業生産と自動車の生産・販売、それに短観はV字型の回復を裏付ける内容になりそうだ。

ダウ平均は先週やや不可解な動きをみせ、週間で70ドル値下がりした。IEA(国際エネルギー機関)が石油備蓄の協調放出を決めたため、原油価格が急落。アメリカ経済にとっては朗報だったが、株価は売り込まれた。逆にギリシャ政府が国会で信任されて当面の危機は回避できそうだが、将来展望は全く開けない。にもかかわらず、このニュースで株価は上昇した。

ニューヨークが予想外の動きをみせたのに対して、日経平均は常識的に動いて週間327円値上がりした。300円を超す上昇は3月下旬以来のこと。今週は利益確定の売りが先行するかもしれないが、経済指標に引っ張られて水準を切り上げる可能性もありそうだ。

アメリカでは28日に、SPケースシラーの4月の住宅価格とコンファレンスボードによる6月の消費者信頼感指数。1日には、6月の新車販売台数。またユーロ圏は30日に、6月の消費者物価。1日に、5月の雇用統計を発表する予定。なお1日には、EUと韓国の間でFTA(自由貿易協定)が発効する。


    ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ

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4歩下がって 3歩上がる / 今年度の企業業績 
2011-06-28-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ ただし5つの不定愁訴 = 企業の3月期決算発表は、いま花盛り。日本経済新聞が25日までに発表された上場会社1533社について来年3月期の見通しを集計したところ、上期(4-9月)の連結経常利益は前年同期比で32%の減益に。ただ下期(10-3月)は24%の増益となり、V字型の回復になる見込み。4歩下がって3歩上がる形が、目に見えてきた。

形としては4分の3の回復だが、下期の方が利益の額が大きいため通期としては6%の減益にとどまる見通し。予想利益は22兆7600億円になる。この水準は10年3月期の15兆5300億円を大きく上回るから、この予想通りになれば企業は業績面で震災の打撃をほぼ克服することになる。

業種別にみると、自動車・同部品が上期の93%減益から下期は56%の増益へ。電機は47%減益から60%増益へ。鉄鋼も67%減益から53%増益へと急回復する。このうち自動車と鉄鋼は通期で減益となるが、電機は増益を確保する見込み。

ただ下期にかけては、心配な要素もないではない。1つはアメリカ経済の不況入り、2つは中国経済の減速、3つはギリシャを中心とするヨーロッパの財政危機。あとは国内問題で、原発事故と電力不足、それに政治の混迷と政策の停滞。この5つの不定愁訴を乗り越えられるか、楽観は禁物のようだ。


    ≪27日の日経平均 = 下げ -100.40円≫

    ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ

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泥沼の住宅産業 / アメリカ (上)
2011-06-29-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 元凶は中古市場の在庫増加 = アメリカの住宅産業が、どうしても泥沼から這い上がれない。たとえば5月の統計をみると、新築1戸建ての販売件数は年率換算で31万9000戸。前月の実績を2.1%下回った。中古住宅は年率481万戸で3.8%の減少。着工戸数は年率56万戸で3.5%の減少というぐあい。あのリーマン・ショックから間もなく3年というのに、回復の兆しは感じられない。

3年前のいまごろは、全米が住宅バブルに酔いしれていた。目いっぱいローンを組んで家を建てても、住宅価格がどんどん上がる。それを売って、もっと大きい家を建てる。借り手も貸し手も値上がりゲームを楽しんでいた。その夢を破ったのが08年9月に起きたリーマン・ブラザース社の倒産。そこから不動産価格は、一気に急坂を転げ落ちた。

不況で失業者が急増。ローンが払えないから、自宅が差し押さえに。金融機関は差し押さえた物件を売りに出すから、中古住宅の売り物が急増。価格は低落した。その状況がほとんど改善しない。たとえば中古住宅の売り物件は、最近でも月間販売件数の9.2倍に達する。価格はいまだに下げ止まらない。この3年間で半額以下になった例も珍しくないという。

中古市場がこんな状態だから、新築住宅も元気がない。新しく住宅を建てようと考える人も増えない。住宅の抵当証券を切り刻んで売りさばいたサブプライム・ローン。そのツケは結局、住宅産業と自宅を差し押さえられた人々に回ってきた。しかも、そのツケは3年たっても消え去らず、アメリカ経済に大きな重荷となっている。


                                 (続きは明日)

    ≪28日の日経平均 = 上げ +70.67円≫

    ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ

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泥沼の住宅産業 / アメリカ (下)
2011-06-30-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 景気減速の結果か原因か? = アメリカの景気が減速し始めたので住宅市場は二番底に陥りつつある、という見方がある。また住宅産業の回復が遅れているために景気が減速し始めた、という意見もある。おそらくは両方とも正しいのだろう。そして最近は、後者の「住宅が景気悪化の原因」説が強まっているようだ。

いずれにしても景気がよくなって住宅を購入する人が増え、差し押さえられる住宅が減らなければ、市場は回復しない。だがアメリカの政府も中央銀行も、いまは景気対策を打ち出す余裕がない。政府は債務残高が法律で決められた上限に達し、野党がその上限の引き上げに反対しているため新規の国債を発行できない。

FRBは先週、量的緩和を目的とした国債の買い入れを6月末で終了すると発表した。昨年11月から始めたこの国債買い入れで大量の通貨が市中に流れ出し、ガソリン価格の上昇などで国民生活が圧迫されることを心配したためである。だが、この措置は、住宅にとってはマイナス。市場の回復はさらに遅れるかもしれない。

このため関係者の間では、住宅市場の回復は「年内は難しい」「数年かかるかもしれない」といった見方が流れている。となると、来年11月には大統領選挙。選挙戦の大きな争点に、この住宅問題が浮かび上がってくる可能性さえ出てきた。オバマ大統領にとっても、頭の痛い問題になっている。


    ≪29日の日経平均 = 上げ +148.28円≫
    
    ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ

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