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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
生産の急回復を 復興景気につなげよう
2011-07-01-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 政府・与野党は考えているのか = 経済産業省の発表によると、5月の鉱工業生産は前月比5.7%の大幅な増加となった。この増加率は朝鮮動乱の最中だった1953年3月以来58年ぶりの大きさだというから、半端ではない。言うまでもなく震災による供給網の寸断が復旧したためで、全体の生産水準は震災前の9割にまで回復した。

東北・関東の被災地だけをみると、増加は18.8%に達する。被災地以外は4.5%の増加だった。業種別では、特に自動車を中心とする輸送用機械工業が前月より36.4%も増加した。一般機械工業も5.3%増加して、こちらは震災前の水準を上回っている。11業種が上昇、5業種が低下した。低下したのは鉄鋼、電子部品・デバイスなど。

同時に発表した今後の予測をみると、6月は5.3%の大幅増加、7月は0.5%の増加となっている。この予測通りになると、7月の生産水準は震災前の96%にまで回復する計算だ。大震災からの復旧は、きわめて順調に進んでいる。ただ復旧が進めば、生産の増加テンポは当然ながら勢いが鈍ってくる。

復旧の勢いを失わせず、これを復興景気につなげることが非常に重要だ。そのためには、復興に必要な予算を早急に成立させることが肝要。だが、いまの政治状況では本格的な復興予算の成立は秋以降になってしまう心配がある。政府・与野党は、景気の先行きについて何を考えているのだろうか。


    ≪30日の日経平均 = 上げ +18.83円≫

    ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 電力不足を乗り切る ⑨
2011-07-02-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 家庭の節電は気遣いから = 昨年7月23日午後3時、東京電力管内の電力使用量は5999万㌔㍗のピークを記録した。その時点での家庭の使用量は1800万㌔㍗で、全体のちょうど30%を占めている。政府は家庭に対しても15%の節電を要請しているが、ここから計算すると昨年並みの猛暑の場合でも、家庭は270万㌔㍗を節約すればよいことになる。

東京電力管内の家庭は、世帯数にして約2000万軒と非常に多い。しかも近年は電化製品の普及が進み、40年前に比べると電力消費量は約5倍に増えている。これらの世帯が平均150㍗ずつの節電に成功すれば、それだけで300万㌔㍗、原発3基分の電力使用が減少する。このため政府も家庭の節電を重視「家庭向けの節電対策メニュー」を作成した。

それによると、たとえばエアコンを使わず扇風機で過ごすと節電効果は50%。エアコンの設定温度を28℃にすると11%。日中は照明を消し、夜間も最小限にすると5%。冷蔵庫の温度設定を「強」から「中」に下げると2%。電気製品の主電源を切ると2%。便座の保温・温水を使わないと1%など。これらを組み合わせて15%の節電を達成してほしいと訴えている。

このほか省エネ効果の高い新しい電気製品やLED電球の導入でも、節電はできる。さらに家庭の場合は、たとえば家族がなるべく一部屋に集まったり、洗濯や掃除を早朝・深夜にやることでも効果がある。こまめに電機のスイッチを切る習慣も大切だろう。家庭の節電は、なによりも気遣いが大事になる。


                           (続きは来週サタデ―)

    ≪1日の日経平均 = 上げ +51.98円≫

    【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】 

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-07-03-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第4章 物価って、なんだろう? ①

◇ 品物に値段を付ける = 太郎さんたちは、はじめ物々交換をしていましたね。物と物とを取り替えっこするやり方です。たとえば魚3尾とうさぎ1羽を交換したわけです。ところが、野菜3たばをうさぎ1羽と交換するとき、どう計算するのでしょう。

野菜3たばで魚1尾。魚3尾でうさぎ1羽。ですから、ええっと野菜9たばで、うさぎ1羽になります。こんなめんどうな計算をしなくてもいいように、4人は美しい青い貝がらをおカネにしたのでした。これで魚1尾=青い貝がら1枚、うさぎ1羽=貝がら3枚、野菜3たば=貝がら1枚ということになり、計算がとても楽になったのです。

青い貝がらを、いまみんなが使っている100円玉と考えてみてください。魚は100円、うさぎは300円、野菜は3たばで100円ということになりますね。このように、おカネを使って経済活動をすること。これを貨幣経済と言うことは、前に勉強しました。

貨幣経済では、1つ1つの品物に値段を付けることができます。そうすることで、1つ1つの品物の値打ちがはっきりします。おカネであらわした品物の値打ち、それが物の価格。つまり物価です。

    
                             (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2011-07-04-Mon  CATEGORY: 政治・経済
ニューヨーク市場が、急激に輝きを増した。ダウ平均は先週5日間の連騰、週間648ドルも値上がりした。この週間上げ幅は08年11月以来の大きさである。ギリシャ国会が財政再建計画を可決したことに加えて、アメリカの景気見通しが好転したことが、買いの原動力になった。今週末に発表される6月の雇用統計が改善を示せば、この勢いはさらに持続する可能性が大きい。

景気見通しが好転したのは、製造業の景況感が予想よりも強かったこと。ガソリン価格が下がったこと。またFRBの量的金融緩和が終わって、むしろ実体経済の健全性が再認識されたこと。さらに東日本大地震によって遮断された部品の供給網が復旧したことなど、いくつかの好材料が重なって現れたためである。

日経平均も震災からの復旧を映して、先週は185円値上がりした。終り値は9868円まで来たから、今週は1万円に挑戦する可能性もないではない。相変わらず国内投資家の利益確定売りに押される場面もありそうだが、最大の要因はやはりニューヨークしだいとなりそうだ。

今週は5日に、5月の毎月勤労統計。6日に、5月の景気動向指数。7日に、5月の機械受注。8日に、6月の景気ウォッチャー調査が発表される。アメリカでは6日に、ISM非製造業景況感指数。8日に、6月の雇用統計。この2つの経済指標が改善の方向を示せば、ダウも日経平均も強気の流れに乗れるだろう。


    ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ

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消費税10% : 民主党のお粗末
2011-07-05-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大騒ぎした結果は = 政府・与党は6月30日「社会保障と税の一体化改革案」をやっと決定した。消費税引き上げに対する民主党内の抵抗が強く、ほとんど6月中を議論に費やした感じが濃い。その結果、最終的にモメたのが増税を実施する時期についての文言だった。

政府の原案は「消費税を2015年度までに10%まで引き上げる」という表現。これが強い抵抗にあって「10年代半ばまでに段階的に10%まで引き上げる」という文面に書き換えられた。ふつうの国民に、この2つの文章の違いを理解できるだろうか。震災の復興に全力を挙げるべきときなのに、与党の議員はこんなことで争っている。醜態と言うべきだろう。

改革案の全文を読んでみると、消費税の引き上げで「15年度段階での財政健全化目標の達成に向かう」とも書いてある。ここから見る限り、15年度には増税が実施されていなければおかしい。書き直すのを忘れたのか、それとも目をつぶったのか。とにかく、お粗末と言うべきだろう。

また消費税の引き上げについては「経済状況を好転させること」が条件として加えられた。だが、これは言わずもがなのこと。不況の最中に増税はできない。むしろ条件を付けるのなら、たとえば「実質成長率が2%を超えている場合」とか、具体的に示した方がよかった。この改革案、国民新党の反対もあって、政府は閣議決定をすることができない。


    ≪4日の日経平均 = 上げ +97.02円≫

    ≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ

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短観が教える 景気の先行き懸念
2011-07-06-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 回復は持続するのか? = 日銀が発表した6月の企業短期経済観測調査は、景気の現況をきわめて正確に反映している。それによると、大企業・製造業の業況判断DIはマイナス9で、3月調査から15ポイントも悪化した。しかし3か月先の予想DIはプラス2まで改善する。震災で大きく落ち込んだあとは、V字型の回復が見込まれるわけだ。

典型的な動きをみせたのは自動車業界。3月調査より75ポイントも低下して、マイナス52まで落ち込んだ。それが3か月後には58ポイント改善して、プラス6にまで復元する見込み。被災による影響がいかに大きかったか。また、その後の復旧がいかに急速に進んでいるか、を的確に表していると言える。

ところが大企業・製造業のV字型回復は結構だとしても、非製造業や中小企業の状態はきわめて心配だ。大企業・非製造業の業況判断DIは8ポイント下がってマイナス5に。3か月後の予想DIもマイナス2にまでしか改善しない。中小企業の場合はもっと深刻。全産業ベースで今回の業況判断DIはマイナス24、それが3か月後も全く改善しない見通しとなっている。

大企業・製造業の業績は生産設備や輸送手段が復旧すれば、それなりに回復する。しかし非製造業や中小企業の場合は、放射能汚染や風評被害、あるいは消費者の節制ムードに影響されている部分が少なくない。この点を見過ごし放置しておくと、秋以降の景気は停滞してしまう危険性がある。政府は復興対策を急ぐと同時に、景気についても十分な施策を講じる必要があるのではないか。


    ≪5日の日経平均 = 上げ +7.37円≫

    ≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ

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韓国に負けっぱなし / 貿易戦略 (上)
2011-07-07-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ EUとの自由化協定が発効 = ゴルフやサッカーの話ではなく、貿易政策の話。韓国とEU(ヨーロッパ連合)との間で7月1日、FTA(自由貿易協定)が発効した。今後7年以内に輸入関税のほとんど全部を、相互に撤廃するという大胆な内容だ。

EUは自動車部品の輸入関税4.5%とリチウム電池の関税4.7%を直ちに撤廃する。これによって、たとえば韓国がEU域内で生産する自動車は4.5%のコストダウンに。日本車の場合は部品を輸入すると4.5%の関税がかかってしまう。これまでも割高だった日本車は、韓国車との価格競争でさらに不利とならざるをえない。

またEUは3年以内に中・大型乗用車の輸入関税10%を、5年以内に小型乗用車の関税10%とカラーテレビの関税14%を段階的に撤廃する。実現すれば、乗用車とカラーテレビの価格競争力は大幅に強くなる。その分だけ日本製品のEU向け輸出は抑えられることになる。

韓国が結んだFTAはこれで6件目。日本の11件よりは少ない。だが貿易総額に占めるFTA相手国の比率は、日本の37%に対して韓国は61%。つまり日本に比べると、韓国は重要な貿易相手国との間でFTAを結んできたと言える。さらに韓国はアメリカともすでに締結、批准待ちの状態。中国とも近く交渉を始める予定。日本は大きく水をあけられてしまった。


                                   (続きは明日)

    ≪6日の日経平均 = 上げ +110.02円≫

    ≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ

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韓国に負けっぱなし / 貿易戦略 (下)
2011-07-08-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 世論を“開国”で統一 = 韓国・EUのFTA締結は、日本の輸出がEU市場で不利になるだけではない。当然ながら、韓国市場ではEU企業が有利になる。同様のことがアメリカや東南アジア諸国との関係でも生じることになるから、その影響の大きさは計り知れない。

こうした韓国のFTA重視作戦は、遠大な国造り構想に基づいて着々と進められてきた。韓国政府は03年に「貿易の拡大なしに韓国経済の発展はありえない」という基本政策を決定。それから韓国にとって重要な貿易相手国を選定して、次々とFTA交渉を成功させてきた。その結果、FTA締結国との貿易額は、締結前に比べて平均7割も増えている。

最初は農民の大反対に会って、国内は連日のデモで騒然とした。日本と同様、韓国の場合も貿易の自由化にとってのアキレス腱は、生産性の低い農業問題だった。それを政府は200回を超える公聴会の開催で説得、巨額の農業支援を行うことで乗り切っている。

李明博大統領は「いまや韓国の経済領土は世界一だ」と豪語する。さらに45か国との間でFTAを結ぶつもりだとも語っている。この間、日本は無為無策。貿易戦略では、完全に韓国に遅れをとってしまった。この遅れを取り戻すことは容易ではない。なにしろ政府も民主党も自民党も、そういう問題意識さえ持っていないように感じられるからだ。


    ≪7日の日経平均 = 下げ -11.34円≫

    ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 電力不足を乗り切る ⑩
2011-07-09-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 停電すれば被害は大きい = 電力不足が経済に与える影響は測定しにくい。東京電力管内の電力消費量を業種別にみると、1日当たりの平均使用量は自動車・電機などが4617万㌔㍗時。次いで化学が2470万㌔㍗時、鉄鋼が1753万㌔㍗時、鉄道が1726万㌔㍗時、食品が1530万㌔㍗時などとなっている。

ふつうに考えれば、使用量が多い業種ほど電力不足の影響を受けやすい。だが業種によって、節電をしやすいかどうかが大きく変わってくる。また一般に鉄鋼や化学メーカーの多くは、大型の自己発電設備を保有している。全体として電力不足は経済や産業活動にマイナスの影響を与えるが、その程度を業種別に計算することは困難だ。

節電の努力にもかわわらず電力の供給力が需要を下回り、じっさいに停電が起きればマイナスの影響はかなり大きくなるだろう。3月には生産活動が急減したが、その6割は計画停電によるものだったという試算もある。したがって電力不足の経済的な影響は、停電が起こるかどうかにかかっていると言える。

個人消費に対する影響も測定しにくい。扇風機やLED電球などの節電グッズが売れたり、退社時間の繰り上げで飲食店の売り上げが伸びたりする効果もある。その一方で節電意識が一般的な節約ムードにつながっている点も見逃せない。またLNG(液化天然ガス)などの輸入増加で、貿易収支の黒字は圧縮される傾向が続くと考えられる。


                            (続きは来週サタデ―)

    ≪8日の日経平均 = 上げ +66.59円≫

    【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-07-10-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第4章 物価って、なんだろう? ②

◇ 需要と供給で決まる = 南の島では、あらしがくると海がにごってしまいます。このため太郎さんが一生懸命に働いても、魚が獲れにくくなってしまいます。ところが次郎さん、三郎さん、四郎さんがやってきて、魚を買いたいと言いました。

そこで太郎さんは、いつもなら青い貝がら1枚で売っていた魚を、貝がら2枚でも買いたいという人に売ることにしました。次郎さんと四郎さんは貝がら2枚で魚を買いましたが、三郎さんは買いませんでした。

あらしはおさまって、魚はまた獲れるようになりました。ところが、こんどは大きな島の人たちがおおぜい魚を買いにやってきたのです。魚はそんなにたくさんありません。そこで太郎さんは、また魚1尾を貝がら2枚で売ることにしました。

魚を買いたい人たちの希望、これを経済の用語では「需要(じゅよう)」と言います。また売る魚がどれだけあるか、これを「供給(きょうきゅう)」と言います。供給が少なくなったり、需要が大きくなると、物の値段は上がることが多くなるのです。
  

                             (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2011-07-11-Mon  CATEGORY: 政治・経済
アメリカの雇用統計が市場を振り回した1週間だった。最も注目度が高い非農業雇用者数について、週の前半に発表された専門家の予想は平均で10万人の増加。さらに木曜日には雇用サービス会社ADPの調査で15万7000人の増加になったことが伝わり、市場は盛り上がった。ところが金曜日に発表された労働省の雇用統計では、なんと増加は1万8000人にとどまった。

事前の予想が、こんなに狂うことも珍しい。株価も大幅に下げたが、それでもダウ平均は週間74ドルの上げ。今週から始まる4-6月期の決算発表への期待が、株価を下支えしたようだ。11日の非鉄大手アルコアを皮切りに今週発表される決算の内容がよければ、ダウ平均は年初来高値を目指すことになる。

日経平均も先週は270円の値上がり。1万円台を回復して、一時は震災直前の水準にまで戻している。こちらも年初来高値を目指すことになるが、この3週間で800円近くも上げたことから、一気に上昇するかどうかは微妙。アメリカや中国の株価しだいということになりそうだ。

今週は11日に、6月の消費動向調査。12日に、5月の第3次産業活動指数と6月の企業物価。アメリカでは12日に、5月の貿易統計。14日に、6月の小売り売上高。15日に、6月の工業生産と消費者物価、それにミシガン大学による7月の消費者信頼感指数が発表になる。また15日には、中国が6月の生産、小売り高、消費者物価、固定資産投資、さらに4-6月期のGDP速報を発表する予定。


    ≪11日の日経平均は? 予想 = 下げ

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閣議を テレビ中継せよ
2011-07-12-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 機能不全の状態に = 閣議は総理大臣以下の全閣僚が集まり、重要な案件を決定したり承認する会議。毎週火曜日と金曜日の午前中、官邸の閣議室か国会内の閣議室で開かれる。情報の交換や閣内の意思統一も、その機能の一環だ。ところが最近は、機能不全の状態に陥っているようにみえてならない。

たとえば原子力発電所の再稼働問題。海江田経済産業相が6月18日、突如として全国の原発に「安全宣言」を出したことで火が付いた。これは海江田経産相のフライイング。どう考えても時期尚早だし、説得力にも欠けていた。経産省によると、現在の法律では「原発の再稼働は経産相が決める」ことになっている。だから決して越権行為ではなかったという。

だが海江田経産相は、こんな重要な問題を閣議で報告していない。そして翌日の19日には「海江田氏と同じ思いだ」と述べていた菅首相が7月6日になると、一転して「ストレステストを実施する」と発表したから、問題は複雑怪奇に。その後も海江田経産相が「テスト中でも再稼働は可能」と発言、細野原発相は「テスト終了後に再稼働」と閣内は分裂状態だ。

こうした状況証拠からみると、日本の経済や国民生活に重大な影響を及ぼす原発の再稼働問題について、閣議では報告も情報交換も議論も行われていないことが判る。では、いったい何を話し合っているのだろう。この際、思い切って閣議の場にテレビ・カメラを入れたらどうだろう。1人ひとりの大臣について、国民が自分の目線で評価できるようになる。


    ≪11日の日経平均 = 下げ -68.20円≫

    ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ

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アメリカ雇用統計の 謎 (上)
2011-07-13-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 事前予測を激しく下回る = 米労働省が発表した6月の雇用統計。非農業雇用者の前月比増加数が1万8000人にとどまり、関係者に大きな衝撃を与えている。それというのも事前の予想は大幅な増加だったからで、景気の見通しも楽観から悲観に暗転してしまった。先週末のニューヨーク株式市場も、この発表を受けて大きく下げている。

アメリカの景気動向は、雇用状況に左右されると言ってもいい。雇用者が増えなければ、個人消費の伸びは望めない。失業者が減らなければ、金融機関による住宅の差し押さえが続き、住宅市況の改善は困難だ。このためオバマ大統領をはじめ、経済界や一般国民も「そろそろ雇用情勢にも光が」と期待を強めていた。

そんなときに発表された事前の予測は、6月の雇用者数は大幅な増加という内容。たとえば民間エコノミストは、平均で約10万人の増加と予想していた。さらにADP(オートマチック・データ・プロセッシング)という専門会社が、直前になって15万7000人の増加という予測を発表した。

ADPという会社は、給与計算の代行会社。全米50万社から2400万人分の委託を受けている。このデータを基に毎月、非農業雇用者の増減を予測している。過去の成績をみると、結果は必ずしも良好とは言えない。しかし今回のような大間違いも珍しい。雇用統計をめぐるナゾである。


                                 (続きは明日)

    ≪12日の日経平均 = 下げ -143.61円≫

    ≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ

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アメリカ雇用統計の 謎 (下)
2011-07-14-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 空洞化が進行している? = 米労働省の資料によると、非農業雇用者数は2-4月の平均で21万5000人ずつ増加していた。それが一転して、わずか1万8000人の増加に減退。市場が驚いたのもムリはない。民間の雇用者数は5万7000人増加したが、政府の雇用者数は3万9000人減った。特に財政難に悩む地方政府の雇用削減が大きかった。

失業者数は1409万人で、前月より17万3000人増加した。このため完全失業率は前月より0.1ポイント悪化して9.2%に上昇。3月以降だけをみても、失業者数は54万5000人増加、失業率も0.4ポイント悪化したことになる。ティーンエイジャーの失業率は24.5%、黒人のそれは16.2%と高水準のまま。

非農業雇用者の実数は1億3102万人。前年6月に比べて11万人しか増えていない。08年秋のリーマン・ショック後は累計800万人も減少したから、この程度の増加では焼け石に水であることが判る。失業者数は1409万人で、前年比80万人減った。

リーマン・ショック後のアメリカ経済は、低成長ながら不況には落ち込んでいない。特に企業の業績は高い水準を維持している。たとえば主要企業の最終利益は、この4-6月期も7%の増益になる見通し。ところが企業は雇用を増やさない。経済の先行き不透明感もあるが、アメリカでも企業の海外進出が影響しているのではないか。日本と同様に“空洞化”が、やがて問題になりそうだ。


    ≪13日の日経平均 = 上げ +37.22円≫

    ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ

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イタリアに飛び火 / 欧州の財政危機
2011-07-15-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 次の標的は日本か? = EU(ヨーロッパ連合)内部の財政不安がギリシャから、スペインとイタリアにまで飛び火した。スペインの長期国債利回りは6.3%台に、イタリア国債も6%台に急騰。このためヨーロッパ各国の株式とユーロが売り込まれた。ニューヨークと東京でも株価は値下がり、円相場は急上昇している。

発端は11日のユーロ圏財務相会議で、ギリシャに対する第2次支援策がまとまらなかったこと。同時にアメリカで発表された雇用統計の結果が予想以上に悪く、株価が軟調に転じた時機をとらえた投機筋が勝負に出たことは間違いない。EUは15日に緊急首脳会議を開いて対応するから、混乱はいったん収まるだろう。しかしスキがあれば、投機筋は再び仕掛けてくるだろう。

イタリアはEUでも3番目の大国。ギリシャやスペインとはちがって工業国でもある。このイタリアにまで、投機の手が伸びたことは重大だ。国の長期債務残高はGDPの12%でギリシャに次いで悪いが、日本の200%に比べればまだ低い。しかも国債の半分は国内で保有されている。

これまで日本も国債の格付けを下げられたり、円が集中的に買われたことがあった。しかし国内の国債保有者が国債を売ることはなく、投機筋の仕掛けは不発に終わっている。日本の場合は、金融機関を中心に国債の95%を国内で消化している。だから大丈夫だという“神話”が生まれつつあるようだ。だが国内の大銀行は最近、超長期国債を手放し始めたという。ちょっとイヤな気がする。


    ≪14日の日経平均 = 下げ -27.02円≫

    ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 電力不足を乗り切る ⑪
2011-07-16-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 原発の再稼働で大揺れ = 世界の原発数をことし4月現在で調べてみると、定期検査中のものを含めてアメリカが104基で最多。次いでフランスが58基、日本は第3位で50基だった。日本は54基を保有していたが、大震災で福島第1原発の1-4号機が破壊されている。なお中国は13基、韓国は21基を保有している。

原発は安全を確認するため、13か月ごとに運転を止めて検査することになっている。ところが震災後は検査が終わっても運転を再開できない。このため検査中の原発と再稼働ができずにいる原発の数は、合計31基にのぼる。つまり、いま稼働している原発は19基しかない。この19基も次々に定期検査を迎えるから、仮に検査後の原発が1基も動かないとすれば、来年3月には原発による発電量がゼロになる。

そうなったら困るというので、海江田経済産業相は6月18日に「全国の原発は安全」と宣言した。ただ関係方面との調整は全く不足。このため当初はこの安全宣言に同調した菅首相が、7月6日になると突然「ストレステストが必要だ」と主張し、事態は大混乱に。ストレステストの内容や再稼働との関連性についても、判然としない状態が続いている。

震災前の原発は54基、その発電能力は4900万㌔㍗だった。もし来年3月にこれだけの発電能力がすべて失われると、その分を火力発電の能力増加や節電で補えるのかどうか。しかも電力不足は東京電力や東北電力にとどまらない。原発のない沖縄県を除く、全国に広がって行く。


                          (続きは来週サタデー)

    ≪15日の日経平均 = 上げ +38.35円≫

    【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-07-17-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第4章 物価って、なんだろう? ③

◇ モノの値段が上下する仕組み = 南の島で、次郎さんたちは魚を買いたいと思いました。このように、なにか品物を買いたいと思う人びとの気持ち。それが「需要(じゅよう)」でしたね。太郎さんは獲った魚を売りたいと思いました。このように、なにか品物を売りたいと思う人びとの気持ち。それが「供給(きょうきゅう)」でした。

冬になると、灯油の値段が上がります。それは人びとが暖房に灯油を使うため、灯油を買いたいと思う人が増えるからです。このように灯油に対する需要が増えると、灯油の価格は上がります。灯油にかぎらず、どんな品物でも需要が増大すると、その品物の価格は上がりやすくなるのです。

原油を生産している国が、原油の生産を減らしたときも、石油や灯油の値段は上がります。品物の供給が減る場合も、その品物の価格は上がりやすくなるのです。たとえば雨が降らないと、野菜の供給が減ってしまい、野菜の値段は上がってしまいます。

ある品物について、需要が増えた場合と供給が減った場合。そのどちらの場合も、その品物の価格は上がりやすくなる。このことを覚えておきましょう。


                            (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2011-07-19-Tue  CATEGORY: 政治・経済
今週はアメリカの債務引き上げ限度をめぐって、政府と与野党間で決着をみるかどうかが最大の焦点。もし今週中に決着しないとアメリカは既発国債の償還ができなくなり、現実にデフォルト(債務不履行)状態に陥る危険性が大きい。そうなればアメリカ経済はもちろん、世界経済に与える影響は計り知れない。

アメリカ政府の総債務残高は現在、法律で決められた上限の14兆2940億ドルに張り付いている。法律を改正して上限を引き上げないと、政府は8月2日には資金繰りに行き詰まる。議会での審議日程を考慮すると、今週22日までの決着がギリギリ。仮にデフォルトになれば、アメリカ国債の価格は暴落。未曾有の混乱が起きることは間違いない。

この法律改正については、その条件となる財政赤字の削減案をめぐって共和党との話し合いがこじれてしまった。オバマ大統領は先週末、最後の打開策として3つの案を議会側に提示、遅くとも36時間以内に回答するよう強く要請した。こうした情勢を受けて、先週のダウ平均は177ドルの下落。日経平均も163円の値下がりとなった。

今週は21日に、6月の貿易統計と5月の全産業活動指数。災害復旧を反映して、輸出がどこまで回復したかに注目。アメリカでは19日に、6月の住宅着工戸数。20日に、中古住宅販売。21日に、コンファレンスボードによる6月の景気先行指数が発表になる。


    ≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ

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とうとう1600ドルに : 金の国際価格
2011-07-20-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 3年4か月で6割の上昇 = 金の先物価格がとうとう1600ドル台に乗せた。ニューヨーク商品取引所の金先物相場は10日間続伸、18日には一時1トロイオンス=1607ドル90セントの史上最高値を付けた。金相場が1000ドルに達したのは08年3月、それから3年4か月で6割も値上がりしたことになる。東京でも19日の小売価格が1グラム=4308円の高値となった。 (1トロイオンス=31.1035グラム)

原因はヨーロッパとアメリカの財政問題。ヨーロッパではギリシャの財政危機が再燃、スペインやイタリアにも飛び火する勢い。EUは21日に緊急首脳会議を開いて対策を協議する。一方、アメリカでは政府債務の上限引き上げ法案をめぐって与野党が鋭く対立。今週中に妥協が成立しないと、国債の償還がストップする危険性が増大する。このため投機資金が債券や株式市場から撤退、安全な金市場へ流れ込んだ。

金という商品は、実に奇妙な性格を持っている。生産量は年間2500トンほど。その6割以上が宝飾品として消費される。また半導体の一部に使われる工業原材料でもある。そして変質しない。どんな国の通貨とも容易に交換できる。インフレにも強い。だから国際的に緊張が高まると、必ず買われる。今回は軍事的な緊張ではないが、財政面での国際緊張と言えるだろう。

したがってEU首脳会議が適切な対策を打ち出し、アメリカ政府と議会が妥協に成功すれば、金価格は反落するだろう。だが逆の場合は、まだ高騰するかもしれない。金価格が高騰するときはドル資産やユーロ資産が売られやすい。すると相対的に円が買われる。だから日本経済にとって、金価格の上昇はあまり好ましくない。


    ≪19日の日経平均 = 下げ -84.75円≫

    ≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ

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有権者を忘れた 民主党 (上)
2011-07-21-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 選挙マニフェストは全滅 = 民主党が09年の衆院選で掲げたマニフェストは、すべて崩壊した。子ども手当はいま中学生までの子どもに月額1万3000円を支給しているが、民主党はことしの6月に自民、公明両党に対して大幅な修正を約束した。金額は1万円程度に引き下げられそうだが、与野党は所得制限を導入するかどうかで延々とモメている。

与野党の交渉がまとまらないと、特例公債法案が成立せず今年度の赤字国債を発行できない。したがって民主党は所得制限の導入についても、最終的には譲歩を余儀なくされるだろう。だがメンツを捨て切れずに交渉を長引かせているのが現状だ。その結果、15兆円程度とみられる本格的な災害復旧のための第3次補正予算の編成が遅れる。さらに来年度予算の編成作業にも入れない。

次に高速道路の無料化。社会実験と称して休日の料金を1000円に抑えてきたが、これも6月19日で終了した。年間3500億円も使った実験の結果、どんなことが判ったのか。民主党は何も報告をしていない。また農家に対する戸別補償問題。あるいは後期高齢者の医療費問題。マニフェストで高々と掲げたこれらの問題は、いまどうなっているのだろう。国民には全く知らされていない。

マニフェストでは、国家公務員の人件費を13年度までに2割削減することになっていた。そのための法案を閣議決定していたのに、7月になると今国会への提出を急に見送ることになった。この点についても、説明は何もない。マニフェストというのは、国民に対する公約である。その実行が困難になったときには、その理由をきちんと説明して、国民にお詫びをするのがスジではないのか。


                                     (続きは明日)

    ≪20日の日経平均 = 上げ +116.18円≫

    ≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ

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有権者を忘れた 民主党 (下)
2011-07-22-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 国民はもう信用しない = 民主党は選挙マニフェストで、子ども手当は月額2万6000円と明記していた。しかし財源不足のために1万3000円でスタート。ところが震災が発生して財源はいっそう窮屈となり、6月になるとさらなる縮小を自民・公明党に約束せざるをえなかった。本来ならばこの時点で、民主党は国民に事情を説明して謝るべきだった。

民主党内には、いまなお「子ども手当は民主党の金看板であり、縮小すべきではない」という意見が強い。このため執行部も野党との交渉で大きく譲歩できず、これが妥結を長引かせている最大の原因となっている。6月の時点で民主党全体として国民に弁明しておけば、こんなことにはならなかったはずだ。

大震災の復旧に財源を回さなければならないことは、国民もよく理解している。だがマニフェストに掲げた農家の戸別所得補償や後期高齢者の医療負担問題について、それを理由にウヤムヤにしてしまう姿勢は許されない。また公務員の人件費削減は、国民全体で災害復旧を分担しようという発想にもかなっている。これも説明なしに先送りしたのでは、国民の連帯感にヒビが入るだろう。

菅代表や執行部だけの問題ではない。選挙マニフェストは、民主党の議員全員が旗印に掲げて当選を果たしたものである。それが実行できなかったのだから、民主党の議員は全員が国民に謝らなければいけない。その意識が希薄なところに重大な欠陥がある。次の選挙に民主党がマニフェストを作っても、有権者はもう信用しないのではないか。
 

    ≪21日の日経平均 = 上げ +4.49円≫

    ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 電力不足を乗り切る ⑫
2011-07-23-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 夏よりは冬の方が大変 = ことしの夏は去年と同様に暑い。東京電力の場合、昨年は7月下旬に電力需要が6000万㌔㍗のピークに達した。しかし、ことしはまだ5000万㌔㍗以内に収まっている。これは企業と家庭が節電に努めているためだ。この調子なら、よほどのことが起きない限り、夏の電力不足はなんとか乗り切れるだろう。

だが原発の発電量は、しだいに減りつつある。菅首相の強い意向で、まず浜岡原発(中部電力)が停止。次いで定期検査を終えた玄海原発(九州電力)が、やらせメール事件で再稼働できなくなった。さらに運転中だった大飯原発(関西電力)が、トラブルを起こしてダウンしてしまった。

この結果、いま稼働している原発は全国で16基。その総発電量は1500万㌔㍗程度に落ち込んでいる。しかも東京、東北に加えて中部、関西、九州の各電力会社も余力を失ってしまったから、相互に電力を融通することも困難になってきた。日本中が電力不足の状態に陥ってきたわけである。

仮に定期検査を終えた原発が1基も再稼働できないとすると、12月には原発の総発電量が800万㌔㍗に。さらに来年2月末にはゼロになってしまう。これでは企業や家庭がいくら節電に努力しても、追いつかない。景気は急速に悪化し、日本経済はマヒしてしまうかもしれない。


                          (続きは来週サタデー)

    ≪22日の日経平均 = 上げ +121.72円≫

    【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-07-24-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第4章 物価って、なんだろう? ④

◇ スーパーの特売日 = 物価が上がりやすいのは、需要が増えた場合と供給が減った場合でしたね。それでは物価が下がりやすいのは、どういう場合でしょう。答えは簡単です。それは値上がりと反対のことが起きたときです。

南の島で、みんながあまり魚を買わないとき、太郎さんはどうしたでしょう。いつもは魚1尾=青い貝がら1枚で売っていたのを、魚2尾=貝がら1枚で売ることにしました。このように魚の値段を安くすると、売れ行きがよくなるからです。スーパーが特売日に品物の値段を下げるのは、たくさん売りたいからだということが判りますね。

魚が獲れすぎたときにも、値段を安くします。すると売れ行きがよくなるのです。つまり品物に対する需要が減ったり、供給が増えすぎたりすると、その品物の値段は下がりやすくなるのです。

こうした例からも判るように、物価は需要と供給の大きさによって決まることが多いのです。また逆に物価は需要と供給に影響を与えて、需要と供給をバランスさせる方向に動かす力を持っています。たとえば需要が大きくなると、物価は上がります。そして物価が上がると、こんどは需要を減少させる力が働くのです。

                    
                            (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2011-07-25-Mon  CATEGORY: 政治・経済
アメリカの政府債務限度を引き上げる問題は、まだ決着していない。8月2日になると政府の資金繰りは行き詰まり、デフォルト(債務不履行)状態に陥る。にもかかわらず、ダウ平均は先週201ドル上昇した。EU首脳が追加支援を決めギリシャの財政危機が小康状態になったことに加えて、好調な決算発表が続いて株価を押し上げた。

今週もこの情勢に大きな変化はない。ただ政府債務限度の問題は、もう時間がない。もしデフォルト状態に陥れば、債券価格は暴落、金利は急上昇、ドルは急落するだろう。与野党はギリギリまで角突き合っているが、こんな大変な事態は回避するに違いないと、ウオール街はタカをくくっているように見える。

日経平均も先週は158円の値上がりとなった。20日には70銘柄に年初来高値が付いた。今週はダウ平均が4月下旬の年初来高値1万2810ドルに挑戦する構え。日経平均は震災直前の水準1万0434円を目指すことになる。その実現性はアメリカ政府の債務問題と、日米両国で発表される企業の決算内容がにぎっている。

今週は26日に、6月の企業向けサービス価格。28日に、6月の商業販売。29には、6月の鉱工業生産、雇用統計、住宅着工戸数、それに自動車生産台数が発表になる。アメリカでは26日に、5月のSPケースシラー住宅価格指数、6月の新築住宅販売、コンファレンスボードによる7月の消費者信頼感指数。28日に、6月の中古住宅販売。29日には、4-6月期のGDP統計が発表される。


    ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ

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続 ・ 有権者を忘れた民主党
2011-07-26-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 野党に謝る愚かさ = このブログは先週21-22日付けで「有権者を忘れた民主党」を連載、選挙マニフェストの実現に失敗した民主党は国民に謝罪すべきだと主張した。すると、たまたま時を同じくして岡田幹事長が21日の記者会見で「率直にお詫びしたい」と発言、菅首相も22日の参院予算委員会で「お詫び申しあげたい」と答弁した。読売新聞によると、自民・公明両党に謝罪文書を出すという。

だが謝罪の動機はきわめて不純、謝る先も間違えてはいないか。動機は明らかに特例公債法案を成立させるための戦術であって、完全に野党の方を向いている。子ども手当などマニフェストに盛られた4Kの撤廃を迫る自民・公明両党を、懐柔することが目的であることは明白だ。

幹事長が定例記者会見で発言したり、首相が国会答弁のなかで言及する姿勢は、とても国民に対する真摯な謝罪とは思えない。それに民主党の内部には、まだマニフェストの修正に反対の勢力が多い。要するに、党として国民に謝罪するような意思統一もなされていない。

マニフェストに書いたものは、なにがなんでも実現すべきだと言っているわけではない。東日本大震災という想定外の事件も生じた。しかし公約が守れなかったことは事実。だから、この辺でいったん総括し、結果として実現できなかったことを反省して、国民に説明と謝罪をしたらどうか。マニフェストは有権者との公約であって、野党との約束ではない。岡田幹事長や菅首相には、この認識が欠けている。


    ≪25日の日経平均 = 下げ -82.10円≫

    ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ

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輸出は 大丈夫なのか?
2011-07-27-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 電子部品や鉄鋼は回復に遅れ = 財務省が発表した6月の貿易統計をみると、輸出は5兆7759億円で前年比1.6%減にまで回復した。5月の10.3%減に比べると大きく改善している。特に自動車の回復が目立つ。一方、輸入は5兆7052億円。原油などの増加によって前年比9.8%増えた。この結果、収支は707億円の黒字となっている。

輸出を地域別にみると、EU向けが8.0%増加したほか中国向けも1.2%伸びた。しかしアメリカ向けは6.1%減少している。商品別では、自動車が12.5%減にまで急回復した。5月は67.0%の減少だったから、この改善は大きい。また金属加工機械も40.8%増加している。

ところが電子部品や鉄鋼の輸出は、あまり回復しなかった。半導体などの電子部品は前年比17.1%の減少、鉄鋼も6.0%の減少となっている。新聞などの解説によると、アメリカやヨーロッパなどの景気が減速したため、輸出が伸びなかったという。

自動車の急激な回復は、部品の供給が正常化して生産台数が増えたため。つまり混乱が収まったことにより、輸出が震災前の水準に戻りつつあることを意味する。だが電子部品や鉄鋼には、そうした力が働いていないようだ。震災後の混乱期に、中国・韓国・台湾などのメーカーに海外市場を侵食されてしまった可能性はないのか。そうだとすれば、今後の輸出動向がきわめて心配だ。


    ≪26日の日経平均 = 上げ +47.71円≫

    ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ

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復旧予算から 復興予算へ (上)
2011-07-28-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 総額23兆円、増税10兆円? = 災害復旧のための第2次補正予算が25日に成立、ただちに復興のための第3次補正予算の編成作業が始まった。第2次補正予算は総額が1兆9988億円。除染や補償など原発事故に対応する経費2754億円と二重ローン対策費774億円のほか、被災者の生活再建支援3000億円が中心になっている。財源は10年度の決算剰余金などを充て、新規の国債発行はしない。

第3次補正予算については、政府・与党の考え方がほぼ明らかになってきた。復旧と復興に要する時間を10年間と想定、必要な総予算額を23兆円とする。このうち復旧予算は第1次、第2次補正で計6兆円を計上した。残り17兆円のうち4兆円は16年度以降に計上することとし、当面は11-15年度分として13兆円を第3次補正予算と来年度の本予算に分割して計上する。

地元の復興計画がまだ出来上がっていないので、細かい使途は決められない。しかしインフラや市街地の整備に8-9兆円、学校整備や雇用対策に3兆円。予算額13兆円のほとんどが、この2つの目的に使用されることになりそうだ。たとえば宮城県は、沿岸12市町の高台移転費に2兆1000億円が必要だと試算している。

財源としては、震災復興債の発行を考えている。償還期限は5年。予算額13兆円のうち2兆4000億円は一般歳出の節減で賄い、復興債の発行は10兆5000億円程度。これを国有地の売却などの税外収入と増税で担保する。このうち増税の規模は5年間で10兆3000億円。所得税と法人税の定率増税が有力になっている。


                                  (続きは明日)

    ≪27日の日経平均 = 下げ -50.53円≫

    ≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ

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復旧予算から 復興予算へ (下)
2011-07-29-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 切れ目なしに実行できるか = 政府・民主党は第3次補正予算を秋の臨時国会で成立させようと考えている。だが、その過程には問題が山積。もし成立が遅れれば被災地の復興が進まないだけではなく、景気にも大きな悪影響があるだろう。秋ごろには復旧需要が薄れ、財政支出に切れ目が生じると日本経済は需要不足に陥る可能性が大きいからだ。

まず被災地の自治体との間で、短期間に復興計画の擦り合わせができるかどうか。被災地によって高台に新しい市街地を建設するか、それとも海岸沿いに丈夫なビルを建てるか。まだ結論が出ていない。この点が決まらないと学校や病院、それに役場や鉄道などの配置も確定できない。

次に臨時増税の具体案についても、大いにモメそうだ。政府案によると、5年間にわたって所得税と法人税を中心に、たとえば10%の定率増税を行う。09年度の決算でみると、所得税と法人税の税収は合計で19兆3000億円。10%の増税を5年間続けると、税収は10兆円近くになる。このように計算は合うけれども、増税に対する反発を乗り切れるかどうか。

最大の問題は、菅首相の辞め時だろう。いまは8月末という見方が強い。しかし辞めて行く総理大臣が、第3次補正予算まで決めていいものか。まして復興予算は来年度予算にも分割計上される。この問題については、野党だけではなく与党内にも抵抗が強い。第3次補正予算をほんとうに秋の臨時国会に提出できるのかが、重大なポイントになってきた。


    ≪28日の日経平均 = 下げ -145.84円≫

    ≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 電力不足を乗り切る ⑬
2011-07-30-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 肝要なのは現実的な政策 = 「原発への依存度を下げる」ことについては、国民の大多数が賛成だろう。だが来年3月に原発の発電量がゼロになってしまったら、日本の産業と国民生活は大混乱に陥ってしまう。この冬に向かっての電力不足を乗り切るためには、やはり現実的な政策をとるしかない。

海江田経産相のように、いまの段階で「すべての原発は安全」と宣言するのは無謀だ。原発はそれぞれ基本的な安全度が違う。たとえば立地条件、大地震が起きる確率、稼働年数、そして安全対策の水準。今後30年以内に震度6強以上の地震が起きる確率がゼロである原発は6基、運転年数が10年に満たない原発は5基ある。このうち安全性の高いものからストレステストをして、1基ずつ再稼働させるのが最も現実的な方策だろう。

長期的に原発への依存度を下げるためには、代替エネルギーの技術進歩が欠かせない。太陽光・風力・地熱などのコスト引き下げ。また蓄電池の効率アップを、政策的に推し進めなければならない。特にオフィスや家庭で使う蓄電池の効率がよくなれば、昼間と夜間の電力需要を平準化することができる。

問題は電力料金が上昇してしまうこと。短期的には、どうしても火力発電の比重が大きくなる。そうすると原油やLNG(液化天然ガス)の使用量が増えて、発電コストが増大してしまう。その結果、電力料金が上昇すると企業はますます国際競争力を失い、家計も圧迫される。ここ1-2年の間は、むしろこの問題が最も大きな頭痛のタネになるかもしれない。


    ≪29日の日経平均 = 下げ -68.32円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-07-31-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第4章 物価って、なんだろう? ⑤

◇ 原料や材料のコスト = 物価が上がったり下がったりする原因は、ほかにもあります。たとえば商品を作るのに必要な原料や材料が値上がりしたり、値下がりした場合です。砂糖の値段がうんと上がったとき、お菓子屋さんは大福もちやケーキを値上げしないと、いくら売れてももうかりません。

逆に砂糖の値段が下がったときには、作ったお菓子を値下げするでしょう。値下げしないと、よその値下げしたお店の方が安くなってしまい、売れ行きが悪くなるからです。このように、商品を作るのに必要な原料や材料の価格を、原材料コストと言います。

砂糖の値段が上がる原因は、世界中で砂糖に対する需要が高まったり、砂糖きびの生育が悪くて供給が減った場合です。この意味では、お菓子屋さんを悩ませる砂糖の価格変動も、元を正せば需要と供給にたどりつくと言えるでしょう。

商品の値段は、地域によっても違うことが多いのです。たとえば魚や野菜は生産された場所の近所では安く、遠くになるほど高くなるのがふつうです。この理由はもう判りますね。そう、商品を遠くに運ぶために運送料がかかるからです。


                            (続きは来週日曜日)

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