FC2ブログ
経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
サタデー自習室 -- 日本産業の空洞化 ⑨
2011-10-01-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ <原因②>円高・電力・税金・自由化 = いま日本企業の海外移転は加速している。その主な原因は超円高と電力コストの高さ、それに重い法人税と貿易自由化の遅れに求められるだろう。円相場は21日の東京市場で、1ドル=76円11銭の戦後最高値を記録した。対ユーロでも大きく上昇している。しかも超円高は長期にわたって続きそうだ。このため企業は輸出しても儲からない。そこで海外にやむなく出て行く。

産業用の電力料金は、1㌔㍗時あたり平均13円80銭。これは韓国の2.7倍、アメリカの2.3倍に相当する。さらに原発の稼働率が低下、発電コストの上昇は避けられない見通しだ。また法人税の実効税率は40.69%。国際的にみてもダン突に高い。政府は第3次補正予算で5%引き下げる方針だが、最初の3年間ほどは震災復興の臨時増税を併用するから、実質的にはほとんど下がらない見込み。

貿易自由化の遅れも響いている。2国間のFTA(自由貿易協定)も、東南アジア諸国などに比べると広がりが浅い。TPP(太平洋経済連携協定)も、国内農業の強化策が進まず参加に踏み切れない。たとえばアメリカやEUとFTAを結んだ東南アジア諸国で生産すれば、アメリカやEUへの輸出にかかる関税が大幅に安くなる。これも企業にとっては、大きな魅力だ。

このような要因から、大企業が海外に生産を移転する。すると部品などを製造している中小の下請け企業も、一緒に進出しないと仕事がなくなってしまう。さらに製造業だけではなく、非製造業も海外展開を急ぐようになった。こうして、いまや日本企業の海外移転が加速、国内の空洞化が急速に進行している。


                             (続きは来週サタデー)

    ≪30日の日経平均 = 下げ -0.94円≫

    【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】

 ☆「経済なんでも研究会」は、お陰さまで6年目を迎えることができました。読者の皆さまに心から感謝いたします。
 ☆なお5年間の日経平均予想は853勝375敗、勝率は6割9分5厘でした。

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング


ページトップへ  トラックバック0 コメント0
サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-10-02-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第5章 市場って、なんだろう? ⑤

◇ 3249万円の鮪 = みなさんも鮪(まぐろ)のおサシミやおすし、大好きでしょう。鮪は日本人の大好物。近くの海でも獲れますが、大部分は遠くの海で釣り上げられ、船のなかで冷凍にされて港に運ばれてきます。

その鮪は冷凍トラックで、各地の市場に届けられます。たとえば東京の築地市場。朝暗いうちから、番号を付けられた鮪が300本も並べられます。買い手は魚屋さん、料理屋さん、すしやさん、町の市場やスーパーの人などです。並べられた鮪をよく見て、どれを買おうか考えます。

あさ5時半、競り(せり)が始まります。売り手が1番の鮪を指して「300万円」と言うと、買い手から「310万」「320万」という声がかかり、いちばん高い値段を言った人に売られます。鮪と言っても種類がたくさんあり、大きさや味も違うので、高いものから安いものまで値段はさまざまです。築地市場では、これまで1本=3249万円が最高記録でした。

こうして2時間ほどの競りで、全部が売れてしまいます。買った人は朝のうちに自分のお店に持って帰り、おサシミにしたり、おすしを握ったりして売るのです。こんどは近所のおかあさんやお姉さんがやってきて、品物をよく見て買って帰ります。 


                   (続きは来週日曜日) 

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング



     


ページトップへ  トラックバック0 コメント0
今週のポイント
2011-10-03-Mon  CATEGORY: 政治・経済
日経平均は先週140円値上がりしたが、9月末の終り値は8700円だった。3月末に比べると1055円、また震災直前の3月10日に比べると1734円の下落となっている。鉱工業生産や企業収益はほぼ震災前の水準を取り戻したのに、株価は回復しない。これは超円高の定着と世界的な景気の鈍化、それにヨーロッパの財政・金融不安の継続が、市場の重荷となっているためだ。

ダウ平均も先週は142ドル値上がりした。9月末の終り値は1万0913ドルで、こちらも3月末比では1407ドルの下落となっている。このほかヨーロッパ各国、あるいは中国をはじめとする新興国の株式市場も、4-9月期は大きく値を崩した。全体を通じて、とりわけ金融株の下落が目立っている。

ヨーロッパの財政・金融不安は、ドイツ連邦議会がギリシャへの追加支援策を承認したことで小康状態に入ったようだ。あとは年末に向けてのアメリカやEUの景気が、多少とも好転するかどうか。日本の場合は上半期に対ドルで7円、対ユーロで14円も上昇した円相場が、下半期には少しでも反落するかどうか。

今週は3日に、9月の日銀短観と9月の新車販売。4日に、8月の毎月勤労統計。7日に、8月の景気動向指数が発表になる。アメリカでは3日に、9月の新車販売とISM製造業景況指数。5日に、ISM非製造業景況指数。7日に、9月の雇用統計。また4日には、EUの財務相・経済相会合。バーナンキFRB議長が議会で経済見通しを表明する。


    ≪3日の日経平均は? 予想 = 下げ

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング
ページトップへ  トラックバック0 コメント0
景気は先行き不安 : 日銀短観 (上)
2011-10-04-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ V字回復はしたけれど = 日銀は3日、企業短期経済観測の9月調査を発表した。それによると、大企業・製造業の業況判断DI は6月調査に比べて11ポイント改善、プラス2にまで回復した。特に自動車産業は65ポイントの異常な上昇。電機や窯業・土石、非鉄金属も2ケタの改善を達成した。言うまでもなく、大震災による落ち込みを順調に取り戻したためである。

日銀の短観は大企業から中小企業まで約1万社を対象に、3か月ごとに業況や利益、設備投資など広範な分野を調査している。最大の特徴はたとえば業況判断の場合、3か月前に比べて業況が「よくなった」と答えた企業の割合から「悪くなった」と答えた企業の割合を引いて作成するDI。たとえば自動車産業の場合、業況DI はマイナス52からプラス13に好転した。

今回の調査では、大企業・非製造業の業況判断DI も6ポイント、中小企業・製造業も10ポイント改善した。ただ、その水準は中小企業・製造業がマイナス11、中小企業・非製造業はマイナス19と、まだ非常に低い。全産業・全規模でみても、業況判断DI はマイナス9で水面下にとどまっている。

それでも全体として9月の業況は、3か月前よりV字型の回復をみせた。だが問題は、この上昇傾向が今後も続くかどうかである。この点で今回の短観は、2つの重要な要件を提示している。1つは3か月後の予想が、上昇の鈍化を明白に示していること。もう1つは、円高の進行が企業の想定をはるかに超えていることだ。


                                     (続きは明日)

    ≪3日の日経平均 = 下げ -154.81円≫

    ≪4日の日経平均は? 予想 = 下げ

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング
ページトップへ  トラックバック0 コメント0
景気は先行き不安 : 日銀短観 (下)
2011-10-05-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 円相場は81円台を想定 = 日銀の短観は各企業に対して、3か月後の業況予想も聞いている。それによると、大企業・製造業の12月時点の予想はプラス4。7-9月は11ポイントも上昇したのに、10-12月は2ポイントしか改善しない見込みだ。特に中小企業は製造業も非製造業も、逆に業況が悪化すると答えている。全産業・全規模でみても、DI は2ポイント悪化するという結果が出た。

この予想通りになれば、これから年末にかけての景気は横滑り。あるいは多少の後退ということにもなりかねない。要するに震災復旧に伴う景気の上昇は息切れする可能性が大きい。超円高と世界経済の冷え込みが、大きな障害となって立ちふさがっているわけだ。

その結果は、企業が予想する11年度の経常利益にも表れている。大企業・製造業の予想は0.3%の減益。10年度の67.9%増益から大きく後退する。大企業・非製造業では、7.2%の減益を見込んでいる。全産業・全規模でみても、2.4%の減益予想だ。

しかも円高について、大企業・製造業は11年度の為替レートを1ドル=81円15銭と想定している。これは6月時点で想定していた82円59銭に比べれば、やや円高に修正されている。しかし現在の円相場は1ドル=77円台。もし現在の水準が今後も続けば、利益はいっそう圧迫されることになる。第3次補正予算の成立が遅れれば遅れるほど、景気の後退は深くなると考えるべきだろう。


    ≪4日の日経平均 = 下げ -89.36円≫

    ≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング


 
ページトップへ  トラックバック0 コメント0
格下げ : 大きく違った新聞の扱い
2011-10-06-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日経新聞は見識をみせたのか? = きのう5日の日経平均株価は73円の値下がり。終り値は年初来安値すれすれにまで低落した。前日のダウ平均は153ドルの上昇。外為市場では円相場が対ドル、対ユーロともにやや下げ気味だったから、ふつうなら日経平均も4日ぶりに反発する環境にあった。このため朝方は高く始まったが、間もなく急落してしまった。

「ムーディーズが、イタリア国債の格付けを3段階引き下げ」というニュースが飛び込んできたからである。このニュースはきのうの夕刊各紙も報道した。ところが各紙の扱いは全くバラバラ。読売は1面トップで4段見出し。各国の格付け表まで載せていた。また朝日は1面だが、左側の中段に2段見出しでおとなしい。びっくりしたのは日経の扱いだ。なんと3面に2段見出しの囲み記事で済ませている。

ギリシャに端を発した財政・金融不安。EUは対策に躍起となっているが、各国とも議会との調整などに手間取り一気には進まない。その一方で、格付け会社はズバっと格下げを発表する。これでは、どうにも勝負にならない。そこでEU各国では格付け会社への批判が高まり、その規制論も強まっている。またメディアが大々的に取り上げすぎるという不満も聞かれ始めた。

経済の専門紙である日経が極端に扱いを小さくした理由は知らない。だが市場を混乱させる格付け会社への“協力”をできるだけ控えようという意図ならば、それはそれで1つの見識と言えるだろう。もっとも他紙が大々的に報道し、ネットでも伝わる世の中では、あまり効果は望めないかもしれない。今後の格付け引き下げを日経がどう伝えるか、興味津々である。


    ≪5日の日経平均 = 下げ -73.14円≫

    ≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング



    
ページトップへ  トラックバック0 コメント0
8月の雇用情勢は むしろ悪化
2011-10-07-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 失業率は低下したが = 総務省が発表した8月の労働力調査によると、完全失業率は4.3%で前月を0.4ポイント下回った。大幅な改善であり、この数字だけをみると雇用情勢は目立って好転したように受け取れる。だが失業率の改善にはウラがあって、新聞の解説には「改善とは言えない」という趣旨のものが多い。むしろ実際には、やや悪化したとみるのが正解だろう。

失業率が低下した原因は、失業者の数が減少したことにある。8月の完全失業者数は276万人で、前月より24万人減少した。ところが、この減少は「景気の状態が悪いために、職探しをあきらめた人」が急増したためらしい。職探しをしない人は、失業者としてカウントされない。これらの人たちは非労働力人口に算入されるが、この非労働力人口が8月は20万人も増えている。

仮にこの20万人が職探しをしたとすれば、失業者数は296万人となり、失業率は1ポイントも低下しなかった計算になる。したがって「改善とは言えない」という解説になってしまう。しかし非労働力人口が20万人増えたとしても、そのうちの何人が「職探しをあきらめた人」なのか、この調査からは判然としない。

では雇用情勢は、何の数字を見たらいいのだろう。答えは就業者数。8月の就業者数は5967万人で、前月より16万人少なかった。就業者が減れば全体の給与所得も減少し、消費支出にもマイナスの影響が及ぶ。だから失業者数や失業率よりも、就業者数に注目する方が適切だ。アメリカでは常に非農業雇用者数が重視されている。


    ≪6日の日経平均 = 上げ +139.04円≫

    ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング

ページトップへ  トラックバック0 コメント0
サタデー自習室 -- 日本産業の空洞化 ⑩
2011-10-08-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ <原因③>積極的な進出も多い = 企業が成長市場への参入を目指して、積極的に海外へ進出する例も目立つ。たとえば最近もパナソニックが、ベトナムに冷蔵庫と洗濯機の工場を新設すると発表した。人件費の安さも魅力だが、成長いちじるしいベトナムでの販売増加が主たる目的。ベトナムの冷蔵庫と洗濯機の普及率は、まだ1-3割程度だ。

またアサヒビールはニュージーランド、ユニ・チャームはベトナムへの進出を決めた。日本国内でのビール系飲料は、昨年まで6年連続で販売が減少した。紙おむつの売れ行きも、90年代の後半から縮小している。人口の減少と経済の停滞で、内需が伸びない日本。そこで人口が多く、成長率も高いアジアやオセアニアの市場で業績を拡大しようというわけだ。

たとえば大手企業の営業利益をみると、10年3月期に新興国であげた利益は2兆6000億円。利益全体の36%にものぼっている。この利益水準は、00年3月期の4倍だ。また、ことし4-6月期には、アジアでの利益が全体の72%にも達している。自動車メーカーは大震災の影響で国内では大幅な減益だったが、アジア地域では増益だったところが多い。

積極的な市場拡大を目指す企業のなかには、現地企業に対するM&A(合併・買収)を試みるケースも少なくない。ことし4-9月中に日本企業が実施した海外企業の買収は236件で、前年の3割増。金額は3兆円で、前年の2倍以上に膨らんだ。こうした積極的な進出は日本企業の強さを証明しているが、それでも国内がそれだけ空洞化することは避けられない。


(続きは来週サタデー)

    ≪7日の日経平均 = 上げ +83.60円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング


ページトップへ  トラックバック0 コメント0
サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-10-09-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第5章 市場って、なんだろう? ⑥

◇ 品物の値段が決まる = 先週は鮪(まぐろ)の話でした。市場では、ほかの品物についても同じような方法で値段を決めています。もちろん、いわしなどの小さい魚や野菜などの値段を1つ1つ決めるわけではありません。それは大きな箱にいっぱい詰めていくら、何キロでいくらというふうに決めるのです。

しかし市場で決まる値段は、いつも売り手と買い手が「売ってもいい」「買ってもいい」というところに落ち着くのです。声が大きい人、力の強い人が勝つわけではありません。だから誰にとっても同じチャンスがあり、とても公平だと言えるでしょう。

このような方法を、自由な市場での値段の決め方と言います。需要が大きかったり、供給が少ないと、値段が自然に上がり、逆だと下がります。その一方で、こうして決まった価格がひとりでに需要と供給を調節する働きもするのです。

たとえば市場で、ある品物の値段が上がったとします。すると生産者は高く売れれば得をするので、その品物をたくさん作って出荷します。逆に市場で値下がりすれば、品物の出荷を抑えます。買い手の方も値段が高くなれば買いません。安くなればたくさん買うでしょう。こうして市場は適正な価格を作り出し、需給の調整もするのです。


                                 (続きは来週日曜日)

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング



ページトップへ  トラックバック0 コメント0
今週のポイント
2011-10-11-Tue  CATEGORY: 政治・経済
ヨーロッパの財政・金融問題が、相変わらず株式市場を揺さぶっている。ダウ平均は先週190ドル値上がりしたが、好材料となったのは9月の雇用者数が予想以上に伸びたことと小売り売上高の堅調。それにEUが金融機関への資金注入を検討することになったというニュースだった。その半面、格付け会社がイタリアとスペインの国債格付けを引き下げたことが、株価の足を大きく引っ張っている。

日経新聞は、この格付け引き下げを意識的に“軽視”しているようだ。ムーディーズが5日にイタリア国債を3段階引き下げたときも、扱いは異常に小さい。フィッチが7日にイタリアとスペインの国債を格下げしたときは、ニュースとして全く報じなかった。大きくなりすぎた格下げの影響を是正する意図があるのかどうかは不明だが、マスコミの姿勢としては注目に値する。

ダウが上昇したにもかかわらず、日経平均は先週95円値下がりした。週間でダウが上昇したのに日経平均が下げたのは、4か月ぶりのことである。そこで気にかかるのは、海外投資家が7月から9月まで10週連続で売り越したこと。この間、日経平均は1400円も下げている。今週あたりから、その傾向にストップがかかるかどうか。

今週は11日に、9月の景気ウォッチャー調査。12日に、8月の機械受注。13日に、8月の第3次産業活動指数。14日に、9月の企業物価が発表になる。アメリカでは13日に、8月の貿易統計。14日に、ミシガン大学による10月の消費者信頼感指数。また中国が10日に、9月の貿易統計。14日に、9月の消費者物価と生産者物価を発表する。ほかに14-15日には、G20の財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。


    ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング
ページトップへ  トラックバック0 コメント0
ウォール街を 占拠せよ (上)
2011-10-12-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ ターゲットは大金融機関? = むかし1652年のこと。当時マンハッタン島を植民地化したオランダ人が原住民の襲撃を防ぐために、南西部の要衝に木材で高い壁を構築した。これが「ウォール(壁)街」の由来である。現在は世界最大の金融市場。そこにいま若者を中核とするデモ隊が押し寄せ、連日のように「ウォール街を占拠せよ」というプラカードが揺れている。

デモが始まったのは9月17日。ネットの呼び掛けに応じて、1500人が集結した。その後、人数はしだいに膨れ上がり、逮捕者も出る騒ぎ。ワシントンやロサンゼルス、ボストンにも広がっている。経済的な格差や高い失業率への抗議、あるいは「貪欲を止めろ」といった主張も目立つ。大物投資家のジョージ・ソロス氏やオノ・ヨーコさんも、こうした主張を支持するコメントを出した。

アメリカでは、所得の高い人1%の所得額が全所得額の2割を超えた。4人家族で年間の収入が2万2314ドル(約171万円)に満たない貧困層は4618万人。全人口の15%を占める。また25歳未満の失業率は、8月で17.7%に達した。オバマ大統領もこのデモについて「不満の表れ」「正しくない人が見返りを得ている現状がある」というコメントを発表した。

珍しいことに、このデモはいまのところ政権に対する批判はしていない。また大企業の経営者に対する攻撃もあまり聞かれない。デモの最中に亡くなったITの大御所スティーブ・ジョブズ氏には、深い哀悼の意を表明する人も多いという。もちろん多岐にわたる思想の持ち主が参加したデモではあるが、その公約数的なターゲットは大金融機関のように思われる。だからこそ「ウォール街を占拠せよ」なのだろう。


                                 (続きは明日)

    ≪11日の日経平均 = 上げ +168.06円≫

    ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング


ページトップへ  トラックバック0 コメント0
ウォール街を 占拠せよ (中)
2011-10-13-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 南ヨーロッパでも市民がデモ = 渦中のギリシャをはじめポルトガル、スペイン、イタリアでも、連日のようにデモが続いている。こちらのデモは、本質的にアメリカのデモとは異なっている。財政再建のために公務員を削減、増税や年金のカット。こうした政府の政策に対する不満と抵抗が、デモの原動力となっている。

たとえばギリシャの例をみよう。EUとIMFから金融支援を受ける条件として、ギリシャ政府は厳しい緊縮財政の実行を余儀なくされた。今後3年間で公務員を15万人削減。年金や失業保険の減額。消費税・自動車登録税・不動産税の増税・・。ことしの成長率はマイナス5.5%に落ち込む見通しで、25歳未満の失業率は43%にも達している。

公務員を中心に市民の多くは、こうした緊縮政策に大反対。ストばかりでなく、国営企業のゼネストも実施された。ポルトガルやスペイン、あるいはイタリアでも、同じような状況に進みつつある。このような南ヨーロッパ諸国のデモは、発生の動機や目的がアメリカのデモとは明確に違う。ただ共通な点は、高い失業率や経済格差に対する怒りが原動力になっていることだろう。

またギリシャをはじめ南ヨーロッパ諸国の市民は、基本的に「なぜ自分たちが経済的に苦しまねばならないのか」という疑問を持っている。国債の償還が出来なくなると、ヨーロッパの大金融機関が倒産する。だから厳しい緊縮を我慢して、財政を再建しろ。こうしたEUやIMFの論理は容認できない。悪いのは利益の追求に走りすぎた大金融機関だ。この考え方には「ウォール街を占拠せよ」と共通するものがある。


                                   (続きは明日)

    ≪12日の日経平均 = 下げ -34.78円≫

    ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング



ページトップへ  トラックバック0 コメント0
ウォール街を 占拠せよ (下)
2011-10-14-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 金融資本主義への疑念 = 若者にとって、職に就けないことは悲劇だ。生活苦に直結するし、人生の設計が立たない。社会に受け入れられていない、という感じも強まるだろう。その一方で、世界はカネ余り。そのカネを使って、巨大な利益を得ているのが大金融機関だ。しかも、その方法には多大の疑問がある。

無価値に近いサブプライム・ローンを売りまくって、結果は世界を大不況に陥れた。不健全な金融商品を作り出したのは、大手の銀行であり、証券会社だった。カネを集めて投機筋に資金を供給し、原油や食料を買いあさって、ガソリンや生活必需品を高騰させた。そしていまはギリシャやスペインの国債を大量に保有して、金融危機の引き金を引こうとしている。

汗をかいて懸命に働き、成功して大金持ちになることは理解できる。だが大して苦労もせずに、カネがカネを生む形で巨額の利益を手中にする現代の仕組みには、大きな矛盾と疑問を感じる。ニューヨークやアテネでデモる若者たちの多くは、こう考えているに違いない。

1991年末にソ連が崩壊。東西の冷戦に終止符が打たれた。資本主義が社会主義に勝利したとも言える。だが、それから20年。弁証法的に言えば、こんどは資本主義の内部に“闘争”が生じつつあるのかもしれない。モノの生産や流通を根源とする古典的な資本主義と、カネを動かすだけで利益を追求する金融資本主義の対立だ。今回のデモ騒ぎがその前兆だと考えるのは、まだ早計だろうか。


    ≪13日の日経平均 = 上げ +84.35円≫

    ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング



ページトップへ  トラックバック0 コメント0
サタデー自習室 -- 日本産業の空洞化 ⑪
2011-10-15-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ <原因④>引く手あまたの日本企業 = アジア各国はみな日本企業の誘致に熱心だ。経済産業省の調査によると、大企業・製造業の18%が「誘致を受けたことがある」と答えている。アジア諸国は日本より税金・人件費・電力料金が安く、なかには補助金を出すところさえある。FTA(自由貿易協定)が充実している国も多く、日本企業にとってもその魅力は捨てがたい。

たとえば韓国の場合。人件費と電力料金は日本の4割、法人税は日本の40%超に対して24%と低い。またタイの法人税は30%だが、エコカーの製造には8年にわたって税金がかからない。ASEAN(東南アジア諸国連合)やオーストラリアなどともFTAを結んでいるから、たとえば日本からオーストラリアへ自動車を輸出する場合にかかる80%の関税が無税になる。

ベトナムは日本企業に限定した経済特区を創設する。工業団地、病院、インフラを整備し、税金面でも優遇する計画。台湾も日本の中小企業を対象にした工業団地を考えている。中国は江蘇省に「日本自動車部品工業団地」を年内に開設する予定だ。これらの優遇措置をカバンに詰め込んだ各国の“誘致団”が、いま続々と日本を訪れている。

日本の企業を誘致することで、まず雇用が増えて経済が拡大する。さらに技術移転によって、自国の工業を高度化できる。また企業経営のノウハウを習得することも可能だ。このように日本企業が進出することでアジア各国の経済が発展することは、将来の日本のためにも望ましいことである。だが当面、日本の空洞化を促進する要因となることは間違いない。


                             (続きは来週サタデー)

    ≪14日の日経平均 = 下げ -75.29円≫

    【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】 

         ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング


ページトップへ  トラックバック0 コメント0
サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-10-16-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第5章 市場って、なんだろう? ⑦

◇ 株式市場も鮪と同じ = みなさんは「株式会社」という言葉を、聞いたことがあるでしょう。日本にも巨大なものから小さいものまで、たくさんあります。会社は世の中のために役立つ、いろいろな仕事をするために作られます。仕事をするためには、おカネが必要ですね。そこで多くの人におカネを出してもらい、出してくれた人に株券を渡す。こういう仕組みの会社を株式会社と言うのです。

株式は売ったり買ったりすることができます。その売買をする場所が証券取引所で、株式市場とも呼ばれています。世界中では50以上もあり、日本では東京、大阪、名古屋、福岡、札幌の5か所にあります。売ったり買ったりしたい人は、証券会社を通じて、この市場に注文を出すのです。

株式市場での売買は、基本的に鮪(まぐろ)の売買と同じです。ある会社の株式を売りたい人と買いたい人が考えている値段が一致すると、売買は成立します。買いたい人が多いと株価は上がり、売りたい人が多いと下がるのです。

鮪の場合と違うのは、市場に品物が持ち込まれないこと。何千という会社についての売買注文がコンピュータで処理され、電光掲示板に映し出され、その数字がどんどん変わって行きます。ですから証券取引所という建物はありますが、品物は見えない市場と言ってもいいでしょう。新聞の株価欄を、みなさんも1度見てください。


                   (続きは来週日曜日) 

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング

ページトップへ  トラックバック0 コメント0
今週のポイント
2011-10-17-Mon  CATEGORY: 政治・経済
ダウ平均株価は先週541ドルの大幅高。終り値の1万1644ドルは8月3日以来の高値で、昨年末の水準を上回った。ユーロ17か国すべてがEFSF(欧州金融安定基金)の強化策を承認したことが、最大の支援材料になった。ほかにアメリカ国内の小売り高が予想以上によかったこと、グーグルの好決算が発表されたことなどで株価は押し上げられた。

ユーロ圏の財政・金融不安は解消したわけではないが、当面は小康状態を保ちそうだ。したがって今週の株価も地合いはいい。ただ大幅高のあとだけに、反動売りが出るかどうか。そのカギは続々と発表される企業の決算内容が握っている。今週はシティ・グループなどの金融大手、アップルやインテル、マイクロソフトなどのIT関連が7-9月期の業績を発表する予定。

日経平均は先週142円の値上がりだった。値上がりはしたものの、ちょっと元気がない。出来高も細っているし、外国人投資家の売り越しが続いていることも気になる。円相場が対ユーロで大きく下落したのだから、もう少し元気になってもいいはずだ。第3次補正予算など震災復興への歩みが遅いために、買い気がそがれている感じもする。もう1つ、新たな心配はタイの大洪水。

今週は19日に、8月の全産業活動指数が発表されるだけ。アメリカでは17日に、9月の工業生産。18日に、9月の生産者物価。19日に、9月の消費者物価と住宅着工。20日に、9月の中古住宅販売とコンファレンス・ボードによる9月の景気先行指数が発表になる。また中国が18日に、7-9月期のGDPと9月の生産、小売り、固定資産投資を発表する予定。23日のEU首脳会議にも注目。


    ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング
ページトップへ  トラックバック0 コメント0
G20会議の 真のねらい
2011-10-18-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ ヘッジファンドを窒息させろ = パリで14-15日に開いたG20(主要20か国)財務相・中央銀行総裁会議は、EFSF(欧州金融安定基金)の強化や銀行の資本増強などを支持する共同声明を発表した。日米欧だけではなく中国やブラジルなどの新興国も参加したこの会議が、ヨーロッパの財政・金融不安を鎮めるために一致団結することを確認したことになる。

もちろん、その具体的な実行はこれからの話。したがって不安が解消したわけではない。ただ20か国が足並みを揃えたことで、不安心理は当面かなり薄らいだ。このため欧米をはじめ世界の株価は、先週末に大きく戻している。この正常化への動きをいかにして持続させるか。そのための重要な方策が、ヘッジファンドなどの投機資金を締め上げること。G20会議の真の狙いは、そこにあった。

いま世界の投機資金は、最大時で3兆ドルとも5兆ドルともいわれている。その資金供給源はやはり銀行からの融資だ。そこで銀行の融資を規制する。たとえばヘッジファンドなどに対する融資を、その銀行の自己資本の何パーセントまでと制限してしまう。この制限を、国際的に共通のルールとして抜け道をなくす。G20会議はこんなことを考えているようだ。

この方針を11月のG20首脳会議で了承、具体的な規制策を来年7月のメキシコ・サミットで決定する。これがG20財務相・中央銀行総裁会議の戦略だ。もし計画通りに実行されると、その影響はきわめて大きい。ニューヨークやロンドンの金融関係者は、猛烈な反対運動を展開するに違いない。だが、いま盛り上がっている「ウォール街を占拠せよ」運動は、その反対運動を抑止する力になる可能性がある。


    ≪17日の日経平均 = 上げ +131.64円≫

    ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング
ページトップへ  トラックバック0 コメント0
ソフトランディングへ / 中国経済
2011-10-19-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 引き締め解除の時期は? = 過熱状態だった中国経済が、少しずつ冷えてきた。中国統計局が18日発表した7-9月期のGDP成長率は、前年比の実質値でプラス9.1%。1-3月期のプラス9.7%から着実に減速した。中国政府・中央銀行による引き締め政策が、効果を表し始めたものとみていい。

発表によると、昨年まで伸び率が30%を超えていた輸出は22.7%に。また内需の勢いを示す小売り売上高は17.7%にまで減速した。その一方で、都市部の固定資産投資は相変わらず強く、前年比24.9%の高水準だった。全体としての感じは、これまでのところ政府が描いていたソフトランディングの体制に入りつつあると言っていい。

中国では昨年春から物価が上昇し始め、政府・中央銀行は金融引き締め政策を強化してきた。昨年からの政策金利引き上げは計5回、預金準備率にいたっては15回も引き上げている。その結果、9月の消費者物価は前年比6.1%の上昇に。7月の6.5%をピークに下がり始めている。このため中国国内では、近く預金準備率が引き下げられるのではないかという観測も強まっている。

ただ物価の上昇率は政府が目標としている4%を、まだかなり上回っている。たしかに引き締めが利きすぎて、不況を招いたら一大事だ。だが中国は引き締めの一方で、財政支出は減らしていない。固定資産投資が高水準を維持しているのは、その結果である。つまり、いつでもアクセルは踏み込める自信があるから、金融面での引き締め解除はもう少し時間を置くのではないだろうか。


    ≪18日の日経平均 = 下げ -137.69円≫

    ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング


ページトップへ  トラックバック0 コメント0
許されない 議員歳費カットの停止 (上)
2011-10-20-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ もう貢献は止めたのか = 朝日新聞の投書欄に「議員歳費の減額 なぜ続けぬ」という意見が載った。国会議員は震災復興の財源集めに協力するため、4月から歳費を毎月1人50万円ずつ返上していた。それを10月から止めてしまったことに対する批判である。まことに同感至極。復興事業はこれから始まるところ。国民には多額の増税を求めているのに、政治家はもう貢献しないというのでは身勝手すぎるのではないか。

国会議員の歳費は月額129万4000円。だが期末手当なるものを入れると、年間の収入は1人1831万円にもなる。ほかに文書・通信・交通・滞在費などが支給され、議員宿舎が用意され、公設秘書の給与まで貰える。大企業の役員を上回る待遇だ。民主党の輿石幹事長は「ひと区切りついたから、減額を延長するつもりはない」と言明したが、その感覚は疑わざるをえない。

それだけではない。議員定数の削減もウヤムヤになろうとしている。民主党は09年の衆院選で「比例区の定数80削減」を公約。また10年の参院選では「参院の定数40削減」を公約した。だが、この問題を検討する民主党の政治改革推進本部は、震災のあと中断したまま。これについても、輿石幹事長は「各党の意見が合わない」と述べて、先送りの姿勢を見せている。

まだある。国家公務員の定員削減や給与引き下げの問題。財政再建と復興財源を捻出するための方策として、これも民主党が公約した。だが国会議員自身が定数の削減はせず、歳費のカットも止めてしまったから、公務員にだけ削減を押し付けるのはムリだろう。にもかかわらず、国民には増税で復興に協力せよという態度は許すことができない。


                               (続きは明日)

    ≪19日の日経平均 = 上げ +30.63円≫

    ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング

ページトップへ  トラックバック0 コメント0
許されない 議員歳費カットの停止 (下)
2011-10-21-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ マスコミもだらしがない = 民主党は09年の衆院選マニフェストで「国家公務員を13年度までに2割削減し、財政支出を1兆1000億円節約する」と約束した。ところが人員の削減はほとんど進まず、逆に来年度は震災による仕事の増加で定員が増えるかもしれないという。また給与の削減は、これまでに1590億円を実現しただけだ。

国家公務員の給与削減について、政府は6月に「来年度の平均給与を7.8%引き下げる」法案を国会に提出した。しかし組合側に労働協約締結権を与える法案とセットになっていることから、自民党が反対して審議は中断したまま。議論が激しく対立しているのならまだしも、野田内閣には法案を成立させようという意欲が全く見受けられないことが問題だ。

もし今月中に法案が成立しないと、来年度の公務員給与は人事院の「平均0.23%引き下げ」という勧告を受け入れることになる。これだと財政の節減効果は120億円しかない。野田内閣はまだ人事院勧告に対する対応を明らかにしていないが、どうやら時間切れを待って勧告を受け入れる感じが濃厚になってきた。

たしかに自分たちは歳費のカットを止め、公務員には大幅な賃下げを求めるのは不自然だ。だが、それにしても民主党の公約違反はひどすぎる。マスコミも子ども手当ての場合には大騒ぎしたが、議員定数や公務員の削減問題ではおとなしい。これらのすべてに関連してくる議員歳費カットの打ち切りが、ほとんど投書欄以外には見当たらない現状。マスコミもだらしがない。


    ≪20日の日経平均 = 下げ -90.39円≫

    ≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング

ページトップへ  トラックバック0 コメント0
サタデー自習室 -- 日本産業の空洞化 ⑫
2011-10-22-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ <対策>有効なのは新しい産業の振興 = 政府は臨時国会に提出する第3次補正予算案のなかに、産業空洞化対策として約7000億円を計上した。その内容は高付加価値製品を生産する企業、省エネ企業の新規立地、エコカー開発に対する補助金。中小企業に対する低利融資の拡充、雇用対策基金の積み増しなど。一見すると、あまり迫力があるとは言えそうにない。

空洞化を進行させる最大の原因は円高。ほかに高い法人税や電力料金、貿易自由化の遅れなど。しかし円高はドル安の裏返しであり、為替介入をしても円安には戻らない。法人税も震災復興財源に充てるため、当面は引き下げられない。原発の再稼働が遅れると、電力料金はむしろ上昇する可能性がある。FTAやTPPも農業問題がネックとなって進まない。要するに空洞化の原因を直接つぶす手段はないわけだ。

そこで対策の主眼は、国内に新しい産業を育てて空洞化した穴を埋めるしかない。補正予算に顔を出した高付加価値製品の生産企業に対する補助金などは、そうした発想から出てきている。第3次補正予算は震災復興のためのものだから、おそらくは東北地方に高付加価値産業や省エネ企業を誘致しようと考えているのだろう。

だが、この程度の対策で空洞化の穴はとても埋まらない。健康や医療、介護といった内需型の産業を全国的に振興する政策が必要だ。そのために必要なヒトも、海外からの移入を増やさなければならない。こうして人口を増やし、内需を拡大できれば、空洞化の穴埋めができるだけでなく、日本の企業が国内にとどまる可能性を大きくすることができる。


                           (続きは来週サタデー)

    ≪21日の日経平均 = 下げ -3.26円≫

    【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング

ページトップへ  トラックバック0 コメント0
サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-10-23-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第5章 市場って、なんだろう? ⑧

◇ 通貨を売買する市場 = 魚や野菜の市場は大きな建物のなかで、売り手と買い手が品物を前にして値段を決めます。先週お話した株式市場は、証券取引所という大きな建物はありますが、株式という品物は見えません。きょうは建物もない、それでも大きな市場の話です。

それは外国為替市場。いろいろな国の通貨、つまりおカネを売買する市場です。日本ではただ1つ、東京外国為替市場というのがあって、1952年にオープンしました。

会社は製品をアメリカに輸出するとドル、中国に輸出すると元というふうに、いろいろな国の通貨で代金を受け取ります。この外国の通貨は、日本の円に替えなければ国内では使えません。逆に外国から品物を輸入するときには、その国の通貨が必要になります。みなさんが外国に旅行する場合にも、その国のおカネがないと困りますね。

こうして外国の通貨を売ったり買ったりするところが、外国為替市場なのです。ふつう売買の注文は、銀行を通じて市場のブローカーと呼ばれる人たちに届けられます。ブローカーは電話やコンピュ-タで売買するため、建物は必要ありません。世界中の通貨が売買されますが、基本は魚や野菜と同じ。ドルの需要が供給より大きければドルの値段は上がり、小さければ下がります。
                   
                             
(続きは来週日曜日)

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング



ページトップへ  トラックバック0 コメント0
今週のポイント
2011-10-24-Mon  CATEGORY: 政治・経済
今週は大きなテーマが2つ。1つ目は円相場の動向だ。円の対ドル相場は先週21日のニューヨーク市場で一時75円78銭の最高値を記録した。ヨーロッパの金融不安、それにアメリカの金融緩和期待が原因と分析されているが、急騰した状況からみると投機筋の仕掛けによるものらしい。この円高の流れが今週も持続するかどうか。特に24日の東京市場に注目が集まっている。

2つ目は、EUの首脳会議。23日に続いて26日にも開かれる予定。EFSF(ヨーロッパ金融安定基金)の機能拡大と銀行の資本増強が主な議題だが、EFSFの強化をめぐってドイツとフランスが合意できるかどうか。仮に不調に終わるようなことがあると、世界の金融市場は大混乱に陥る危険を孕んでいる。そんなことになると、円相場はさらに上昇するかもしれない。

ダウ平均は先週164ドル値上がりした。ヨーロッパの状況が緊張度を増しているにもかかわらず、株価は底堅い。その一方で、日経平均は週間69円の値下がり。11兆円の補正予算が成立しようとしている割には、どうも勢いがない。ただ外国人投資家の売り越しが11週間続いたあと、ようやく止まったことは朗報だった。

今週は24日に、9月の貿易統計。26日に、9月の企業向けサービス価格。27日に、9月の商業販売統計。28日に、9月の雇用統計、鉱工業生産、家計調査、消費者物価が発表になる。アメリカでは25日に、8月の住宅価格とコンファレンス・ボードによる10月の消費者信頼感指数。26日に、9月の新築住宅販売。27日に、7-9月期のGDP統計と9月の中古住宅販売が発表になる。ほかに日米ともに決算発表が続く。


    ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング
ページトップへ  トラックバック0 コメント0
ギリシャは “管理倒産”へ (上)
2011-10-25-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 自力更生は不可能と判断 = ギリシャが“管理倒産”することは、ほぼ確実な情勢になった。最近は「デフォルト」という言葉がよく使われるが、これは借金が返せなくなったという意味。つまり倒産である。ただ私企業とは違って、ギリシャという国家を消滅させるわけにはいかない。そこで更生法を適用して再生させるのと同様に、事前に準備したうえで倒産させる。

管理倒産への要件は、いくつかある。まずギリシャが自力では財政を再建できないという認定が必要だ。次いで再生のためには、ギリシャの債務を軽減する必要がある。さらに債務の削減で被害を受ける金融機関の救済。EUは23日に続いて26日にも首脳会議を開くが、ここではこうした要件を満たすための合意が確認されることになるだろう。

ギリシャの過大な財政赤字が発覚したのは09年末のこと。EUとIMFは10年5月に、今後3年間に総額1100億ユーロ(11兆円超)を融資することを決めた。この融資はほぼ3か月ごとに分割して実行されているが、そのたびにギリシャの財政支出削減が支援の条件となっている。ギリシャ政府は今月2日にも、国家公務員3万人の一時解雇など66億ユーロの追加削減を決定した。

これで6回目の融資80億ユーロが11月上旬に実行されることになった。しかし政府が決めたこれまでの緊縮政策は、公務員の削減・給与引き下げ、年金・失業保険の減額、公共事業の凍結、さらに流通税や不動産税の引き上げ、公共企業の売却など、きわめて厳しい。このため大規模なデモやゼネストが日常化しており、景気も急速に悪化した。これ以上の緊縮はムリ。EU首脳はこうした状況から、ギリシャの自力更生は不可能だと判断したはずである。


                                  (続きは明日)

    ≪24日の日経平均 = 上げ +165.09円≫

    ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング


ページトップへ  トラックバック0 コメント0
ギリシャは “管理倒産”へ (中)
2011-10-26-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 銀行の負担は1000億ユーロ = 管理倒産させたギリシャを再生させるには、債務の大幅な軽減が不可欠になってくる。そこで考えられているのが、民間の金融機関が保有するギリシャ国債の価値を半分に減らしてしまう手段。これが実行に移されると、ギリシャの債務は1000億ユーロ(10兆円超)ほど軽減されると計算されている。

逆に各国の銀行は、最大1000億ユーロの損失を負うことになる。これを放置しておくと、こんどは銀行の倒産が相次いで大変な事態を生じる。それを防ぐためには、銀行の資本を増強するしかない。EU首脳は、この資本増強を①自力で増額②各国政府による公的資金の導入③EFSF(ヨーロッパ金融安定基金)からの支援――の順で行うことでは一致しているようだ。

ところが現在のような金融不安のなかで、ヨーロッパの銀行が自力で資本を積み増すことはほとんど不可能。また政府による公的資金の注入は、その国の財政を悪化させて国債の金利を引き上げてしまう恐れがある。そこでEFSFの資金量を拡充する必要が出てきたわけだ。

このうち公的資金の注入については、財政に余裕のあるドイツが強く主張。財政に不安を抱えるフランスはEFSFの拡充に期待。この問題が26日のEU首脳会議でどう決着をみるのか、特に注目されている。なお、各国金融機関によるギリシャ国債の保有額は最も多いフランスが90億ユーロ、次いでドイツ、イタリア、スペインの順。金融庁によると、日本は1証券会社が100万ユーロを保有しているだけで、直接的な被害はほとんどない。


                                 (続きは明日)

    ≪25日の日経平均 = 下げ -81.67円≫

    ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング


ページトップへ  トラックバック0 コメント0
ギリシャは “管理倒産”へ (下)
2011-10-27-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 管理倒産は来年4月ごろ? = EU各国はギリシャ1国を救済するだけでも、大変な負担を強いられている。仮に財政不安の問題がポルトガルやスペインにまで及んだとしたら、手がつけられない。したがって問題の波及は絶対に阻止しなければならない。このためEU各国は現在のEFSF(ヨーロッパ金融安定基金)に代えて、ずっと権限が強いESM(ヨーロッパ安定機構)を設立することでも合意している。

だが当面は銀行の資本を増強することが大仕事。各国が公的資金を注入するにせよ、EFSFの資金量を拡充するにせよ、ユーロ加盟17か国がそれぞれの議会を通さなければならない。これには早くても半年ぐらいはかかるから、ギリシャが債務を半分しか払わないとデフォルト宣言するのは来年4月ごろになるのではないか。

ギリシャがデフォルト宣言を出して“倒産”しても、EUから離脱することはないだろう。もしギリシャを離脱させると、ユーロ圏にはヒビが入る。そうなると、ポルトガルやスペインに対する不安は抑えようがなくなる危険があるからだ。ギリシャはユーロ圏にとどまったまま、おそらくは20年ごろまでESMが実質的に“管理”する可能性が強い。

問題は、こうした筋書き通りにコトが運ぶかどうかである。たとえばギリシャのパパンドレウ政権が失脚するような事態にならないのか。銀行の資本増強は、はたして1000億ユーロで足りるのかどうか。公的資金の注入やEFSFの機能拡大が、各国の議会で承認されるのか。ヨーロッパが財政・金融不安を克服するには、まだまだ長いイバラの道を歩かねばならない。


    ≪26日の日経平均 = 下げ -13.84円≫

    ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング

ページトップへ  トラックバック0 コメント0
景気は停滞局面に / 10-12月期
2011-10-28-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 復旧需要は一巡した = 財務省が発表した9月の貿易統計によると、輸出は5兆9807億円で前年比2.4%の増加だった。一方、輸入は5兆6803億円で12.1%増加した。この結果、貿易収支は3004億円の黒字だった。9月の数字としてはまずまずだが、目立つのは火力発電用の燃料輸入がいぜん大幅に増えていること。その半面、輸出は震災前の水準をほぼ取り戻して、明らかに伸びが弱まってきている。

輸出を商品別にみると、自動車が4.9%、同部品が11.5%、科学光学機器が15.2%増加した。しかし半導体など電子部品は9.0%減少した。自動車・同部品が伸びたのは、震災によって供給が減少したことの反動だとみられる。ただ、こうした一種の復旧需要もほぼ一巡したとみられ、10月以降の伸びはあまり期待できない。輸入が高水準のまま推移すれば、貿易収支は再び赤字になる可能性が大きい。

超円高の継続、欧米各国の景気停滞、中国をはじめとするアジア各国の成長鈍化。輸出を取り巻く環境は厳しさを増している。加えてタイの大洪水。たとえば鉱工業生産も震災前の水準に回復したため、9月はやや低下すると予測されている。しかし10月はその反動で上昇に転じるとみられていたが、タイの洪水でその期待は怪しくなった。要するに輸出も生産も、10-12月期は伸び悩む公算が強い。

頼みの綱は第3次補正予算だが、その成立は遅れている。仮にいまごろ成立していれば、10-12月期の景気動向を心配する必要はなかったろう。そういう意味では、政治がまたまた経済の足を引っ張る形となった。政治家は「タイの洪水など予測できなかった」と主張するかもしれないが、想定外の事件にも対処しなければならないことは、もう十分に学んだはずだ。


    ≪27日の日経平均 = 上げ +178.07円≫

    ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング

ページトップへ  トラックバック0 コメント0
サタデー自習室 -- 日本産業の空洞化 ⑬
2011-10-29-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 産業構造を変えなければ = 結論から言うと、企業の海外移行を止めることはできない。経済産業省が大企業・中小企業154社を対象に調査したところ、現在の超円高水準が半年以上続いた場合は46%の企業が「生産工場や研究開発施設の海外移転で対応する」と答えている。法人税や電力料金までを質問に加えたら、この比率はもっと増大するだろう。

空洞化が進むと、日本人の雇用機会が失われる。すでに過去10年間で200万人の仕事が消滅したという試算もある。また部品工場の撤退など、地域経済も大きな打撃を受ける。さらに国内の技能ノウハウが劣化し、国際競争力も失われる。もちろん、景気も悪くなる。

こうした危機を乗り切る方策は2つ。まず空洞化の進展を遅らせること。次に空洞化したあとを、新しい産業の振興によって埋めること。前者は円高や法人税、電力料金や貿易自由化など空洞化の原因をできるだけ除去し、企業経営にとって好ましい環境を整備するほかない。また後者はエネルギー、医療などの面で新しい技術を開発。さらに時代の先端を行く内需型の経済構造を作ることだろう。

脱原子力を目指したエネルギー産業、健康や介護、教育や観光といった産業は海外へ移行しにくい。いま海外へ移行してゆく企業は、海外で高い利益を上げている。その利益を国内で再投資できるような産業を、早い段階で構築することが必要だ。そのためには政府や政治家が、将来を見据えて発想を大転換することが不可欠だと言えるだろう。


                               (空洞化は 終わり)

    ≪28日の日経平均 = 上げ +123.93円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】 

          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング

                
ページトップへ  トラックバック0 コメント0
サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-10-30-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第5章 市場って、なんだろう? ⑨

◇ 自由な市場の役割 = 品物がたくさん並べられ、買いたい人がたくさん集まってくる。売り手にとっても、買い手にとっても便利な場所。それが市場ですね。そして市場はとても重要な働きをするのでした。1つは自由な価格の形成。もう1つは需給の自然な調整です。

品物を高くても買いたいと思う人が多ければ、その品物の値段は上がります。少なければ、下がります。このように需要と供給の力によって、物の価格が決まって行く方式。これを自由な価格の形成と言います。また価格が上がると、需要が減って供給が増える。下がると需要が増えて供給が減る。これが需給の自然な調整です。

いま世界のほとんどの国は、この市場の力が価格を決め、需要と供給を調節する方式を採用しています。これを自由市場制度と呼んでいます。自由市場制度は、自由経済体制の基本だと言ってもいいでしょう。

ただ前にも説明したように、価格が毎日変わってしまうと困るものについては、一定の期間変わらないようにしています。たとえば電気代、ガス代、電車やバス、タクシーの料金など。これらの価格を変える場合には、役所の承認を受けなければなりません。いずれにしても、みなさんの家の近くにある小さな市場。経済的には、とても大きな役目を果たしていることを覚えておいてください。


          ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング


ページトップへ  トラックバック0 コメント0
今週のポイント
2011-10-31-Mon  CATEGORY: 政治・経済
世界の株式市場が、いっぺんに明るくなった。ダウ平均は先週422ドルの値上がり。約3か月ぶりに1万2000ドル台を回復。日経平均も372円値上がりして、約2か月ぶりに9000円台を取り戻した。ヨーロッパやアジア市場の株価も多くが値上がりしている。最大の材料は、EUがようやく財政・金融不安に対する包括案をまとめたこと。アメリカの7-9月期の成長率が巡航速度の2.5%に戻ったことも、安心感につながったようだ。

兜町でも短期的には上昇を予想する専門家が多くなったと、日経新聞は伝えている。年内に9500円を超えるかどうか話題の中心になったともいう。明るい雰囲気は大歓迎だが、日本株の場合は重石もある。超円高の継続とタイ大洪水の影響だ。行過ぎた楽観論は、ややハシャギすぎのような気もする。

日銀が追加の金融緩和政策を発表したにもかかわらず、円の対ドル相場は最高値を更新し続けている。タイの洪水による日本企業の被害は、復旧までに半年かかるという見方も強まってきた。その影響はかなり大きいとみなければならない。そして10月以降の景気は停滞局面に。冬の電力事情も心配になる。

今週は31日に、9月の住宅着工戸数。1日に、9月の毎月勤労統計と10月の新車販売。アメリカでは1日に、10月の新車販売。3日に、10月のISM非製造業景況指数。そして4日には、10月の雇用統計が発表される。また1-2日にはFOMC(公開市場委員会)。3日にはG20の首脳会議がフランスのカンヌで開かれる予定。


    ≪31日の日経平均は? 予定 = 下げ

                    ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング
ページトップへ  トラックバック0 コメント0
<< 2011/10 >>
S M T W T F S
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -


余白 Copyright © 2005 経済なんでも研究会. all rights reserved.