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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
恐ろしい予測 : 貿易赤字の定着 (中)
2011-12-01-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ なぜ堂々と発表しないのか = いかにも恐ろしげな「リスクシナリオ」と題するこの報告書は、枝野経産相が21日の国家戦略会議に提出した。その内容は、まず日本は現在「円高による空洞化」と「経常収支の赤字化によるマクロ経済の行き詰まり」という2つのリスクに直面していると指摘している。

さらに空洞化が続けば「10年代半ばに貿易赤字構造に転落」する恐れがあると分析。その結果は「急激な日本売り」「国債消化余地の消失」「急激な円安とインフレ」「高金利と失業増」に見舞われる危険性があると結論付けている。これは大変に重大な内容の報告書だ。しかし一般には公表されず、一部の新聞が報道しただけである。

報告書は対策として、TPP(環太平洋経済連携協定)への参加や原発の再稼働などを挙げている。ここから推察すると、どうもこの報告書は経産省が、TPPや原発の必要性を国家戦略会議のメンバーに訴えるために作成したようにも思われる。このため一般には公表しなかったのかもしれない。

だが10月の貿易統計からも判るように、日本の赤字化は現実的なリスクになる可能性がある。政府は矮小な戦術論ではなく、もっと堂々とその危険性を国民に訴えるべきではないのか。来年のいまごろになって、貿易赤字が続き、国債の利回りが急騰し、マイナス成長に苦しむような事態は絶対に避けなければならない。この問題での“想定外”は許されない。


(続きは明日)

    ≪30日の日経平均 = 下げ -43.21円≫

    ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ

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恐ろしい予測 : 貿易赤字の定着 (下)
2011-12-02-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 節電はなんのために = 日経新聞のネット調査によると「今冬のイルミネーション実施をどう思うか」という質問に対して「望ましい」という回答が54%あった。ことしもクリスマスを控えて、全国の市街地や住宅地でもイルミネーションが夜景を飾る。90年代から始まったこの風習は、いまや日本の冬の風物詩として定着したようだ。

たしかに美しいイルミネーションは華やかな雰囲気を醸し出し、見る人の気持ちを豊かにする効果がある。商店街などでは、売上げの増加につながるかもしれない。ことしは電力不足の心配もあって、点灯時間を短くしたり、LED照明に切り替えるなどの省エネ努力も広がった。

夏の電力不足は急だったせいもあって、対応にはかなり苦労した。その経験もあり、この冬はすんなり乗り切れそうだという感じが浸透している。このために「イルミネーションは望ましい」と答える人が多いのだろう。その考え方は自然であり、十分に理解できる。

だが節電の目的は、電力不足対策だけなのか。いま火力による発電量が急増。このため原油やLNGなど鉱物性燃料の輸入が激増している。たとえば10月の輸入額は1兆7700億円で、前年を35.6%も上回った。その結果は貿易収支の赤字。もし赤字が定着すると、日本経済はやって行かれない。こういう事実を知らせたうえで調査したら、「望ましい」という回答はかなり減ったのではないだろうか。


    ≪1日の日経平均 = 上げ +162.77円≫

    ≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 綱渡りの ユーロ圏 ⑤
2011-12-03-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ <波及①>イタリアへ飛び火 = ギリシャの財政・金融不安は、11月に入るとイタリアへ飛び火した。ユーロ17か国のなかでも、イタリアはドイツとフランスに次ぐ3番目の大国。人口は約6000万人で、ギリシャの6倍に近い。またGDPは約2兆ドルでギリシャの7倍、世界でも8番目の経済大国である。このイタリアが仮にデフォルト(債務不履行)でも起こせば、その影響はギリシャの比ではない。

このイタリアの国債利回りが11月に入って急騰した。イタリアの財政状況をみると、10年の財政赤字はGDP比が4.6%で大きくはない。しかし累積債務残高は1兆8400億ユーロもあってGDPの120%にも達している。このGDP比率はユーロ圏のなかで、ギリシャの145%に次ぐ高さ。この弱点があるために、国債が敬遠され始めたわけである。

ベルルスコーニ前首相は厳しい財政再建計画を決定。IMF(国際通貨基金)にその進捗状況を監視するよう依頼したが不安は鎮静せず、国債の利回りは7%を超えた。このためベルルスコーニ氏は退陣。11月18日、経済学者で元欧州委員のマリオ・モンティ氏を首班とする新内閣が発足した。

この新内閣も、国家公務員の削減や年金支給開始年齢の引き上げ、不動産税の復活などを含む厳しい財政再建策を断行する方針。ただ新内閣が財政再建に成功するかどうかは、ひとえに国民が緊縮政策に耐えられるかどうかにかかっている。仮にイタリアが財政再建に失敗するようなことがあると、ヨーロッパの財政・金融不安はさらに広がり、ユーロ体制は崩壊の危機にさらされるだろう。


                             (続きは来週サタデー)

    ≪2日の日経平均 = 上げ +46.37円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】    

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-12-04-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第6章 会社って、なんだろう? ⑤

◇ 大きな会社、小さな会社 = 日本には、いったい会社がいくつあるのでしょうか。答えは180万6000社。ずいぶん多いでしょう。そこで働いている社員は4127万人もいるのです。このうち株式会社は149万6000社ですから、大半の会社が株式会社だと言えます。ただし株式会社でも証券取引所に上場して、一般の人が売買できるようになっているのは5000社ほどしかありません。

会社には巨大な会社から、ちっぽけな会社までいろいろあります。では、会社の大きさは何で測るのでしょうか。いくつかの物差しがあります。たとえば資本金。資本金というのは、株主が出したおカネの合計でしたね。これでみると、いちばん大きいのは三井住友フィナンシャル・グループという金融機関です。その資本金は2兆3400億円。

また売上高や利益、あるいは従業員の数で測る場合もあります。売上高でみると1位は三菱商事で、その金額は19兆2000億円にも達しています。しかし世界を見渡すと、もっと売上高の大きい会社がごろごろ。世界一はアメリカのウォールマートという小売りチェーン店で、売上高は3500億ドル。日本の円に直すと、30兆円にものぼります。

時価総額で会社の大きさを測る方法も、最近は盛んになっています。時価総額というのは、発行した株式の数と、取引所で毎日のように変わる株価を掛け合わせた数字です。これでみると、日本の第1位はトヨタ自動車。金額は8兆9000億円です。一方、小さな会社は資本金が1円。あるいは社長1人しかいない会社も存在します。


                                 (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2011-12-05-Mon  CATEGORY: 政治・経済
株式市場に、いったんは笑顔が戻った。ダウ平均株価は先週788ドルの大幅な値上がり。この上げ幅は08年10月以来の大きさで、過去7番目の記録。1万2000ドルも2週間ぶりに回復した。ヨーロッパやアジア各国の株価も急騰している。最大の理由は、日米欧の6か国中央銀行が市場へのドル資金供給拡大で協調すると発表したこと。これでヨーロッパ情勢に対する不安がぐっと薄らいだ。

日経平均も週間484円の値上がり。11月は東証1部の売買代金が1日平均1兆円を下回る薄商いとなったが、12月入りとともに出来高は大幅に増えている。ただニューヨークに比べると、上げ方はおとなしい。第3次補正予算が成立し、さらに2兆円規模の第4次補正予算が組まれる状況にしては、いま一つ元気がない。

今週は7日に、10月の景気動向指数。8日に、10月の機械受注と11月の景気ウォッチャー調査。9日に、10-12月期の法人企業景気予測調査と7-9月期のGDP改定値が発表になる。アメリカでは5日に、11月のISM非製造業景況指数。9日に、ミシガン大学による12月の消費者信頼感指数が発表される。また6日には、ユーロ圏の7-9月期GDP改定値。9日には中国が11月の消費者物価、生産者物価、鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資を発表の予定。

アメリカでは先週末、11月の失業率が8.6%に低下したという発表があった。しかし株価はこれに反応しなかった。それまでの上げ過ぎを警戒したのかもしれないが、今週8-9日にブリュッセルで開くEU首脳会議を意識した動きのようにも思われる。ここでどんな決定が下されるか。今週の株価は、その事前予想に一喜一憂することになりそうだ。


    ≪5日の日経平均 = 下げ

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大きなヤマ場 / EU首脳会議 (上)
2011-12-06-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 重大な4つの議案 = EU(ヨーロッパ連合)27か国の首脳は今週8-9日、ベルギーのブリュッセルでユーロ圏の命運を左右する重要な会議を開く。逆巻く財政・金融不安を鎮静させるため、この首脳会議が検討する主な議題は①各国の予算作りを監視・介入する制度②共同債券の発行③EFSFの拡充④ECBの国債購入--の4つ。どこまで合意できるかによって、不安は縮小するのか、逆に拡大してしまうのかが決まるだろう。

ギリシャに端を発した財政・金融不安は、ユーロ圏の基本的な欠陥をさらけ出した。共通通貨を流通させ金融政策は統一したが、財政政策は各国に任せたことである。このため強い通貨を持って借金をしやすくなったギリシャなどが、安易に国債を増発。これが大問題を惹き起こす原因になった。このことを反省してEUはこんどの首脳会議で、財政に関する2つの対策を検討する。

EU各国は現在も財政協定を結んでいる。その内容は「毎年の財政赤字をGDPの3%以内に」「累積債務をGDPの60%以内に」収めるというもの。しかし罰則規定はなく、ほとんど守られていない。そこで今回は、EU執行部が加盟国の予算編成を監視したり、介入できるような法律を作ってしまう。各国政府は予算案を自国の国会へ提出する前にEU理事会に提出。これをEUが審査し、修正させる権限を持つようにする。

もう1つは、各国が国債の発行を止めて、EUが共同で債券を発行する案。これなら27か国が全体の信用で発行できるから、市場の不安を抑えることができる。具体的には、全部の国債をこの共同債に切り替えるか、あるいは一部だけを切り替えて、残りは従来どおり各国が個別の国債を発行する案などが準備されているという。


                                 (続きは明日)

    ≪5日の日経平均 = 上げ +52.23円≫

    ≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ

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大きなヤマ場 / EU首脳会議 (下)
2011-12-07-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 市場にインパクトがあるかどうか = あと2つの議題は金融政策に関するもの。1つはEFSF(金融安定化基金)の拡充。EFSFというのはギリシャの混乱を収めるため、EUが10年5月に作った資金援助の基金。融資能力4400億ユーロで発足したが、いまは2500億ユーロしか残っていない。そこで基金の能力を1兆ユーロにまで引き上げる計画だ。

もう1つの金融問題は、ECB(ヨーロッパ中央銀行)による国債の買い入れ。現在もECBはスペインやギリシャの国債を買い支えているが、その額は少ない。これはEUの基本条約で「中央銀行による財政支援を禁じている」ため。そこで基本条約を改正し、ECBが無制限に各国の国債を買えるようにしようという案だ。

これら4つの議案のなかで、EU首脳会議がすんなり承認しそうなのは各国予算に対する監視・介入権だけ。またEFSFの拡充についても合意できそうだが、融資能力が1兆ユーロに達するかどうかは微妙。さらにECBによる国債購入については、多少の増額は認めても無制限買い入れはムリだろう。共同債の発行にいたっては、ドイツの強硬な反対もあって実現は困難だ。

仮にこうした予想通りの結果になると、市場は失望するのではないか。そうなると6か国中央銀行の協調ドル融資でいったん下火になったヨーロッパの債務危機に、再び火が付いてしまう。要は結果が市場にインパクトを与えることが肝要だ。EU首脳会議が“隠し玉”を持っていることに期待したい。


    ≪6日の日経平均 = 下げ -120.82円≫

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設備投資に現れた “空洞化”の進行
2011-12-08-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 海外での投資が急増 = 日経新聞がまとめた11年度の設備投資計画調査によると、全産業の設備投資額は22兆0697億円で前年度比14.4%の増加になる見通し。2年連続の増加であり、企業の投資マインドは堅調だと言っていい。注目されるのは海外での設備投資が39.2%も伸びること。産業空洞化の実態が設備投資の面にも、はっきり現れてきた。

この調査は、銀行・保険・証券を除く1426社を対象に行われた。このうち製造業の投資計画は12兆0933億円で、前年度比では21.4%の増加。非製造業は9兆9764億円で6.9%の増加となっている。製造業で伸びが大きかったのは自動車や化学など。鉄鋼と医薬品は前年度比で減少している。非製造業では、小売りの伸びが目立つ。

海外での設備投資額は2兆円に達する見込み。まだ全体の1割に満たないが、前年度に比べると40%に近い増加率となっている。主として製造業で、自動車や機械、化学などの業種が海外での投資を増やしている。タイの大洪水という特殊事情もあったが、アジア向けが多い。

このような設備投資動向は、産業の空洞化を反映したものだ。したがって、海外での設備投資は今後も急増を続ける可能性が大きい。問題は国内景気との関連。企業の設備投資は国内で実行されれば景気を押し上げる力になるが、海外ではダメ。このため今後の投資が海外で増えて国内で減ると、景気は足を引っ張られることになる。


    ≪7日の日経平均 = 上げ +147.01円≫

    ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ

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TPPへの免罪符? / 豪州との自由化交渉
2011-12-09-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 驚くべき 反対派の思惑 = 日本とオーストラリアとのEPA(経済連携協定)交渉が、年内に再開されることになった。EPAというのはモノの貿易だけではなく、サービスや投資など経済の幅広い分野での自由化を目指す協定。日豪間のこの交渉は07年にスタートしたが、これまでほとんど進展をみせず中断していた。それが急に再開することになった裏には、自由化反対派の奇妙で驚くべき思惑が・・・。

両国の貿易関係をみると、日本の輸入額は年間4兆円。石油・天然ガスや鉄鉱石、石炭などを輸入しているが、これらの輸入関税はすでにゼロ。ただ農産物や魚介類には高い関税をかけている。一方、オーストラリアは輸入額が1兆5000億円。自動車や機械、鉄鋼などを輸入しているが、ほとんどに関税がかけられている。したがって日本側が農産物の関税を下げない限り、交渉は進む余地がない。このため交渉が中断していた。

野田首相はTPP(環太平洋経済連携協定)への参加交渉を始めると明言した。このため農産物に対する関税の撤廃も覚悟し、オーストラリアに対してもそのカードを切るのではないか。こんな推測も出始めている。ところが農産物の自由化あるいはTPP参加に絶対反対の議員も、このオーストラリアとの交渉再開には賛成しているというのだから、まことに奇妙だ。

アメリカはすでにオーストラリアとの間でFTA(自由貿易協定)を結んでいるが、砂糖の輸入については例外品目として関税を下げていない。しかもTPPが発足しても、これは変えないと表明している。反対派はここに目をつけた。オーストラリアとの交渉で、できるだけ多くの例外品目を作ってしまう。そうすればTPPに参加しても、例外を維持することができる。驚くべき発想だが、はたしてうまく行くのだろうか。


    ≪8日の日経平均 = 下げ -57.59円≫

    ≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 綱渡りの ユーロ圏 ⑥
2011-12-10-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ <波及②>不安国はすべて政権交代 = いまヨーロッパで問題になるほどの過剰債務を抱えているのは5か国。発端になったギリシャのほかに、ポーランドとスペイン、イタリア、それにアイルランド。今年末に予想される公的債務の対GDP比率でみると、スペインは69.6%だが、あとの4か国はいずれも100%を超えている。

驚いたことに、この5か国すべての政権がことし交代した。ギリシャとイタリアでは内閣が総辞職。あとの3か国では総選挙が行われた。その結果はいずれも現職が敗退、野党が政権を握っている。どの国でも有権者が、財政を破綻させ経済をダメにした政府・与党を厳しく批判したためだ。

新政権はみな財政の立て直しを最優先課題としており、厳しい緊縮政策を実行する構えだ。その結果は景気をさらに下降させ、失業を増大させると予想される。国民がその試練に耐えられるかどうか。もし耐えられなければ、政権はまた崩壊する。政治も経済もガタガタになってしまい、財政再建は困難になるだろう。

仮にスペインやイタリアまでがその状態に陥り、国債を発行できなくなると、問題は一気に拡大しかねない。ベルギーやフランスも巻き込まれる危険度は高い。EUも対策を講じられなくなり、ユーロ圏は存続できなくなってしまう。したがって、財政・金融不安の大波をどこで食い止められるか。当面、最大の注目点はそこにある。


                             (続きは来週サタデー)

    ≪9日の日経平均 = 下げ -128.12円≫

    【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-12-11-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第6章 会社って、なんだろう? ⑥

◇ 会社のなかの仕事 = 会社で働いている人は、いろいろな仕事を受け持っています。その仕事を大きく分類すると、まず管理(かんり)部門と現業(げんぎょう)部門に分けられます。管理部門というのは、たとえば社員の面倒をみる人事部とか、社内の管理をする総務部とか、おカネを扱う経理部など。

現業部門というのは、たとえば製造業だったら工場で製品を作っている人たち。製品を売るために働いている販売部、製品を多くの人たちに知ってもらうためにチエを出す宣伝部、それに少しでもいいものを作り出そうと努力している開発部、機械の調子を見て回っている技術部など。

会社によって、その中身はいろいろです。ただ共通しているのは、このように働く内容をいくつかに分けることで、仕事の能率を高めようとしていること。会社は利益を目的にしているわけですから、いい製品を安く作って売上げをふやすことが大切です。そのためには、能率を上げることがいちばん大事なのです。

このように仕事を分けることで能率をよくするやり方を、分業と言います。第1章の「経済って」で登場した、南の島の4人のことを思い出してください。太郎さんは魚とり、次郎さんは猟師(りょうし)、三郎さんは農業、四郎さんは大工の仕事をしましたね。あれが分業です。みんなの家族で会社に勤めている人がいたら、どんな仕事をしているのか、聞いてみてくださいね。


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今週のポイント
2011-12-12-Mon  CATEGORY: 政治・経済
EU首脳会議が閉幕。イギリスを除く26か国が、財政規律の強化など危機対策で合意した。欧米の株価はこれを好感して上昇、ダウ平均は週間126ドルの値上がりとなった。日経平均はこのニュースが間に合わなかったため、週末も続落。週間では107円値下がりした。今週の市場は、このEUの危機対策をじっくり評価することになるだろう。

アメリカではクリスマスを控えて、個人消費の動向に関心が寄せられている。その前哨戦となる11月の小売り売上高が13日に発表される。堅調ならば、年末にかけての株価が支えられるだろう。国内では、15日に日銀の短観が発表される。足元に大きな変化はなさそうだが、3か月後の見通しは悪化する可能性が高い。だが株価はすでに織り込んでいるようにも見受けられる。

それよりも13年度の企業業績に関して、このところ下方修正が相次いでいる点は気がかりだ。たとえば13年3月期の経常利益について、野村証券は前回予想より2.7ポイント引き下げて24%の増益に変更している。世界経済の減速と円高の定着が下方修正の理由だが、この傾向は今後ますます強まるかもしれない。

今週は12日に、11月の企業物価と消費者動向調査。13日に、第3次産業活動指数。15日に、12月調査の日銀短観が発表される。 アメリカでは11日に、11月の小売り売上高。15日に、11月の工業生産と生産者物価。16日に、11月の消費者物価。ほかに16日には、EUが10月の貿易収支と11月の新車販売台数を発表する。また16日にはギリシャが20億ユーロの国債償還を予定しているが、波乱はない見込み。


    ≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ

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増税だけ可決 : 国民をバカにした与野党
2011-12-13-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 議員と公務員は負担せず = 復興財源法案が国会で可決、成立した。これにより東日本大震災の復興財源に充てるための臨時増税が確定した。ところが国会議員の定数削減や歳費のカット、国家公務員の給与引き下げは採決もせずにウヤムヤのまま先送り。災害復旧は国民がみんなで分担しようという考え方は、完全に吹っ飛んでしまった。

臨時増税は所得税、法人税、個人住民税を引き上げる形になっているが、法人税は減税した後に3年間だけ臨時増税するので実質的には変わらない。したがって増税総額の年間10兆5000億円は、そのほとんど全部を個人が負担することになる。たとえば夫婦子2人の標準家庭で、年収500万円なら年2600円、年収800万円なら年8000円の増税になる。

未曾有の大災害に直面して、国民はその復旧・復興のための財源を分に応じて負担すべきだ。臨時増税はこうした合意のもとに立案されたものである。国会議員も定数を減らし、歳費を削減する。国家公務員も給与を引き下げ、地方公務員もそれに倣う。これが暗黙の了解事項だったはず。このうち議員の歳費は月50万円をカットしたものの、わずか6か月で止めてしまった。

公務員の給与は平均7.8%を引き下げる法案が国会に提出されたが、賛成していたはずの自民・公明党が最後に難癖を付けて採決を見送ってしまった。議員の定数削減については、審議もされていない。結果として実現するのは、一般国民が負担する増税だけ。どうも与野党が結託して、国民をだましたという感触を拭い切れない。こんな背信行為のあとで、消費税を引き上げられるのだろうか。


    ≪12日の日経平均 = 上げ +117.36円≫

    ≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ

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暗闘! EU vs 格付け会社 (上)
2011-12-14-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 防いでもすぐ壊される = 12月5日、世界の市場では株価がそろって上昇した。独仏首脳会談で財政規律を強化する新条約が合意され、イタリア新内閣の財政再建策が好感されたためである。ヨーロッパ各国の国債が買い戻され、利回りは低下。イタリア国債の利率は久しぶりに6%を割った。だれもが「ヨーロッパの不安は軽減された」と感じた一瞬である。

ところが6日、株価は早くも方向性を失った。ヨーロッパの国債利回りは一転して上昇、ユーロも売り込まれた。不安は一夜にして再燃した。スタンダード・プーア社(S&P)が「ユーロ15か国の国債格付けを引き下げる可能性がある」と発表したためである。

さらにS&P社は「EFSF(ヨーロッパ金融安定化基金)の格下げを検討中」「ユーロ圏の大手銀行についても格下げの方向で見直す」と発表。二の矢、三の矢を打ち込む格好となった。これで独仏首脳会談の成果もイタリアの財政再建計画も、完全に吹っ飛んでしまった。

EUはこれまで何度も痛い目にあっている。ギリシャは財政再建策を作成するたびに、格付け会社が「実行できる可能性が低い」という理由で格下げ。結局は管理デフォルトに追い込まれた。イタリアも再建策を作った直後に格下げされ、ベルルスコーニ首相は退陣を余儀なくされた。防戦一方に回ったEUは、防いでも防いでも格下げの矢が飛んできて、防ぎ切れない格好である。


                                   (続きは明日)

    ≪13日の日経平均 = 下げ -101.01円≫

    ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ

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暗闘! EU vs 格付け会社 (中)
2011-12-15-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 格付け会社の功罪 = 信用格付け会社はもともとアメリカで、企業経営の安定性を査定する研究機関として発足した。特に企業が社債を発行する際に高い評価を付け、投資家に安心して買ってもらうことが目的だった。このため当初は多額の格付け料を払った企業に、高い評価を与えるなど問題も多かったといわれる。1970年ごろからは社債のほか国債や地方債、あるいは金融商品全般に格付けを行うようになった。

格付けはふつうデフォルト(債務不履行)、つまり投資したカネが返ってこない確率が高いか低いかを21段階の符号で表す。たとえば「AAA」→「AA+」→「AA」→「AA-」のように。投資家はこれを見て投資の安全性を判断できるから、きわめて有益な指標と言える。アメリカ政府も不可欠な業務だと判断して、格付け会社を積極的に育成した。現在では10社に公認の免許を与えている。

だが格付けは多くの場合、主観的な判断に基づいている。このため間違えることも少なくない。たとえば08年にリーマン・ショックを起こしたとき、一夜にして無価値になったサブプライム・ローンに最上級の格付けをしていて大問題になった。また01年に超大型の倒産事件を惹き起したエネルギー会社エンロンの不正経理も見抜けなかった。このため格付けの信ぴょう性を疑う意見も多い。

いまニュースによく登場するのは、スタンダード・プアーズ、ムーディ-ズ、フィッチの3大会社で、いずれもニューヨークに本社を置いている。このためEUはヨーロッパの支店には影響力を及ぼせるが、本社に対してはモノが言えない。アメリカ政府は格付け会社を重視しているので、EUが抗議しても動かない。これがEUの泣き所でもある。そうしたなかで、EUも格付け会社に対する“報復”を開始した。


                                 (続きは明日)

    ≪14日の日経平均 = 下げ -33.68円≫

    ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ≫ 

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暗闘! EU vs 格付け会社 (下)
2011-12-16-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 巨大亀と毒スズメ蜂の戦い = この話はあまり伝わっていないが、EUの証券市場監督局は少し前からS&Pなど3大格付け会社に立ち入り検査をしている。格付け作業の方法が妥当かどうかを検討し、来年4月ごろには結論を出すという。仮に作業上の不備が発見されると、制裁金、業務停止、免許取り消しなどの罰則を科す方針。

またEUの執行機関であるヨーロッパ委員会は、格付け会社に対する規制を強化する法案を作成中だ。この法案で特に注目されるのは「誤った格付けで損害を被った投資家は、損害賠償を請求できる」という条項。仮にサブプライム・ローンに最上級の格付けをするようなことを再び行えば、巨額の賠償金を請求されることになる。

もっとも、EUのこうした行政措置はEU域内の営業に限られる。格付け会社はEU域内での活動を規制されれば打撃にはなるが、ニューヨークの本社は安泰だ。この点はEU側が常に感じている弱点だと言えるだろう。弱点と言えば、何を決めるのにも長い時間がかかること。これもEUの不利な点だ。

たとえばEU首脳会議は先週、財政規律強化のための新しい対策を決めたが、それが実現するには加盟27か国のすべての議会が審議して賛成しなければならない。おそらく1年近くはかかるだろう。これに対して格付け会社側は、決定を下して公表するのに全く時間はかからない。権力という甲羅を持った巨大な亀は、恐ろしく足が遅い。一方、格下げという強力な毒針を持ったスズメ蜂は、素早く動き回る。どちらが勝つのだろう。


    ≪15日の日経平均 = 下げ -141.76円≫

    ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 綱渡りの ユーロ圏 ⑦
2011-12-17-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ <対策①>ギリシャに対する包括策 = ギリシャが財政難に陥ってEUに支援を要請したのは、昨年の4月末だった。このときのEUの対応は素早かった。5月初めにはIMFと連携して、12年までの3年間に1100億ユーロを融資すると決定している。この融資はギリシャの財政再建の進み具合をみながら、ほぼ3か月ごとに分割して実施されることになり、現在も継続している。

ところがギリシャの財政再建は国民の反対も強く、思うようには進まない。ことし10月末になって、EU首脳はとうとう「ギリシャの自力更生はムリ」という結論を出さざるをえなかった。その結果、ギリシャの債務を強制的に削減する必要が出てくる。そこでEUは新たにギリシャ支援の包括策を作成した。

まずギリシャ政府の民間に対する債務を50%削減。これによってギリシャの債務負担を約1000億ユーロ軽減する。しかし、この民間債務はその多くがヨーロッパの金融機関に対するもの。放っておけば、金融機関の倒産が続出しかねない。そこで来年4月ごろをメドに、金融機関の資本を増強する。この増強を助けるため、EFSF(ヨーロッパ金融安定化基金)の融資能力を拡充する。これが包括策の内容だ。

EU首脳が包括策の作成に合意した背景には、重大な2つの意味があった。1つは金融機関の資本増強が終わるのを待って、ギリシャを管理デフォルトさせること。したがってギリシャは来年4月ごろ、みずからデフォルト宣言をすると考えられている。もう1つは、信用不安がポルトガルやスペインにも拡大する可能性を確認したこと。EFSFの拡充は、そのことを視野に入れた対応策だった。


                             (続きは来週サタデー)

    ≪16日の日経平均 = 上げ +24.35円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-12-18-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第6章 会社って、なんだろう? ⑦

◇ 年功序列から成果主義へ = 会社にとって、大事なものは何でしょうか。それは「ヒト、モノ、カネ」だと、よく言われます。優秀な人間、第一級の機械や材料、それに不自由しないだけのおカネ。これが揃っている会社はいい会社であり、伸びる会社でもあるのです。

このうち特に大切なのはヒト。つまり社員や従業員です。ですから日本の会社は、むかしから社員を大事にしてきました。たとえば学校を卒業して会社に就職すると、その人は歳をとって会社をやめるまで、その会社で働けるのがふつうでした。これを終身雇用(しゅうしんこよう)制度と言います。

そして1年たつごとに、給料が確実に上がって行ったのです。これを年功序列(ねんこうじょれつ)制度と言います。終身雇用や年功序列の制度は日本だけのもので、アメリカやヨーロッパの国々にはありません。日本の会社員は自分が働く会社をとても大事にし、よく働いたのです。戦後の日本が経済的に大きく発展した、ひとつの理由だったと考えられています。

ところが最近は、これらの制度が崩れ始めました。海外諸国との競争が激しくなったために、多くの会社がこれらの制度を続けられなくなってきたのです。その代わりに年齢にはあまり関係なく、よい成績を上げた社員の給料を増やす方式が取り入れられるようになってきました。この方式を能力主義(のうりょくしゅぎ)とか、成果主義(せいかしゅぎ)と呼んでいます。


                                (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2011-12-19-Mon  CATEGORY: 政治・経済
市場はEUが決定した財政規律強化を含む新しい対策をじっくり評価した結果、大勢は「やはり力不足」の判断へ傾きつつあるようだ。そのうえヨーロッパを中心に世界の景気は、明らかに下降局面に入りつつある。このため投資マネーは損失を回避するため、一斉にリスク投資から手を引き始めた。先週は株式だけでなく、原油や金をはじめとする商品市況も大幅に値下がりした。

ダウ平均株価は先週318ドルの下げ。日経平均も135円の値下がりだった。ヨーロッパの株価も大幅な下げ。上海の総合指数は2年9か月ぶりの安値に転落した。原油の国際価格は1か月半ぶりの安値に、金価格は2か月半ぶりの安値に下落した。非鉄金属や食料品も値下がりしている。

だが株式や商品の価格が下落すると、買いが入りやすくなることも事実。日経平均の動きには、その関係がよく現れている。たとえば出来高が細ったなかで、8600円を超えると売りが集中する。しかし8400円を割り込むと、買い注文が出る。だから1日の値幅は極端に狭くなった。今週もこうした展開が続くだろう。

今週は20日に、10月の全産業活動指数。21日に、11月の貿易統計。アメリカでは20日に、11月の住宅着工戸数。21日に、11月の中古住宅販売。22日には、7-9月期のGDP確定値とコンファレンス・ボードによる11月の景気先行指数。23日に、11月の新築住宅販売戸数が発表される。


    ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ

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日銀短観にみる 復旧・復興需要 (上)
2011-12-20-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 東北6県は急浮上 = 日銀は先週、12月の企業短期経済観測調査を発表した。それによると、大企業・製造業の業況判断DIはマイナス4となり、前回9月調査よりも6ポイント悪化した。ただ非製造業は、大企業・中堅企業・中小企業のすべてで3-5ポイント改善している。こうしたなかで東北地方6県の業況判断DIは、製造業、非製造業ともに大きく改善したことが目立っている。

「現在の業況は3か月前に比べて良くなっているか、悪くなっているか」を企業に聞いているのが、日銀の短観。今回は11月14日からの1か月間に、全国1万0846社を対象に調査した。その結果「良い」と答えた比率から「悪い」と答えた比率を差し引いた数字が、業況判断DIとして発表される。

大企業・製造業の業況判断DIが6ポイントも低下したのは、電機の不振が大きく響いている。電機業界の業況判断DIは前回よりも16ポイント悪化して、マイナス21に落ち込んだ。また非鉄や石油・石炭も大幅に低下。世界的な景気の低迷と円高の影響が大きい。ただ自動車は7ポイント改善してプラス20に。震災のためにストップしていた部品の供給が回復、積み残し需要が貢献した。

非製造業の改善も、震災の影響が収まったことを反映している。個人の買い控えが解消、旅行などへの支出も平常化した。特に宿泊・飲食サービス業は16ポイントも改善した。また建設業も復旧需要の恩恵で3ポイントの改善をみせている。ところが3か月先の見通しになると、製造業も非製造業も7ポイントの悪化を予想。これは復旧予算を消化したあとの“タマ切れ”を心配した結果のように思われる。


                                    (続きは明日)

    ≪19日の日経平均 = 下げ -105.60円≫

    ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ

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日銀短観にみる 復旧・復興需要 (下)
2011-12-21-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 業況判断DIのプラスは20年ぶり = 東北6県だけに限ってみると、製造業の業況判断DIは5ポイント改善してプラス1に。非製造業は9ポイント改善してプラス5にまで回復した。この結果、全産業のDIもプラス3に上昇したが、この数字がプラスになったのは、なんと1992年以来20年ぶりのこと。復旧需要が企業の景況感をぐっと持ち上げた。

業種別にみると、製造業では窯業・土石が44ポイントも改善したのをはじめ、運搬・輸送用機械など復旧に関連する業種のDIが大幅に上昇した。また非製造業では鉱業・採石業・砂利採取業が40ポイントの改善。事業所向けサービス業、卸売業のDIも目立って上向いた。

県別に全産業の景況判断DIをみると、最も良くなったのは宮城県でプラス20。次いで岩手県のプラス14、福島県のプラス6となっており、被災県の健闘が目立つ。逆に青森県はゼロ、秋田県はマイナス9、山形県はマイナス11。当然のことかもしれないが、復旧需要が被災3県に集中していることを反映している。

心配なことは、企業が3か月後の業況は悪化すると予想している点だ。全国調査でも先行き見通しは、全産業ベースで6ポイントの低下。東北6県でも10ポイントの悪化を予想している。これから第3次補正予算による本格的な復興事業が始まるというのに、どうも先行きには自信がない。じっさいに復興需要が出るはずの来年3月に、この短観の数字が上方修正されていることを期待したい。


    ≪20日の日経平均 = 上げ +40.36円≫

    ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ

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またバラマキ! 第4次補正予算
2011-12-22-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 木を見て 森を見ず = 政府は20日の閣議で、第4次補正予算案を決定した。年明け早々の通常国会に上程、成立させる方針。歳出規模は2兆5345億円。エコカー補助金の復活に3000億円、中小企業の資金繰り支援に7413億円、TPP(環太平洋経済連携協定)参加をにらんだ農業対策費1574億円、70-74歳の医療費窓口負担を1割に据え置くための経費2719億円などが主な支出内容だ。

補正予算が1年に4回も作成されるのは、大震災があったためで仕方がない。これで11年度の一般会計歳出額は、合計107兆5000億円と過去最大に膨れ上がった。財源は税収が当初見積もりを上回った分1兆1030億円、それに国債の利払い費が予算を下回った分1兆2923億円などで賄い、新規の国債発行はしない。

一見すると、支出内容はエコカー補助金にしても中小企業対策にしても、時宜に適した非常に結構な政策だ。この1つ1つの政策については、反対する意見も出ないだろう。しかも天から授かったような財源を使い、新規の国債発行もしない。自民党も、文句の付けようがないのではないか。

だが大所高所から眺めてみると、別の考え方が出来る。第3次補正予算では、災害復興費として9兆円あまりを組んだ。しかし、それで足りるのだろうか。2兆5000億円もの財源が湧き出したのなら、復興費の不足に備えて確保しておいた方が賢明だったのではないか。具体的には来年度予算の財源に充当し、それだけ国債発行額を減らしておけばいい。目先は誰も反対しにくい政策を並べ、あとで国民の負担となって跳ね返る。4次補正も、やはり民主党が得意のバラマキではないだろうか。


    ≪21日の日経平均 = 上げ +123.50円≫

    ≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 綱渡りの ユーロ圏 ⑧
2011-12-24-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ <対策②>ユーロ圏全体の防衛策へ = EU首脳は10月末になって、ようやくギリシャ問題を収拾するための包括策をまとめあげた。しかし、その間9月から10月にかけて、こんどはイタリアの国債が格下げされた。このため国債の利回りが7%を上回り、ベルルスコーニ首相は退陣を余儀なくされてしまう。信用不安はポルトガルやスペインを飛び越えて、一気にEU第3の大国に迫る形となった。

イタリアの経済規模はギリシャの7倍、政府の債務残高は1兆8430億ユーロでギリシャの6倍もある。この大国がデフォルトに陥ったら、その影響は計り知れない。フランスにも飛び火し、ユーロ圏は崩壊の危機にさらされる。ここでEU首脳は、ユーロ圏全体を防衛するための大々的な対応策を構築する必要に迫られることになった。

12月9日、EU首脳会議はユーロ圏防衛のための総合対策を発表した。加盟各国の財政規律を強化するために新しい条約を結ぶ。この条約により、各国は憲法ないしは基本法に財政再建目標を明記する。違反した国には、自動的に制裁が加えられる。またESM(ヨーロッパ安定メカニズム)の創設を1年前倒しして、12年7月にスタートさせる――などがその内容。

だが、これでも金融不安は鎮静しない。ESMとIMFを合計しても、融資能力は1兆ユーロ程度。イタリアがお手上げになったら、とても足りない。また新しい条約には、イギリスが参加しなかった。さらにECB(ヨーロッパ中央銀行)による国債の買い入れや共同債券の発行については、ドイツの反対もあって合意できなかった。このため市場は、総合対策も「力不足」と判定しているようである。


                             (続きは来週サタデー)

    ≪22日の日経平均 = 下げ -64.82円≫
    
    【今週の日経平均予想 = 2勝2敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2011-12-25-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第6章 会社って、なんだろう? ⑧

◇ 会社の責任 = 世界で初めての会社、オランダの東インド会社は利益をあげることを目的に作られたのでした。現在の会社もその点では変わりません。おおぜいの人たちが会社で働き、みんなで協力して会社の利益が大きくなるように努力しているのです。

しかし同時に、会社は世の中のためになる仕事をしています。このことを忘れてはいけません。会社が作っている商品やサービスで、みなさんの生活はとても便利になっているでしょう。もしテレビがなかったら。もし石鹸がなかったら。もし電車がなかったら。

世の中のためになる商品やサービスを、できるだけ安い値段で作る。また、いつも新しい製品を売り出して、みんなの生活をより楽しく便利にする。これも会社の役割です。このように会社には、社会のためになることをする責任もあるのです。

ですからインチキな商品を売ったり、ごまかして商品を買わせたり。世の中のためにならないやり方で利益をあげようとする会社は、悪い会社なのです。そういう会社は、いつか悪いことをしたことが明るみに出て、つぶれてしまうでしょう。逆に悪いことをしないかぎり、会社はいくらたくさん利益をあげてもいいのです。


                                   (次回は1月8日)

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今週のポイント
2011-12-26-Mon  CATEGORY: 政治・経済
アメリカ経済が少し元気を取り戻してきた。住宅や雇用関連の指標に改善の兆しが現れ、クリスマス商戦もまずまずの成績。さらに議会で給与税の減税延長が決まったことで、当面の景気動向には薄明かりが差し込んでいる。こうしたムードの好転を背景に、ダウ平均は先週428ドルの値上がり。5か月前の高値水準を回復した。

ところが日経平均は先週7円の値下がり。北朝鮮の金正日総書記の急死というショッキングなニュースはあったとしても、全く元気がない。4次にわたる補正予算に加えて、実質的には96兆円を上回る過去最大の12年度予算案が作成されても、反応はきわめて薄い。年初来では1800円も下げている。

特に最近は外国人投資家の売りが目立っている。これだけの財政支出があっても、日本の景気は先行き期待できないと考えているのか。それとも財政再建が遅々として進まないために、近く日本もギリシャの二の舞を演じると警戒し始めたのか。来年はこの辺の見極めが必要になってくるかもしれない。

今週は27日に、11月の企業向けサービス価格、自動車生産台数、住宅着工戸数。28日に、11月の労働力調査、家計調査、消費者物価、鉱工業生産、毎月勤労統計、商業販売統計。そして30日は大納会。アメリカでは27日に、10月のSPケース・シラー住宅価格とコンファレンス・ボードによる12月の消費者信頼感指数。29日に、11月の中古住宅販売戸数が発表になる。


    ≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ

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怖ろしい 貿易赤字の定着 (上)
2011-12-27-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 強まる構造的な要因 = 財務省の集計によると、11月の貿易収支は6847億円の赤字だった。これで赤字は2か月連続、赤字幅も11月としては過去最大。ことし1-11月の累計は2兆3000億円近くの赤字となり、年間の収支尻も1980年以来31年ぶりの赤字を記録することが避けられない。

11月の貿易統計をみると、輸出は5兆1977億円で前年比4.5%の減少。アメリカ向けは2.0%増加したが、アジア向けは8.0%、EU向けも4.6%減少した。商品別では化学製品が12.5%、電気機器が10.7%、鉄鋼が9.2%、乗用車が5.5%それぞれ減少している。

一方、輸入は5兆8824億円で11.4%増加した。全体の3割近くを鉱物性燃料が占めている。輸入額は1兆8478億円で、前年に比べて28.1%も増加した。内訳をみると、原油・粗油が15.1%、LNG(液化天然ガス)が76.0%、石炭が25.2%も伸びている。言うまでもなく、原発の稼働率が急低下し、火力発電への依存度が急上昇したためだ。

輸出が減少した原因は、輸出先の景気が鈍化したこと。超円高の継続。それに産業の空洞化が進行したこと。これらの要因は、どうも一時的なものではなさそうだ。その一方で、原発の再稼働もなかなか決められない。これも長期化しそうだ。つまり貿易収支の赤字は短期間ではなく、今後は“赤字がち”の傾向がずっと続く心配が強まっている。


                                  (続きは明日)

    ≪26日の日経平均 = 上げ +84.18円≫

    ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ

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怖ろしい 貿易赤字の定着 (下)
2011-12-28-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 原発の再稼働をするしかない = 仮に貿易収支の赤字が定着したら、どういうことになるだろう。輸入代金が恒常的に輸出代金を上回るから、その分だけ購買力が海外に移転してしまう。景気はそれだけ足を引っ張られることになる。輸出はもはや景気拡大の原動力とはなりえない。

いまの日本は、海外から受け取る配当などの所得収支が大幅な黒字だから、貿易収支が赤字になっても経常収支が赤字になるとは限らない。たとえば10月は貿易収支が2800億円の赤字だったが、経常収支は5600億円の黒字を確保した。しかし、この経常収支も黒字の大きさは8か月連続で縮小している。

国の借金がGDPの2倍にも達した日本。その国債が低金利で発行されているのは、経常収支が基調的に黒字を維持してきたために他ならない。つまり借金は多いけれども、稼ぐ力も強いとみられていたからだ。したがって仮に経常収支が赤字基調に陥ると、この信頼感は消滅する。国債の価格は下がり、利回りは上昇。ギリシャやイタリアのような状態になる危険性が高い。

そんな状態になれば、日本経済は立ち行かなくなる。それを避ける方法は、輸出を伸ばすか輸入を減らすしかない。だが輸出は相手国の経済情勢と円相場に左右されるから、すぐ思い通りにはなりにくい。出来ることは輸入の削減だ。それには原油やLNGの使用を節減すること。具体的には、早く安全性を確かめて原発の再稼働を少しずつでも認めること。それ以外にはないと思うのだが、どうだろう。


    ≪27日の日経平均 = 下げ -38.78円≫

    ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ

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純計は1117兆円 : 個人金融資産
2011-12-29-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 国の債務は1000兆円超す = 日銀が発表した資金循環統計によると、ことし9月末の個人金融資産は1471兆円だった。6月末の残高に比べると20兆円減少している。一方、住宅ローンなどを含めた9月末の個人金融負債は354兆円。したがって負債を差し引いた純資産額は1117兆円となる。

金融資産の内訳をみると、7-9月の間に個人がリスク資産をかなり減らしたことが判る。たとえば債券や投資信託はともに12.5%、株式・出資金も7.2%減少した。その分だけ現金・預金を2.1%増やしている。現金・預金の残高は824兆円で、全体の56%に達した。ヨーロッパの金融不安が影響した結果である。

先進国のなかで財政状態が最悪なのに日本の国債が売り込まれないのは、潤沢な個人の金融資産が買い支えているからだと言われる。たしかに10年ものの国債利回りは1%を割り込んでおり、それだけ価格は高い。だが安心してはいられない。野田内閣になっても民主党政府は相変わらずバラマキ政策を続け、財政状態はますます悪化して行く。

政府は最近も11年度の第4次補正予算案と12年度の本予算案を閣議決定したが、このなかにはエコカー補助金の復活や整備新幹線の着工など、合計8兆円にのぼる選挙対策費が含まれている。このため国債の発行残高は800兆円を超え、その他の借金を合算すると12年度末に国の債務は1000兆円を超えることが確実となった。個人の純金融資産との差は110兆円に迫っている。


    ≪28日の日経平均 = 下げ -16.94円≫

    ≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ

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 野田さん : これでは消費増税できません
2011-12-30-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 手順がまったく違います = 拝啓 野田総理さま。 年末のご挨拶をかねて、一筆“苦言”を申し述べます。あなたは消費税の引き上げについて「不退転の決意で臨む」と宣言、消費増税と社会保障の一体改革に関する民主党の素案を年内にまとめました。財政の現状から見る限り、消費税の引き上げは絶対に必要です。ですから本来ならば、あなたの決意と党内の取りまとめに敬意を表し、大きな拍手を送るはずでした。

ところが、いまの心境は違います。あなたは国民の気持ちを踏みにじってしまいました。だから、このままでは消費増税に賛成できません。いままで賛成してきた国民の多くも、反対に回る人が多いと思います。消費税を引き上げるためには、あなたのやり方を反省し、手順を変えてください。

これまでのやり方は、2つの点で間違っています。1つは公約していた議員定数の削減と公務員の給与引き下げを実行しなかったこと。もう1つは11年度の第4次補正予算案と12年度の本予算案で、合計7兆円にものぼるバラマキ政策を復活したことです。

政治家や公務員は重荷を背負わず、一般市民だけに臨時増税や消費増税を押し付ける。災害復旧・復興を隠れ蓑にして、選挙を意識したバラマキを続ける。これでは国民の納得は得られないでしょう。あなたが年明け早々からやるべきことは、議員定数の削減と公務員給与の引き下げに「不退転の決意」で臨み、予算案からバラマキ部分を撤回すること。この2つを断行してから、消費増税法案を国会に出してください。そうすれば国民も賛成して応援するでしょう。 敬具


    ≪29日の日経平均 = 下げ -24.73円≫

    ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 綱渡りの ユーロ圏 ⑨
2011-12-31-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇<問題点①>通貨・金融と財政の不整合 = ヨーロッパの金融・財政不安は、通貨と金融を統合したユーロ圏が財政の統合を怠ったことから発生した。EU27か国のうち17か国は共通通貨であるユーロを流通させ、ECB(ヨーロッパ中央銀行)が政策金利を決めたり、域内金融の量的な調節も行っている。しかし財政は各国政府が独自に予算を作り、税金も徴収している。

たとえば、ギリシャは経済的にそう強い国ではない。そのギリシャが強い通貨ユーロを使用し、低金利政策の恩恵を受けた。このため国も企業も、域内の銀行から“身分不相応”な多額の借金をしてしまった。だが景気が拡大しているうちは、その矛盾が表面化しなかった。それが08年のリーマン・ショックで不況になると、借金を返済できないのではという不安を呼び起こす。

国債の買い手が減って価格が下落、利回りは上昇する。すると国債の償還に対する不安はもっと高まり、国はカネのやりくりができなくなる。これがギリシャの財政不安だ。借金が返せなくなると、貸した側の銀行は経営が破たんするかもしれない。これが金融不安である。この財政・金融不安はギリシャからポルトガル、スペイン、イタリアなどの諸国にも飛び火した。

EU首脳はユーロ防衛のための総合対策を決めたが、その主柱は徹底した財政規律の強化。これまでもEUは毎年の財政赤字をGDPの3%以内に収めるという目標を共有していたが、守られていない。そこで総合対策では、各国が憲法にこの規制を明記することになった。これで財政赤字の抑制は出来るかもしれないが、財政の統合からはほど遠い。


                              (続きは来週サタデー)

    ≪30日の日経平均 = 上げ +56.46円≫

    【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】

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