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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
変調する 政治基盤 / ユーロ圏
2012-05-02-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ サルコジ大統領に勝ち目なし = フランス大統領選挙の決選投票が6日に行われる。事前の世論調査からみる限り、サルコジ現大統領が勝つ可能性はほとんどない。ところが社会党のオランド前第1書記が当選しても、社会党は議席数が少ないから他党と連立内閣を作るしかない。第1回投票の結果は国民戦線が3位、左派戦線が4位。しかし国民戦線は極右だから連立はしないだろう。結局は左派戦線かサルコジ氏の国民運動連合、あるいはその両者と組むしかなさそうだ。

その場合、最大の問題となりそうなのが、EU加盟国に厳しい財政規律を義務付けた新しい基本条約に対する姿勢。オランド氏は「新条約の見直し」を公約に掲げてきた。また左派戦線のメランション候補はもっと強硬で「新条約の是非を国民投票で決める」と主張している。いずれもサルコジ大統領がメルケル・ドイツ首相と協力して作り上げた新条約に批判的な姿勢だ。

同じ6日、ギリシャでは総選挙が実施される。現在のパパデモス内閣は昨年11月に、緊縮財政を進めてEUからの資金援助を受けるために成立した暫定内閣。全ギリシャ社会主義運動と新民主主義党の連立だが、事前の世論調査ではこの2党が議席の過半数を獲得するのはむずかしそう。ここも共産党などの野党を引き込まなければ、安定政権が作れない。しかし野党はどこも緊縮政策に大反対である。

一方、ドイツと並んで財政的には不安が少ないオランダでも、ルッチ首相が解散・総選挙に踏み切った。閣外協力をしてきた自由党が、政府の財政再建策に反対したためである。このようにユーロ圏では政権の交代が相次ぎそうだ。いずれも政府の緊縮政策に対する批判の高まりが原因。つまり政権の交代は、メルケル・サルコジ時代の終わりを意味するのかもしれない。そして財政・信用不安の問題はどうなるのか。ユーロ圏・EUはどう変わるのか。


    ≪1日の日経平均 = 下げ -169.94円≫

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サタデー自習室 -- 消費税の復習 ①
2012-05-05-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 簡単そうで奥が深い消費税 = 連休明けの国会では、いよいよ消費増税関連法案の審議が始まる。現在5%の消費税率を14年4月に8%、さらに15年10月には10%まで引き上げるというのが法案の眼目。野田首相は「この法案の成立に政治生命を賭ける」と強い決意を示しているが、会期中に成立するかどうかはまだ不透明な状態だ。

モノやサービスを購入するときに課税されるのが消費税。いまの税率は5%だから、100円のお菓子を買えば税込では105円を支払うことになる。このことは小学生でも、よく知っているだろう。そういう意味では、消費税ほど理解しやすい税金はないかもしれない。だが実際には、消費税ほど影響する範囲が広く、奥が深い税金はないとも言える。

数多くある税金は、直接税と間接税に2分される。税金を支払う義務のある個人や企業が、自分で納税するのが直接税。たとえば所得税や法人税が、その代表だ。これに対して、自分で納税しないのが間接税。その“王様”格が消費税だ。100円のお菓子を買ったとき、5円の消費税を払うのは購入者だが、実際に税金を納入するのはお菓子屋さんということになる。

他の税金と比べてみると、消費税は2つの大きな特色を持っていることが判る。1つは税収が景気の状態に左右されにくいこと。財政的にみると、安定した収入源ということになる。もう1つは、税の負担が平等であること。100円のお菓子を買ったときの負担は、大金持ちでも小学生でも同じ5円だ。


                         (続きは来週サタデー)

    ≪2日の日経平均 = 上げ +29.30円≫

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2012-05-06-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第9章 財政って、なんだろう? ①

◇ 国の家計簿 = みなさんの家では、お母さんが家計簿(かけいぼ)をつけているでしょう。おカネがどこから、どれだけ入ってくるか。おカネを、どんなふうに、どれだけ使っているか。これを判りやすく表にまとめたものが家計簿です。おカネが入ってくることを収入、出て行くことを支出と言います。もし収入が支出よりも多ければ黒字。支出が収入より多ければ赤字。最初に収入、支出、黒字、赤字の意味を、しっかり覚えておいてください。

収入には、どんなものがあるでしょうか。お父さんが会社からもらう給料。お姉さんがバイトでかせいだおカネの一部。銀行預金の利子など・・・。支出は食料品や衣類を買う。電車やバスなどの交通費。電気やガスや水道料金。ガソリン代や子どもたちのおこづかい。税金も払います。それに住宅ローンの返済も・・・。

このように家庭でおカネが出入りする状態、あるいは会社の収入や支出の状態のことを財政(ざいせい)と言う場合もあります。しかし、ふつう財政と言うと、それは国や地方自治体のおカネの状態を指すことが多いのです。地方自治体というのは、たとえば、東京都や広島県、あるいは新宿区、仙台市といった地域のことで、これらの自治体もおカネの出し入れをしています。

この章では、国の財政について勉強しましょう。国の場合にも収入や支出があって、おカネが入ったり出たりしています。その結果として、国の財政も黒字になったり、赤字になったりするわけです。要するに、財政というのは国の家計簿だと考えてください。


                            (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2012-05-07-Mon  CATEGORY: 政治・経済
フランス大統領選挙の決選投票、それにギリシャの総選挙。先週はその結果と影響が重くのしかかった。加えて4月の雇用統計が予想よりも悪い。これで強気を貫いてきたニューヨーク株式市場も、先週は一服せざるをえなかった。ダウ平均は週間190ドルの値下がり。それでも1万3000ドル台は死守している。

東京市場は連休の谷間。さらに円高と夏の電力不足という不安要因が重なった。日経平均は2日間の営業日で141円の値下がり。終り値は9400円を割り込み、2月中旬以来の安値に戻ってしまった。これまでに発表された企業の3月期決算は、そんなに悪くはない。だが市場を取り巻く環境は重苦しく、株価は決算内容を吸収し切れない。

今週は市場がフランスとギリシャの選挙結果を評価することになる。財政再建の遅れに不安が集中するのか、それとも新しい政治勢力の現実的な再建策に期待するのか。またアメリカでは再びFRBによる金融緩和の追加に関心が向くと考えられるが、これが株価をどの程度まで引き戻すのか。

今週は9日に、3月の景気動向指数。10日に、3月の国際収支と4月の景気ウォッチャー調査が発表される。アメリカでは10日に、3月の貿易統計。11日に、4月の生産者物価とミシガン大学による5月の消費者信頼感指数。また中国が10日に、4月の貿易統計。11日に、4月の消費者物価、生産者物価、鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する予定。


    ≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ

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地殻変動のユーロ圏 / 独仏は連携できるのか (上)
2012-05-08-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 緊縮政策の修正は不可避 = 予想通り、ユーロ圏の政治基盤が大きく変動した。いずれも6日に行われた国民投票。フランスでは社会党のオランド前第1書記がサルコジ現大統領を破り、ギリシャでは政権与党の社会主義運動が惨敗した。フランスとギリシャの国民は、ともに現政権が進めてきた財政再建のための緊縮政策に「ノー」を突き付けたことになる。

今月16日に大統領に就任するフランソワ・オランド氏は57歳。左派の大統領は、ミッテラン元大統領以来17年ぶりのこと。選挙戦では、EUが制定した財政規律を強化するための「新条約を見直す」と公約して票を集めた。テレビ討論などの発言からみると、財政再建そのものには反対していない。だが新条約には、経済成長や雇用に配慮した条項も必要だと主張している。

ギリシャに端を発した財政不安は、スペイン、ポルトガルからイタリア、フランスなどの南ヨーロッパ諸国に波及。これらの諸国では、EUが定めた方針に従って厳しい緊縮政策を実施している。この結果は景気の悪化と失業の増大を招き、国民の不満が増大していた。たとえばユーロ圏の実質成長率は昨年10-12月期にマイナス、3月の失業率は10.9%に達している。

こうした国民の不満が、今回の選挙結果となって現れたわけである。また厳しい財政規律を各国に求めたEUの新条約は、ドイツのメルケル首相とサルコジ大統領が協力してまとめ上げたもの。したがって今回の選挙結果は、メルケル首相に対する反発だとも解釈できる。そこで最大の問題は、オランド新大統領とメルケル首相との関係。新しい独仏連携を生み出せないと、ユーロ圏はもとよりEUそのものにも亀裂が走ることになりかねない。


                                 (続きは明日)

    ≪7日の日経平均 = 下げ -261.11円≫

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地殻変動のユーロ圏 / 独仏は連携できるのか (中)
2012-05-09-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 結局は左派と右派の違い = ドイツのメルケル首相も、独仏両国が連携することの重要性はよく知っている。先週はオランド氏の登場を予想したかのように「6月のEU首脳会議で、経済成長に関する構想を提示する」と発言した。それでは、この両首脳は「緊縮財政+経済成長」で合意するのだろうか。そう考えるのは、まだ早い。なぜなら両者の成長政策についての考え方は、全く異なっているように思えるからだ。

オランド氏はまず国民の不満を和らげるために、EUが決めた各国の財政再建計画を緩めることを主張する。また財政支出を増やして公共事業を拡大、失業者の吸収を図る。その一方で財源を確保するために、高所得者や大企業には増税する。ここでは左派の政治理念が顔を出してくるわけだ。

メルケル首相の成長戦略は全く違う。ドイツはこれまで構造改革や規制緩和で、経済力の強化に成功してきた。特に失業手当の引き下げや派遣労働の緩和など、労働市場を改革したことが輸出競争力の大幅な向上をもたらしている。メルケル氏はこの実績を踏まえ、EUの新条約に構造改革と規制緩和を追加しようと考えているようだ。この政策手段は全く企業寄り。右派の哲学である。

左派と右派と言っても、かつての社会主義と自由主義の対立ではない。ともに自由経済体制を基盤にはしているが、成長の原動力を財政支出に求めるか企業の活力に求めるかで、方法論は全く異なる。これが今日的な意味での左派と右派の相違と言えるだろう。メルケル首相とオランド新大統領が、この思想的な対立を乗り越えて連携できるかどうか。歴史的な注目点だと言ってもいい。


                                 (続きは明日)

    ≪8日の日経平均 = 上げ +62.51円≫

    ≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ

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地殻変動のユーロ圏 / 独仏は連携できるのか (下)
2012-05-10-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ ギリシャはユーロ圏に残れるのか = ギリシャでも緊縮政策を強行した連立与党が大敗。議席の過半数にとどかず、他の少数政党と組まなければ内閣が成立しそうにない。ところが少数政党は、いずれも緊縮政策に大反対。連立工作は難航しており、情勢はきわめて混とんとしている。再び総選挙が行われる可能性が高まっているという。

いずれにしても新内閣が緊縮政策を継続できなければ、EUの金融支援は受けられなくなるだろう。するとギリシャは完全なデフォルト(債務不履行)状態に陥る。ユーロ圏から離脱して自国通貨のドラクマを復活、通貨安を活用して輸出を伸ばすしかない。EUがギリシャをユーロ圏から追い出すことは難しいが、ギリシャ自身が民意を尊重して離脱する可能性は増大したと言えるだろう。

ユーロ圏では、オランダのルッチ首相が議会を解散。9月12日に総選挙を実施する。これまで閣外協力してきた野党が、政府の財政再建政策に反対したためだ。またアイルランドも、EUの財政規律強化を目指した新条約の是非を問うため、5月31日に国民投票を行うことになった。フランスやギリシャの“政変”が、これらの国の有権者に大きな影響を与えることは無視できない。

いまユーロ圏で巻き起こった政治基盤の振動は、厳しい緊縮政策に対する国民の不満を原動力にしている。その結果、政治勢力としては左派の台頭が著しい。共通の目標は「格差の是正」であり、標的は大銀行や大金持ち、さらには金融市場に向けられやすい。その一方で自由化を至上主義とするドイツ。圏外ではあるが同じ思想を持つイギリスとアメリカ。世界経済の潮流は、この2つに分岐する。


    ≪9日の日経平均 = 下げ -136.59円≫

    ≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ

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同じ穴の ムジナ : 自民党
2012-05-11-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ “身を切る”方はどうした? = 「同じ穴のムジナ」ということわざがある。ムジナはしばしばタヌキと同じ穴に住んでおり、よく見間違えられた。大正時代には狩猟法違反をめぐって、ムジナかタヌキかの裁判があったそうだ。ここから実際は異なる動物なのに、一見すると同類に見えるという意味に使われる。

国会では消費増税関連法案の審議が始まった。自民党は参院で問責決議された前田国交相と田中防衛相が辞任しない限り、国会審議には応じない構え。ただ、この法案の審議だけは例外とする異例の対応。戦術的には一貫しないところもあるが、思い切った決断だと褒めてもいいだろう。

また自民党は、近く独自の関連法案を提出する方針だと伝えられる。そうなれば重要な消費税と年金改革の中身について、国民は二大政党の案を比べやすくなる。また与野党が国会で白熱した議論を展開すれば、問題点の整理も進むだろう。自民党が対案を出すことは、きわめて結構である。

しかし自民党は、これまで「消費増税の前に“身を切る”政策が必要」と主張していたのでは。特に議員定数の削減は、どうするのか。民主党は公約したにもかかわらず、最近は素知らぬ顔。自民党は消費税や年金に関する独自の法案を提出するのなら、同時に「定数削減法案」も出してもらいたい。そうしないと、国民の目からは、自民党も「同じ穴のムジナ」になってしまう。


    ≪10日の日経平均 = 下げ -35.41円≫

    ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 消費税の復習 ②
2012-05-12-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 不況でも減らない税収 = 税金はもともと経済活動に対して課せられるもの。だから不況で経済活動が鈍ると、税収は落ちる。所得税や法人税などは、その好例だ。消費税も景気動向によって増減するが、その程度は比較的に軽い。対象の多くが人びとの生活に必要なモノやサービスであるため、好不況に影響される度合いが小さいからだ。

実際の税収をみてみよう。最近の日本経済は、08年度と09年度にマイナス成長を記録した。そこで不況前の07年度と09年度の税収を比べてみると、所得税は3兆1000億円の減少。法人税は8兆3000億円もの減少だった。これに対して、消費税は4600億円しか減っていない。いかに消費税の税収が、景気に対して安定的かがよくわかる。

政府にとっては予算に計上した税収を確保しやすいから、ある意味では重宝な税金だ。しかし、その歴史はきわめて新しい。1954年にフランスで導入されたのが最初。安定的な税収を得やすいというので、あっという間にヨーロッパ各国に広まった。これらの国では、VAT(付加価値税)と呼ばれることが多い。

財務省が11年1月に調べた各国の税率は、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの3国が25%で高い。いわゆる「高福祉・高負担」の諸国である。その他のヨーロッパ諸国は15-20%が多い。ただ最近はイタリアやギリシャなど財政再建を迫られている国の税率引き上げが目立つ。アジアでは中国が17%、韓国は10%。5%組は日本とカナダと台湾だ。アメリカは州や郡などの地方自治体が導入、国税はない。


                           (続きは来週サタデー)

    ≪11日の日経平均 = 下げ -56.34円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2012-05-13-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第9章 財政って、なんだろう? ②

◇ 国の収入は税金と国債 = おカネが入ってくることを、収入と言うのでしたね。では国の収入には、どんなものがあるでしょうか。いろいろありますが、主なものは税金(ぜいきん)と国債(こくさい)です。たとえば最近の例でみると、国の財政収入に占める税金の割合はおよそ47%、国債の割合は49%となっています。

税金にもいろいろな種類があります。働いている人が払っている所得(しょとく)税、会社が払う法人(ほうじん)税など、おカネをかせいだ人や会社が直接払う税金を直接税と呼んでいます。もう一つは間接(かんせつ)税と言って、品物を買った人が支払う税金です。間接税には、消費(しょうひ)税やガソリン税などがあります。

みなさんは、まだ所得税は払っていないでしょう。でも食べ物やゲーム機を買うときには、消費税を払っています。みんなが自分で貯めたお小遣いで買ったとしたら、あなたたちも税金を払ったことになりますね。ですから、その税金が何に使われるのか、しっかり勉強する必要があるのです。

国債は国の借用証(しゃくようしょう)だと考えていいでしょう。借用証というのは、おカネを借りたとき貸した人に差し出す文書です。いくら借りました。いつまでに返します。金利をいくら付けますという内容が書いてあります。国債を売ることによって、国は国債を買った人からおカネを借りることになるわけです。
                             

                            (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2012-05-14-Mon  CATEGORY: 政治・経済
5月の株は冴えない。この経験則が、ことしも生きている。先週、ダウ平均は218ドルの値下がり。2週連続の下げで、終り値は1か月ぶりの安値に沈んだ。日経平均は週間427円と、ことし最大の値下がり。6週連続の下落で、3か月ぶりに9000円を割り込んだ。3月末の年初来高値からは1300円も下げている。

根底にある不安要因はギリシャの政局。ニューヨークの場合は、JPモルガン・チェースがまたまたデリバティブ取引で巨大損失を出したことが響いた。全く懲りない連中である。これで金融株が一斉に売られた。日本の場合は、ユーロが売られて円が上昇することが痛い。加えて夏の電力不足問題が、間近かに迫ってきた。

こうした不安要因が今週も尾を引くのか。それとも下値を拾う買いが入って、相場は上向くのか。上場企業の連結経常利益は12年3月期の13%減益から、13年3月期は一転して24%の増益になる見通し。東証1部のPBR(株価純資産倍率)も1倍を割っている。相場が反転する土台は整っているが、カギはやっぱり円相場の動向だろう。

今週は14日に、4月の中古自動車販売。16日に、3月の機械受注。17日に、1-3月期のGDP速報が発表される。2四半期ぶりにプラス成長となり、震災からの立ち直りが証明されるはずだ。アメリカでは15日に、4月の消費者物価と小売り売上高。16日に、4月の工業生産と住宅着工戸数。またEUが15日、1-3月期のGDP速報を発表する。


    ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ

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軟着陸に成功 : 中国経済 (上)
2012-05-15-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 落ち着いてきた物価 = 中国人民銀行は今週18日から預金準備率を0.5%引き下げると発表した。預金準備率というのは、中央銀行が市中銀行に対して強制的におカネを預け入れさせる仕組み。今回の引き下げで、市中の商業銀行は与信力が約4000億元増加すると計算されている。消費者物価が順調に下がってきたことを踏まえた措置で、中国が金融引き締め政策から緩和政策に軸足を移しつつあることを示している。

国家統計局が発表した4月の消費者物価は、前年同月に比べて3.4%の上昇にとどまった。3月の上昇率より0.2ポイント低下している。このうち食料品は7.0%の上昇でまだ高いが、3月の7.5%よりは低くなった。たとえば最も重要視される豚肉は3月の11.3%上昇から、4月は5.2%上昇に下落している。また4月の工業品卸売物価は、前年比0.7%のマイナスとなっている。

こうした物価の落ち着きは、国内の経済活動が鈍化したことの現れでもある。統計局の発表によると、4月の鉱工業生産は前年比9.3%の増加。予想を大きく下回り、リーマン・ショック後の09年5月以来3年ぶりの低い伸びとなった。軽工業は10.3%伸びたが、重工業は8.9%の増加にとどまっている。

このほか4月の小売り売上高は14.1%の増加。11年の17.1%に比べると、かなり鈍化した。対外貿易面では、もっとはっきり鈍化の傾向が現れている。税関総署の発表によると、4月の輸出は前年比4.9%の増加だった。11年の20.3%増に比べると激減している。輸入も0.3%の増加にとどまった。中国は加工・組み立て型の産業が中心だから、生産活動が落ちると輸出入額が減ってしまう。


                                 (続きは明日)

    ≪14日の日経平均 = 上げ +20.53円≫

    ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ

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軟着陸に成功 : 中国経済 (下)
2012-05-16-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 高成長国から中成長国へ = 中国の消費者物価は10年春から上がり始め、11年7月には6.5%の上昇を記録した。このとき食料品は14.8%も上昇している。このインフレ傾向に対して、中国は徹底的な金融引き締めで対応した。政策金利を5回、預金準備率にいたっては15回も引き上げている。物価が上がると、国民は政府に対する不満を募らせる。政府はこれを最も警戒した。

その結果、11年冬になって物価上昇が鈍り始めた。そこで人民銀行は11年12月と今年2月に預金準備率を引き下げ、今回は3度目の緩和措置となったわけだ。注目されるのは、インフレ対策として厳しい金融引き締めを貫いたにもかかわらず、この間に財政支出は減らさなかったこと。これはインフラ整備を急ぐ必要と、雇用を維持するためだったと考えられる。

たとえば本年1-4月間の財政支出は、前年の26%増という高水準を維持している。それでも金融引き締めが効いて経済活動が鈍化、1-3月期の実質成長率は8.1%にまで減速した。2ケタ成長が当たり前だった中国も、経済がある程度の成熟を遂げた結果、中成長国に変化しつつあると見られないこともない。

中国経済は4月の数字からみる限り、一応は軟着陸に成功したとみていいだろう。政府・人民銀行は今後もインフレの再燃に警戒しながら、ゆっくりと金融引き締めを緩めて行くことになる。中国の場合は財政面からの制約がないから、経済が落ち込みすぎたら政府が支出を増やせばいい。しかも国会の承認などは要らないから、政府がすぐに決められる。これが中国の強みかもしれない。


    ≪15日の日経平均 = 下げ -73.10円≫

    ≪16日の日経平均は? 予想 = 下げ

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トヨタも 脱出加速 / 空洞化へ (上)
2012-05-17-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大きいトヨタの戦略転換 = ついにトヨタ自動車も、海外生産を重視する経営戦略に転換した。最新鋭のHV(ハイブリッド車)の一貫生産を、アメリカと中国で開始する。トヨタはこれまで技術の流出を防ぐために、HVは国内で生産してきた。しかし海外生産の遅れが利益を縮小する原因となっていることから、戦略の転換に踏み切った。

日経新聞の報道によると、トヨタは15年をメドにアメリカで一貫生産を始める。投入するのは次期型プリウスで、一部を除いて基幹部品も現地で生産。また中国では、現地メーカーとの合弁で電池の生産にも乗り出す方針。さらにイギリスやタイでも、基幹部品の現地生産を考えているという。

トヨタ自動車の資料によると、11年度の国内生産台数は394万台だった。これに対して、海外の生産台数は349万5000台。したがって、まだ国内生産が海外生産を上回っている。他のメーカーは、海外が国内を上回っているところが多い。日本の自動車メーカー全体では、国内対海外の比率が1.6倍だ。

同様に日産自動車の生産台数を調べてみると、11年度の国内生産台数は119万9000台。海外生産台数は306万7000台だった。国内対海外の比率は2.56倍。海外生産の比率は、トヨタをはるかに上回っている。このことだけが原因ではないにしても、11年度の連結純利益はトヨタが2835億円。日産の3414億円に大きく水をあけられた。


                                 (続きは明日)

    ≪16日の日経平均 = 下げ -99.57円≫

    ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ

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トヨタも 脱出加速 / 空洞化へ (下)
2012-05-18-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ カバーし切れない雇用の喪失 = 自動車産業は、日本経済の中核的な存在である。経済産業省が最近まとめた10年の工業統計表によると、自動車製造業・車体製造業・部品付属品製造業を合計した従業員数は78万7000人。製造業全体に占める割合は1割を超えている。また出荷額は47兆3000億円で、全体の16.4%に達している。

この巨大産業が海外に出て行ってしまう。これは一大事だが、いまや防ぎようがない。メーカーが生産拠点を海外に移す理由は6つ。まず中国をはじめとするアジア諸国、アメリカやロシアなど海外の自動車需要が旺盛なこと。次に海外の方が人件費が安いこと。さらに日本の人口減少と高齢化。そして円高の持続。ここまでは残念ながら手の打ちようがない。

あとの2つ。国際的に高すぎる法人税率と、電力の供給不安・割高な料金は、政策的に対応が可能な問題である。だが、いまの政府・与野党には、この問題と真剣に向き合う姿勢は見られない。むしろ企業の海外進出と国内生産拠点の海外移転を混同し、空洞化を支持するような議論さえ聞こえてくるのが実情だ。

たしかに企業は、国内で稼げなくなったら海外で稼げばいい。しかし国内では、その分だけ雇用機会が失われる。自動車産業は製造部門のほかに、販売・流通・輸出、金融・保険、原材料、燃料など幅広い裾野を持っている。国内での生産・販売が縮小すれば、これらの部門で働く人の仕事も圧縮されるに違いない。やはりコトは重大なのである。


    ≪17日の日経平均 = 上げ +75.42円≫

    ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 消費税の復習 ③
2012-05-19-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 税の累進性と逆進性 = 100円のお菓子を買うと、5円の消費税を払わなければならない。子どもが買っても、大金持ちが買っても同じ5円である。消費税は取り引きされる品物やサービスの何%と決められるから、だれが買っても税金は同じ。このように税の負担が平等なこと。これが消費税のもう1つの大きな特徴である。

ところが負担は平等でも、“負担感”は全く違ってくる。お小遣いを300円しか持っていない子どもにとって5円玉は貴重だが、大金持ちにとってはゼロに等しい。実際問題として、高所得者や資産家にとっては負担感が軽く、低所得者や資産を持たない人にとっては重く感じられる。このような消費税の特徴を、税の逆進性と呼んでいる。

逆進性の反対が、税の累進性。たとえば所得税は、年収が多いほど税率が高くなるように設計されている。現在の所得税率は、所得金額が195万円以下なら5%。所得が増えると税率が上がって行き、所得金額が1800万円を超えると税率は40%に。消費税の場合も、高所得者の方が高額の品物を買うから納税額は大きくなる。 

仮に消費税が10%に上がった場合、消費税の支払い額はどのくらい増えるのか。試算によると、年収250万円未満では年間11万8000円。1250万円-1500万円では26万1000円。年収に占める消費税支払い額の割合は年収1500万円以上では5%程度。しかし年収250万円未満では8.4%になるという。こうした消費税の逆進性を緩和するために考えられるのが、軽減税率給付つき税額控除だ。


                           (続きは来週サタデー)

    ≪18日の日経平均 = 下げ -265.28円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2012-05-20-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第9章 財政って、なんだろう? ③

◇ 財政支出の内容 = 国は税金や国債で集めたおカネを使って、いろいろな仕事をします。ですから財政の支出も数多くに分けられます。ここでは大きく6つに分けてみましょう。おカネの多い順にならべてみると、社会保障費(しゃかいほしょうひ)、国債費、地方交付税(ちほうこうふぜい)、公共事業費(こうきょうじぎょうひ)、文教・科学振興費(ぶんきょう・かがくしんこうひ)、防衛費(ぼうえいひ)となります。

むずかしい言葉が並んでしまいましたが、感じはわかるでしょう。社会保障費はお年寄りが受け取る年金や健康保険、生活が苦しい人を助ける福祉(ふくし)などに使うおカネ。国債費は国債を買ってくれた人に支払う金利。地方交付税は都道府県や市町村などの地方自治体に分けてあげるおカネ。

公共事業費は道路や高波を防ぐための堤防(ていぼう)などを造る費用。みなさんと直接関係があるのは、文教・科学振興費。学校や科学の研究に使われます。最後の防衛費は、国を守るための費用ですね。国はこういうところにおカネを使って、いろいろな仕事をしているのです。

今年度予算で財政支出全体に占める割合をみると、社会保障費は29%、国債費が24%。地方交付税は18%、公共事業は5.1%ぐらい。文教・科学振興費は6%、防衛費が5%弱となっています。あとでもっと説明しますが、国債の金利を支払うための国債費がとても多いことに注目しておいてください。


                              (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2012-05-21-Mon  CATEGORY: 政治・経済
世界の金融市場はメイ・ストームに襲われている。ダウ平均は6日間の続落、先週だけで451ドルの大幅な値下がりとなった。終り値の1万2369ドルは1月6日以来の安値。フェイスブックの超大型上場で話題を呼んだナスダック市場も5日間の続落、1月18日以来の安値に沈んだ。JPモルガン・チェース銀行の巨額損失もあって、金融株の下げがきつい。

日経平均も週末18日には265円と、ことし最大の下げ。週間では342円の値下がりとなった。終り値の8611円は1月18日以来の安値。特にユーロ相場の下落が大きく響いた。その一方で安全資産と目された日本の国債に投機資金が流入、10年もの国債の利回りは一時0.815%と9年ぶりの水準に低下している。

こうした現象は、市場がギリシャのユーロ圏離脱は必至とみて、それに備える調整を急いでいることの現れである。仮にギリシャが離脱しても、日本への影響は欧米諸国ほど大きくはない。ただユーロ安だけが痛手となる。この点で政府、日銀はもっと為替介入をほのめかしてもいいのではないか。傍観していると、悪影響はどんどん拡大して行く。

今週は21日に、3月の全産業活動指数。23日に、4月の貿易統計。25日に、4月の消費者物価。アメリカでは22日に、4月の中古住宅販売。23日に、新築住宅販売戸数が発表になる。また22-23日には、日銀の金融政策決定会合。23日には、EUの臨時首脳会議が開かれる。メイ・ストームに対して、日銀が何かを決めるか。EU首脳会議がギリシャ離脱に備えた新しい対策を決めるか。


    ≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ

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国債はバブル状態 : 恐ろしい崩壊
2012-05-22-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 1年ものは13倍超える応札 = 日本の国債に投機資金が殺到している。このため国債の価格が上昇、利回りは急低下した。10年もの国債の利回りは先週、0.815%にまで低下。リーマン・ショック後の水準を下回って、9年ぶりの低さとなった。1年もの国庫短期証券は2兆5000億円の発行に対して、応札が33兆円に達したほど。だが人気があって結構と思ったら、大間違い。

日本の国債は、国内の金融機関が大量に保有している。だが大手銀行でも現在の資金調達コストは0.85%程度。したがって現在の利回りでは逆ザヤとなってしまい、国債の買い増しはできない。代わって購入しているのは、ほとんどが海外の投機資金。ギリシャの信用不安再燃で、安全資産と目される日本の国債に資金を避難させているとみられる。

日銀の調査によると、外国人が保有する国債は昨年末で78兆4000億円。発行残高に占める割合は8.5%だった。最近の数値はまだ明らかでないが、割合は10%を超えたのではないか。これら外国人投資家が日本国債を手放す要因はなんだろう。1つはヨーロッパの信用不安が収まったとき。もう1つは日本の財政状態に不安を感じたとき。この2つの要因がいつ現実のものになるかは、全く予測不可能だ。

外国人による国債の売却が始まれば、国債の価格は下落し、利回りは上昇する。その影響はきわめて大きい。たとえば10年ものの利回りが2%に上昇したとすると、国債の利払い費は現在の年10兆円程度から20兆円にはねあがる。それだけ財政の赤字要因が増えるわけだ。また大量の国債を保有する金融機関は、国債の値下がりで莫大な損失を被る。日銀の試算によると、1%の金利上昇で大手銀行は3兆4000億円、地方銀行は3兆円の評価損を出すという。危うし、日本経済。


    ≪21日の日経平均 = 上げ +22.58円≫

    ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ

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GDP ・ 現金給与 ・ 景気 (上)
2012-05-23-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ プラス成長にはなったけれど = 内閣府の発表によると、ことし1-3月期の実質成長率は年率4.1%だった。民間の事前予測より高い数値になっている。また昨年10-12月期の成長率が上向きに改定され、0.03%とわずかなプラスに。このため成長率は、昨年後半から3四半期連続のプラスを記録することになった。

内訳をみると、プラス組とマイナス組にはっきり分かれている。最も大きかったのは政府の公共事業支出で、伸び率は年率23.6%。次いで輸出が12.3%、個人消費が4.4%の増加だった。その一方で企業の設備投資は14.8%の減少、住宅投資も6.1%の減少に終わった。

言うまでもなく、公共事業の急増は震災復興のための支出。輸出はアメリカの景気回復が大きな要因になった。また個人消費は震災後の自粛ムードが薄れたこと、それに昨年末から復活したエコカーに対する補助金政策が効いている。その半面、企業の設備投資が不調だったのは、前期に増大したことの反動ではないかと説明されている。

要するに成長率を押し上げたのは、復興需要とエコカー補助金。いずれも政策的に創られた需要だ。その効果はまだ持続するが、しだいに力を失って行く。古川経済財政相が「復興需要から民間需要主導の経済へ移行することが重要」とコメントしたのは、このためだ。しかし厚生労働省が発表した給与所得の統計を見ていると、その実行はかなり難しいように思われる。


                                (続きは明日)

    ≪22日の日経平均 = 上げ +95.40円≫

    ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ

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GDP ・ 現金給与 ・ 景気 (下)
2012-05-24-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 10年間で3万4000円も減った月給 = 厚生労働省は先週、11年度(昨年4月-本年3月)の毎月勤労統計を発表した。それによると、規模5人以上の事業所で働いた人の現金給与総額は月平均で31万6319円。前年度より0.3%減少した。残業などの所定外給与は1.0%増加したが、肝心の所定内給与は0.3%減っている。驚いたことに、この平均給与額は01年度の実績より3万3690円も少ない。

内閣府が発表した11年度の名目GDPは実額で470兆円だった。これを01年度の実額502兆円と比べてみると、32兆円も減っている。減少率は6.4%だった。名目GDPは01年度から増加傾向をたどり、07年度には513兆円に達した。しかし、その後はリーマン・ショックや東日本大地震の影響で減少している。

これに対して、この10年間で現金給与総額は9.6%も減少した。景気が悪かったり、大災害に見舞われたのだから、GDPや給与が減少したことはやむをえない。だがGDPの減り方に比べて、給与の減少率は大きすぎる。その差を生じた原因はいくつもあって特定できない。

ただ大きな原因の1つは、企業のコスト意識がきわめて強いことに求められるだろう。従業員数をできるだけ増やさない。非正規雇用を活用する。こうしたコスト意識は、企業を取り巻く環境が厳しく、競争が激化しているためだ。このような状況がまだまだ続くと考えられるとき、古川経済財政相が言う「民間需要主導の経済への切り替え」は、はたして可能なのだろうか。考え込んでしまう。


    ≪23日の日経平均 = 下げ -172.69円≫

    ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ

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朝日と日経の間 / 原発政策の王道
2012-05-25-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ ビジョンに欠ける現在の議論 = 大飯原発の再稼働をめぐって、議論が沸騰している。だが議論は噛み合わない。「原発は必要だ」という賛成論と「原発は安全でない」という反対論。いずれも白か黒かの主張で、折り合う余裕を持っていないからだ。その典型が、原発の稼働がすべてストップした5月5日の朝、日経と朝日に載った社説(いずれも東京版)だろう。

日経の社説は「原発ゼロを解消し電力不安を除け」という見出しからも判るように、再稼働には賛成の論旨。「安全を最優先に」と断ってはいるが、大規模な停電が起きれば深刻な社会的混乱をもたらすと警告している。また石油や天然ガスの調達増加によって、年間2兆円を超える国富が海外へ流出。景気や雇用にも影響が及ぶと、原発ゼロの弊害を指摘していた。

朝日の社説は「不信の根を見つめ直せ」という見出し。福島の事故は「信頼を基盤とすべき社会を不信の巣へと変えた」と断定し、「原発はゼロベースから考え直さなければならない」と主張している。原発は不可とは言っていないが、社会の不信をなくすまでは再稼働を認めないという姿勢を明確に打ち出した。

日経は企業寄り、朝日はポピュリズムと言ってしまえばそれまでだが、原発政策の正しい道は両者の中間に存在するのではないだろうか。たとえば安全性の最も高い10基と低い10基を確定し、高い方から再起動を始める。その一方で、低い方は廃棄を決定する。こうして10年後、20年後の原発依存率を想定し、それに合わせて再生エネルギーを増産して行く。このようなビジョンの策定が、議論の収斂に役立つのではないか。


    ≪24日の日経平均 = 上げ +6.78円≫

    ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 消費税の復習 ④
2012-05-26-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 軽減税率と給付つき税額控除 = 消費税の持つ逆進性を緩和し、低所得者の負担感を和らげようとする方策の1つが軽減税率。食料など生活必需品の税率を低く抑える。ヨーロッパ諸国で広く導入されている方式で、たとえばスウェーデンの消費税率は25%だが、食料品は半分の税率に。フランスでは19.6%の税率が、食料品は5.5%というぐあい。

この方式の欠点は、線引きが難しいこと。軽減税率の対象品目が少ないと、逆進性の緩和に効果がない。品目が多いと、税収が少なくなってしまう。日本の場合、消費税を5%から10%に引き上げると、税収は年間13兆5000億円増加する見込み。だが食料品をすべて5%のままに据え置くと、税収は5兆円減ってしまう。

給付つき税額控除は、減税と給付金を併用する方法。たとえば負担軽減額を5万円に決めたとすると、所得税額が15万円の人は10万円に減税。3万円の人は税金がゼロになるうえ、給付金2万円をもらえる。もともと税金を免除されている人は、現金で5万円をもらえるという仕組みだ。

アメリカやヨーロッパ諸国では広く採用されているが、難点は所得の把握がむずかしく不公平を生じる可能性がある点。たとえば利子や配当の所得が多額でも給与所得が低い人が、給付金を受け取ってしまうかもしれない。政府が国会に提出した法案には、負担軽減額や所得の限度額などが書かれていない。どのような逆進性の緩和策が講じられるのかは、いまのところ全く不明だ。


                           (続きは来週サタデー)

    ≪25日の日経平均 = 上げ +17.01円≫

    【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2012-05-27-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第9章 財政って、なんだろう? ④

◇ 民間ではできない仕事 = 国はたくさんのおカネを使って、どんな仕事をしているのでしょうか。みなさんも、いくつか考えてみてください。たとえば外国と話し合って、いろいろなことを決める。国を守る。悪い人を捕まえる警察(けいさつ)。大きな道路や公園を造って、管理する。大きな川や港の整備。年金や健康保険。教育、衛生、福祉。科学や芸術を伸ばす方策・・・。

要するに、個人や民間の会社ではできないこと。しかし国民がよい生活をしていくためには、どうしても必要な仕事を国がやっているわけです。そのためのおカネを税金や国債で集め、仕事をすることでおカネを払います。こうした活動を通じて、たとえばお金持ちから集めた税金で貧しい人を助けたり、車を運転する人のおカネで道路を造ったりすることもできるのです。

このような国の収入と支出は、1年ごとに作られる予算で決められます。1年というと、ふつうは1月から12月までですが、予算の場合は毎年4月1日からあくる年の3月31日。この1年間を予算年度あるいは会計年度と呼んでいます。みなさんも「〇〇年度」という言葉を聞いたことがあるでしょう。たとえば現在は、2012年度あるいは平成24年度です。

予算を作る役所は、財務省です。財務省はほかの役所から、どんな仕事をやりたいかのかを聞いて、年末までには次の年度の予算案を作ります。これを基に政府が最終的な予算案を決定し、あくる年の国会に提出。国会はいろいろ議論して、3月末までに承認。そして4月からは、新しい予算が実行に移されるという段取りがふつうの形です。
                            

                                (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2012-05-28-Mon  CATEGORY: 政治・経済
日経平均は先週、31円の値下がりだった。これで8週連続の下落。バブル崩壊で金融不安が発生した92年春の9週連続下落に次ぐ記録となってしまった。4月初めからの8週間の下げ幅は1503円。下落率は15%に達している。外国人投資家が売り越しに転じたうえ、国内の個人投資家も買い意欲を鈍らせた。一方、ダウ平均は先週85ドルの値上がり。4月初めからの下げ幅は757ドル。下落率は5.8%にとどまっている。

最大の悪材料は、言うまでもなくギリシャ情勢。来月17日の再選挙で、結局ギリシャはユーロ圏を離脱するのかしないのか。予想は伯仲していて、全く見通しがつかない。日本の場合は、それに加えて夏の電力不足と料金引き上げ問題。それに消費税をめぐる政局の混迷。日経平均とダウの差は、ここから生じているのだろう。

ギリシャ問題は、少なくともあと3週間は尾を引いてしまう。電力と消費税の問題も、引き続き重くのしかかる。今週も株式市場の環境は、決して良くない。ただ東証1部のPBR(株価純資産倍率)は0.9倍を割り込む異常な水準に。そろそろ割安感が、買い手を動かすころかもしれない。下値を確認する週になることが期待される。

今週は28日に、4月の企業向けサービス価格。29日に、4月の雇用統計と家計調査。31日に、4月の鉱工業生産、毎月勤労統計、住宅着工戸数。1日に、1-3月期の法人企業統計と5月の新車販売台数が発表になる。アメリカでは29日に、3月のSPケースシラー住宅価格とコンファレンスボードの5月・消費者信頼感指数。1日には、5月の雇用統計、6月のISM製造業景況指数と5月の新車販売台数が発表される。またEUが1日に、4月の雇用統計を発表する予定。


    ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ

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緊縮と成長の両立 / 至難のわざ (上)
2012-05-29-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 政治家が抱く幻想? = 世界中の政治家が「財政の緊縮と経済成長の両立」をお題目のように唱え始めた。ワシントンで開かれたG8(主要8か国)首脳会議でも主要な議題となり、会議がまとめた宣言では「ヨーロッパの信用不安問題に対して、財政再建を進めながら経済成長も求めること」を確認した。野田首相もこの流れに乗って「消費増税と2%成長を両立させる」と意気込んでいる。

火付け役は「財政緊縮プラス成長政策」をスローガンに掲げて当選したフランスのオランド新大統領。緊縮だけでは景気が悪くなるばかり。成長政策も必要だという主張には、フランスだけでなく不況に悩むイタリアやスペイン、ギリシャの国民も共鳴した。アメリカでは緊縮至上主義の共和党に対抗するため、オバマ大統領がこの路線を支持している。

だが、どうすれば財政再建と経済成長を同時に達成できるのか。実際問題として、そんな“玉手箱”は存在しないのではないか。G8の共同宣言をみても、成長の手段としては教育や公共事業、それに貿易の自由化などを並べただけ。新味のある方策は、なにも書かれていない。

しかも政治家が頭に描いている方法論は、バラバラのように見受けられる。たとえばオランド大統領は、財政支出の増加で経済に刺激を与えることを考えている。ところがドイツのメルケル首相は、労働市場などの自由化を進めることで成長を加速すべきだと信じているようだ。緊縮と成長の両立は、政治家の”幻想”にすぎないと言ったら言い過ぎだろうか。


                                   (続きは明日)

    ≪28日の日経平均 = 上げ +12.76円≫

    ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ

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緊縮と成長の両立 / 至難のわざ (下)
2012-05-30-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 結局は誰かが負担 = フランスやギリシャでは国民が緊縮政策に耐えられず、政権が崩壊してしまった。その結果「緊縮と成長の両立」が時流に乗ったわけだから、EUの首脳としても財政再建のテンポを緩めることぐらいは考えざるをえないだろう。だが、これで景気の悪化はいくらか抑制できるかもしれないが、経済を成長させることはできない。

しかも財政再建の方向は変えられないから、財政支出の減少分は経済成長にとってのマイナス要因になってしまう。その分を民間需要で埋めようとすると、減税や補助金などの形で財政支出が増える。あとは自由化で輸出を伸ばすか、規制緩和で生産性を上げるしかない。メルケル首相はこの方策の信奉者だが、効果が出るまでには長い時間が必要だ。

また財政支出の内容を大幅に変更する方策があるかもしれない。成長を刺激するような支出を増やし、効率の悪い支出を減らすやり方だ。だが効率の悪い項目は失業手当や生活保護など民生的なものに多いから、オランド大統領など左派系の政治家には不向きに違いない。

最後に頼るところは金融以外にない。それも国内ではダメで、国際的な金融支援ということになる。たとえばEU共同債の発行、ECB(ヨーロッパ中央銀行)やヨーロッパ投資銀行による融資の拡大。しかし、その融資は結局EU各国が負担することになる。借りた国が経済成長できるほど、おカネを貸せるとはとても思えない。緊縮と成長の両立で名案があれば、ノーベル賞に値する。


    ≪29日の日経平均 = 上げ +63.93円≫

    ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ

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オリンポスの霧 / ギリシャの再選挙 (上)
2012-05-31-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 複雑きわまる今後の展開 = 最近の選挙は事前の世論調査で、結果をほぼ見通せることが多い。5月6日に実施されたギリシャの総選挙も事前の予想が当たって、連立を組んでいた第1党のPASOK(全ギリシャ社会主義運動)と第2党のND(新民主主義党)が惨敗。小政党だったSYRIZA(急進左派連合)が急伸した。この3党が新しい連立工作に失敗したため、6月17日に再選挙が行われる。

ところが、この再選挙の見通しはよく判らない。世論調査では、緊縮政策の撤回を公約しているSYRIZAが優勢と伝えられたが、ここへきてNDが追い上げているともいう。仮にNDとPASOKが2党で過半数を占めれば、選挙前と同じ連立内閣が誕生。EUの支援を受けながら、緊縮政策を継続することになるだろう。

一方、SYRIZAが第1党で過半数に達しなかった場合は、4位以下の少数政党と連立を組む公算が大きい。そのときギリシャはEUと取り決めた緊縮政策の継続を取り止めることになる。そうなればEUはギリシャへの資金援助を停止。ギリシャはデフォルト(債務不履行)を宣言。ユーロ圏から離脱する道を選ぶことになる。

したがってギリシャ国民は17日の再選挙で、ユーロ圏から離脱するか、残留するかを決めることになる。――というのが一般的な解説だ。しかし現実は、そんなに単純な話ではない。SYRIZAと4位以下の少数政党は、いずれも緊縮政策の撤回を主張している。だが共産党を除くと、これら全部の政党がユーロ圏への残留を公約しているから奇妙だ。


                                  (続きは明日)

    ≪30日の日経平均 = 下げ -23.89円≫

    ≪31日の日経平均は? 予想 = 下げ

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