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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
安倍総理への質問状① 議員定数
2013-01-02-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 議員は責任分担しないのか  この1月から、所得税の復興増税が実施される。所得税額の2.1%分が、通常の所得税に上乗せ徴収される。東日本大震災の復興を助けるための臨時措置ではあるが、今後25年間にわたって徴収されるから“恒常的な増税”と考えていい。さらに個人住民税の均等割り額が、来年6月から年1000円引き上げられる。

財務省の試算によると、所得税の復興増税で年収500万円の4人家族では年1600円。同じく年収1000万円の家庭では年1万4000円の負担増になる。来年4月からは消費税が8%に引き上げられることを考えれば、国民の負担増は決して軽いものではない。それでも全国民が東北復興の資金を分担しようという精神から、この復興増税は実現した。

そのとき、政治家はなんと言ったか。民主党や自民・公明党も「国民だけに負担は負わせない。われわれも負担を分担するために国会議員の定数を減らし、歳費を削減する」と約束したではないか。それが時とともに忘れられた形。こんどの衆院選でも、ほとんど触れられなかった。

3年ぶりに政権復帰を果たした自民党。その内閣を率いる安倍さんは、この問題をどう考えているのでしょうか。国民の方は今月から復興増税を負担するわけだから、改めて総理大臣としての明白な考え方を聞かせてもらいたいものです。「各党の意見が合わないので」といった理由で逃げれば、国民を騙すことになりますよ。


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安倍総理への質問状② 公共事業 
2013-01-03-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ バラ撒きを防げるのか = 政府・自民党は、今月中に補正予算を成立させる方針である。規模は約10兆円。剰余金などで5兆円の財源は調達できそうだが、残りの5兆円は国債の増発に頼らざるをえない。財政の悪化を招いても補正予算を編成するのは、マイナス成長に陥った景気を立て直すことが目的だ。

国民の多くは景気の回復を望んでおり、補正予算の必要性は認めている。しかし過去の自民党に戻って、公共事業をバラ撒くことには大反対だ。そこで政府は「防災・減災に重点を置く」と説明に努めている。たしかに笹井トンネルの天井崩落事故を挙げるまでもなく、社会インフラの老朽化は進んでおり、その補強工事は不可欠だ。

ところが道路や橋、学校の耐震化などの工事は、1件あたりの単価が低い。鉄鋼やコンクリートなどの資材も、それほど大量には使わない。したがって景気を浮揚する力は、必ずしも大きくはない。景気対策として効果があるのは、やはり道路や橋、あるいは空港や大型ビルの建設ということになる。

補正予算の目的は景気対策なのか、安全対策なのか。その辺が曖昧だと、補正予算は景気振興のためと称して従来型の公共事業に使われてしまう危険性が大きい。特に参院選を間近に控えているから、その要望は強まるだろう。仮にバラ撒き型の公共事業がまかり通ることになれば、安倍内閣は「やっぱり昔の自民党だ」と烙印を押されることは間違いない。安倍さん、この問題をどう仕分けするのですか。


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安倍総理への質問状③ 消費増税 
2013-01-04-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 景気の状態を判定できるのか = 自民党は民主・公明党との3党合意に基づいて、消費税を増税する方針。現在5%の税率を来年4月に8%、15年10月には10%まで引き上げる。ただ景気の悪いときに増税はできないから、3党合意でも「経済情勢の好転」を実施の前提条件とすることが確認されている。

増税を決定してから実施するまでには、半年ほどの準備期間が必要である。というのも、店舗のレジをはじめ各種機械の調整に時間がかかるからだ。したがって14年4月に増税するとすれば、最終決定はことし9-10月に下さなければならない。その時点で発表されているGDP統計は4-6月分しかない。そこで政府は4-6月期の景気をなんとか上昇させようとしている。10兆円の補正予算も、そこを睨んでいる。

だが仮に4-6月期のGDPが上向き、それをみて10月に増税を決定したとする。ところが、たとえば来年2月には判明する10-12月期のGDP統計が下向いたら、どうするのだろう。景気が悪くなったと言って実施の直前に増税を取り止めたら、大混乱に陥ることは間違いない。

もっとも、ことしの10-12月期は増税前の駆け込み需要で、景気が下降する可能性は小さいかもしれない。しかし15年10月の2度目の増税は、その効果を期待しにくい。とにかく増税時の景気動向をあらかじめ予測して実施を決める方法は、理念としては正しいが不確定さが多すぎる。安倍さんは、増税時の景気の状態を半年前に判定できると考えているのだろうか。


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    ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 金融緩和政策の限界 ⑨
2013-01-05-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 国債で儲ける銀行 = 日銀が量的緩和政策を開始してから2年あまり。この間に日銀は、銀行が保有していた国債や社債などを67兆円も購入した。それだけのおカネが銀行に流れたわけである。だが銀行の貸出額は、ほとんど増えていない。だから量的緩和政策の景気浮揚効果は弱々しいものとなっている。

それでは銀行は、このおカネを何に使っているのだろうか。いちばん多いのが証券の購入である。銀行が保有する預金と購入した証券の比率を預証率と言うが、全国117行の預証率は昨年3月末で41.8%。過去最高の水準に達した。ちなみに預金と貸し出しの比率である預貸率は68.9%で、過去最低だった。

証券類のなかでも、国債の購入が圧倒的に多い。全国117行の国債保有額は、昨年3月末時点で166兆4000億円。10年3月末に比べると、36兆円も増加している。最も安全性の高い国債を相場の安いときに買って、高いときに日銀に買ってもらう。人件費もかからず、銀行にとってこんな楽な商売はない。

その銀行も、実は内心ひやひやしていることがある。大量の国債を保有しているから、もし国債の価格が暴落すれば巨額の損失を蒙ることになるからだ。いまのところ日本の国債は、高値で安定している。しかし外国人の保有比率も1割を超えた。仮に価格が下落し始めれば、一斉に売るかもしれない。専門家によると、そのメドは、長期債の流通利回りが1.5%を超えて上昇したときだという。


                                (続きは来週サタデー)

    ≪4日の日経平均 = 上げ +292.93円≫

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2013-01-06-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第11章 国債って、なんだろう? ⑩

◇ 銀行がたくさん保有 = 国債の発行は、財務省というお役所が行なっています。いっぺんに大量の国債を売り出すと混乱が起きるので、財務省はいろいろな種類の国債を何回にも分けて売り出します。買い手はほとんどが銀行、保険会社、証券会社で、基本的には入札(にゅうさつ)方式というやり方で値段を決めます。入札方式というのは買い手が値段を付け、財務省はいちばん高く買うところに売る方法です。

国債を買った金融機関はそれを企業や個人にも売りますが、自分のところでも保有します。たとえば銀行が保有している国債は、昨年3月末で166兆円でした。銀行は個人や企業から預かった預金で、この国債を買います。そうすると、預金の利子より国債の利回りの方が少し高いので、その分がもうけになるわけです。ですから、こんなにたくさんの国債を自分で持っているのです。

それでも国債の発行量が多くなりすぎると、売れなくなってしまいます。このため日本銀行も国債の量を調節するために、買い入れることがあります。それなら日銀がもっと大量に買えば、その分のおカネが世の中に出回って景気がよくなるという意見もありますが、そうするとおカネの流通が多くなりすぎてインフレになる危険が高まります。

外国の企業や個人も、日本の国債を買っています。外国人の保有量はしだいに増えて、全体の10%を超えてきました。アメリカやヨーロッパ諸国の国債は、外国人がもっとたくさん買っています。いま財政が危機状態に陥っているギリシャの場合は、外国人の保有率が70%にも達しています。このため発行する国債に7%ぐらいの金利を付けないと売れなくなってしまいました。
                            

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今週のポイント
2013-01-07-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 1万2000円を目指せるか = アメリカの与野党は元日深夜まで交渉を続け、ようやく“財政の崖”を回避することに成功した。最大の焦点となっていた減税の継続は、年収45万ドル以下の所得層に適用することで決着。財政支出の強制的な削減は、2か月間凍結することになった。これで株価が急伸。ダウ平均は週間497ドルの値上がり、SP500は5年ぶりの高値を回復している。

これを受けて東京市場は、4日の大発会に日経平均が293円の値上がり。申し分のない新年のスタートを切った。アメリカ経済は上昇基調に入っているから、ウォール街も当面は強気ムードを持続。ドルも堅調で、円相場はなお下落傾向を維持しそうだ。

日経平均は1万0688円まで上昇。大震災前の1万0434円を上回った。このあとの目標は11年の高値1万0857円、10年の高値1万1339円だが、これらを近く抜き去る可能性は極めて大きい。次いでリーマン・ショック前の1万2214円も視野に入ってくるが、とりあえずは1万2000円を目指せるかどうか。安倍政権の経済政策にかかってくる。

今週は7日に、12月の新車販売台数。11日に、11月の国際収支と12月の景気ウォッチャー調査が発表される。アメリカでは11日に、11月の貿易統計。またEUが8日に、11月のユーロ圏雇用統計を発表する。


    ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ

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安倍総理への質問状④ 原発再稼動
2013-01-08-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 時間稼ぎは危ない = 安倍首相は新年の記者会見で、原発再稼動について「直ちに判断できる問題ではない。ある程度の時間をかけて検討していきたい」と発言した。原発の再稼動については、世論も賛成と反対に割れている。そこで参院選で賛否を問うことは、いずれにしても政治的に不利だと判断したのだろう。だが、こんな時間稼ぎをしているヒマはあるのだろうか。

問題は大幅な貿易赤字である。昨年の結果はまだ集計されていないが、年間の赤字額は8兆円に接近するだろう。これだけの金額が海外に流出し、国内の所得が減る。その結果、設備投資や個人消費を含めた国内需要は年間18兆5000億円減るという試算もある。10兆円の補正予算を組んでも、とても穴は埋まらない。

貿易赤字の原因は、輸出の伸び悩みと火力発電用の燃料輸入増にある。燃料の輸入価格は上昇傾向にあるから、ことしも大幅な貿易赤字が続くことは覚悟しなければならない。そうなったとき、日本の国債は一斉に売られる危険性はないのだろうか。金利が上がれば景気の重荷となるし、財政はさらに悪化してしまう。

原発の安全性をじっくり確かめることはいい。だが原子力規制委員会に「安全度の高そうな原発から調査する」ように要請することは可能だろう。そして7月に新しい安全基準ができたら再検証し、年内にも何基かの原発を再稼動する方向で準備したらどうだろう。仮に安全な原発がなければ、再稼動はあきらめるしかない。安倍さん、参院選ばかりを考えずに、この程度の決断はしてほしいものだ。
 

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    ≪7日の日経平均 = 下げ -89.10円≫

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安倍総理への質問状⑤ 物価2%目標
2013-01-09-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 全く理解できない政策 = 日銀は今月21-22日の金融政策決定会合で、いわゆる“物価2%目標”の導入を決定するとみられている。安倍首相が「もし導入しなければ、日銀法の改正も辞さない」と半ば恫喝に近い姿勢で迫ったためだ。もともと臆病な日銀だから、従わざるをえないだろう。しかし物価の2%上昇を金融政策の目標にするというこの考え方は、全く理解に苦しむ。

日本の物価は94年以来きわめて安定している。消費者物価の総合指数を年度でみると、2.0%上昇したのは97年度だけ。このときは消費税が3%から5%に引き上げられている。この事実から推定できるように、来年4月に消費税が8%に引き上げられれば、物価は2%ぐらい上昇するだろう。そのとき「金融政策は目的を達成した」と、安倍さんは喜ぶのだろうか。

物価が上がると困るのは、ふつうの生活者である。特に年金受給者は、それだけ実質所得が減ってしまう。そんなことを政策目標にする政治は、どう考えても不可解だ。いま世界では、中央銀行が物価目標を設定している国が20か国ほどある。しかし大半は新興国で、物価の引き下げが目標だ。引き上げを目標にする国は珍しい。

需給ギャップを解消して、物価が上昇するような景気の好転を目指すというのなら理解できる。だが、それなら名目成長率3%を政策目標に掲げればいい。その方がずっと判りやすい。アメリカも失業率を、FRBの政策目標にしている。安倍さん、どこかのマネタリストの口車に乗せられて“物価2%”に固執していると、参院選では年金生活者がみんな反対票を投じますよ。


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    ≪8日の日経平均 = 下げ -90.95円≫

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安倍総理への質問状⑥ TPP
2013-01-10-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 決断できない農業政策 = 自民党の選挙公約は、TPP(環太平洋経済連携協定)について「聖域なき関税撤廃が前提ならば、交渉参加に反対」と書いている。TPP加盟に反対する人たちは、これを「交渉に参加せず」と読む。賛成する人たちは「条件付きで参加」と解釈する。安倍首相は少なくとも参院選までは、この“玉虫色”で党内の“融和”を計る考えのようだ。

TPPへの参加を決めたアメリカなど11か国は、いま具体的な協定の内容を詰めている。各国の利害調整に手間取っているようだが、それでも13年中の妥結を確認した。仮に日本が参院選後に参加を表明すると「協定が出来上がってから申し込んでくれ」と言われる可能性がある。そうなると日本側は、条件を主張する権利を失うかもしれない。

奇妙なことに、日本はことし7つの貿易協定を結ぼうとしている。日中韓FTA(自由貿易協定)、日EU間EPA(経済連携協定)、RCEP(東アジア経済連携協定)、それにモンゴル、カナダ、コロンビア、オーストラリアとの2国間協定だ。だが07年から始まったオーストラリアとの交渉が少しも進展していないのを見れば判るように、日本側はコメや酪農品など農産物に対する姿勢を明確にできない。

安倍政権は成長政策の柱の1つに、規制緩和を挙げている。農業を含めた貿易の自由化推進は、その最たるものではないのか。また安倍さんは「新政権はスピード感を重視する」と再三にわたって強調しているが、ことTPPの問題になるとスピードはゼロになる。訪米したとき、オバマ大統領に何と弁明するつもりなのですか。

    ≪9日の日経平均 = 上げ +70.51円≫

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今年度の歳出は 103兆円に
2013-01-11-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 形は整ったけれど = 政府は来週15日の閣議で、12年度の補正予算案を正式に決定する。総額は13兆1000億円。当初予算と合計すると、今年度の歳出規模は103兆円を超えることになる。補正予算には基礎年金の国の負担増加額2兆6000億円も含まれており、緊急経済対策としての支出は10兆3000億円になった。財源の不足分は、新たに国債を5-6兆円程度を発行して補うことにしている。

経済対策の内訳をみると、①学校の耐震化など、復興・防災事業に3兆7000億円②再生エネルギーやIPS(人工多機能幹細胞)の開発など、経済成長の促進に3兆円③保育所の増設など、暮らしの安全に1兆9000億円--が3本柱。このうち公共事業費は、合わせて5兆2000億円にのぼる。

これら大ざっぱな姿を見るかぎり、補正予算の骨格は納得できるものに仕上がっている。ただ復興関連の公共事業費には、地方の高速道路建設も含まれていると伝えられる。こうした参院選向きのバラ撒きが、どのくらい隠されているのか。見極めて行く必要があるだろう。

また道路や橋の補修は、人手が足りるのかどうか。補正予算は3月末までに契約ができないと、失効してしまう。使い切れないからといって、他の事業に転用されることがないようにしてもらいたい。さらに肝心の景気浮揚効果は、たとえば4-6月のGDP成長率を0.5%押し上げる程度だという試算も出ている。あまり大きな期待は禁物だ。


    ≪10日の日経平均 = 上げ +74.07円≫

    ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 金融緩和政策の限界 ⑩
2013-01-12-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 金融緩和も限界に近づく = 安倍首相はかつて「国債をどんどん発行して、日銀に引き受けさせる」と発言して物議を招いたことがあった。このときは肯定論も聞かれたが、大半は「インフレになる」「国債の価格が暴落する」という批判の声だった。さすがに安倍さんも、首相になってからは発言を抑えている。

太平洋戦争の戦前から戦中にかけて、日本政府は軍費を調達するために日銀に国債を引き受けさせた。その結果は大インフレになったという経験がある。日銀が国債を買い取る形でおカネをばら撒けば、それだけ通貨の価値が減りモノの値段が上がるわけだ。現在は日銀が量的緩和で国債を買っても、物価はなかなか上昇しない。経済のグローバル化などによって、競争が激しくなっているからである。

国債も金融商品だから、供給が過剰になれば価格は下がる。価格が下がれば金利が上がり、景気に悪影響を及ぼすと同時に、国債の金利負担が増大して財政状況はもっと悪化する。いまのところ国債の価格は高値で安定しているが、国債の増発を無限に続けられるはずはない。いずれは限界に達する。

景気が悪いから、インフレになる心配はまだ小さい。しかし政府は12年度の補正予算案で、国債をまた5兆円ほど増発する。国債の需給は、その分だけ限界に近づいたことは確かだろう。もし限界を突破すると、副作用は一気に表面化する。ことしは国債の市場価格と、その裏返しである長期金利の動きから目を離せない。


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    ≪11日の日経平均 = 上げ +148.93円≫

    【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2013-01-13-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第11章 国債って、なんだろう? ⑪

◇ 国債と金利の関係 = きょうは国債と金利の関係について勉強しましょう。その関係はとても深いのです。国債は発行されるときの経済状態や金融情勢で、売り出される価格が変わります。たとえば年1.5%の金利がついた10年もの国債を100万円買えば、毎年1万5000円の金利を受け取り、10年後には100万円が返ってきます。この場合の金利は1.5%ですね。

ところが買いたい人が多くて、100万1300円でなければ買えなかったとします。この場合でも10年後には100万円しか戻ってきません。その分を受け取る金利から差し引いて計算すると、金利は1.485%に下がってしまうのです。このように入札した結果、国債の価格が高くなると金利は下がり、逆に安くなると金利は上がります。この国債の金利が、そのほかの金利を動かす原動力になるのです。

金利が上昇すると、会社は銀行などからおカネを借りたとき、それだけ多くの金利を払わなければなりません。また個人も住宅ローンなどの利息が高くなります。すると会社も個人も、おカネの借り入れを減らすでしょう。その結果は経済活動が低下して、景気は悪くなる方向に進みます。金利が低くなると、その反対のことが起ります。

国債をたくさん発行しすぎると、価格は下がりがち。つまり金利は上昇するでしょう。すると国も国債を売るためには、高い金利を払わなければならなくなります。財政の状態はもっと悪くなりますね。そんな状態が進行すると、期限がきたときに元金を返してもらえるのかどうか、みんなが心配し始めるでしょう。国債はますます売りにくくなり、金利は上昇します。このような状態を、財政の破綻(はたん)と言います。
                              
 
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今週のポイント
2013-01-15-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 上昇基調を確認した株価 = ニューヨーク市場も東京市場も、先週の前半は利益確定売りに押されたが後半は盛り返した。ダウ平均は週間53ドル、日経平均は113円の値上がり。ともに上昇基調の持続を確認した形となった。特に日経平均はこれで9週連続の上げ、終り値の1万0802円は1年11か月ぶりの高値。

アメリカの場合、気がかりなのは依然として“ねじれ議会”の重石だ。来月半ばには、政府の債務負担が法的な限度を超える。さらに来月末には、財政支出の強制的な削減が始まる。これらの問題を与野党が、うまく解決できるか。時間が迫るにつれて株式市場の心配は強まるが、その兆候が来週あたりから出るのかどうか。

日本の場合は、日銀が21-22日の金融政策決定会合で、物価2%目標とさらなる金融緩和を決定する見込み。このため先週89円台半ばまで下落した円の対ドル相場は、まだ下げるという見方が強い。したがって株価も、利食いをこなしながら上昇基調を維持するものと思われる。

今週は15日に、11月の機械受注が発表される。また15日には補正予算案の閣議決定。アメリカでは15日に、12月の小売り売上高と生産者物価。16日に、12月の工業生産と消費者物価。17日に、12月の住宅着工戸数。18日にミシガン大学の1月・消費者信頼感指数が発表になる。EUは14日に、11月の工業生産。16日に、12月の消費者物価。さらに中国が18日に、10-12月期のGDP速報と12月の鉱工業生産、小売り売上高を発表する予定。


    ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ

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円安を 喜んでいいのか? (上)
2013-01-16-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 2か月間で1割を超す下落 = 円安が予想以上のスピードで進行している。対ドル相場は昨年11月半ばの79円台が現在は89ドル台に。対ユーロ相場は同じく102円台が119円台に低下した。ともに2か月間の下落率は1割を超えている。この先も円安はまだ続くという見方が強い。

円相場が下降に転じたきっかけは、当時の野田首相が衆議院の解散を宣言したこと。これで自民党政権が3年ぶりに復活、景気対策や金融緩和に力を入れるという期待が一挙に高まった。安倍政権の誕生後もその流れは続き、円安が株価の急騰をもたらした。日経平均株価は、この2か月間で2100円も上昇している。

要するに、日本経済を取り巻くムードはこの2か月間で目に見えて好転した。さらに事業規模20兆円の補正予算、日銀のさらなる金融緩和が控えており、円安はもっと進むという予想が圧倒的に強い。安倍首相は鼻高々だし、経済界にも歓迎ムードがあふれている。

たしかに円安の進行で、輸出企業の採算は大きく好転する。トヨタは1円の円安で営業利益が年350億円、日産も200億円の改善を見込む。機械や化学、海運業に対する恩恵も大きい。主力株にはこうした輸出関連企業が多いから、全体の株価も押し上げられる。だが今回の円安傾向を、手放しで喜んでばかりいていいのかどうか。


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    ≪15日の日経平均 = 上げ +77.51円≫

    ≪16日の日経平均は? 予想 = 下げ

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円安を 喜んでいいのか? (下)
2013-01-17-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ デメリットも大きい = 円安は輸出産業に大きなメリットがある。だが半面、輸入産業には大きなデメリットをもたらす。その分だけ輸入コストが増大してしまうからだ。たとえばエネルギー、運輸、小売り、外食産業など。特に火力発電用の燃料となるLNG(液化天然ガス)や原油の輸入コストは、1円の円安で年間2750億円の増加になるという試算もある。

これらのコスト増加分は、企業の利益を圧迫したり、最終的に消費者に転嫁されたりする。したがって負担は分担されるが、総体的にみれば結局は日本経済が背負うことになるわけだ。国内の購買力が輸入代金を通じて海外へ流出、景気の押し下げ要因になっている。輸入額が輸出額を上回る現状では、日本全体としてはメリットよりデメリットの方が大きいと考えられるだろう。

一般に円安の原因は、安倍内閣の積極的な景気対策と金融緩和政策にあると考えられている。それも一因には違いないが、本当はもっと根本的な理由が存在するのではないか。一部の専門家の間では、こんな危惧が生じ始めた。それは日本が国際収支の赤字国に転落するという懸念である。

日本の貿易収支は、昨年7月から赤字を続けている。ところが11月はサービス収支や資本収支を加えた国際収支全体が赤字を記録した。これは日本が、あらゆる部門を総合した海外との取引で赤字となったことを意味する。このような赤字が継続すれば、その国の通貨は売られる。いまの円安がその結果だと断定するのはまだ早い。しかし、その兆候なのかどうかは真剣に検討する必要があるだろう。


    ≪16日の日経平均 = 下げ -278.64円≫

    ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ

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GDP2%上げは 可能なのか?
2013-01-18-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 民間の予測は否定的 = 政府は15日の閣議で、13兆1054億円の歳出を追加する12年度補正予算案を決定した。これによって13年度の実質GDPは2%押し上げられ、60万人の雇用が創出されると予測している。しかし民間エコノミストの多くは、成長率の増加は0.5%-0.8%程度にとどまり、雇用の創出も15万人前後と予測する。政府と民間の予測は、どちらが当たるのだろうか。

民間エコノミストが慎重な見方をしている理由は2つ。1つは東北地方の災害復旧工事に道路や学校の防災工事が重なるから、人手が不足して予算を消化できないという懸念。もう1つは防災・減災工事では、鉄鋼やコンクリートなど材料の使用量が少なく、景気に対する波及効果が小さいと考えられること。

この2つの予測を比べてみると、政府の予測はかなり希望的。景気対策としての支出増加額は10兆2815億円なので、現在のGDP500兆円の2%と計算したようにも思われる。一方の民間予測は慎重になりすぎ。実際は両者の中間よりは、やや民間寄りになるのでは。

残念なことは、政府が13年度の成長率に全く触れていないこと。GDPを2%押し上げる結果、景気がどうなるのか、全く判らない。安倍首相が記者会見で「GDPを2%押し上げ、雇用を60万人創出する」と胸を張ったとき、記者の側から「その結果、13年度の成長率はどうなるか」という質問が出なかったことは、むしろ驚きだ。


    ≪17日の日経平均 = 上げ +9.20円≫

    ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 金融緩和政策の限界 ⑪
2013-01-19-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 有効な成長政策が不可欠 = 戦後の復興期から高度成長が終わるまでの間、日銀の金利政策は絶大な威力を発揮した。金利を上げれば景気はすぐに鈍化し、下げれば短期間で回復している。企業や個人の資金需要が強かったので、金利の変更が直ちに需要の調整につながったからである。しかし低成長期に入ると資金需要が弱まり、金利をゼロにまで下げても景気は浮揚しにくくなってしまった。

そこで量的緩和政策が登場したが、その効果はあまり芳しくない。日銀が大量の国債などを市場から買い取ると、たしかに銀行には多額の資金が流入する。だが、その資金が企業や個人によって使われない。企業も個人も資金を溜め込んでおり、借金を増やす意欲に乏しいからである。

企業や個人が借金を増やさない大きな理由に、経済の先行き不安がある。ゼロ成長が続いているときに、借金までして設備を拡張したり、大きな買い物をすることには躊躇してしまう。したがって金融緩和を景気の上昇に結びつけるためには、経済全体を活性化する政策が必要だ。これが成長政策である。

安倍内閣は12年度補正予算案に、成長政策として3兆1373億円を組み込んだ。ベンチャー企業の育成や省エネ型設備の開発、IPS細胞を使った再生医療の支援などが内容。だが、この程度の金額で経済成長が促進されるはずもない。続けて13年度予算で、どこまで推進できるのか。金融緩和が効果を発揮できるかどうかのカギは、この辺にありそうだ。


                            (続きは来週サタデー)

    ≪18日の日経平均 = 上げ +303.66円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝0敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2013-01-20-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第11章 国債って、なんだろう? ⑫

◇ また増えた国債の発行額 = 政府は景気をよくするために、12年度の補正予算案を編成しました。総額は13兆1000億円で、そのうちの5兆2000億円は新しく国債を発行してまかないます。この結果、3月末の国債発行残高は714兆円に達する見込み。また政府の借金は、全体で1091兆円にのぼります。この金額は国の経済規模であるGDP(国内総生産)に対して227%、つまり2倍以上という大きなものです。

いま南ヨーロッパのギリシャが財政の危機に陥っています。このギリシャでさえ、GDPに対する政府債務の比率は143%です。日本はなぜ危機に陥らないのでしょうか。いちばん大きな違いは、日本の国債はほとんどが国内で買われていて、外国人の保有は9%ぐらいしかありません。これに対してギリシャの場合は、外国人が70%ぐらい買っていることです。外国人がギリシャの国債に不安を持ち、買わなくなったため大問題が生じたわけです。

国が借金を返せなくなったことは、これまでにも例があります。たとえば1990年代にはタイや韓国、それにロシア。01年末にはアルゼンチンが、そういう状態に陥りました。これらの国々は通貨の下落や金利の上昇で経済が不況に落ち込み、インフレと失業の増加に悩まされたのです。

日本は大丈夫なのでしょうか。日本の国債が国内で消化されているのは、国民がたくさん貯蓄をしているからです。日銀の計算によると、その金額は昨年9月末で1155兆円ありました。でも政府の債務残高との差は、もうあまりなくなってきています。日本もこれからは国債の発行を増やすと売れなくなり、金利が上がり始める危険があります。もうギリギリのところに近づいていると言っていいでしょう。


                              (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2013-01-21-Mon  CATEGORY: 政治・経済
日経平均は10週連騰 = 株価の回復が著しい。日経平均は先週112円の値上がり。終り値の1万0913円は2年9か月ぶりの高値。10週間の連騰は26年ぶりのことである。円安が一時90円まで進んだことが原動力で、外国人投資家だけではなく国内の個人も買いに動いた。

ダウ平均も先週は161ドルの値上がり。終り値の1万3650ドルは5年1か月ぶりの水準で、リーマン後の高値を更新した。住宅や雇用関連の指標が好転したことに加えて、企業業績の好調、政府の債務負担限度をめぐって与野党間に妥協の動きがみえたこと、さらには中国の成長率が下げ止まったことや日銀の金融緩和までが買い材料になっている。

株価の上昇は今後も続くだろうか。ニューヨーク市場の場合は、やはり債務負担限度の問題が最大のカギになりそうだ。一方、東京市場は今週ちょっとした試練を迎える。補正予算案が固まり、日銀の金融緩和策が決定すると、当面は材料がなくなるからだ。円安による企業業績の向上が確認されるまでの間、利食いをどうこなすかが課題になる。

今週は21-22日に、日銀の金融政策決定会合。22日に、11月の全産業活動指数。24日に、12月と12年の貿易統計。25日に、12月の消費者物価が発表される。アメリカでは21日に、オバマ大統領の就任式。22日に、12月の中古住宅販売。24日に、12月のコンファレンスボード景気先行指数。25日に、12月の新築住宅販売戸数が発表になる。


    ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ

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“ふつうの国”になった 中国
2013-01-22-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 成長率の低下は歓迎すべきこと = 中国政府は先週、12年の実質経済成長率が7.8%になったと発表した。11年の9.3%からまた少し低下し、13年ぶりに8%を割り込んでいる。輸出の鈍化に加えて、国内でも個人消費が伸び悩んだ。たとえば12年の小売り売上高は前年比14.3%増で、11年の17%増を下回っている。

中国経済の急成長は1982年から始まった。それから2011年までの30年間、実質成長率の年平均は9.6%に達している。それが12年は8%を下回ったわけだ。しかも今後も10%台の成長率に戻る可能性は小さい。というのも一人っ子政策の影響で、労働力人口が減少する時期に入ると考えられているからだ。

労働力人口の減少は、潜在成長力の低下を意味する。政府がそれを無視して強力な景気浮揚策を実施すれば、不動産バブルなどインフレを起こしやすい。その結果は現在でも大きな問題となっている貧富の差を、さらに拡大させる。中国政府もそれを恐れているから、無理な対策は講じないだろう。

中国の成長率が低下したことについて、日本の輸出が停滞することを心配する論調が見受けられる。だが、その考え方は正しくない。たとえば仮に中国が再び10%台の成長を続けたら、どうなるか。かつても経験したように、エネルギーや資源、食料の国際価格が高騰する。日本にとっては、大打撃になりかねない。だから中国が“ふつうの中成長国”になることは、歓迎すべきことである。


    ≪21日の日経平均 = 下げ -165.56円≫

    ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ

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ハダカにされた 日本銀行
2013-01-23-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 無制限の金融緩和へ = 日銀は22日の金融政策決定会合で、物価2%上昇を金融政策の目標とすることを確認。加えて実質的に無制限の金融緩和政策を推進することを決めた。物価2%目標については、政府との共同声明で「できるかぎり早期に実現する」と明記。さらに3か月ごとに、その進捗状況を検証すると約束している。

量的金融緩和の具体策は、14年から毎月13兆円の資産を買い入れることになった。このうち12兆円は国債の購入に充てる。年間の国債買い入れ額は144兆円にも達し、新規の国債発行額をはるかに上回る計算だ。こうした措置は事実上の無制限な金融緩和であり、国債のまるごと引き受けと考えていい。

日銀がここまで決断したのは、安倍首相の厳しい要求に応えざるをえなかったためだ。結果として日銀は、安倍内閣の要求をすべて飲み込んだ形になっている。問題は、これで景気がよくなるかどうかである。たしかに安倍首相の登場以来、日銀は次々と金融を緩和。円安が進行し、株価も大幅に回復した。

日銀は今回の決定で、表現は悪いがパンツ1枚の状態に追い込まれた。これ以上の緩和は実行がむずかしい。ところが市場はすぐに“次の手”を催促する。日銀に“次の手”がなくなったと市場が考えたとき、これまでのように円安と株高が期待できるのだろうか。日銀をハダカにしてしまった結果、金融緩和の神通力も失われたのではないだろうか。


    ≪22日の日経平均 = 下げ -37.81円≫

    ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ

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“狼少年”になった アメリカ議会 (上)
2013-01-24-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 1兆ドルの記念コイン発行?? = いまアメリカでは「プラチナ硬貨が1兆ドル発行される」という話が、まことしやかに流れている。財務省の発表によると、アメリカの国庫は2月15日から3月1日の間に完全に空になる。議会が政府の債務負担限度の引き上げを認めないからだ。このため苦肉の策として、法律に縛られない記念コインの発行で急場をしのぐ方法があるというわけ。

アメリカでは、政府債務の上限を法律によって決めている。現在の上限は16兆3940億ドルだが、政府の債務は昨年末にこの上限に達してしまった。したがって国債の発行もできない。財務省は年金基金などから融資を受けて、必要な資金を調達してきた。しかし2月半ばには、その資金も枯渇してしまう。

国庫が空になると、軍人や公務員の給料が払えなくなる。資材の購入もストップする。国債の償還や利払いもできない。アメリカの経済・社会は大混乱に陥り、政府はデフォルト(債務不履行)を宣言せざるをえなくなる。国際的にも、大問題となるわけだ。

民主党は債務の上限を1兆1000億ドル引き上げる法案を、議会に提出している。しかし下院の多数を占める共和党が反対して成立しない。共和党は歳出を1兆ドル削減することが法案成立の条件だと主張しているが、オバマ大統領は拒否。見通しは、いぜん混沌としている。


                                   (続きは明日)

    ≪23日の日経平均 = 下げ ー222.94円≫

    ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ

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“狼少年”になった アメリカ議会 (下)
2013-01-25-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大きな政府vs小さな政府 = 政府の債務限度を法律で決めているから、限度の引き上げ法案は毎年のように議会に提出されている。ふつうはすんなり引き上げられるが、11年夏には与野党の折衝がこじれて国債の発行ができなくなった。このためアメリカの国債が、初めて格下げされるという騒動を惹き起している。

だから多くのアメリカ市民は「また始まったか」と、眉をひそめて眺めている。デフォルト(債務不履行)に陥ったら一大事だが、与野党はギリギリのところで妥協するだろうという予想も強い。何度も脅かされてきただけに「楽観はできないが、なんとかなる」と思っているようだ。いわば議会の揉めごとは“狼少年”になりつつある。

だが慣れすぎて安心するのは危ない。この問題は、民主党と共和党の深刻な政治哲学の対立に根差したものだからである。民主党は富裕層の増税で財源を増やし、これで福祉政策を充実しながら財政再建も進める考え方。これに対し共和党はすべての所得層に減税し、なおかつ大幅な歳出の削減で財政再建も実現するという主張。

要するに“大きな政府”と“小さな政府”の対決である。したがって問題は、債務上限の引き上げだけにとどまらない。減税の範囲や財政支出の削減でも、与野党の主張は隔たっている。2期目の就任式を済ませたオバマ大統領だが、“ねじれ”議会のもとで、この与野党の対立には頭を悩ませ続けることになるだろう。少し油断すると大変なことになる危険性に、ずっと付きまとわれることになる。


    ≪24日の日経平均 = 上げ +133.88円≫

    ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ≫  

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サタデー自習室 -- 金融緩和政策の限界 ⑫
2013-01-26-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 金融政策は誰が決める = 安倍首相の強烈な要求に屈した形で、日銀は無制限と言える緩和政策の実施を決めた。物価が2%上昇するまで緩和を続けることを公約。具体的には、来年から毎月13兆円の資産買い入れを実行する。こうした政策を決めたのは、今週21-22日に開いた金融政策決定会合だ。

日銀の最高意思決定機関は政策委員会。総裁と2名の副総裁、それに6名の審議委員で構成されている。この政策委員会が毎月1回、2日間の日程で開くのが金融政策決定会合。ここでは金融情勢の点検や重要な金融政策の決定が行われる。総裁以下この9名は衆参両院の同意を得て、内閣が任命する。その任期はすべて5年。

金融政策決定会合の議長は、日銀総裁が務める。現在の総裁は白川方明氏で、その任期はことし4月8日に切れる。そこで政府は、いま次期総裁の人選を急いでいるところだ。安倍首相としては金融緩和に熱心な人を選びたい考えだが、参院の同意も必要なので民主党の意向も考慮しなければならない。間もなく人事をめぐるニュースが新聞紙上を飾るだろう。

このように金融政策を決める政策委員会の人事権は、すべて政府が握っている。日銀はいろいろ抵抗しても、結局は政府の言い分に従わざるをえない。今回の無制限緩和は、その象徴的な出来事だった。アメリカの中央銀行は、FRBと呼ばれる組織。その議長はやはり大統領が上院の同意を得て任命するが、大統領がFRB議長に注文を付けることはない。その代わりFRB議長は、しばしば議会に呼び出されて糾弾される。中央銀行は、ご難の時代に入ったようだ。


    ≪25日の日経平均 = 上げ +305.78円≫

    【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2013-01-27-Sun  CATEGORY: 政治・経済
◇ あなたも556万円の借金 = 最後に国債について、おさらいをしておきましょう。国債は、国の借用証でしたね。その国債がどんどん増え続けて、いま大問題になっています。21世紀に入ったときには320兆円だった国債の合計額は、この3月末には709兆円に達する見込み。国民1人あたりにすると、556万円にものぼります。

国債が急増している大きな理由は、まず景気が悪いので税金の収入が伸びないこと。その一方で高齢化が進み、年金の支給額が増えると同時に医療費が増大していることです。たとえば12年度の予算では、歳出が90兆円。このうち年金や医療費などの社会保障費が26兆円と3割を占めています。ところが税収は42兆円しかなく、新規の国債を44兆円発行して対処しました。

予算で使うおカネを、どのくらい国債に頼っているか。その度合いを国債依存度と言います。12年度予算の場合は90兆円の歳出に対して国債発行額は44兆円ですから、依存度は49%ですね。ほとんど半分を借金に頼っているわけです。アメリカやドイツは20-30%台ですから、国際的にみても日本の国債依存度は高いことがわかります。

こうした状況のなかで、安倍内閣は景気をよくするために補正予算を編成しました。このため国債の発行額も5兆円ほど増える見込みです。ですから国債の発行総額もその分だけ増加し、依存度も少し上がります。さらに間もなく13年度の予算案が国会に提出されますが、国債の状態はどうなるのでしょうか。みなさんも関心を持って、見ていてください。


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今週のポイント
2013-01-28-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 円相場に連動した日経平均 = 円の対ドル相場は先週前半88円台に急上昇、後半は91円台に急落した。日経平均はこれに同調し、前半は大幅に下げたが後半は急反発している。週間では13円の値上がり。42年ぶりに11週間の連騰を記録した。

終り値の1万0927円は、2年9か月ぶりの高値。東証1部のPER(株価収益率)も23倍に近づいてきた。したがって今週あたりからは、利益確定の売りも本格的に出始めるだろう。その関門を突破して株価の上昇基調を維持できるかどうかは、円安傾向の持続と円安による企業利益の拡大にかかっていると言えそうだ。

ダウ平均の方は、実に着実な回復ぶりをみせている。先週は4日連騰で、週間246ドルの値上がり。ヨーロッパの金融情勢が落ち着いてきたことに加えて、アメリカ国内の雇用や住宅関連の改善傾向が株価を支えている。終り値の1万3896ドルは5年3か月ぶりの水準。07年の高値1万4165ドルが視野に入ってきた。

今週は28日に、12月の企業向けサービス価格。30日に、12月の商業販売統計。31日に、12月の鉱工業生産、毎月勤労統計、住宅着工、自動車生産台数。1日に、12月の労働力調査と家計調査、1月の新車販売台数。アメリカでは28日に、12月の中古住宅販売。29日に、SPケースシラー住宅価格。30日に、10-12月期のGDP速報。1日に、1月の雇用統計、ISM製造業景気指数、新車販売台数が発表される。


    ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ

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新年度予算案の カラクリ (上)
2013-01-29-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 形は100点満点だが = 新年度予算案が組み上がった。政府はきょう29日の閣議で決定し、国会に提出する。内容をみると、一般会計の歳出は92兆6000億円。民主党内閣が作った12年度の当初予算92兆9000億円をわずかに下回った。歳出額が前年度予算を下回るのは7年ぶりのことである。

次に新規国債の発行額は42兆8500億円。これも12年度の当初計画に比べて1兆4000億円の減額となった。一方、税収は43兆1000億円と見積もっている。国債発行額が税収を下回るのは4年ぶりのこと。つまり民主党の3年間にはなかったことである。自民党は財政再建にも積極的で、民主党が出来なかった形の予算を編成したと強くアピールしているようだ。形だけをみれば、文句の付けようがない。

だが、この予算編成には多くのカラクリが潜んでいる。社会保障費や国債費が増えるなかで、こんな形の予算を組めたのは13兆円にのぼる補正予算を先行させたため。そこへ13年度分の支出を前倒しで潜り込ませたから、全体を小さく見せることができた。また経済危機に備えるための予備費を全く計上しなかった。

12年度予算では、9100億円の予備費を計上していた。仮に同程度の予備費を計上すれば、新年度予算の歳出は12年度予算の規模を上回り、国債の発行額も増えたはず。予備費をなくすことで、形のいい予算案を組むことができた。安倍内閣は、もし経済危機が発生したら補正予算を作ればいいと考えているのだろうが、対策がそれだけ遅れてしまう危険性は覚悟しなければならない。


                                    (続きは明日)

    ≪28日の日経平均 = 下げ -102.34円≫

    ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ

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新年度予算案の カラクリ (下)
2013-01-30-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 税収を考えた経済見通し = 政府は新年度予算案と同時に13年度の経済見通しも決定した。それによると、実質成長率は2.5%、名目成長率は2.7%となっている。12年度の見込みは実質成長率が1.0%、名目成長率が0.3%だから、13年度は補正予算や日銀の金融緩和が効果を挙げて景気は上向くと想定しているわけだ。

この見通しが実現すると、名目成長率が実質成長率を0.2%上回ることになる。物価がそれだけ上昇し、名目と実質の逆転がなんと16年ぶりに解消する。これも大変に喜ばしいことだ。しかし、これらの成長見通しは民間の予測をかなり上回っている。ほんとうに実現することができるのだろうか。

政府の経済見通しは本来、客観的なデータをもとに弾き出されるもの。その名目成長率から税収を計算し、予算を編成するのが正しい方法だ。ところが、近年は想定する税収を確保できる成長率を決める傾向が強い。決め方が反対になってしまったわけだ。13年度の予算編成でもこの手法がまかり通り、43兆1000億円の税収が見込める名目成長率を逆算して決定した可能性が強い。

だから仮に名目成長率を2%と予測すると、税収は国債発行額を上回らない。政府が描いた100点満点の設計図はガタガタに崩れてしまうわけだ。要するに景気が回復して物価が上昇しなければ、アベノミックスは絵に描いたモチに終わる。13年度中に補正予算を組むようになれば、評価は0点に落ちるだろう。


    ≪29日の日経平均 = 上げ +42.41円≫

    ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ

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EU離脱で 国民投票 / イギリス
2013-01-31-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ キャメロン首相の苦肉の策 = イギリスのキャメロン首相は先週「EUから脱退するかどうかの賛否を問う国民投票を17年末までに実施する」と、正式に表明した。イギリスでは15年に総選挙を控えており、与党の保守党がこの選挙に勝ってキャメロン内閣がその後も継続することが条件。首相のこの発言によって、イギリス国内でEU離脱論が強まる可能性がある。

ところがキャメロン首相は「私は離脱反対に投票する」と言っている。それなのに国民投票を公約したのはなぜか。理由は与党内で強まった離脱賛成論を抑え切れなくなったからだとみられている。イギリスの下院は650議席。保守党は303議席を占めているが、そのうちの半数近くが離脱論者だという。

もともとイギリスは、EUに対して距離を置いている。EUには加盟したものの、ユーロ圏には入っていない。特に金融不安のあと、EUは財政規律の強化や金融市場の規制に力を入れ始めた。イギリスはこうした自国の主権を損ねるEUの政策には、すべて反対してきた。世論もしだいに反EUに傾いており、これが政界にも浸透してきている。

仮にイギリスが脱退すれば、EUは大きな打撃を受けるだろう。キャメロン首相は4年後の国民投票を明示することで、時間を稼ぐ作戦だ。その間にEUを説得する一方、離脱はイギリスにとっても得策でないことを国民に周知する。保守党内の強硬派を懐柔する効果も期待しているのだろう。ただ今回の意思表明で、離脱論に火が付く危険性もないではない。あぶない賭けであることに間違いない。


    ≪30日の日経平均 = 上げ +247.23円≫

    ≪31日の日経平均は? 予想 = 下げ

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