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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
設備投資に回るか / 企業の増益
2013-05-01-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 今年度は2ケタ増益の見通し = 連休前までに、主要企業の約1割が決算発表を済ませた。日経新聞の集計によると、これら129社の12年度決算は経常利益が5%の増益。さらに13年度の見通しは28%の増益になる。これから残り9割の企業が続々と決算を発表するが、日経新聞では13年度の経常増益率が最終的にも2-3割に達すると予想している。

増益の原因は、まず円安の進行。多くの製造業は1ドル=90-95円の為替レートを想定しているが、現状の円相場は100円の大台を目前に足踏みしている。この為替差益が大きい。特に自動車産業は、その恩恵をフルに受けている。大和証券の試算によると、100円の相場が続いた場合、主要企業の13年度の経常利益は45%増になるという。

次に株高。日経平均株価は、昨年11月半ばからこの連休前までの間に5200円、率にして約6割上昇した。この資産効果で、高額品を中心に個人消費も堅調に推移している。このため内需関連企業の業績も、全体としては上向いた。輸出関連企業だけでなく内需関連企業にも、最高益を更新するところが出始めている。

今後の注目点は、企業がこの利益をどう使うかだ。設備投資に使えば、機械や建設業界に新たな需要が生まれる。雇用も増えて、就業者の所得も増加する。仮に企業が利益を社内に溜め込んだり、不動産や金融投資に使えば景気の好循環は期待できない。この点がアベノミクスの成否を左右する重要なポイントになってくる。


    ≪30日の日経平均 = 下げ -23.27円≫

    ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ

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敵は本能寺? / 高速道路の改修費試算
2013-05-02-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 無料化延期の遠謀では? = 東日本、中日本、西日本の高速道路3社は先週、突如として「今後100年間に必要となる道路の改修費は5兆4000億円に達する」という内容の試算を公表した。それによると、3社合計で9000㌔ある路線網のうち、トンネルや橋や路面の大規模な更新に必要な費用は2兆円。大規模な修繕に必要な費用は3兆4000億円となっている。

高速道路3社は05年の民営化時に、50年までの補修費用を6兆5000億円と見積もっていた。今回の試算は、その追加という形になっている。昨年12月の中央道・笹子トンネルでの天井板崩落事故を受けての試算だと考えられるが、それにしても「今後100年間」とは大きく出たものだ。

同時に、こんな試算をいまさらながら作成した3社の経営感覚にびっくりする。ふつうの事業会社ならば、建物や工場・機械などの償却を毎年行う。そうして積み立てたおカネを、老朽化した資産の修繕や更新に使用する。そうしなければ、会社は存続して行けない。民営化した高速道路会社は補修費用だけを計算に入れ、大規模な改修や更新は経営的に必要とは考えていなかったのだろうか。

新たに必要と試算した5兆4000億円。もちろん、財源のアテはない。今後、国土交通省と財源作りの協議をするという。だが現状では、高速道路の料金値上げは全く困難だ。すると残る手段は、50年に予定している全面無料化の停止または延期しかない。どうやら試算発表の真の目的は、そこにあるのではないか。


    ≪1日の日経平均 = 下げ -61.51円≫

    ≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- シェール革命の衝撃 ①
2013-05-04-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ エネルギー輸出国になるアメリカ = いまアメリカは、建国以来3度目の資源開発ラッシュに沸いている。最初は19世紀半ばのゴールド・ラッシュ、次は19世紀後半のオイル・ラッシュ。そして3度目のシェール・ラッシュがいま始まったところだ。早くも「シェール革命」と言われるように、その影響力は計り知れない。

「アメリカは17年までに世界最大の産油国になる」と、IEA(国際エネルギー機関)は予測した。このことはアメリカが、エネルギーの輸入国から輸出国へと転換することを意味している。アメリカの国際収支は大幅に改善し、企業はコストダウンによって競争力を一気に高めるだろう。

国際的な影響も大きい。アメリカが最大の産油国になれば、中東諸国など従来の産油国の重要性は相対的に低下する。すでにアメリカの外交戦略さえ大変わりするという見方が、専門家の間では流れているほどだ。いま世界的な金融緩和のなかで、ニューヨーク市場の原油価格は急騰していない。ここにもシェールの影響力が現れ始めている。

日本にとっても期待は大きい。日本のエネルギー輸入価格は、アメリカ国内の6倍にも達している。安いエネルギーをアメリカから安定的に輸入できれば、低成長に悩む日本経済にとっての“救世主”になるかもしれない。このシリーズでは、シェール革命を一から勉強して行こう。

                             (続きは来週サタデー)

    ≪2日の日経平均 = 下げ -105.31円≫

    【今週の日経平均予想 = 1勝2敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2013-05-05-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第13章 都市鉱山って、なんだろう? ①

◇ 家電製品は宝の山 = みなさんの家には、電気で動く機械がいくつあるでしょうか。冷蔵庫・洗濯機・エアコンから、テレビ・パソコン・携帯電話・スマホまで。これらの電気製品あるいは電子製品には、貴金属やレアメタルと呼ばれる貴重な物質が使われています。故障して使われなくなった製品から、こうした物質を回収すれば鉱山から掘り出すのと同じこと。そこで「都市鉱山」という言葉が生まれました。

たとえば1台のパソコンには、金が約0.02グラム使われています。ですから100台のパソコンからは、約2グラムの金が回収できるはず。1万台ならば、200グラムですね。200グラムの金は、いま100万円ほどの価値があるのです。このように家電製品1台に使われている貴金属やレアメタルの量はごくわずかでも、大量の製品から回収すればその価値は膨大なものになります。

貴金属やレアメタルは、主として家電製品に組み込まれている半導体や電池、磁石などに使われています。これらの材料を使うと、家電の性能が格段によくなるからです。貴金属やレアメタルがなければ、家電製品は製造できないと言ってもいいでしょう。たとえば携帯電話には金、銀、ニッケル、コバルト、チタン、リチウム、インジウム、アンチモン、ネオジウム、パラジウム、カリウム、タンタルが使われています。

ところが、これまで使用済み家電製品のほとんどがゴミとして廃棄されてきました。もったいない話ですが、家電製品から貴重な資源を回収するのにおカネがかかって引き合わなかったからです。そこで政府もやっと動き出し、「小型家電リサイクル法」という法律を作り、この4月から運用を始めました。

                                (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2013-05-07-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ ダウ平均は1万5000ドルへ = ダウ平均株価が先週末3日の取り引き時間中に、とうとう1万5000ドルの大台に乗せた。4月の雇用統計が予想を上回る内容で、景気の先行きに対する不透明感が薄れたためである。終り値はやや大台を割り込んだが、それでも先週は261ドルの値上がり。円の対ドル相場も大きく反落した。

日経平均は連休の谷間となったせいもあって、3日連続の下落。週間では190円の値下がりとなった。4月は1463円の上昇で9か月間の連騰を達成したが、5月の立ち上がりは少し元気がない。ただ今週はニューヨーク市場の活況を受けて、いいスタートが切れそうだ。その後も上昇基調を維持できるかどうかは、ダウ平均と円相場、それに企業の決算しだい。

その企業の決算発表が、今週はピークを迎える。特に注目されるのは、円安で利益が急増した自動車や電機。トヨタは8日、ソニーは9日に発表する。3月期の利益はほぼ織り込み済みだが、経営者が今後の収益をどう予想するか。あまり慎重な見通しが並ぶと、投資家も慎重になってしまう。

今週は9日に、3月の景気動向指数。10日に、3月の国際収支と4月の景気ウォッチャー調査が発表される。この10日は決算発表の集中日。また中国が8日に、4月の貿易統計。9日に、4月の消費者物価を発表の予定。10-11日には、G8財務相・中央銀行総裁会議がイギリスで開かれる。


    ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ

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雇用統計に 翻弄された株価
2013-05-08-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ NY株は史上最高値を更新 = アメリカ労働省は3日朝、4月の雇用統計を発表した。それによると、注目された非農業雇用者数は前月より16万5000人の増加。失業率は7.5%で前月より0.1ポイント低下した。民間による事前予想の雇用者増加数は15万人だったから、まずまずの結果だということになる。ところがダウ平均は急伸、一時は1万5000ドルを上回った。

市場がびっくりしたのは、2月と3月の統計が大幅に上方修正されたからである。2月の非農業雇用者数は速報値の26万8000人増から33万2000人増へ。また3月も8万8000人増から13万8000人増へと改定された。特に3月の速報値が低かったために、市場ではアメリカの景気先行きを心配する声が強まっていた。

その心配がこの発表で、かなり払拭された。過去1年間でみても、雇用者の月平均増加数は16万9000人となり、雇用の順調な回復が証明されている。事前の予想が低く、また2月と3月の速報値が少な目だったために、株価は史上初の1万5000ドルに上昇したわけだ。

仮に事前の予想が20万人ぐらいで、2-3月の速報値も高かったとしたら、市場は失望して株価は下がったに違いない。その意味では、事前予想が低くてよかったとも言えるだろう。そう言えば企業の決算発表でも、今後の見通しについては慎重な会社が多い。予想は低く目にしておくのが、昨今の流行なのかも。


    ≪7日の日経平均 = 上げ +486.20円≫

    ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ

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景気重視に傾斜する ユーロ圏 (上)
2013-05-09-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 財政再建にはブレーキ = ECB(ヨーロッパ中央銀行)は先週の理事会で、政策金利を0.75%から0.5%へ引き下げた。昨年7月以来の利下げ。これでEUの金利も史上最低になった。EUが発表した13年のユーロ圏の実質成長率は、マイナス0.4%の見通し。12年もマイナス0.6%だったから、2年連続のマイナス成長になる。緊縮財政の影響で内需が低迷、南ヨーロッパ諸国では歳入が落ち込んで財政再建も進まない。

こうした状況を背景に、ECBは利下げに踏み切った。しかし、この利下げで景気が好転するとは誰も考えていない。この際はやはり緊縮政策の手をいったん緩め、財政支出による景気浮揚を図る必要があるという考え方が急速に広まってきた。その好例がイタリアである。

イタリアは2月の総選挙のあと組閣工作が難航、4月末になって中道左派・民主党のレッタ副党首を首班とする大連立内閣がやっと発足した。そのレッタ首相は所信表明演説で「不動産税の凍結、消費税の引き上げ先送り。景気回復のための減税」を明言している。財政再建よりも景気回復を優先する姿勢を明確にしたわけだ。

レッタ首相は先週、ドイツのメルケル首相と会談し、この政策転換を説明した。ドイツは前々から、財政再建の手を緩めることには強く反対している。だが、この会談でメルケル首相は、異議を唱えなかったと伝えられる。もしレッタ首相が財政再建に固執したら、組閣が出来なかった。メルケル首相は、この現実を無視できなかったからに違いない。

                                   (続きは明日)


    ≪8日の日経平均 = 上げ +105.45円≫

    ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ

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景気重視に傾斜する ユーロ圏 (下)
2013-05-10-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 民意が求める政策転換 = イタリアの経済成長率は11年後半からマイナス。12年の失業率は10.7%、若年者の失業率は35%に達した。工業生産はこの2月まで18か月連続、小売り売上高も8か月連続で減少している。この不況に国民は耐えられず、選挙では「財政再建より景気回復」を公約しなければ、票が集まらなくなってしまった。緊縮政策に対する有権者の“反乱”である。

こうした動きは、イタリアにとどまらない。スペイン政府も4月下旬、財政赤字のGDP比を3%にする目標期限を2年延長して16年にすると発表した。スペインも1年半以上にわたってマイナス成長。ことし1-3月期の失業率は27%、若年者の失業率は57%にのぼっている。緊縮政策を続けていると、政権が維持できない状態だ。

興味深いのは、これまで南ヨーロッパ諸国を支援してきたEUやIMFの反応だ。EUの政策執行機関であるヨーロッパ委員会は今月29日にスペインの政策転換について審議するが、見通しは肯定的だと伝えられる。またIMFも理解を示しているという。要するに、たとえ援助を受ける国ではあっても、その国の民意を尊重しなければ物事は進まないことに気づいたのだろう。

政策転換の動きは、フランスやギリシャでも進行している。問題は再び国債が売られ、金融不安を生じないかどうかだ。いまのところ、こうした南ヨーロッパ諸国の国債利回りが、上昇する気配は認められない。ただし格付け会社が、またまた混乱への引き金を引くかどうかは不明である。


    ≪9日の日経平均 = 下げ -94.21円≫

    ≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- シェール革命の衝撃 ②
2013-05-11-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 飛び出したアメリカ = シェール(shale)というのは、日本語で頁岩(けつがん)。水中に堆積した泥が固まった岩で、日本語の漢字からも判るように本のページのような構造をしている。その微細な隙間に閉じ込められた有機物が、長い年月を経て原油やガスに変化した。これをシェール・オイル、シェール・ガスと呼んでいる。

その存在は古くから知られ、埋蔵量も推定されている。アメリカ政府の推定によると、最も多いのは中国で36兆立方㍍。続いてアメリカが24兆立方㍍、アルゼンチンが22兆立方㍍、カナダが11兆立方㍍などとなっている。したがって中国やアルゼンチンなどでも試掘が行われているが、実用化にこぎつけたのはアメリカだけ。

それには理由がいくつかある。まずシェール層の深さ。アメリカとカナダのシェール層は地下2000㍍から3000㍍だが、その他の地域ではもっと深いところに分布している。それだけ採取が難しいわけだ。その優位性を活かして、アメリカの民間企業が斬新的な技術の開発に成功。05年から生産が本格化した。

頁岩の隙間は100万分の1㍉程度。そこに詰まっているガスやオイルを3000㍍にわたって水平掘りし、化学物質を含む水を高圧噴射することで資源を採取する。この技術で大幅に生産コストが低下した。またアメリカでは原油やガスを輸送するためのパイプラインが普及しており、これをすぐに活用することができた。さらにアメリカでは地主が地下資源の所有権を持っており、企業が容易に買収できたことも大きなプラス要因になったと考えられている。


                              (続きは来週サタデー)

    ≪10日の日経平均 = 上げ +416.06円≫

    【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2013-05-12-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第13章 都市鉱山って、なんだろう? ②

◇ みんな特技の持ち主 = 貴金属のうち家電に使われているのは、金や銀、プラチナやインジウムです。みなさんも、金はネックレスや金貨で知っているでしょう。この金は電気をとても通しやすいので、配線の重要なつなぎ目にちょっぴり使われるのです。いま世界では年間300トンの金が、こうした工業用に使用されています。

レアメタルというのは49種類。ニッケルやチタン、リチウムやパラジウムという名前は聞いたことがあるでしょう。また17種類のレアアース(希土類)も含まれますが、セリウムやランタン、ネオジムなんていう名前は、ほとんどの人が知りません。しかし、これらのレアアースはどれもが素晴らしい特技を持っているのです。

たとえば鉄やアルミなどに混ぜると、強度が飛躍的に増大して錆びにくくなる。また他の素材と混ぜ合わせると、電気を通しやすくしたり、磁石の力を強くする。あるいは電池の容量を増大したり、排気ガスを少なくしたり。みなさんが毎日使う携帯電話やスマホのタッチパネルも、インジウムがなければ作れません。電気自動車もLED照明も作れないのです。

こんなに大切な貴金属やレアメタルですが、日本ではほとんど産出されません。いろいろな国から輸入していますが、最近は世界的に需要が増えており、値段もかなり高くなってきました。それなら“都市鉱山”から回収しよう。こういう考え方が、やっと強まってきたわけです。

                                (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2013-05-13-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 速すぎる株価の上昇ピッチ = 日経平均は先週914円の値上がり。一週間の上げ幅としては、09年12月第1週の941円以来の大きさだった。円の対ドル相場が一気に100円を割り込んだことと、好調な企業決算が買い気を盛り上げた。外国人投資家に加えて、個人の資金も市場に流入している。市場では「円は110円、株価は1万6000円」の声も出始めている。

日経平均の終り値は1万4608円。たしかに1万5000円の大台は現実的な視野に入ってきた。だが年初来の上昇率は4割を超えた。特に3月8日に1万2000円を回復してからは、1か月ごとに1000円ずつ上げてきている。このピッチの速さが少々心配だ。今週も市場の活況は続きそうだが、中休みをした方が上昇トレンドは長続きするだろう。

ダウ平均は先週145ドルの値上がり。こちらの方は着実なペースで、史上最高値を切り上げている。7日には1万5000ドルの大台に乗せたが、1万4000ドル乗せは2月1日だったから3か月以上かけて1000ドル上げた計算だ。IT関係の銘柄が多いナスダック株価指数も、先週は12年半ぶりの高値となった。ウォール街の空気も明るい。

今週は14日に、4月の国内企業物価。15日に、4月の消費動向調査と3月の第3次産業活動指数。16日に、1-3月期のGDP速報。17日に、3月の機械受注が発表になる。アメリカでは13日に、4月の小売り売上高。15日に、4月の工業生産と生産者物価。16日に、4月の消費者物価と新築住宅着工戸数、ミシガン大学による5月の消費者信頼感指数が発表される。またEUが15日に、1-3月期のGDP速報。中国が13日に、4月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資を発表の予定。 


    ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ

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完全復活に向かう トヨタ自動車
2013-05-14-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 今年度の営業利益は1兆8000億円へ = トヨタ自動車は、13年3月期の連結営業利益が1兆3208億円になったと発表した。前期に比べると3.7倍の増加。連結利益が1兆円を超えたのは、リーマン・ショック前の08年3月期以来5年ぶりのことである。北米や東南アジアでの販売増加、円安による為替差益、それにコスト削減の効果が利益の大幅増加につながった。

この勢いは、今年度も続きそうだ。トヨタの見通しによると、14年3月期の予想は連結営業利益が1兆8000億円に達する。この利益水準は過去最大だった08年3月期の約8割。リーマン不況で09年3月期は4610億円の赤字に陥ったが、そこからアメリカでの大規模リコール、東日本大震災、タイの大洪水といった障害を乗り越えての“完全復活”が視野に入ってきた。

13年3月期の生産台数をみると、国内生産は337万台。このうち輸出が192万台。海外生産は520万台で、合計856万台となっている。トヨタ自動車は、これを14年3月期には1010万台に押し上げる方針だ。自動車メーカーで年間の生産台数が1000万台を超えるのは、世界でも初めての快挙となる。

トヨタを筆頭に、日産やホンダなど他の自動車メーカーも業績を大きく回復している。なにしろ自動車は、日本で最大の産業だ。生産、部品製造、販売から燃料や金融・保険まで、関連産業を含めると、雇用者数は550万人。雇用者全体の9%を占めている。その自動車産業が完全復活することは、日本経済の再生を意味すると言ってもいいだろう。


    ≪13日の日経平均 = 上げ +174.67円≫

    ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ

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とうとう1000兆円 / 国の借金
2013-05-15-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 6月末には大台を突破へ = 財務省は10日、13年3月末時点の「国の借金」残高を発表した。それによると、国の借金は合計991兆6000億円。1年前に比べて31兆7000億円増えている。この借金総額は日本のGDPの約2倍。国民1人当たり約779万円ということになる。

借金の内訳をみると、国債が821兆5000億円。借入金が54兆9000億円。政府短期証券が115兆3000億円だった。このうち国債は、この1年間で35兆1000億円増えている。これは安倍内閣が13年度の当初予算で44兆円の新規国債発行を組み込んだのに加え、景気回復を目指した補正予算でも7兆8000億円の国債を増発したためだ。

同時に財務省は、14年3月末の見通しも発表した。それによると、借金残高は1107兆1000億円に達する見込み。13年3月末に比べて115兆5000億円も増加する。このうち普通国債は44兆6000億円、政府短期証券は76兆7000億円増える見通しだ。

この見通しから逆算すると、財務省が次に発表する6月末時点の「国の借金」は、確実に1000兆円を超えるだろう。その心理的なインパクトが、国債の入札に悪影響を及ぼさないかが心配になる。逆にアベノミクス効果で景気が回復し、13年度の税収見込みが大幅に増大して、14年度予算の国債発行額が激減することを期待したい。


    ≪14日の日経平均 = 下げ -23.79円≫

    ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ

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円安の進行 : 4つの要因 (上)
2013-05-16-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 4年1か月ぶりの100円台 = 円の対ドル相場が先週9日、ついに100円の大台を割り込んだ。100円の水準は、09年4月以来4年1か月ぶりのことである。円相場は08年秋のリーマン・ショック直後に75円32銭の最高値を付けた。日本経済はその後も続いた円高に悩まされたが、ようやくその重荷から解放されそうだ。

「09年4月には100円だったのに、リーマン後はずっと円高に悩まされた」と書くと、矛盾しているように思われるかもしれない。だが09年4月の100円はわずか数日しか続かず、すぐに円高に戻ってしまった。当時は円安のメリットなど受け取るヒマもなかったわけである。今回はどうだろうか。

今回の円安には、4つの要因が働いている。第1の要因は、黒田・日銀による金融の異次元緩和。マネタリー・ベースを2年間で2倍にすると宣言したことが効いた。つまり金利が下がるというだけでなく、長期にわたって金融緩和が続くことを印象付けたわけである。これによって円への投資が縮小した。政策を発表する直前の円相場は93円だった。

第2の要因は、アメリカの景気回復とヨーロッパ金融不安の小康状態。このため円だけが安全資産と目される度合いが薄らいだ。特にアメリカの回復は、直接的にドル高にもつながった。仮に先週発表されたアメリカの雇用統計が予想を下回る成績だったとしたら、1ドル=100円はいまだに実現していなかったろう。

                                  (続きは明日)


    ≪15日の日経平均 = 上げ +337.61円≫

    ≪16日の日経平均は? 予想 = 下げ

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円安の進行 : 4つの要因 (下)
2013-05-17-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ ゆっくりした円安が理想的 = 第3の要因は、貿易の赤字。12年度の貿易収支は6兆9000億円の赤字だった。輸出が伸び悩み、その一方で燃料輸入の急増によって輸入が増大したためである。この結果、経常収支は4兆3000億円の黒字だったが、黒字幅はピーク時の5分の1に縮小した。外貨を円に替える需要が減少し、円安の一因となった。

第4の要因は、生保の外債投資。生命保険43社は現在332兆円の資産を保有し、その半分近くを日本の国債に投資してきた。しかし国債の利回りが大幅に下がったため、4月ごろからは外国債の購入を増やしている。このとき円を売って外貨を購入するから、円相場は下落する。日銀が大量の国債を購入することで、こういう現象が生じたとも言えるわけだ。

円安を招いた4つの要因は、今後どうなるだろう。まず日銀の異次元緩和は今後も継続する。ただ心理的なインパクトは次第に薄れるだろう。またアメリカの景気はまだ不透明な部分もあるが、今後も持続するだろう。さらに日本の貿易収支は、原発が再稼動しなければ赤字を続けざるをえない。生保の外債投資は、今後増えて行きそうだ。したがって円安の傾向は、今後もしばらくは続くと考えられる。

問題点は2つ。1つ目はヨーロッパの状況だ。イタリアもスペインもギリシャも緊縮政策に耐えられず、景気回復を指向する政策に傾いている。これが国債利回りの上昇⇒金融不安の再燃につながると、円は再び安全資産として買われる可能性が大きい。2つ目は円安の急速な進行だ。円安のペースが速すぎると、各国からの非難が集中する。したがって、年末までに110円ぐらいのペースが理想的なのだが。


    ≪16日の日経平均 = 下げ -58.79円≫

    ≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- シェール革命の衝撃 ③
2013-05-18-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 東西南北で開発ラッシュ = シェール・ガスの商業的な生産は05年ごろ、アメリカ東部のニューヨーク州とペンシルベニア州にまたがるマーセラス地方で始まった。その後、南部のテキサス州・ルイジアナ州や西部のカリフォルニア州でも本格化し、現在は北部のカナダ国境に近いノースダコタ州が開発の最盛期を迎えている。

これらの開発拠点は、いずれも10年前には住宅もまばらな過疎地だった。そこに現在は巨大な住宅団地、病院、商業施設、工業団地が立ち並び、建設ラッシュに沸いている。ノースダコタ州のウィリストン地方は、この2年で人口が2倍に。失業率は0.7%。ノースダコタ州のガス生産量は5年で5倍になったという。

影響は周辺地域にも及んでいる。ルイジアナ州では、ガスを冷却してLNG(液化天然ガス)を造る大規模な基地を建設中。テキサス州ヒューストンでは、シェール・ガスを原料とする石油化学工場が続々と出現。また港湾では、これまでLNGの輸入に使われていた設備を輸出用に改修する作業も進んでいる。テキサス州の失業率は、10年の8.2%が12年には6.8%に低下した。

鉄鋼業界は、シェール・ガスで鉄鉱石を還元する直接還元炉を新設中。電力会社も、ガスによる火力発電所を建設している。さらに自動車産業も、燃料にシェール・ガスを使うクリーン車の開発に手をつけている。このようにシェール革命は、一次的な波及効果だけでもきわめて大きい。専門家は「シェール・ニューディール」という言葉を使い始めた。

                              (続きは来週サタデー) 


    ≪17日の日経平均 = 上げ +100.88円≫

    【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2013-05-19-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第13章 都市鉱山って、なんだろう? ③

◇ 日本は最大級の資源国 = 家電には貴金属やレアメタルだけではなく、鉄や銅などの一般的な金属もたくさん使われています。ですから大量の家電を回収して使われている金属を取り出せば、その量はぼう大なものになりますね。では、いったい日本中の家電を集めたら、どのくらいの量になるのでしょう。

物質・材料研究機構という研究機関が、日本の都市鉱山の“埋蔵量”を推定しました。それによると、鉄の12億トンは別格としても、金は6800トン、銀は6万トン。モリブデンは23万トン、リチウムは15万トン、インジウムは1700トンなどとなっています。

ほかにも銅や亜鉛、ニッケルやスズ、アンチモンやタンタルなど、多くの貴重な金属が家電には含まれているのです。これらの金属を回収できれば、大変な金額になるでしょう。たとえば金はいま1グラム=5000円近い値段です。仮に全部を回収できたとすれば、33兆4000億円! 同様にインジウムだけでも1000億円の価値があります。

これらの金属は日本国内では産出されず、ほとんどが輸入されています。たとえば日本は年間12トンほどの金を輸入していますが、都市鉱山の“埋蔵量”は560年分の輸入量に匹敵。インジウムは28年分。たしかに家電が普及している日本は、世界でも有数の資源国と言えるでしょう。ただし家電製品から大量の金属が効率よく回収できれば、の話ですが。

                                (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2013-05-20-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日米で強気の応酬 = 日経平均株価は先週531円の値上がり。先々週からの2週間で1444円も上昇した。年初来の上昇率は45.6%。急ピッチの上げで利益確定の売りも増大したが、押し目買いの力が上回った。市場では1万6000円は射程圏内、7月の参院選までには1万8000円と強気の声も聞かれる。

ダウ平均株価は先週236ドルの値上がり。これで4週連続して史上最高値を更新した。SP500も新高値。ナスダックは00年10月以来の水準に戻している。ダウ平均の年初来上昇率は17.2%だから、日経平均ほどの急ピッチではない。むしろ着実なペースで上げてきている。いい景気指標が出れば上げ、悪い指標が出れば金融緩和が長引くとみて上げ。こちらも強気が支配している。

世界経済のなかで、日本とアメリカの景気回復が際立ってきた。ヨーロッパと中国は、まだ元気がない。東南アジアや中南米の新興国は、伸び悩みの状況だ。だからアメリカと日本の株式市場に、資金が集中しつつある。もう1つ、日本では国債の流通市場から株式市場に資金が移動してきた。このため国債の価格が下がり、長期金利が上がり始めている。今後はこうした資金の流れにも注意が必要だ。

今週は21日に、3月の全産業活動指数。22日に、4月の貿易統計が発表になる。アメリカでは22日に、4月の中古住宅販売戸数。23日に、3月の住宅価格と4月の新築住宅販売戸数が発表される。なおEUが22日の首脳会議で緊縮路線の修正を決めるという報道もあるが、真偽のほどは不明。


    ≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ

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自動車が押し上げた 1-3月期のGDP
2013-05-21-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 個人消費が3.7%増加 = 内閣府は先週16日、ことし1-3月期のGDP速報を発表した。それによると、実質成長率は前期比の年率換算で3.5%。名目成長率は1.5%で、ともに2四半期連続のプラス成長となった。内需と外需がそろってプラスとなったのは1年ぶり。形としてはバランスがとれた景気の回復になっている。

内容をみると、個人消費が3.7%の増加。住宅投資も7.9%伸びたが、企業の設備投資は2.6%減少と振るわなかった。また輸出は16.1%の増加、輸入は4.0%の増加だった。このうち設備投資はこれで5四半期連続の減少、GDPを構成する各項目のなかで唯一のマイナス要因となっている。

個人消費が伸びたのは、アベノミクス効果で消費者心理が好転。宝飾品などの高級品や衣料、外食などへの支出が増えたため。特に補助金停止の反動減が一巡した自動車の購入が大きく回復した。GDP統計のなかでも、耐久財への支出は13.1%増加している。

輸出の面でも、アメリカ向けを中心に自動車が貢献した。したがって4-6月以降の景気動向も、自動車に左右される度合いは大きいと考えられる。もう1つは、やはり企業の設備投資。設備投資が鈍いと研究開発も進まないし、雇用の拡大も実現しにくい。高い利益を上げている企業が今後どう動くかが、景気の強さを決める要因となることは間違いない。


    ≪20日の日経平均 = 上げ +222.69円≫

    ≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ

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シェール・ガスが やってくる (上)
2013-05-22-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本経済に大きなプラス = アメリカ政府は17日、シェール・ガスを含むLNG(液化天然ガス)の日本向け輸出を初めて認可した。認可を受けたのは、中部電力大阪ガスが参画する米フリーポート社のLNG輸出事業。ヒューストン近郊に基地を建設し、17年から輸出を開始する。

認可の内容は、年間900万トンを上限に20年間にわたり輸出できるというもの。フリーポート社は17年に中部電力大阪ガスに対して220万トンずつ、合計440万トンを輸出する計画。この数量は、日本のLNG年間輸入量の約5%に当たる。しかも価格が大幅に安いから、日本経済にとって大きなプラスになることは間違いない。

これまでアメリカ政府は、FTA(自由貿易協定)を結んでいる国だけに輸出を認めてきた。今回その例外を認めたのは、国内のシェール・ガス生産が順調に増加し、輸出を増やさないと価格がさらに低落する恐れが出てきたため。また輸出の増加で、設備投資や雇用を伸ばす狙いも。それに極東アジアを重視する外交政策の展開などを反映したものと考えられる。

米エネルギー省には、ほかに15件の輸出事業が申請されている。このうち日本関係は2件。三井物産三菱商事がルイジアナ州から。また住友商事東京ガスがメリーランド州からの対日輸出を計画している。これらの計画が承認されれば、17年のアメリカからのLNG輸入量は1470万トンになる計算。ただしアメリカ政府がいつ認可するかは、全く判っていない。

                                      (続きは明日)

   毎週土曜日に連載中の「シェール革命の衝撃」も参照してください。


    ≪21日の日経平均 = 上げ +20.21円≫

    ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ

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シェール・ガスが やってくる (中)
2013-05-23-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ エネルギー大国になるアメリカ = シェールというのは頁岩のこと。地下2000-3000㍍に存在する頁岩には、多量の原油やガスが含まれていることは古くから知られていた。この原油やガスを採取する技術がアメリカで開発され、05年ごろから商業的な生産が始まっている。生産の拡大は順調に進んでおり、IEA(国際エネルギー機関)は「アメリカは17年までに世界最大のエネルギー産出国になる」と予測している。

アメリカ政府によると、11年のシェール・ガス生産量は1億6000万トンだった。それが予測では40年までに4割増加するが、アメリカ国内の消費量は2割しか増大しない。したがって余ったガスは輸出することになり、アメリカはエネルギーの大量輸入国から大量輸出国へと転換して行く。今回の対日輸出許可は、その第1歩だと見ることができる。

アメリカ産シェール・ガスの最大の特長は、その価格が安いこと。3月の平均価格は、100万BTU(英国式熱量単位)当たり3.8ドルだった。一方、日本の輸入価格は3月で16.5ドルと4倍以上も高い。もちろんアメリカから輸入しても輸送費その他が加わるから、100万BTU当たり10ドル前後にはなる。それでも、かなり安くなる。

いま原発がほとんど稼動できない状態で、日本の発電は9割近くを火力に頼っている。このため燃料の輸入が急増し、12年度の貿易収支は8兆2000億円の赤字に陥った。LNGだけでも輸入額は6兆2000億円、前年度より15%も増加している。そのLNG価格が大幅に下がれば、日本経済にとっては大変なメリットだ。しかし・・・。

                                     (続きは明日)


   毎週土曜日に連載中の「シェール革命の衝撃」も参照してください。


    ≪22日の日経平均 = 上げ +246.24円≫

    ≪23日の日経平均は? 予想 = 下げ

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シェール・ガスが やってくる (下)
2013-05-24-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 山積する問題点 = アメリカ政府が三井物産・三菱商事と住友商事・東京ガスによる2件の申請に、いつ認可を出すかは全く判らない。仮に早い時期に認可されれば、17年の日本のシェールLNG輸入量は1470万トン。全輸入量の2割近くに達する。しかし認可を受けた中部電力・大阪ガスの計画も含めて、実際に輸入が始まるのは4年後のことだ。

この4年間を、どうしのぐのか。いま日本はマレーシア、カタール、オーストラリア、インドネシア、ロシアなど10か国以上からLNGを輸入している。4年後には安いアメリカ産が入ってくる状況を踏まえて、これらの国と価格引下げの交渉をどこまで行えるか。その成否が、当面は最大の問題点になるだろう。

シェール・ガスの輸入を期待しすぎて、原発の再稼動や再生エネルギーの開発に緩みが出るようなことがあってはならない。海底から掘り出すハイドレートの研究にも、努力を傾注すべきだ。要するに中長期のエネルギー計画をきっちり作り上げて実行することが、日本の価格交渉力を強くする。こうして売り手市場だったLNG取り引きを、シェール・ガス輸入を契機に買い手市場に変えられるかどうか。

化学業界や鉄鋼業界は、新しい問題に直面している。ガス価格が大幅に下がったため、アメリカの化学・鉄鋼業界は息を吹き返した。安いシェール・ガスが入手できても、輸送費などを考慮すれば日本の業界はコスト面で太刀打ちができない。生産拠点をアメリカに移せばいいが、そう簡単な話ではないだろう。いかにして国際競争力を維持するのか。日本の化学・鉄鋼業界は、独自の大問題を抱え込んだ。

   毎週土曜日に連載中の「シェール革命の衝撃」も参照してください。


    ≪23日の日経平均 = 下げ -1143.28円≫

    ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- シェール革命の衝撃 ④
2013-05-25-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ ロシアを抜いて世界第1位に = アメリカのシェール・ガス生産量は、急激な増加を続けている。米エネルギー省の資料によると、07年の生産量は1.3TCF(兆立方フィート=約28.3兆リットル)で、従来型の天然ガスを含めた全ガス生産量の7%だった。それが10年には4.4TCF、現在は6.6TCFで全体の30%を占めるようになっている。すでにロシアを抜いて、世界最大の天然ガス生産国になった。

シェール・オイルの生産も増えている。08年の30万バレルが、現在は50万バレルに。エネルギー省では、20年までにガスは8TCF、オイルは200-300万バレルに達すると推定。こうした予測を前提に、IEA(国際エネルギー機関)は「アメリカは17年までにサウジアラビアを抜いて、世界最大のエネルギー産出国になる」と予測した。

現在の技術で採取が可能な埋蔵量について、エネルギー省はガスが750TCF、オイルは240億バレルと推定している。ガスの埋蔵量がいちばん大きいとみられるのは、北東部マーセラス地方で410TCF。採取技術が向上すればもっと増えるから、資源量は“無尽蔵”と言っていい。

生産の増加につれて、価格は大幅に下落している。シェール・ガス100万BTU当たりの価格は、06年の9ドルから最近は3-4ドルに低下した。ただ乱高下も経験しており、08年秋のリーマン・ショック前は13ドルだったものがショック後は2.5ドルに急落している。ちなみに日本のLNG輸入価格は、現在16-17ドルである。

                            (続きは来週サタデー)


    ≪24日の日経平均 = 上げ +128.47円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2013-05-26-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第13章 都市鉱山って、なんだろう? ④

◇ 簡単ではないリサイクル = 不用になった家電製品から、貴重な金属を取り出して再利用することを「リサイクル」と言います。でも、このリサイクルはとても手間がかかり、簡単ではありません。まず家電製品を回収⇒分解して部品を選別⇒高温で溶かしたり薬品を使って金属を抽出⇒精錬して再利用--というのが大まかな流れです。

政府は01年4月に「家電リサイクル法」を実施しました。(こんど出来た法律は「小型家電リサイクル法」です)。この法律は、冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコンの4品目について、リサイクルを義務付けたもの。リサイクルに必要な費用をあらかじめ販売価格に上乗せしておき、最終的にはメーカーが引き取って再利用することを義務付けました。

ただ、この12年前の法律は、大型の家電が空き地などに捨てられることを防ぐために作られました。そのため小型の家電は除外されています。したがって小型の家電は、多くがゴミとして廃棄されて埋め立てに使われたり、金属スクラップとして海外に輸出されてきたのです。

小型家電のなかでも、携帯電話には20種類もの貴金属やレアメタルが使われています。経済産業省の推計によると、11年度に廃棄された携帯電話は2068万台にのぼりました。しかし回収できたのは762万台。あとはゴミとして捨てられてしまったわけです。ああ、もったいない。

                              (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2013-05-27-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 22年ぶりの大波乱 = 日経平均は先週23日、想定外の大幅安を演じた。朝方は300円を超す上昇だったが、午後は超スピードで下落。終り値の前日比は1143円の値下がりとなった。あくる24日も朝方の500円高から一転して1000円以上も下落。引け際に戻して前日比は128円の上昇で終わった。週間では526円の値下がり。

この両日は結局、1日に1000円を超す値下がりを経験したことになる。こうした現象は22年8か月ぶりのこと。きわめて異常な値動きだった。値下がりのきっかけは円相場の反発や中国の景況感悪化だったが、基本的な原因は速すぎた株価上昇の反動だったことに間違いはない。しかし、それにしても下落の勢いが強すぎる。

東京市場の暴落はヨーロッパ市場にも伝染したが、ニューヨークは踏みとどまった。ダウ平均は23-24日で、ほとんど下げていない。それだけアメリカの景気回復が、確実性を増してきたことを示すものだと言えるだろう。ダウ平均は週間51ドルの値下がり。そして今週、アメリカは月曜日がお休み。東京市場の動向に、世界の目が集中する。

今週は28日に、4月の企業向けサービス価格。29日に、4月の商業販売統計。31日には、4月の鉱工業生産、労働力調査、家計調査、消費者物価、住宅着工戸数。アメリカでは28日に、3月の住宅価格と5月の消費者信頼感指数。30日に、1-3月期のGDP改定値と4月の中古住宅販売。またEUが31日に、5月の消費者物価と4月の雇用統計を発表する。


    ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ

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不気味な 長期金利の上昇 (上)
2013-05-28-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日銀が買っても下げ渋る = 株式市場が変調した。日経平均は先週末、乱高下を繰り返しながら大きく反落。昨年11月から続いた上昇気流は、いったん吹き止む形となった。スピード超過とも言える上げ相場の“反動”という見方が一般的だが、不気味なのはその裏でジワリと上昇してきた長期金利だ。

日経平均の上昇は、昨年11月14日に野田前首相が衆院解散を表明した時点から始まった。そこから先週22日までの上げ幅は6966円。率にして8割に達する。この急激な上昇に対して、多くの人々が“反動”を予期していたことは確かだ。だから株価下落の主因が「調整のための反動安」だったことは否定できない。だが原因は、ほかにもあるような気がする。

急速な株価上昇の陰で、長期金利も上昇してきた。新発10年もの国債の利回りは、日銀が“異次元緩和”を打ち出した4月5日の時点で0.315%。それが先週23日には1%にまで上昇している。日銀は直ちに8100億円の国債買い入れと、銀行に対する2兆円の低利融資を実行した。それでも長期金利は0.85%前後にまでしか下がっていない。

長期金利の上昇は、株高の影響も大きい。資金が国債市場から株式市場に流れて、国債の価格が下がってしまうからだ。しかし日銀は異次元緩和で、毎月7兆円の国債を市場から買い入れている。にもかかわらず、国債は値下がりし金利は上昇してしまう。なんだか気味が悪い。

                                 (続きは明日)


    ≪27日の日経平均 = 下げ -469.80円≫

    ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ

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不気味な 長期金利の上昇 (下)
2013-05-29-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大きい上昇の弊害 = 長期金利が上昇することの弊害は大きい。すでに大手銀行は5月初め、住宅ローンの金利を引き上げた。6月にも再引き上げする可能性が高い。金融機関の企業に対する貸出金利も上昇する。また金利負担の増加を嫌って、企業の社債発行もストップ状態だ。景気に対する悪影響は小さくない。

仮にもっと長期金利が上昇すると、どうなるか。まず金利が1.5%を超えると、金融機関の評価損が表面化する。この時点で、金融機関全体の評価損は4兆円を上回るだろう。また国債の利子を支払うための国債費は、金利を1.8%として予算が組まれている。したがって金利が1.8%を超えると、財務省は新たな財源を探して予算を補正しなければならなくなる。

だから長期金利が2%に接近することは、一大事だと言える。金融機関は評価損を減らすために、国債を売ってくるだろう。すると金利はさらに上昇し、国債に対する信頼感が損なわれる。要するに“ギリシャ化”への道を歩み始めることになりかねない。

日銀の資料によると、昨年12月末で金融機関の国債保有高は746兆円。発行額の8割に近い。また海外も84兆円の国債を保有している。これらの国債保有者が、最近の金利上昇をどうみるのか。将来に危険を感じれば、株式も売ってくるはずだ。先週の株価下落に、こうした要素がどの程度まで作用したかは判らない。だが今後は注意する必要があるだろう。


    ≪28日の日経平均 = 上げ +169.33円≫

    ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ

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貿易統計に現れた 円安の影響
2013-05-30-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 弱々しい輸出の回復 = 財務省が発表した4月の貿易統計によると、輸出は5兆7800億円で前年比3.8%の増加だった。一方、輸入は6兆6600億円で9.4%の増加。この結果、貿易収支は8800億円の赤字となった。輸出の増加は2か月連続、輸入の増加は6か月連続、収支の赤字は10か月連続である。

輸出を地域別にみると、アメリカ向けは14.8%と大きく伸びた。中国向けは0.3%とかろうじてプラス。ASEAN向けも3.5%増加したが、EU向けは3.5%の減少だった。輸出が伸びた商品は化学製品が13.6%の増加、鉄鋼も15.8%増加した。自動車は6.5%、電機は4.0%増加している。

輸入は中国、ASEAN、EUからのものが、いずれも2ケタの伸び。アメリカからの輸入は0.8%の増加にとどまっている。商品別では、食料品が9.6%の増加。LNG(液化天然ガス)は17.9%、電機も携帯電話やスマホを中心に16.6%増加した。

数量ベースでみると、輸出は5.3%の減少、輸入は2.0%の増加だった。4月平均で円の対ドル相場は96円01銭で、前年比16.6%の円安となっている。この影響で輸出価格は9.6%、輸入価格は7.3%上昇した。このため金額では輸出も輸入も増加したわけだが、輸出の数量は11か月連続で減少している。まだ輸出の回復は、本物とは言えない。


    ≪29日の日経平均 = 上げ +14.48円≫

    ≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ

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やっぱり公約違反 / 議員定数の削減
2013-05-31-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 国民は税負担したのに = 国会議員の定数削減は、やっぱり出来そうにない。この問題は、もともと東日本大震災の痛みをみんなで分担しようという考え方から発生した。同じ考え方から、すでに国民の方は25年間にわたって所得税に2.1%分を上乗せする復興増税を受け入れている。ところが与野党は自己主張を繰り返すばかり。議論は一歩も進んでいない。

自民・公明の与党は、現在480の衆院議席を445に減らす案。野党の民主党は400、維新の会は336、みんなの党は300に削減する案。共産と社民は、定数の削減そのものに反対している。各党の協議では、各党が自分の案を主張するだけ。歩み寄りの気配は全くない。自民・公明・民主3党の国会対策委員長は昨年11月「定数削減は次期国会中に結論を得る」ことで合意したが、そんなことは忘れてしまったかのようだ。

こうしたなかで、読売新聞が「定数削減は委員会の掛け持ちが増えて、立法機能の低下につながる」と主張し始めた。各党のなかには、これに同調する意見も散見される。だが議員が多いので委員会も多く、これが審議の時間を長引かせ“決められない政治”の一因にもなっているのが現状だ。読売の主張は本末転倒の感じがする。

大震災から2年がたったいま、あの直後の緊張感は薄れてきた。同時に「議席数は減らしたくない」という各党の本音が表面化してきたのではないか。自党の案を主張することで、国民には定数削減賛成の顔を見せる。だが妥協せずに結論がまとまらなければ、定数削減はできない。結局のところ、各党はその方向を意識しているように思われてならない。 


    ≪30日の日経平均 = 下げ -737.43円≫

    ≪31日の日経平均は? 予想 = 上げ

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