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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
世界一を奪還 /  女性の寿命 (下)
2013-08-01-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 70歳定年制を目指そう = 日本人の平均寿命は女性が世界第1位、男性が第5位となった。厚生労働省はその理由について、もっと掘り下げてほしい。なぜ女性が香港やスペインより長寿なのか。なぜ男性がアイスランドや香港より短命なのか。こういう原因についての国際比較も研究すべきだろう。

また平均寿命が再び延びたことは喜ばしいが、健康で長生きしている人はどのくらいいるのか。この調査もほしい。たとえば人口統計をみると、80歳の女性は61万人あまりいる。簡易生命表をみれば、その平均余命が11.43年であることが判る。しかし、そのうちの何人が健常者であるかは判らない。

厚生労働省は、早急に年齢別の健常者人口表を作成すべきだ。その結果、年齢別の健常者人口や比率が明らかになれば、高齢者に対する社会的な見方も変わってくるに違いない。世界一の長寿国というだけでなく、世界一の健常長寿国になれば、福祉や労働に関する制度も新しい観点から見直されていい。

いま少子・高齢化が急速に進んでいる。生産年齢人口は、すでに減少し始めた。この問題が財政をはじめ日本経済全体に、黒い影を投げかけている。だが仮に世界一の健常長寿国であることが立証されれば、日本は新しい制度作りに乗り出せる。たとえば10年計画で、定年を70歳にまで引き上げるなど。政府は統計の作成にも、新風を吹き込むべきだ。


    ≪31日の日経平均 = 下げ -201.50円≫

    ≪1日の日経平均は? 予想 = 下げ

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無意味な 増税還元セール禁止法
2013-08-02-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 立案の責任者を処罰せよ = 消費者庁は先週、消費税還元セールの禁止に関する指針案を発表した。それによると「消費増税分を値引きします」という宣伝・広告はダメだが「3%値下げ」ならOKだという。つまり「消費税」と「還元」の文言を使わなければ、法律には抵触しないことになったらしい。

大型スーパーやデパートは消費増税による商品の値上がりを防ぐため、特別セールを展開する。そのとき商品の納入業者にも負担を要求することが多い。これを防止するために考え出されたのが「消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置案」という長い名前の法律案。

消費者庁は当初、あらゆる値引きセールを禁止する方針だったが、自由経済の原則に反すると批判されて規制を大幅に緩和してしまった。だが「還元セール」と「3%値下げセール」と、どこが違うのだろう。大規模店舗の下請けいじめを防止するのなら、独占禁止法の「優越的地位の乱用」を活用すればコト足りる。

消費者庁は関連する各省庁に連絡員を派遣、法律違反を監視するため“転嫁Gメン”を600人採用する方針だという。だいたい消費者の味方であるはずの消費者庁が、なぜ商品の値下げを禁止しようと発想したのか。そのうえ、こんなアホらしい法律のために、税金を使うことになる。立案した責任者は処罰されるべきではないのか。


    ≪1日の日経平均 = 上げ +337.45円≫

    ≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- マイナンバー制度の検証 ①
2013-08-03-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 16年1月にスタート = 国民1人ひとりに番号を付けるマイナンバー(共通番号)制度が、16年1月から実施される。政府の謳い文句は「国民にとっては各種の行政手続きが簡素化されて便利」「政府の行政効率も向上する」の2点。だが、このナンバーを軸に個人の重要な情報がすべて集約される。果たしてこのマイナンバー制度は国民にとって、いいことなのか悪いことなのか。

長年にわたって議論されてきた共通番号制度法が5月24日、国会で成立した。15年10月をメドに、住民基本台帳を基に作成した個人番号を国民に送付。各種の個人情報が入ったICチップを埋め込んだ顔写真つきの「個人番号カード」を、希望者だけに交付する。そのうえで16年1月から、実際の運用を始める予定だ。

番号は12ケタになる見込み。だからAさんの番号は「1234億5678万9012」、Bさんは「0987億6543万2109」といったぐあいになる。全国民と日本に住む外国人に割り当てられた番号は、決して重複しない。また個人の番号は一生変わらず、たとえば転職や引越し、あるいは姓が変わっても番号が変わることはない。

ICチップに埋め込まれる個人情報は、90を超えると予想されている。たとえば家族の構成から給料などの収入、納税の記録、社会保険関係のデータ、所有する不動産の広さや評価額、医療を受けた記録、雇用保険や失業給付などなど。関係する行政機関は、コンピュータに番号を打ち込めば、その人のこうした情報をいつでも取り出せるわけだ。

                          (続きは来週サタデー)


    ≪2日の日経平均 = 上げ +460.39円≫

    【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2013-08-04-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第14章 金融緩和って、なんだろう? ⑤

◇ 望ましい景気回復の姿 = 日銀の大胆な金融緩和策によって、株価が上昇。企業や個人の景況感も、かなり改善してきました。しかし多くの人たちが「景気はまだ本格的な回復とは言えない」と考えています。それでは景気の本格的な回復とは、どんな状態を言うのでしょうか。

株価の上昇で持っている財産の価値が増加した企業や個人は、消費支出を増やします。また円安が進んで、自動車などの輸出産業は利益が増大しました。これだけでも景気にとって、大きなプラスであることに間違いはありません。しかし、この状態では好景気の恩恵が株を買っている人や一部の産業に限られてしまいますね。

株を買っていない人や中小企業の多い地方にまで景気の恩恵が及ぶためには、なにが必要なのでしょうか。それは失業者が減って、数多くの人々が働けるようになること。さらに働く人々の所得が増えて、みんなの生活水準が向上することで実現されます。

いまの日本経済は、その望ましい形の景気回復に入れるかどうかの段階にあると言えるでしょう。もしそうなれば、日銀の大胆な量的緩和政策は成功ということになります。しかし緩和政策の効果が、そこまで持続するかどうかは判りません。来年4月には消費税の引き上げも予定されています。これから本当に雇用と所得が増加して行くかどうか。みなさんも注意して見守ってください。

                         (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2013-08-05-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 東京市場は“業績相場”に移行中 = ニューヨーク市場は“金融相場”から抜け出せない。FRBは先週のFOMCで「現在の緩和政策を維持する」ことを再確認、市場に新たな材料を与えなかった。しかし週末の雇用統計で雇用者の増加数が事前予測を下回ると、緩和策の縮小が遠のくという観測が強まって株価は反発。ダウ平均は週間100ドル値上がりして、史上最高値を更新して終わった。

日経平均は、先週後半の2日間だけで800円近くも反発。週間では336円の値上がりとなった。こちらは日銀に緩和策を修正する余地がないため、ニューヨークより早く“業績相場”に移行しつつあるようだ。トヨタを筆頭に好調な決算発表が続き、相場を押し上げている。足を引っ張る材料は、円高ということになる。

日経平均は7月を通じて、わずか1円の上昇にとどまった。8月の上げ材料は、やはり企業の決算見通し。それだけに、銘柄を選別する動きは強まりそうだ。アメリカで“金融相場”が続くと長期金利が上がり、ドル安・円高に振れやすい。この点が、やはり下げ材料になる。ほかには中国経済の動向が要注意。

今週は6日に、6月の景気動向指数。8日に、6月の国際収支と7月の景気ウォッチャー調査。9日に、6月の第3次産業活動指数と7月の消費者態度指数が発表される。アメリカでは5日に、ISM非製造業景況指数。6日に、8月の貿易統計が発表になる。また中国が8日に、7月の貿易統計。9日に、7月の鉱工業生産、小売り売上高、消費者物価、生産者物価、固定資産投資を発表の予定。


    ≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ

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雇用統計にみる 産業構造の急変
2013-08-06-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 目立つ製造業の衰退 = 総務省は先週、6月の労働力調査を発表した。それによると、就業者数は6333万人で前年比29万人の増加。失業者数は260万人で28万人の減少だった。この結果、失業率は前月より0.2ポイント改善して3,9%に低下している。失業率が4%を割ったのは、リーマン・ショック直後の08年10月以来のこと。

失業率はリーマン・ショック後の不況で、09年7月には5.5%まで上昇した。それが3.9%にまで改善したのは日本経済の自律的な回復に、アベノミクスの効果が重なったためである。ただリーマン前の07年6月に記録した3.6%には及ばない。

男女別の動きをみると、男性の失業率は前月より0.1ポイント改善して4.1%になった。女性は0.4ポイントも改善して3.5%に低下している。また就業者数を業種別にみると、製造業は1044万人で前年より15万人減った。特にことしに入ってからの減り方が激しい。その一方で医療・福祉関連は737万人で26万人増えている。

これらの数字を付き合わせて考えると、明確な結論が導き出せる。製造業には男性の就業者が多く、その就業者が減ったから男性の失業率はあまり下がらなかった。これに対して医療・福祉関連の就業者には女性が多く、女性の失業率低下に大きく貢献した。就業構造、ひいては産業構造の急変ぶりを如実に映し出している。


    ≪5日の日経平均 = 下げ -208.12円≫

    ≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ

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企業利益が急増 : そのあとは?(上)
2013-08-07-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 純利益は前年比74%の増加 = 日経新聞の中間集計によると、4-6月期の上場企業の連結経常利益は前年同期に比べて41.6%増加した。純利益は74%も増加している。自動車や鉄鋼などの製造業だけではなく、小売りや運輸などの非製造業も大幅な増益となった。これまでに決算発表を終えた668社を集計した結果だ。

上場企業の経常利益は1-3月期も26%の増益だった。4-6月期は増益率がさらに大幅に拡大したことになる。製造業は53.3%の増益。円安の進行とリストラの効果が、増益の原因となった。非製造業の増益率は26.2%。株高の資産効果などによる消費の拡大に支えられた。

製造業の牽引車となったのは、やはり自動車だ。アメリカでの販売が好調だったのに加えて、円安で輸出採算が大幅に改善した。鉄鋼の増益も、自動車向けの数量が拡大したことに支えられた面が大きい。電機は円安にも助けられたが、リストラの効果も現れたようだ。

非製造業の好業績は、内需の堅調さを反映したものである。これまでの景気回復期では、まず輸出主導で製造業の利益が上がり、これが所得の伸びを通じて非製造業の利益増につながることが多かった。今回はそのタイム・ラグがほとんどない点が特徴である。さて企業利益が増大したあとは、どうなるのだろう。


    ≪6日の日経平均 = 上げ +143.02円≫

    ≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ

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企業利益が急増 : そのあとは?(下)
2013-08-08-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 中堅・中小企業の増益がカギ = 企業が利益を設備投資や給料の引き上げに使えば、景気に好循環が生まれて回復は長続きする。そこで設備投資と給与に関する最近の調査をみると、設備投資は明白に上向いてきたようだ。しかし給与の面には、まだ動きがみられない。

日本政策投資銀行が5日発表した13年度の設備投資計画調査によると、全産業の国内設備投資額は15兆9454億円。前年度の実績を10.3%上回った。製造業が10.6%増なのに対して、非製造業も10.1%の増加を計画している。この点は、非製造業の増益を反映した数字だと言えるだろう。

毎月勤労統計によると、6月の1人当たり平均の現金給与総額は43万3568円。5か月ぶりに前年比でプラスとなったが、増加率はわずかに0.1%。しかも所定内給与は減少しており、ボーナスの増加で総額がわずかにプラスとなった状態。会社側が利益の増加分を、給料に振り向けた気配は感じられない。

たしかに設備投資に関しては、大企業の比重が大きい。それに対して給与総額は、中堅・中小企業の動向にもかなり左右される。したがって、これから給与総額が増加して行く条件は、中堅・中小企業の利益も増加することになりそうだ。それには時間がかかる。それまでアベノミクスの効果が続くかどうかが問題である。


    ≪7日の日経平均 = 下げ -576.12円≫

    ≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ

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日本との貿易だけが減少 / 中国
2013-08-09-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 輸出入とも回復の兆し = 中国の税関総署が発表した7月の貿易統計によると、輸出は前年比5.1%の増加。輸入は10.9%の増加で、貿易収支は178億2000万ドルの黒字だった。輸出は2か月ぶり、輸入は3か月ぶりの増加であり、輸出入ともに回復の兆しが現れている。

輸出を相手国別にみると、ASEAN(東南アジア諸国連合)向けが13.1%増、アメリカ向けも10%増と大きく伸びた。また注目されるのは、ずっと減少が続いていたEU(ヨーロッパ連合)向けが5%の増加に回復したこと。こうしたなかにあって、日本との貿易だけが停滞したままになっている。

税関総署は各国との輸出入増減率を、1-7月の累計という形で発表している。それをみると、たとえばアメリカは前年比で輸出が2.3%増、輸入が16.2%増。ASEANは輸出が22.6%増、輸入が2.1%増となっている。これに対して、日本は輸出が3.5%減、輸入は13.2%減というぐあいだ。

アメリカやASEANは景気の回復を反映して、貿易量が増加したのだろう。そのなかで日本との貿易だけが停滞しているのは、言うまでもなく尖閣諸島をめぐる政治情勢の影響だ。だが、それにしても対日輸出の減り方に比べて、対日輸入の減り方が大きい点がちょっと気に障る。


    ≪8日の日経平均 = 下げ -219.38円≫

    ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- マイナンバー制度の検証 ②
2013-08-10-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 特需は最大3兆円 = マイナンバー制度は16年1月にスタートするが、当初は社会保障、税務、災害対策の3分野に限って利用される。17年1月からは国税庁や日本年金機構などの間で、個人のデータを交換。17年7月からは、地方自治体も情報交換に参加する。その後は18年10月をメドに、医療情報や民間による活用を含めた範囲の拡大を図るというのが政府の日程表。

一方、国民の利便を図るために、政府は「マイポータル」というホームページを開設する。個人がパスワードで開いてマイナンバーを入力すると、税務署が把握しているその人の情報を見ることができる仕組み。たとえば給与、年金、生命保険、住宅ローン、証券取り引き、医療・介護費などを、自分で確認できるようになる。

すべての個人情報を記録するためのコンピュータ化。あるいは行政機関同士の情報交換やマイポータルの開設費用は、国と地方を合わせて2700億円ほど。ほかにシステムの運営費が年200-300億円かかる。また民間の試算によると、マイナンバー制度の立ち上げによる関連市場への特需は最大3兆円にのぼるという。個人番号カードを有料にするかどうかは、まだ決まっていない。

最大の問題は、情報の流出や悪用の防止対策。政府は行政機関を監視・監督する「特定個人情報保護委員会」を設置する方針だ。しかし委員会の構成や権限は、まだ決まっていない。個人の情報が流出して悪用されたら、大変なことになる。防止対策は、念には念を入れて構築してもらいたい。

                         (続きは来週サタデー)


    ≪9日の日経平均 = 上げ +9.63円≫

    【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2013-08-11-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第14章 金融緩和って、なんだろう? ⑥

◇ アメリカも量的緩和 = 金融政策について言えば、アメリカの状況は日本とよく似ています。やはり不況対策のために、金利はゼロ近くまで下げてしまいました。そこでリーマン・ショックのあと09年3月に、最初の量的緩和に踏み切りました。このときは1年間に1兆7250億ドルの資金を放出しています。

2回目の金融緩和は10年11月から実施され、8か月間に6000億ドルを供給しました。そして3回目は12年9月から。現在も毎月850億ドルずつ、市場の資金を増やしています。資金の供給方法も日本とほぼ同じ。国債や株式を市場から買い取ることによって、出回るおカネの量を増加させるわけです。

こうした金融政策を決めるのは、FRB(連邦準備理事会)と呼ばれる組織です。アメリカ独自の組織ですが、ふつうは中央銀行と考えてもいいでしょう。いまFRBの議長はバーナンキさんという人ですが、日本の新聞にもよく写真つきの記事が出てきます。

ユーロ圏17か国の中央銀行はECB(ヨーロッパ中央銀行)です。ここも不況対策のために、政策金利はとっくに0.5%にまで下げています。さらに財政危機に陥ったスペインなどの国債を無制限に買い入れる方針ですが、実際には買い入れていません。南ヨーロッパ諸国の金融不安が、なんとか小康状態を保っているからです。

                         (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2013-08-12-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 円高と消費増税の影 = ニューヨーク市場は目標を見失ったようだ。先々週に史上最高値を更新し、利益確定の売りが目立ったことは確か。相変わらず金融緩和の出口論が口実となって、先週はじわじわと下げた。ダウ平均は週間233ドルの値下がり。決算発表もピークを過ぎて、市場は次の目標が見出せないでいる。

東京市場は円相場の反転で大幅に下げた。日経平均は週間851円の値下がり。過去の経験からすると、ダウ平均が下がると、資金が為替市場に移動してドル高・円安になりやすい。またアメリカの金融緩和が縮小されれば金利が上昇して、これまたドル高になりやすい。ところが最近の為替市場には、この法則が働かない。

加えて東京市場の場合は、消費増税の問題が目前に迫ってきた。きょう12日には、4-6月期のGDP速報が発表される。安倍首相が増税を決断する際に、最大の判断材料とする数字だ。株式市場としては、増税が決まればその景気に対する影響が心配。決まらなければ、財政問題に対する影響が心配ということになる。

今週は12日に、4-6月期のGDP速報と7月の企業物価。13日に、6月の機械受注が発表になる。アメリカでは13日に、小売り売上高。14日に、7月の生産者物価。15日に、7月の工業生産、消費者物価、8月のNAHB住宅市場指数。16日に、7月の住宅着工戸数と8月のミシガン大学・消費者信頼感指数が発表される。またEUが14日に、ユーロ圏の4-6月期GDP速報を発表する。


    ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ

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GDPは2.6%増 : 安倍首相の戦術は?
2013-08-13-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 景気テコ入れ策を模索 = 内閣府は12日、4-6月期のGDP速報を発表した。それによると、実質成長率は年率2.6%、名目成長率は2.9%だった。ともに3四半期連続のプラス成長。名実逆転は3四半期ぶりに解消した。ただ実質2.6%の成長率は事前の予測よりかなり低く、12日の市場では円高が進み、株価は下落している。

成長の原動力は個人消費と輸出。個人消費はアベノミクス効果で、外食・旅行・衣料・装飾品などへの支出が伸び、年率で3.1%増加した。輸出は円安の影響もあって12.5%の増加。公共投資も7.3%伸びた。しかし住宅投資は1.0%減、企業の設備投資も0.4%の減少に終わっている。

安倍首相は当初、このGDP速報値を見て来年4月の消費増税を決断することにしていた。だが9月9日に発表されるGDP改定値まで、決断を延期したようだ。そして、その間に50人からなる有識者会議を招集。増税が景気に与える影響を検討してもらうことになった。この会議は9月2日をメドに、報告書をまとめることになっている。

こうした動きをみて、安倍首相は消費増税に不安を持ち始めたのではないか。したがって増税の延期もありうるのではないか、という見方が一部に出ている。しかし、そんなことをすれば安倍首相は自らアベノミクスの成果を否定することにもなりかねない。有識者会議は増税反対論に対するガス抜きと、もう一段の景気テコ入れ策の必要性を正当化するためのお膳立てに違いない。


    ≪12日の日経平均 = 下げ -95.76円≫

    ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ

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2%を超えた! : 企業物価の上昇率
2013-08-14-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日銀の見解が聞きたい = 日銀が12日発表した7月の国内企業物価は、前年比で2.2%の上昇だった。ことし4月から連続して上昇しており、上昇幅は月を追って拡大している。特に最終財は3.3%の上昇、実に32年ぶりの高い伸びを記録した。日銀はこの物価上昇を、デフレ脱却の前兆とみているのだろうか。

企業物価というのは、企業間で取り引きされる品物の価格。日銀が822品目を対象に毎月調べている。そのうちの最終財は最終製品の価格で、小売店などへの出荷価格と考えていい。モノの流れでみれば、いわば上流での物価水準。この価格上昇は、いずれ下流の消費者物価に波及する可能性が大きい。

物価上昇の中身をみると、最大の品目は電力・都市ガス・水道。これだけで物価を押し上げた3分の1の原因になった。次いで石油・石炭製品、小麦粉などの食料品、飼料などが続いている。一見して判ることは、いずれも円安による輸入価格の高騰が基本的な要因だ。じっさい、7月の輸入価格は18.5%も上昇している。

輸入価格の上昇が、企業間取り引きのなかの価格に転嫁されつつある。転嫁が進むのは、景気がある程度は回復してきたことの証しだと言うことはできる。だが物価上昇の原因は円安のせいであって、実需の増大によるものではない。こんな状態が続いて消費者物価までが2%を超えて上昇したとき、日銀は「目標を達成した」と喜ぶのだろうか。日銀の説明を聞きたいものである。


    ≪13日の日経平均 = 上げ +347.57円≫

    ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ

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もう心配しない? : 国の借金
2013-08-15-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ ついに1000兆円を突破 = 財務省は6月末時点の国の借金総額が、はじめて1000兆円を超えたと発表した。内訳は国債が830兆5000億円、借入金が54兆8000億円、政府短期証券が123兆4000億円。総額は1008兆6281億円で、前年より32兆円増えた。日本のGDPの約2倍。国民1人当たりにすると、792万円の借金ということになる。

日本が初めて赤字国債を発行したのは、東京オリンピック直後の1965年度だった。それが100兆円を超えたのは81年度。500兆円に達したのは2000年度。それから13年で1000兆円を上回ってしまった。この金額を1万円札で積み上げると1万㌔㍍、東京とロンドン間の距離に匹敵するという。

だが最近はこんな話を聞いても、人はあまり驚かなくなったのではないか。急激な借金の増加は国債に対する信用を失墜させ、利回りの高騰を招く。大変なことになるぞ--といった話を何度も聞かされた。(いや、このブログでも何度も書いた)。しかし現実には、大変なことは起こりそうにない。

国債残高は、この4-6月だけで9兆円増えている。だが日銀は“異次元緩和”の実行で毎月7兆5000億円の国債を買い入れているから、市中の国債は10兆円以上も減っている計算だ。だから金融機関も安心して国債を買い、利回りは1%以下に抑えられている。この調子なら、心配は無用なのではないか。多くの人がこう思い始めた。ほんとうに大丈夫なのか、もう一度じっくり考えてみる必要がある。


    ≪14日の日経平均 = 上げ +183.16円≫

    ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ

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大学院生は 就職難
2013-08-16-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 博士課程は就職率が低下 = 文部科学省の学校基本調査によると、景気の回復を受けて大学卒業者の就職率はかなり改善した。ところが大学院(博士課程)卒業者の就職率は、逆にやや悪化している。文科省はその原因をもっと精査し、大学院のあり方についても抜本的に見直す必要があるのではないか。

ことし3月の大学卒業者は55万9000人だった。そのうち就職した人は37万6000人で、就職率は67.3%。この比率は昨年よりも3.4ポイント改善している。正規社員になった人は35万3000人。昨年より1万8000人増えている。結果として、就職も進学もしていない人は7万6000人。比率は昨年より1.9ポイント減少した。

こうした就職状況の改善は、景気の回復によるものとみられている。ところが大学院卒業者の就職率は、逆に悪化した。博士課程の卒業者は1万6400人いたが、その就職率は65.9%で大学卒業者よりも低い。昨年に比べても1.4ポイント低下している。しかも正規社員になった人の比率は50.5%に過ぎない。

現在、大学院生の数は25万5000人。この20年間で2倍半に増えた。国が91年度から「10年で倍増」の計画を打ち出したためである。だが、その大学院卒業者に対する需要は、このところ年々少なくなる傾向にある。なぜ企業が大学院卒を必要としないのか。文科省は企業側のニーズをもっとよく調べて、大学院のあり方についても見直す責任があるだろう。


    ≪15日の日経平均 = 下げ -297.22円≫

    ≪16日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- マイナンバー制度の検証 ③
2013-08-17-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 各種の手続きが簡単になる = マイナンバー制度の導入で、国民にはどんなメリットがあるのだろう。その第1は、行政機関に対する各種の手続きが簡単になることだ。たとえば現在の制度では、児童扶養手当を申請するとき、市町村が発行する住民票と都道府県が発行する扶養者手帳が必要になる。

同様に失業給付をハローワークに申請するには、住民票と所得証明書を揃えなければならない。そのほか生活保護を受ける際にも、引越しの手続きにも、コミュニティ・バスの定期券を貰うにも、いろいろな書類を行政機関に提出する必要がある。マイナンバー制度になれば、カード一枚ですべて用が足りる。

いまでも個人には、たくさんの番号が付いている。たとえば社会保障関係では、国が管轄する基礎年金番号や雇用保険被保険者番号。地方自治体が所管する国民健康保険の被保険者番号、介護保険の被保険者番号、児童手当の整理番号など。社会保障以外では、住民票コード、運転免許番号、印鑑登録番号、パスポート番号など。

国の権限は多数の省庁が行使する。地方自治体は都道府県と市町村に分かれている。これらの行政機関がバラバラに、個人に対して番号を発給しているのが現状だ。これらの番号をできるだけ「個人番号カード」に集約してしまう。カードを見ればほとんどの番号が判るようになるから、手続きが簡単になるわけだ。

                     (続きは来週サタデー)


    ≪16日の日経平均 = 下げ -102.83円≫

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2013-08-18-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第14章 金融緩和って、なんだろう? ⑦

◇ カネ余りの世の中 = アメリカの中央銀行であるFRBは毎月、市場に850億ドルの資金を放出しています。1ドル=100円で換算すると、8兆5000億円になりますね。日銀も毎月、7兆5000億円の国債を市場から買い取っています。合計すると、日米の中央銀行は毎月16兆円のおカネをバラまいているわけです。1年間ではどのくらいになるか、計算してみてください。

中央銀行に対して国債などを売るのは、主として銀行などの金融機関です。だから毎月16兆円のおカネを受け取るのは金融機関。ここまでは判ります。ところが、その先はとても複雑で追及できません。たとえば銀行は企業や個人に、そのおカネを貸すでしょう。また銀行自身が、そのおカネで国債や社債を買うかもしれません。

銀行からおカネを借りた企業や個人は、そのおカネでモノを買います。すると、そのおカネはモノを売った企業や個人の手に渡ります。あるいは株式や不動産を買うと、そのおカネは株式市場や不動産市場に流れて行くことになります。

こうして散らばったおカネの一部は、株式や為替、不動産や商品市場に向かいます。これが投資資金と呼ばれるおカネです。ですから量的金融緩和が実施されると、株式や不動産は値上がりする傾向が強いと言えるでしょう。ただ投資資金が一部の市場に集中しすぎると、その市場では価格が暴騰します。それがバブルと呼ばれる現象で、投入されたおカネは投機資金ということになります。

                        (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2013-08-19-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 株式市場の“ワナ” = ウォール街は相変わらず、金融緩和の早期縮小に怯えている。先週も株価は消費者態度指数の悪化で下げたあと、こんどは住宅着工戸数が堅調という発表を受けてまた下げた。住宅着工が予想外に増えたことから、金融緩和の縮小が9月にも前倒しされるのではないかという観測が強まったためである。

実体経済の悪材料で下げ、好材料でも下げる。ニューヨーク市場が陥った“ワナ”と言っていい。このためダウ平均は先週344ドルの値下がりとなった。一方、日経平均は先週35円の値上がり。こちらは円相場の上昇が、株価の頭を押さえ込んでいる。

考えてみると、東京市場の「円高⇒株安」という“法則”も、“ワナ”の一種だろう。行き過ぎた円高は困るが、行き過ぎた円安も決して好ましくはない。ところが企業業績に対する円安のメリットは強調されるが、円高のメリットは計算されない。東京市場も、適正な円相場を常に意識する方向へ成長する必要があるのだろう。

今週は19日に、7月の貿易統計。20日に、6月の全産業活動指数。アメリカでは21日に、7月の中古住宅販売。22日に、6月のFHFA住宅価格指数とコンファレンス・ボードの7月・景気先行指数。23日に、7月の新築住宅販売が発表になる。また22日からはブルネイでTPP交渉会議が開かれる。


    ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ

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円安で輸入が大幅増 : 7月の貿易
2013-08-20-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 円安は赤字の拡大要因 = 財務省は19日、7月の貿易統計を発表した。それによると、輸出は5兆9620億円で前年比12.2%の増加。輸入は6兆9860億円で19.6%の増加だった。この結果、貿易収支は1兆0240億円の赤字。単月としては過去3番目に大きい赤字幅となっている。

輸出を品目別にみると、自動車が14.3%の増加。有機化合物や半導体などの電子部品も伸びた。地域別ではアメリカ向けが18.4%増と好調を持続。中国向けは9.5%増、EU向けも16.6%増に持ち直している。中国を含むアジア全体では9.1%の増加だった。

一方、輸入の伸びは輸出の伸びを大きく上回った。原粗油が30.2%増、LNG(液化天然ガス)も16.9%増加したが、これは火力発電用の燃料輸入。中東からの輸入が26.4%増えたのをはじめ、アジア地域からの輸入も18.5%増加している。マレーシアからのLNG輸入が大きかった。

7月平均の為替レートは、1ドル=98円83銭だった。これは昨年7月の79円52銭に比べると、24.3%の円安になっている。この大幅な円安が、輸出よりも輸入に大きく影響した。輸出は数量ベースで1.8%増えたが、金額では12.2%の増加にとどまった。これに対して輸入は数量が2.4%増なのに、金額は19.6%増加した。これが大赤字の原因である。


    ≪19日の日経平均 = 上げ +108.02円≫

    ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ

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底入れはしたけれど : EUの景気
2013-08-21-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 7四半期ぶりにプラス成長 = EU統計局は先週14日、ことし4-6月期のGDP速報を発表した。それによると、EU全体の実質成長率は前期比でプラス0.3%、年率換算ではプラス1.1%だった。11年7-9月期以来7四半期ぶりのプラス成長で、EUはようやく景気後退から脱したものとみられる。

国別でみると、やはりドイツが前期比プラス0.7%で牽引車となった。個人消費と政府の公共支出が、経済を押し上げている。注目されたのは、フランスがプラス0.5%と健闘したこと。イタリアはまだマイナス0.2%、スペインもマイナス0.1%だったが、両国ともにマイナス幅は縮小している。

同様に4-6月期の実質成長率をみると、アメリカはプラス1.7%。日本はプラス2.6%だった。したがって4-6月期は、久しぶりに日米欧の先進国がそろってプラス成長を記録したことになる。この事実は、心理的にも意味があるだろう。ただEUのプラス成長が持続するかどうかは、やや疑問だ。

問題はEUの失業率が、異常な水準で高止まりしていること。EU全体の失業率は10.9%。ドイツの5.4%を別格とすれば、フランスは11.0%、イタリアは12.1%、スペインは26.3%とみな2ケタ。過去5年間で780万人増加した失業者を減らすには、長い時間を要するだろう。EU経済の苦闘はまだまだ続く。


    ≪20日の日経平均 = 下げ -361.75円≫

    ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ

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ガソリン高騰は 止まるのか? (上)
2013-08-22-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 4年10か月ぶりの高値 = ガソリンの価格が高騰している。資源エネルギー庁の集計によると、レギュラー・ガソリンの店頭価格は先週、全国平均で1㍑=160円20銭に上昇した。6週連続の値上がりで、08年10月以来の高値になっている。そろそろ天井という見方も出ているが、はたしてどうだろう。

ガソリン価格が上昇している原因は、いくつかある。まず原油の国際価格が高騰していること。それに円安による輸入価格の上昇が加わった。さらに現在は夏休みシーズンで、ガソリンの実需も増加している。これらのうち、夏休みという季節的な要因はまもなく解消する。円相場についても、100円を超えて大きく下落する見込みは小さい。残る要因は国際価格だ。

原油の国際価格を示す代表的な指標は、ニューヨーク商品市場に上場されているWTI(ウエストテキサス・インターミディエート)。テキサス州などで生産される低硫黄の軽質原油で、売買高は世界最大。その動きはドバイ原油の価格にも波及し、日本が輸入する原油やLNG(液化天然ガス)の価格にも影響する。

このところ、そのWTI 価格が上昇を続けている。先週は先物相場が一時、1バレル=108ドル台に乗せた。直接のきっかけはエジプトの政情不安。大規模なデモが発生した6月20日以降の上げ幅は10%に達している。市場にはかつてないほどの投機資金が流入していると、多くの専門家が指摘している。

                       (続きは明日)


    ≪21日の日経平均 = 上げ +27.95円≫

    ≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ

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ガソリン高騰は 止まるのか? (下)
2013-08-23-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 原油の国際価格を決める力 = 原油の国際価格も、いろいろな要因で決まる。WTIの場合は、まずアメリカの需給状態。景気動向や在庫の増減。ひいては金利や株価の変動。もちろん、夏休みといった季節的な要因もからんでくる。それに加えて、海外の情勢も大きな要因だ。

アメリカの景気は、ゆっくりした回復を続けている。しかし原油の需要はそれほど増えていない。エコカーが普及したためだという見方も出ている。一方、供給はシェール・オイルの産出増もあって過剰気味。在庫も減っていない。にもかかわらず原油の国際価格が上昇しているのは、エジプト情勢への懸念ということになる。

エジプトは主要な産油国ではないが、スエズ運河を握っている。ここの通行に支障が生じると、ヨーロッパ向けの原油が危なくなる。これに目を付けた投機資金がWTIの先物を買っているために、国際価格が上昇した。WTIの過去最高値は08年6月の1バレル=134ドル。エジプト情勢が悪化すれば、原油価格はこの最高値に近づいて行くだろう。

日本国内のガソリン価格は、夏の繁忙期から抜けることもあって一服するかもしれない。しかし原油の国際価格は、下がりそうもない。すべてはエジプト情勢しだいということになるが、これから秋にかけてガソリン価格は高止まりする公算が大きい。


    ≪22日の日経平均 = 下げ -59.16円≫

    ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- マイナンバー制度の検証 ④
2013-08-24-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 確定申告に領収書は不要 = 国民の側のメリットはまだある。たとえば税金の確定申告。現在は源泉徴収表や医療費の領収書など、いろいろな書類を取り揃えて税務署に提出しなければならない。しかしマイナンバー制になれば、こうした書類の添付はほとんど必要なくなる。

また医療や介護、福祉サービスに対する自己負担額が、自動的に一本化される。この負担額は所得に応じて最高限度が設定されているが、いまの制度では負担する人が自分で各部門の限度額を計算して申請しなければ、限度以上に支払った分を返してもらえない。マイナンバー制になれば、自動的に払い戻しを受けることができる。

災害時や旅行中の医療手当ても、素早く受けることができるようになる。個人番号カードがあれば、その人の病歴や服用している薬などが判るからだ。仮にカードを紛失しても、その人の住所、氏名、性別、生年月日が判れば、行政機関はすぐにその人の本人確認をすることができる。

政府はインターネット上に「マイ・ポータル」というホームページを立ち上げる方針。一般の人はこのホームページにアクセスすると、自分の所得や社会保険料の納付状況などを知ることができる。また、どの行政機関がいつ自分の情報を取得したかも確認できるという。

                     (続きは来週サタデー)


    ≪23日の日経平均 = 上げ +295.38円≫

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2013-08-25-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第14章 金融緩和って、なんだろう? ⑧

◇ つかみにくい投機資金 = 景気がよくなって企業の収益が増加するという予想が強まれば、株式市場にはおカネが流れ込みます。金利が上がりそうだと、債券を買う人が増えるでしょう。こうしたおカネの動きは、正常な経済活動の一環です。

ところが一部の市場にたくさんのおカネが集中すると、その市場の商品が暴騰してしまいます。たとえば不動産に集中すると、土地や建物の価格が急騰するでしょう。その状態をみて他の人がおカネを注ぎ込めば、不動産の価格はもっと上昇します。これがバブルと言われる状態です。

なんの価格でも、無限に上昇することはありません。ですからバブルは、どこかで崩壊します。バブルが崩壊すると、経済全体に大きな悪影響が及びます。日本経済も1980年代の後半にバブルが発生、90年代に入って崩壊しました。その後遺症は、そのあと何年も続いたのです。

バブルを起こすようなおカネを、投機資金と呼ぶことがあります。しかし正常な投資資金と区別することは困難です。たとえば、あなたが銀行に預金する。銀行がこのおカネを金融会社に貸し、この会社が投機をすれば、あなたのおカネは投機資金になってしまうのです。ただ一般的に言って、金融緩和で世の中がカネ余りになると、投機資金が増えることは確かでしょう。

                      (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2013-08-26-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 気迷いが続くNY株式 = ニューヨーク株式市場は、いぜんとして気迷い状態を続けている。さしたる悪材料もなかったのに、ダウ平均は先週71ドルの値下がり。唯一の売り材料は、FRBが金融緩和政策を縮小するかもしれない9月が近づいてきたことだ。

見方を変えると、いまのニューヨーク市場は金融緩和の縮小を懸命に織り込んでいる最中とも言えそうだ。この織り込み作業が早めに終われば、バーナンキFRB議長の揺さぶり作戦は成功ということになる。9月になっても織り込めなければ、バーナンキの負けということになるかもしれない。

日経平均は先週10円の値上がり。ニューヨークの市況にも頭を抑えられたが、最大の材料はやはり円相場だった。金融緩和政策の縮小懸念でアメリカの長期金利が上昇し、4月には1%程度だった日米の金利差が現在は2%に拡大している。これが円安の原因で、東京の株価はこれに支えられた。

今週は26日に、7月の企業向けサービス価格。29日に、7月の商業販売統計。30日に、7月の鉱工業生産、労働力調査、家計調査、消費者物価、住宅着工戸数が発表になる。アメリカでは27日に、6月のSPケースシラー住宅価格とコンファレンスボードの8月・消費者信頼感指数。28日に、7月の中古住宅販売。29日に、4-6月期GDP改定値が発表される。またEUが30日に、7月の雇用統計と8月の消費者物価を発表の予定。


    ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ

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次の焦点は 法人減税 (上)
2013-08-27-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 与党内にも反対論 = 安倍首相は9月末にも、消費税の引き上げを決断する。唯一の気がかりは、増税で景気が腰折れしてしまうこと。そこで、なんらかの景気対策を併用する必要がある。最も可能性が大きいのが、法人税率の引き下げだ。ところが、この法人減税については与党内からも反対論が出ており、政府内の足並みは揃わない。

日本の法人税率は、国際的にみても高い。11年度の税制改正で、実効税率は41%から35.64%に引き下げられた。しかし東日本大震災の復興特別税が上乗せされ、現在の実効税率は38.01%。先進主要国の税率が20%程度なのに比べて、アメリカの35%とともに飛び抜けて高い税率となっている。

だが税率の引き下げには、閣内からも反対の声があがっている。その筆頭は麻生副総理・財務大臣。麻生氏は「赤字法人が7割を超えている現状では効果がない」と公言。最初は法人税の引き下げに賛成していた甘利経済財政相も「財源を考えると、設備投資や研究開発に対する減税を先行させるべきだ」と慎重論に傾いている。

高い法人税率が、製造業の海外移転に拍車をかけた。だから税率を下げなければならない、という賛成論も強い。しかし財務省は、法人税収に占める製造業の割合は11年度で28.6%にまで下がっている。だから税率を下げても、製造業の恩恵は薄いと反論。賛否の議論は、なかなか収束しそうにない。

                       (続きは明日)


    ≪26日の日経平均 = 下げ -24.27円≫

    ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ

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次の焦点は 法人減税 (下)
2013-08-28-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 国民だけが負担増に = 海外では、法人税率をさらに引き下げる動きが加速している。イギリスは現在28%の税率を、15年までに20%へ段階的に下げる方針を決定した。アメリカもオバマ大統領が一般教書のなかで、国際競争力を強めるため法人税率を引き下げると明言。現在35%の税率を28%、製造業は25%にする方針だ。

国際競争力の観点からみれば、日本も法人税率を引き下げた方がいいことは明らかだろう。だが、ここでもネックは財源。税率を30%にすれば、税収は約2兆円減少する。財務省はこれを嫌って減税に反対。麻生財務相はその線に乗っているようだ。甘利経産相も引きづられて、変心したように思われる。

もう1つの大問題は、企業と国民の間のバランス。消費増税で国民の負担が増す一方で、企業の負担は軽くなる。これは不公平だという批判が強まることは避けられない。特に法人税率を下げる場合は、地方税率も引き下げる必要がある。その穴埋めに住民税や固定資産税の引き上げが検討課題にのぼれば、批判は倍加するに違いない。

そこで設備投資減税だけに絞ったら、どうなるか。投資額の3%を法人税から差し引く内容だが、いま企業は280兆円もの内部留保を持っている。そんな状態のところへ設備投資減税を実施して、はたして効果があるのか。法人減税については、さまざまの問題がついて回る。安倍首相は9月中に、これらの問題を頭のなかで整理し決断を下さなければならない。


    ≪27日の日経平均 = 下げ -93.91円≫

    ≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ

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女性議長の誕生か / FRB (上)
2013-08-29-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 世界経済を動かす力 = FRBは連邦準備理事会と直訳されているが、要するにアメリカの中央銀行。その金融政策はアメリカ経済だけでなく、世界経済全体に大きな影響を及ぼす。そのトップが議長、日本で言えば日銀総裁に当たる役職だ。いまの議長は新聞にもよく登場するバーナンキ氏だが、来年1月末には任期満了で退任する。

そこで後継者選びが始まり、ワシントンではいま最大の話題となっている。絞り込まれたのが、女性と実力者の2人。女性は現FRB副議長のジャネット・イエレンさん、66歳。実力者は元財務長官で現ハーバード大学教授のローレンス・サマーズ氏、58歳。オバマ大統領は今秋中に決めると言明しているが、いまのところ予想は全く伯仲している。

イエレンさんは経済学者。サンフランシスコ連銀総裁を経て、10年にFRB副議長に就任した。クリントン政権時代にCEA(大統領経済諮問委員会)委員長も勤めており、経済政策全般にも詳しい。一方のサマーズ氏も堂々たる経歴。政治家や財界人との人脈も太く、オバマ大統領とも親しい関係にある。

女性と実力者のどちらが勝つかー-話がここまでなら、簡単で判りやすい。ところが2人の金融緩和に対する考え方の相違にまで話が及ぶと、とたんに判りにくくなってしまう。また2人を支持する人たちの支持理由も、さまざまだ。おまけにマスコミには、中傷記事さえ現れ始めている。

                       (続きは明日)


    ≪28日の日経平均 = 下げ -203.91円≫

    ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ

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女性議長の誕生か / FRB (下)
2013-08-30-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 最大の関心事は緩和政策の縮小 = バーナンキ現議長が金融緩和政策の早期縮小を示唆したことから、ニューヨーク市場の株価はこのところ頭打ち状態を続けている。仮に同議長が秋に縮小を断行したとしても、そのあとの手綱さばきは当然ながら次期議長に委ねられる。これがまた大問題だ。

イエレンさんはこれまでの言動から、バーナンキ路線を継ぐにしても、緩和政策の縮小には慎重だとみる人が多い。しかし出身母体とも言えるFRBには、圧倒的に縮小派が多い。すると、どうなるのか。逆にサマーズ氏は、金融緩和政策には懐疑的。景気回復には財政出動が必要だと、しばしば強調してきた。しかし同氏は金融界と近く、ウォール街派だとみられている。

民主党の上院議員の3分の1以上が、イエレン支持の文書をホワイトハウスに送った。そのホワイトハウスではオバマ大統領の側近と目されるルービン元財務長官らが、サマーズ支持を表明している。FRB議長の任命には上院の承認が必要だから、イエレン有利の観測が出た。その一方で、オバマ大統領が決めれば、上院は従わざるをえないという予測も強い。

ワシントンの新聞が「女にドルを任せられるのか」と書いた。すると他の新聞が「女性は生れ付き科学には向かない」と述べた、サマーズ氏の古い失言を持ち出して批判する始末。情勢は全く混沌として、勝敗は5分5分と言えるだろう。それでも、あえて賭けをするなら、チップ全部をイエレン女史の前に置きたい。


    ≪29日の日経平均 = 上げ +121.25円≫

    ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ

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