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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
今週のポイント
2014-09-01-Mon  CATEGORY: 政治・経済
小型・内需株を買う個人 = 日経平均は先週115円の値下がり。これで8月中は、4か月ぶりに196円の下落となった。ロシア軍の侵入でウクライナ情勢が悪化したこともあったが、円安が進行しても大型・主力株は動かない。そんななかで国内の個人投資家が、小型・内需株に目を付けたことが大きな特徴。

たとえば日経平均は年初来5%の下落だが、建設株は14%の上昇。証券株は22%の下落となっている。小型・内需株の多い東証第2部は先週、年初来の最高値を更新した。9月に入って、外国人投資家が大型・主力株に手を出してくるかどうか。消費増税後の景気回復が弱々しい実態と、内閣改造後の新政策を天秤にかけながら態度を決めるに違いない。

ダウ平均は先週97ドルの値上がり。7月に付けた史上最高値まであと40ドルのところまで戻している。SP500指数は26日に2000を超えた。順調なアメリカ経済の回復が、市場に安心感を与えている。ユーロ圏がいっそうの金融緩和に踏み切りそうなことも、株高につながった。ヨーロッパの金利が下がれば、アメリカの金利上昇を抑制する効果があると考えられるからである。

今週は1日に、4-6月期の法人企業統計と8月の新車販売。2日に、7月の毎月勤労統計。3日に、内閣改造。5日に、7月の景気動向指数。アメリカでは2日に、8月のISM製造業景況指数。3日に、8月の新車販売。4日に、8月のISM非製造業景況指数。5日に、8月の雇用統計。またEUが3日に、4-6月期のGDP改定値。中国が1日に、8月の製造業PMI。3日に、8月の非製造業PMIを発表する。


      ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ

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GDPは上方修正か? / 4-6月期
2014-09-02-Tue  CATEGORY: 政治・経済
設備投資がプラスに = 財務省は1日、4-6月期の法人企業統計を発表した。それによると、金融・保険業を除いた全産業の売上高は315兆0886億円で前年同期を1.1%上回った。また経常利益は16兆3860億円で前年比4.5%の増加だった。ただ非製造業が12.1%の増益だったのに対して、製造業は7.6%の減益となっている。消費増税は製造業の方に大きく影響したわけだ。

法人企業統計は、財務省が資本金1000万円以上の企業2万3000社を対象に行っている調査。最も注目されたのは、設備投資の項目である。というのも、内閣府が来週8日に公表する4-6月期のGDP改定値が、この設備投資額を算入して再計算されるからだ。その設備投資額は8兆5617億円。前年比で3.0%の増加だった。

4-6月期のGDP成長率は、すでに発表された速報値でマイナス6.8%となっている。その内訳で、企業の設備投資は年率9.7%のマイナスだった。これが今回の調査では前年比3.0%の増加となったため、改定値では大きく上方修正されるだろう。その結果、GDP成長率のマイナス幅も縮小される公算がきわめて大きい。

つまり消費増税後の反動減は、速報値よりも小幅に修正されることになる。このこと自体は経済の変動が小さくなるわけで、歓迎すべきことだろう。だが同時に新たな問題も引き起こす。4-6月期の成長率が底上げされると、7-9月期の成長率が低めに抑えられてしまう。来年10月の消費税再引き上げを狙う安倍首相にとっては、心配のタネが増えると言えそうだ。


      ≪1日の日経平均 = 上げ +52.01円≫

      ≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ

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賃金増 < 物価高 : 7月の勤労統計
2014-09-03-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 実質賃金は1.4%減少 = 賃上げやボーナス増の結果が、ようやく経済統計に表れてきた。厚生労働省が2日発表した7月の毎月勤労統計によると、現金給与総額は1人平均で36万9846円。前年同月に比べて2.6%増加した。うち一般労働者は48万1097円で2.7%の増加、パート労働者は10万1182円で0.7%の増加となっている。

給与の内訳をみると、所定内給与は24万2840円で前年比0.7%の増加。14年4か月ぶりの大幅な伸びとなった。また残業を意味する所定外給与は1万9489円で3.3%増。ボーナスなど特別な給与は10万7517円で7.1%増だった。建設業や飲食サービス業など、人手不足に悩む業界の特別給与は30%も増加している。

このように名目賃金ははっきりと増加したが、実質賃金は逆に減少してしまった。7月の家賃を除いた消費者物価が4.1%も上昇してしまったからである。厚労省の計算によると、実質的な現金給与総額は前年に比べて1.4%減少した。給与を貰う側からみると、たしかに賃金は2.6%増えた。しかし実際に買えるものは1.4%減ってしまったことになる。

仮に労働者が増えた賃金分をすべて使ってモノを買ったとしよう。モノを売った側の売り上げは2.6%増えるが、売れた数量は1.4%減る。その結果は在庫が増加し、いずれは生産の減少を招くだろう。こんな経済の縮小循環が起きないかどうか。実質賃金の減少が続けば、起きないという保証はない。


      ≪2日の日経平均 = 上げ +192.00円≫

      ≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ≫  

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“9月”が決める 10%消費税 (上)
2014-09-04-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 7月の数字が悪すぎた = 景気の先行きに不透明感が広がってきた。専門家の間でも慎重論が目立ち始め、強気と弱気が交錯している。その原因は、消費増税に伴う需要減からの回復が予想より緩やかなこと。ほぼ出そろった7月の景気指標が弱すぎたことから、慎重な見方が頭を持ち上げた。

その7月の指標をみてみよう。まず鉱工業生産は前月比0.2%の増加だった。プラスにはなったものの、6月時点の予測調査では2.5%の増加だったから予測を大幅に下回っている。自動車や情報通信の減産が響いた。また新築住宅の着工戸数は前年比14.1%の減少。6月の9.5%減少よりも悪化した。

家計の消費支出は、実質値で前年比5.9%の減少。この数値も6月の3.0%減少より悪くなっている。7月は台風や大雨が多かったので、その影響も小さくはない。しかし結果として、消費増税後の需要減は6月より7月の方が大きくなっているように見受けられる。さらに、この傾向は8月になっても消えていないようだ。

8月の景気指標で発表されたものは、まだ少ない。それでも新車の販売台数は前年比9.1%の減少。7月の2.5%より減少幅が拡大した。またデパートの売上高は、主要4社ベースで前年比1.3%の増加。ただ、ことしは昨年より日曜日が1日多かったので、その分を調整するとトントン程度だと言う。

                                (続きは明日)


      ≪3日の日経平均 = 上げ +59.75円≫

      ≪4日の日経平均は? 予想 = 下げ

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“9月”が決める 10%消費税 (下)
2014-09-05-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ カギ握る個人消費 = 景気の先行きをみるうえで、最も気になるのは個人消費の動向である。家計調査によると、7月の実質消費支出は前年比5.9%も減少。6月の3.0%減少より悪化した。ボーナスの支給で改善が期待されたが、悪天候でエアコンや旅行などへの支出が抑えられたのだろう。しかし、その根底には、物価高で勤労者世帯の実収入が6.2%減ってしまったことがある。

8月も各地で大雨が降った。9月は秋晴れに恵まれて、消費支出が一挙に回復する可能性もないではない。また円安の進行で株価が上昇し、その資産効果が消費の拡大を後押しするかもしれない。しかし円安が進みすぎれば輸入物価が上昇、電気代の値上げなどで家計の実収入を押し下げる懸念もある。

改造後の安倍政権が、景気対策を打ち出すという期待も大きい。おそらく地方経済の振興を柱に、公共事業の増額を考えるだろう。だが人手不足や原材料費の高騰というネックを、どのように乗り越えられるのか。また円安で輸出が伸びるかもしれない。しかし貿易赤字の状態では、輸入価格の上昇が景気のマイナス要因になってしまう。

消費増税の影響で、4-6月期の景気は大幅に落ち込んだ。その減少分を7-9月期には取り戻す。そして、その勢いを見て、年末には来年10月の消費税再引き上げを決断する。--これが安倍首相の描く経済の足取りだ。ところが7-8月でみる限り、この設計図にはほころびが出てきた。残るは9月だけ。第2次安倍内閣にとって必要なのは、もしかして“てるてる坊主”なのかもしれない。


      ≪4日の日経平均 = 下げ -52.17円≫

      ≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 上げ潮に乗る REIT ⑥
2014-09-06-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ オフィスビルは賃料しだい = オフィスビルに集中投資するREITは数も多く、全体の半分近くを占めている。景気がよくなると、オフィスビルに対する需要が増える。すると空き室率が下がり、しばらくして賃貸料が上昇し始める。運用会社の利益が拡大し、分配金も増加する。その結果、新しい投資家が参入して投信の価格が上がる。

これがオフィスビル専門REITの理想的な姿だ。ここからも判るように、オフィスビル型の最も重要な条件は賃貸料だと言えるだろう。たとえば都心5区の新規募集賃料は05年末から08年8月にかけて3割近く上昇。この結果、東証REIT指数は07年5月末に2612の史上最高値を付けている。

都心5区の空き室率はリーマン・ショック後の景気低迷で、12年6月には9.4%にまで上昇した。そこからは下げ続け、この7月は6.2%と5年4か月ぶりの低さとなっている。大阪市の中心部でも空き室率は8.7%、前年比で1.9ポイント低下した。東京ではオリンピック開催の影響もあって、新築オフィスに対する不足感も出ているという。ただオフィスビルREITの弱点は、不況に弱いこと。投資家はその辺の見極めが大切になってくる。

この分野の代表格は、三井不動産が母体の日本ビルファンド投資法人と三菱地所が主導するジャパンリアルエステイト社。ともに01年9月、初の上場を果たしている。都心の好立地ビルを保有していることが最大の強み。日本ビルファンドは73の物件を保有、総資産額は1兆円を超えた。

                                  (続きは来週サタデー)


      ≪5日の日経平均 = 下げ -7.50円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2014-09-07-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第17章 国際収支って、なんだろう? ⑮

◇ 所得収支が大活躍 = 国際収支は、外国との経済活動で生じたおカネのやり取りをすべて記録する統計です。その中身は主として貿易収支、サービス収支、所得収支、それに金融収支という項目から成り立っています。このうち金融収支は投資やおカネの貸し借りなどで、黒字か赤字かはそれほど問題になりません。この金融収支を除いた部分が、経常収支です。

経常収支のうちの所得収支は、利子や配当のやり取りを集計したものです。日本の企業や個人が外国の金融機関に預金したり債券を買えば、利子が入ってくる。海外の株式を持っていれば、配当をもらえますね。逆に日本も外国に利子や配当を支払っていますから、その差額が所得収支となるわけです。

日本は経済大国で、海外にぼう大な金融資産を持っています。このため受け取る利子や配当も、巨額にのぼります。たとえば13年度の所得収支は15兆円を超えました。13年度は貿易・サービス収支で14兆5000億円もの赤字を出していますが、所得収支がそれを上回る黒字だったため、経常収支は7900億円の黒字になりました。

しかし、ことし1-6月期の経常収支は赤字になってしまいました。貿易・サービス収支が7兆7000億円の赤字だったのに対して、所得収支は7兆2000億円の黒字。差し引き経常収支は5000億円の赤字です。1-6月期で経常収支が赤字になったのは、石油ショックに見舞われた1981年以来のこと。所得収支は健闘したのですが、貿易の赤字が大きすぎました。

                                  (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2014-09-08-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ ダウは最高値に戻す = ダウ平均は先週39ドルの値上がり。最終日には一時的に最高値を更新したが、終り値は7月16日に付けた史上最高値に1ドル及ばなかった。ウクライナで停戦協定が成立、ECB(ヨーロッパ中央銀行)が金融緩和を進めたことが買い材料になった。週末に発表された8月の雇用統計は予想よりかなり悪かったが、これもアメリカの金融緩和が長引くかもしれないという思惑につながって株価を押し上げた。

日経平均は先週244円の値上がり。ECBが金利を引き下げたことでユーロが売られ、ドル相場が上昇した。これにつられて円の対ドル相場が大幅に下落。輸出株を中心に買い物が入った。ただ円の対ユーロ相場は、大きく上昇している。景気の先行きには不透明感が広がってきたが、安倍改造内閣が景気対策を打ち出すという思惑が先行して株価を下支えしたようだ。

夏休みが終わって、世界経済には明らかな動意が見てとれる。ECBの金融緩和が、外国為替相場のバランスをどこまで変えるのか。アメリカの景気回復はまだ持続するのか。不安定さを増した日本の景気動向に対して、政府・与党はどんな対策を講じるのか。株式市場はこうしたパズルを解きながら、さらに上昇できるのか。

今週は8日に、4-6月期のGDP改定値、7月の国際収支、8月の景気ウォッチャー調査。9日に、7月の第3次産業活動指数と8月の消費動向調査。10日に、7月の機械受注と8月の企業物価。11日に、7-9月期の法人企業景気予測調査。アメリカでは12日に、8月の小売り売上高と9月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国は8日に、8月の貿易統計。11日に、8月の消費者物価と生産者物価。12日に、8月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資を発表する。


      ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ

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時間差が生む 大変動 : 量的緩和
2014-09-09-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ ユーロ圏も量的金融緩和 = ECB(ヨーロッパ中央銀行)は先週4日、新しい金融緩和政策を発表した。その内容は①政策金利を0.15%から0.05%に引き下げる②銀行の融資債権を証券化したABS(資産担保証券)を10月から買い入れる③銀行のECBに対する預け金に手数料を課するマイナス金利制度を強化、手数料を0.1%から0.2%に引き上げる--の3本建て。

このうち最も注目されるのは、②のABS購入だ。銀行が保有するABSを買い上げるため、その分だけおカネが銀行側に供給される。このメカニズムは、アメリカや日本が実施している量的金融緩和と全く同じと言っていい。ただECBは、アメリカや日本と違って国債は購入しないので量的緩和ではないと説明している。

これはECBが「量的緩和」の意味を、「国債を購入して財政を支援する政策」と捉えているからに違いない。その姿勢も理解できないことはないが、中央銀行がおカネを放出するという点では立派な量的緩和だろう。その意味では、今回の措置によってアメリカ、日本、ユーロ圏の3大経済圏が、そろって量的緩和を実施する事態になったと言えるだろう。

ただしアメリカは、この10月にも量的緩和を終了する。日本は真っ最中。そしてユーロ圏は入り口。この時間差が、今後の世界経済に大きな変動をもたらす可能性が強い。すでに最初の兆候は、外国為替市場に現われている。ユーロが売られ、ドルが買われた。つれて円の対ドル相場は下がり、対ユーロ相場は上がっている。次の変動は、どういう形で姿を見せるのだろうか。


      ≪8日の日経平均 = 上げ +36.43円≫

      ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ

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震災を超えた 需要の反動減 : 4-6月期
2014-09-10-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 安倍首相はひと安心? = 内閣府が8日発表した4-6月期のGDP改定値は、前期比の年率でマイナス7.1%だった。速報値の6.8%より0.3ポイント下方修正されている。この落ち込み方は、リーマン・ショック後の09年1-3月期に記録したマイナス15.0%以来の大きさ。東日本大震災時の11年1-3月期の6.9%を超えた。直後の四半期に与えた悪影響という観点からみる限り、消費増税は震災を上回ったと言える。

下方修正となった最大の原因は、企業の設備投資が速報値より悪化したこと。速報値では前期比0.4%減だったが、0.7%減に改訂された。さらに家計の消費支出、住宅投資、輸出が、いずれも0.1ポイントずつ下方修正されている。家計の消費支出は前期比5.3%減、住宅投資は10.4%減、輸出は0.5%減という結果となった。

4-6月期のGDP改定値が下方修正されたことについて、政府は「経済に対する見方は変えていない」とコメント。今後の見通しについては言及していない。また民間エコノミストの間では、企業の業績が高水準を持続していることから、設備投資が景気を押し上げると期待する声が強い。しかし今後の景気回復は、やはり個人消費の動向しだいだと考えるべきだろう。

経済成長率の計算法には、ひとつ厄介なクセがある。それはGDPを前期と比較して伸び率を出すために、前期の水準が低ければ低いほど成長率は高くなる可能性が大きいという点だ。したがって4-6月期のGDPが低めに修正された結果、7-9月期の成長率は高めに出やすくなった。7-9月期の成長率をみて来年10月の消費税再引き上げを決断しようとしている安倍首相にとっては、安心材料になったのかもしれない。


      ≪9日の日経平均 = 上げ +44.04円≫

      ≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ

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円安 行き過ぎは危険! (上)
2014-09-11-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 6年ぶりの安値に = 円相場が変動し始めた。今週は対ドル相場がほぼ6年ぶりに106円台まで下落、その一方で対ユーロ相場は136円台に上昇している。きっかけとなったのは、先週のECB(ヨーロッパ中央銀行)による金融緩和政策の発表。市場ではユーロが売られ、ドルが買われた。このドル高・ユーロ安で、円はドルに対しては下げ、ユーロに対しては上げる結果となっている。

ことし2月以来、円相場はずっと膠着状態。4月以降の対ドル相場は101-103円の間を行き来していた。それがヨーロッパの金融緩和で対ユーロ相場が上昇したのは判るが、対ドル相場が下落したのはなぜだろう。答えは春から相場は膠着状態だったが、そのなかで円安に傾く力がしだいに醸成されてきたからに他ならない。

その第1は、日本の貿易赤字が定着したこと。輸入額が輸出額を大幅に上回るようになったため、外貨に対する需要が増大した。第2はアメリカの金利引き上げが近付いたこと。第3は日銀の量的金融緩和政策で、日本の長期金利が異常なほどに低下した。この3つの理由から、いつ円安に振れてもおかしくない状態が続いていた。ECBの政策で、この状態に火が付いた。

外国為替市場では、よく「オーバー・シューティング」という言葉が使われる。外国為替相場はいったん動き出すと、予想を越えて「行き過ぎる」ことが多いという意味だ。いま市場関係者の間では「年末までに108-109円」と予想する人が多い。だがオーバー・シューティングすれば、110円を超えて下落する可能性もあるだろう。仮にそうなれば、日本経済は大きな悪影響を蒙る危険性がある。

                              (続きは明日) 


      ≪10日の日経平均 = 上げ +39.63円≫

      ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ

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円安 行き過ぎは危険! (下)
2014-09-12-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 黒田日銀総裁の妄言 = これまでは「円安=株高」という等式が、市場を支配していた。円安になれば輸出関連企業が儲かる。だから株式は買いという理屈だ。しかし円安になると輸入価格が上昇して、輸入関連企業の利益は圧迫される。さらに原材料やエネルギー価格が高騰するから、輸出関連企業にもコスト高の弊害が及ぶ。

こうした傾向が強まってきたために、株式市場でも「円安=株高」の法則が成り立ちにくくなってきた。たとえば先週5日は、円相場が6年ぶりの安値になった。このため日経平均は一時100円を超えて上昇したが、終り値では7円安に引き戻されている。

原材料やエネルギー価格の上昇は電気料金や食料品の値上がりを招くから、家計の負担も増大する。その結果、賃上げやボーナスの増額があっても、家計の実質所得は下がってしまう。だから増税後の個人消費は回復が鈍く、景気がなかなか立ち直らない。これが日本経済の現状であり、大きな問題点となっている。

このような円安のマイナス効果は、円安がもっと進めば当然ながら力を増す。おそらく 1ドル=110円になれば輸出産業のメリットも消え、市場では「円安=株安」の新しい等式が通用するに違いない。これ以上の円安は、きわめて危険と言わざるをえない。それなのに黒田日銀総裁は4日の記者会見で「いまの水準から円安になることが、日本経済に好ましくないとは思えない」と発言した。その感覚は、どこか狂っている。


      ≪11日の日経平均 = 上げ +120.42円≫

      ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 上げ潮に乗る REIT ⑦
2014-09-13-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 安定的な商業・物流型 = 後発組だが、元気がいいのは商業型REIT。ショッピング・センターや大型スーパー、ファッションビルに投資している。6銘柄が上場。14年5月末の取得総額は、オフィスビル型が全体の47%なのに対して18%にまで成長した。テナントとの契約年数が10-20年と長く、施設を丸ごと貸しているので稼働率は100%に近い。したがって収入は固定されており、分配金は安定している。しかしインフレには弱い。

最大手は三菱商事が中心の日本リテールファンド。北海道から沖縄まで全国に84物件を保有している。物件が分散しているので、災害にも強いという。2位は三井不動産が中心のフロンティア不動産。こちらは首都圏など都市部に30物件を保有している。長期にわたって、高い分配金を維持していることで評価されている。

物流型も後発組だが、台頭いちじるしい。12年末から13年初めにかけて誕生し、現在6銘柄が上場。13年の取得総額は7800億円で、14年5月末の取得総額は全体の10%に達した。投資先はネット通販の急速な拡大で、需要が急増した大型物流センター。こちらも契約期間が5-10年と長く、分配金は安定している。

最大手はアメリカ系の日本プロロジスリート。24物件を保有し、投資総額は3600億円。シンガポール系のGLPが保有する羽田空港近くの物流センターは、取得以来の稼働率が100%だといわれる。物流センターに対する需要はさらに増大するとみられており、大手商社や不動産会社も参入を計画しているようだ。

                                  (続きは来週サタデー)


      ≪12日の日経平均 = 上げ +39.09円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】 

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2014-09-14-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第17章 国際収支って、なんだろう? ⑯

◇ この数年間で大変わり = 日本の国際収支は、この数年間で構造が大きく変わりました。この変化は、10年度と13年度の実績を比べてみればよく判ります。まず貿易・サービス収支に所得収支を加えた経常収支をみてみましょう。10年度に16兆1000億円もあった経常収支の黒字が、13年度には7900億円の黒字に減ってしまいました。

経常収支の黒字がこんなに減ってしまった最大の原因は、貿易収支の急激な悪化に求められます。10年度の貿易収支は6兆5000億円もの黒字を出していました。それが13年度は10兆9000億円の赤字。差し引き17兆円以上も悪化したわけです。理由はこれまで何度も説明したように、東日本大震災で原発の運転ができなくなり、その穴埋めで火力発電が急増したこと。そのための燃料輸入が激増したことにあります。

この間、観光などを集計したサービス収支も、2兆3000億円ほど悪化しました。このため貿易・サービス収支は、この3年間で20兆円近くも悪化しています。その一方で、海外との利子や配当のやり取りを集計した所得収支は、黒字幅を大幅に拡大しています。日本の企業や個人の海外投資が、大きく伸びたためですね。

所得収支の変化をみると、10年度が1兆1000億円の黒字でした。それが13年度には15兆2000億円の黒字になっています。この所得収支の黒字が、貿易・サービス収支の赤字を打ち消してくれました。その結果、経常収支は7900億円の黒字となったわけです。

                                    (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2014-09-16-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 目前に迫った量的緩和の終了 = ダウ平均は先週150ドルの値下がり。終り値は3週間ぶりに1万7000ドルを割り込んだ。ロシアに対する制裁強化も悪材料だったが、なんといっても今週のFOMC(公開市場委員会)で量的金融緩和の10月終了が確定することが株価の頭を重くした。次の焦点は政策金利の引き上げ時期ということで長期金利が上昇、ドルが買われて円相場は続落した。

日経平均は先週280円の値上がり。1万5900円を8か月ぶりに回復した。円相場の続落にも助けられたが、市場では安倍改造内閣による新政策への期待感が強まっている。特にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の積極的な資金運用が注目を集めているようだ。仮にGPIFが国内株の比率を20%に引き上げると、新たな購入額は6兆3000億円に達するという試算も出ている。

こうした地合いは今週も持続すると考えられる。ただ波乱要因になるかもしれないのが、18日に行われるスコットランドの住民投票だ。もし独立派が勝つようなことがあると、ポンドは急落。ヨーロッパ経済は動揺するだろう。当然ニューヨーク市場にも悪影響を及ぼすが、それが円相場や東京の株式市場にどう響くかは予測できない。

今週は18日に、8月の貿易統計。19日に、7月の全産業活動指数。アメリカでは15日に、8月の工業生産。16日に、8月の生産者物価。17日に、8月の消費者物価と9月のNAHB住宅市場指数。18日に、8月の住宅着工戸数。19日に、8月のカンファレンス・ボード景気先行指数。中国が18日に、主要70都市の住宅価格を発表する。なお16-17日に、アメリカのFRBがFOMC会議。18日にはスコットランドで、独立をかけた住民投票が行われる。 


      ≪16日の日経平均は? 予想 = 下げ

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「残留」でも 影響大 / スコットランド
2014-09-17-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 世界に心理的な衝撃 = スコットランドではあす18日、独立をかけた住民投票が実施される。事前の調査では賛成、反対が全く伯仲。結果は予測できない。仮に独立派が勝てば、イギリスは16年3月にもGDPの8%、人口の8.4%、国土の32%を失うことになる。ポンドは急落し、イギリス経済だけでなくEU全体、さらには世界経済に大きなショックを与えることは明らかだ。

独立派が勝利すればもちろんだが、仮に負けたとしても影響は大きいだろう。独立派の善戦は、世界中の独立運動を鼓舞することになるとみられるからだ。たとえば11月にはスペインでも、カタルーニャ州が独立の是非を問う住民投票を予定している。このほか住民による独立運動はヨーロッパだけでも20件近くあるといわれ、スコットランドの投票結果はこうした運動の火に油を注ぐことになりかねない。

これらの独立運動は、ほとんどが民族的な自立の要求に端を発している。その根底では中央政府による差別的な扱い、とりわけ経済的な不平等に対する不満が蓄積していた。スコットランドの場合は、北海油田からの利益が十分に還元されていない点が強調されている。

中央政府に対する不満のもう1つの側面は、富の格差に対してのいらだちとも捉えることができる。こうした富の格差は政治や経済の現在の仕組みが生み出しているものと考えれば、独立運動の基本的な理念は戦後70年を経た現在の仕組みを改革することにあるのかもしれない。老婆心ながら付け加えておくと、日本ももっと沖縄を大切にしておくべきである。


      ≪16日の日経平均 = 下げ -36.76円≫

      ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ

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働く高齢者 = 636万人 (上)
2014-09-18-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 4人に1人が高齢者 = 総務省は「敬老の日」にちなんで、ことしも9月15日時点の高齢者人口を推計した。それによると、65歳以上の高齢者人口は3296万人。前年より111万人増えている。総人口に占める割合は25.9%で、4人に1人が高齢者ということになった。男性の1421万人に対して、女性は1875万人と圧倒的に多い。

高齢者のうち75歳以上の人口は1590万人。総人口に占める割合は12.5%で、ちょうど8人に1人という比率。また80歳以上は964万人、90歳以上は172万人、100歳以上は6万人と推計されている。総人口に占める高齢者の割合は、1950年(昭和25年)には4.9%。そのうち75歳以上はわずかに1.3%にすぎなかった。

この総人口に占める高齢者の割合は、今後も上昇し続ける見通し。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2035年には33.4%に。75歳以上も20.0%に上昇する。つまり3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上の高齢者になるという。高齢化社会への進行は止まらない。

高齢者のいる世帯数は、13年時点で2086万世帯。1993年に1000万世帯を超えたが、それから21年で初めて2000万世帯を突破した。このうち高齢者の単身世帯は552万世帯。過去30年間で5.6倍に増えている。一方、夫婦で住む高齢者世帯は4.0倍の増加だった。

                               (続きは明日)


      ≪17日の日経平均 = 下げ -22.86円≫

      ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ

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働く高齢者 = 636万人 (下)
2014-09-19-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 就業者数の1割占める = 高齢化の話はとかく暗くなりがちだが、明るい話題もある。総務省によると13年の場合、65歳以上の高齢者で働いた人の数は636万人。前年より41万人増加して過去最多となった。就業者総数に占める割合も10.1%で、過去最高となっている。就業率は男性が28.6%、女性が13.7%だった。この高齢者の就業率は、主要国中で最も高い。

高齢就業者のうち、役員以外の雇用者は285万人。そのうち非正規の職員・従業員が全体の71.5に達している。正規の職員・従業員は28.5%に過ぎなかった。ただ非正規雇用の人たちに理由を聞いてみると「都合のいい時間に働きたい」「家事・育児・介護と両立しやすい」「通勤時間が短い」など、自己都合によると答えた人が多く、「正規の仕事がない」は10.2%にとどまっている。

一方、職を持たない高齢者の生活ぶりはどうだろう。総務省によると、2人以上の高齢無職世帯の場合、13年の税込み収入額は1世帯平均で月21万7412円だった。このうち公的年金などの社会保険給付は19万0813円。残りは家賃収入や仕送りの受け取りなど。税金や保険料を差し引いた手取り額は18万7098円だった。その半面、1か月の支出は24万6085円。毎月5万8987円の赤字で、貯金を取り崩すなどして穴埋めしている。

労働力人口が減少し始めた日本経済にとって、高齢者の就業が増えることは歓迎すべきことだ。政府も企業も、高齢者が働きやすい環境作りにもっと努力する必要がある。と同時に、総務省や厚労省に頼みたいことは、高齢者のなかで健康な人はどのくらいいるのかを調査すること。医療費の節約や高齢者の就労促進にとって、きわめて重要な基礎データになるからだ。


      ≪18日の日経平均 = 上げ +178.90円≫

      ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 上げ潮に乗る REIT ⑧
2014-09-20-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 住居・ホテル・総合型etc. = 住居型は主として高級マンションに投資するREIT。現在9銘柄が上場しており、14年5月末で投資総額の18%を占める。賃料は安定しており、不況への抵抗力が強い。また保有物件数が多いので、リスクが分散されている。ただ景気が好転しても、賃料はすぐには上がらない。最大手は伊藤忠商事が中核のアドバンス・レジデンスで、1万8000戸の物件を保有している。

ホテル型は景気動向に敏感なのが特徴。空き室率が景気によって、大きく変動する。ジャパン・ホテル・リートと星野リゾート・リートの2銘柄が上場。住居型と違って、景気がよくなれば利益もすぐに回復する。このほか投資の対象をマンションとか物流センターとかに限定せず、何でも保有するのが総合型。

変わったタイプは、上場REITだけを投資対象に組み入れるREIT。要するに投資信託の投資信託だ。1万円からの少額投資も可能なことが特徴。ただ売買手数料や信託報酬が発生するので、割高になるデメリットがある。リスクが分散されるので、初心者向きかもしれない。

日本のREITは最初、オフィス型から出発した。その後に住居型、ホテル型が続く。いま拡大しているのが商業型と物流型。さらに今後はヘルスケア、高級老人ホーム、病院など介護・医療施設に特化したREITが計画されている。たとえば大和証券、三井住友銀行、新生銀行などが年内の上場を目指して準備を進めているようだ。

                                (続きは来週サタデー)


      ≪19日の日経平均 = 上げ +253.60円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2014-09-21-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第17章 国際収支って、なんだろう? ⑰

◇ 成熟した債権国へ = 若いときは一生懸命に働き、収入を増やす。年をとると働けなくなって収入は減るが、それまでに投資した株式や債券から利子や配当が入ってくる。こういう人も少なくないでしょう。クローサーという経済学者は1950年代に、一国の経済発展に伴う国際収支の状態も同じだという学説を発表しました。

日本も戦後の復興期には、国際収支がなかなか黒字になりませんでした。しかし東京オリンピックが開催された1960年代の半ばごろからは貿易収支が黒字になり、これに支えられて経常収支の黒字もしだいに大きくなってきたのです。それが最近では、貿易収支が大幅な赤字に。所得収支の黒字で、なんとか経常収支の赤字化を食い止めている状態です。

クローサーの学説には、なんとも嫌らしい続きがあります。人がもっと年をとると収入がなくなり、株式や債券も売って生活費に回すようになる。つまり資産の“取り崩し”期に入るという見通しです。いまの日本は、経常収支も赤字になる危険性がないとは言えません。もし経常収支の赤字が定着するようだと、それこそ“取り崩し”期に入る?

一生懸命に働いて経済を拡大させた成長期。人口が減り始めて成長は鈍ったけれど、投資からの収入で安心できる成熟期。ここしばらく前から、日本が成長期を過ぎて成熟期に入ったことは確かでしょう。でも、もう資産の取り崩し期に入ってしまったのでしょうか。いくら何でも、ちょっと早すぎると思います。

                                 (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2014-09-22-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 余熱か高値警戒か = 先週は、2つの大イベントが株価に好影響を与えた。1つはイエレンFRB議長が「量的緩和を終えたあとも、“相当な期間”にわたりゼロ金利政策を維持する」と再び公約したこと。もう1つはスコットランドの住民投票で、イギリスからの独立が否決されたこと。この2つの相乗効果で、ダウ平均は5日間続伸して史上最高値を更新。週間では292ドル値上がりした。

アメリカの低金利が“相当な期間”続きそうでも、いずれ金利は上昇するという見方からドルが買われた。一方、スコットランドの残留が決まって、ポンド相場が上昇。これで円相場が対ドルで109円台にまで下落した。このため日経平均は先週373円の値上がり。終り値は1万6321円と、リーマン・ショック前の07年11月以来の高値を回復している。

2大イベントの余熱は、今週も持続するだろう。特に円相場の下落はオーバー・シューティングの力が働いており、まだ進むかもしれない。しかし株価の方には、高値警戒感が働くことは避けられない。余熱と警戒感の綱引きになるのではないか。こうした状況では日米ともに、株価は景気指標や政策発表に反応しやすくなる。

今週は25日に、8月の企業向けサービス価格。26日に、8月の消費者物価。アメリカでは22日に、8月の中古住宅販売。23日に、7月のFHFA住宅価格。24日に、8月の新築住宅販売。26日に、4-6月期のGDP確定値。また中国では23日に、9月のHSBC製造業PMIが発表される。


      ≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ

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「円安=株高」 の解析 (上)
2014-09-24-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 「円安=株高」の恒等式 = 東京市場では先週、「円安=株高」の恒等式が完全に働いた。円の対ドル相場は一時109円台、08年9月以来の水準にまで下落。これを受けて日経平均は1万6300円台、6年10か月ぶりの高値を回復した。円相場の下落は、イエレンFRB議長が「量的緩和を終了してもゼロ金利は相当の期間続ける」と言明したこと。それにスコットランドが国民投票で、イギリスからの独立を否定したことが大きな原因となっている。

円相場が下がると輸出企業の儲けが増え、株価全体が押し上げられる。この「円安=株高」の恒等式は、戦後からずっと東京市場で信奉されてきた。ただ最近は自動車など輸出企業の海外生産が拡大、円安の利益に対する貢献度は縮小している。その一方で、円安が食料や原材料の輸入価格を高騰させるマイナス面も強調されるようになった。

ところが8月以降の1か月余りで、円相場は7円も下落した。この急激な円安によって、「円安=株高」の恒等式は息を吹き返したように思われる。たとえば、みずほ銀行は「10円の円安で上場企業の営業利益は1兆9000億円増加する」という試算を発表。ほかに海外子会社の円建て利益も膨れるし、外国人観光客の増加も見込まれる。それなら株を買っておこうと、多くの人が考えるのも無理はない。

市場では年末に向かって円安はさらに進み、1ドル=110円を超えるかもしれないという予測が出ている。つれて日経平均も1万7000円から1万7500円への期待が膨らみ始めた。自動車や電機、一般機械や精密機械など、輸出関連企業には市場の中核を構成する銘柄が多い。これら市場の顔となる企業の業績がさらに好転すれば、周辺の銘柄も引きずられて上昇すると読みが広がってきている。だが、その一方で・・・。

                                (続きは明日)


      ≪22日の日経平均 = 下げ -115.27円≫

      ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ

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「円安=株高」 の解析 (下)
2014-09-25-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ じわじわ表れる円安の毒性 = 円安は輸入品の価格を引き上げてしまう。円が10%安くなると、1万円で輸入できた品物が1万1000円出さないと買えなくなる。輸入関連企業にとっては、かなりの痛手になるはずだ。しかし円安が輸出関連企業の利益増加につながる話はすぐに伝わるが、輸入関連企業に対するマイナス効果についてはあまり報道されない。どうしてだろうか。

輸入品が値上がりすると、関連企業はまず販売価格の引き上げを考える。だが実際に値上げできるかどうかは、企業によってまちまちだ。たとえば燃料の輸入価格が上がると、電力会社はその分をすべて料金に転嫁できる。しかし一方では、全く転嫁できない企業も存在する。何割しか転嫁できない企業も多数あるだろう。しかも転嫁できるとしても、値上げの浸透には時間がかかる。

このため、円安が輸入関連企業の収益に与える悪影響は計測が困難だ。結果的に計測がしやすい輸出企業へのメリットだけが宣伝され、輸入企業へのデメリットは伝わらない。特に価格転嫁が難しいのは非製造業や中小企業に多いと考えられるが、これらの企業は株式市場での存在感が薄い。だから株価の引き下げ要因にはなりにくい。

いま日本の貿易収支は、大幅な赤字を続けている。つまり輸入額が輸出額を大幅に上回っているわけだ。だとすれば、行き過ぎた円安が経済全体に与える効果は、明らかにマイナスとなるだろう。貿易収支の赤字は大量の富が海外へ流出していることを意味し、景気の足を引っ張ってもいる。こうして円安の毒性はあまり表面化することなく、時間をかけて日本経済を蝕んで行く。それが怖い。


      ≪24日の日経平均 = 下げ -38.45円≫

      ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ

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1645兆円に増大 : 家計の金融資産
2014-09-26-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 株価の上昇が貢献 = 日銀が3か月ごとに発表している資金循環統計によると、6月末時点で家計が保有する金融資産残高は1645兆円。過去最大になった。昨年6月末に比べると42兆5000億円、率にして2.65%増加している。内訳をみると、現金・預金が874兆円で全体の半分以上を占めた。また株価の上昇を反映して、投資信託や一般株式の保有高が大幅に増えたことが目立つ。

国債・財投債の保有額は20兆円、昨年よりも2兆5000億円ほど減少している。その一方で投資信託の保有額は82兆円、昨年より10兆円も増えた。また一般株式の保有額も86兆円で、5兆円増加している。相変わらず現金・預金に対する執着は強いが、景気の回復で個人が利回りの低い国債から、リスクのある株式へ資金を移動させた様子がうかがえる。

この資金循環統計では、国債の発行残高が1013兆円となり、初めて1000兆円を超えたことも明らかになった。このうち日銀は215兆円を保有している。前年比では43.8%の増加。日銀の量的緩和政策によるもので、日銀は国債発行の5分の1以上を引き受けたことになる。

財務省の推計によると、14年度末の国の長期債務は1144兆円にのぼる見込み。一方、家計の金融資産から住宅ローンなどの借金を差し引いた純資産は6月末で1290兆円。その差は146兆円ということになる。まだ、こんなに差があると言うべきか。それとも、もうこれしか差がなくなったと言うべきか。


      ≪25日の日経平均 = 上げ +206.69円≫

      ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 上げ潮に乗る REIT ⑨
2014-09-27-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 時価総額は8兆8000億円 = REIT運営会社は、株式に当たる投資証券を発行して上場。この証券は市場で売買され、投資家はいつでも換金できる。だから仕組みは一般の株式と全く同じだ。ただし投資信託の場合は、売買する場合の単位を投資口と呼んでいる。1000投資口を売るとか、5000投資口を買うとかいうぐあいだ。

会社の価値も株式の場合と同様、市場が時価総額で評価する。時価総額というのは、発行済みの投資口数に時価を掛け合わせて算出。こうして算出した個々の時価総額を合計すれば、REIT全体の時価総額になる。個々の銘柄の時価が上昇するか、上場された銘柄数が増えれば、全体の時価総額は増加することになるわけだ。

REIT全体の時価総額は、01年9月のスタート時には2600億円しかなかった。それが04年に1兆円を超え、07年には6兆円台に乗せている。ところがリーマン・ショックで2兆円まで縮小、12年から再び増加。14年6月末時点で8兆4000億円。最近時点では8兆8800億円に拡大している。

個別銘柄の状況をみると、やはりスタートが早かったオフィスビル型の時価総額が大きい。トップは日本ビルファンドで、総額は7900億円。次いでジャパンリアルエステイトの6900億円。この2つはオフィスビル型。第3位には商業型の日本リテールファンドが4900億円で入っている。

                             (続きは来週サタデー)


      ≪26日の日経平均 = 下げ -144.28円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝0敗】

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サンデー実験室 = 新・孫に聞かせる経済の話
2014-09-28-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第17章 国際収支って、なんだろう? ⑱

◇ 1-7月間では赤字 = 最後にいちばん新しい統計をみて、最近の状況を確認しておきましょう。財務省が発表した7月の国際収支状況によると、経常収支は4167億円の黒字でした。貿易・サービス収支は1兆2871億円の大赤字でしたが、所得収支が1兆7000億円の黒字を出したために、その両方を合計した経常収支はなんとか黒字になっています。

ところが、ことし1-7月間でみると経常収支は908億円の赤字となっています。これは所得収支の黒字が、貿易・サービス収支の赤字を補い切れない月があったためです。言い換えると、国際収支の現状は、ほぼとんとん。クローサー先生が言う「成長期」は完全に過ぎ、次の「成熟期」を飛ばして一気に「取り崩し期」に入りそうな状況なのです。

こんな状況は、全く異常としか言いようがありません。この異常さは、これまで何度も指摘してきたように、火力発電に使う燃料の輸入が激増したことに主たる原因があります。つまり東日本大震災によって、原発の運転が停止してしまったこと。これが日本の国際収支を異常にしてしまった根本的な原因なのです。

経常収支の赤字は、その分だけ日本の富が海外へ流出することを意味します。日本の企業や家庭が高くなった電気料金を支払う形で、おカネが燃料の産出国に流れているのです。しかし原発の再稼働は、やっと年内に鹿児島県の川内原発が動くかどうかというところ。国際収支の異常は、まだ当分は続きそうです。 


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今週のポイント
2014-09-29-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 10月相場への期待は強い = 10月入りを前にして、日米の株式市場はともに調整した。先週、日経平均は91円の値下がり。ダウ平均も163ドルの値下がりだった。いずれも高値圏での利益確定売りが目立っている。ニューヨークの場合は、FRBによる量的金融緩和がいよいよ終了する10月が頭のなかから消え去らない。そんなとき今週発表される9月の雇用統計が、市場にどんな影響を与えるのだろうか。

円安の進行も、先週は一時的に足踏みした。しかし市場では、円安はまだ続くという見方が強い。この円安が輸出関連企業を中心に、企業業績の上方修正につながるという予想を生んでいる。したがって、10月は株価も続伸するだろうという期待も高まっている。

ただ東京市場では、中国経済の先行きに対する懸念が強まってきた。中国への依存度が高い鉄鋼や非鉄、海運、それに一部の消費財などの株価がこのところ弱含んでいる。中国の鉱工業生産や製造業の景況予測が伸び悩んでいること。加えて楼財務相の金融緩和を否定する発言などが、悪い材料になっている。

今週は30日に、8月の労働力調査、家計調査、鉱工業生産、毎月勤労統計、商業販売統計。1日に、9月の日銀短観と新車販売台数。アメリカでは29日に、中古住宅販売。30日に、7月のSPケース・シラー住宅価格と9月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。1日に、9月のISM製造業景況指数と新車販売台数。3日に、9月の雇用統計とISM非製造業景況指数、8月の貿易収支。またEUが30日に、8月の雇用統計。中国が1日に、9月の製造業PMI。3日に、9月の非製造業PMIを発表する。


      ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ

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不動産バブルが崩壊 / 中国 (上)
2014-09-30-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 後遺症は2-3年続く? = 中国統計局の発表によると、8月は主要70都市のうち68都市で、新築住宅の価格が前月に比べて下落した。住宅価格の下落が、ほぼ全国的に広がってきたことになる。多くの不動産会社が資金繰りのために、マンションや一戸建ての新築物件を投売りしているという。まさに不動産バブルの崩壊が始まったと言えるだろう。

原因は過剰投資で、住宅の在庫が急増したため。不動産ブームの絶頂は昨年下期。大都市の住宅価格は軒並み上昇、上海や北京では年間の上昇率が20%を超えた。投機的な住宅の購入が目に余ったため、政府は住宅取得の条件を厳しくしたり、銀行のローン貸し出しを抑制する措置をとった。この結果、ことし1-8月の不動産投資額は前年比8.9%減少している。

その影響は、工業生産の面にも現われてきた。建築資材や家具の需要が減り、鋼材価格は15%も下落した。このため生産も低下、8月の鉱工業生産は前年比6.9%の増加。中国としては5年8か月ぶりの低い伸びにとどまっている。また3月には浙江省の中堅不動産開発会社が行き詰まったが、政府は支援の手を差し伸べなかった。

政府の調査機関である社会科学院も「住宅問題の調整には2-3年かかる」と明言している。今後の注目点は、バブルの崩壊で金融機関の不良債権がどのくらい増えるか。日本の例をみても、金融機関の経営がおかしくなると回復には10年単位の時間がかかってしまう。もう1点は、景気が悪化して経済成長率が大きく下がってしまう心配。住宅バブルの崩壊が個人消費の縮小につながってくると、成長率は大きく低下せざるをえなくなるだろう。

                                (続きは明日)


      ≪29日の日経平均 = 上げ +80.78円≫

      ≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ

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