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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
2015年の 株・円・金利は?
2015-01-01-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 2万円を狙う日経平均 =「未年」は「ひつじ辛抱」と言って、耐える年だという。たしかに戦後の未年は、株価の平均上昇率が十二支のなかで下から4番目だ。ところが過去3年間にわたって上げ相場が続いてきたために、市場関係者は格言などには無関心。ことしは「日経平均が2万円まで行く」と予想する人も多い。円安と原油安で企業の好業績が続く。消費増税の影響も薄れるとみるわけだ。

ウォール街も強気のようだ。アメリカの景気は底堅く、企業の収益も高水準が続く。したがって、ことしは「ダウも2万ドルに挑戦する年になる」という声が聞こえてくる。だがアメリカの場合は、4月以降にFRBが政策金利の引き上げに動く可能性が強い。市場がこのカベをどう乗り越えるか。ことし最大の難関と言えるかもしれない。

「円安の基調はまだ続く」という見方が圧倒的に強い。①日本の金融緩和②日本の貿易赤字③アメリカの景気回復とドル高傾向--円安の要因は、ことしも変わらないとみられるからだ。結果として円安がどこまで進むかは見通せないが、そのテンポは昨年より緩やかになると思われる。また円安の株高効果も、しだいに薄れるものと考えられる。

長期金利は最低の水準にまで落ち込んでいる。おかげで住宅ローンも最低の水準にまで低下した。金融機関は利ザヤの確保が難しく、経営的に苦しくなりそうだ。FRBの利上げがあったとしても、日銀による大量の国債買い入れが続く限り金利の大幅な上昇はないだろう。ただ何かの拍子で金利の大幅な反騰があれば、金融機関などの含み損は膨大な額に達する。その可能性は小さいが、一応は注意しておく必要がある。


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2015-01-04-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第2章 おカネって、なんだろう? ⑤

◇ 大きな石のおカネも = 太郎さんたち4人は、なぜ青い貝がらをおカネにしたのでしょうか。その理由は、かんたんには手に入らないこと。持ち運びに便利なこと。こわれたり溶けたりしにくいこと――が大切だと考えたからでした。

大むかしの人たちも、物々交換の経済から便利な貨幣(おカネ)を使う経済へと移行しました。いまから3000年も前の中国・殷(いん)の時代には、太郎さんたちと同じように貝がらをおカネとして使っていたのです。おカネと縁が深い漢字、たとえば買・貯・貨・貴などに「貝」が付いているのは、このためです。

面白いのは、西太平洋のヤップ島に住んでいた人たちが使った石のおカネです。大きな石を車のタイヤのような形に丸くけずり、真ん中に穴をあけました。大きなものは直径が3メートル60センチもあったそうです。おカネを使うときには、大汗をかいたでしょうね。

技術が発達するにつれて、おカネは金属で作られるようになりました。形もしだいに、みんながいま使っている百円玉や十円玉のような丸い形になっていったのです。

                            (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2015-01-05-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 年末の下げが意味するもの = ダウ平均株価は年末になって、予想外の反落をみせた。先週は221ドルの値下がり。31日の終り値は1万7823ドル07セント。昨年間では1246ドルの上昇、上昇率は7.5%だった。これで6年連続の株高とはなったが、終わり方はどうも頼りない。正月休みを控えて利益確定売りが増えたというが、ギリシャの政情不安も売り材料になった。

日経平均も先週は368円の値下がり。こちらも連休を控えて、ひとまず利益を確定させる動きが強まった。売り材料としては、エボラ出血熱騒ぎやギリシャ問題が取り上げられている。その半面で、政府が閣議決定した総額3兆5000億円の経済対策は完全に無視された形。この程度の対策では評価のしようがない、という市場の姿勢を見せ付けたような気もする。

休日を前にした利益確定売りなら、一過性のものである。しかしギリシャ問題が問いかけているEU経済体制の矛盾、あるいは景気と財政の問題。こうした世界経済の根幹にかかわるような大問題に市場が心配し始めているようだと、新年に入っても尾を引くことになる。今週の株価が反発に転じるかどうか。よく見て行きたい。

今週は5日に、12月の新車販売台数。9日に、11月の景気動向指数。アメリカでは6日に、12月のISM非製造業景況指数。7日に、11月の貿易統計。9日に、12月の雇用統計。また中国が6日に、12月のHSBCサービス業景況指数。8日に、12月の貿易統計。9日に、12月の生産者物価と消費者物価。EUが7日に、11月の雇用統計と12月の消費者物価を発表する。


      ≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ

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ギリシャ不穏の 深層 (上)
2015-01-06-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 今月25日に総選挙 = ギリシャ議会は昨年12月、3回にわたって大統領を選出するための投票を行ったが失敗。このため議会が解散され、1月25日に総選挙を実施することになった。総選挙では、EUの金融支援を受けながら緊縮財政を実行している与党の新民主主義党と、緊縮財政に強く反対している急進左派連合などの野党が鮮明に対立。仮に野党が勝てば、再びギリシャ発の金融不安が南ヨーロッパに広がる可能性が大きい。

総選挙のあと議会はまた大統領選出の投票を行うが、その結果は全く意味を持たない。それよりも総選挙で与党が勝つか、野党が勝つか。焦点はそこに絞られる。最近の世論調査によると、野党の急進左派連合が27.4%でトップ。与党の新民主主義党は23.5%で劣勢に立たされている。続いて、これも緊縮財政に反対の極右・黄金の夜明け党が6.4%を占めるという情勢だ。

野党が優勢なのは、国民の間に“緊縮疲れ”が蔓延したために他ならない。緊縮政策では、公務員のリストラ、増税、年金・医療費の削減が実施された。この結果、ギリシャは昨年まで6年にわたって景気が後退。GDPは08年の約7割に縮小した。失業率は26%でEU加盟国中の最高。若年層の失業率は50%を超えている。

この国民の不満を背景に、野党は一気に勝負に出た。ギリシャの大統領は”お飾り”だから、本来ならその選出は騒ぎにならない。しかし3回の投票で決まらないと、議会は自動的に解散され総選挙が実施される。野党はこの憲法の規定をうまく利用して総選挙に持ち込んだ。だから勝算は十分にあるのだろう。

                              (続きは明日)


      ≪5日の日経平均 = 下げ -42.06円≫

      ≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ

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ギリシャ不穏の 深層 (下)
2015-01-07-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 前回より深刻な要素を内包 = ギリシャでは09年に多額の財政赤字を粉飾していた事件が発覚。これを機に国債が暴落して、深刻な財政危機と金融不安に陥った。この危機はEUとIMFによる2400億ユーロ(約35兆円)にのぼる金融支援でなんとか乗り切ったが、その条件がきびしい緊縮政策の実行だった。今月25日の総選挙で野党が勝利すると、このEU・IMFとの約束が破棄されてしまう公算が大きい。そこで09年のギリシャ危機の再来が心配されているわけだ。

ところが、ある意味では今回の方が深刻化する恐れがないではない。というのも、前回は財政赤字の粉飾というギリシャ政府による“犯罪”が危機を惹き起こした。したがってギリシャ国民としても、きびしい緊縮政策を受け入れざるをえなかったと言える。しかし今回は仮に野党が勝って緊縮政策の継続を拒否すれば、総選挙という民主的な手段を経たうえでの判断ということになる。EUやIMFとしても、どう対応するかは前回よりも難しいだろう。

だからといって、緊縮政策なしで金融支援を続けるわけにもいかない。そんなことをすれば、こんどはドイツなど支援する側の国民が怒り出すのは目に見えている。打開する道があるのかどうか。打開できなければ、またまたギリシャのEU離脱が現実的な問題として浮上するかもしれない。

またギリシャの緊縮反対論は、スペインやイタリアに飛び火する可能性も大きい。そこまで行くと、こんどは国民生活を不幸にしてまで、国家の財政を改善する必要があるのかという根本的な論争が始まるかもしれない。EUやIMFの基本的な理念にまで疑問が投げかけられることになる。問題がそこまで発展するかどうかは、もちろん判らない。しかし25日の総選挙で、反緊縮・反EUの野党連合が勝つ確率はきわめて高いのが実情である。


      ≪6日の日経平均 = 下げ -525.52円≫

      ≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ

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介護報酬の引き下げは 大臣折衝へ (上)
2015-01-08-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 給与の引き上げでは合意 = 来年度予算の編成作業は大詰めの段階を迎えているが、まだ決着できずにモメているのが介護報酬の引き下げ問題。財務省は4%の引き下げを主張しているが、厚生労働省は「それでは業界が崩壊してしまう」と徹底抗戦している。この問題は介護施設を利用する高齢者の負担にも影響してくるので、最終的な決着に注目が集まっている。

介護報酬というのは、介護保険サービス事業者に支払う利用代金。その原資は利用者が1割、あとの9割は市町村が運営する介護保険が負担する。この介護保険は、国の補助金と40歳以上の人が支払う介護保険料から成っている。3年に1度改定されることになっており、来年度はその改定の年。介護保険制度が始まった00年度は3兆6000億円の支出だったが、14年度は10兆円に膨れ上がった。

厚労省の調査によると、介護サービス事業者の利益率は平均8%と高い。一般の中小企業は2-3%の利益率なので、財務省はその差の6%引き下げをまず主張した。ただし介護職員の不足を解消するため、その月給を1万円程度引き上げることは財務省も納得した。その分を差し引いて、報酬は4%引き下げるというのが財務省の言い分である。

予算編成の作業は、まず財務省の主計官と各省の担当課長レベルで折衝が始まる。そこで折り合いがつかないと、財務省の主計局長と各省の担当局長がお出ましになる。いま介護報酬の問題はこの局長折衝の段階にきているが、合意ができない。あとは予算編成ギリギリの来週、最後の大臣折衝に持ち込まれるという段取りだ。

                              (続きは明日)


      ≪7日の日経平均 = 上げ +2.14円≫

      ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ

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介護報酬の引き下げは 大臣折衝へ (下)
2015-01-09-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 現行の仕組みは限界に = 特別養護老人ホームの内部留保は、全体で2兆円を超えるという調査がある。これも財務省の4%引き下げ要求の根拠になっているようだ。これに対して、業界側は「現状でも特養の3割は赤字だ」と反論する。だが、なにしろ報酬を1%削れば年間1000億円の財源が浮くから、財務省は強硬だ。「報酬が下がれば、利用者の負担も軽くなる」と、厚労省の泣きどころも突いてくる。

そこへ介護職員の賃上げがからむから、話は複雑になる。いま介護職員の平均賃金は月22万円。全業種のサラリーマンより10万円も少ない。高齢化の進展で25年度には100万人の増員が必要だと言われているが、これでは人が集まらない。だが問題なのは、この人件費も介護報酬の一部として事業者側に支払われていることだ。

介護サービス事業は、介護型療養施設、老人保健施設、特別養護老人ホームからデイサービス、訪問サービスまで形態はいろいろ。大企業が経営するものから、個人が自宅で運営するものまで規模もさまざま。しかも地域によって、事業に必要なコストもかなり違う。だから大きな利益を上げる事業者もあれば、赤字の経営者も出てくる。こうしたものを一括して管理する現在の制度は、もう限界だろう。

大臣折衝の結果、介護報酬は3%程度の引き下げで決着するのではないか。しかし、その影響で経営的に行き詰まる事業所が出たら、利用者はどうなるのか。経営的に苦しい事業所でも、職員の賃上げができるのか。さらに短期間で10万円もの賃金格差を埋められるのか。早く制度の設計変更をしないと、矛盾が拡大するばかりだろう。


      ≪8日の日経平均 = 上げ +281.77円≫

      ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 人手不足の検証 ⑤
2015-01-10-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 東京と沖縄の地域差 = 「求人倍率」を使って、人手不足度の地域格差を調べてみよう。昨年11月の有効求人倍率は全国平均が1.12倍だった。有効求人倍率というのは、前月とその月を足した求人数と求職者数の比率。1.12倍という数字は、求職者数100に対して求人数が112あったことを示している。

都道府県別にみると、東京都が1.64倍で最高。都心の再開発ブームやオリンピック関連事業の影響だろう。続いて愛知県が1.53倍。福島県が1.46倍などとなっている。自動車産業や震災復興事業の影響が読み取れる。一方、最低は沖縄県で0.77倍。続いて鹿児島、埼玉、青森の3県が0.80倍。いずれも求人数が求職者数を下回っている。

新規求人倍率というのは、その月だけの求人数と求職者数の比率。これでみると、大勢は変わらないが細部は少し違ってくる。11月の全国平均は1.66倍。東京都、愛知県の順位は変わらないが、3位には広島県が入っている。また低い方の第1位は奈良県で、沖縄県は青森県と並んで下から2番目となっている。

「求人倍率」という統計には弱点もある。それは求人数が本社でまとめられていること。たとえば東京に本社がある企業が北海道で求人しても、その人数は東京都の求人数に数えられてしまう。このため大都会の倍率が高く出ることは避けられない。また、この統計はあくまでもハローワークだけのもの。一般的な傾向は判るが、労働力の需給関係をすべて表わしているわけではない。

                                (続きは来週サタデー)


      ≪9日の日経平均 = 上げ +30.63円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】 

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2015-01-11-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第2章 おカネって、なんだろう? ⑥

◇ 世界最大の金貨は = 日本では、大むかしの人は中国の銅銭を使っていたようです。7世紀に入ると、唐の開元通宝(かいげんつうほう)のほかに、日本で初めて造られたといわれる富本銭(ふほんせん)が登場しました。さらに8世紀になると、有名な和同開珎(わどうかいちん)が出現しています。

時代がずっと下がって16世紀ごろになると、各地の大名が金貨や銀貨を造り始めました。なかでも価値が高かったのは、豊臣秀吉が造った天正大判と呼ばれる金貨です。だ円形で長い方の径が約17センチ、重さは165グラム。世界でいちばん大きい金貨として有名でした。ところが2004年にオーストリア政府が31キログラムもある金貨を鋳造したために記録は破られましたが、この巨大な金貨は流通していません。ですから天正大判は、世界一の金貨だと言ってもいいでしょう。

徳川家康が造った慶長小判も有名です。江戸時代には、金貨と銀貨のほかに銭貨と呼ばれる小銭が広く流通しています。時代劇に出てくる小判は、山吹色の金貨ですね。おカネの単位は両、分、朱などでした。明治政府は1871年(明治4年)になって、おカネの単位を円、銭などに改めました。これが現在も続いているわけです。

明治時代にも金貨や銀貨、銅貨が流通していました。いまのような西洋式の印刷で造られた紙幣が発行されたのは、1872年のことです。明治政府が最初に造った紙幣は、ねずみや虫に食べられて困ったそうです。というのも、この紙幣にはこんにゃくが含まれていたためでした。

                                (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2015-01-13-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 株式市場に3つの壁 = 株式市場には3つの壁が立ちふさがった。目前の壁は原油価格の暴落。次は今月25日に予定されるギリシャの総選挙。その後ろには、4月以降に想定されるアメリカの金利引き上げという壁。世界の株価はこの3つの壁を乗り越えないと、上へは進めない状況になってきた。このうち原油安という当面の壁は、どうやら突破できそうな感じが強まってきている。

ダウ平均は先週96ドルの値下がり。前半は原油安を警戒して資金が市場から引き揚げられたが、後半は盛り返している。日経平均も前半は大幅に下げたが、後半は反発して週間では253円の値下がりだった。ユーロ圏の物価が5年2か月ぶりのマイナスとなったことから、ECB(ヨーロッパ中央銀行)が量的金融緩和に踏み切るとの観測が強まった。先週後半の株価はこれを材料に反発したが、心理的には原油価格の下げ止まりがきわめて大きい。

ニューヨーク商品市場のWTI原油価格は新年に入って1バレル=50ドルを割り込み、先週前半には46ドル台にまで下落した。それが後半はやや持ち直して、下げ止まりの状態になっている。今週も下げる可能性がないとは言えないが、勢いとしてはほぼ底値圏に達したのではないか。仮に底値が確認されれば、株価はこの壁を乗り越えることになるだろう。

今週は13日に、11月の国際収支と12月の景気ウォッチャー調査。15日に、12月の企業物価と11月の機械受注。16日に、11月の第3次産業活動指数。アメリカでは14日に、12月の小売り売上高。15日に、12月の生産者物価。16日に、12月の消費者物価と工業生産、1月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が13日に、12月の貿易統計を発表する。


      ≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ

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市場も迷った雇用統計 / アメリカ
2015-01-14-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ どこを見ればいいのか = 米労働省が9日発表した昨年12月の雇用統計をめぐって、市場の受け取り方が混乱している。発表の内容をみると、最も注目される非農業部門の雇用者増加数は25万2000人だった。増加数が20万人を超えれば順調だと評価されるから、この成績はすこぶるいい。また失業率も5.6%で、前月より0.2ポイント低下した。ところが、この発表を受けてダウ平均株価は大きく下落した。

昨年を通じて、非農業雇用者数は295万人も増加した。失業率は年間で1.1ポイント低下している。予想を大幅に上回る好成績だった。このためFRBによる金利の引き上げ時期が早まるのではないか。こうした警戒心が生じて株価が下落するというのが、これまでの市場行動だったと言えるだろう。だが今回の理由は全く違っていた。

市場は発表のなかにあった賃金の減少に、ショックを受けたのだという。12月の労働時間は週平均34.6時間で、前月と全く変わっていない。しかし平均時給は24.57ドルで、前月より5セント減少した。労働省は発表のなかで「前月は6セントの増加だった」とだけ述べ、年末の賃金がなぜ減少したかについては説明していない。

FRBのイエレン議長はしばしば「利上げに際しては、雇用者数や失業率だけでなく、その他の数字も参考にする」と説明。具体的に長期失業者数や賃金動向を挙げている。だから市場が賃金に注目したことは、意外ではない。しかし賃金が下がれば、利上げは遠のくはず。それを景気減速の兆しとみたのかどうか。売り材料と考えた市場の受け取り方には、なんとも理解しにくい点が多い。


      ≪13日の日経平均 = 下げ -110.02円≫

      ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ

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財政と金融の不調和 / ユーロ圏 (上)
2015-01-15-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 量的緩和に踏み切れるのか = ヨーロッパが苦境に陥っている。EU統計局の発表によると、ユーロ圏の昨年12月の消費者物価は前年比0.2%の低下となった。原油価格の下落によるところが大きいが、物価がマイナスになったのは5年2か月ぶり。それだけ景気の状態が悪化していることを示している。11月の失業率は11.5%と、相変わらずの高水準だった。

そこでECB(ヨーロッパ中央銀行)がいよいよ金融の量的緩和に踏み切るのではないか、という推測が急速に高まっている。ECBは昨年から量的緩和の導入を検討しており、ドラギ総裁は12月の理事会で1兆ユーロ(約140兆円)の緩和を主張したという。ところがドイツやオランダなどが強硬に反対、理事会の結論は宙に浮いたまま年を越した。

ドイツやオランダは「量的緩和は効果がない。それよりも財政再建に努力した方が各国経済の将来にはプラス」と主張する。だがギリシャをはじめイタリアやフランスなどでは、国民の緊縮疲れが目立ち始めた。財政再建よりも量的金融緩和でおカネの流通を増やしてほしいというのが、切実な要望となっている。

ここまでくると、これはドイツなど北ヨーロッパ諸国と、ドラギ総裁の出身国であるイタリアなど南ヨーロッパ諸国との哲学的な違い。だがユーロ圏の経済が悪化してきた事実を踏まえると、哲学論争ばかりしているわけにもいかない。ドラギ総裁は「全会一致でなくても決定したい」と、強い決意で22日の理事会に臨む覚悟を表明している。はたしてECB理事会は、量的緩和の実施を決められるのだろうか。

                                 (続きは明日)


      ≪14日の日経平均 = 下げ -291.75円≫

      ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ

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財政と金融の不調和 / ユーロ圏 (下)
2015-01-16-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 難問の国債買い入れ = 仮に22日のECB理事会で量的緩和の方針が決まったとしても、実際の方法論はきわめてむずかしい。金融の量的緩和はアメリカや日本の例をみても判るように、中央銀行が市場を通じて金融機関が保有する国債などを買い入れる。これによって市中に大量のおカネを放出し、景気をよくしようとする政策だ。ところがユーロ圏の場合は、アメリカや日本では考えられない大問題が発生する。

ユーロ圏は、ことしからリトアニアが加わって19か国になった。言うまでもなく、共通通貨のユーロを使っている。通貨が共通なために、金融政策も一元化された。そこで中央銀行としてのECBが設立され、金利操作などの重要な金融政策を決定している。その一方で加盟国はそれぞれ勝手に予算を組み、独自の国債を発行している。つまり通貨と金融は一元化されたが、財政は一本化されていない。

加盟各国の経済・財政状態は、当然ながらみな違う。たとえば、ドイツとギリシャの差を考えてみれば一目瞭然だ。国債の利回りも大きく違っている。こうした状況で、ECBはいったいどの国の国債を買ったらいいのか。仮にECBに対する出資比率を尊重すれば、ドイツが18%、ギリシャは2%にすぎない。おカネを必要としないドイツにおカネが回り、必要とするギリシャには回らない。

そのギリシャでは25日に総選挙が行われ、反EU・反緊縮の野党連合が勝ちそうな雲行き。ギリシャのEU離脱論さえ横行している。そんなギリシャの国債をECBは買えるのか。議論は複雑で果てしない。どうも加盟国の大半が納得できるような妙案は見つからないのではないか。ヨーロッパの苦境は、延々と続きそうだ。


      ≪15日の日経平均 = 上げ +312.74円≫

      ≪16日の日経平均は? 予想 = 下げ

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サタデー自習室 -- 人手不足の検証 ⑥
2015-01-17-Sat  CATEGORY: 政治・経済
建設業医療・福祉業の違い = 「求人倍率」統計では、業種別の新規求人数も発表している。昨年11月の新規求人数は、全国のハローワークを合計すると75万8000人だった。このうち業種別にみて求人数が多いのは、医療・福祉業で16万1000人。次いで卸・小売業が11万6000人、製造業が7万3000人となっている。ひところ人手不足が騒がれた建設業は5万7000人の求人数だった。

もちろん業種によって雇用者数の大きさが異なるから、この数字で人手不足度を比べるわけにはいかない。そこで前年同月との比較をみると、増加しているのは宿泊・飲食サービス業が5.9%の増加。医療・福祉業が4.9%の増加などとなっている。一方、建設業は12.3%の減少、製造業も4.4%の減少だった。ここから建設業や製造業の人手不足は1年前に比べると緩和気味。宿泊・飲食サービス業や医療・福祉業では、不足度が強まっていることが判る。

たとえば建設業の前年比を追ってみると、昨年1月の12.9%増が最大。8月からは減少に転じている。また製造業は昨年4月の23.2%増がピーク、11月になって初めて減少を記録した。その半面、医療・福祉業は9月の16.4%増が最大。この1年間を通じて常に増加している。建設業や製造業とは、明らかにパターンが違う。

建設業や製造業は、景気の動向に影響を受けやすい。消費増税の副作用が予想以上に長引いたために、人手不足の度合いが少しずつ軽減されてきたように思われる。その一方で、医療・福祉業はあまり景気の影響を受けない。高齢化の進展で利用者が増加する傾向にある半面、介護職員などが慢性的に不足の状態にあることから、人手不足度は緩和されないのだろう。

                              (続きは来週サタデ―)


      ≪16日の日経平均 = 下げ ー244.54円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝0敗】

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2015-01-18-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第2章 おカネって、なんだろう? ⑦

◇ “紙切れ”でモノが買える理由 = みなさんがいま使っているおカネには、どんな種類があるでしょうか。まず、お札と呼ばれる紙幣でよく使われているものには、1万円札、5000円札、2000円札、1000円札など。またコインでは500円玉、100円玉、50円玉、10円玉、5円玉、それにアルミ製の1円玉が使われていますね。

では1万円札を使うと、どうして食料や衣類などの品物を買えるのでしょうか。むかしの大判や小判ならば、それ自体が金でできていましたから、それだけの価値があります。ところが1万円札は小さな紙切れにすぎません。そのもの自体には、ほとんど価値がないのです。

それでも商品を買えるのは、政府が「この1万円札を持って行けば、どこでも1万円分のモノが買えます」と保証しているからです。これを経済の用語では「信用」と言います。みんながおカネの持つふしぎな力を信用しないと、いまの貨幣経済は成り立ちません。ときどき悪い人がいて、ニセ札を造って使います。こんなニセ札が出回ってしまうと、本物のお札まで信用を失うかもしれません。ですから本物のお札には、普通の印刷ではマネができないように、いろいろ工夫がされています。

もしも、この世の中におカネというものがなかったら? たとえば、お店に行ってタマゴを買うのに、お皿や洋服を持って行って取り替えるしかありませんね。でも洋服とタマゴいくつを取り替えたらいいのでしょう。ひとりのお客さんだけで、何時間もかかってしまうかもしれません。とても商売なんかできません。みなさんも、おカネがなかったらどんなことが起きるか。いろいろ考えてみてください。

                                 (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2015-01-19-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ ヨーロッパに注目 = 2つの重要なイベントが目前に迫っている。まず22日のECB(ヨーロッパ中央銀行)理事会。ここで金融の量的緩和政策に踏み切るかどうか。続いて25日のギリシャ総選挙。野党の急進左派連合が第1党の座を獲得したとき、「緊縮政策は止める」と宣言するかどうか。ECB理事会が結論を出せなかった場合、ギリシャが反EUを強く打ち出した場合、市場には衝撃が走るだろう。

原油の国際価格は先週、1バレル=50ドルを一時的に回復した。これを受けて株価は反騰したが、そこへ思わぬ事件が発生した。スイスが突如として為替の介入を停止。このためユーロが下落し、ドルと円が急騰した。この結果、株価は再び反落。ダウ平均は週間226ドルの値下がり。日経平均も334円の下げで終わった。

需給関係からみて、原油価格が大きく反騰する気配はない。だが原油市場には、現状を底値とみた買い物も入り始めたようである。したがって大きく低落する可能性も小さくなったのではないか。このことは株価にとっても好材料だが、やはりECBとギリシャに対するリスク懸念の方が大きい。今週はとにかくヨーロッパに注目するしかない。

今週は19日に、12月の消費動向調査。21日に、11月の全産業活動指数。アメリカでは20日に、1月のNAHB住宅市場指数。21日に、12月の住宅着工戸数。23日に、12月の中古住宅販売とコンファレンス・ボード景気先行指数。中国では20日に、10-12月期のGDP速報、12月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資。23日に、1月のHSBC製造業PMIが発表される。


      ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ

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予算案を 斜めから見ると
2015-01-20-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 常態化した補正予算 = 15年度予算案が14日の閣議で決定した。年末に総選挙を実施した関係で、編成作業が越年。通常国会に提出されるが、成立は4月にずれ込むかもしれない。一般会計の総額は96兆3420億円で、過去最大の規模となった。14年度の当初予算に比べて4596億円、率にして0.5%の増加である。

新聞もテレビもみな、このように報道した。それが間違っているとか、悪いとか言うつもりはない。だが目線をちょっと変えて、補正予算を組み込んで考えてみよう。政府は消費増税後の景気停滞が長引いたため、1月9日の閣議で総額3兆1180億円の14年度補正予算を決定。これも通常国会に提出する。早期成立を図るが、実際におカネが支出されるのは3月以降になるだろう。

近年は年度末近くになって、補正予算を組むことが多い。必要があって組むわけだが、本予算を小さく見せるために“前倒し”している部分もありそうだ。たとえば厚生労働省は15年度予算に水道の耐震化事業費として658億円を要求していたが、財務省はそのうちの250億円を14年度補正予算で認めてしまった。

15年度予算案と14年度補正予算案の一般会計総額を合算すると99兆4600億円になる。同様に政府は13年度にも補正予算5兆4654億円を年末ぎりぎりに組んでいるから、これを14年度予算と合算すると、総額は101兆3477億円。したがって今回の総予算額は前回より1兆8877億円少ないことになる。だから過去最大の規模でもなくなる。この結果を財政再建の小さな一歩とみるか、それとも景気浮揚効果の縮小とみるか。


      ≪19日の日経平均 = 上げ +150.13円≫

      ≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ

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本末転倒の エネルギー計画
2015-01-21-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 原発はいくつ動かすのか = エネルギーの供給源をどんな比率にするか。その最も好ましい比率をベスト・バランスという。経済産業省は2030年のベスト・バランスを原発、再生エネルギーともに20%ずつと考え、有識者会議で議論したのち夏までには決定する方針。--読売新聞が17日付けの朝刊1面(東京版)で特報した。

政府部内では「原発を減らしすぎると、電力供給に支障が出る。世論を考慮すると、再生エネルギー以上の活用はむずかしい」という意見が強く、結果として原発、再生エネルギーの比率が20%ずつになった。また「原発の稼働目標がないと、温室効果ガスの削減目標も立てられない」から、30年のベスト・バランスを策定することにした。--読売新聞はこう解説している。

この経産省の考え方は、納得できないこともない。しかし、その方法論は完全に間違っている。いま原子力規制委員会は、九州電力の川内原発1-2号機と関西電力の高浜原発3-4号機に、やっと“合格証”を出したところ。残りの44基については、まだ何も決まっていない。そんなところへ、政府が「原発20%」の目標を掲げていいものだろうか。

原発再稼働の遅れは、日本経済に甚大な損失をもたらしているのは事実。だから5人しかいない規制委員会のメンバーを増強して再稼働と廃炉の種分けを促進するのが、経産省のやるべき仕事だろう。そこに目をつむって政府が稼働目標を設定するのは、全くの安全軽視と言われても仕方がない。本末転倒の政策ではないか。読売新聞も特報するだけでなく、その点を追及してほしかった。


      ≪20日の日経平均 = 上げ +352.01円≫

      ≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ

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緩やかに減速中 / 中国経済
2015-01-22-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 経済規模は日本の2.5倍に = 中国統計局は20日、14年のGDP速報を発表した。それによると、14年のGDPは63兆6463億元。実質成長率は7.4%だった。この伸び率は13年を0.3ポイント下回っている。特に14年7-12月期は成長率が7.3%に下がっており、中国経済の緩やかな減速が明白になった。住宅不況で関連する投資や生産が伸び悩み、成長率低下の主たる原因となっている。

主要な経済指標をみても、伸び率は軒並み鈍化した。たとえば14年の鉱工業生産は8.3%の増加で、前年の伸びを1.4ポイント下回った。小売り売上高は12.0%増加だったが、前年より1.1ポイントの減速。問題の不動産投資額は10.5%の増加で、前年に比べると9.3ポイントも鈍化した。

中国の不動産不況には、まだ収束の気配がみえない。このため、14年の成長率は7%を割り込むという見方も強まっている。こうした中国経済の低迷は世界経済全体にも悪影響を及ぼす。一般的には警戒感を持って見守られているようだ。だが長期的な観点に立って考えると、中国経済の減速は歓迎されていいのではないだろうか。

中国の14年のGDPを円換算すると、約1200兆円になる。これは日本のGDPの2.5倍に近い。この中国が仮に7%成長を続けると、ほぼ10年でGDPは2倍に膨れ上がる。エネルギーや原材料、食料に対する需要が肥大化し、空気や水の汚染も進行するだろう。中国経済の急激な鈍化は別の問題を惹き起こすから、起こらない方がいい。しかし現在のような緩やかな鈍化は、むしろ歓迎すべきことだと考えることもできる。


      ≪21日の日経平均 = 下げ -85.82円≫

      ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ

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「1人当たり815万円の借金」の意味
2015-01-23-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 国と地方の借金は1035兆円に = 財務省の推計によると、国と地方を合計した長期債務は、来年3月末には1035兆円に達する見込みだ。内訳は国が837兆円、地方が199兆円。国民1人当たりにすると、約815万円の“借金”だという。なるほど「大変だなあ」とは思うけれど、もう1つピンとこない。慣れっこになってしまったのだろうか。

たとえば国の借金の大部分は国債。財務省によると、来年3月末の累積残高は807兆円になるという。国債というのは、いわば国の“借用証”だ。だから、いずれ償還という形で返さなければならない。また利子も支払う必要がある。これらの借金返済や利払いは、すべて国庫が税金で支払う。したがって国債発行残高が増えることは、現在の人間が子孫にそのツケを回すことに他ならない。政府も学校の先生も、このように教えてきた。

ところが近年は、日銀が国債を大量に買っている。長期国債だけで保有額は200兆円を突破、15年末には280兆円に達する見込みだ。これらの国債が償還期限を迎えると、財務省は日銀に買戻しのカネを支払う。だが、そのとき新しい国債を発行し日銀が買い入れれば、税金は使わなくて済むだろう。また利子も日銀に入るが、日銀は儲けたカネを国庫に納入するから、国庫のハラは痛まない。

最近のこうした状況を考えると、国債の発行増は“子孫へのツケ回し”という感じがしなくなってくる。したがって「国民1人当たり○○万円」といったキャッチフレーズにも、あまり感動しなくなった。もちろん、政府や学校の先生は「そういう考え方は危険だ」と言うにちがいない。でも危険なのは、いまの国庫と日銀の関係の方ではないのかなあ。


      ≪22日の日経平均 = 上げ +48.54円≫

      ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 人手不足の検証 ⑦
2015-01-24-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 建設業は長期的に不足 = 国土交通省はこの2月から、公共事業で支払う労務費を引き上げることになった。全国平均で4.2%引き上げるが、特に東北の被災3県や技能工の賃金は大幅に引き上げる方針。建設業の人手不足は昨年春をピークにやや緩和してきたが、この政府の決定はまだまだ不足の状態が続いていることを物語っている。

建設業の労働力需給は、11年3月の東日本大震災を境に過剰から不足へと一変した。復興需要、景気回復、増税前の駆け込み住宅建築、オリンピック、耐震工事、都市再開発などが重なったためである。特に左官、鉄筋工、とび職、型枠工などの技能工がいちじるしく不足した。

バブル崩壊後の不況で、建設需要は大きく落ち込んだ。国交省によると、建設投資額はピークだった92年度の84兆円から10年度には42兆円へと半減している。このため建設業の就業者も、97年の685万人から13年には499万人にまで減少した。そこへ需要の急増が起きたから、人手不足に陥ったのは当然だ。

人数が足りなくなっただけではない。リーマン後のリストラで若年層の参入が激減したため、業界では技術の継承にネックが生じてしまった。技能工や現場監督の経験不足から、建築ミスや現場での火災事故も目立つようになっている。3Kと言われる厳しい労働条件のため、今後も若い人の参入は多くを望めない。現役の人たちの高齢化も進む。建設業の人手不足は景気動向に左右されやすいが、長期的にみれば不足の状態が続きそうだ。

                               (続きは来週サタデー)


      ≪23日の日経平均 = 上げ +182.73円≫

      【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2015-01-25-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第2章 おカネって、なんだろう? ⑧

◇ 見えないおカネも登場 = いまは見えないおカネも使われています。たとえばAさんがBさんにおカネを支払うとき、Aさんは銀行の振り込み機を使っておカネを送ってしまいます。こうすると、Aさんが銀行に預けてあるおカネがその分だけ減って、Bさんの銀行預金がその分だけ増えるのです。

また、みなさんはクレジットカードやスイカを知っていますね。おカネを持っていなくても、商品が買えたり、食事ができたり、電車に乗れたり。とても便利でしょう。クレジットカードは使った人の銀行預金から使った金額が引き出されて、それがお店に払い込まれます。スイカやパスモは最初におカネを出して買っておき、電車に乗るたびに乗車賃が引かれる仕組みです。

振り込みやカードを使った支払いでは、紙幣もコインも使われません。だれの目にも見えないところで、コンピューターが仕事をしてくれているのです。カードにはICチップと呼ばれる記録装置が入っていて、ちゃんと計算しています。小さなコンピューターと言ってもいいでしょう。

こうした目に見えないおカネのことを、電子マネーと呼んでいます。電子マネーはどんどん広がっていて、最近は携帯電話がクレジットカードやスイカの働きをするようにもなりました。とても便利ですが、携帯電話=お財布なのですから、うっかりなくすと大変。みなさんも気をつけましょうね。

                                 (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2015-01-26-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ ギリシャの姿勢に注目 = ダウ平均は先週、連騰のあと最後に反落した。高値警戒感も出たが、ギリシャの総選挙を前に調整した形。週間では161ドルの値上がりだった。連騰の背景には、原油価格の底入れ感が強まったこと。それにECB(ヨーロッパ中央銀行)が、予想を上回る内容の量的金融緩和に踏み切ったことがあった。ギリシャの総選挙で野党の急進左派連合が勝利することは織り込み済みだが、EUに対する姿勢がまだ判然としない。

急進左派連合は選挙中、緊縮政策に反対。EUとの協定を破棄することを公約に掲げてきた。これに対しEUは「緊縮政策の遂行を条件に、ギリシャ国債の買い入れを実行する」と対応している。ここでギリシャ新政権が態度を軟化させるのか。それとも選挙公約通り、EUに反旗を翻すのか。もし後者ならば“ギリシャ危機”が再燃する危険性はきわめて大きくなるだろう。

日経平均は先週648円の値上がり。こちらも原油の下げ止まり感と、ECBの決定に支えられた。特にユーロ圏の金融緩和はドル高・円安につながり、株高の要因となっている。しかし今週は、やはりギリシャの動向を警戒せざるをえない。そのギリシャでは連立工作などで、新政権の発足に手間取るかもしれない。とすると、この問題の見極めには時間がかかることになる。

今週は26日に、12月の貿易統計。29日に、12月の商業販売統計。30日に、12月の鉱工業生産、労働力調査、家計調査、消費者物価、住宅着工戸数。アメリカでは27日に、11月のSPケース・シラー住宅価格、12月の新築住宅販売、1月の消費者信頼感指数。29日に、12月の中古住宅販売。30日に、10-12月期のGDP速報。またEUが30日に、12月の雇用統計を発表する。


      ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ

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原油安・ECB・ギリシャの読み方 (上)
2015-01-27-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 原油の底値は確認できた = ニューヨーク商品市場のWTI原油相場は、昨年7月の1バレル=100ドル台から暴落。ことしに入って45ドル台にまで約6割も下落した。ただ、この2週間ほどは45-50ドルの間を上下している。このため原油の国際価格は下げ止まったのではないか、という見方が強まってきた。ただし世界的な原油の供給過剰状態は、依然として続いている。

IEA(国際エネルギー機関)の予測によると、15年の世界需要は日量9340万バレル、供給は9480万バレル。1日当たりで140万バレルの供給過剰である。しかし今後は、価格の低下に刺激されて新興国の需要が増える。またアメリカのシェール生産量が頭打ちになるとみられることから、15年後半には需給が改善する見通しだという。減産を拒否して原油価格の下落に拍車をかけたOPEC(石油輸出国機構)も、供給過剰のピークは1-3月だと予測した。

こうした状況から判断すると、原油価格が大きく反騰する可能性は小さい。しかし仮に価格が40ドルを割り込むようなことがあると、先高を見込んだ投機マネーが市場に復帰してくる可能性は大きい。したがって原油価格は45ドル前後で底入れしたのではないか。底入れが確認されれば、原油安のデメリットが拡大することはなくなる。代わって原油安のメリットが、しだいに世の中に浸透してくる。

原油安のデメリットは、すぐに現われやすい。たとえばアメリカの中小シェール企業の倒産、新興国からの資金引き揚げなど。一方、メリットが出るまでには時間がかかる。たとえば電気料金はまだ下がらない。家計のエネルギー負担が軽減しても、その分が新たな消費に回るまでには何か月もかかる。しかし原油価格が底入れすれば、その後はデメリットが後退し、メリットが表に現われる。株式市場にとっても、好材料であることは明らかだ。

                            (続きは明日) 


      ≪26日の日経平均 = 下げ -43.23円≫

      ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ

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原油安・ECB・ギリシャの読み方 (中)
2015-01-28-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 欠陥の多い金融緩和策 = ECB(ヨーロッパ中央銀行)は先週22日の理事会で、量的金融緩和に踏み切ることを決定した。3月から来年9月まで、各国の中央銀行を通じて毎月600億ユーロ(約8兆円)の国債などを市場から買い入れる。この方式はアメリカや日本の政策と全く同じ。ただ決定的に異なるのは、ユーロ圏の場合は加盟19か国がそれぞれ独自の国債を発行していることだ。

したがって、どの国の国債をどれだけ買い入れるのか。世界が注目いていたが、結局はECBへの出資額に応じて購入するという常識的な線に落ち着いた。だが、ここに大問題が内在する。ECBに対する出資比率をみると、最大はドイツの18%。フランスは14%、イタリアは12.3%。その一方でスペインは8.8%、ギリシャはわずか2%しかない。

要するに、金繰りには全く困っていないドイツへの資金放出が最大になってしまう。その半面、資金不足に悩む南ヨーロッパ諸国が受ける恩恵は相対的に少ない。こうした欠陥があるため、ユーロ圏の量的金融緩和はアメリカや日本ほどの効果を期待できないだろう。サマーズ米元財務長官などは「効果はない」と言い切っている。

ただし、共通通貨であるユーロの為替相場は確実に下落する。すでにユーロの対米ドル相場は1ユーロ=1.14ドル台へ、11年ぶりの安値を記録した。対日本円でも、22日以降だけで6円も下落した。こうしたユーロ安は、ユーロ圏諸国の輸出を促進する。また南ヨーロッパ諸国の観光客誘致にもプラスとなるだろう。ECBの真の狙いは、そこにあるのかもしれない。

                              (続きは明日)


      ≪27日の日経平均 = 上げ +299.78円≫

      ≪28日の日経平均は?  予想 = 下げ

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原油安・ECB・ギリシャの読み方 (下)
2015-01-29-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 妥協の余地はあるのか = ギリシャの総選挙では、反緊縮の旗を掲げた急進左派連合が予想通り圧勝した。定数300の議会で149議席を獲得、13議席をとった「独立ギリシャ人」党と連立内閣を立ち上げる。独立ギリシャ人党は緊縮政策に反対して、与党だった新民主主義党を離脱したグループ。これでチプラス新首相が率いる新与党は、完全に反緊縮で固まった。

チプラス左派連合党首が選挙で公約したのは、緊縮政策の放棄とEU・IMFに対する債務返済条件の見直し。具体的には増税の撤回、解雇された公務員の復職、最低賃金の引き上げ、貧困層に対する電気の無料供給など。これまで2400億ユーロ(約32兆円)にのぼる金融支援の返済期限繰り延べ、金利の減免など。

これに対してEU側は、いまのところ全く譲歩する気配はない。特にドイツをはじめ北ヨーロッパ諸国の姿勢は強硬だ。ことしはスペインとポルトガルでも、総選挙が予定されている。もしギリシャに対して大幅な譲歩をすると、スペインやポルトガルでも全く同様な事態が起こりかねない。そうなったらEUの財政規律は完全に崩れてしまう。だから大幅な譲歩はできない。

EU・IMFのギリシャに対する金融支援は、この2月末でいったん期限を迎える。ここで次の支援策が決まらないと、ギリシャは5月ごろ資金が枯渇。またデフォルト(債務不履行)問題が発生する。そこまで行くと、こんどはギリシャのEU離脱論がまた高まるだろう。EUにとっては、それも困る。なんとか妥協する道はあるのだろうか。その困難な交渉を巡って、株式市場は一喜一憂を繰り返すことになりそうだ。


      ≪28日の日経平均 = 上げ +27.43円≫

      ≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ

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2000万人は達成できるか : 外国人観光客
2015-01-30-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ カギを握る円相場 = 観光局の集計によると、14年に訪日した外国人観光客は1341万人。前年に比べて29.4%増加した。円安の進行や化粧品・食料品に対する免税の拡大、さらには一部の国についての観光ビザ免除などが、増加の誘因になったとみられる。政府は15年に1500万人、オリンピックが開かれる20年には2000万人の観光客を誘致したいと考えている。

14年の統計で、最も多かったのは台湾からの観光客。283万人で前年より28.0%増加した。次いで韓国の276万人。中国の241万人などとなっている。特に中国からの観光客は83.3%も伸びた。温泉地やスキー場といった全国の観光地が、それぞれの特長を活かして積極的に誘致するようになったことも効果を挙げている。

観光客が旅行費用や買い物で落としたおカネは、2兆0305億円に達した。1人当たりの平均は15万円超。中国人は23万円を超えた。こうした観光収入はもちろん地元の活性化につながるが、国全体としてもバカにならない。14年の貿易統計をみると、輸出の総額は73兆円だった。そのうちの2兆円が、観光収入だったことになる。

政府が目標としている15年の1500万人は、おそらく達成されるだろう。だが20年の2000万人はどうだろう。政府もビザ免除の拡大や免税店の増設などに力を入れる。観光地もいっそうの誘致にチエを絞る。オリンピック効果も期待できる。だが5年先ということになると、予測できないこともある。たとえば円相場。5年後に円安の状態が続いているかどうかは、誰にも判らない。


      ≪29日の日経平均 = 下げ -189.51円≫

      ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ

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サタデー自習室 -- 人手不足の検証 ⑧
2015-01-31-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 介護職員は慢性的に不足 = 厚生労働省の推計によると、高齢化の進展によって25年度には250万人の介護職員が必要になる。ところが各都道府県が推定する増加数を積み上げたところ、25年度の職員数は220万人だった。30万人の不足である。職員の数も増えてはいるが、高齢化による要介護者の増加に追いつかない。政府の対応もその場しのぎで、計画性に乏しい。

介護保険制度が始まったのは00年。その時点で要介護者数は218万人だった。それが12年には533万人、25年には657万人に増加すると推計されている。一方、介護職員の方は00年で55万人。それが12年には169万人に増えた。このなかには国家資格の介護福祉士が110万人もいる。しかし、その半数が実際に働いていない。いちばん大きな理由は、辛い労働の割りに賃金が安いからだという。

厚労省の調査によると、介護職員の平均賃金はおよそ22万円。サラリーマン全体の平均より10万円も安い。このため年に2割の職員が辞めてしまう。この問題に対処するため、政府は15年度予算で介護職員の賃金を平均1万2000円引き上げることにした。しかし今後も賃上げを継続して行かなければ、一般サラリーマン並みの水準に追いつかない。ただし財源がないから、政府は来年以降のことなど考えていないのが実情である。

介護施設と言っても、大企業が経営する大規模な養護施設から、個人が自宅で行うデー・サービスまでいろいろある。地域によっても必要な経費の差は大きい。それを一括して管理しようとする現在の制度は、もう限界にきている。抜本的な見直しが必要だろう。それと同時に介護福祉士の資格制度も改め、経験と技術の習得によって賃金が上がる仕組みを導入すべきだろう。思い切った改革がないと、介護職員の人手不足は永久に続く。

                               (続きは来週サタデー)


      ≪30日の日経平均 = 上げ +68.17円≫
      
      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】

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