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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
国民投票で決まる EU離脱 / ギリシャ
2015-07-01-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ どちらに傾くか、有権者の感情 = EU・IMFが突き付けた厳しい緊縮政策を受け入れるかどうか。ギリシャは5日の日曜日に国民投票を実施、この問題について有権者の賛否を問う。直近の世論調査では、受け入れに賛成の方が多い。だが実際に銀行が閉鎖されるなど事態が切迫したいま、国民が「この事態は困る」と考えるのか。それとも「EUに憎しみを持つ」のか。結果は感情に左右されやすく、予測は不可能だ。

仮に国民投票で「受け入れ」が過半数に達した場合、チプラス首相は退陣することになる。そのとき解散・総選挙の道が選ばれると、混迷の期間は長引いてしまう。デフォルトによる債務の不履行額が膨らむほか、年金や公務員の給与も支払えなくなるだろう。こうした事態を避けるために、緊縮賛成を主張する政党が連立内閣をすぐに作れるかどうか。作れれば、EU側は新たな支援策を作成し、ギリシャのデフォルトは一時的なショックで済む可能性が出てくる。

逆に国民投票で「緊縮反対」が勝利すると、チプラス政権は存続する。しかしEU側は支援を停止するから、デフォルトは長期にわたるだろう。また年金や公務員の給与を支払うため、ギリシャは独自の通貨であるドラクマを発行せざるをえなくなる。このことはギリシャがユーロ圏ではなくなることを意味し、同時にEUからも離脱することになる。

こうみてくると、7日の国民投票は「EUの緊縮政策を受け入れるかどうか」の問題ではないことが判る。その本質は「EUからの離脱」についての賛否を問うものだ。その結果しだいで、ギリシャは1981年に加盟したEUとたもとを分かつことになる。ギリシャのGDPは1830億ユーロ、EU全体の1.3%程度にすぎない。だから離脱の経済的な影響は小さい。しかしEUがこの小国を守り切れなかったことの衝撃は、決して小さくはない。

      ≪30日の日経平均 = 上げ +125.78円≫

      ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ


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強さを増してきた 日本経済 (上)
2015-07-02-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 動き出した設備投資 = 日銀は1日、企業短期経済観測調査の6月分を発表した。それによると、大企業・製造業の業況判断指数はプラス15で、前回3月調査より3ポイント上昇した。この指数が上昇したのは3四半期ぶり。また大企業・非製造業の判断指数はプラス23で、4ポイント上昇している。いずれも景気の回復が進行中であることを示すものだ。

3か月後の状況を予測した先行き判断指数は、大企業・製造業がプラス16。大企業・非製造業はプラス21。製造業は今回調査より1ポイント上昇するが、非製造業は2ポイント低下する。この非製造業の低下について、日銀は「物価の上昇で需要がやや落ち込むことを懸念しているのではないか」と説明している。

今回の調査で特筆すべきことは、企業の設備投資意欲がはっきりと高まった点。大企業・製造業は14年度の実績が5.6%増だったのに対して、15年度の計画は18.7%増へと大きく伸びた。これは企業の業績が好調なことを反映している。大企業・製造業の純利益は14年度が9.6%増。15年度は上期が1.4%増にとどまるものの、下期は16.6%の増益が見込まれている。

この調査は6月中に行われたから、ギリシャのデフォルト(債務不履行)はあまり影響していない。しかし仮にギリシャのEU離脱が現実のものになっても、こうした日本企業の経営にはほとんど影響しないだろう。ギリシャのデフォルトが確実になったとき、世界の株価は一斉に大きく下げた。だが東京市場がいち早く反発して、欧米の株価にも好影響を及ぼした。日本経済が強みを増したことの、1つの証拠だと言っていいだろう。

                               (続きは明日)

      ≪1日の日経平均 = 上げ +93.59円≫

      ≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ


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強さを増してきた 日本経済 (下)
2015-07-03-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 次の大波は中国発? = 総務省が発表した5月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は28万6433円で、前年同月より4.8%増加した。消費増税を前に駆け込みのあった昨年3月以来の増加である。13年5月に比べても1.4%増えた。個人消費もようやく頭をもたげ始めたように思われる。企業の設備投資に続いて個人消費も上向けば、景気の回復がいっそう確かな足取りとなることは間違いない。

雇用情勢の改善も続いている。5月の統計をみると、求人倍率は1.19倍。23年ぶりの高さになっている。景気の回復で人手不足が深刻化してきたためだ。完全失業者も前年より18万人減った。物価や地価も上がり始めている。5月の消費者物価は生鮮食品を除く総合指数で前年比0.1%上昇したが、この上昇は24か月ぶりのことだ。

こうした状況のなかで最も注目されるのは、やはり実質賃金が適切な増え方をするかどうかだろう。5月の実質賃金指数は、前年比0.1%の減少だった。これで24か月連続のマイナスである。物価の上昇を上回る形で賃上げやボーナスの支給が実施されないと、実質賃金はプラスにならない。プラスにならなければ、せっかく上向き始めた個人消費もしぼんでしまう。

いまの日本経済が“好循環”の軌道に乗ろうとしていることは確かだ。この勢いがあったために、ギリシャ発の大波も無事に乗り越えられたと言えるだろう。次に予想される海外からの大波は、アメリカの金利引き上げと中国のバブル崩壊。時間的には中国発の大波が先にやってきそうだ。そこでまた、日本経済の強さが試されることになる。

      ≪2日の日経平均 = 上げ +193.18円≫

      ≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 破綻した 太陽光政策 ⑭
2015-07-04-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 最大の問題は発電コスト = 来年4月の完全自由化を見据えて、名乗りをあげた「新電力」はすでに160社を超えた。だが、これらの「新電力」は何を電源にするのだろう。経産省に提出された計画書をみると、圧倒的に多いのが太陽光発電。次に石炭火力となっている。これで「旧電力」との料金競争に勝てるのだろうか。

経産省が作成した「30年に想定される電源別の発電コスト」をみても判るように、太陽光発電のコストはきわめて高い。1㌔㍗時あたりの発電コストは原発の10.1円、LNG火力の13.7円に対して、太陽光は24.3円もする。またLNG火力発電所などは建設費が高く、すでに稼働している発電所とはコスト的に太刀討ちできない。そこで小型の石炭発電所ということになるが、これには排出ガスに対する規制がない。

電力の自由化についても、前例がある。イギリスは90年に国営だった電力会社を分割民営化。99年に完全自由化した。またドイツも98年に完全自由化、現在は電力会社が1000社を超えている。ところが両国ともに料金は上昇。家庭向け料金はイギリスで2倍、ドイツでは2.5倍に上がっているという。

多くの「新電力」が、自分が得意としている分野とのセット販売を考えている。たとえば電話やインターネット、ガスや住宅などなど。こうすることによって、電力料金そのものの値段は不明瞭になりやすい。セット料金全体で、ほんとうに得をするのかどうか。消費者の側も、識別する能力が要求されそうだ。

                              (続きは来週サタデー)

      ≪3日の日経平均 = 上げ +17.29円≫

      【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2015-07-05-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第5章 市場って、なんだろう? ⑤

◇ 5649万円の鮪 = みなさんも鮪(まぐろ)のおサシミやおすし、大好きでしょう。鮪は日本人の大好物。近くの海でも獲れますが、大部分は遠くの海で釣り上げられ、船のなかで冷凍にされて港に運ばれてきます。

その鮪は冷凍トラックで、各地の市場に届けられます。たとえば東京の築地市場。朝暗いうちから、番号を付けられた鮪が300本も並べられます。買い手は魚屋さん、料理屋さん、すしやさん、町の市場やスーパーの人などです。並べられた鮪をよく見て、どれを買おうか考えます。

あさ5時半、競り(せり)が始まります。売り手が1番の鮪を指して「300万円」と言うと、買い手から「310万」「320万」という声がかかり、いちばん高い値段を言った人に売られます。鮪と言っても種類がたくさんあり、大きさや味も違うので、高いものから安いものまで値段はさまざまです。築地市場では、これまで12年に付けた1本=5649万円が最高記録でした。

こうして2時間ほどの競りで、全部が売れてしまいます。買った人は朝のうちに自分のお店に持って帰り、おサシミにしたり、おすしを握ったりして売るのです。こんどは近所のおかあさんやお姉さんがやってきて、品物をよく見て買って帰ります。 

                   (続きは来週日曜日) 


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今週のポイント
2015-07-06-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 緊縮反対を選んだギリシャ国民 = ギリシャの国民投票は先ほど終了し、有権者はEU・IMFが求める厳しい緊縮政策を受け入れない道を選択した。チプラス首相は勝利宣言し、この結果をもとにEU・IMF側と再交渉に入る姿勢。だがEU・IMF側が、支援の条件を緩和する可能性はほとんどない。ギリシャの将来はいっそう不透明さと困難性を増したと言えるだろう。

ギリシャ政府とEU・IMFとの交渉が最終的に決裂したため、先週29日の株価は急落した。日経平均は596円、ダウ平均も350ドル下げている。だが日経平均はあとの4日間に反発、週間では167円の値下がりにとどまった。ダウ平均は週間217ドルの値下がり。国民投票で「緊縮受け入れ」派が優勢との予測にも支えられたが、ギリシャ問題については長期にわたって緊張が続いたために、市場が慣らされてしまった側面も見逃せない。

したがって市場にとって国民投票の結果が予想外だったとしても、世界の株価が大暴落するような危険性は小さいと思われる。むしろギリシャ問題は、小休止の状態に入るのではないか。その一方で登場してくるのが、上海市場のバブル崩壊である。中国政府の懸命な対策で、株価の値下がりがいつ止まるか。今週はギリシャとともに、中国にも目を向ける必要がありそうだ。

今週は6日に、5月の景気動向指数。8日に、5月の国際収支と6月の景気ウォッチャー調査。9日に、5月の機械受注。10日に、6月の企業物価と消費動向調査。アメリカでは6日に、6月のISM非製造業景況指数。7日に、5月の貿易統計。また中国では9日に、6月の消費者物価と生産者物価が発表される。

      ≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ


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EUの構造的な欠陥 : ギリシャ問題 (上)
2015-07-07-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 偽装的な合意もありうる = ギリシャの国民投票は、緊縮反対派が予想以上の大差で圧勝した。国民の多くは経済的な困窮に耐えられず、銀行の閉鎖さえもEUの圧力によるものと受け取ったに違いない。ギリシャ経済を再建する方法論よりも、感情論が勝ったと言えるだろう。これでチプラス首相は強気で交渉に臨むだろうが、だからといってEU側も大きく譲歩するわけにはいかない。

ここで大きく譲歩すれば、同様の事態がポルトガルやスペインでも発生する恐れが生じる。しかし問題をこじらせれば、ロシアや中国がギリシャに手を差し伸べる機会を与えることになるかもしれない。したがって、ここは何とか状況を打開するために、若干の譲歩は見せるのではないか。チプラス政権はこの新提案を受諾し、早急に金融支援が再開される。

だが、この合意は見せかけのもので、チプラス政権は緊縮政策を完全には実行しない。EU側もある程度は承知のうえだ。しかし形式的には、ギリシャ問題は解決したようにみえる。そんな偽装的合意でもなければ、問題は解決しないだろう。けれども本質的には、問題は全く解決していない。数か月もたてば、再びギリシャとEUの間で対立が再燃するだろう。

このギリシャ問題は、EUという国家連合体の制度的な欠陥を浮き上がらせたと言える。EU28か国のうち、単一通貨ユーロを使用しているのはギリシャを含む19か国。通貨が統一されたため、ECB(ヨーロッパ中央銀行)が設立されて、ユーロ圏内では金融政策も一元化された。しかし財政政策は各国が独自に運用している。この金融と財政の不一致が、ギリシャ問題の根源的な原因となった。

                                 (続きは明日)

      ≪6日の日経平均 = 下げ -427.67円≫

      ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ


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EUの構造的な欠陥 : ギリシャ問題 (下)
2015-07-08-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 通貨・金融と財政・政治の不一致 = ギリシャがEUに加盟したのは1981年。それまでヨーロッパの小国だったギリシャは、比較的に高い金利を支払って国債を発行しなければならなかった。ところがユーロ圏に入ったため、低い金利のユーロ建て国債を発行できるようになる。歴代内閣はこのカネを使って、年金支給額を引き上げ、公務員を増員してきた。ここに大きな財政問題を抱え込む素地が生じたと言える。

仮にEUが通貨・金融だけでなく財政政策も共通化していたら、赤字に悩むギリシャに対しては補助金なり交付金を支給できただろう。しかし財政は一体化されていないから、EUはカネを貸すことしかできない。このためギリシャには金利負担が生じ、財政状態をいっそう悪化させることになった。さらに財政的には独立しているため、政府による“粉飾”事件さえ起こしてしまった。

もちろん財政の一体化をしなかったから、EUが悪いというわけではない。しかし今回のギリシャ問題が、EUの通貨・金融と財政の不一致という制度から生じたことは明らかだ。さらにギリシャの国民投票は、経済と政治の乖離という問題も表面化させたと言えるかもしれない。EU側としては、国民投票の実施やその結果については全く口出しできなかった。

財政や政治の分野まで統合することは、EUの究極的な理想だろう。だが、それには果てしない時間を要することも確かだ。それまでは現在の制度のもとで、いかに柔軟な対応策を講じて行くか。EUに突き付けられた新たな課題だと言える。と同時にギリシャの財政問題も、本当の解決までには長い時間がかかることを覚悟しておかねばならない。

      ≪7日の日経平均 = 上げ +264.47円≫

      ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ≫ 


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株価の急落は止まるのか / 中国 (上)
2015-07-09-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ バブルは崩壊した = 中国政府は先週末、大手証券会社の幹部を招集して「総額1200億元(2兆4000億円)を直ちに株式投資するよう」命令した。同時に新規の株式公開を停止する指示も出している。中国でなければありえない行政措置だが、このことは中国政府がいかに株価の暴落に神経を尖らしているかの証拠でもあるようだ。

ところが政府の異常ともいえる対策にもかかわらず、上海市場の株価は下げ続けた。総合指数はきのう8日の終り値で3507にまで下落。6月12日の高値5166から1か月もたたないうちに33%も下げたことになる。この間、中国政府と人民銀行は金利の引き下げなど、矢継ぎ早に対策を打ち出した。それでも株価の下落は止まらない。上海市場では8日、上場銘柄の約半数が取り引きを停止するという滅茶苦茶な状態に陥っている。

昨年6月、上海総合指数はまだ2000前後の水準にとどまっていた。そこから暴騰して5000を超え、1年間で2倍半に上昇した。しかし中国経済自体は、その間ずっと低迷したまま。その実体経済との乖離がバブル。そのバブルがいま崩壊した。市場関係者の間では、政府がさらなる対策を打ち出すという見方が強い。しかし長期的な流れとして、株価の下落が本当に止まるかどうかは予測できないという。

中国の株式人口は、およそ2億人。その8割近くが個人投資家である。そして信用取り引きが非常に多いことが大きな特徴だ。最近の信用取引残高は、上海と深圳市場を合わせると2兆元を超す。ニューヨークや東京よりもずっと多い。この信用取り引きが株価の上下変動を拡大する。上がりやすく下がりやすい株式市場なのだ。

                                (続きは明日)

      ≪8日の日経平均 = 下げ -638.95円≫

      ≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ


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株価の急落は止まるのか / 中国 (下)
2015-07-10-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ “爆買い”旅行客も減る? = 中国経済は10年をピークに減速している。実質成長率でみると、10年の10.4%から昨年は7.4%まで低下した。さらに本年1-3月期には年率7.0%に。その後も鈍化の傾向は続き、たとえば5月の鉱工業生産は前年比6.1%増。小売り売上高は10.1%増と、いずれも数年ぶりの低さを記録した。

こうした中国経済の不調は、過剰な設備投資と不動産バブルの後遺症だとみることができる。鉄鋼やセメントなど多くの製造部門で生産能力が過剰となり、いまでも製品の在庫水準は高い。また住宅は買いあさりの反動で、価格が下がり続けている。このため1-5月間の固定資産投資額は前年比11.4%増にとどまり、00年以来の低さとなった。輸出も伸び悩んでいる。

ここで株価の急落が続くと、個人消費に悪影響を及ぼす。そうなっては困るというわけで、政府は矢継ぎ早に対策を打ち出したが、明確な効果はまだ不明。ただ住宅価格には下げ止まりの感じも出てきた。70都市の住宅価格は5月になって前年比0.1%の上昇。13か月ぶりに上向いた。個人投資家が株式から不動産へ、資金を動かしたためという見方もある。

中国経済の不振が続くと、国民の不満が政府に向きかねない。また対外的には、東南アジア各国の中国向け輸出が減る。来日する中国人旅行客も減少するかもしれない。商品の国際価格も下落する。世界経済にも大きな影響があることは確かだ。中国政府は政策目標の7%成長を堅持するつもりだが、民間では4-6月期の成長率を6.8-6.9%とみる予測が圧倒的に多い。注目されるその成長率は、来週15日に発表される。

      ≪9日の日経平均 = 上げ +117.86円≫

      ≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 破綻した 太陽光政策 ⑮
2015-07-11-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 20年には発送電部門を分離 = 来年4月からは、家庭向けを含めた電力供給の完全自由化が実施される。この膨大な市場を目指して、すでに260社以上の「新電力」が名乗りをあげた。しかし、これらの「新電力」は送電線を持っていないから、電気を供給するためには東京電力などの「旧電力」が保有する送電線を借りなければならない。だが「旧電力」にとって、多くの「新電力」は商売上の競争相手になる。

このため政府は、沖縄を除く9電力会社について発送電部門を分離させることにした。これによって「新電力」も送電線を使いやすくなり、競争が進んで電気料金も下がるだろうと期待している。具体的には「旧電力」の発送電部門を別会社として切り離す。経産省では、「旧電力」がこれら発送電会社の人事にも介入できないようにして、独立性を維持する方針だという。

だが、この発送電分離政策にも疑問は多い。まず、その実施が20年4月になっていること。完全自由化は来年4月なのに、分離はその4年後に実施される。この4年間のうちに、「旧電力」は自分たちの言うことを聞く「新電力」だけを優遇することにはならないか。また、その間に送電線を貸す料金を有利に設定してしまえるのではないか。

さらに現在でも送電線の不足が問題視されている。特に太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる発電所は、地方の過疎地域に立地されていることが多い。ところが、そういう地域では電力の需要が少ない。新しく独立する9つの発送電会社は、そんな地域に送電線を新設するのだろうか。この発送電分離政策も、かなり杜撰な匂いがしてならない。

                                  (続きは来週サタデー)

      ≪10日の日経平均 = 下げ -75.67円≫

      【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2015-07-12-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第5章 市場って、なんだろう? ⑥

◇ 品物の値段が決まる = 先週は鮪(まぐろ)の話でした。市場では、ほかの品物についても同じような方法で値段を決めています。もちろん、いわしなどの小さい魚や野菜などの値段を1つ1つ決めるわけではありません。それは大きな箱にいっぱい詰めていくら、何キロでいくらというふうに決めるのです。

しかし市場で決まる値段は、いつも売り手と買い手が「売ってもいい」「買ってもいい」というところに落ち着くのです。声が大きい人、力の強い人が勝つわけではありません。だから誰にとっても同じチャンスがあり、とても公平だと言えるでしょう。

このような方法を、自由な市場での値段の決め方と言います。需要が大きかったり、供給が少ないと、値段が自然に上がり、逆だと下がります。その一方で、こうして決まった価格がひとりでに需要と供給を調節する働きもするのです。

たとえば市場で、ある品物の値段が上がったとします。すると生産者は高く売れれば得をするので、その品物をたくさん作って出荷します。逆に市場で値下がりすれば、品物の出荷を抑えます。買い手の方も値段が高くなれば買いません。安くなればたくさん買うでしょう。こうして市場は適正な価格を作り出し、需給の調整もするのです。

                                 (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2015-07-13-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 驚きすぎた東京市場 = まるで2つの台風が、同時にやってきたようだった。ギリシャと中国。それでもダウ平均は先週31ドルの値上がり。日経平均は乱高下のあと、週間760円も下げた。ニューヨーク市場ではギリシャが譲歩するという見方が強く、東京市場では懐疑的だった。また地政学的に日本の方が中国の動静に敏感だったことが、この差を生んだのだろう。

ギリシャの譲歩案は、EU側の要求通り議会の承認を得た。EU側もこんどはゼロ回答というわけにはいかない。今週は大きな前進が期待できそうだ。また上海の株価は、なんとか下げ止まったようにみえる。今週15日に発表される4-6月期のGDP速報など、中国経済そのものに対する警戒感は消えていない。だが当面の暴風雨はやり過ごした形である。

台風一過、今週は青空が広がるかもしれない。アメリカでは今週から4-6月期の決算発表が本格的に始まる。青空の広がり方は、それによって左右されるだろう。日本の方は先週やや驚きすぎたきらいがある。したがって、その反動もあって大きな晴れ間も期待できそうだ。日経平均はすぐに2万円台を回復する。

今週は13日に、5月の第3次産業活動指数。アメリカでは14日に、6月の小売り売上高。15日に、6月の工業生産と生産者物価。16日に、7月のNAHB住宅市場指数。17日に、6月の住宅着工戸数と消費者物価、7月のミシガン大学・消費者信頼感指数。中国では13日に、6月の貿易統計。15日に、4-6月期のGDP速報、鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額が発表される。

      ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ


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時間を稼いだ ギリシャ合意
2015-07-14-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 首脳会談は徹夜・17時間 = ギリシャへの新たな支援を巡って議論を続けたユーロ圏19か国の首脳会議は、13日朝ようやく大筋の合意に達した。前日から17時間、徹夜の交渉だった。現地からの第1報によると、ギリシャ側は①年金支給年齢を67歳に引き上げる②消費税の実質的な引き上げ③国有財産の売却ー―などを受け入れ、これらを15日までに法制化する。これに対し、EU側は3年で860億ユーロにのぼる第3次支援のほか、当面のつなぎ融資を実施することになった。

一時はEU側が、ギリシャのユーロ圏離脱を覚悟したという報道も流れた。この点について会議でEU側は「ギリシャはもっと厳しい緊縮政策を受け入れるべきだ」と主張する一方で、「ギリシャ政府の言うことは信用できない」という批判も強めたと報道されている。だが「信用できない」なら「緊縮を強めろ」と言っても仕方がない。こんな内容が漏れてきたのは、会議の緊迫性を伝えるために作られた話ではないかと思う。

ウガった見方をすれば、台本は数日前に出来上がっていたのではないか。しかしドイツをはじめ国内のギリシャ支援反対派を抑えるためには、タイム・リミットぎりぎりまでの徹夜交渉が必要だった。そこでギリシャが最後の譲歩をするドラマチックな演出。そう考えれば、ギリシャが数々の法制化を15日までに実行すると約束できたことも理解できるというものだ。

ギリシャはギリシャで、こんな緊縮策はとても実行できないと考えているのだろう。したがって約束通りに財政再建が進んでいるかどうかを巡って、いずれ再びEU側との間で悶着が生じる可能性はきわめて大きい。いったん小康状態に入っても、ギリシャの債務問題はまた再燃すると考えておいた方がいい。

      ≪13日の日経平均 = 上げ +309.94円≫

      ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ


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長引く 原油安の功罪 (上)
2015-07-15-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 株価の上昇を妨げる要因に = アメリカでは今週から、主要企業の決算発表が本格的に始まる。トムソン・ロイター社の主要500社集計によると、4-6月期の1株当たり利益は前年同期比で3%減少する見通し。寒波に見舞われた1-3月期の2.2%増より悪化する。減益になる最大の原因は、原油の国際価格が1バレル=50-60ドルの低水準を続けていることだ。

アメリカ経済全体としてみれば、原油安は明らかにプラス要因となっている。特にガソリンの値下がりで家計は恩恵を受け、大型車の売れ行きもいい。しかしアメリカにはエネルギー関連の巨大企業が多く、そのすそ野も広い。これらの企業群は、原油安で利益が5割程度も減ってしまった。このため全体としての企業利益は、足を引っ張られる。

ダウ平均にもこれらの銘柄が入っているから、原油安は株価の上昇を抑制する。ウォール街では、ギリシャと中国の問題に明るさが見えたとしても、原油が低価格のままだと、ダウ平均の2万ドル回復には時間がかかるという見方が強まってきた。またドル高の影響で海外で稼いだ利益が目減りしていることも、大企業の減益要因となっている。

昨年7月、OPEC(石油輸出国機構)が減産しないことを決めたことから、原油の国際価格は急落した。ニューヨーク市場のWTI相場でみると、1バレル=100ドルを超えていた価格が、ことし春には40ドル近くまで暴落している。その後は少し反発したが、最近は50ドル程度で推移している。専門家によると、大きく反発する見込みは当分ない。

                                  (続きは明日)

      ≪14日の日経平均 = 上げ +295.56円≫

      ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ


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長引く 原油安の功罪 (下)
2015-07-16-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ OPECの戦略は失敗したが = OPECが減産しなかったのは、原油価格を暴落させることによって、アメリカで誕生したシェール産業を叩き潰そうと考えたからである。ところがシェールは意外に頑張った。たしかに生産性の悪いリグは廃棄に追い込まれ、全体のリグ数は6割も減少した。しかし原油・ガスの産出量は13年の日量882万バレルから、最近でも556バレルに減っただけ。これはコストの安い採掘技術が普及したためである。

この現状からみる限り、OPECの戦略は失敗に終わったようだ。ただ皮肉なことに、それがアメリカの石油産業を苦しめ、株価の足を引っ張る結果となっている。専門家によると、原油の国際価格が50ドル近辺だと、シェールの生産量は徐々に減少する。だが60ドルを超えるとすぐに増加するから、原油価格が大幅に上がる可能性は小さいという。

日本にとって、原油安の恩恵はきわめて大きい。もちろん、日本でも石油元売り会社のように悪影響を蒙る部門もある。しかし全体としてみれば、世界でも日本ほど大きな恩恵を受けている国はないだろう。たとえば14年度の国際収支は7兆8000億円の黒字だったが、その大きな要因は原油安による貿易赤字の縮小だった。企業や家計もずいぶん助かっている。

国別でみると、エネルギーの輸入国であるEU諸国や中国は、恩恵を受けている組。その反対に輸出国は、深刻な打撃を受けている。たとえば中東の産油国。それにロシアや南米の産油国。特に南米のベネズエラは世界最大の産油国。輸出の96%を石油に頼っているから、たまらない。ついに実質的にデフォルト(債務不履行)の状態に陥った。

      ≪15日の日経平均 = 上げ +78.00円≫

      ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ


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? が出た GDP成長率 / 中国
2015-07-17-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 記者会見の場でも質問 = 中国統計局は15日、ことし4-6月期のGDP速報を発表した。それによると、前年同期と比較した実質成長率は7.0%で、1-3月期と同じだった。ところが同時に発表された経済指標は、その多くが景気の悪化を示している。それなのに、どうして成長率は下がらなかったのだろう。

たとえば建築と設備投資を合計した大都市の固定資産投資額は、1-3月期に比べて2.1ポイント低下した。不動産開発投資は3.9ポイントの低下。鉱工業生産は1-6月期が前年比6.3%増で、1-3月期の6.4%増をやや下回った。小売り売上高も1-6月期は10.4%増、1-3月期の10.6%増に及ばなかった。輸出は1-6月期が0.9%増、1-3月期の4.9%増から大きく落ち込んでいる。

当然ながら、疑問が生じる。一部の報道によると、GDPを発表した記者会見の席上でも質問が出たそうだ。これに対して、統計局の担当官は「消費が成長率を下支えした」と答えている。さらに担当官は「過小評価も過大評価もしていない」と述べて、発表した数字が操作されていないことを強調したという。

「消費が下支えした」という発言と小売り売上高の伸び率から判断すると、サービス部門の消費が増大したという解釈に行き着く。しかし統計局はサービス消費の内容については、何も明らかにしていない。したがって、この問題に関する真相は解明できないことになるだろう。中国政府が目標として定めた“7%成長”の数字だけが、妙に引っかかるけれど。

      ≪16日の日経平均 = 上げ +136.79円≫

      ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 破綻した 太陽光政策 ⑯
2015-07-18-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 矛盾だらけのエネルギー計画 = 東日本大震災で原発が停止し、日本はエネルギー計画を作れない状態に陥った。それから4年。ことしになって、ようやく計画らしいものを作り上げたが、その内容は矛盾だらけ。なぜ、こんな計画を作成したのだろうか。最後に、もう1度おさらいをしておこう。

話は時間の経過を逆にたどった方が判りやすい。ことし6月、安倍首相はG7(先進7か国)首脳会議の席上「日本は30年の温室効果ガス排出量を13年比で26%削減する」と公約した。各国首脳がこの会議で、削減目標を明示することになったためである。日本としては先進各国に劣るような目標は作れない。このため“26%削減”が至上命題となった。

ガスの排出量を大幅に減らすためには、発電に必要な電源として石油や石炭を減らし、そのかわりに原子力や再生可能エネルギーを増やさなければならない。そこで経産省は4月末、30年の原子力を全体の20-22%、再生エネルギーを22-24%とする電源構成計画を策定した。これが温暖化ガス26%削減の裏付けとなる数字だ。

この計画を実現するためには、原発を20基以上動かさなければならない。しかし、それだけの数の原発が規制委員会の安全基準をクリアし、地元住民の同意を得られるか。全く見当も付かない。また再生エネルギーは現状の2倍に増やすことになるが、主力の太陽光発電は電力料金が上がってしまうので、いま経産省は発電の抑制対策を」講じようとしている。つまり原発も再生エネルギーも、そんなに増やせるはずがない。

                                (続きは来週サタデー)

      ≪17日の日経平均 = 上げ +50.80円≫

      【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】 


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2015-07-19-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第5章 市場って、なんだろう? ⑦

◇ 株式市場も鮪と同じ = みなさんは「株式会社」という言葉を、聞いたことがあるでしょう。日本にも巨大なものから小さいものまで、たくさんあります。会社は世の中のために役立つ、いろいろな仕事をするために作られます。仕事をするためには、おカネが必要ですね。そこで多くの人におカネを出してもらい、出してくれた人に株券を渡す。こういう仕組みの会社を株式会社と言うのです。

株式は売ったり買ったりすることができます。その売買をする場所が証券取引所で、株式市場とも呼ばれています。世界中では50以上もあり、日本では東京、大阪、名古屋、福岡、札幌の5か所にあります。売ったり買ったりしたい人は、証券会社を通じて、この市場に注文を出すのです。

株式市場での売買は、基本的に鮪(まぐろ)の売買と同じです。ある会社の株式を売りたい人と買いたい人が考えている値段が一致すると、売買は成立します。買いたい人が多いと株価は上がり、売りたい人が多いと下がるのです。

鮪の場合と違うのは、市場に品物が持ち込まれないこと。何千という会社についての売買注文がコンピュータで処理され、電光掲示板に映し出され、その数字がどんどん変わって行きます。ですから証券取引所という建物はありますが、品物は見えない市場と言ってもいいでしょう。新聞の株価欄を、みなさんも1度見てください。

                   (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2015-07-20-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 台風が過ぎ去ったあと = ギリシャと中国という 2つの台風が、ほぼ同時に遠ざかった。このため株式市場の上空は、いっぺんに明るくなった。日経平均は5日連騰で、先週871円の値上がり。昨年10月に日銀が追加の大幅緩和を実施したとき以来の大きな上げ幅だった。ダウ平均は週間326ドルの値上がり。ナスダックは3週間ぶりに史上最高値を更新している。

ギリシャ議会は財政改革法案を可決。これを受けてECB(ヨーロッパ中央銀行)は、つなぎ融資の準備を始めた。上海の株式市場も持ち直している。この結果、東京市場の場合は政治的な緊張という雲が浮かんできたが、それ以外は一面の青空。ニューヨーク市場は政策金利の引き上げという薄雲が広がっているほか、企業収益の伸び率鈍化という黒雲も散見される。だが、まだ雨の心配はない。

東京市場は先週の上げ幅が大きかったため、今週は利益確定売りが増えるだろう。それを乗り越えられれば、日経平均は2万1000円を射程内に捉えることができる。ダウ平均は毎日発表される4-6月期の企業決算しだい。特に個人消費に関連した企業の売上げ・利益に注目が集まるだろう。

今週は22日に、5月の全産業活動指数。23日に、6月の貿易統計。アメリカでは22日に、5月のFHFA住宅価格指数と6月の中古住宅販売。23日に、6月のカンファレンス・ボード景気先行指数。24日に、6月の新築住宅販売。また中国では24日に、7月のHSBC製造業PMIが発表される。

      ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ


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12万年目の亀 : 志賀原発はアウト(上)
2015-07-22-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 活断層アリと認定 = 子どもが夜店で小亀を買ってきた。ところが、すぐに死んでしまう。親が夜店に怒鳴り込んで「亀は万年生きると言うのに、おかしいじゃないか」と文句を言った。夜店の親父は平然として「それなら万年目だったのでしょう」と答える。江戸小噺にある。北陸電力の志賀原発1号機の直下には活断層があるという有識者会議の結論を聞いて、思い出した。

有識者会議によると、1号機の直下を通る断層は「12-13万年前以降に一部が変位した可能性は否定できない」と判定。これが活断層であるとの疑いを指摘した。原子力規制委員会は、活断層の上にある原発の再稼働は絶対に認めない。北陸電力は反論する姿勢だが、志賀原発1号機が廃炉になる確率は100パーセントに近い。

原発の真下にある断層は、過去12万年も動かなかった。だから大丈夫だろう、と考える人も少なくないはずだ。だが有識者会議は「12万年目の危険」を重視した。それは何よりも原発の安全性を重視する立場からは、当然のことである。全く同様の理由から、日本原子力発電の敦賀2号機(福井県)も再稼働できなくなっている。

地震国である日本には、北から南まで無数の活断層が存在する。これから有識者会議は、1つ1つの原発について活断層の有無を調べることになるだろう。その結果、いくつの原発がアウトになるのかは全く予測できない。しかし相当な数の原発が「何万年目かの危険」を避けるために、再稼働できなくなる事態は覚悟しておくべきだろう。

                              (続きは明日)

      ≪21日の日経平均 = 上げ +191.05円≫

      ≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ


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12万年目の亀 : 志賀原発はアウト (下)
2015-07-23-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 残る原発は41基 = 東日本大震災の前、日本には54基の原発があった。そのうち大事故を起こした福島第1原発や老朽化の激しい原発で、すでに廃炉とすることが決まったものが11基。それに活断層の疑いが濃い志賀1号機と敦賀2号機を加えると13基。まだ生きている原発は、いまのところ41基ということになる。

生きている原発のうち、原子力規制委員会がこれまでに安全宣言を出したのは5基。このうち九州電力の川内原発1-2号機は燃料棒の挿入も進んで、秋までには再稼働できそうだ。また関西電力の高浜3-4号機は、福井地裁が運転差し止めの仮処分を下して再稼働の見通しは立たない。5月に規制委員会がOKを出した四国電力の伊方3号機は、避難路の確保がむずかしく、これも予測がつかない。以上が日本の原発の現状である。

有識者会議が「志賀原発1号機の直下には活断層の疑い」と発表したのは、先週17日のこと。その同じ日、政府は地球温暖化対策推進本部の会合を開いて「30年時点の温暖化ガス排出量を13年比で26%削減する」ことを正式に決定した。この削減目標はすでに安倍首相が国際会議の場で公約しており、その追認。だが、この削減目標は30年時点で、原発が20-22%の電源比率となることを前提として算出されている。この比率の達成には、20基以上の原発が動いていなければならない。

残る41基の原発のなかには、30年時点で稼働年数が40年を超えるものが28基もある。活断層でアウトになる数は全く不明。地元の同意を得られないものも出てくるだろう。といって新規の建設はかなり困難だ。こういう状況の下で、30年時点で20基以上の原発が稼働する見込みはあるのだろうか。安倍内閣のエネルギー計画・温暖化対策には、疑問が多すぎる。

      ≪22日の日経平均 = 下げ -248.30円≫

      ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ


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新国立競技場の 教訓
2015-07-24-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 責任体制と将来収支を = 安倍首相は17日、問題となっている新国立競技場の建設について「ゼロベースで見直す」方針を明らかにした。高すぎる建設費に対する国民の批判に対処しての決断だ。この決定について「遅すぎた」「素早い」など、評価はさまざま。だが評価は別として、この問題を契機に安倍首相には改善してもらいたいことが2つある。

まずは責任体制の確立。これだけのプロジェクトを白紙に戻す場合、民間ならば必ず責任問題が発生する。担当役員は更迭されるだろう。しかし今回の騒動では、誰が責任者なのか判然としない。文部科学省の管轄らしいが、どこの部署が担当したのか、よく判らない。今後、大型の公共投資を実行する際には、必ず責任者の名前を明らかにする制度を確立してほしいものだ。

次にプロジェクトの将来にわたる収支見通し。新国立競技場はオリンピックが終わっても、おそらく50年ほどは使用される。その間の収支計画も、責任者がきちんと作成するようにしたい。もちろん民間とは違うから、将来収支を黒字にする必要はない。しかし初期の建設コストは引き下げても、そのあと巨額の赤字を出すようでは困る。

新幹線や高速道路、ダムや大型建築物についても同様だ。最初の建設コストだけを議論するのではなく、将来の収支見通しも計画段階から作ってほしい。人口も減少する折、将来に大赤字が予測されるようなプロジェクトは止めよう。さもないと消費増税で国債の発行残高を抑制しても、公共投資が子孫にツケを残すことになりかねない。

      ≪23日の日経平均 = 上げ +90.28円≫

      ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ


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サタデー自習室 -- 破綻した 太陽光政策 ⑰
2015-07-25-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 太陽光は政策的に抑制 = 資源エネルギー庁の発表によると、ことし3月末時点の再生エネルギー発電容量は1876万㌔㍗。このうち太陽光発電は1811万㌔㍗だった。また認定を受けた設備の発電容量は8768万㌔㍗、そのうち太陽光は8263万㌔㍗に達している。相変わらず太陽光発電の伸びが大きく、風力や地熱などはあまり増えていない。

太陽光発電の伸びが大きいのは、政府が設定した電力会社による買い取り価格が高すぎたためだ。だが買い取り価格は電力料金に上乗せされるから、こんな調子で太陽光発電が成長を続けると、たとえば家庭向けの電気料金は月額1万円を突破してしまう。それでは大変だというので、経産省はやっと太陽光発電を抑制するための政策を検討し始めた。来年の通常国会に改正法案を提出するという。

たとえば電力会社による買い取り価格の大幅引き下げ、買い取り量の上限設定。あるいは電力会社と契約できた案件だけ認可する方法、入札制にして安い電気から買い取る方法など。いずれにしても、これまでは太陽光の普及に焦点を当ててきた政策が百八十度の転換を遂げることは間違いない。

再生エネルギーによる発電を電力会社に強制買い取りさせる制度は、ちょうど3年前の7月から導入された。そのとき経産省が太陽光発電の普及だけを考えて、世界的にも異常と思われた高い買い取り価格を設定したのが、大間違いの始まり。その結果、いま日本のエネルギー政策は身動きが取れない状態に陥ってしまった。

      ≪24日の日経平均 = 下げ -139.42円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝0敗】  


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2015-07-26-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第5章 市場って、なんだろう? ⑧

◇ 通貨を売買する市場 = 魚や野菜の市場は大きな建物のなかで、売り手と買い手が品物を前にして値段を決めます。先週お話した株式市場は、証券取引所という大きな建物はありますが、株式という品物は見えません。きょうは建物もない、それでも大きな市場の話です。

それは外国為替市場。いろいろな国の通貨、つまりおカネを売買する市場です。日本ではただ1つ、東京外国為替市場というのがあって、1952年にオープンしました。

会社は製品をアメリカに輸出するとドル、中国に輸出すると元というふうに、いろいろな国の通貨で代金を受け取ります。この外国の通貨は、日本の円に替えなければ国内では使えません。逆に外国から品物を輸入するときには、その国の通貨が必要になります。みなさんが外国に旅行する場合にも、その国のおカネがないと困りますね。

こうして外国の通貨を売ったり買ったりするところが、外国為替市場なのです。ふつう売買の注文は、銀行を通じて市場のブローカーと呼ばれる人たちに届けられます。ブローカーは電話やコンピュ-タで売買するため、建物は必要ありません。世界中の通貨が売買されますが、基本は魚や野菜と同じ。ドルの需要が供給より大きければドルの値段は上がり、小さければ下がります。                   
                             
(続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2015-07-27-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 原油安・ドル高で明暗 = ニューヨーク市場は、明らかに調子を崩した。原油安とドル高が原因で、エネルギーと輸出関連企業の利益が圧迫されている。このため4-6月期の決算発表でも先行き見通しに慎重な企業が多く、これが株価の足を引っ張り始めた。ダウ平均は先週518ドルの値下がり。

アメリカでは原油安とドル高が、企業の業績に悪影響を与えている。だが反対に日本では、原油安とドル高・円安が好影響を及ぼす。決算発表でも、先行きを楽観する企業が増えてきた。ただニューヨーク市場に引きずられる形で、利益確定売りが相場を押し下げている。日経平均は先週106円の値下がり。

今週はニューヨーク市場が反発するかどうか。反発しないと、東京市場でも外国人の売りは増えるかもしれない。安倍内閣の支持率が急落したことから、夏休みを前にいったん売っておこうという考え方も出てくるだろう。これに対抗するのは、国内の個人投資家による下値拾い。その力関係で、日経平均は上下することになる。

今週は27日に、6月の企業向けサービス価格。29日に、6月の商業動態統計。30日に、6月の鉱工業生産。31日に、6月の雇用統計、家計調査、消費者物価、住宅着工戸数。アメリカでは28日に、5月のSPケースシラー住宅価格と7月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。29日に、6月の中古住宅販売。30日に、4-6月期のGDP速報が発表される。

      ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ


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急落した 内閣支持率
2015-07-28-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ どこまで下がるのか? = 安倍内閣の支持率が急降下した。27日の朝刊では読売新聞と日経新聞が、ともに世論調査の結果を載せている。読売によると支持率は43%。3週間前の調査に比べて6ポイント低下した。日経の調査では38%。1か月前より9ポイントの低下となっている。読売や日経の場合、安倍内閣を支持する読者が比較的に多いはず。にもかかわらず、こんな結果が出た。

特に目立つのは、不支持率が急増したこと。読売では9ポイント増えて49%に。日経では10ポイント増加して50%に達した。いずれの調査でも、初めて不支持率が支持率を上回っている。野党の多くが欠席した衆院本会議で、安保関連法案を採決したことに対する批判が最大の原因。新国立競技場の仕切り直し決断は、そこに至る過程への批判も多く、支持率の上昇にはつながらなかった。

この夏から秋にかけて安倍内閣は、参院での安保関連法案の成立のほか、TPP(環太平洋経済連携協定)、原発の再稼働、それに参院の選挙区改革も実施しなければならない。いずれも支持率を落としそうな事案である。だから安倍内閣の支持率は、今後もまだ下がる可能性が大きい。しかし安倍首相は「安保で支持率が下がるのは覚悟のうえ」と落ち着いている。

というのも、下がったとはいえ支持率はまだ40%ある。野田・菅・鳩山・麻生・福田と最近の歴代内閣をたどってみると、政権を投げ出したときの支持率は20%に落ちている。そこまでは、まだ余裕があるからだ。しかし支持率が30%に近付けば、自民党議員は選挙のことを考えてざわつき出す。次の調査でどんな結果が出るかは、誰にも予測できない。

      ≪27日の日経平均 = 下げ -194.43円≫

      ≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ


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上海株の下落 の イミ
2015-07-29-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 中国経済の先行き不安 = 中国市場の株価がまた下落している。上海総合株価指数は週明け27日、前週末比で8.48%下がって3726に低下した。この下げ幅は07年2月以来8年5か月ぶりの大きさ。あくる28日も続落して、終り値は3663になった。今回の下げには、いくつかの要因もからんでいる。しかし基本的な理由は、やはり中国経済の先行きに対する不安が消えないことにある。

中国には自社株の相場が急落すると、その企業が取引所に株式の売買停止を要求できるという奇妙なルールがある。6月に株価が暴落した際、このルールを使って多くの企業が売買を停止。一時は上海と深圳の両市場で、1473銘柄の売買が停止された。政府の露骨な株価対策によって株価が反発したため、今週はほとんどの銘柄が売買を再開した。その結果、個人投資家による売りが殺到。27日の急落は、この再開待ちの売りが最大の要因になったと考えられる。

また政府は株価対策として、大手企業に株式の売却を禁止。政府系金融機関に大量の株買いを命令するなど、ほとんど直接的な介入を実施した。今週はこれらの措置が撤回されるというウワサが広まり、これも下げ要因となっている。さらに政府のこうした露骨な介入を嫌がり、外国人投資家が市場から撤退したことも大きい。

だが基本的な下げの要因は、実体経済と株価の乖離。中国のGDP成長率は昨年の7.4%から、ことし上半期には7.0%へと鈍化した。しかし上海総合指数は昨年6月の2000前後から、ことし6月12日には5166まで暴騰している。この株価バブルがいま調整されている最中だ。政府は政策金利や預金準備率の引き下げなど金融緩和策を強化するだろうが、株価がどこまで下がればバブルの調整が終わるのか。もう少し時間をかけてみる必要がある。

      ≪28日の日経平均 = 下げ -21.21円≫

      ≪29日の日経平均は? = 上げ


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失われた 24か月 : 実質賃金
2015-07-30-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 25か月ぶりのマイナス脱却 = 実質賃金が、ようやくマイナスの領域を脱出した。厚生労働省が発表した毎月勤労統計の5月・確報によると、実質賃金指数は前年同月と同じ。速報値では0.1%減少だったのが、「変わらず」に上方修正された。これで実質賃金は、13年5月から24か月も続いた前年比での減少をようやく終えたことになる。

実質賃金というのは、実際に支給された賃金を物価の変動を加味して調整した金額。いわば、その賃金の“使いで”を表わす。賃金が上がらず、物価が上昇したため、過去24か月間は連続して前年の水準を下回ってきた。この実質賃金がプラスに転じれば、個人消費が増えて景気は好循環の波に乗る、というのが一般的な見方になっている。

だが実質賃金はマイナスの領域を脱したといっても、まだプラスになったわけではない。またプラスになったとしても、すぐに消費が増えることにもならないだろう。肝心な点は、プラスの状態が長く続くことだ。なにしろ24か月間も前年比で減少が続いたために、実質賃金はこの間に4.5%も減少してしまった。これを取り戻せるという感じが強まるまで、消費者は財布のヒモを緩めないのではないか。

ところが展望はそう明るくない。最近は大企業を中心に賃上げの動きも活発だが、中小企業まではなかなか及ばない。この5月の勤労統計を見ても、従業員5人以上の事業所では現金給与総額が前年比0.7%しか増加していない。その一方で5月の消費者物価は前年比0.5%の上昇。その差はきわめて小さい。この夏は猛暑の影響で、物価の上昇率が賃金上昇率を上回る可能性もありそうだ。

      ≪29日の日経平均 = 下げ -25.98円≫

      ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ


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オレオレ詐欺・麻薬犯罪を減らす方策
2015-07-31-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ “罰”の報道を増やそう = オレオレ詐欺や還付金詐欺などの特殊詐欺。それに麻薬の販売や使用などの薬物事犯が、なかなか減らない。警察庁の集計によると、ことし1-5月間の特殊詐欺は5829件。被害総額は193億3992万円にのぼっている。警視庁の発表だと、12年中に東京都内では薬物事犯で1862人が検挙され、押収した薬物は126㌔㌘に達した。

テレビや新聞には、オレオレ詐欺の一味を逮捕といったニュースがよく出る。しかし不思議なことに、捕まった犯人が裁判でどんな判決を受けたかの報道は全くない。たとえば“受け子”として利用された若者は、どんな処分を受けたのだろう。この辺がもっと周知されれば、バイト感覚で“受け子”を引き受ける若者の数は、ずいぶん減るのではないだろうか。

芸能人やタレントの場合、薬物事犯として裁判の様子までが報道される。だが、これは芸能報道の一環であり、一般人の犯罪では裁判まで追跡されることはない。これも特殊詐欺事件と同様、“罪”の報道に加えて“罰”の大きさが一般に伝えられれば、犯罪の抑止力として大きな効果があるのではないだろうか。

もちろん、すべての事件について結末まで報道することはできない。だから代表的な事件について、あるいは平均的な事例だけでもいい。それが行われていないのは、警察庁や警視庁の側にも責任がある。たとえば警視庁の薬物事犯に関する統計は、まだ12年の集計しかない。またテレビや新聞など、取材する側の無関心さも目立っている。

      ≪30日の日経平均 = 上げ +219.92円≫

      ≪31日の日経平均は? 予想 = 上げ


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