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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
FRB の 深刻なジレンマ
2015-09-01-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 問われる女性議長の統率力 = その日は、あと半月後にやってくる。9月16-17日。アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備理事会)が、金融政策を決定するためのFOMC(公開市場委員会)を開く日だ。ここで現在のゼロ金利を終了、政策金利を引き上げるのかどうか。いまアメリカでは、この問題を巡って百家争鳴の議論が繰り広げられている。

中国経済への不安をきっかけに株価が暴落したため、一時は9月の金利引き上げはありえないという見方が大勢を支配した。ところが、その後4-6月期のGDP成長率が3.7%に上方修正。新車の売れ行きや住宅着工戸数も好調なことが判明した。株価も短時間で、下落幅の半分を取り戻している。アメリカ経済の基調は強いという事実が突き付けられた感じで、9月の利上げ説が一気に再燃することになった。

FRB内部でも、意見はまちまちだ。たとえばミネアポリス連銀総裁は「いま動く理由はない」。ニューヨーク連銀総裁は「数週間前より必然性は低下」。アトランタ連銀総裁は「時期は近づいているが、なお議論の余地」。クリーブランド連銀総裁は「可能だという見方は変わっていない」といったぐあい。そうしたなかで、イエレン議長はなぜか沈黙を守り続けている。

今回は利上げを見送っても、問題は次にFOMCが開催される10月か12月に持ち越されるだけ。決断が遅れると、インフレが進行し始める危険性もないではない。逆に利上げの結果、株価が下がってアメリカの景気に悪影響を及ぼす可能性も否定はできない。いずれの場合でも結果が悪ければ、FRBの歴史的な汚点になりかねない。昨年2月にFRB議長に就任したジャネット・イエレン女史の統率力と決断力に、世界が注目している。

      ≪31日の日経平均 = 下げ -245.84円≫

      ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ


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一進一退? 減少気味? : 工業生産
2015-09-02-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 輸出関連が軒並みダウン = 経済産業省が発表した7月の鉱工業生産は、前月に比べて0.6%の減少だった。生産の動向は、このところ増加と減少を繰り返している。同時に発表された予測調査をみても、8月は2.8%増加するものの9月は1.7%の減少。このため経産省は「生産は一進一退で推移している」と現状を評価した。

たしかに形のうえでは増加と減少が混じり合い、一進一退のようにみえる。だが少し長い目でみると、生産の水準は明らかに下降しているようだ。たとえば1-7月間をとってみると、生産が増加した月は3か月、減少した月は4か月だったが、通算では4.3%の減少となっている。したがって「一進一退」とみえないこともないが、むしろ実態は「減少傾向」なのではないだろうか。

特に輸出関連業の減産が著しい。7月の生産水準を1月の実績と比べてみると、電子部品・デバイス工業は11.9%も低下している。また電気機械工業は7.2%、輸送用機械工業は4.1%の減少だった。このうち軽自動車は増税の影響で国内販売が激減した。しかし全体としてみれば、かつての日本経済をけん引した輸出産業である。

アメリカを除けば、中国をはじめとする新興国、それにヨーロッパも経済の状態は芳しくない。だから輸出が伸びないと片づけてしまえばそれまでだが、最近の円安状態を考慮すると輸出の低迷はやや異常だろう。それだけ現地生産に比重が移ったのか。それとも日本製品の競争力が落ちてきたのか。この問題の責任官庁である経産省が「一進一退」などと評価していると、対応が手遅れになってしまう恐れがある。

      ≪1日の日経平均 = 下げ -724.79円≫

      ≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ


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企業経済は 100点満点 : 4-6月期
2015-09-03-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ なのにGDPはマイナス成長 = 財務省は1日、4-6月期の法人企業統計調査を発表した。その結果をみると、売り上げが伸びて利益が拡大。設備投資も増加している。しかも大企業から中小企業に至るまで、みんな成績がいい。もちろん業種によっては苦しいところもあるが、総体としてみれば非の打ちようがない。企業の経済活動は100点満点だと言ってもいい。

まず金融部門を除いた企業の売上げ高は318兆5957億円。前年同期に比べて1.1%増加した。製造業は1.2%、非製造業も1.1.%伸びている。また経常利益の総額は20兆2881億円で、四半期としては過去最高。前年を23.8%上回った。製造業は29.6%、非製造業は20.8%の増益だった。資本金10億円以上の大企業が24.2%の増益だったのに対し、資本金1億円以下の中小企業は26.0%の増益になっている。

こうした高い利益を背景に、設備投資も順調に拡大している。その総額は9兆0385億円で、前年比5.6%の増加となった。製造業は11.6%の増加、非製造業は2.6%の増加。規模別でも、大企業が2.8%の増加だったのに対して、中小企業は9.5%増と大健闘している。新聞などでは見逃されているが、中小企業の設備投資が大幅に増えたことは、特筆に値するだろう。

先に発表された4-6月期のGDP速報では、実質成長率が1.6%のマイナスだった。改定値には法人企業統計の数値が反映されるから、成長率は上方修正されるに違いない。しかしプラス成長に修正されることは難しいだろう。企業の状態がこんなに良好なのに、なぜ成長率はマイナスになるのだろうか。海外で稼いでいることは確かだが、中小企業まで上向きなのはなぜだろう。政府も経済学者も、いまのところ口を閉ざしている。

      ≪2日の日経平均 = 下げ -70.29円≫

      ≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ


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NHKニュースの 味な編成?
2015-09-04-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 新聞では出来ない芸当 = 先日の夜、NHKのニュースを見ていたら「新国立競技場の建設費が大幅に削減された」ことについて、詳しく報じていた。これまで2520億円とされてきた総工事費が、最大1550億円に圧縮されたというニュースである。次の瞬間、NHKのニュースは「子どもの貧困問題」に切り替わった。17歳以下の子どもの貧困率は過去最高に。6人に1人が貧困にあえいでいるという内容だ。

NHKによると、ひとり親世帯の9割が母子家庭で、年収は平均180万円だという。なかには食事の回数を減らすために、朝になっても子どもを起こさない母親もいると伝えていた。またボランティア団体が寄付を集めて、こうした家庭に食料を送っている映像も流していた。世界第3位の経済大国なのに、まだこんな裏面があるのを改めて知らされた感が深い。

新国立競技場の建設費は、ロンドンの530億円などと比べると、まだまだ高いと感じる視聴者も少なくなかったに違いない。もう少しだけでも削って、貧しい子どもたちを援助できないものか、と考えた人も多かったのではないだろうか。ニュースが巨額の競技場建設費から突如として子どもの貧困問題に変わったため、、その距離感が視聴者に強く伝わったと思う。

新聞では、競技場の建設費と子どもの貧困問題が並んで記事になることは、まずありえない。テレビだからこそ出来る編成だ。ただし断わっておくが、NHKはこの2つのニュースを関連付けて報道してはいない。もし関連付けていたら、それなりに批判や反発を生んだかもしれない。さらにNHKが、意図的に2つのニュースを並べたのかどうかも定かではない。

      ≪3日の日経平均 = 上げ +86.99円≫

      ≪4日の日経平均は? 予想 = 下げ


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サタデー自習室 -- マイナンバーの点検 ⑥
2015-09-05-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 年金への適用は延期 = マイナンバー法の改正案が3日、国会で成立した。主な内容は①基礎年金番号との連結を最大1年5か月延期する②預貯金口座への付記を本人の同意があれば18年から可能にする--の2点。政府は当初、16年にはマイナンバーを税金・社会保障・災害対策の3分野で適用する計画だった。ところが日本年金機構の個人情報流出事件で体制整備に時間がかかると判断、社会保障の中核とも言える年金への適用が延期された。

このため16年に限ってみれば、マイナンバー制度は主として税務署が活用することになる。現在は給与、配当、家賃収入など60種類にも及ぶ支払調書が、支払った会社や金融機関などから税務署に送られている。税務署は名前や住所を頼りに、これらの調書を特定の個人に集めるわけだ。ところが引っ越しや結婚で住所や姓が変わり、作業には大変な労力を必要とする。

それが12ケタの番号で集約されるから、効率はぐんとよくなる。脱税や年金の不正受給などが、コンピュータを操作することで簡単に発見できてしまう。マイナンバー制度はもともと納税者番号制度と呼ばれていた。このことからも判るように、発想は徴税側の論理である。税務署側にとっては、70年代からの悲願がようやく実現したと言えるだろう。

社会保障分野、特に年金への適用はおそらく17年からということになる。したがって16年中は、年金の受給や保険料の支払いにマイナンバー制度を使うことはできない。また企業の側も、16年中は年金関係の書類にマイナンバーを書き込む義務はなくなった。結論から言うと、16年は個人が「番号カード」を身分証明に使える程度。メリットのほとんどは、税務署が手中にする。

      ≪4日の日経平均 = 下げ -390.23円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】  


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2015-09-06-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第6章 会社って、なんだろう? ⑥

◇ 会社のなかの仕事 = 会社で働いている人は、いろいろな仕事を受け持っています。その仕事を大きく分類すると、まず管理(かんり)部門と現業(げんぎょう)部門に分けられます。管理部門というのは、たとえば社員の面倒をみる人事部とか、社内の管理をする総務部とか、おカネを扱う経理部など。

現業部門というのは、たとえば製造業だったら工場で製品を作っている人たち。製品を売るために働いている販売部、製品を多くの人たちに知ってもらうためにチエを出す宣伝部、それに少しでもいいものを作り出そうと努力している開発部、機械の調子を見て回っている技術部など。

会社によって、その中身はいろいろです。ただ共通しているのは、このように働く内容をいくつかに分けることで、仕事の能率を高めようとしていること。会社は利益を目的にしているわけですから、いい製品を安く作って売上げをふやすことが大切です。そのためには、能率を上げることがいちばん大事なのです。

このように仕事を分けることで能率をよくするやり方を、分業と言います。第1章の「経済って」で登場した、南の島の4人のことを思い出してください。太郎さんは魚とり、次郎さんは猟師(りょうし)、三郎さんは農業、四郎さんは大工の仕事をしましたね。あれが分業です。みんなの家族で会社に勤めている人がいたら、どんな仕事をしているのか、聞いてみてくださいね。

           (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2015-09-07-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日経平均は4週続落 = 日経平均は先週1344円の大幅な値下がり。週間の下げ幅としては、リーマン・ショック直後の08年10月以来の大きさだった。4週間の続落で、終り値は1万7792円に。2月以来7か月ぶりの安値に落ち込んだ。中国経済に対する警戒感が強まったうえに、アメリカの金利引き上げが近付いてきたことが原因。

ダウ平均も先週は541ドルの値下がり。FRBが金利を決定する今月16-17日のFOMC(公開市場委員会)が、目前に迫ってきたためリスク・マネーが市場から逃げ出した。これが東京市場にも波及、外国人投資家は8月中2兆5350億円を売り越している。この売り越し額は08年の金融危機後では最大。国内の個人投資家は5765億円を買い越したが、とても及ばなかった。

今週も市場の環境に大きな変化はなさそうだ。したがって下値を拾う動きはあっても、株価が大きく反発することは期待薄。アメリカの利上げが来週あるかどうかを巡っての見方が、延々と報道されることになりそうだ。こうしたなかで、中国政府が新たな経済政策を打ち出すかどうか。追加措置が講じられないと、上海の株価が3000を割り込む場面も否定はできない。

今週は7日に、7月の景気動向指数。8日に、4-6月期のGDP改定値、7月の国際収支、8月の景気ウォッチャー調査。9日に、8月の消費動向調査。10日に、8月の企業物価と7月の機械受注。11日に、7-9月期の法人企業景気予測調査。アメリカでは11日に、8月の生産者物価と9月のミシガン大学・消費者信頼感指数。またEUが8日に、4-6月期のGDP改定値。中国が8日に、8月の貿易統計。10日に、8月の消費者物価と生産者物価。13日に、9月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。

      ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ


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皮肉な 雇用統計 / アメリカ
2015-09-08-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 9月の利上げはなし? = アメリカ労働省は4日、9月の雇用統計を発表した。市場ではその内容が強ければ、FRBが16-17日の政策決定会議で金利の引き上げに踏み切る。弱ければ、利上げは10月以降に延期されると予測していた。ところが雇用統計の結果は「強くも弱くもない」という全く皮肉な内容。これでまた9月の利上げはあるのかないのか、判断が難しくなってしまった。

まず最も注目される農業を除いた雇用者の増加数が、前月比で17万3000人と大きく減った。アメリカでは20万人の増加が通常の状態とみられているから、これは明らかに雇用情勢が後退したことを示している。だが6-8月を通算してみると、月平均22万1000人となって悪い数字ではない。さらに失業率が、前月より0.2ポイント低下して5.1%になった。これは強い数字である。

もっと細かい点をみると、たとえば5週間以上の失業者は、前月より39万3000人も減った。また平均時給も7月の6セント増加に続いて、8月は8セントも増加した。こうした数字は、労働力需給が逼迫しつつあることを示している。ところが非農業雇用者のうち、製造業の雇用が減少したことは悪い兆候。結局、全体としては強いのか弱いのか、判定は困難だ。ただ市場は警戒して、株価は下げた。

しかし週末にトルコのアンカラで開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議では、中国の為替政策とともにアメリカの金融政策を“牽制”する内容の共同声明が採択された。こうした環境のなかで、FRBは利上げに踏み切れるだろうか。下手をすれば、新興国から通貨が流出して、国際的な批判を浴びることにもなりかねない。イエレン議長は政策変更を見送るのではないか、という感じがするのだが・・。

      ≪7日の日経平均 = 上げ +68.31円≫

      ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ


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安倍首相の経済感覚に「???」
2015-09-09-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 現実はほぼゼロ成長 = 自民党総裁選での無投票当選が決まった8日、安倍首相は「間違いなく雇用と収入は向上している。あとは経済の好循環を回しながら、全国津々浦々に景気の実感を届ける」と大見得を切った。だが最近の経済指標をみると、果たして経済の好循環が回り始めているのか。はなはだ疑わしい。安倍首相の経済に対する感覚は、少々ズレてきたのではないか。

同じ8日、内閣府は4-6月期のGDP改定値を発表した。それによると、実質GDP成長率は年率でマイナス1.2%。速報値のマイナス1.6%よりはやや改善したが、まだ水面下に沈んでいる。内容をみても、個人消費は年率2.8%減、企業の設備投資は3.6%減、輸出は16.6%減と、景気を支える3本柱がそろって減少した。

7月以降になっても、経済活動は停滞気味だ。7月の鉱工業生産は前月比0.6%減。実質賃金は0.3%増加したが、家計の消費支出は0.2%減少した。8月の新車販売台数は前年比1.9%減、8か月連続で前年を下回っている。景気が力強く拡大するという姿は、全く見えてこない。民間エコノミストによる7-9月期の成長率予測も1.67%。4-9月期では、ほぼゼロ成長に近い状態になる。

たしかに安倍首相がハッパをかけたこともあって、大企業の賃上げは促進された。そこで安倍首相は「好循環が始まった」と錯覚してしまったのではないだろうか。現実は多数の従業員を抱える中小企業の賃上げが思うようには進まず、消費支出が増加してこない。その現実を直視して適切な対策を講じないと、第3次安倍内閣の評価は下がるだけである。

      ≪8日の日経平均 = 下げ -433.39円≫

      ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ


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街角の景況感も 後退
2015-09-10-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 現状・先行きともにダウン = 内閣府が8日発表した8月の景気ウォッチャー調査で、景気の現状に対する判断指数が49.3に下落した。前月より2.3ポイントの低下で、7か月ぶりに景気の横ばいを示す50を割り込んでいる。さらに2-3か月後の景気の先行きに対する判断指数も48.2となって、8か月ぶりに50を下回った。こうした結果について、内閣府は「中国経済の影響なども見えるが、景気は緩やかな回復基調を続けている」と論評している。

景気ウォッチャー調査は、内閣府が景気動向に敏感な職業についている人を対象に毎月行っている。たとえばスーパーの店長やタクシーの運転手など、全国で2050人。家計、企業、雇用の3分野について聞いている。今回の調査で特徴的なことは、現状判断でも先行き判断でも、この3分野の指数がすべて下落した点だ。

たとえば現状判断では、企業関連が48.3となり前月より4.1ポイント低下。先行き判断では、家計関連が47.4で、3.9ポイント下落している。このように現状判断でも先行き判断でも、3分野の指数がそろって低下することは珍しい。これは調査が8月下旬に実施され、中国経済への不安から株価が大幅に下げたことに大きく影響されたことは確かだ。

だが内閣府の「景気は緩やかな回復基調を続けている」という判定には、どうしても疑問が残る。原因が中国経済にあったとしても、景況感がこれだけ落ちたことは事実。なぜ「回復基調が続いている」と言い張るのだろうか。仮に「景気に変調の兆し」とでも言えば、アベノミクスにケチを付けることになりかねないからか。そんなことを考えると、東芝の不正会計事件を思い出してしまう。

      ≪9日の日経平均 = 上げ +1343.43円≫

      ≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ


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モノは安く、サービスは高し
2015-09-11-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大きい人手不足の影響 = 日銀は10日、8月の企業物価を発表した。それによると、8月の国内企業物価は前月比で0.6%の下落。前年同月比では3.6%の下落となった。企業物価というのは、企業間で売買されるモノの価格。前年比でみると4月以来5か月連続で下降、その下落幅は次第に広がってきた。

内容をみると、石油・石炭製品、電力・都市ガス、非鉄金属、化学製品などの値下がりが目立つ。これらはいずれも原油など国際商品価格の低落を反映したものだ。特に石油・石炭製品は26.2%も下落した。また日銀は参考データとして消費税の影響を除いた物価も発表しているが、数値はほとんど変わっていない。消費増税から1年5か月を経過して、その影響がなくなったことを示している。

これに先立ち日銀は8月26日、企業向けサービス価格を発表している。それによると、7月のサービス価格は前年比0.6%の上昇だった。企業向けサービス価格というのは、企業同士で取引されるサービスの価格。たとえばテレビ・新聞広告、航空・道路輸送、ソフトウェア開発、リース、労働者派遣サービスなど。こちらの前年比は、このところ一貫して上昇が続いている。

このように企業段階の物価では「モノは下がり、サービスは上がる」という二極化が進んできた。原因はいろいろ考えられるが、やはり大きいのは人手不足の影響だろう。企業物価は、時間とともに消費者物価へと波及して行く。7月の消費者物価をみても、総合指数は前年比0.2%の上昇。そのうちモノは横ばい、サービスは0.3%の上昇だった。

      ≪10日の日経平均 = 下げ -470.89円≫

      ≪11日の日経平均は? 予想 = 下げ


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サタデー自習室 -- マイナンバーの点検 ⑦
2015-09-12-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 18年からは預金口座にも = マイナンバー法の改正案が国会で成立し、18年からは預貯金口座にも個人ナンバーが付けられることになった。ただし「任意」という形になっている。したがって金融機関は預金者に対してナンバーの記入を要請するが、預金者は断ることもできるわけだ。これは利用者の反発を和らげるための措置。政府は人々が慣れるのを待って、21年には義務化したいと考えている。

いま銀行の個人預金口座は約8億件、郵貯を含めると10億件を超える。だが口座の開設時に、本人確認をするようになったのは03年から。それ以前の口座は、必ずしも本人確認されていない。このため偽名を使った預貯金口座も紛れ込んでいる。マイナンバーの付記が義務化されれば、こうした口座は使えなくなる。

その結果、悪質な所得隠しや脱税、さらに生活保護費の不正受給なども、直ちに発見されるだろう。また暴力団などによるマネー・ロンダリング(資金洗浄)なども、摘発しやすくなる。このようにマイナンバーと預貯金口座の連結は、金融取り引きに関わる各種の不正行為を防止する効果があることは確かだ。

しかし半面、不正はしていなくても、自分の預貯金を税務署や自治体に覗かれるのは不愉快だと思う人も少なくないだろう。多くの人たちが18年以降、金融機関に自分のナンバーを届けなければ、義務化は難しい。政府の思惑通り21年に預貯金ナンバー制を実施できるかどうかは、政府のPRと国民感情の変化にかかっている。

                                (続きは来週サタデー)

      ≪11日の日経平均 = 下げ -35.40円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】 


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2015-09-13-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第6章 会社って、なんだろう? ⑦

◇ 年功序列から成果主義へ = 会社にとって、大事なものは何でしょうか。それは「ヒト、モノ、カネ」だと、よく言われます。優秀な人間、第一級の機械や材料、それに不自由しないだけのおカネ。これが揃っている会社はいい会社であり、伸びる会社でもあるのです。

このうち特に大切なのはヒト。つまり社員や従業員です。ですから日本の会社は、むかしから社員を大事にしてきました。たとえば学校を卒業して会社に就職すると、その人は歳をとって会社をやめるまで、その会社で働けるのがふつうでした。これを終身雇用(しゅうしんこよう)制度と言います。

そして1年たつごとに、給料が確実に上がって行ったのです。これを年功序列(ねんこうじょれつ)制度と言います。終身雇用や年功序列の制度は日本だけのもので、アメリカやヨーロッパの国々にはありません。日本の会社員は自分が働く会社をとても大事にし、よく働いたのです。戦後の日本が経済的に大きく発展した、ひとつの理由だったと考えられています。

ところが最近は、これらの制度が崩れ始めました。海外諸国との競争が激しくなったために、多くの会社がこれらの制度を続けられなくなってきたのです。その代わりに年齢にはあまり関係なく、よい成績を上げた社員の給料を増やす方式が取り入れられるようになってきました。この方式を能力主義(のうりょくしゅぎ)とか、成果主義(せいかしゅぎ)と呼んでいます。

                                (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2015-09-14-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ アメリカの金利がすべて = いよいよFRBが政策金利を決定する16-17日がやってきた。にもかかわらず、ダウ平均は先週331ドルの値上がり。ニューヨーク市場では相変わらず一喜一憂の状態が続いているが、そうしたなかでも金利の引き上げはないという見方が大勢を占めている証拠だろう。もし日本時間の18日朝にゼロ金利の継続が公表されれば、株価は上がる。金利が引き上げられれば、そのショックは大きい。

日経平均は先週472円の値上がり。特に9日には1343円の大幅な上昇となった。この上げ幅は21年ぶりの大きさ。上場銘柄の99%が上昇している。先々週から大きく下げてきたことへの反動に加えて、上海の株価が3000を割り込まずに反発したことが原動力となった。ちなみに日経平均の過去最大の上げ幅は、90年10月の2676円。

アメリカの失業率は過去最低の水準にまで下がり、賃金上昇も加速する気配を見せている。FRBがこの点を重視すれば、金利を上げるだろう。しかしアメリカの金利が上がれば、新興国からの資金引き揚げが加速して世界経済に大きな混乱をもたらす危険性がある。そんな環境のなかで、FRBはどんな決断を下すのだろうか。

今週は14日に、7月の第3次産業活動指数。16日に、8月の訪日外国人客数。17日に、8月の貿易統計。アメリカでは15日に、8月の工業生産と小売り売上高。16日に、8月の消費者物価と9月のNAHB住宅市場指数。17日に、8月の住宅着工戸数。18日に、8月のカンファレンス・ボード景気先行指数が発表される。なおFRBは16-17日にFOMCを開き、17日にイエレン議長が記者会見する。

      ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ


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財務省の策謀 : 軽減税率 (上)
2015-09-15-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 想定外は麻生大臣の早漏れ = 消費税を引き上げる際、生活必需品の税率は据え置いて、低所得層の負担を軽くする。これがヨーロッパ諸国では一般的に実施されている軽減税率制度だ。日本でも17年4月の消費税10%に備えて、その具体策が検討されてきた。ところが最近、その議論に大きな石が投げ込まれ波紋を生じている。財務省が独自の「日本的軽減税率」方式を提唱し始めたためである。

財務省の提案はこうだ。まず消費者が商品やサービスを購入するとき、すべての品目について10%の消費税を払ってもらう。そのとき消費者はマイナンバー制によって交付される個人番号カードを機械に挿入して、買い物の内容をカードに記録させる。その記録を基にあとになって消費者が請求すると、消費税2%分のおカネが返ってくる。ただし1人あたりの請求額は、年4000円程度までという内容。

財務省幹部は9月1日に、この案を安倍首相に報告。これから自民・公明の与党を回って、じっくり説明する予定だった。ところがG20 (主要20か国)会議に出席した麻生財務相は4日、トルコのアンカラで同行した記者団に、この財務省案を漏らしてしまった。このため寝耳に水の与党内部は大騒ぎ。慌てた財務省は10日になって与党にこの案を提示したが、騒ぎは収まらない。

特に軽減税率の実施を選挙公約に掲げた公明党は、強硬な反対論を展開している。自民党内でも、慎重論が高まってしまった。こうしたなかで、安倍首相は「財務省案にはこだわらない。与党内でよく検討してほしい」と、やや逃げ腰の姿勢。それというのも、ここで公明党を怒らせては来年の参院選にも大きな悪影響が出かねない。財務省は勝手に公明党を説得すればいい、と突き放した形だ。

                                   (続きは明日)

      ≪14日の日経平均 = 下げ -298.52円≫

      ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ≫  


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財務省の策謀 : 軽減税率 (中)
2015-09-16-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 財務省の皮算用 = これまでの検討で、軽減税率を適用する生活必需品の範囲は「酒類を除く飲食料品と外食」とすることが、ほぼ固まっている。仮にヨーロッパ方式の軽減税率をこの範囲で導入すると、消費税の減収分は年1兆2600億円と試算されている。これでは消費税を2%引き上げても、財政再建への貢献度は小さくなってしまう。財務省の基本的な発想は、ここにあった。

そこで考え出したのが、日本的軽減税率方式。いったん2%の増税分は納めてもらう。あとで返すときに上限を設けるところがミソ。仮に上限を1人年4000円とすれば、税の減収額は5000億円で済む。もちろんカードから送られてくる情報を蓄積するコンピュータ・センターの建設や、小売店が設置しなければならなくなるカード読み取り機に対する補助金など支出もかさむ。しかし次年度以降は、こうした出費もなく税収を確保できるわけだ。

実は消費税が8%に引き上げられたときから、政府は低所得層の負担感を和らげるために1人年6000円の補助金を出している。財務省案が通れば、この補助金は停止される。だから財務省としては、この分も財源に使える。今後の交渉で、上限を5000円に引き上げることも視野に入れているだろう。

ヨーロッパ方式の軽減税率を導入すると、業者は品目ごとにインボイスと呼ばれる請求書を作成し、税率と税額を書き込まなければならない。これは零細な小売業者と税務署にとっては、きわめて厄介な仕事だ。だから財務省が新たに開発した日本的軽減税率の方が、格段に優れている。これが財務省の言い分だ。

                                     (続きは明日)

      ≪15日の日経平均 = 上げ +60.78円≫

      ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ


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財務省の策謀 : 軽減税率 (下)
2015-09-17-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 還付金か給付金かの大論争 = 財務省がチエをしぼった日本的軽減税率方式にも、多くの欠陥がある。最大の問題は、肝心の個人番号カードが行き渡らないこと。現在のマイナンバー普及計画では、17年4月時点で5000万枚、全人口の半分以下の枚数しか製造できない。また全国で8万の小売店舗に、カードの読み取り機が設置できるかも疑問だ。この点については、屋台や自動販売機、さらには出前の扱いをどうするか。といった微妙な問題もからんでくる。

また消費者は、常に個人番号カードを持ち歩かなければならなくなる。紛失や盗難、あるいは個人情報を盗まれる危険性も大きくなるわけだ。さらに2%分の税金を返してもらう場合、スマホやパソコンを使えない高齢者はどうしたらいいのか。考えるべき点は多い。要するにヨーロッパ方式の軽減税率は、業者と税務署の負担が大きい。反対に日本的軽減税率は、消費者側の負担が大きいと言うことができるだろう。

こうした両者の得失とは別に、財務省と公明党の間では哲学的な考え方の違いも深刻になっている。ヨーロッパ型の軽減税率を選挙公約に掲げた公明党は、財務省案を軽減税率とは認めない。あとで税金をすべて返すのではなく上限を設けるのだから、これは「給付金」だと断定する。これに対して財務省は、税金を返すのだから「還付金」だと応酬している。

最後に蛇足を付け加える。この公明党と財務省の哲学論争は、マスコミまでを巻き込んだ。特に新聞は最近しだいに公明党寄りか財務省寄りかを鮮明にし始めた。紙面でどちらかの言い分を、より大きく紹介するようになっている。早い話、公明党寄りの新聞は「給付金」、財務省寄りの新聞は「還付金」と書いているから、判別はすぐにできる。

      ≪16日の日経平均 = 上げ +145.12円≫

      ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ


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高齢者の暮らし易さは 世界8位 / 日本
2015-09-18-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ スイスが1位、アメリカは9位 = 高齢者が暮らし易い国のランキングで、日本は世界第8位。国連と連携して高齢者の生活環境を調査している民間団体ヘルプエイジ・インターナショナルが、96か国を調べて公表した。その結果は、第1位がスイス。続いてノルウェー、スウェーデンなどのヨーロッパ諸国が上位を占め、日本は第8位に。第9位はアメリカ、第10位はイギリスだった。アジア地域では日本がトップ、中国は第52位、韓国は第60位にとどまっている。

調査は所得、健康、交通、社会行動の4分野を中心に実施されている。日本の得点は、健康分野では1位。交通分野では7位、社会行動分野では21位、所得分野では33位だった。このうち健康分野については「50歳を過ぎても、若者と同様に生き甲斐を感じている人が9割近くもいる」などと解説。所得分野については「年金受給者の割合が高く、消費性向も高いが、全体としては所得額が低い」と述べている。

日本と第1位になったスイスを比べてみよう。スイスの場合は社会行動分野が1位。健康と交通分野がともに2位。所得分野は27位となっている。社会行動分野では「悩み事を相談できる親戚や友人をたくさん持っている」「独りで深夜の街を歩ける」などの事例を挙げた。また所得分野では「55-64歳の雇用率が71.7%もある」と指摘している。

少し驚いたのは、アメリカの所得分野だ。アメリカの場合、交通分野が4位。社会行動分野が17位、健康分野が25位で、所得分野は29位と思いのほか低い。この点については「60歳以上の貧困率が18.8%と高い」「年金受給率が92.1%と低い」と説明している。ちなみに所得分野の1位はルクセンブルクだったが、同国の総合順位は19位となっている。

      ≪17日の日経平均 = 上げ +260.67円≫

      ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ


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サタデー自習室 -- マイナンバーの点検 ⑧
2015-09-19-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 医療へのリンク = 政府の計画によると、17年7月からは個人番号カードが健康保険証の代わりに使えるようになる。また自治体が管理している予防接種の記録なども、転居先の自治体にすぐ引き継がれる。さらに医療費の自己負担額が上限を超えた場合、払い戻しを請求するのに所得証明書は不要に。マイナンバーを伝えるだけで済む。

それだけではない。カルテ(診療記録)やレセプト(診療報酬明細)に記載された内容も、個人ナンバーを基に一元化される。その結果、全国の病院や薬局が個人の医療情報を共有することに。検査や投薬の重複を防ぐことができて、医療費の節約につながると期待されている。年間1兆円の医療費削減になるという試算も発表された。

こうした個人情報を匿名化してビッグデータを作成すれば、大学や製薬会社の研究にも役立つ。この経済的な効果も、きわめて大きいと考えられている。もちろん、このためには病院や薬局もカルテやレセプトを電子化する必要があるわけだ。また医師や薬剤師は、個人のマイナンバーを秘匿しなければならない。

このためカルテやレセプトの一元化に関しては、マイナンバーとは別に「個人医療番号」を作成する方向で検討が進められている。医師や薬剤師が、医療以外の個人情報を引き出せないようにするためだ。政府の計画では、18年度から段階的に導入し、20年度から本格的に運用することになっている。

                              (続きは来週サタデー)

      ≪18日の日経平均 = 下げ ー362.06円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】  


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2015-09-20-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第6章 会社って、なんだろう? ⑧

◇ 会社の責任 = 世界で初めての会社、オランダの東インド会社は利益をあげることを目的に作られたのでした。現在の会社もその点では変わりません。おおぜいの人たちが会社で働き、みんなで協力して会社の利益が大きくなるように努力しているのです。

しかし同時に、会社は世の中のためになる仕事をしています。このことを忘れてはいけません。会社が作っている商品やサービスで、みなさんの生活はとても便利になっているでしょう。もしテレビがなかったら。もし石鹸がなかったら。もし電車がなかったら。

世の中のためになる商品やサービスを、できるだけ安い値段で作る。また、いつも新しい製品を売り出して、みんなの生活をより楽しく便利にする。これも会社の役割です。このように会社には、社会のためになることをする責任もあるのです。

ですからインチキな商品を売ったり、ごまかして商品を買わせたり。世の中のためにならないやり方で利益をあげようとする会社は、悪い会社なのです。そういう会社は、いつか悪いことをしたことが明るみに出て、つぶれてしまうでしょう。逆に悪いことをしないかぎり、会社はいくらたくさん利益をあげてもいいのです。

                                   (続きは来週日曜日)
 

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今週のポイント
2015-09-21-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 市場は読み切っていた = FRBは先週17日、ゼロ金利政策を継続すると発表した。アメリカ国内の物価がそれほど上昇していないこと、それに中国経済の低迷で世界経済全体の状態が不透明であることが、金利の引き上げを見送った理由。市場にとっては朗報だが、株価の反応は鈍かった。というのも、市場は早い段階からゼロ金利の据え置きを察知し、株価に織り込んできたからだろう。

それでも先週の前半は、株価の上げ基調が続いていた。しかしゼロ金利の継続を発表したFRBのイエレン議長が「年内には金利を引き上げたい」と述べたために、株価は週末に反落した。この結果、ダウ平均は先週49ドルの小幅安で終わっている。東京市場もニューヨークと同じ流れ。日経平均は先週194円の値下がりだった。

アメリカのゼロ金利は、少なくとも1か月間は続く。今週はウォール街がこれを、どう消化するか。鬼の居ぬ間に洗濯するのか、それとも10月の利上げを心配するのか。洗濯派が多いように感じられるが、フタを開けてみないと判らない。東京市場は連休だから、ニューヨークの動きをにらむことになる。いずれにしても中国経済と上海の株価から、目を離すことはできない。

今週は24日に、7月の全産業活動指数と8月のスーパー・コンビニ売上高。25日に、8月の消費者物価と企業向けサービス価格。アメリカでは21日に、8月の中古住宅販売。22日に、7月のFHFA住宅価格。24日に、8月の新築住宅販売。25日に、4-6月期のGDP確定値が発表になる。


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FRBは 利上げできるのか? (上)
2015-09-23-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 中国経済の悪影響に配慮 = アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備理事会)は先週17日、現行のゼロ金利政策を継続すると発表した。約9年ぶりの金利引き上げに踏み切る可能性もあったが、断念したわけである。理由はアメリカ経済がインフレに陥る危険性が小さいこと、それに中国をはじめとする新興国の不安定な経済が及ぼす悪影響に配慮したためだ。

市場は先々週あたりから利上げはないと観測、株価はこれを織り込んで上昇していた。このためゼロ金利継続の発表があっても、非常に落ち着いた受け止め方をしていた。ところが発表後に記者会見したイエレン議長が「FOMCのメンバーの大半が、年内の利上げを予想している」と語ったことから、株価は逆に反落して終わった。

FOMCというのは、FRB内部の組織で金融政策を決定する最高機関。連邦公開市場委員会と訳されている。FRBの議長と理事9人、それに地区連銀総裁で構成される。ただ、このうち議決権を持っているのは7人の理事と5人の連銀総裁だけ。年内の開催予定日は決まっており、10月27-28日と12月15-16日となっている。

そこで市場の関心は、当然ながら10月下旬のFOMCに集中する。それまでの間に、アメリカでは7-9月期の企業決算がほぼ明らかになる。9月の雇用統計も発表されるはずだ。さらに中国が、7-9月期のGDP速報を公表する可能性もなくはない。FRBはこうした経済統計などを分析し、改めて利上げの可否を検討することになる。

(続きは明日) 


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FRBは 利上げできるのか? (下)
2015-09-24-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 年内の利上げはムリ? = FRBが利上げを断念した理由は、①アメリカ国内がインフレになる可能性は低い②中国経済の不調がアメリカ経済に及ぼす悪影響を懸念した--の2点。このうちインフレに関しては、たしかに物価上昇率が目に見えて鈍ってきている。この7-8月の消費者物価は、前年比でわずか0.2%しか上がっていない。原油価格の大幅な下落が大きな原因だ。

中国経済については、相変わらず減速基調が続いている。大都市の住宅価格は下げ止まりの気配をみせているが、ほかの経済指標はよくない。特にこれまで景気を下支えしてきた固定資産投資額が減少し始めたことは、長期的にみても悪い兆候だ。GDP成長率は政府が目標とする7%を切り、6%に近づいているとみられる。だが実態はもっと減速しているのではないかという観測が、しだいに強まってきた。

需給関係からみても、原油価格が大きく反発する可能性は当面ない。中国経済が急速に立ち直る気配も見受けられない。とすれば、この2つの要因は10月末になっても変わらない。そういう予測を基に、ニューヨーク市場では10月も利上げはないという観測が強まっている。次の焦点は12月というわけだ。

だが12月になっても、状況は変わらないのではないか。だとすれば、年内の利上げは難しいという結論になってくる。そのうえアメリカの景気回復は7年目に入っており、すでに過去の平均回復期間を超えた。景気が下降し始めれば、もちろん金利は上げられない。中央銀行による量的金融緩和の後始末がいかに困難か。いまFRBは大いに苦しんでいる。日銀もいずれ思い知らされることになるだろう。

      ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ


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100兆円を回復 : 個人の株式保有高
2015-09-25-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 金融資産総額は最大に = 日銀の集計によると、家計の金融資産残高は6月末時点で1717兆円に達した。前年より4.4%の増加で、過去最大の資産規模となっている。特に株式と投資信託の値上がりが貢献した。05年6月末の金融資産残高は1485兆円だったから、この10年間では232兆円も増えたことになる。

金融資産の内訳では、現金・預金が893兆円。3月末より10兆円増加した。また株式の保有額は102兆円で、リーマン・ショック直前の07年6月以来8年ぶりに100兆円の大台を回復した。10年前と比べると、18兆円の増加になる。投資信託も順調に伸びて98兆円、こちらも100兆円に迫っている。株式と投信を合計すると200兆円に達するわけだ。

こうした数字からは、日本の個人もリスク資産を着々と増やしていることが判る。しかし欧米に比べると、まだ消極的。日銀によると、株式に出資金を加えた保有高が全資産に占める比率は、日本が10.8%。これに対してアメリカは34.3%、ユーロ圏で16.8%となっている。また投信の比率はアメリカの12.9%、ユーロ圏の8.0%に対して、日本は増えたと言っても5.6%にすぎない。

株価が6月以降は値下がりしたため、9月末の金融資産残高は減少した可能性が大きい。だが長期的には、増大する傾向を維持するだろう。ただし来年1月から実施されるマイナンバー制度が、どんな影響を与えるかは未知数だ。家計が現金、預貯金、株式、投資信託の保有バランスをどう変えるのか。注意して見て行く必要がある。

      ≪24日の日経平均 = 下げ -498.38円≫

      ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- マイナンバーの点検 ⑨
2015-09-26-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 広がる活用範囲 = 政府は18年をメドに、戸籍についてもマイナンバーを適用しようと考えている。これが実現すると、婚姻届けやパスポートの取得、遺産相続などでも、戸籍謄本を入手する必要がなくなる。すでに全国の市区町村の98%が戸籍の電子化を済ませており、技術的にはやりやすい。ただ戸籍法などの改正は必要になってくる。

自民党のIT戦略特命委員会は、個人番号カードに運転免許証やクレジット・カードの機能を持たせようと検討している。また地方自治体の間では、条例を改正して個人カードで住民票や印鑑登録証明書をコンビニで取得できるようにする動きも広がっている。いずれも国民の利便性を高めると同時に、役所の手間を省くことが狙いだ。

もともとマイナンバー制度の正式な名称は「社会保障・税番号制度」である。13年に成立した最初の法律も「社会保障と税の共通番号法」だった。それが社会保障や税金の問題にとどまらず、預金や医療から戸籍、さらには運転免許証やクレジット・カードにまで広がる勢いをみせている。

たしかに、こうした計画が実現して行けば、世の中は便利になるに違いない。ただ、その半面でIT化について行けない高齢者の問題をどうするか。たとえばスマホやパソコンを使えない人たちに、行政はどう対応するのか。その辺の検討は、まだ進んでいない。また集約された個人情報の漏洩をどうやって防ぐか。これが予想以上に大きな問題となってくる。

                              (続きは来週サタデー)

      ≪25日の日経平均 = 上げ +308.68円≫

      【今週の日経平均予想 = 2勝0敗】  


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2015-09-27-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第6章 会社って、なんだろう? ⑨

◇ 会社と企業の違いは? = 総務省というお役所の調査によると、日本の会社は12年の時点で412万8000社もありました。とても大きな会社から、社長さんが1人で働いている会社まで。いずれも「会社を作りました」という届けを、役所に出しています。しかし町なかの小さなパン屋さんや魚屋さんなど、会社を作らずに商売している人もたくさんいます。これを個人企業と呼んでいます。

「あの会社は景気がいいね」とか「あの企業は元気がないね」というように、ふつう「会社」と「企業」という言葉は同じような意味で使われています。でも厳密に言うと、「会社」は役所に届けたものだけ。「企業」は個人企業も含めたもの、ということになるのです。ですから企業の数は、会社の数よりずっと多いということになりますね。

会社を作るのは、民間だけとは限りません。国や地方自治体も会社を作っています。民間企業は民間が資本を出し、経営するのが基本です。これに対して、国や自治体が出資だけする企業を公有企業、経営までする企業を公営企業と呼んでいます。ただ日本では経営効率を高めるために、公有企業を民間企業に変えて行く動きが盛んです。むかしの国鉄が、いまはJRですね。

企業の大きさを測るには売上高や従業員数も使われますが、ふつうは資本金の大きさで比べます。たとえば資本金が10億円以上の企業を大企業。1億円から10億円までを中堅企業、1000万円から1億円までを中小企業、それ以下を零細企業と呼ぶことが多いようです。

                                   (続きは来週日曜日)   


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今週のポイント
2015-09-28-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 不確かな3点セット = 中国経済の行くえ、フォルクスワーゲン事件、FRB議長の発言--評価の定まらない3つの案件を前に、市場は頭を悩ませている。中国経済の成長率は7%を切ったが、どこまで鈍化するのか判定できない。不正な排気ガス測定ソフト事件が、他のメーカーに波及する可能性はないと断定できるのか。そして年内の利上げを強調するイエレン議長の真意は何か。

共通点は、いずれも不確かだということ。9月の利上げが見送られたにもかかわらず、市場はこの不確かな3点セットを嫌い株価は低迷した。先週のダウ平均は結局70ドルの値下がり。東京市場は連休で週末2日間だけの営業だったが、190円の値下がりに終わっている。

今週も不確かなムードに変化はないだろう。安倍首相が打ち出した新しい“3本の矢”も、見出しばかりが並んで本文がない。これでは消化のしようもない。ただ今週からは下半期に入る。たとえば1日から始まるTPP(環太平洋経済連携協定)閣僚会議で大きな進展があれば、市場には新しい風が吹く。

今週は30日に、8月の鉱工業生産、商業動態統計、住宅着工戸数、自動車生産台数。1日に、9月の日銀短観、新車販売台数。2日に、8月の家計調査と労働力調査。アメリカでは28日に、8月の中古住宅販売。29日に、7月のSPケースシラー住宅価格と9月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。30日に、8月の工業生産。1日に、ISM製造業景況指数。2日に、9月の雇用統計。またEUが30日に、8月の雇用統計と消費者物価。中国では1日に、9月の製造業と非製造業のPMIが発表される。

      ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ


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暴走した フォルクスワーゲン
2015-09-29-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 波及を恐れる市場 = クリーン・ディーゼルが、実はダーティ・ディーゼルだった。ドイツが誇る国民車フォルクスワーゲンが惹き起こした不正事件は、世界中に大きな衝撃を与えた。直ちにウインターマーンCEO(最高経営責任者)が引責辞任したものの、騒ぎは全く収まらない。欧米をはじめ各国政府は、一斉に排気ガス量の点検を開始。世界の株式市場では、自動車株が軒並み売られている。

アメリカの民間団体が大学に調査を依頼したことから、問題は発覚した。フォルクスワーゲンのディーゼル車が、特殊なコンピュータ・ソフトを搭載。排気ガスの試験中だけは、ガスの排出量が少なくなるように工作されていたことが暴露された。試験は車体を固定したまま車輪を回して、ガスの排出量を測定する。この条件を悪用して、ソフトを作ったのだという。

その結果、ワーゲン製ディーゼル車はふつうの走行時に、規制値の最大40倍もの排気ガスを出していたことが明らかになった。フォルクスワーゲン社によると、こうした違反車は世界中で1100万台にのぼるという。同社は対策費として65億ユーロ(約8700億円)を支出すると発表したが、損害賠償などを含めると損失はその10倍に達するとみられている。

だが世界の株式市場が恐れているのは、ワーゲン社の損失額ではない。同様の不祥事が、他の自動車メーカーに波及することはないのか。そうなったら一大事だという恐怖である。したがって世界中の自動車メーカーと各国政府は、できるだけ早く調査の結果を公表して不安を鎮める必要がある。波及のないことが判明すれば、むしろ自動車株は反騰するだろう。強力な競争相手が一時的にダウンしたのだから。

      ≪28日の日経平均 = 下げ -235.40円≫

      ≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ


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上がっている? 下がっている? : 物価
2015-09-30-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 総合指数は28か月ぶりに下落 = 総務省が発表した8月の消費者物価は、変動が大きい生鮮食品を除いた総合指数で前年比0.1%の下落だった。この指数が前年を下回るのは、13年4月以来2年4か月ぶりのこと。一般の食料品や日用品は値上がりしたものの、電気代やガソリン価格が大幅に下がったため、全体としては下落した。

生鮮食品を除いた一般食料品は、前年比で1.8%の値上がりだった。たとえばチョコレートは18.5%、スパゲッティは10.6%上昇している。またトイレットペーパーは4.4%、運動靴は6.9%値上がりした。その一方で電気代は5.1%、ガソリン価格は17.8%も下がっている。食料品や日用品の値上がりは、円安で原料品の輸入価格が上昇した影響が大きい。エネルギー関連の値下がりは、言うまでもなく原油の国際価格が大幅に下落したためだ。

さて、物価は下がっているのだろうか。それとも上がっているのだろうか。スーパーで食料品や日用品を買う主婦にとってみれば、物価は上がっていると感じるに違いない。だが電気・ガス・ガソリンに対する支出は、確実に減っている。その結果として、一般的にみて家計の負担は軽減された。物価は下がっていると言っていい。

生鮮食品とエネルギーを除いた物価は、前年比1.1%の上昇だった。政府や日銀はこれを根拠として「景気は回復基調を維持している」と主張する。しかし、この分の物価上昇が需給関係の改善によるものとは考えられない。円安による原料高の影響が、きわめて大きいからである。言うなれば「悪い物価高」であって、決して「いい物価高」ではない。政府・日銀がこの点に目をつぶっていると、いずれ足元をすくわれかねない。

      ≪29日の日経平均 = 下げ -714.27円≫

      ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ


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