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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
2016年の日本経済 : 5つの視点
2016-01-01-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 中国経済と原油価格がカギ = 2016年。ことしの日本経済は、どう動くのだろう。いい要素と悪い要素が混在していて、いま結果を予測することはきわめて難しい。ただ、ことしの日本経済を見守って行くうえで重要な視点を探せば、5つほど見つかる。その第1は来年4月に予定される消費税の引き上げ。上げ幅が2%で食品には軽減税率が適用されるから、前回ほどの波乱要因にはならないだろう。しかし年の後半には駆け込み需要が発生する。その程度は?

15年の景気は、製造業よりも非製造業によって支えられた。この傾向が16年も持続し、より大きな流れを形成するのか? これが第2点。あとは主として海外の問題。第3は11月に大統領選挙が行われるアメリカ。その結果もさることながら、そこまでアメリカの景気回復が続くのかどうか? FRBが年前半に再利上げできるようなら、回復持続の見込みは大きくなる。

第4は中国。住宅価格に下げ止まりの兆しも見えてきたが、基幹工業のリストラはまだまだ。成長率はまだ下がるだろうが、6%を切ることがあるかどうか? 5%台に落ちれば、もう1度ショックがあるかもしれない。第5はやはり原油価格。WTI(テキサス産軽油)の先物相場が1バレル=30ドルを割り込むようだと、産油国発の“逆石油ショック”に見舞われかねない。世界中の貯蔵タンクがいっぱいになり、生産が強制的に抑えられると、どういうことになるのだろう?

あと夏の参院選で、自民・公明党が敗北する。アメリカでは共和党のトランプ候補が勝利する。EUが難民の流入を制御できず、大混乱に陥る。ロシアが財政破たんで、デフォルト(債務不履行)に陥る。異常気象で、想定外の被害を生じる。--いろいろ考えられるが、その実現可能性は限りなく小さい。これらの点は度外視していいだろう。


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サタデー自習室 -- 軽減税率のすべて ⑨
2016-01-02-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 経理方式は3分類で = 現在はすべての取り引きに8%の消費税がかかる。だから税額の計算は、売上高に8%を掛ければ済んでしまう。しかし17年4月に消費税が10%に引き上げられ、軽減税率制が導入されると、商品によって8%の税率と10%のものが出てくる。それだけ税率の計算は面倒になるわけだ。その準備に時間がかかるという理由で、政府・与党は企業や商店の手間を省く方策を講じることになった。

まず全国にある810万の事業所を、年間の売上高によって3分類する。第1のグループは年間5000万円を超える事業所。現行の請求書に軽減税率が適用される商品に「※」印を付けるだけでよい、簡易方式を認める。また17年4月から1年間に限って、みなし課税方式を選択してもいい。ただし21年4月になると、より厳格なインボイス(税額表)方式を導入しなければならない。対象となる事業所は約236万社。

みなし課税というのは、10日間の売上げ実績から軽減税率品目の比率を計算。その比率で全体の納税額を弾いてしまう手法。1つ1つの商品について税額を計算する必要がなくなるわけだ。第2グループは年間売り上げが1000万円超-5000万円以下の事業所で、簡易方式みなし課税のどちらかを選択できる。ただし、このグループも21年4月からは、インボイス方式に切り替えなければならない。対象となる事業所は約74万社。

残る第3グループは、年間売上げが1000万円以下の事業所。このグループは現在も消費税を払う必要がない。17年4月に消費税が10%に引き上げられても、免税措置が継続される。対象となる事業所は約500万社。全体として企業や商店に対する負担の軽減措置は、きわめて甘いという感じが強い。おそらく参院選を強く意識した結果だろう。

                                  (続きは来週サタデー)  


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-01-03-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第8章 円高・円安って、なんだろう? ⑤

◇ 円安のメリットとデメリット = 円安は、円高の正反対だと考えてください。先週の円高についての説明を思い出して、その反対のことを考えればいいのです。つまり円安というのは、外国の通貨、たとえばドルに対する円の価値が下がること。1ドル=100円だったものが1ドル=200円になれば、50%の円安ということになります。ですから円を持っている人は、それだけ損をするわけです。

みなさんがアメリカへ旅行するときも、円高の反対になります。1ドル=100円のときには、2万円が200ドルに交換できました。しかし1ドル=200円の円安になると、100ドルにしかなりません。輸入代金も高くなります。アメリカで100ドルの品物を輸入する場合、1万円で買えたものが2万円になってしまうのです。このため円安になると、国内の物価も上昇しやすいと言えるでしょう。

ところが輸出の場合は、円安の方が得をします。たとえば100万円の自動車をアメリカに輸出したとき、1ドル=100円ならば1万ドルで売らなくてはいけません。しかし1ドル=200円になると、5000ドルで売ればいいことになります。1万ドルだったものを5000ドルで売ればいいのですから、この自動車は飛ぶように売れるでしょうね。

仮に8000ドルで売っても、よく売れるでしょう。8000ドルで売れば、輸出代金が160万円になることは判りますね。じっさい1年間で円が1円安くなると、トヨタ自動車の利益は年間で350億円、ソニーの利益は60億円ふえるといわれています。結局、円の交換レートは輸出にも輸入にも大きな損が出ない程度の水準にあって、急激に変化しないことが望ましいと言えるでしょう。


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今週のポイント
2016-01-04-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 7年連騰を逃したダウ平均 = ダウ平均株価は昨年の最終週に127ドルの値下がり。15年の終り値は1万7425ドル。年間では398ドル、率にして2.2%の下落となった。わずかな下げで、6年続いた連騰は途切れたことになる。ただしハイテク銘柄の多いナスダック指数は年間5.7%の上昇。こちらは4年間の連騰となった。

対照的に、日経平均は先週265円の値上がり。ダウ平均が崩れたのにもかかわらず、年末の頑張りをみせた。終り値は1万9000円台に乗せ、年間上昇率も9.07%と まずまずの成績だった。これで4年の連騰。過去10年間の記録を見ても6勝4敗となり、上昇した年が下落した年を上回った。

原油価格が年末に1バレル=3ドルほど反発したのに、ダウ平均は値下がりしてしまった。期末の利益確定売りも出たようだが、新年のアメリカ経済に対する一抹の不安感を暗示しているような気がしないでもない。今週はそうした不安感を一掃して、活気のある年の初めを迎えられるかどうか。週末の雇用統計にも注目したい。

今週は4日に、12月の新車販売台数。8日に、11月の毎月勤労統計と景気動向指数。アメリカでは4日に、12月のISM製造業景況指数。5日に、11月の貿易統計、12月のISM非製造業景況指数と新車販売台数。8日に、12月の雇用統計。またEUが7日に、11月の雇用統計。中国が9日に、12月の消費者物価と生産者物価を発表する。

      ≪4日の日経平均は? 予想 = 下げ


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予測しがたい3大要因① アメリカ経済
2016-01-05-Tue  CATEGORY: 政治・経済
製造工業の鈍化に死角 = アメリカ経済は順調に推移しつつ、新年を迎えたように見受けられる。15年の実質GDP成長率はまだ確定しないが、2.5%前後になるという見方が強い。そうなるとリーマン・ショックを克服したあと、10年から6年間にわたってプラス成長を達成することになる。雇用の継続的な増加と、ガソリン価格の低下によって支えられた個人消費が、景気を持ち上げてきた。

たとえば非農業雇用者の増加数は10月が29万9000人、11月も21万1000人の高水準を維持している。小売り売上高は昨年3月以降、前年比で増加か横ばい。住宅着工戸数も4月以降、前年の実績を上回っている。FRBもこうしたアメリカ経済の堅調な動きを踏まえて、昨年12月に9年ぶりの政策金利引き上げを決断した。

そうしたなかで唯一、暗い影を落としているのは工業生産の低下傾向だ。生産指数をみると、昨年8月からは前年比での減少が続く。しかも減少幅は月を追って拡大している状態。工業生産のなかで最大のシェアを有する自動車産業は、ガソリン価格の下落で売れ行きがよく、生産も増えている。それなのに工業生産全体が減り続けているのは、それだけ自動車以外の製造業が悪化していることを示すものだ。

アメリカでは情報・通信や医療・福祉関連の産業が拡大し、製造工業の経済全体に占めるウェートは12%程度に縮小している。だから工業生産が少し減少しても、景気は拡大し続けると考えることもできる。そうではなく生産の縮小はやがて雇用や所得の減少につながり、景気を鈍化させてしまうのかもしれない。どちらが正しいのかは前例もないことで予測し難い、というのが本当のところではないだろうか。

                                   (続きは明日)

      ≪4日の日経平均 = 下げ -582.73円≫

      ≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ


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予測しがたい3大要因② 中国経済
2016-01-06-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 住宅と株価は底入れ? = 中国経済は、ゆっくりと減速しながら新年を迎えた。実質成長率は昨年前半の7.0%から、後半は6.9%以下に下がったと考えられる。民間エコノミストの予測によると、これが16年は6.4%にまで低下する見込み。そうしたなかで、株価と住宅価格には底入れの兆しも見えてきた。ただし政府の強力な支援策によるもので、支えが外されれば倒れてしまう程度の回復に過ぎない。

上海総合株価指数は、昨年8月の安値から2割ほど上昇した。また一時はすべての都市で下落していた新築住宅の価格も、11月には70都市のうち21都市で上昇した。政府・人民銀行が、財政と金融の両面から強力な対策を講じたためである。このほか新車の販売も好調で、11月は前年比20%の売れ行き増を記録した。これも政府が小型車の取得税を半分に減税した結果である。

ところが中国経済にとっての最重要課題である過剰な生産設備の償却は、遅々として進まない。供給力が過剰なため値引き競争が盛んになり、生産者物価は1年以上にわたって下がり続けている。鉱工業生産も昨年は前年比5-6%の増加で、ひところの半分以下にとどまった。特に地方の国有企業は地区共産党との関係が強く、習政権の威光もなかなか行き届かない。一部では中央対地方の権力闘争にもなっているようだ。

中央政府は陳腐化した生産設備の廃棄を進めると同時に、インフラの整備と民間企業への減税によって、今後5年間のGDP成長率を6.5%に維持することを最大の目標に掲げた。ことし中にその効果が現われ、経済の減速が止まるのだろうか。それとも減速がなお続き、一部が予測するように成長率が4%台にまで落ち込むのか。中国政府が発表する経済指標への不信感も手伝って、現状ではこの見極めがきわめて難しい。

                                   (続きは明日)

      ≪5日の日経平均 = 下げ -76.98円≫

      ≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ


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予測しがたい3大要因③ 原油価格
2016-01-07-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 20ドルまで値下がりするのか = 原油価格は下がりすぎてしまった。代表的な油種であるWTI(テキサス産軽油)の先物相場でみると、一昨年の夏には1バレル=100ドルを超えていたものが、きのうは33ドル台にまで下落した。消費者にとっては有難い話だが、ここまで安くなると弊害も大きくなる。産油国や新興国の経済が圧迫され、株価も下落を免れない。まして、この先20ドル近辺まで下げるような事態になると、世界経済に及ぼす悪影響は計り知れない。

値下がりの原因は、圧倒的な供給過剰にある。OPEC(石油輸出国機構)加盟国が減産せず、ロシアなどの非加盟国も増産に励む。アメリカもシェールのおかげで、原油の輸出国になった。その半面、中国などの経済不振で世界的に需要は伸びない。結果として在庫は増大する。IEA(国際エネルギー機構)の推計によると、世界の原油在庫量は30億バレルを突破、さらに毎日150-200万バレルの勢いで増え続けているという。

現時点での分析では、原油の需要が増加する要因は16年も見当たらない。一方で供給の方は、16年を通して増え続ける。したがって価格が大きく反発する可能性は小さいという見方が一般的だ。しかし価格の低落で設備投資や油井の補修が滞り、それが生産の減少をもたらす。また貯蔵タンクが満杯になり、生産が抑制されるという予想も出ている。だが、そうなるとしても時期は全く予測不能と言っていい。

そんなところへ、サウジアラビアとイランが国交断絶のニュースが飛び込んできた。この事件が今後どのように発展し、原油の供給量に影響するのか。やはり現時点での予測はできない。だが原油の国際価格に対しては、どちらかというと上昇圧力になるだろう。ニューヨーク市場のWTI価格が35ドル程度で下げ止まるのか。今後は反発に向かうのか。それとも20ドルに近づくのか。答えは闇の中である。

                                   (続きは明日)

      ≪6日の日経平均 = 下げ -182.68円≫

      ≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ


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予測しがたい3大要因④ 日本経済は
2016-01-08-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 「申騒ぐ」年の予感 = 16年の経済を動かす3つの要因は、アメリカ経済と中国経済と原油価格。その1つのアメリカ経済は、FRBが予定通り3月に再利上げを実施できるようなら心配は要らない。だが新年早々のニューヨーク株価が大幅安を演じたことで、やや不安感がふくらんだことは否めない。仮にきょう発表される12月の雇用統計が予想よりも悪いと、不安感はさらに増大する。

上海市場の株価も、大幅安のすべり出しとなった。こちらも不安感が拭えない。アメリカや中国の状態が悪いと、日本の輸出は伸び悩む。特にアメリカの場合はドル安傾向が強まり、円相場は上昇しやすい。また中国の場合は東南アジア各国の経済が圧迫され、日本のアジア向け輸出が総体的に阻害されやすい。

原油安は全体としてみれば、日本にとってプラス材料だ。しかし価格が30ドルを割り込むようだと、世界経済への悪影響が強まり、日本にとってもマイナス材料になってしまう。またサウジアラビアとイランの紛争が拡大し中東情勢の緊張が高まると、中東産油に大きく依存している日本は困難に直面する。

アメリカ経済、中国経済、原油価格の3大要因が、すべていい方向に展開する可能性もないではない。逆に3つとも悪い方に向かうと、状態は最悪になる。真実はその間に求められるのだろうが、いま測定することは不可能だ。しかも3つの要因は、互いに密接な関連性を持って動く。こんなに見通しの難しい年は珍しい。株式市場に伝わる古い格言「申騒ぐ」が、的中しそうな予感がする。

      ≪7日の日経平均 = 下げ -423.98円≫

      ≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ


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サタデー自習室 -- 軽減税率のすべて ⑩
2016-01-09-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大幅に増える益税 = 「益税」という奇妙な言葉が定着してしまった。なにしろ「利益になる税金」という意味だから、本来なら理解に苦しむ。この益税は、消費税の登場とともに誕生した。消費者が支払った税金の一部または全部を、事業者が自分の懐に入れてもいいという制度である。そもそもは零細な事業者を救済するために作られた制度だが、適用の範囲がずいぶんと広がってきてしまった。

現在の法律では、年間売り上げが1000万円以下の零細業者は消費税の納入を免除される。たとえば500円で仕入れた商品を1000円で売った場合、本来ならば客から受け取った消費税80円から仕入れ時に払った消費税40円を差し引いた40円を納税しなければならない。しかし免税措置によって、この40円は零細業者の利益となるわけだ。

次に年間売り上げが5000万円以下の業者については、簡易課税制度が適用される。これは業種によって政府が仕入れ率を決めておき、業者は実際の仕入れ額とは関係のないこの仕入れ率を使って、消費税額を計算する。政府が決めた仕入れ率は高めに設定されているから、業者はその分だけ納税額を少なくすることができる。

消費税を納めた企業や自営業者は、13年度で約300万。そのうち約120万社が簡易課税制度を利用している。会計検査院の調査によると、益税の恩恵を受けたのは約8割にのぼった。これに免税業者の分を加えると、益税の総額は5000億円に達すると推計されている。17年4月に消費税が10%に引き上げられると、こうした益税はさらに規模が拡大することになるだろう。

                               (続きは来週サタデー)

      ≪8日の日経平均 = 下げ -69.38円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】    


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-01-10-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第8章 円高・円安って、なんだろう? ⑥

◇ 戦後は1ドルが360円 = みなさんは毎日、円というおカネを使っていますね。日本が自分の国の通貨に「円」という名前をつけたのは、1871年(明治4年)でした。いまから145年も前のことです。それ以前は、おカネに「両(りょう)」という名前を付けていました。テレビの時代劇を見ていると、10両だとか100両だとかいう話が出てくるでしょう。

明治政府は「円」を誕生させたとき、1ドル=1円と決めました。しかし、これでは円が高すぎて輸出が伸びません。円安にして輸出を伸ばそうという主張と、円安にすると輸入物価が高くなるから反対だという主張が激しく対立したという記録が、1893年の文書に残っています。この議論の意味がよく判らない人は、先々週と先週のこのブログを読み返してみてくださいね。

円のドルに対する価値は、1897年になると1ドル=2円に改められています。その後も少しずつ円安の方向に変えられて、第2次大戦が始まる直前のレートは1ドル=4円25銭でした。戦争で日本経済はめちゃめちゃになりましたが、戦後1949年(昭和24年)になって、日本を占領していた連合軍が1ドル=360円にするよう命令を出しました。ここから1ドル=360円の時代が22年間も続いたのです。

戦争で日本の経済力はゼロに近くなっていたため、最初360円という為替レートはきびしい円高。輸出もほとんど出来ませんでした。それが経済の復興によって、360円レートでも輸出が大きく伸びるようになったのは1968年(昭和43年)ごろからです。つまり経済が強くなったために、日本にとっては同じ360円レートでも円安になったと言うことができます。                                 
                            
                               (続きは来週日曜日)   


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今週のポイント
2016-01-11-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 世界同時株安でスタート = 2016年の株式市場は、最悪のすべり出しとなった。日経平均は5日間の続落。日経平均の算出が始まった1950年以降で、年初5日の続落は初めての記録である。週間では1336円の大幅な値下がり。東証第1部だけでなく、第2部も5日間の続落となった。中国経済の先行き不安が強まったところへ、サウジアラビアとイランの断交、北朝鮮の水爆実験という悪いニュースが追い打ちをかけた。

ダウ平均も先週は1079ドルの値下がり。中国・中東・北朝鮮のほか、原油価格が1バレル=32ドル台まで低落したことも、ニューヨーク市場の空気を暗くした。驚いたことは、金曜日に発表された12月の雇用統計が予想をはるかに上回る好結果を出したのに、株価はいったん急騰したのち下落してしまったこと。リスク回避の強さがうかがわれる。

同時株安の引き金を引いたのは中国。その上海総合株価指数は週間353ポイントの下落にとどまった。株価と為替対策で失敗した中国政府が、あわてて対策を追加したためである。世界中の市場を覆った不安感は、今週も消えないかもしれない。しかし中国政府がさらなる対策を打ち出せば、株価が一斉に反発する可能性もなくはない。

今週は12日に、11月の国際収支、12月の消費動向調査と景気ウォッチャー調査。14日に、11月の機械受注と12月の企業物価。アメリカでは15日に、12月の工業生産、生産者物価、小売り売上高、1月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が13日に、12月の貿易統計を発表する。なお12日には、オバマ大統領が一般教書を朗読する。

      ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ


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慌てた 中国政府 : 市場対策
2016-01-13-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 肝心なのは経済対策 = 新年早々、中国政府・人民銀行は市場対策に大わらわだった。まず株価の急落を抑えるため、ことしから導入したばかりのサーキット・ブレーカー制度が大失敗。年明け4日の株価が下落したのを見て、さっそく実行したが株価の下落は逆に加速してしまった。この制度は市場の空気を冷やすため、取り引きを強制的に15分間中断させる政策。だが市場は「政府が弱気になった証拠」と判断してしまった。

一方、人民銀行は昨年末から人民元の対ドル・レートを切り下げてきた。元安で輸出を拡大する景気対策である。人民銀行は新年に入っても、この政策を推し進めた。ところが市場は、これを「中国経済が悪化している証拠」と受け取った。このため中国からの資金流出が加速、かえって中国経済に悪影響を与える結果となってしまった。

こうした市場政策の失敗から、上海市場の株価が急落。世界同時株安の大きな原因になっている。中国政府は失敗に気付いて、ただちにサーキット・ブレーカー制度を撤廃。大株主による保有株の大量売却を規制するなどの措置をとった。人民銀行も8日には、元レートを切り上げる方向に転換している。メンツを重んじる中国にしては、素早い修正だった。

だが、これで問題が解決したわけではない。市場対策も結構だが、小手先の対症療法は効果がないだけでなく、副作用も大きい。もっと根本的な経済対策が併用されないと失敗することは、先進国の経験に照らしても明らかだ。いまの中国の場合、過剰設備の廃棄や国有企業の生産性向上につながる大規模な政策を打ち出せるかどうかだろう。

      ≪12日の日経平均 = 下げ -479.00円≫

      ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ


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キッカケが欲しい : 株価の反転
2016-01-14-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日銀は勇気を出せ = 世界同時株安が進行してしまった。発端は中国が昨年末に人民元を切り下げたこと。中国経済の不調を、世界中に改めて認識させる結果となった。上海市場から資金が引き揚げられ、株価が下がる。中国政府・人民銀行の対策は、ことごとく失敗。それを見て、東京やアジア各国でも株式が売られる。ニューヨークやヨーロッパ市場でも、株価が急落した。いわばチャイナ・クライシスである。

新年第2週に入って、世界同時株安の状況はやや変化してきた。東京⇀上海⇀ヨーロッパ⇀ニューヨーク⇀東京というように、時差の関係で早く開く市場の株安を見て、次の市場でも株価が下がる。いわば“地球自転型”の連鎖が始まっている。さすがに13日には自律的な調整もあったが、まだ悪い連鎖は断ち切れていない。連鎖を断ち切るためには、何かしらのキッカケが必要になってくる。

ここでも、まず注目されるのは中国だろう。市場取り引きの一時中断とか大株主に対する売却規制など、小手先の対症療法は全く効き目がなかった。そこで政府の財政出動や、人民銀行による大胆な金融緩和が期待されることになる。一方、アメリカは9年ぶりに金利を引き上げたばかり。ここで景気対策や金融緩和を実施する条件は皆無と言っていい。

日本はどうだろう。まだ景気が悪化してきたわけではないので、政府が動くことは考えられない。あとは日銀に期待するだけだ。その日銀は、黒田総裁がしばしば「打つ手はたくさんある」「出し惜しみしない」と発言はするが、実際には何もしていない。量的金融緩和の一環として実施している市場からの国債やETF(上場投資信託)の買い取りも、増やしているという話は伝わってこない。こういうときにこそ、実施すべきなのに。口先ばかりで行動しない日銀。いま動けば、世界中から感謝されるのに。

      ≪13日の日経平均 = 上げ +496.67円≫

      ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ


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紙は鉄よりも 高し
2016-01-15-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 中国経済の窮状を映す = 日本は大量の鉄スクラップや古紙を、中国などに輸出している。その輸出価格が、このところ大幅に下がってきた。たとえば最近の鉄スクラップは1㌔=15円70銭。段ボール古紙は1㌔=18円10銭。鉄スクラップは昨年6月に比べると、半値に近い。古紙も1割ほど値下がりしている。鉄スクラップの方が大きく下げた結果、いまや鉄は紙よりも値段が安くなった。

中国は粗鋼でも紙・板紙でも、世界一の生産国。世界の粗鋼生産能力は約23億トンだが、中国はその半分に近い11億4000万トンの設備を保有している。しかし、そのうちの少なくとも4億トン分は過剰設備。このため生産過剰で価格が下がり、これが日本の鉄スクラップ輸出価格を暴落させた。古紙についても同様な状況が起きている。

日本やアメリカ、ヨーロッパ諸国は中国に対して、こうした状態を早く改善するよう強く要求してきた。中国政府も鉄鋼やセメント、紙パルプなど基幹産業の過剰設備がアキレス腱になっていることは、十分に承知している。GDP成長率を押し下げ、中国経済の将来に不安を抱かせる最大の原因だ。しかし政府の対策にもかかわらず、過剰設備の廃棄は一向に進まないのが現実のようである。

このため中国経済の先行きに対する不安が増大、新年に入って世界同時株安を惹き起こした。そして世界がいま注視しているのは、中国が国有企業の統廃合など改革を進められるかという点。ところが、その実態はなかなか伝わってこない。その実態は中国政府の発表を待つよりも、鉄スクラップや段ボール古紙の輸出価格を追跡する方が、案外早くて確実なのかもしれない。

      ≪14日の日経平均 = 下げ -474.68円≫

      ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 軽減税率のすべて ⑪
2016-01-16-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 財源ないまま決定 = 軽減税率の適用範囲を「酒類と外食を除く食品」と決めたため、消費税収は約1兆円減ることになった。ところが消費税の引き上げによる税の増収分は、軽減税率による減収分とは関係なく、すべて社会保障関連の費用に充てると決められている。このため政府が1兆円の資金を何らかの形で調達しないと、社会保障費に大穴が開いてしまうことになった。これが軽減税率の財源問題である。

政府は低所得世帯の医療・介護負担に上限を設ける方針を急きょ取りやめ、これで4000億円の財源を捻出した。しかし、まだ6000億円足りない。いろいろな案を検討したが、どうしてもいい案が見つからない。そこで政府・与党は、この問題を16年度中に考えることにしてしまった。実際におカネが必要になるのは17年度からだから、これでも間に合うという理屈である。

これまでに検討された案--▽法人税の自然増収分を使う=長期的に自然増収が出る保証はなく、恒久的な財源にはならない▽円安で発生している外国為替資金特別会計の含み益を使う=これも円高になれば消えるので、恒久財源にならない▽たばこ税の引き上げ=1本につき1円上げても1500億円にしかならない。公明党は賛成だが、自民党は反対▽社会保障費の削減=消費税引き上げ本来の趣旨に反する▽高所得者の所得増税=参院選を控えて、とてもムリ・・・。

検討する期間を1年延ばしてみても、名案が出る望みは薄い。結局は自然増収や含み益を使って、1年度ずつ辻褄を合わせる。それが出来なくなったら、その次の消費増税を担保として、赤字国債を発行する。そんなところに落ち着くのではないだろうか。いずれにしても軽減税率によって生じる財源不足は、国民の税金で賄われる公算が大きい。

                                    (続きは来週サタデー)

      ≪15日の日経平均 = 下げ -93.84円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-01-17-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第8章 円高・円安って、なんだろう? ⑦

◇ 固定制と変動制 = 1ドル=360円の時代が終わったのは、1971年(昭和46年)のことでした。この年の8月、アメリカのニクソン大統領は突然「金本位制(きんほんいせい)を止める」と発表したのです。それまではドルをアメリカの中央銀行に持って行くと、1トロイオンス(約31グラム)の金を35ドルで売ってくれました。これが金本位制で、ドルの価値を落さないための方法でした。しかしアメリカは貿易で大赤字を出し続けて、この制度を続けられなくなってしまったのです。

アメリカの赤字を減らすために、各国は自国の通貨をドルに対して切り上げることにしました。ドルの価値は下がりますが、アメリカは輸出を伸ばしやすくなりますね。日本もこのとき、円を1ドル=308円に切り上げたのです。でも混乱がなかなか収まらなかったため、72年から73年にかけて、各国は変動相場制という新しい方式を採用します。日本も73年2月に、変動相場制へ移行しました。

1ドル=360円とか、1ドル=308円というふうに、あらかじめ通貨の交換レートを決めておくやり方を固定相場制と言います。もし360円で輸出が伸びすぎたり、輸入品の価格が高くなりすぎた場合には、このレートを変更して調節すればいいと考えたわけです。これに対して変動相場制というのは、外国為替市場に集まってくる需要と供給にレートをまかせてしまう方法です。輸出が伸びてドルがたくさん市場に出されれば、ドルは下がり、円は上がるでしょう。こうして自然に輸出は抑えられるという考え方です。

いまも変動相場制は続いています。需要と供給の力によって、レートがいつも変動していることは、みなさんも知っていますね。円の値段も73年からは、ずいぶん大きく動いています。最近では2011年の10月に、1ドル=75円32銭という戦後で最も高いレートを記録しました。ここ数年は、1ドルに対して、だいたい80円から130円ぐらいの間を行ったり来たりしています。

                             (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2016-01-18-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 年初来1887円の下げ = 世界的な株価の下落が止まらない。日経平均は先週551円の値下がり。13日には反発したが、年明け以降この日を除いてすべて下落。この2週間で1887円も下げている。ダウ平均も週間358ドルの値下がり。こちらも新年に入ってから1400ドル以上の下落となった。上海総合株価も週末には2901まで下げている。まさに世界同時株安の様相だ。

東京市場にとっては円相場の反転、ニューヨーク市場にとっては原油安。また上海市場は中国経済の先行き不安感と、それぞれに大きな悪材料を抱え込んでいる。そのうえに互いの株安が影響し合って、リスク回避の動きが連鎖する状況を作り出してしまった。この間、どの国の当局者も声を潜めている。市場の自律反発を待つしかないと考えているのだろうか。

株価がここまで下がると、実体経済にも影響が出始める。日本とアメリカでは10-12月期の決算発表が始まるが、こんな状況では経営者の先行き見通しも慎重にならざるをえない。それがまた株価に悪い影響を及ぼす。各国の政府・中央銀行が動かないとなると、市場も株価の自律反転を待つしかない。

今週は18日に、11月の第3次産業活動指数。19日に、12月の訪日外国人旅行客数。21日に、11月の全産業活動指数。アメリカでは19日に、12月の消費者物価と住宅着工戸数、1月のNAHB住宅市場指数。22日に、12月の中古住宅販売とカンファレンス・ボード景気先行指数、1月の製造業PMI。また中国は18日に、主要70都市の住宅価格。19日に、10-12月期のGDP速報、12月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資を発表する。

      ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ


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独り負けの 日本市場 : 新車販売
2016-01-19-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 前年割れは日本だけ = 中国、アメリカ、ヨーロッパ諸国、そして日本の昨年の新車販売統計が出揃った。このうち中国とアメリカの販売台数はともに過去最高。ヨーロッパも前年を上回っている。ガソリン価格の大幅な下落が、車の売れ行きを持ち上げる原動力となった。そうしたなかで、日本国内での販売台数だけが前年に達しなかった。

中国汽車工業会の発表によると、15年の新車販売台数は2459万台。前年を4.7%上回り、過去最大の記録を更新した。いぜん世界第1位の販売台数を誇っている。昨年10月から実施された小型車に対する減税が、大きな効果を上げた。日本勢も健闘し、トヨタは前年比8.7%、日産は6.3%の増加。工業会では16年も5.7%増加すると強気な予測をしている。

オートデータ社の集計によると、アメリカの15年の新車販売台数は1747万台だった。前年比5.7%の増加で、15年ぶりに記録を更新した。ガソリン価格の下落で、特に大型車の売れ行きが好調だった。外国車ではトヨタが5.3%伸びた一方、フォルクスワーゲンは4.8%減少している。また欧州自動車工業会によると、主要18か国の15年の乗用車販売台数は1320万台。前年より9%増加した。

日本の15年の販売台数は505万台。前年比は9.3%の減少だった。特に軽自動車は前年比16.6%と大きく落ち込んでいる。これは昨年4月に軽自動車の取得税を引き上げた影響が大きい。ただ登録車の売れ行きも4.2%減少している。ガソリン価格が大幅に値下がりしたにもかかわらず、新車販売が日本だけ不調だったのは何を意味しているのだろうか。

      ≪18日の日経平均 = 下げ -191.54円≫

      ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ


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政府は何か手を打つ : 中国 (上)
2016-01-20-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 25年ぶりの低成長に = 中国統計局が19日発表した昨年10-12月期の実質経済成長率は、前年比で6.8%だった。7-9月期に比べると0.1ポイントの低下で、四半期としては09年1-3月期以来の低さとなっている。この結果、15年の実質成長率は6.9%にとどまった。14年に比べると0.4ポイントの低下。天安門事件の直後1990年以来25年ぶりの低い成長率である。

中国は03-07年の間、2ケタの実質成長率を記録。特に07年は14.2%の高成長を達成した。その後はしだいに成長率が低下、11年からは1ケタ成長となっている。習政権は現行の5か年計画で7%成長を目標としているが、昨年はそれをわずかながら下回ってしまった。こうした中国経済の成長鈍化が、いま世界経済に大きな悪影響を与えている。

成長率が落ち込んだ原因は、不動産バブルの崩壊。特に地方で大型のマンションやオフィスビル、あるいはショッピング・センターなどが大量に売れ残った。このため不動産投資が急減、鉄鋼やセメントに対する需要が激減。にもかかわらず生産調整ができなかったために、乱売競争で価格が低落した。消費者物価は上昇しているのに、生産者物価が下落し続けているのは、このためである。

政府は基幹産業である鉄鋼やセメントなどの過剰設備を廃棄し、全体としての生産性を上げようと躍起になっている。だが地方の国有企業は地元の自治体や共産党との結びつきが強く、合理化はなかなか進展しない。そうした状況の下で、成長率を引き上げるために大規模な景気対策を実施すれば、ゾンビ企業が生き残ってしまう。だが成長率がさらに下がるようだと、そうも言っていられない。12月の経済指標にも、改善の兆しは全く見えないからだ。

                                    (続きは明日)

      ≪19日の日経平均 = 上げ +92.80円≫

      ≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ


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政府は何か手を打つ : 中国 (下)
2016-01-21-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ ことしは6.5%を割るかも = 12月の経済指標を見ても、芳しいものは見当たらない。鉱工業生産は前年比5.9%増で、11月の6.2%増からさらに鈍化した。前年に比べると約半分の伸び率に落ちている。公共投資に民間の設備投資を加えた固定資産投資額は、前年比10.0%増だった。1-11月間の10.2%増より少し鈍化している。これも前年に比べると、半分程度に落ちた。一方、小売り売上高は前年比11.1%増とまだ高水準を維持している。しかし11月の11.2%増より伸びは小さくなった。

特に貿易の縮小が著しい。15年でみると、輸出入を合わせた貿易総額は3兆9586億ドルで前年より8.0%減少した。輸出は2.8%の減少、輸入は14.1%の減少となっている。中国政府は「輸出の減少は外需の低迷、輸入の減少は原油安による」と説明しているが、輸出の減少要因として競争力の減退を挙げる専門家は多い。

15年の実質成長率は6.9%だったが、最も大きなマイナス要因は固定資産投資。前年の15.7%増から10.0%増へ減速した。このうち不動産投資は10.5%増から1.0%増へと急減している。こうした傾向が続けば、GDP成長率はさらに低下するだろう。このため専門家の間では、16年の成長率が6.5%を切る可能性が出てきたという見方が強い。

北京政府にとっては、絶対に避けたい可能性である。仮に6.5%を切るようなことがあれば、国民の不満が爆発するかもしれない。習政権に対する信頼感も揺らぐだろう。そこで政府はいま何とか成長率を維持するための対策つくりにチエを絞っているはず、という観測が広がってきた。基幹産業の合理化を阻害することなく、景気を持ち上げる政策。どんな内容になるのかは、フタを開けてみなければ判らないが・・・。

      ≪20日の日経平均 = 下げ -632.18円≫

      ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ


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日銀は ど近眼なのか
2016-01-22-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 景気の回復を強調するばかり = 「国内経済は輸出と生産面に新興国経済の減速の影響がみられるものの、緩やかな回復を続けている」――黒田日銀総裁が今週開いた支店長会議の冒頭で発言した内容の骨子である。この会議では各支店長が担当地域の景況を報告。その結果は、前回10月の時点に比べて改善したのは東海地域だけ。悪化したのは近畿地域だけ。あとの地域は、すべて変化なしという結論になった。

ところが奇妙なことは、景況が悪化した近畿地域を含めて全支店長が「経済は緩やかに回復している」という最終判断を下したことだ。要するに日銀は一致して、現時点の経済動向は昨年10月時点と変わらず「回復中」だと認識していることになる。だが3か月前と比べると、日本経済の状況がかなり悪化していることは誰の目にも明らかだ。

株価は大幅に下落した。鉱工業生産は前年割れの傾向が続く。円相場は明らかに円高にシフトした。企業の収益見通しも、慎重になってきている。特に中国経済や原油価格の見通しが不透明で、国内経済の先行き不安が増大してきた。こうした状況の変化、特に将来展望の悪化に日銀は目を閉ざしている。先を見ないのか、見えないのか。

日銀が本当に経済の現状を楽観しているとすれば、追加の金融緩和など期待できるはずもない。ただし会議の前に総裁が楽観論をぶってしまったため、支店長たちはそれに追随せざるをえなかったのかもしれない。その場合は、先を見通せない経済的な近視眼は黒田総裁ただ一人となるのだが・・・。

      ≪21日の日経平均 = 下げ -398.93円≫

      ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 軽減税率のすべて ⑫
2016-01-23-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 店頭の価格表示は5通りに = 17年4月に消費税は10%に引き上げられるが、酒類と外食を除く食品には8%の軽減税率が適用される。消費者にとっては、買い物がやや複雑になることは確かだ。そのとき店頭の値札に書き込まれる商品の価格表示は、どうなるのだろうか。予想される表示方法は5通りになると考えられる。

店頭価格の表示方法は、04年に税込みの表示が義務付けられた。しかし14年9月には、本体価格の明示だけでもよいことに変更されている。これは小売店が、消費税率の改定ごとに値札を書き換えなくてもいいようにするためだった。そのときの法律改正では、この措置は18年9月まで有効となっている。

したがって17年4月以降、小売店が本体価格だけを明示する方法も可能だ。ただ消費者にとっては、税率が8%なのか10%なのか判りにくい。次は税込み表示をする場合で、10%の税額を加算した表示と8%の税額を加算した表示の2通りが出現する。ただ消費者にとっては、税金の実額が判りにくい。あとは本体価格税込み価格を併記する方法。これも8%の場合と10%の場合に2分される。消費者にとって、最も判りやすい方法だ。

家計にとっては税金も出費のうち。だから商品を買うときには、税込み価格を重視することになる。しかし買い物をすることによって、自分がどのくらいの税金を払ったかを知る権利も当然ある。小売店の協会あたりで、本体価格税込み価格の併記で業界を統一できないものだろうか。また8%商品の値札は青地、10%は白地にするといった工夫もできればと思う。

                                   (続きは来週サタデー)

      ≪22日の日経平均 = +941.27円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-01-24-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第8章 円高・円安って、なんだろう? ⑧

◇ 実際の円相場の動き = これまでの説明では、みなさんが判りやすいように「1ドル=100円だった円の相場が、もし200円になると」というような例をあげてきました。でも、じっさいには円の価値が、短い期間でこんなに大きく変動することはありません。少し前からの動きを調べてみましょう。

いまから4年前の12年1月の円相場は、1ドル=82円63銭でした。前年3月の大震災のあと、4月の相場は83円34銭とやや下落しています。そこからは上昇し始め、11年10月31日には75円52銭の戦後最高値を記録しました。その後は円安傾向に進み、昨年1月は118円。それが6月には126円近くにまで下がったあと、現在は117円台になっています。つまり、この1年間をとってみると、円の対ドル相場はほとんど変わらなかったことになります。

もう1つ。これまでは円高や円安のことを、だいたい円のドルに対する価値で説明してきました。日本とアメリカは、経済的にとても近い関係にあります。ですから円相場と言うと、円のドルに対する価値を指す場合が多いのです。しかし日本はアメリカ以外の多くの国とも、貿易や投資など経済的な関係を持っていますね。ですから外国為替市場では、これら多くの国の通貨も売買されて、いつも相場が動いています。

たとえば現在のユーロに対する円相場は、1ユーロ=127円前後です。ユーロというのは、フランスやドイツ、イタリアなどヨーロッパ大陸の19か国が使っている通貨のことです。ほかにもイギリスのポンド、中国の元、オーストラリアのドルなど、たくさんの通貨に対する円相場があるわけです。

                            (続きは来週日曜日)
                 

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今週のポイント
2016-01-25-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大揺れの株式市場 = 先週の東京市場は、文字通り“申騒ぐ”乱高下を演じた。大幅な下げが続いて年初来の下落幅が3000円を超えたあと、金曜日には941円の上昇となった。それでも前半の下げがきつく、日経平均は週間189円の値下がり。一方、ダウ平均も上下はしたが、週間では105ドルの値上がりだった。

金曜日に大きく揺り戻した原因は3つ。まず株価が1万6000円まで下がったことで、下値拾いの買いが入りやすかった。次に原油の国際価格がやや反発に転じた。そこへECB(ヨーロッパ中央銀行)のドラギ総裁が記者会見で「3月の理事会で金融政策のスタンスを見直す」と発言したこと。特にドラギ発言の効果は大きかった。全く同じ条件だったにもかかわらず、日銀はこのチャンスを逃してしまったことになる。

さて、ここから株価は上昇局面に入るのだろうか。金曜日の900円を超す値上がり幅は、昨年9月9日の1343円高に次ぐ大きさだった。そのときは、その後の3週間下げている。必ずしも同じ形になるとは限らないが、今週はやはり反動で下げる可能性は小さくない。ただし日経平均は、1万6000円が下値であることは確認されただろう。

今週は25日に、12月の貿易統計。26日に、12月の企業向けサービス価格。29日に、12月の鉱工業生産、労働力調査、家計調査、消費者物価。アメリカでは26日に、11月のFHFAとSPケースシラーの住宅価格、1月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。27日に、12月の新築住宅販売。28日に、12月の中古住宅販売。29日に、10-12月期のGDP速報が発表される。

      ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ


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原油は まだ下がるのか? (上)
2016-01-26-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 20ドル下限説が有力 = 「原油価格は下げ止まった」という見方が出始めている。というのも先週のニューヨーク市場で、一時は1バレル=26ドル台まで下がったWTI(テキサス産軽油)の先物相場が、週末になって急騰。32ドル台にまで大きく戻したからである。だが関係者の間では、依然として「20ドル近辺まで下げる」という予想の方が有力だ。なぜだろう。

その理由は、中長期的に原油価格を押し上げる要因が見当たらないからである。まず供給面ではOPEC(石油輸出国機構)が機能不全に陥って、生産目標を設定できなくなったこと。これによってOPEC加盟国はもちろん、非加盟国のロシアなども増産に突っ走るようになってしまった。そのうえアメリカも国内で余ったシェール・オイルを輸出する。さらに経済制裁を解除されたイランが輸出を再開する。

先週末の反発はECB(ヨーロッパ中央銀行)による金融緩和の期待と、アメリカを襲った寒波が原因だった。つまり短期的な要因である。このため昨年は世界の過剰生産量が日量170万バレルにのぼったが、ことしはそれ以上の余剰が出ると予測されている。IEA(国際エネルギー機関)も「16年の需要は弱く、需給関係は改善しない」という報告書を公表した。

価格の下落によって、原油発掘業者の採算は大幅に悪化した。このため新規投資は抑制され、設備の保守も滞りがちだという。また貯蔵タンクが満杯に近づいてきた。こうしたことから原油の生産は頭打ちになるという見方もある。しかし実際にいつごろ、そういう現象が出てくるのか。その具体的な予測はまだない。

                                 (続きは明日)

      ≪25日の日経平均 = 上げ +152.38円≫

      ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ


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原油は まだ下がるのか? (下)
2016-01-27-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 「原油は安くない」という考え方 = 原油の国際価格は、08年に1バレル=147ドルにまで高騰した。その水準からみれば、最近の30ドル前後という価格は大幅に安い。だが現在の価格水準は本当に安いのか。歴史的にみると1973年の第1次石油ショックは、アラブ産油国が原油価格を3ドルから5ドルに引き上げたことで惹き起こされた。その後77年には20ドルに値上がりしているが、そのあとは約30年間にわたって20-30ドルの時代が続いている。

21世紀に入って03年のイラク戦争を契機に、原油価格は急激に上昇した。その背景には戦火が油田地帯に及んだり、中国などの新興国による需要の増大といった事実もあったことに違いはない。しかしリーマン・ショック後に原油価格を垂直に押し上げた最大の要因は、日米欧の中央銀行が実施した金融緩和政策。つまり過剰流動性が生み出した投機資金だったと言えるだろう。

仮に投機資金の影響がなかったとしたら、原油価格の過去最高値はどの程度だっただろう。おそらくは50-60ドルどまりではなかったか。これを08年に147ドルまで押し上げたのは投機資金の働き。いま20-30ドルにまで引き下げたのは、供給過剰と需要の減退によるものだと考えたら判りやすい。

そう考えると原油価格が再上昇する条件は、需給の均衡か投機の復活ということになる。ところがOPECが機能を停止し、中国の経済不安が継続し、アメリカが金融引き締めに転じた現時点では、その条件が一つも見えてこない。これが「原油20ドル説」の理論的な根拠となっているように思われる。

      ≪26日の日経平均 = 下げ -402.01円≫

      ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ


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アメリカ経済は 大丈夫なのか
2016-01-28-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 心配な生産活動の低下 = アメリカ商務省は29日、昨年10-12月期のGDP速報を発表する。最近明らかになった経済指標には弱いものが目立ち始めたため、事前の予測では「成長率はかなり鈍化した」という見方が強くなってきている。昨年4-6月期の成長率はプラス3.9%、7-9月期はプラス2.0%だった。仮に10-12月期がゼロ成長前後にまで落ち込めば、FRBの金利引き上げ政策にも大きな影響を与えることになる。

はっきりと勢いを失っているのは製造工業。生産指数は昨年8月から12月まで、前月比のマイナスが続いている。ISM景況指数も11月、12月と50を割り込んだ。原油安でエネルギー関連企業が不調に陥り、ドル高で輸出が伸び悩んだためとみられる。一方、住宅着工は堅調に推移しているが、小売り売上高は伸びていない。クリスマス商戦も不発に終わったようで、12月の小売り高は前年比0.1%の減少だった。

しかし雇用情勢はきわめて順調だ。12月の非農業雇用者数は29万2000人も増えている。製造業の雇用者は減っているが、医療や介護などのサービス業が大きく雇用者を増やした結果だ。このように、いまのアメリカ経済には明るい面と暗い面が混在している。そんな状況のところへ発表されるGDP速報。結果次第では、アメリカ経済の将来に対する不安が一気に高まりかねない。

仮に10-12月期の成長率がゼロ前後まで落ち込めば、FRBは3月に再利上げを強行することは困難になるだろう。引き締めが遠のくということで、株式市場は一時的に歓迎するかもしれない。しかし中国や産油国、新興国に加えて、アメリカ経済にも赤信号が灯れば、日本経済は四面楚歌になってしまう。そうならないことを祈りながら、29日の発表を待つしかない。

      ≪27日の日経平均 = 上げ +455.02円≫

      ≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ


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外国人客は ゆっくり増やそう
2016-01-29-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 昨年の訪日客は1973万人 = 観光局の推計によると、昨年の訪日外国人客数は1973万人に達した。3年連続の増加で、前年より47%も増えている。政府は20年までに2000万人を誘致する目標を掲げているが、15年でほぼ達成してしまった。円安やビザ取得の条件緩和、免税店の拡大、格安航空機の増加が寄与したものと考えられる。

国別では中国が第1位で499万人。次いで韓国、台湾の順となっている。またアメリカも初めて100万人を超え、第5位に入った。これらの訪日客が買い物や宿泊、交通に使ったおカネは、占めて3兆4771億円。この金額は、いまの国会で成立したばかりの15年度補正予算より大きい。内訳では買い物代金が1兆4539億円で、最も多かった。

デパートや量販店、宿泊業や交通業の売上げ・利益は、予想以上に増加した。法人税収も増大している。そこで政府部内や関係業界のなかでは、20年の誘致目標を一気に3000万人に引き上げる案が検討され始めた。しかし、ここで急ぎすぎることは禁物。なぜなら、すでにいろいろな面で大きな問題が生じ始めているからだ。

たとえば宿泊施設が足りない。観光バスの運転手が不足している。ガイドさんの質が落ちた――などなど。そのうえ伝統のある日本旅館がいっぱいで、日本人は予約がとれない。忙しくなったために、そんな有名旅館のサービスが低下している。要するに需要の急増で、いちばん大事な“おもてなし”の構造さえが壊れてしまう危険が生じてきた。そうなっては、元も子もなくなる。これからは外国人客のゆっくりした増加を計画した方がいい。

       ≪28日の日経平均 = 下げ -122.47円≫

       ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 軽減税率のすべて ⑬
2016-01-30-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 平均軽減額は1万2000円 = 政府・与党は、低所得層の負担感を減らすために軽減税率を導入したと説明している。所得が低い世帯ほど、全支出に占める食品の比率は高くなる。だから食品に軽減税率を適用すれば、その負担感は軽くなるという理屈だ。これに対して野党は、食品に対する支出額は高所得層の方が大きい。したがって高所得層の方が得をするから、高所得層を優遇する政策だと反論している。

財務省は2人以上世帯について、収入別の消費税支払い額と軽減税率による支払い軽減額を試算した。それによると、最も多数を占める年収450万-500万円の世帯は支払い額が年間23万6000円。軽減される金額は1万2685円となっている。また年収200万-250万円の世帯では、それぞれ16万7535円、1万1102円。年収が1250万-1500万円の世帯では、43万7293円、1万6749円だった。

これをみると、たしかに軽減される金額は低所得層より高所得層の方が大きい。しかし収入に占める軽減額の割合は、高所得層の方が圧倒的に小さい。また消費税そのものの負担額も、高所得層の方がずっと大きい。高所得層の方が、食品をたくさん食べているわけではないだろう。高額の品物を買うから支出が大きくなり、消費税額も増えてしまう。そんな人たちに減税する必要があるのか、という意見もないではない。

国会では与野党が、軽減税率制度は低所得層対策なのか高所得層の優遇措置なのか、について論争を繰り返している。だが財務省の試算をみても、その決着をつけるのはなかなか難しい。読者の皆さんの意見も、きっと割れるのではないかと思う。

                                (続きは来週サタデー)

      ≪29日の日経平均 = 上げ +476.85円≫

      【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】                 

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-01-31-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第8章 円高・円安って、なんだろう? ⑨

◇ 長期的には大幅な円高 = 現在、円の対ドル相場は1ドル=120円ぐらいです。戦後の1ドル=360円時代からみると、円の価値はちょうど3倍に上昇しました。これは基本的には、日本経済の実力が高まったことを反映しています。

では今後の円相場は、どうなるのでしょう。経済をよく勉強している人たちに聞いてみても、あまり答えてくれません。というのも、円の相場を動かす原因が多すぎるため、その将来を予想することはとてもむずかしいからです。もちろんアメリカ向けの輸出が増えたり、日本に対するアメリカからの投資が増加すれば、外国為替市場ではドルの供給が多くなりますから、ドル安・円高への力が働きます。

ところが円相場は、まだまだ数多くの力で動くのです。たとえば金利。おカネは金利の高いところで使うほうが得ですから、日本の金利が上がればドルが入ってきて、これもドル安・円高の原因になるのです。ほかにも国の経済状態や政治情勢、社会が落ち着いているかどうか。地震や大あらしの影響。大臣たちの発言など・・。

しかも自分の国の状態だけではありません。相手の国の状態が変わると、それが相場にはすぐ影響します。それどころか、日本にもアメリカにも直接は関係のない国で起ったことも、円とドルの価値には響くのです。たとえばアラブの産油国で戦争が起ると、石油の生産が減ってしまうかもしれません。そのときアメリカと日本を比べると、日本の方が影響を受けやすいと考えられるので、円の対ドル相場は下がるでしょう。とにかく円相場の予想はむずかしい。だから、ここでも予想は止めておきましょう。

                              (続きは来週日曜日)
                     

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