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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
安倍さんの嘆きは スジ違い
2016-04-01-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 先行き不安の解消が先決 = 安倍首相は先週の経済財政諮問会議で、ことしの春闘に触れ「企業の収益が過去最高となるなかで、賃上げにもう少し力強さが欲しかった」と嘆いたと伝えられる。連合の第1次集計によると、ことしの賃上げ額は平均6341円。昨年の第1次集計より1156円少なくなった。賃上げにもう少し力強さがあれば、家計の消費支出も伸びる。そうすれば経済の好循環も始まったはず。残念だ、というのが安倍首相の胸の内だったに違いない。

総務省が集計した2月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は平均26万9774円。前年を1.2%上回った。しかし、ことしはうるう年。その影響を調整すると、前年比は1.5%減少になってしまう。結果として、家計の実質消費支出は昨年9月以来6か月連続の減少になってしまった。これでは経済の好循環どころではない。

賃上げの原資が、企業の利益にあることは間違いない。昨年の企業利益は、安倍首相が指摘するように過去最高。だから昨年の春闘では大幅な賃上げが実現した。だが現在の業績見通しは、世界経済の不調や円高の影響で、目に見えて悪化している。こうした状況を受けて、経営者は昨年ほどの賃上げは決断できなかった。つまり賃上げの幅は、将来の業績見通しによって決まる。安倍首相は、この点を読み違えた。

したがって安倍首相が経済の好循環を期待するならば、なによりも経済の先行きに生じた不安の雲を払拭することが先決である。新年度予算の前倒し執行もいいが、そんな目先の対策では先が見えてこない。20年のGDPを600兆円に拡大する目標を掲げたが、その具体的な方策は示されない。この際はまず当面の不安要因である消費増税の延期を早く決断し、同時にGDPを毎年20兆円ずつ増やす具体策を策定する。それが経営者心理の委縮を防ぎ、経済の好循環を呼び込む本筋ではないのか。

      ≪31日の日経平均 = 下げ -120.29円≫

      ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 電力自由化 よーいドン ⑤
2016-04-02-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大手旧電力も反撃開始 = 東京電力や関西電力などの大手旧電力10社は、この3月まで工場などの小規模事業所で92%、家庭では100%のシェアを持っていた。ほぼ独占の状態である。それが4月からは、新電力に浸食される。防戦に努めるだけでは、お客が減るばかり。そこで地域外にも進出し、新たな需要の開拓に乗り出すことになった。

最も魅力的な市場は、やはり世帯数が多い関東圏。世帯数は2000万件、売上高は3兆円を超える。この豊かな市場を目指して、10電力のうち東北・北陸・中部・中国・四国・九州の6社が、すでに関東圏への参入を決めた。このうち九州電力は東京湾岸に新鋭火力発電所を建設してコストを下げ、中国電力は地元の特産品が買えるポイント付きという具合に、みなチエを絞っている。

攻め込まれる東京電力は、近畿圏に打って出る。近畿圏には、四国電力も進出。この結果、自由化された電力市場では、旧電力vs新電力、旧電力vs旧電力、新電力vs新電力の三つ巴の死闘が展開されることになった。各社は相手の出方をみて、何回も値下げを発表したり特典の見直しをしている。このため消費者にとっては、各社の比較が複雑で判りにくくなったことは否めない。

大手旧電力にとっての強みは、送電線を所有していること。新しく参入する電力会社は、この送電線を必ず借りなければならない。大手電力が送電線を貸さなかったり料金を高くすれば、新電力は営業できなくなってしまう。この弊害をなくすため、政府は新しい措置を講ずることになった。これが「発送電の分離」と呼ばれる問題である。

                                 (続きは来週サタデー)

      ≪1日の日経平均 = 下げ -594.51円≫

      【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】    


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-04-03-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第9章 財政って、なんだろう? ⑨

◇ 借金に頼る日本の財政 = 国の歳出総額から、税金などによる歳入総額を差し引いた部分は赤字。予算では、その分を国債の発行でカバーしています。この赤字の金額を歳出総額で割ると、必要なおカネのうち借金でやりくりする割合が明らかになりますね。むずかしい言葉では、これを公債依存度(こうさいいぞんど)と言いますが、要するに借金に頼っている比率です。

家庭の例に置きかえてみましょう。1年間の支出に、どうしても830万円が必要。お父さんの給料とお母さんのバイト代で、収入は580万円。仕方がないので250万円を借りて、なんとか埋め合わせました。この場合の借金に頼る比率は、250万円÷830万円ですから、だいたい30%ということになるわけです。

国の財政でも家庭のやりくりでも、この比率が高いほど大変ですね。そこで日本の状態を他の先進国と比べてみました。15年度の結果は、日本が38.3%、アメリカは11.9%です。またドイツはわずか0.1%、フランスは25.4%となっています。ここからも判るように、日本の財政は借金の度合いがいちばん高く、それだけ苦しい状態だと言えるのです。

この状態を改善するためには、不必要な歳出をできるだけ減らすこと。景気をよくして、税金の収入を増やすことが大切です。政府も努力した結果、たとえば09年度には50%を超えていた借金比率がようやく30%台にまで下がりました。政府は消費税の引き上げで、さらに比率を下げようとしているわけです。


                             (続きは来週日曜日)
             
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今週のポイント
2016-04-04-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 外国人の“日本売り” = 日経平均は先週839円の値下がり。15年度の終り値は1万6759円だった。年度間では2448円、約13%の下落となっている。東日本大震災があった10年度以来、年度間の下落は5年ぶり。昨年6月下旬には2万0868円と、00年のITバブル時の高値を上回ったが、その後は低落。ことし2月中旬には1万4952円まで値を下げた。そして16年度入りした1日、日銀短観の内容が悪かったため595円の大幅な下げを演じている。

株安の直接的な原因は、外国人投資家の売り。15年度を通してみると、売り越し額は約5兆円で08年度の4兆2000億円を上回った。しかし年度の前半は買い越しており、後半だけで8兆円も売り越している。外国人の目でみると、日本の景気は明らかに下降局面に入った。しかし政府・日銀はともに動きが鈍く、景気の先行きは不透明感を増しつつある。この感覚が、外国人投資家による“日本売り”の根本的な理由のようだ。

ダウ平均は先週277ドルの値上がり。原油価格はやや反落したが、FRBによる金利の再引き上げはやや遠のいたという観測が株価を押し上げている。年初来の動きでみると、368ドルと小幅ながら上げている。日経平均が2870円下げているのとは大違いだ。政府や日銀はもちろんだが、与野党の先生方もこの違いをもう少し深刻に認識する必要があるのではないか。

今週は5日に、3月の毎月勤労統計。6日に、2月の景気動向指数。8日に、2月の国際収支、3月の消費動向調査と景気ウォッチャー調査。アメリカでは5日に、2月の貿易統計と3月のISM非製造業景況指数。またEUが5日に、2月の雇用統計を発表する。

      ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ


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悪いところばかり : 日銀短観
2016-04-05-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 金利下がっても設備投資は慎重 = 日銀が発表した3月の企業短期経済観測調査をみると、明るい点が一つも見つからない。最も注目される大企業・製造業の業況判断指数はプラス6で、前回より6ポイント悪化した。大企業・非製造業はプラス22とまだ高いが、これも前回に比べると3ポイント悪化している。大企業から中小企業までを含めた全規模・全産業でみても、判断指数はプラス7で2ポイントの低下だった。

業況感の悪化は今後も続きそうだ。3か月後の予想では大企業のうち製造業は3ポイント、非製造業は5ポイントそれぞれ低下すると見込まれている。全規模・全産業ベースでみても6ポイント悪化する予想だ。また全規模・全産業の経常利益は、15年度の4.3%増加から16年度は2.2%の減益になる見込み。

この調査ではあまり紹介されないが「金融機関の貸し出し態度判断」という項目がある。この指数は前回に比べると、全規模の合計で3ポイントの改善。また「借入金利水準判断」では、金利が低下したという判断が19ポイントも増えている。これらは日銀によるマイナス金利政策の影響によるものだろう。

ところが、こうした金融緩和の効果が設備投資の面には響いていない。土地を含む設備投資額については、製造業が15年度の10.8%増から16年度は0.9%減へ。非製造業は6.7%増から6.8%減へ、全産業でも8.0%増が4.8%減へと縮小してしまう。企業経営者の先行きに対する不安感はかなり深刻そうだ。このまま行くと、6月調査では業況感がすべてマイナスに沈むことになりかねない。

       ≪4日の日経平均 = 下げ -40.89円≫

       ≪5日の日経平均は? = 上げ


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増えない 給与・賞与
2016-04-06-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 4年前より1896円減った = 厚生労働省は5日、2月の毎月勤労統計を発表した。それによると、1人当たりの現金給与総額は26万2558円。前年同月に比べて0.9%の増加だった。このうち一般労働者は33万6166円で0.7%の増加、パートタイマーは9万4777円で1.3%の増加となっている。ただし“うるう年”の影響を加味すると、給与総額はむしろ減っているに違いない。この点について、厚労省は何も言及しなかった。

そこで4年前のうるう年、12年2月の統計と比べてみた。この年はスカイツリーが竣工。民主党の野田政権下、大震災の後遺症が残るなかで景気は少しずつ持ち直す動きを示していた。その年の2月、現金給与総額は1人平均26万4454円。したがって、ことし2月の現金給与は、4年前を1896円下回ったことになる。

厚労省は同時に、昨年末の賞与についても集計し、発表した。それによると、1人当たりの賞与額は37万0367円で、前年を0.3%下回った。卸・小売業は5.2%増加したが、医療・福祉業は5.2%減少している。ついでに4年前の年末賞与を調べてみると、1人当たりで37万2470円。賞与も2103円の減少だった。

さらに物価の上昇を加味した実質賃金も、10年=100の指数で4年前より4ポイント低下している。これではサラリーマン世帯の生活はよくならない。支出も増えないから、景気もよくならない。いったいアベノミックスとは何だったのだろう。消費税の再引き上げなど出来るはずもない。

      ≪5日の日経平均 = 下げ -390.45円≫

      ≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ


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過ぎたるは・・・ : 外国人客の誘致目標
2016-04-07-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 20年に4000万人を目指す = 政府は外国人旅行客の増加を目指した行動計画を策定、発表した。新しい誘致目標は、20年に現在の2倍の4000万人。30年には3倍の6000万人。20年の消費支出は8兆円、30年は15兆円と大幅なアップを期待している。安倍内閣が新成長戦略の柱として、手っ取り早い旅行客の増加を選んだことは間違いではないだろう。だが、この新しい目標はどうみても欲張りすぎではないか。

行動計画では、中国・フィリピン・ベトナム・インド・ロシアの5か国を最も「潜在力の大きい市場」と位置づけ、ビザの発給要件を緩和する。また東京と京都の迎賓館を開放。文化財を中心とする観光拠点を全国200か所で整備するなどの対策を講じることにしている。たしかに観光客を呼び込む効果はあるに違いない。

だが問題は受け入れ体制にある。いまでも大都市のホテルは不足気味。地方では設備が整っていない。ある試算によると、20年に2500万人の訪日客があると、全国で4万室が足りないという。それが4000万人になったら、どういうことになるのだろう。民拍の条件を緩和しても、追いつく数字ではない。ホテルの高層化を促しても、オリンピックには間に合わないのでは。

もっと重要なことは、オリンピック後のことまで考えているかどうかだ。外国人目当てのホテルや観光施設を建てすぎると、必ず反動に見舞われる。反動を小さくするためには、いま欲張りすぎないことだ。ほかに適当な景気浮揚策が見当たらないからといって、20年に4000万人の目標はいかにも大きすぎる。「過ぎたるは及ばざるが如し」の格言もあるではないか。

       ≪6日の日経平均 = 下げ -17.46円≫

       ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ


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安倍首相の 意図的な?事実誤認
2016-04-08-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 矛盾に満ちた経済対策 = 安倍首相は5日の閣議で、成立したばかりの16年度予算を前倒しで執行するよう指示した。具体的には、公共事業費など12兆1000億円の約8割に当たる10兆円を4-9月中に支出する。この結果、10月以降の財政支出が減ってしまうので、これを補うため5月をメドに10兆円規模の補正予算を組む方針。15年度の補正予算に加えて16年度予算の前倒し執行、さらに16年度の補正予算と財政の大盤振る舞いが続く。

このような積極財政への転換について、安倍首相は「日本経済の回復基調に変わりはないが、世界経済の不透明感が高まっているため」と説明した。だが日本経済が回復基調にあるとすれば、こんなに大掛かりな対策を講じる必要はない。また財政支出を増大する一方で、消費税は増税するというのも不思議な話。全く矛盾に満ちている。

安倍首相が本当に「日本経済は回復中」と信じているならば、これは大きな事実誤認だ。生産や消費の動向をみれば、日本の景気は下降局面に入ったと考える方が常識的だろう。にもかかわらず安倍首相が「景気回復」に固執するのは、消費増税に未練を残しているためかもしれない。

もう1つ、5月の伊勢志摩サミットを意識して、そのときに積極財政と増税の延期を世界にアピールするつもりなのかもしれない。だが企業も消費者も、すでに消費増税の延期は織り込んでしまった。それなのに景気回復中を口実に、増税の延期には口を閉ざしたまま。そこで積極財政が打ち出されても、国民は評価に苦しむだけである。

      ≪7日の日経平均 = 上げ +34.48円≫

      ≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ


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サタデー自習室 -- 電力自由化 よーいドン ⑥
2016-04-09-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ カギを握る発送電の分離 = 新電力が家庭や事業所に電気を届けるためには、大手旧電力が所有する送電線を使わなければならない。だから旧電力がその使用を拒否したり、送電の料金を高く設定すると、新電力は営業できないことになる。こんな事態が起きるのを防止するため、政府は昨年夏に電気事業法を改正して、大手電力会社の発電部門と送電部門を切り離すことにした。

具体的には大手10電力会社の送電部門を分離・独立させて新会社を創る。この会社の送電料金は電力取引監視委員会が決定し、大手電力には口出しさせない。同時に新旧電力会社の小売り料金についても、これまでの政府による認可制を廃止することになった。これで電力自由化は完結する。

ところが理由は不明だが、この完結は20年まで先送りされることになった。それまでの間は発送電が分離されないまま、送電料金だけを電力取引監視委員会が決めるという不自然な恰好。その監視委員会はすでに16年度の送電線使用料を決めたが、その内容はかなり大手電力に有利なものとなっている。

と言うのも20年までの間は、まだ送電部門が大手電力の社内に存在する。したがって送電料が高いほど、大手電力の収入は増える。逆に新電力はコストの3-4割を占める送電料が高くなると、電気料金の引き下げが難しく競争力が低下してしまう。電力の自由化で本当に公正な競争が行われて、電気料金が安くなる。その理念が貫けるかどうかのカギが、発送電分離の成否にあると言えるだろう。

                                  (続きは来週サタデー)

      ≪8日の日経平均 = 上げ +71.68円≫

      【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】  


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-04-10-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第9章 財政って、なんだろう? ⑩

◇ 最大の赤字原因は高齢化 = 国の財政が赤字になってしまう大きな原因は、社会保障関係の歳出がどんどん増えていることにあります。前にも説明したように、社会保障関係費は1985年度(昭和60年度)の予算では9兆6000億円でした。それが現在の16年度予算では32兆円に。31年間で3.3倍にふくれ上がったことになります。

社会保障関係費のなかで、金額が大きいのは年金と医療費です。年金というのは、お年寄りが安心して暮らせるようにするためのおカネ。医療費は、病院に支払うおカネ。いずれも国がその一部を負担しています。この2つの支出が増えてしまうのは、お年寄りの人数がどんどん増加しているからです。つまり高齢化(こうれいか)が進むことによって、社会保障費が拡大していると言えるでしょう。

政府の調査によると、14年10月の時点で65歳以上のお年寄りは3300万人でした。1年間に110万人も増え、日本の人口に占める割合は26%になりました。全人口に占める65歳以上の人口の割合を高齢化率と言います。この高齢化率は、1970年(昭和45年)には7%でした。

いま日本人は、世界でいちばん長生きしている国民になっています。そのことはとてもいいことですが、国の財政には大きな重荷になっていることも確かです。これから先も高齢化率は上昇して行き、50年(平成62年)には35.7%、55年には40.5%にまで達する見通しです。財政の赤字はそんなに増やせませんから、どうしたらいいのか。日本が抱える最大の問題だと言えます。

                          (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2016-04-11-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 7日続落で1400円安 = 日経平均株価は3月29日から4月6日まで、7日間連続で下落した。この間の下げ幅は1401円に達している。7日間の続落は3年5か月ぶりのこと。景気の見通しが悪化しているうえに、円相場の急上昇が重なった。円の対ドル相場は、昨年6月の安値からみると17円の上昇。先週だけでも2円60銭の円高だった。このため日経平均は先週343円の値下がり。

ダウ平均も先週は216ドルの値下がり。こちらは原油価格の下落が大きく響いている。ニューヨーク商品取引所のWTI(テキサス産軽質油)先物相場でみると、3月半ばには40ドル台まで上昇したが、先週初には35ドル台に下落。週末には39ドル台に戻すというように、変動はかなり大きい。産油国による生産調整の協議をめぐる予想が、目まぐるしく変化するためだ。

週末になって麻生財務相が「場合によっては必要な措置をとる」と言明したため、円高の動きは小休止している。この口先介入の効果が、どの程度あるのか。今週はそれが試される。ただ東京市場の株価は、想定以上に下がっている。そろそろ下値を探る動きが見え始めても、おかしくはない。

今週は11日に、2月の機械受注。13日に、3月の企業物価。アメリカでは13日に、3月の小売り売上高と生産者物価。14日に、3月の消費者物価。15日に、3月の工業生産、4月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国では11日に、3月の消費者物価と生産者物価。13日に、3月の貿易統計。15日に、1-3月期のGDP速報、3月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額が発表される。なお14-15日にワシントンでG20財務相・中央銀行総裁会議、17日にはカタールで産油国による生産調整会議が開かれる予定。

      ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ≫ 


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なぜ 円高なのだろう?
2016-04-12-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 経済学者にも判らない = 円の対ドル相場は先週、一時107円台にまで値上がりした。昨年6月の安値に比べると18円の上昇。1年5か月ぶりの高値で、日銀が追加の金融緩和に踏み切った14年10月以前の水準に戻している。たまりかねた麻生財務相が週末になって「場合によっては必要な措置をとる」と介入をほのめかしたため、円高の勢いはいったん小休止した形。だが、このまま円高傾向がストップするとは誰も考えていない。

古い経済学の教科書には「一国の通貨の価値は、その国の経済状態で決まる」と書いてある。いま日米両国の経済は、ともに先行き不透明な状態だ。しかしアメリカはプラス成長を維持、日本はゼロ成長に陥っている。ならばドル高・円安のはず。それなのに、どうして日本円が買われるのだろう。

新聞などの解説でよく挙げられている理由は、日米両国の金融政策の差。FRBは追加の利上げに慎重な姿勢を強めている。その一方で、日本は追加の金融緩和を実施しにくい。また実施しても効果は挙がらないという見方も強い。すると日米間の金利差は広がらず、ドルを買うメリットは見出せないというわけだ。

もう1つは原油安。原油が下がると、非鉄などの国際商品も下がる。ニューヨークの株価も下落して、投資家は一斉にリスク回避の姿勢を強める。そして安全資産と目されている円が買われるという理屈だ。だが、こうした解説で現在の円高を説明できるとは思えない。なぜ投機マネーが日本円に集中するのか。納得の行く説明が出来る経済学者は、まだ見当たらない。

      ≪11日の日経平均 = 下げ ー70.39円≫

      ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ


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揺れ動く 原油価格
2016-04-13-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 投機ファンドの標的に = 原油の国際価格が大きく変動している。ニューヨーク商品市場のWTI(テキサス産軽質油)先物相場でみると、ことし2月初めには1バレル=26ドル台にまで低落していた。それが3月末には40ドル台、4月になって35ドル台に下げたあと、今週はまた40ドル台に戻している。2月の安値からみると5を超える上昇率。こんなに値動きの大きい市場は、他にみられない。

原油価格の変動は、世界経済にも大きな影響を及ぼす。原油が下がると非鉄などの国際商品価格も下落するため、産油国ばかりでなく多くの新興国が財政難に陥り、経済的な苦境に立たされた。また原油価格が反発すると、これまではニューヨークの株高・ドル高⇒円安の図式が鮮明だった。しかし3月以降はこの図式が崩れ、原油高⇒NY株高・ドル安となって円高が進行するようになっている。

基本的に言えば、価格の変動は需給関係によって決まる。原油の需要は、中国などの成長鈍化で伸びない。その一方、アメリカのシェール生産が拡大、またOPEC(石油輸出国機構)が減産できないことで、供給は増え続けた。ただし実際の先物価格は、需給面からの影響をはるかに超えた振幅で動いている。巨額の投機マネーが参入し、振幅を何十倍にも拡大するからだ。

株式市場などに比べると、原油市場の規模は格段に小さい。そこに巨額の投機マネーが出入りするから、価格の振幅は大きくならざるをえない。しかも投機筋は、アメリカのシェールが減産したとかしないとか、産油国が生産調整をするとかしないとか。時と場合に応じて情報を流し、売ったり買ったりする。そのおかげで、世界経済が非常に不安定な状態になっていることは否定できない。自由市場経済の一つの大きな欠陥だと言えるのではないか。

      ≪12日の日経平均 = 上げ +177.66円≫

      ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ


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輸出が9か月ぶりに増加 / 中国
2016-04-14-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 輸入は17か月連続で減少 = 中国税関総署が13日発表した3月の貿易統計によると、輸出は1608億ドルで前年比11.5%の増加だった。輸出の増加は9か月ぶり。ただ2月が春節の影響などで25%減少しているため、その反動で増加したものと思われる。一方、輸入は1310億ドルで前年比7.6%の減少。国内経済の低迷を反映して、輸入の減少は17か月も続いている。

輸出入の動きを1-3月期でみると、輸出は前年比9.6%の減少。EUやアメリカ、日本向けの輸出が軒並み減少、特に東南アジア向けは13.7%も減っている。一方、輸入は前年比13.5%の減少だった。こうしてみると、中国の貿易はまだ縮小傾向から脱してはいない。ただ3月の輸入額を元建てでみると、減少の幅は1.7%にまで縮んでいる。

中国では加工貿易の比重が高く、輸入が増えないと輸出も伸びない。また原油や食料なども大量に輸入している。このため中国の輸入が減少すると、原油をはじめとする国際商品の価格が下がり、世界経済に大きな悪影響を及ぼしているのが現状だ。この意味では、3月の輸出が増加したことより、元建て輸入額の減少幅が縮小したことに注目しておきたい。

中国政府はあす15日、1-3月期のGDP速報や生産、小売りなどの統計を発表する予定だ。GDP成長率は昨年10-12月期に年率6.8%にまで鈍化してきた。政府は6.5%の成長を死守する構えだが、はたして1-3月期の成長率はどこまで下がったのか。その結果がまた大きく報道され、世界の株価などに織り込まれることは間違いない。

      ≪13日の日経平均 = 上げ +452.43円≫

      ≪14日の日経平均は? = 上げ


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“タンス預金”急増の 重大な意味
2016-04-15-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 1万円札を大増刷へ = いま世の中に1万円札は、どのくらい出回っているでしょうか。答えは約90兆円。大変な金額だが、それでも足りなくなってきたので流通量を大幅に増やすことになった。財務省の発表によると、16年度は1万円札を12億3000万枚増刷する。摩耗したり破損したお札を補完するため政府は毎年、新しいお札を印刷している。その枚数は過去5年間10億5000万枚で変わらなかったが、ことしは1億8000万枚増やすことになったわけだ。

1万円札が不足し始めた理由について、財務省の発表は何も触れていない。だが新聞やテレビでは、訪日外国人客の増加、マイナス金利マイナンバー制度の開始などが理由だと解説している。しかし訪日旅行客の増加は、その人たちが1万円札を持ち帰ってしまうわけではないから見当違いだろう。やはり原因は、マイナス金利マイナンバー制度にあると考えられる。

マイナス金利によって、銀行におカネを預けておいても利子がほとんど付かない。そのうえマイナンバー制度によって、預金の額が税務署に把握されてしまう。それなら現金を手元に置いておく方が安心だ。つまり“タンス預金”を選択する人が増えている。このことは、昨年から金庫の売れ行きが非常によくなっている事実からも裏付けされる。

特に“タンス預金”を選好しているのは、高齢者だとみられている。高齢者は老後の生活費を確保することに、最も気を遣う。だから株式投資などで損はしたくない。預金に手数料を払うなど、もってのほか。税金を取られるのも嫌だ。その結果が“タンス預金”に行き着くことになる。だが、こうした現象は高齢者の経済や政治に対する不信感の裏返しでもあるわけだ。政治家はそのことに気付いているのだろうか。

      ≪14日の日経平均 = 上げ +529.83円≫

      ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ≫           

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サタデー自習室 -- 電力自由化 よーいドン ⑦
2016-04-16-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 恩恵は大都市圏だけか = 電力の小売り自由化が4月からスタートしたが、問題点もいくつか見えてきた。経済産業省によると、4月1日時点で電力供給事業者の免許を受けたのは280社。これらの電力会社が互いに競争することで、料金の引き下げやサービスの向上が進むと期待されている。ところが免許を受けた事業者の9割以上が、人口の多い大都市圏への参入を目指している。このままだと地方へは競争の波が及ばず、大都市圏との間で料金格差を生んでしまう可能性が大きい。

見方を変えると、大都市圏での競争は激しいものとなりそうだ。そこで安売り競争が始まれば、電力の安定供給に支障が出てくる。このため経産省と公正取引委員会は、各電力会社の料金が原価を下回った場合には処分すると発表した。また大手旧電力による送電線の使用料が適正かどうかについても審査することにしている。

競争に勝つためには、コストを下げなければならない。そこで多くの会社が、いま石炭火力発電所の建設に乗り出している。環境省の調べによると、現在33基の建設が計画中。しかし石炭火力は、温室効果ガスを多量に排出する。このため欧米諸国からも、日本の石炭火力依存には強い批判が寄せられている。

原発の再稼働が、どの程度のスピードで進むのか。この点も、自由化された電力業界に大きな影響を与える。いま稼働しているのは九州電力の川内原発1-2号機だけ。今後、他の原発の再稼働が遅れれば、石炭火力発電に対する依存度は増加せざるをえない。また再稼働が進めば、その原発を所有する大手旧電力の経営はずっと楽になるはずだ。

                                    (続きは来週サタデー)

      ≪15日の日経平均 = 下げ -63.02円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-04-17-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第9章 財政って、なんだろう? ⑪

◇ 地方自治体も大赤字 = 財政の赤字に苦しんでいるのは、国だけではありません。地方の自治体も大変です。みなさんは、〇〇県××市△△町といった場所に住んでいますね。この都道府県と市町村が、それぞれ地方自治体です。地方自治体も国と同じように、予算を組んで仕事をしています。収入は税金ですが、やはり足りません。そこで国の国債と同じように、地方債と呼ばれる債券を発行して補っています。

学校や道路、川、福祉の仕事などは、国と分担しています。警察や消防などは、地方が担当しています。税金のほかに国からもおカネが配分されますが、不足する分は地方債を買ってもらうしかありません。つまり借金です。この地方債の総額は145兆円に達しました。他の借金を合わせると、地方自治体の借金総額は来年3月末で196兆円になる見込みです。。

このように財政が赤字になる原因は、国の場合と同じように住民の高齢化が進んで福祉関係の支出が増えていること。そのうえ地方によっては若い人が都会へ行ってしまい、人口の減少と高齢化が激しくなっているといった事情も抱えています。

国債と地方債の合計。つまり国と地方の借金を合計した金額は、1000兆円を突破しました。世界中の国を見渡しても、こんなに借金の多い国はありません。しかも前に説明したように、日本の高齢化は速いスピードで進行して行きます。国も地方も、財政の赤字をどうしたら減らせるのか。来週は、その問題を考えてみましょう。
                                
                              
                                     (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2016-04-18-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 産油国が合意に失敗 = サウジアラビアやロシアなどの産油国が、原油の生産調整に失敗した。カタールのドーハで17日に開いた産油国会議では、各国が生産量の上限を1月の実績に抑えようと協議したが、増産中のイランは協議に参加しなかった。このためサウジアラビアが最後になって合意に反対。ロシアなどの説得も実らなかった。

この会議では合意が成立すると、多くの市場関係者が先週から予想していた。このため各国の市場では株価が高騰。ダウ平均は週間321ドルの値上がり。ドイツDAX、イギリスFTSEも大幅に上げている。特に日経平均は1027円と大きく値上がりした。12日から14日までの3日間で1100円以上も上昇している。これは東京市場の株価が売られすぎており、割安感が強かったためだと考えられる。

ところが一転して、産油国は生産量の固定で合意できなかった。この結果、原油の国際価格は再び下落すると見込まれる。株価も上昇基調を維持することは難しくなった。今回の合意を早めに織り込んでしまった市場は、どんな反応を示すのだろうか。今週の株価は荒れ模様で始まる。

今週は20日に、3月の貿易統計と訪日外国人客数。22日に、2月の全産業活動指数。アメリカでは18日に、4月のNAHB住宅市場指数。19日に、3月の住宅着工戸数。20日に、3月の中古住宅販売。21日に、2月のNAHB住宅価格指数と3月のカンファレンス・ボード景気先行指数。22日に、4月の製造業PMIが発表される。

      ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ


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原油市場にも 宗教戦争の影
2016-04-19-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ サウジとイランの対立で合意できず = ロシアとベネズエラが画策した産油国の生産調整会議は、予想に反して失敗に終わった。カタールの首都ドーハで17日に開かれた産油国会議には18か国の石油相が集まり、今後の産油量を「1月の水準で凍結すること」を議題に協議した。しかし結局はサウジアラビアが同意せず、原油の生産調整問題は6月のOPEC(石油輸出国機構)総会まで持ち越されることになった。

原油価格の低落は、すべての産油国の財政収入を激減させた。しかし、国によって窮迫の程度はかなり違う。たとえばベネズエラは通貨の切り下げでインフレが高進、企業の倒産で国際電話も利用できなくなった。大統領が節電のため「ドライヤーの使用を禁じる声明」を出す始末である。ロシアもインフレとマイナス成長に苦しみ、プーチン政権に対する国民の不満も日に日に高まっている。

これに対してサウジアラビアは、まだ余裕がある。このためロシアやベネズエラの説得にもかかわらず、最終的には生産調整の合意に賛同しなかった。その最大の反対理由が、イランの不参加に対する不満だった。イランは欧米諸国による経済制裁を解除されたばかり。これから原油の増産に乗り出そうとしている。そのイランが生産調整に加わらなければ不公平、というのが表向きの反対理由となっている。

しかし、その裏にはサウジとイランの深刻な宗教的対立が潜んでいる。同じイスラム教だが、サウジはスンニ派、イランはシーア派。昔から犬猿の仲だ。ことし1月にはサウジがシーア派の指導者を処刑したことから、国交を断絶している。そんな両国が産油量の問題で手を結ぶことは、最初から無理だったのかもしれない。問題が6月のOPEC総会に先送りされtが、サウジもイランもOPECの主要メンバーである。

      ≪18日の日経平均 = 下げ -572.08円≫

      ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ


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あまりに整然とした 成長鈍化 / 中国
2016-04-20-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 1-3月期は6.7%成長 = 中国統計局が発表した1-3月期の実質GDP成長率は6.7%だった。成長率は3四半期連続で低下し、7年ぶりの低水準に鈍化している。まだ習政権が目標に掲げた「6.5-7%」の範囲内。だが同時に発表された他の経済指標をみても、状況はあまり芳しくない。

たとえば1-3月期の鉱工業生産は、前年比5.8%の増加にとどまった。15年の6.1%増に比べると、明らかに勢いが弱まっている。特に鉄鋼、石炭、アルミは、落ち込みが著しい。また小売り売上高は15年が10.7%増だったのに対して、1-3月期は10.3%増となっている。このような生産と消費の減退を補ったのが固定資産投資。15年の10.0%に比べて、1-3月期は10.7%の伸びになった。

固定資産投資の中核は、中央と地方政府によるインフラ整備の財政支出だ。つまり政府の公共投資によって、GDP成長率の急落を阻止していると言えるだろう。その一方で、政府は鉄鋼、石炭、セメントなどの古い設備を廃棄しようと懸命だ。しかし、こうした基幹産業のリストラで、大量の失業者が発生する。その受け皿を作るためにも、成長率の急落は避けなければならない。

中国の成長率は昨年7-9月期に7%を割り込んだ。そこから3四半期にわたって、0.1ポイントずつ下降している。まことに整然とした鈍化ぶりだが、政府の公共投資でそんなコントロールができるのだろうか。そんな疑問から、中国の経済統計に対する不信感も生まれてくるようだ。でも“計画経済”の国だからね。

      ≪19日の日経平均 = 上げ +598.49円≫

      ≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ


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輸出競争力の低下が心配
2016-04-21-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 15年度は1兆円の貿易赤字 = 財務省は20日、3月と15年度の貿易統計を発表した。まず3月は輸出が6兆4600億円で前年比6.8%の減少。輸入は5兆7000億円で14.9%の減少だった。この結果、貿易収支は7550億円の黒字となっている。輸出が減少したにもかかわらず黒字となったのは、鉱物性燃料の輸入額が大幅に低下したため。LNG(液化天然ガス)は43.7%、原粗油は36.1%も減っている。

15年度を通してみると、輸出は74兆1000億円で前年比0.7%の減少。輸入は75兆2000億円で10.3%の減少だった。この結果、貿易収支は1兆0800億円の赤字となっている。13年度の13兆8000億円、14年度の9兆1000億円に比べれば、赤字幅は大きくく縮小した。これもLNGや原油の輸入価格が大幅に下がったためである。これらの輸入数量はほとんど減っていない。

心配なのは、輸出が伸びないことである。たとえば15年度の円相場は、平均120円38銭で前年度に比べると10.2%の円安だった。にもかかわらず輸出額は、わずかながら前年度を下回っている。もちろん、中国や東南アジア諸国の経済が不調だったことも響いているだろう。また日本企業が海外に生産拠点を移した影響も、小さくはなかったと考えられる。

輸出の推移を月別にみると、昨年10月からことし3月まで6か月連続で減少が続いている。その原因の一つに、国内産業の輸出競争力の低下があるのではないか。輸出が伸びないまま原油の値上がりで輸入が増えると、貿易収支は再び赤字基調に陥りかねない。政府はもう少し企業の競争力について分析し、必要な施策を講じるべきだろう。さもないと、日本企業の“シャープ化”が進行する恐れがあるのでは。

      ≪20日の日経平均 = 上げ +32.10円≫

      ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ


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税収上振れ分を 何に使うのか?
2016-04-22-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 2兆円近くの税収増加 = 国税の自然増収額が、15年度は2兆円近くにのぼりそうだ。15年度予算の税収見込み額は、補正後で56兆4240億円。税収が確定するのは5月末になるが、法人税・所得税・消費税・相続税などの納入が好調で、現在の見通しでは2兆円近くも上振れする見通し。この税の上振れ分を何に使うか。先週の経済財政諮問会議でも、活発な議論が展開された。

その議論は大きく二分された。一方は菅官房長官に代表される「少子化対策」派。保育関係の充実を図り、アベノミックスを強化すべきだと主張する。もう一方は麻生財務相をはじめとする「財政再建」派。来年度予算の原資にとっておき、国債発行額を減らしたいと反論する。どちらも一理はありそうだ。

だが熊本大震災が起こってしまったいま、そんな議論は無意味ではないのだろうか。まだ地震は頻発しており、被害総額も判らない。しかし、その復興費用に巨額のカネが必要なことは明らかだ。当面は16年度予算に組み込まれた予備費3500億円を使うとしても、それではとても足りない。おそらく夏のうちに、補正予算の編成に迫られる。

仮に熊本大震災が起こらなかったとしても、秋には景気対策としての補正予算が組まれる方向だった。したがって16年度の補正予算には、景気と地震の両方を見据えた対応が求められることになる。その金額は10兆円をかなり上回る規模とならざるをえない。だとすれば、15年度の税収上振れ分をどう使うか。議論の余地はないと思う。

      ≪21日の日経平均 = 上げ +457.08円≫

      ≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ


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サタデー自習室 -- 電力自由化 よーいドン ⑧
2016-04-23-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 消費者は切り替えに慎重 = 関係団体の集計によると、消費者が新電力へ契約を切り替えたのは、4月1日時点で約53万件だった。その9割以上が首都圏と関西圏に集中している。電力を買っている家庭と小規模事業者の数は全国で8500万件。したがって、まだその1%にも達していない。契約切り替えの出足は、きわめて慎重だ。

新電力の側から契約数をみると、東京ガスが24万2000件を集めてトップ。同社では初年度40万件の契約獲得を目指している。関西圏でも大阪ガスが11万件でトップ。やはり販売網を確立しているガス会社が、強みを発揮しているようだ。またガソリンの値引きをセットにしたJXエネルギーは10万件、鉄道運賃などをからめた東急は3万件の契約を集めたと伝えられる。

消費者が契約の切り替えに慎重なのは、数多くのセット料金メニューが提示されたため、その選択に時間をかけているからだろう。また、もっと自分に適した新しいメニューが出てくるのを待っているのかもしれない。ある世論調査によると、契約を変えない理由では「様子をみている」が過半数を超えていた。

今後も契約の切り替えは、徐々に進むものと思われる。だが最終的にどのくらいまで進むかは、予想できない。日経リサーチの調査によると「契約の変更に前向きな世帯」は36.6%だった。だが仮に3割の世帯が変更するとしても、雨後の筍のように湧いて出た280社の新電力は多すぎる。1年も経たないうちに、その大半は姿を消すことになりそうだ。

                                   (続きは来週サタデー)

      ≪22日の日経平均 = 上げ +208.87円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-04-24-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第9章 財政って、なんだろう? ⑫

◇ 消費税の引き上げへ = もし家計簿(かけいぼ)が赤字になってしまったら、お母さんはどうするでしょう。赤字を減らすには、支出を減らすか収入を増やすしかありませんね。これは国の場合でも、同じことです。歳出を減らすか歳入を増加するしかありません。ところが、これが大変むずかしいのです。

国の歳出が、社会保障や公共事業、学校関係などに使われていることは、すでに勉強しました。ところが、この予算を大きく減らすことには強い抵抗があります。いちばん金額が多くて増え方も大きいのは社会保障ですが、これもお年寄りの人数が急増しているためなので、あまり節約できません。

一方、歳入は税金を増やせば増加します。しかし増税はみんなが嫌がるでしょう。また会社にかける法人税や働く人から払ってもらう所得税は、これ以上は上げにくい水準にきています。そこで政府はとうとう消費税を引き上げることになりました。

政府は毎年の予算を組むときに、歳出をできるだけ減らすように努力しています。しかし、それだけでは不十分で、国の借金は減るどころか増えてしまいそう。このため歳出の節約にもっと力を入れる半面、いま8%の消費税を10%にまで上げることにしたわけです。いま国会では、その議論が続いています。
   

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今週のポイント
2016-04-25-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 外国人投資家に振り回される = ダウ平均は着実に上昇して、先週は106ドルの値上がり。9か月ぶりに1万8000ドルの大台に乗せた。一方、日経平均は乱高下しながらも、先週は724円の大幅高。2か月半ぶりに1万7500円を回復している。ダウ平均を押し上げた最大の材料は、原油価格の上げ基調。日経平均の場合は円安の進行と日銀による追加緩和への期待が、上昇の原動力となった。

一見すると、株式市場の空気は急速に明るくなったようにみえる。しかし今週もその明るさが持続するかどうかは、即断できないようだ。というのもダウ平均は、2月の安値から2300ドルも上げてきた。原油価格が続伸すればともかく、高値警戒感がかなり強まってきていることも確かなようである。

日経平均は乱高下したが、これは外資系ヘッジファンドが先物を中心に短期売買を繰り返した結果だとみられている。これらの外国人投資家は同時に為替市場でも、大量のヘッジ取引を行った。このため予想以上に円安が進行。国内投資家も輸出株や金融株を買い戻している。その巻き戻しがいつ表面化するか。今週も外国人投資家の動きから目を離せない状況が続く。

今週は25日に、3月の企業向けサービス価格。27日に、2月の全産業活動指数。28日に、3月の労働力調査、家計調査、鉱工業生産、消費者物価、商業動態統計。アメリカでは25日に、3月の新築住宅販売。26日に、2月のSPケースシラー住宅価格と4月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。27日に、3月の中古住宅販売。28日に、1-3月期のGDP速報。またEUが29日に、1-3月期のGDP速報と3月の雇用統計を発表する。

       ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ≫ 


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さあ、どうする?? 日銀
2016-04-26-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 追加緩和を織り込んだ市場 = 日銀は今週27-28日に金融政策決定会合を開いて、追加緩和策の是非を決める。すでに市場はかなりの程度を織り込み済みで、たとえば円の対ドル相場は11日の107円台から先週は111円台にまで急落した。この円安で、日経平均も先週は724円の大幅高となっている。もし日銀が追加緩和に踏み切らないとすると、市場は失望して円高と株安が進行する可能性が高い。

日銀としては、市場から緩和の“督促状”を突き付けられた形。しかし日銀がとりうる手段は、きわめて限られている。その1つは量的緩和の拡大。具体的にはETF(上場投資信託)の買い入れ額を増やしたり、新たに地方債の購入を始めることぐらいしか考えられない。その数量は限られており、金融緩和の効果は小さい。

もう1つはマイナス金利の拡張。だが日銀が2月に導入したマイナス金利政策は、いまのところ効果を発揮していない。たしかに住宅ローンの借り手は多少増えたが、銀行の企業や個人向けの貸し出しは伸び悩んだまま。逆に企業や個人の金利収入が減り、年金基金などの運用成績が下がるといった弊害の方が目立ってきた。日銀の内部にも、マイナス金利についての慎重論が出ている始末だ。

たまたまアメリカのFRBも、今週26-27日にFOMC(公開市場委員会)を開く。日本時間で言うと、FRBが発表した当日に日銀も金融政策を決めなければならない。そのFRBは、現在の政策を持続するという予想が圧倒的に強い。もし政策に変更がないと、市場の流れは円高に傾く公算が大きい。こんな状況のなかで、黒田総裁はいかなる決断を下すのだろうか。

      ≪25日の日経平均 = 下げ -133.19円≫

      ≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ


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製品↓ サービス↑ : 物価が二極化
2016-04-27-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ モノ余りvs人手不足 = 日銀が25日発表した3月の企業向けサービス価格は、前年同月に比べて0.2%の上昇だった。これで前年比の上昇は33か月連続。企業向けサービス価格というのは、企業間で取り引きされる運輸・通信・広告などモノ以外の価格。3月の場合はテレビ広告費のほか、ソフトウェア開発、労働者派遣、警備、職業紹介サービスなどの分野で上昇が目立った。

同時に発表された15年度の消費税を除いた結果は、前年度比で0.4%の上昇だった。こちらも3年連続の上昇。宿泊サービスは9.8%、土木建築サービスは4.3%と大きく上昇している。また原油価格の低落で航空輸送などは下落したが、道路旅客輸送は2.6%上昇した。こうしてみると、サービス価格の上昇は人手不足が原因になっていると考えられる。

一方、日銀が13日に発表した3月の企業物価は、前年比で3.8%の下落だった。下落は12か月間の連続。調査対象814品目のうち420品目が下落している。また15年度の消費税を除いた価格でも、前年度比で3.2%下落した。このように卸売り段階で取り引きされたモノは価格が低落、サービスは価格が上昇という二極化がきわめて明瞭になってきている。

この差はまずエネルギー価格の低落が、サービスよりもモノの値段に大きく反映されたためだと思われる。またサービス部門が人手不足なのに対して、製造部門はIT化が進んだこと。さらに生産部門の海外移転なども影響したと考えられる。しかし、それ以上に日本経済に何らかの地殻変動が起きているのかもしれない。経済学者は何も言ってくれないが、要注意である。

      ≪26日の日経平均 = 下げ -86.02円≫

      ≪27日の日経平均は? = 上げ


                    ☆Please click here ⇒ 人気ブログランキング
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100歳以上は 7万人に
2016-04-28-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本人の人口は増えた? = 総務省が発表した4月1日時点での人口推計によると、総人口は1億2698万人で前年より14万人減った。ところが外国籍の人を除いた日本人だけの人口は1億2533万3000人で、前年を5万8000人上回っている。今回の発表は推計値なので、最終的には変わるかもしれない。しかし確定値でも増加となれば、これは大ニュースだ。それなのに新聞やテレビは、なぜか報道していない。

年齢別の推計値をみると、0-14歳が1609万人。15-64歳が7703万人、65歳以上が3399万人。このうち100歳以上の人口が7万人に達した。内訳は男性が1万人に対して女性は6万人。圧倒的に女性が多い。100歳以上の人口は、1963年にはわずか153人しか存在しなかった。それが年々増加し、12年には5万人を超えている。

今回の推計値を5年前の統計と比べてみよう。11年4月は、東日本大震災に見舞われた直後である。そのときの総人口は1億2729万人。この5年間で、総人口は31万人減ったことになる。そのうちの日本人だけをみると、人口の減少は103万人だった。年齢別では0-14歳が87万人の減少、15-64歳が447万人の減少、65歳以上が439万人の増加となっている。少子高齢化の進行と労働力人口の縮小がはっきり表れている。

この5年間について人口を変動させた要因をみると、まず出生児の数は年間102万人で下げ止まった形。その半面、死亡者数は確実に増えている。この結果、出生児数から死亡者数を引いた自然増減は、たとえば15年で27万5000人の減少。また入国者数から出国者数を引いた社会増減は、13年以降プラスに転じており、15年は9万5000人の増加となっている。ここから断定はできないが、外国人労働者の流入が増えているのではないだろうか。

      ≪27日の日経平均 = 下げ -62.79円≫

      ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ≫ 


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サタデー自習室 -- 電力自由化 よーいドン ⑨
2016-04-30-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ イギリス国民の憂うつ = 電力の小売り自由化は、ヨーロッパ諸国から始まった。なかでも先陣を切ったイギリスは1998年に完全自由化。だが電気料金が下がったのは最初の6年間だけで、その後は上昇し続けている。15年の家庭料金は04年の2.4倍に、企業向け料金もEU平均の6割高となってしまった。なぜ、こんなことになったのだろう。

自由化で新電力が乱立し激しく競争したため、最初は料金が安くなった。だが、しだいに弱小企業が淘汰され、セントリカなど6大会社による寡占状態が形成された。現在、ビッグ6の市場占有率は93%、あとの7%を16社の中小電力が分け合う形となっている。こんな状態のなかで原油やLNG(液化天然ガス)が急騰したため、各社は一斉に料金を引き上げた。独占はなくなったが、寡占の弊害が現われたと言えるだろう。

イギリスと同じころ、アメリカでもカリフォルニア州が自由化に踏み切った。しかし猛暑で電力需要が急増すると料金を引き上げたり、設備投資を怠ったために大規模停電を何度も発生させている。またニューメキシコ州やアーカンソー州でも同様の問題が発生し、この両州は自由化を取り止めてしまった。

イギリスの場合は燃料費の高騰に見舞われたため、自由化に失敗したかどうかは判定しがたい。しかし寡占の弊害が出ていることは事実だろう。日本の場合も独占状態は解消されたが、何年かたつと寡占状態に変化してしまう危険性は十分にある。自由化に対する経済産業省の姿勢をみていると、この問題への警戒心は全くない。イギリスの二の舞にならなければいいが。

                                 (続きは来週サタデー)

      ≪28日の日経平均 = 下げ -624.44円≫

      【今週の日経平均予想 = 0勝4敗】


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