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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-05-01-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第10章 景気って、なんだろう? ①

◇ 景気がいいとか悪いとか = みなさんも「景気(けいき)」という言葉は、よく耳にするでしょう。たとえば近所のお母さんたちが、立ち話をしています――「あの家は、とっても景気がいいらしいわ。だって、また新しい車を買ったじゃない」なんて。駅前通りでは、お店の主人がブツブツ言ってます――「近ごろは、どうも景気が悪くってかなわないよ」

このとき景気という言葉は、どんな意味で使われてるのでしょうか。どちらも家やお店の「経済状態」という意味のようですが、状態がどのくらいいいのか悪いのか。その程度については、あまりはっきりはしません。このように、ふつうの会話で使われるときの「景気」は、その程度がかなりあいまいです。

ところが「日本の景気は回復中」とか「世界の景気は下降している」と言う場合には、程度があいまいでは困りますね。ですから世界や国全体や地域の景気を表現するときには、きちんとした物差しが必要になってくるのです。この物差しで見ることによって、景気の状態をはっきり知ることができるわけです。

景気を測るこの物差しを、景気指標(しひょう)あるいは経済指標と言います。この景気指標はとてもたくさんあって、何を見たらいいのか迷ってしまうほど。でも、この章では大事な指標をいくつか説明しますから、みなさんも新聞を読んで景気の物差しについて勉強してみてください。

                                 
                             (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2016-05-02-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 円が急騰、株は大幅安 = アメリカと日本の中央銀行は先週の政策決定会合で、ともに金融政策を変更しないことを決めた。この結果、アメリカではFRBによる利上げが遠のいたという観測が強まりドルが売られ、その反動で円が買われた。円の対ドル相場は、週末106円台後半にまで上昇している。2日間で5円という急騰ぶりだ。

円が高騰したため、東京市場の株価は大幅安となった。日経平均は週間906円の値下がり。この急落で、4月を通しても93円の下落。また年初来では2368円の値下がりとなっている。円の高騰は、日銀が追加の緩和策を見送ったことでも増幅された。したがって株価の下落も、日銀に対する失望感の表れという見方が定着した。

ダウ平均は先週230ドルの値下がり。原油価格は46ドルまで上昇したが、FRBが「アメリカ経済は減速した」とはっきり表明。また1-3月期のGDP成長率が0.5%に低下したことを警戒した。一方、東京市場は大型連休に入る。ただ、その間も海外の為替市場は開いているから円相場は変動する。先週の状況からみると、105円を超える円高になる可能性も少なくない。

今週は2日に、4月の新車販売台数。アメリカでは2日に、4月のISM製造業景況指数。3日に、4月の新車販売台数。4日に、3月の貿易統計と4月のISM非製造業景況指数。6日に、4月の雇用統計。また中国が8日に、4月の貿易統計を発表する。

      ≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ


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自分の首を絞めた 日銀
2016-05-04-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇カラ威張りで信用を失う = 日銀は先週28日の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決めた。市場関係者の多くは、追加の緩和策が打ち出されると予想していたために大きく失望。急激な円高と大幅な株安という結果を招いてしまった。同じ日にFRBも金融政策の現状維持を決めたが、ニューヨーク市場は素直に受け入れている。この差はどこから生じたのだろうか。

FRBは現状維持の理由を「アメリカ経済は減速したものの、雇用情勢は一段と改善した」と説明。今後とも「海外経済と金融市場の動向を注視して行く」方針を表明した。たしかに1-3月期のGDP成長率は0.5%に低下したが、雇用者の高い増加率はいぜんとして続いている。したがってFRBの経済認識について、市場はほとんど違和感を持たなかった。

一方、黒田総裁は「必要と判断すれば、ためらわずに金融緩和を進める。緩和に技術的な限界はない」と強調してきた。特にニューヨークでも同様の発言を繰り返したため、外国人投資家はこれを“追加緩和の前触れ”と受け取ったようだ。その期待が大きすぎ、市場は過剰に反応した。こうした影響は当分続きそうである。

それだけではない。市場では黒田総裁の発言のウラを読むようになってしまった。総裁は強気の発言を繰り返すが、実は「追加の緩和策は技術的にもう限界。実施はできないのではないか」と考え始めている。また「最後の一手は参院選のためにとっておくのではないか」といった見方も生じている。要するに市場は、日銀の言うことを信用しなくなった。これでは政策も効果を失う。日銀は自分で自分の首を締めたと言えるだろう。

      ≪2日の日経平均 = 下げ -518.67円≫


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ガン治療薬で 財政が破たん??
2016-05-06-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 財務省が緊急対策会議 = 一部のガンやC型肝炎に利く新薬が、次々に実用化されて話題を呼んでいる。たとえばアメリカの製薬会社が発売したソバルディという新薬は、C型肝炎の特効薬になった。また日本の中堅製薬会社・小野薬品が開発したオプジーポは、一部の皮膚ガンや肺ガンの治療に効果をあげている。末期ガンが完全に消滅した症例もあるというから、素晴らしい成果だ。

問題は、その価格の高さ。ソバルディは1錠6-8万円。オプジーボは1瓶15万円。肺ガン患者が1年間飲み続けると、3460万円の薬代になってしまう。そこで利用されるのが、高額療養費制度。この制度が適用されると、薬代の大部分が還付される。いま肺ガンのうち、この薬がよく利く非小細胞ガンの患者は約10万人。仮にこれらの患者がすべて高額療養費制度を使ったとすると、年間の財政負担は3兆5000億円にのぼるという試算もある。

医療費に対する国庫負担金は、16年度予算で11兆2000億円。難病によく利く新薬がどんどん開発されれば、この負担金が激増する可能性が出てきた。このため財務省は財政制度審議会で、この問題を緊急討議することになった。しかし国庫負担を減らせば、薬を買えない患者が出てくる。薬価をむりに引き下げれば、新薬の開発にブレーキがかかってしまう心配もある。

いろんなガンに利き、しかも完全に治癒できる薬ができれば、ノーベル賞もの。日本が成功すれば、国内の患者はもちろん、世界中の人たちに広く恩恵が及ぶ。輸出の主力商品になるかもしれない。だが、いまはまだ一歩を踏み出したばかり。ここで新薬開発の芽を摘んでしまっては、なんにもならない。審議会がチエを絞って、いい解決策を考え出してくれることを祈ろう。

      ≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 電力自由化 よーいドン ⑩
2016-05-07-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 料金の決め方を知っておこう = 東京電力や関西電力などの大手電力会社は、電気料金を①基本料金②燃料費の変動③再生可能エネルギーの買い取り費用--の3つの部分に分けて決めている。まず基本料金は、発電機や送電線などの建設費・営業費・人件費などを積み上げて算出。この部分を引き下げることは勝手にできるが、引き上げる場合は国の認可が必要になる。東日本大震災のあと原発が運転できなくなったために、電力各社はこの基本料金を大幅に引き上げた。

燃料の大半は、輸入される原油やLNG(液化天然ガス)。その価格は絶えず変動するので、輸入価格を数か月後の料金に反映させる。また電力会社は太陽光などで発電した電力を、購入する義務を負っている。この負担が、再生可能エネルギーの買い取り費用だ。この部分は、再生可能エネルギーの発電量が多くなるにつれて増大して行く。

ごく最近の状況をみると、3月と4月は燃料費の下落で料金引き下げ。東京電力の場合は標準家庭で、月額99円と139円の値下げだった。しかし5月は燃料費が下がったにもかかわらず、再生可能エネルギーの買い取り価格が高かったために料金は引き上げ。東電の場合で49円の値上げ。そして6月は132円の値下げになる予定。

電力の完全自由化によって、こうした料金の決定方式は原則として廃止された。しかし経過措置として、旧電力の10社だけは20年までこの方式を継続する。したがって20年以降は、旧電力も自由に料金を設定できることになる。ただ新電力も旧電力も、再生可能エネルギーの買い取り義務は負わなければならない。

                              (続きは来週サタデー)

      ≪6日の日経平均 = 下げ -40.66円≫

      【今週の日経平均予想 = 1勝1敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-05-08-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第10章 景気って、なんだろう? ②

◇ おカネの増え方が大事 = 景気がいいか悪いかは、すべておカネと関係しています。おカネが予想よりたくさん入ってくる状態だと、景気はいい。予想より入り方が少ないと、景気は悪くなります。みなさんも、いつもは2000円のお小遣が3000円になったら嬉しいでしょう。それが景気のいい状態です。

お父さんの給料についても、同じことが言えます。30万円だった給料が33万円に上がれば、その家の景気はそれだけ良くなるでしょう。会社やお店も売上げや利益が増えれば景気がいいし、減るようなことがあれば景気は悪くなります。

会社の利益が増えると、その会社で働いている人の給料も上がりやすくなります。給料が上がると、こんどはその家の買い物が増え、近所のお店の売り上げが増える。こうしておカネがぐるぐる回り、世の中全体の景気がよくなっていくのです。

ですから景気がいいか悪いかは、収入の大きさではなく収入の増え方で決まると言えるでしょう。お小遣いが同じ3000円の人でも、2000円から3000円に上がった人は嬉しい。でも4000円から3000円に減らされた人は嬉しくありませんね。だから多くの景気指標は収入の金額だけではなく、その増え方や減り方をきちんと計算して表示しているのです。


                                (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2016-05-09-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 円高の進行を警戒して続落 = 東京市場は大型連休で、先週は月曜日と金曜日だけの営業だった。だが、この2日間で日経平均は559円の値下がり。先々週から6日間の続落となり、この間の下落幅は1466円に達した。連休中の円高進行を警戒したことが最大の原因。その円相場は111円台から106円台に上昇したが、大方の予想よりは勢いが弱かった。

ダウ平均は先週33ドルの値下がり。カナダ西部の森林火災で原油価格が上昇したが、株価にはあまり響いていない。また週末には予想を大幅に下回る4月の雇用統計が発表され、FRBによる金利の引き上げが遠のいたという観測が広まった。しかし株価の上昇は、小幅にとどまっている。ニューヨークの株式市場も、やや元気がない。

市場関係者の間では、連休明けも円高に対する警戒感が強い。なかには100円まで上昇するという見方もある。したがって株式市場の空気も重い。一方、ニューヨーク市場も予想外に悪かった雇用統計を受けて、上値は限られるという見方が強まっている。日米ともに、その根底には景気の先行きに対する不安感の増大がありそうだ。

今週は9日に、3月の毎月勤労統計と4月の消費動向調査。11日に、3月の景気動向指数。12日に、3月の国際収支と4月の景気ウォッチャー調査。13日に、3月の第3次産業活動指数。アメリカでは13日に、4月の小売り売上高と生産者物価、5月のミシガン大学・消費者信頼感指数。またEUが13日に、1-3月期のGDP改定値。中国が10日に、4月の消費者物価と生産者物価。14日に、4月の小売り売上高、鉱工業生産、固定資産投資額を発表する。

      ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ


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黄信号が灯った景気 / アメリカ
2016-05-10-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ FRBも読み間違え = アメリカ経済の行くえに立ち込めた霧が、だんだん濃くなってきた。いちばん際立っているのは成長率の低下。1-3月期の実質GDP成長率は、ついに0.5%にまで鈍化してしまった。昨年4-6月期の3.9%から、直線的な低下が続いている。特に気になるのは、GDPの7割を占める個人消費の縮小傾向。3月の小売り売上高は前月比0.3%減少し、新車の販売台数も前年比マイナスに落ち込んでいる。

「アメリカ経済は減速しているものの、雇用市場はなお一段と改善している」--アメリカの中央銀行であるFRBが金利の据え置きを決めた際に発表した声明である。要するにGDP成長率は鈍化したが、雇用が堅調なので心配は要らないという判断を示したわけだ。ところが、この判断はそのあと発表された4月の雇用統計によって、すぐ覆されてしまった。

労働省の発表によると、4月の非農業雇用者は16万人しか増加しなかった。事前の予想を大きく下回り、景気の拡大に必要と考えられている20万人の増加にも届かなかった。ここでも好調な増加を続けてきた小売業の雇用が、前月比でマイナスを記録した点が注目される。ただ非農業雇用者の増加数は、これまでにも一時的に落ち込むことがあった。したがって今回もすぐ回復する可能性がないとは言えない。

アメリカ経済の拡大基調は、もう6年半も続いている。そろそろ一休みする時期に入るのではないか。問題はそれが“踊り場”的なもので終わるのか、それとも本格的な景気後退に突入するのか。その判定はまだ難しいが、いずれにしても黄信号が点灯したとは言えるだろう。その結果、FRBによる金利の引き上げは9月か12月に延びそうだ。それが円高への圧力になることは、避けられそうにない。

      ≪9日の日経平均 = 上げ +109.31円≫

      ≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ


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赤信号が灯った景気 / 日本
2016-05-11-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 企業収益は4年ぶりの減益に = いまエコノミストたちの間では、1-3月期の成長率がマイナスに転落したかどうかに大きな関心が集まっている。民間調査会社がこれまでに発表した事前予測では、14社のうち9社はプラス、3社はマイナス、2社はゼロ成長。ただし、ことしはうるう年だったので、その分を調整するとマイナス予測の方がやや優勢になる。内閣府の発表は来週19日の予定だ。

昨年の成長率を四半期ごとにみると、1-3月期は4.6%と割に高かった。しかし4-6月期以降は、マイナス1.4%→プラス1.4%→マイナス1.1%と波打ちながら、緩やかに下降している。成長率がマイナスに落ち込んだ四半期には、個人消費が減退している。ことし3月、家計の消費支出は5.3%と大幅に減少した。1-3月期の成長率は、うるう年効果を除去するとマイナスになることは避けられそうにない。

最も心配なのは、企業業績の悪化である。まだ3月期決算の発表は終わっていないが、日経新聞の中間集計によると、1-3月期の経常利益は前年比で20%の減益になる見通し。上場企業の経常利益は、昨年度上半期が過去最高の水準。下半期から減少し始めて、10-12月期は10%の減益に後退。1-3月期には、減益幅がさらに拡大する見通しになってきた。

オリンピックや災害復旧に支えられた建築部門。高齢化で需要が増えた医療・介護部門。外国人旅行者が引っ張る宿泊サービス部門など。景気を押し上げる要因もあって、これまで成長率の下降は緩やかに進行してきた。しかし企業の業績が悪化すると、設備投資や個人消費にはマイナスの力が働く。そこへアメリカ経済の足踏みと円高が加わりそうだ。日本経済には、赤信号が点灯したと言える。

      ≪10日の日経平均 = 上げ +349.16円≫

      ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ


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給料は上がってきた、が・・・
2016-05-12-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 今後の見通しは不明瞭 = 厚生労働省が発表した3月の毎月勤労統計によると、1人平均の現金給与総額は27万8501円だった。前年同月に比べると1.4%増加している。消費者物価がやや下落したため、実質賃金も1.4%の増加となった。このうちパートタイマーを除く一般労働者でみると、給与総額は35万8764円。前年比では1.5%増加している。

この調査は規模が5人以上の事業所を対象にしたもの。業種別では、不動産・物品賃貸業、教育・学習支援業、金融・保険業、卸・小売業、建設業など、人手不足の部門で給与総額の伸びが大きかった。その半面、電気・ガス業、生活関連サービス業などでは、給与総額が昨年よりも減少している。

一般労働者の給与総額を実額で調べてみると、6年前の10年3月は34万6027円だった。それが昨年3月までに、わずか7173円しか増えていない。1年平均にすると、1400円ほどの増加ということになる。あまりにも給料の増加ペースが低すぎたと言えるだろう。それが昨年からことしにかけては、5564円の引き上げとなった。ようやく常識的な賃上げペースに戻ったと言える。

このペースが何年も続けば、消費者も財布のヒモを緩め、景気は回復基調を持続できる。だが、そうした期待はどうも望み薄のようだ。というのも、企業の業績が明らかに落ち始めてきたからである。上場企業の経常利益は昨年10-12月期に1割の減益、ことし1-3月期は2割の減益になる見通し。サラリーマンにとっては一息つく暇もなく、再び冬の時代に逆戻りするかもしれない。

      ≪11日の日経平均 = 上げ +13.82円≫

      ≪12日の日経平均は? 予想 =  下げ


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根回しに失敗した 財政出動論
2016-05-13-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ サミットより国民に目線を = 世界経済は、ゆっくりと下降線をたどっている。そんなとき今月26-27日に開かれる伊勢志摩サミット。そこで議長を務める安倍首相が音頭をとって、先進国が一斉に景気対策を打ち出せば、世界経済にカツを入れることが出来るだろう。いわば世界版アベノミックスの登場だ。

安倍首相はまず3月末、ワシントンでオバマ大統領と会談。大統領からは「ぜひリーダーシップを発揮してほしい」と激励された。次いでカナダのトルドー首相、フランスのオランド大統領、イタリアのレンツィ首相とも会って、同意を取り付けている。だが難関とみられたメルケル・ドイツ首相とキャメロン・イギリス首相の2人は手ごわく、提案ははねつけられてしまった。

メルケル首相は音に聞こえた健全財政主義者。ギリシャに対する支援問題でも、ドイツは一貫して財政支出の増大を拒否したくらいである。またキャメロン首相も自国の独立性を重んじ、他国に指図はされたくないという政治信条を持っている。この2人が同調しなかったことから、世界版アベノミックスは日の目を見ることがなくなった。

日本は「15年度補正予算+16年度予算+16年度補正予算」の財政3連発。加えて来年4月に予定される消費増税を延期すれば、かなり大きな財政出動になる。安倍首相はサミットの席上で、消費増税の延期を宣言するつもりだったに違いない。じっさい消費増税が延期されれば、暗雲に閉ざされた日本経済の先行きにも光が差し込むことになるだろう。だから安倍首相はいますぐ日本国民のために増税の延期を決断すべきだ。サミットでの手柄にしようという考え方は、間違っているのではないか。

      ≪12日の日経平均 = 上げ +67.33円≫

      ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 電力自由化 よーいドン ⑪
2016-05-14-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大きく変化した電源構成 = いま日本では、年間1兆㌔㍗時近くの電力を消費している。たとえば13年度の消費量は9666億㌔㍗時。その電力は、いろいろなエネルギー源から作られた。最も多かったのはLNG(液化天然ガス)で、全体の43.2%を占める。続いて石炭が30.3%、石油が13.7%、水力が8.5%。再生可能エネルギーは2.2%、原子力は1.0%だった。このように電力の生産に使われたエネルギー源の比率を、電源構成と呼んでいる。

東日本大震災によって、日本の電源構成は大きく変わった。震災前には21%を占めていた原子力が、原発の停止で1%に激減している。その穴を埋める形で急増したのが、LNGや石炭などの火力発電だった。しかし火力発電はコストが高いうえに、大量の温暖化ガスを排出してしまう。そこで政府は30年を目指して、最も好ましい電源構成を再構築することになった。

政府が昨年7月に決定した30年の電源構成では、原子力が20-22%、再生可能エネルギーが22-24%で、ともに現在より大幅に増える。その半面、火力発電がその分だけ減る形になった。しかし原発はまだ2基しか稼働しておらず、再生可能エネルギーの伸びも小さい。したがって、この目標は達成が難しいという見方が圧倒的に強い。

すると今後も火力に頼る度合いは、かなり大きいと考えられる。その一方で、LNGや石炭などの国際価格がまた上昇する可能性も十分にありうるだろう。その結果、自由化によって参入した新電力のほとんどが、コスト高で淘汰されてしまう。そして電力業界は寡占状態になり、電気料金はかえって高くなる。こんなイギリスが演じた計算違いの二の舞を、日本は避けられるのだろうか。

                                    (続きは来週サタデー)

      ≪13日の日経平均 = 下げ -234.13円≫

      【今週の日経平均予想 =3勝2敗】  


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-05-15-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第10章 景気って、なんだろう? ③

◇ 個人と会社と外国人と政府 = 駅前のパン屋さん。近ごろはお客さんが、いつもいっぱいです。このパン屋さんは、売れ行きも伸びて景気がよさそう。国全体の景気も、このパン屋さんと同じと考えたらいいのです。みんなが前よりも、おカネをたくさん使うようになると、国全体の景気もよくなります。

国全体でみた場合、だれがおカネを使うのでしょうか。第1は、みなさんのような個人。お父さんもお母さんも、お兄さんもお姉さんも、あなたも毎日おカネを使いますね。食べ物や着る物、電気代や交通費。ときには冷蔵庫を買ったり、住宅を建てたりもします。

第2は会社。原料や材料を買ったり、機械を新しくしたり、工場やお店を作ったりします。働いている社員には、給料も払いますね。第3は外国人。そのほとんどは、日本が輸出した製品を買う代金の形で、おカネを使っています。

第4は政府。道路を造ったり、学校や病院の建設。年金を払ったり、警察や消防にも、おカネをかけています。この4つのルートを通って、おカネは毎日どこかに支払われているのです。ですから、この4つのルートを通って支払われるおカネの合計が増えているときには、国全体の景気はいいと言えるでしょう。
 

                                (続きは来週日曜日)           

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今週のポイント
2016-05-16-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 円相場に左右される株価 = 日経平均は先週305円の値上がり。月曜から木曜日まで4日間連騰したが、これは麻生財務相の口先介入で円が反落したおかげ。月曜日の参院決算委員会で「介入の用意はある」と明言し、投機筋の円買いが止まった。金曜日には企業決算の先行きに対する不安感が強まり、利益確定売りが出て株価は反落している。

日経新聞の集計によると、16年3月期の上場企業の連結経常利益は1%の減益になる見込み。4年ぶりの減益だが、17年3月期は3%の増益になる見通しだ。しかし、この増益見通しは円高が進むと達成は難しくなる。市場はその点を心配している。口先介入の効果は長く続かない。そのあとの実際の円相場の動向が、今後の株価を左右することになるだろう。

ダウ平均は先週205ドルの値下がり。4月の雇用統計が予想以上に弱く、FRBによる金利の引き上げは9月以降に遠のいたという観測が強まっている。しかし株価は従来と違って、あまり反応しなかった。また原油価格との連動性も、薄れているようにみえる。大統領選挙が近づいて、ニューヨーク市場も新たな材料を探し始めたのかもしれない。

今週は16日に、4月の企業物価。18日に、1-3月期のGDP速報と4月の訪日外国人客数。19日に、3月の機械受注と全産業活動指数。アメリカでは16日に、5月のNAHB住宅市場指数。17日に、4月の工業生産、消費者物価、住宅着工戸数。19日に、4月のカンファレンス・ボード景気先行指数。20日に、4月の中古住宅販売戸数が発表される。なお20-21日には、G7財務相・中央銀行総裁会議が仙台で開かれる。

      ≪16日の日経平均は? 予想 = 下げ


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為替介入のルール作りを
2016-05-17-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 麻生財務相の脅しが利いた = 連休中に急騰した円相場が、先週は反落した。このため日経平均も反発している。円相場の上昇を止めたのは、麻生財務相の強烈な口先介入だった。連休明けの9日、財務相は参院決算委員会で「急激な為替変動が起こった場合、どうする」という質問に答えて「当然、介入する用意はある」と断言。これが海外市場では“相当な脅し”と受け取られ、円買い投機がストップしたとみられる。

ただ過去の経験からみても、口先介入の効果が長続きするとは思えない。まして今回はアメリカ財務省が為替報告書のなかで、日本を要監視国だと名指ししたばかり。したがって麻生財務相が脅しをかけても、実際に介入することは難しいという見方が広まっている。こうした見方が強まれば、再び日本円が投機の対象になる危険性は大きい。

日本の貿易収支は14年度の赤字6兆6000億円から、15年度は6300億円の黒字に大きく改善した。したがって円の対ドル相場が上昇することは、ある程度までやむをえない。それを政府が介入で止めることは好ましくない、とアメリカも指摘しているわけだ。だから1ドルが105円ではダメとか、110円ならいいとかいう議論は成り立たない。

ただ為替の急激な変動は、貿易に必要な実需の取り引きにも悪影響を及ぼす。この悪影響を避けるために「為替が短期間に急変動した場合には介入できる」と、各国間で取り決めたらどうだろうか。たとえば「1週間で5%以上の変動があった場合」というように。もっと細かい点まで検討して、伊勢志摩サミットで提案したらいいと思う。

      ≪16日の日経平均 = 上げ +54.19円≫

      ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ≫ 


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「消費増税延期」報道の裏側
2016-05-18-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 意外性は薄まるばかり = 日経新聞は14日付け朝刊1面トップで「首相、消費増税先送り」と報じた。安倍首相は、いまの経済情勢で増税すればデフレ脱却がさらに遠のくと判断。来年4月に予定される消費税10%への引き上げを再延期する方針を固めたという内容だ。再延期はサミット直後に表明することとし、政府・与党の幹部にはすでに伝達済みとも書いている。

記事の書き方から判断すると、このニュースは首相周辺が意図的にリークした可能性が濃厚だ。安倍首相は14年秋にも消費増税の延期を決めたが、その際「再び延期することはない。はっきり断言する」と公約している。こんどまた延期すれば、公約違反だと批判されるかもしれない。そこで再延期のニュースをリークし、国民の反応を確かめようとしたのだろう。

伊勢志摩サミットでは、低成長に陥った世界経済の状態を改善するため「各国が景気対策に努力する」方向で、議論が進められる見通し。そんな環境で、日本だけが消費税を増税するわけにはいかない。そういう論理から、増税再延期の発表はサミット後と決めたのだろう。

安倍首相も心配するように、いまの日本経済は決して良くない。そんなときに消費税を10%に引き上げると、年間4兆3000億円ほどのおカネが国庫に吸い上げられてしまう。それが延期されれば、国民の負担はそれだけ軽くなる。経済への好影響も大きい。再延期の決定が抜き打ち的に表明されれば、その効果はきわめて大きかったろう。しかしニュースを漏らしたことによって、その心理的な効果は減衰してしまった。

      ≪17日の日経平均 = 上げ +186.40円≫

      ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ


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ふらふらの GDP成長率
2016-05-19-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ なぜ「緩やかな回復」なのだろう = 内閣府は18日、ことし1-3月期のGDP速報を発表した。それによると、実質成長率は年率で1.7%だったが、うるう年の影響を除くと実勢は0.6%程度とみられる。昨年10-12月期がマイナス1.7%に下方修正されたため、15年度下半期はゼロ成長になった。にもかかわらず石原経済再生相は「景気は緩やかな回復基調を続けている」とコメントした。

GDPの内訳をみると、個人消費が前期比で0.5%の増加。あとは設備投資が1.4%の減少、住宅投資も0.8%減少している。輸出は0.6%の増加にとどまった。このように成長率をなんとか水面上に押し上げたのは、個人消費が前期の0.9%減少からプラスに転じたことが大きい。この点について、内閣府は「テレビやビデオ機器などの耐久消費財の売れ行きがよかった」と説明している。

だが3月の商業動態統計をみると、小売り売上高は前年比1.1%の減少。機械器具の売り上げも減少している。また大型店の家電売上高も前年比6.3%の減少だった。経済産業省も「小売りの状態は弱含み」とコメントしている。さらに日銀が初めて作成した消費活動指数も、3月は前月比0.5%の下落だった。

要するに、最近の実質成長率はゼロ成長の周辺を小浮動しているだけだ。四半期別に流れをみても、昨年4-6月期からの前期比はマイナス0.4%→プラス0.4%→マイナス0.4%→プラス0.4%という具合。これをもって、どうして「景気は回復基調」と言えるのだろうか。安倍首相が“消費増税の延期”を表明するまでは、そう言い続けることになっているのだろうか。

      ≪18日の日経平均 = 下げ -8.11円≫

      ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ


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日銀の ささやかな抵抗?
2016-05-20-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 新しい消費活動指数を作成 = 日銀が独自に「消費活動指数」を作成、毎月発表することになった。商業動態統計や第3次産業活動指数のほか、自動車や電力など業界団体の統計を活用する。GDPの6割を占める個人消費の動きを、供給サイドから捉えようとする試みだ。その背景には、総務省が集計している家計調査への不信感が見え隠れしている。

家計調査はその名が示すように、消費者サイドの調査。賃金は増加しても、この調査では家計の支出が増えず、議論を巻き起こしている。3月の実質支出も、前年比では5.3%の減少だった。調査の対象が9000世帯で全世帯の0.02%に過ぎず、統計の正確性に対する疑問も出ている。消費が伸びないと、物価も上がらない。2%の物価上昇を目指す日銀としては、より正確な消費統計を作りたいという思惑があったに違いない。

消費活動指数は、2010年=100の指数で表わされる。名目値と実質値のほか、外国人旅行客による消費支出を除いた数値も発表される。初めて発表された3月の指数は、季節調整済みの実質値で前月比0.5%の下落だった。ことしになってからの動きは、1月が0.1%の下落、2月が0.5%の上昇となっている。

一方、家計調査の実質支出を前月比でみると、1月が0.6%の減少、2月が1.7%の増加、3月が0.5%の増加となっている。この調査には外国人客の支出は含まれないから、動きがバラバラでも不思議はない。ただ3月の結果だけをみると、日銀の意図に反して? 家計調査の方がプラスになっている。

      ≪19日の日経平均 =上げ +1.97円 ≫

      ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ


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サタデー自習室 -- 電力自由化 よーいドン ⑫
2016-05-21-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 電力会社を選ぶときに = 電力会社を切り替えた家庭や商店は、4月末の時点でまだ全体の1.2%にすぎない。多様なセット販売が出現して、その選択に迷っている人も多いのだろう。その場合、いちばん簡単な方法は、電力以外では何に最も多く支出しているかを調べること。ガスなのか、電話・通信費なのか。それともガソリン代か。その最も多い支出項目とセットしている電力会社だけを抜き出して、比較してみよう。

料金だけが選択のポイントではない。地球温暖化を抑制したり、原発への依存度を下げるために、再生可能エネルギーによる発電を支援したいと考える人もいるだろう。こういう人は、太陽光や風力、あるいは地熱などを電源とする新電力を選べばいい。どの電力会社も電源構成は開示することになっているから、調べることは簡単だ。

また居住している地域や出身地を支援したい、と考える人も少なくないだろう。こういう人たちは、その地域の電力会社と契約したらいい。民営会社もあるが、その地域の自治体が電力会社を立ち上げたところもある。市や村が太陽光や風力を使って発電したり、なかには電気とガスを供給する新電力もお目見えした。地産地消である。

一般的に言って、多くの電力を消費する家庭ほど、契約の切り替えで料金は下がる。これは従来の料金設定が、電気の節約を促すために使えば使うほど料金が割高になるように設計されていたからだ。自由化によって、その割高な部分が是正される傾向が強い。大ざっぱに言うと、年間10万円以上の電気代を支払っていた家庭や商店は、契約の切り替えでメリットが期待できる。

                                  (続きは来週サタデー)

      ≪20日の日経平均 = 上げ +89.69円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-05-22-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第10章 景気って、なんだろう? ④

◇ 個人の消費支出 = 個人が使うおカネは、どうやって調べるのでしょう。いちばん早く調べられるのは、全国のデパートやスーパーの売上げ金額です。すべての支店が毎日の売上高を本部に報告していますから、毎月の初めには前の月の売上高がわかります。早いので便利ですが、デパートやスーパーの売上げだけで個人の支出を正確にとらえることはできません。

みなさんは、もっといろいろなお店で買い物をしますね。パン屋さん、洋服屋さん、電気屋さん。そんな日本中の小売店の販売額を計算しているのが、商業動態統計という経済指標です。たとえば16年3月の販売額は12兆2700億円、前年の3月に比べると1.1%の減少でした。あまり景気がいいとは言えないことになります。

お店が受け取ったおカネではなく、個人が支出する金額を集めた統計もあります。日本中の家庭が1か月にいくら使ったのか。この経済統計は、家計調査と呼ばれています。たとえば16年3月に、2人以上がいる世帯の支出は平均で30万円、前年の同じ月より5.3%減っていました。この統計からみても、景気はいいとは言えません。

全国に数え切れないほどある小売店や家庭を、一軒一軒すべて調べるわけにはいきません。そこで、こうした統計はサンプル調査と言って、8000から2万ぐらいのお店や家庭を選んで調べています。みなさんの学校に生徒が600人いるとします。そのなかから30人を選んで身長を計り平均すると、その数字は全校生徒の平均身長にほぼ一致するのです。


                               (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2016-05-23-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 景気対策おねだり相場 = 円高が止まった安心感を土台にして、日経平均は先週340円の値上がり。ダウ平均が下げた翌日も、しぶとく上昇した。その原動力は景気対策への期待感。今週の伊勢志摩サミットで、安倍首相が財政出動を表明するのではないか。同時に日銀も追加の金融緩和に踏み切るのではないか。こうした観測が、株価を押し上げた。

ダウ平均は先週34ドルの値下がり。アメリカの場合は、景気の堅調を示す経済統計と鈍化を示す統計が交互に表れている。たとえば雇用者の増加数は予想を大きく下回ったが、スーパーの売り上げなどは予想以上に伸びた。そのたびにFRBによる金利の引き上げ時期が、遠のいたり近づいたり。市場の観測がころころ変わる。先週は6月説が有力となり、株価は頭を押さえられた。

今週の焦点は、やはり伊勢志摩サミット。G7が一致して財政出動するという安倍首相の構想はドイツなどの反対で実現できないが、出来る国だけでも景気対策を打ち出すことでは一致する見通し。ただ日本の場合、その規模が予想を下回ると、市場は逆に失望しかねない。金融緩和についても、同じことが言える。

今週は23日に、4月の貿易統計。26日に、4月の企業向けサービス価格。27日に、4月の消費者物価。アメリカでは24日に、4月の新築住宅販売。25日に、3月のFHFA住宅価格。26日に、4月の中古住宅販売。27日に、1-3月期GDP改定値が発表される。なお26-27日は伊勢志摩サミット

      ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ


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“政治の季節”に突入する 世界経済
2016-05-24-Tue  CATEGORY: 政治・経済
① 5月26-27日:伊勢志摩サミット = 「先進7か国が一致して財政支出を増やし、世界経済に活を入れる」という安倍首相の構想は、ドイツとイギリスが賛成せず日の目を見なかった。サミットでは「必要と考える国が財政出動したらいい」という合意になりそうだ。その場合、言い出しっぺの日本が何をするか、に注目が集まっている。市場もかなり期待しており、もし内容が空疎だと失望感が噴出するかもしれない。

② 6月23日:イギリスの国民投票 = EUから離脱するかどうかを決める歴史的な投票になる。仮に離脱することになれば、イギリスはもとよりEU全体に大きな衝撃が走ることは間違いない。残留することになっても、移民の扱いなどについてEUとの間にはシコリが残りそうだ。いまのところ残留派がやや優勢と伝えられるが、結果の予断は許さない状況。

③ 7月10日:参院選 = 自民党が現在の116議席をいくつ増やせるか。あまり伸びなければ、安倍首相の求心力は低下するだろう。選挙の前に、安倍首相が決断すべきことは2つ。衆議院を解散して同日選挙に持ち込むかどうか。それに来年4月の消費税引き上げを再延期するかどうか。さらに日銀が追加の金融緩和策に踏み切るかどうかにも、市場の関心は集中している。。

④ 11月8日:アメリカ大統領選挙 = 民主党はクリントン前国務長官、共和党はトランプ不動産王の対決。トランプ氏の経済政策は、財政出動・減税・低金利政策・規制緩和など、市場が大喜びしそうな内容の羅列。だが財源については言及がない。クリントン氏なら、いまのオバマ政権と大きな相違はなさそうだ。ただしTPP(環太平洋経済連携協定)については、どちらがホワイトハウス入りしても見直されそうだ。

      ≪23日の日経平均 = 下げ -81.75円≫

      ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ


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サウジアラビアの 逆襲 (上)
2016-05-25-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 金融大国への変身を目指す = 大産油国のサウジアラビアが、金融大国に転換する野心的な改革に乗り出した。ムハンマド副皇太子が明らかにした改革の要点は2つ。その1つは国営石油会社のサウジアラムコを株式市場に上場すること。もう1つは、そうして集めた資金を使って、資産規模2兆ドル(約220兆円)の政府系投資ファンドを設立すること。この計画の裏には、サウジアラビアの遠大な野望が隠されている。

サウジアラムコは、世界でも突出した巨大な石油会社。14年の原油生産量は38億7000万バレルで、有名なBP(ブリティッシュ・ペトロリアム)の3.5倍にも達している。その時価総額は2兆ドルと推定されており、アップルの5800億ドルを抜いて世界最大の上場会社になることは間違いない。また資産規模2兆ドルのファンドが誕生すれば、これも世界最大級の投資ファンドになる。

サウジアラビアは、いぜんとしてOPEC(石油輸出国機構)の盟主。そのサウジの先導で、14年11月の総会でOPECが減産を見送ったことから原油価格の急落が始まった。これは急成長し始めたアメリカのシェール産業を潰すことが狙いだったが、サウジ自身の経済にも大きな打撃をもたらした。なにしろ輸出の9割が原油という国だから、価格の急落は直ちに財政赤字につながる。

たとえば16年は、約10兆5000億円の赤字予算を組まなければならなかった。電気・水道・飲料水を値上げし、補助金も見直し、付加価値税の導入まで検討している。当然、国民の王朝に対する不満感は高まって行く。と言って原油の生産を減らして価格を釣り上げれば、アメリカのシェール産業や宿敵イランを助けることになってしまう。そんな苦境から抜け出るための秘策。それが原油への依存度を下げる今回の大改革だ。

                               (続きは明日)

      ≪24日の日経平均 = 下げ -155.84円≫
      
      ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サウジアラビアの 逆襲 (下)
2016-05-26-Thu  CATEGORY: 政治・経済
金融市場を操る下心? = サウジアラビアはアラビア半島の大部分を占める王国。人口は約3000万人。GDPは約6500億ドルだ。石油の埋蔵量は世界最大。OPEC(石油輸出国機構)の盟主として、これまで原油の国際市場に大きな影響力を行使してきた。1970年代の“石油ショック”は記憶に新しい。ところが近年はロシアなどの非OPEC諸国が産油国として台頭。またサウジが、OPECの一方の旗頭であるイランと宗教上の理由から国交を断絶。OPECの結集力は目に見えて低下している。

そのサウジが以前から心配していたのが、原油が枯渇したあとの国家運営。このため原油への依存度を減らしながら、金融ビジネスで収入をあげる方策を準備してきたようだ。その結果が今回の発表である。なにしろサウジアラムコの総資産は2兆ドル。最初は5%程度の株式を放出するというが、それでも1000億ドル以上のカネが集まるだろう。そのカネを投資ファンドに積み立てる。

どんなことが起きると想定されるだろう。いまでもサウジが産油量を増減させれば、原油の国際価格は大幅に動く可能性が高い。したがって仮に投資ファンドが原油やエネルギー関連株を買っておき、そのあとサウジ政府が減産計画を発表すれば、巨額の利益を手にすることが出来るのではないか。いわば史上最大のインサイダー取り引きである。

言うまでもなく、原油価格の変動は日本を含む世界経済に大きな影響を及ぼす。原油価格の急落で苦境に立たされたサウジアラビアの思わぬ逆襲。これまでは産油量の調節で原油価格を動かしてきたが、今後は金融市場にも影響力を及ぼそうとしているようにみえる。先進国はどのように対応するのか。時間はそんなにないかもしれない。ムハンマド副皇太子は「数年のうちに、金融で食っていけるようになる」と公言している。

      ≪25日の日経平均 = 上げ +258.59円≫

      ≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ


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頑張ってる 65歳以上の高齢者
2016-05-27-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 働いている人は458万人 = 65歳以上の高齢者が、なかなか頑張っている。内閣府がまとめた「高齢社会白書」によると、15年10月1日時点で65歳以上の高齢者は3392万人。総人口に占める割合は26.7%に達した。4人に1人以上が65歳以上ということになる。そのうち男性は1466万人、女性は1926万人だった。男女の比率は76.1対100で、女性の方が圧倒的に多い。

健康上の理由で「日常生活に支障のある人」は、全体の約26%。特に起床・衣服着脱・食事・入浴などの日常生活動作に困難を感じる人の割合は12%、外出できない人が18%と高い比率になっている。また12年の時点で、認知症患者は462万人。25年には700万人に増えると推定されている。

一方、15年の時点で、働いている人は458万人。60-64歳の雇用者は438万人だったので、65歳以上の雇用者数が初めて60-64歳を上回った。65歳以上人口のうち働く人の割合は13.5%となり、10年前の8.9%から大きく上昇している。ちなみに15年6月時点で60歳定年企業の状況をみると、継続雇用された人の割合は82.1%に達した。

さらに内閣府が60歳以上の高齢者に「何歳まで働きたいか」を聞いたところ、「働けるうちはいつまでも」が29%で最も多かった。次いで「65歳くらいまで」と「70歳くらいまで」が、ともに16.6%。「仕事をしたいとは思わない」は10.6%にとどまっている。労働力人口が減少して行く日本経済にとって、高齢者の労働力は大きな潜在的資源だ。高齢者の健康管理と企業側の理解が、いっそう求められる時代になってきている。

      ≪26日の日経平均 = 上げ +15.11円≫

      ≪27日の日経平均は? = 下げ

               
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サタデー自習室 -- 電力自由化 よーいドン ⑬
2016-05-28-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 契約を切り替えるときに = 契約を切り替えるときは、決定した電力会社へ電話かネットで申し込むだけ。従来の電力会社へ契約打ち切りの連絡は要らない。ただ、そのときに必要なのは従来の電力会社名、お客さま番号、供給地点特定番号の3つ。これらは過去の検針票に記載されている。あとは切り替え希望日を告げれば、それで作業はすべて終わり。

最後に、知っておきたいことをいくつか。電力会社と新しく契約すると、これまでの検針メーターをスマート・メーターに付け替える必要がある。だが、この付け替えはすべて無料。またセット販売の場合は、途中解約料がどのように設定されているのか。よく調べておく必要がある。マンションの場合、管理組合が電力会社と一括契約を結んでいると、個別に契約を切り替えることはできない。

どの電力会社と契約しても、停電が起こる可能性は全く同じだ。逆に契約した電力会社が倒産したり、発電部門で事故を起こしても停電はしない。あなたの家に送られてくる電気は、いろいろな会社が作った電力が混り合っているからだ。このため新電力が「停電しにくい」と広告することは禁じられている。

新しい契約は、8日以内ならクーリング・オフすることができる。だが、そんな面倒なことにならないよう十分に考えてから契約した方がいいに決まっている。新しい契約を結ばなければ、旧電力会社との契約がそのまま継続される。急ぐことはないので、じっくり検討してから決断しよう。

      ≪27日の日経平均 = 上げ +62.38円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-05-29-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第10章 景気って、なんだろう? ⑤

◇ 企業の利益と株価 = お母さんたちが、うわさ話をしていた景気のいい家。その家のお父さんがサラリーマンだったとしたら、勤めている会社から給料やボーナスをたくさんもらっているに違いありません。ということは、その会社は景気がいい。つまり利益を、たくさん出していることになりますね。

多くの会社がたくさんの利益を出している状態は、国全体の景気もいいということになるでしょう。ですから日本中の会社がどのくらいの利益を出しているのかを調べれば、景気の状態がわかります。その状態を3か月前とか1年前と比べれば、景気がどのくらい良くなったか、あるいは悪くなったかを知ることができるのです。

大きな会社はたいがい、株式市場に上場(じょうじょう)しています。その株式は毎日、売ったり買ったりされて、その需給によって値段が上下することは、すでに勉強しましたね。そして利益が増えている会社の株価は上がるし、利益が減っている会社の株価は下がります。

上場している会社全体の株価を示す物差しが、株価指数です。TOPIXとか日経平均とかが、その代表的なもの。ですから、こうした株価指数が上がっているか下がっているかを見ていれば、全体として会社の景気がいいかどうかを判断することができます。全体としての会社の景気がいいときは、国全体の景気もいいと言えるでしょう。みなさんも毎日の新聞で、TOPIXや日経平均の動きを見る習慣をつけてください。おもしろいですよ。
                               

                              (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2016-05-30-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ サミット後のテーマ探しへ = 伊勢志摩サミットはオバマ大統領の広島訪問もあって、国際政治イベントとしては成功裏に終了した。だが経済対策については、首脳宣言で「金融・財政・構造改革の重要性」を盛り込んだだけ。期待された財政出動に関する具体的な表明は、全く出なかった。このため市場はやや失望気味。反応もきわめて鈍かったと言えるだろう。

ダウ平均は先週372ドルの値上がり。その主たる理由は、原油の国際価格が一時50ドルにまで回復したことだった。これで非鉄金属などの商品相場も上向くとの期待が高まり、リスク投資への警戒感が大幅に和らいだ。今週は原油価格が高値警戒から反落するのか、それとも50ドル台を踏み固めるのか。と同時にニューヨーク市場は、次のテーマとして大統領選挙の行くえに注目し始めたようだ。

日経平均は先週98円の値上がり。サミット後のテーマは、やはり参院選挙。安倍首相がいつ正式に消費増税の延期を発表するか。また、いつまで延期するのか。さらに第2次補正予算の編成にまで踏み切るのか。市場の関心は、そのあたりに集中し始めている。安倍首相は早く決断しないと、市場の期待が膨らみすぎて政策効果が減殺される危険もある。

今週は30日に、4月の商業動態統計。31日に、4月の労働力調査、家計調査、鉱工業生産、住宅着工戸数。1日に、1-3月期の法人企業統計、5月の新車販売台数。2日に、5月の消費動向調査。3日に、4月の毎月勤労統計。アメリカでは31日に、3月のSPケースシラー住宅価格と5月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。1日に、5月のISM製造業景況指数と新車販売台数。3日に、5月の雇用統計、ISM非製造業景況指数、4月の貿易統計。また中国では1日に、5月の製造業と非製造業のPMIが発表される。なお2日はOPEC総会。

      ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ


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増税延期は正しい決断、しかし・・・
2016-05-31-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 評価を落とした安倍首相 = 安倍首相は28日夜、公邸に麻生財務相、谷垣幹事長、菅官房長官の3氏を呼んで、消費増税を延期する方針を初めて伝えた。来年4月に予定される消費税の10%への引き上げを2年半延期して、19年10月に実施するという内容。伊勢志摩サミットでも「世界経済はリスクに直面している」ことで認識が一致。こうした状況で、消費増税は出来ないというのが理由である。

そのサミットで安倍首相は「いまの世界経済はリーマン・ショック前夜の状況と似ている」と述べて、危機感をあおり立てた。これに対して各国首脳はリスクの存在には同意したものの、リーマン前夜という認識は大げさにすぎると一笑に付したという。キャメロン英首相などは、真っ向から反論したそうだ。海外メディアのなかには「安倍首相はこの主張によって、評価を落とした」と書いたところもある。

消費税は当初、15年10月に引き上げられることになっていた。しかし景気動向が思わしくなかったことから、安倍首相は引き上げの時期を17年4月に延期した。このとき安倍首相は「再延期することは絶対にない」「リーマン級の危機が来ない限り延期しない」と、しばしば明言している。このため増税の再延期には、リーマン並みの危機が必要になってしまった。

外国の新聞はこの点を取り上げ、安倍首相は「増税延期の理由を作り上げるために、サミットを利用しようとして失敗した」と書いたところが多い。そういう意味では、安倍首相はメンツにこだわりすぎたのではないだろうか。いまの日本経済の状態からみて、増税の延期は正しい判断だ。もっと素直に“君子豹変”していればよかったのである。

      ≪30日の日経平均 = 上げ +233.18円≫

      ≪31日の日経平均は? 予想 = 下げ


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