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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
高齢者が決めるEU離脱 / イギリス (上)
2016-06-01-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 経済的損失は甚大だが = 6月最大のイベントは、EU離脱の是非を問うイギリスの国民投票だろう。23日に実施される。フィナンシャル・タイムズ紙が複数の世論調査を平均した結果は、残留が47%に対して離脱は41%だった。では残留に決まりかというと、そうでもないらしい。投票率の高さによって、結果は大きく左右されそうだという。伊勢志摩サミットの席上でも、各国首脳が心配してキャメロン英首相を激励した。

コトの起こりは13年にさかのぼる。EUの移民受け入れ政策をめぐって、与党の保守党内部からも批判の声が沸き起こった。これを鎮めるため、キャメロン首相は国民投票の実施を公約。それが実施されることになったものだ。したがってキャメロン首相自らは、離脱に反対の姿勢を鮮明にしてきている。与党の大半も残留派だ。

離脱に反対する人たちの最大の理由は、イギリスが蒙る経済的損失の大きさ。イギリスは輸出の4割がEU諸国向け。いまは無関税で輸出できるが、離脱すればその恩恵がなくなる。財務省の試算によると、ポンドが12-15%下落。インフレになって、52万-82万人の職が失われる。今後2年間に、GDPは3.6-6%減少。30年まで一世帯当たり年収は4300ポンド(約70万円)減るという。

イギリスは現在、EUのGDPの約2割を占めている。したがってイギリスの離脱は、EU諸国にとっても大きな打撃となることは明らか。さらに世界経済にも、相当な悪影響を及ぼすことになりそうだ。日本の企業もロンドンに、ヨーロッパの拠点を置いているところが多い。サミットで各国首脳がキャメロン首相を激励したのは、このためである。

                                (続きは明日)

      ≪31日の日経平均 = 上げ +166.96円≫

      ≪1日の日経平均は? 予想 = 下げ


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高齢者が決めるEU離脱 / イギリス (下)
2016-06-02-Thu  CATEGORY: 政治・経済
離脱派の支えは“大英帝国” = EU離脱論に火を付けたのは、移民の受け入れ問題だった。英語の喋れない人やイスラム教徒などが、年間30万人のペースで流入してくる。15年は33万人に達した。景気のいい時には労働力不足の助けにもなるが、景気が悪くなると厄介な問題を起こす。イギリス国民の職を奪う。治安の悪化。地域社会の崩壊。そして膨れ上がる社会保障費。その移民増加はEUが勝手に政策を決め、イギリスに押し付けてくるからだ。そうして離脱論が急激に強まった。

多くの野党議員は、離脱派だとみられている。個人としては、ジョンソン前ロンドン市長が有名だ。これら離脱派の人々は「移民たちはイギリス人の税金で病気を治している」「われわれが投票で選べないEUの役人が、勝手に法律や規制を作って押し付けてくる」と主張し、全国を遊説中。共鳴する有権者も多いという。

各種の世論調査が伝える国民投票の重要な特色は、有権者の年齢層によって残留と離脱の比率が極端に違うことだ。たとえば18-30歳では7割が残留、60歳以上では6割が離脱ということになっている。若い人たちはEU生まれで、EUに対する抵抗感が薄い。一方、高齢者はかつての栄光ある大英帝国が忘れられない。現地の専門家によると、投票当日に雨が降ると、若い人たちの投票率はぐっと下がる。だがイギリスの主権を守ろうとする高齢者は、投票に出かけるだろうという。だから結果が予測できないのだそうだ。

仮に残留すると決まっても、イギリスとEUとの葛藤は続くだろうという見方が強い。イギリス政府はすでに移民に支払う福祉手当を制限することで、EU側の合意を取り付けた。しかし政治統合を促進するようなEU憲章の見直しなど、きわめて重要な問題での交渉は続くものとみられている。離脱は免れても、内部での抗争は続く公算が大きい。

      ≪1日の日経平均 = 下げ -279.25円≫

      ≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ


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高知県がトップ : 働く女性の比率
2016-06-03-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 全国平均は44.3%に上昇 = 働く女性の人数は、徐々にだが着実に増えている。総務省の集計によると、民間事業所の女性従業員数は14年時点で2540万人。全従業員に占める割合は44.3%だった。1968年の事業所統計調査に比べると、人数で575万人、割合では4.4ポイント上回っている。この間、男性従業員の増加数は237万人にとどまった。

業種別にみると、14年時点で最も多くの女性が働いているのは卸・小売業の585万人。次いで医療・福祉の525万人となっている。全従業員に占める割合では、社会保険・社会福祉・介護事業が75.3%で最高だった。逆に割合が低いのは、電気・ガス・熱供給・水道業、鉱業・採石業・砂利採取業、建設業、漁業など。いずれも20%に達していない。

意外なのは、常用雇用者としても女性が頑張っている点。女性の場合はパートやバイトが多いと考えられたが、そうでもない。女性の割合は45.2%で、1968年の37.9%から大きく上昇した。14年時点の常用雇用者数は2200万人で、女性雇用者全体の87%を占めている。

地域別にみると、女性従業者の割合が最も高いのは高知県で49.3%。次いで長崎県と宮崎県が、ともに49.1%となっている。この3県に関する限り、働く人の数は男女ほぼ同数になった。原因は3県ともに、女性の医療・福祉に従事する割合が際立って高いこと。逆に女性の割合が最も低かったのは東京都と秋田県で、ともに40%強となっている。

      ≪2日の日経平均 = 下げ -393.18円≫

      ≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ≫ 


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サタデー自習室 -- 貯蓄する 日本人 ①
2016-06-04-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 世帯平均で1805万円 = 総務省が発表した15年の家計調査によると、単身者世帯を除く1世帯当たりの平均貯蓄額は1805万円だった。前年に比べて7万円、率にして0.4%増加している。日本人は相変わらず、コツコツと貯蓄を増やしているようだ。05年の貯蓄額は1728万円だったから、この10年間では77万円増加したことになる。

一方、世帯平均の年間収入額は616万円だった。前年より2万円しか増えていない。さらに05年の年収額は645万円だったから、10年前に比べると29万円も減っている。にもかかわらず、貯蓄を増やしているのだから凄い。貯蓄額が年収額の何倍あるかを示す貯蓄年収比は、05年の2.679倍から15年には2.93倍に上昇している。

ただ世帯によって、貯蓄額のバラツキはきわめて大きい。平均貯蓄額を下回る世帯数は、全体のおよそ3分の2を占める。仮に貯蓄額の大きい順に世帯を並べたとすると、その真ん中に位置する世帯の貯蓄額は1054万円になる計算。また貯蓄額が100万円に満たない世帯は、全体の11.1%。4000万円を超える世帯は、全体の12.1%となっている。

家計調査は、総務省統計局が毎月9000世帯を対象に調べている。収入・支出のほか、14年からは貯蓄・負債についても調査を始めた。2人以上の世帯とは別に、単身者世帯についても実施している。無作為に選ばれた世帯を、調査員が訪問して聞き取る方法。対象となる世帯数が全世帯の0.02%にすぎないため、結果のブレが大きいという批判も出ているが、重要な経済指標であることに変わりはない。

                                (続きは来週サタデー)

      ≪3日の日経平均 = 上げ +79.68円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-06-05-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第10章 景気って、なんだろう? ⑥

◇ 外国人が払うおカネ = 外国人からのおカネは、いろいろなルートで入ってきます。たとえば観光旅行で日本にきた外国人が、ホテル代や食事代、おみやげを買って使うおカネ。日本人が買った外国の株式から支払われる配当。外国人が日本の技術を使ったときの使用料。でも、いちばん大きいのは日本が輸出した製品に対して支払われる代金です。

外国へ行ったり来たりする船が立ち寄る港や国際線の飛行機が発着する空港には、必ず税関(ぜいかん)という役所があって、人や荷物の出入りを調べています。このうち製品の輸出と輸入を、数量と金額で集計したものが貿易統計と呼ばれる経済指標です。

16年4月分の貿易統計でみると、輸出の総額は5兆8900億円でした。輸出先の国をみると、いちばん多いのがアメリカで、金額は1兆2000億円。続いて中国が1兆円あまりとなっています。また品目では、自動車が9100億円で第1位。電子部品は2900億円あまりでした。

4月の輸出総額は、前年の4月に比べて10%ほど減っています。これはアメリカや中国の景気が悪くなったことに加えて、円高が進んだためです。このように輸出の伸びが鈍ると、日本の景気も悪くなってしまいます。個人や会社が使うおカネが増えないときに、外国人の使うおカネが減ってくると景気が悪くなる理由は、もうわかりましたね。
                               

                            (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2016-06-06-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ “悲惨な数字”だった雇用統計 = イエレンFRB議長が講演で「アメリカ経済は改善しており、数か月内に利上げするのが適切だ」と述べたのは先月27日。ところが、その1週間後に発表された5月の雇用統計では、予想をはるかに下回る悪い数字が出てしまった。非農業雇用者の増加数が3万8000人にとどまり、ウォール街では「悲惨な数字」の声が飛び交ったという。だが、その日のダウ平均は一時150ドル以上も下げたあと反発し、終り値は32ドルの下落にまで回復した。先週は結局66ドルの値下がり。

日経平均は先週193円の値下がり。前半は消費増税の再延期などを好感して上げtが、後半はOPEC(石油輸出国機構)総会やEU離脱を賭けたイギリスの国民投票などを不安視して下げている。安倍首相は増税の延期とともに、16年度の第2次補正予算を含む一連の景気対策を発表したが、市場は全く無視した形。安倍首相に対する信頼感の低下が、根底に流れ始めたような感じもする。

アメリカの“悲惨な”雇用統計を受けて、円相場が106円台にまで急騰した。今週はこの重石を背負って、株価がどの辺で踏みとどまれるか。ダウ平均が発表後の急落から反発した経緯など、情報の入手と分析が必要だろう。また仮に株価が急落した場合、政府と日銀は為替介入や追加の金融緩和など、どう対応するのか。その準備があるのかどうかが試されよう。

今週は7日に、4月の景気動向指数。8日に、1-3月期のGDP改定値、4月の国際収支、5月の景気ウォッチャー調査。9日に、4月の機械受注。10日に、5月の企業物価と4月の第3次産業活動指数。アメリカでは10日に、6月のミシガン大学・消費者信頼感指数。またEUが7日に、1-3月期のGDP改定値。中国が8日に、5月の貿易統計。9日に、5月の消費者物価と生産者物価。12日に、5月の工業生産と小売り売上高を発表する。

      ≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ


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むずかしい雇用統計の読み方 / アメリカ (上)
2016-06-07-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 失業率は大幅に低下 = アメリカ労働省が先週3日に発表した5月の雇用統計は、市場関係者に大きな衝撃を与えた。非農業雇用者の増加数が、わずか3万8000人に激減したからである。たとえば前年同月の増加数は27万3000人。それが経済成長に必要と言われる水準の20万人を、大きく割り込んでしまった。この発表が伝わったとき、ニューヨーク市場では「悲惨な数字だ」という声が飛び交ったという。そしてダウ平均と長期金利が下落し、ドル安・円高が一気に進んだ。

雇用者の増加数がここまで激減すると、FRBが6月に金利を引き上げる可能性はゼロに近くなった。こういう推測が市場に広がり、長期国債が買われ金利が下落。株式とドルは売られたわけである。イエレンFRB議長は1週間前に「米経済は改善しており、数か月以内に利上げするのが適切」と述べたばかり。それだけに市場の驚きも大きかった。

しかし、この日の午前中に150ドル下落したダウ平均は午後になって急反発し、終り値では32ドル安まで持ち直した。ドル安によって輸出の増加が期待できるという見方が強まったこともあったが、市場では雇用統計について「悲惨な数字ではない」という見直し論が強まったためだ。

それは失業率が4.7%と、リーマン・ショック以前の07年11月以来の水準にまで急低下したこと。失業者数も5月は48万4000人減った。転職が盛んなアメリカでは、この程度の失業率は完全雇用状態に近いとみなされる。つまり景気のいい状態が続いて多くの人が就職した結果、新たな雇用者の増加が少なくなったのではないか。こういう考え方も捨てられないというわけだ。こうして株価は反発した。だが為替市場は、ドル安・円高のまま週を越した。

                                (続きは明日)

      ≪6日の日経平均 = 下げ -62.20円≫

      ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ


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むずかしい雇用統計の読み方 / アメリカ (下)
2016-06-08-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 焦点は6月の雇用統計に = イエレンFRB議長は6日、フィラデルフィアで講演し、5月の雇用統計について「がっかりする内容だった」と率直な感想を漏らした。ただ同時に「アメリカ経済は個人消費に改善の兆しが出ており、GDP成長率も上向く」「したがって、金利の緩やかな引き上げが必要な状況に変わりはない」とも述べている。この発言を受けて6日のニューヨーク市場では株価が上昇、ドル安・円高の動きも止まった。

5月の雇用統計では、失業率が4.7%にまで下がり、完全雇用の状態に近づいたことを示している。イエレン議長が気にしていた27週間以上の長期失業者も17万8000人減った。労働者1人当たりの時給も、前年比で2.5%増えている。しかし非農業雇用者の増加数が3万8000人にまで激減したのは、やはり異常。イエレン議長も「がっかり」と言わざるをえなかったのだろう。

この結果、6月の利上げは完全に消えたと考えていい。それでもイエレン議長が「緩やかな引き上げの必要性」を強調したために、7月に利上げが実施される可能性は消えていない。これから発表されるGDPや個人消費、輸出などの指標が上向き、そのうえ今月23日の国民投票でイギリスのEU残留が決まり、さらに6月の雇用統計で雇用者増加数が持ち直せば、7月の利上げは実現することになるだろう。

経済がこうした道程を進むごとに利上げ観測は強まり、円の対ドル相場は下落する。途中で何か逆行する動きが出れば、為替は円高に振れる。そのたびに東京市場の株価も変動することになりそうだ。アメリカの雇用統計6月分は、7月8日に発表される。また金融政策を決定するFRBのFOMC(公開市場委員会)は、6月14-15日と7月26-27日に開かれる。

      ≪7日の日経平均 = 上げ +95.42円≫

      ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ


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成長率は1.9% : 1-3月期の改定値
2016-06-09-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 低成長にあえぐ先進各国 = 内閣府は8日、ことし1-3月期のGDP改定値を発表した。それによると、年率換算した実質成長率は1.9%。速報値の1.7%からやや上方修正された。名目成長率も2.0%から2.4%に修正されている。昨年10-12月期の実質成長率はマイナス1.8%だったので、その分は取り戻した形となった。だが依然として2%の上に顔を出せない。

内容を速報値と比べてみると、個人消費が前期比で0.5%増から0.6%増へ。住宅投資が0.8%減から0.7%減へと、わずかながら上方修正されている。いちばん変化したのは企業の設備投資で、速報値の1.4%減が0.7%減に改善した。これは財務省が集計した法人企業統計の結果を反映させたためだ。

四半期ごとの成長率を振り返ってみると、昨年4-6月期のマイナス1.7%からプラス1.7%→マイナス1.8%→プラス1.9%と、ゼロの上下を行ったり来たりしている。また年度の推移をみても、13年度のプラス2.0%からマイナス0.9%→プラス0.8%と、これも同じような状態。どうしても2%のカベが突き破れない。これが不況感を消せない元凶だ。

アメリカも最近1-3月期のGDP改定値を発表し、速報のプラス0.5%をプラス0.8%に上方修正した。だが、やはり1%に届かない。またEUも1-3月期の成長率を、改定値のプラス0.5%から確定値ではプラス0.6%に上方修正している。だが同じく1%に達しない。このように先進各国はいずれも低成長病に苦しんでいるが、その基本的な原因はどこにあるのか。日本が音頭をとって、各国の研究チームを立ち上げたらどうだろう。

      ≪8日の日経平均 = 上げ +155.47円≫

      ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ


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増えない 新電力との契約
2016-06-10-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大半が撤退する可能性 = 小売り電力が完全自由化されてから2か月。新電力には、お客さんがなかなか集まらない。関係団体が5月末時点で集計したところ、大手旧電力から新電力に契約を切り替えた件数は103万5500件だった。全国の契約数は6260万件なので、まだその1.7%しか移動していない。しかも、そのうちの9割近くが関東と近畿地区に集中しており、その他の地方では全く微々たる動きにとどまっている。

最も切り替え件数が多かったのは東京電力管内で、約65万件が移動した。次いで関西電力管内が22万件、中部電力管内が6万件などとなっている。その他の旧電力管内では動きが鈍く、たとえば沖縄電力管内ではゼロ。北陸電力管内では2300件しか移動していない。こうした契約件数の伸び悩みは、関係者による事前の予測をはるかに下回るものだ。

新電力側からみると、最も契約を集めたのは東京ガスで約30万件。ガソリンの値引きとセット販売するJXエネルギーが約10万件。電車賃やデパートのポイントと組み合わせる東急電鉄が約4万3000件など。その他の新電力は、まだ大部分が1万件に達していない。自由化で新電力の免許を取得した業者は300社を超すが、この調子では撤退するところも続出しそうだ。

新契約が伸びない最大の理由は、電力料金の下げ幅が小さいこと。特に使用電力が少ない家庭では、あまり下がらないことが判明した。使用量の多い家庭はメリットがあるが、その数が少ない。またセット販売の仕組みについては十分な説明が必要だが、新電力の多くは営業部員を持っていない。こうした2か月間の経験から、関係者の間では「1年後に生き残る新電力は、せいぜい20社程度」の声も出始めている。

      ≪9日の日経平均 = 下げ -162.51円≫

      ≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 貯蓄する 日本人 ②
2016-06-11-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 勤労者世帯は平均1309万円 = 家計調査が対象としている2人以上世帯の51%は、サラリーマンが家計の主柱となっている勤労者世帯。その勤労者世帯だけを取り出してみると、15年の貯蓄額は平均1309万円で前年比1.5%の増加だった。05年の貯蓄額は1292万円だったので、この10年間でわずか17万円しか増えていない。2人以上世帯全体の増加額77万円に比べると、60万円も少ないことになる。

一方、勤労者世帯の年間収入額は709万円で前年より7万円増えた。ところが05年の年収は719万円だったので、この10年間では10万円の減少ということになる。にもかかわらず貯蓄年収比は05年の1.797倍から、15年には1.846倍に上昇した。個人消費が伸び悩む原因は、ここにあると言えるだろう。

貯蓄保有世帯の中央値は761万円。ここから貯蓄額が平均値に達しない世帯数が、平均値以上の世帯数より圧倒的に多いことが判る。たとえば貯蓄額が100万円に満たない世帯は全体の13.2%、4000万円を超える世帯は7.2%という具合。全体として貯蓄額の少ない世帯が多い状態は、2人以上世帯の場合よりも強くなっている。

このように貯蓄残高でも年間収入額でも、勤労者世帯は2人以上世帯よりもかなり少ない。また10年前との比較でも、勤労者世帯の方がずっと低い。これは勤労者世帯ではない2人以上世帯が、会社役員や自営業者で構成されている結果だろう。それにしても、勤労者世帯にとってこの10年間は冬の時代だったと言うことができる。

                                 (続きは来週サタデー)

      ≪10日の日経平均 = 下げ -67.05円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】 


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-06-12-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第10章 景気って、なんだろう? ⑦

◇ 余裕がなくなった財政支出 = 政府が支出するおカネは、予算を見ればわかります。たとえば16年度(16年4月-17年3月)の予算は、総額で96兆円あまり。前年度の予算に比べて、2000億円増えています。過去最大の規模であることは言うまでもありません。

個人や会社、あるいは外国人によるおカネの使い方が鈍ると、景気が悪くなることはもう勉強しましたね。そんなときには、政府がうんとおカネを使えば景気はよくなるはず。というわけで、かつては景気が悪くなると政府が公共事業を増やしたり、減税を実施して景気を持ち上げようとしたのです。

ところが最近は高齢化が進んで社会福祉関係の支出がふくらんだため、国の財政は大赤字の状態。このため景気対策としてのおカネを増やすことがむずかしくなっています。16年度の予算でも、社会保障費は32兆円に達しました。このため予算が景気を押し上げる効果は、あまり大きくないと考えられています。

ただ景気が悪くなってきたり、大きな災害が起きると、財政状態が苦しいからとばかりも言っていられません。そういうときに、政府は補正(ほせい)予算といって、年度の途中に予算を追加します。16年度も熊本地震の復興費として、7000億円の補正予算を作成しました。
                                                 
                                  (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2016-06-13-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 原油とユーロに揺れた株価 = ダウ平均は先週、一時的に1万8000ドルを回復した。中国が発表した5月の貿易統計で原油の輸入量が急増し、WTI(テキサス産軽質油)の先物相場が50ドル台に乗せたことを好感した。だが週の後半には反落して、週間では58ドルの値上がりにとどまった。

週の後半に反落したのは、イギリスのEU離脱についての不安が増大したため。イギリスの国民投票は23日に行われるが、先週は離脱派が優勢という世論調査が発表され、市場の警戒感が一気に高まった。リスクを回避しようと国債を買う動きが強まり、日米欧の長期金利が下落した。またユーロが売られたことから、円相場も上昇気味に推移している。

日経平均は先週41円の値下がり。1万6000円台でのもみ合いが続き、なかなか上昇気流に乗れない。今週も原油価格とEU離脱問題が、主な材料になると思われる。このうち原油価格は50ドルが天井になるのか、それとも60ドルに向けて再上昇するのか。今週あたりが分岐点になるかもしれない。またEU離脱問題は投票日の23日が近づくにつれて、市場の空気をしだいに重くするだろう。

今週は13日に、4-6月期の法人企業景気予測調査。15日に、5月の訪日外国人客数。アメリカでは14日に、5月の小売り売上高。15日に、5月の工業生産と生産者物価。16日に、5月の消費者物価と6月のNAHB住宅市場指数。17日に、5月の住宅着工戸数。また中国が13日に、5月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。なお15日にはイエレンFRB議長、16日には黒田日銀総裁の会見が予定されている。

     ≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ


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EU離脱派が優勢に / イギリス(上)
2016-06-14-Tue  CATEGORY: 政治・経済
離脱賛成55%の世論調査 = 中立的なイギリスの新聞インディペンデントの電子版が先週発表した世論調査の結果には、世界中の人たちが驚かされた。EU離脱に賛成の人が55%に増え、残留に賛成の45%を10ポイントも上回ったからである。しかも1か月前の調査に比べると、態度を決めていなかった人の多くが離脱賛成に回った。イギリスのEU離脱が急速に現実味を増し、ポンドやユーロが売られ、世界中の株価も下落した。

イギリスはEUを脱退すると、大陸諸国に対する輸出品に関税をかけられる。またアメリカや日本などの海外企業が、ヨーロッパの本拠地をロンドンから大陸側に移すかもしれない。こうした経済的な損失は計り知れず、英財務相は「ポンドは12-15%下落し、GDP成長率は2年間で3.6ポイント低下する」という試算を発表した。経済界はこうした損失を免れるため、残留すべきだという姿勢でほぼ一致している。

離脱派はもともと、難民の流入に反対する立場から運動を始めた。移民がイギリス人の職を奪う。移民の福祉をイギリス人の税金で賄わなくてはならない。そうした制度やさまざまの規制が、イギリス国民が投票で選んだわけでもないEUの官僚によって一方的に決められている。こうしてイギリス人の多くが、反EUの感情を強めてきた。

大英帝国の時代を忘れられない高齢者の間では、イギリスの“主権”を取り戻そうという感情が強い。その一方で現役世代はEU時代に育っており、あまりEUに対するアレルギーはないと言われてきた。ところが最近になって、若者の間でも「経済の低成長はEUが規制するため」という考え方が広まってきた。すると「離脱は経済的損失が大きすぎる」と主張する残留派の説得力にも、限界が生じてしまう。

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      ≪13日の日経平均 = 下げ -582.18円≫

      ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ


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EU離脱派が優勢に / イギリス(下)
2016-06-15-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 「投票 即 離脱」 は誤りだが = 仮に23日の国民投票で離脱票が残留票を上回ったとしても、イギリスのEU脱退がすぐ決まるわけではない。EUの基本条約によると、イギリスはヨーロッパ理事会に脱退を通知したあと、2年間の暫定留保期間に入る。この期間中に、イギリスはEU各国との間で新たな貿易協定を結ぶ。こうして脱退による経済的な損失を埋める努力をするわけだ。

この期間中、イギリスはまだEU法の適用を受ける。そして2年後、ようやく正式に離脱が認められる。また23日の国民投票後、キャメロン首相が責任をとって辞任すると同時に、再び国民投票の実施に訴える可能性もないではない。ただ23日の投票で離脱票が圧倒的に多ければ、再投票は難しくなるだろうという。

しかしイギリスの正式な離脱が2年後になるとしても、その間に混乱が起きることは免れない。予想されるように、外国企業のロンドンからの脱出や金融取引の縮小が生じる危険性は十分にある。そうした状況を見込んで、ポンドが売られる。引きずられてユーロも下落する。イギリスだけでなくヨーロッパ全体が、景気後退に陥る公算も小さくはない。

また23日の投票で離脱派が勝てば、スコットランドをはじめヨーロッパ各国に散在する独立運動に刺激を与えることも確かだろう。そうなれば世界の混乱は拡大し、経済的な不安も増大する。その影響は貿易・金融・投資の面を通して、日本にも波及する。これはイギリスとEUの問題だと、静観してはいられないわけだ。

      ≪14日の日経平均 = 下げ -160.18円≫

      ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ


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原油は まだ上がるのか? (上)
2016-06-16-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 価格を決める多元方程式 = 原油の国際価格が、1バレル=50ドルの付近で動かなくなった。市場では60ドルまでは上がるという見方と、50ドルを天井にして反落するという予想が拮抗している。原油価格の変動は貿易や物価、それに株価などを通じて世界経済に大きな影響を及ぼす。だが原油価格を決める要因は最近きわめて複雑化しており、その見通しは容易ではない。

ニューヨーク商品取引所のWTI(テキサス産軽質油)先物相場は5月下旬に、1バレル=50ドルを10か月ぶりに回復した。その後はずっと50ドル前後で、もみ合いが続いている。周知のようにWTI先物相場はOPEC(石油輸出国機構)が生産調整で合意できなかったことから、ことし2月には26ドル台にまで急落した。50ドルという水準はそこから9割も回復したわけで、天井説の有力な根拠ともなっている。

価格が急回復した原因は多岐にわたる。まず供給面ではカナダの森林火災で、原油の生産が一時停止した。ナイジェリアでパイプラインが爆破され、操業できなくなった。この2件で、原油供給は日量1500万バレル減ったと試算されている。さらに原油価格の低落で、アメリカのシェール・オイルが減産に追い込まれた。たとえば6月は、前年比で日量60万バレル減った。ただOPECが機能を停止しイランが増産するなど、生産増加につながる要因も現われている。

一方、需要面では中国など新興国の経済が不調に陥り、原油の消費が減少した。しかし、これら諸国の消費は最近になって下げ止まり、中国では5月の原油輸入が急増している。インドの原油需要も大幅に増えた。またアメリカでは、ガソリンの値下がりで原油消費の堅調な状態が続いている。その結果、アメリカの国内在庫も予想以上に減少した。

                                    (続きは明日)

      ≪16日の日経平均 = 上げ +60.58円≫

      ≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ


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原油は まだ上がるのか? (下)
2016-06-17-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ カギはEU問題とシェールの動向 = 原油の国際価格は現状の1バレル=50ドルの水準から、上がるのか下がるのか。それを決める要因も多岐にわたる。まず需要面では、中国やインドなど新興国の消費が回復に向かうのかどうか。この点では、仮にイギリスのEU離脱が現実のものとなると、中国などのEU向け輸出が抑えられて原油の消費が縮小する懸念が大きい。また、この夏の需要期に、アメリカの原油在庫がどのくらい減るかも大きく響いてくる。

供給面をみると、カナダの森林火災やナイジェリアのパイプライン爆破の影響は、時間とともに復旧へ向かうだろう。またOPECが機能を停止したなかで、イランがどこまで増産するのか。ロシアなど非OPEC諸国の生産動向も、予測は難しい。その一方で、原油価格が低落したことから採掘設備に対する新規投資が阻害され、今後の生産は抑制されるとの見方も強い。なかでも注目されているのが、アメリカのシェール産業の動向だ。

昨年からことしにかけて続いた原油価格の低落で、アメリカでは60社を超すシェール企業が倒産した。6月の生産量は日量484万バレルで、1年前より60万バレル減少している。しかし最近の価格上昇で、リグ(掘削設備)の台数が久しぶりに増加したそうだ。一時は価格が60ドルを割り込むと、シェール企業の経営は苦しくなると言われたが、掘削技術の発達で50ドル以上なら採算がとれるようになったらしい。だから価格が50ドルからさらに上昇するかどうかは、シェール産業が息を吹き返すかどうかの重要な条件だとも言えるだろう。

肝心な今後の見通しについては、権威ある専門機関の間でも見方が割れている。IEA(国際エネルギー機関)は「17年になると、供給過剰の状態はほぼ解消する。しかし在庫が溜まるので、価格は下がる」とみる。EIA(米エネルギー情報局)は「供給過剰は急速に薄らぎ、価格は16年も17年も上昇する」と全く反対の予想だ。日本の経済産業省は「価格は上昇する」という見解。ここ数か月は「45ドル―60ドル」と考えるのが正解ではなかろうか。

      ≪16日の日経平均 = 下げ -485.44円≫

      ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 貯蓄する 日本人 ③
2016-06-18-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 高齢者世帯は平均2396万円 = 家計調査は、世帯主が60歳以上の高齢者世帯についても集計している。それによると、高齢者世帯の15年の平均貯蓄額は2396万円だった。また貯蓄額の順に並べた場合に真ん中に位置する、中央値は1592万円となっている。そのうち貯蓄額が2500万円を超えている世帯は、全体の33.8%を占めた。

平均貯蓄額は、2人以上世帯が1805万円。そのうちの勤労者世帯は1309万円。これに比べれば、高齢者世帯の貯蓄額は圧倒的に多い。貯蓄額が2500万円を超える世帯は、2人以上世帯では全体の23%だったのに対し、高齢者世帯では34%にのぼっている。また60歳以上世帯のなかで世帯主が無職の場合だけを集計すると、平均貯蓄額は2430万円。貯蓄額はさらに多くなる。

高齢者世帯の貯蓄額が多いのは、基本的には長い間の就労によって収入の累計額が大きかったことだろう。また高度成長期を経験し、収入が加速した時期があったことも原因になった。退職金を受け取った人も多い。無職の高齢者世帯がいちばん多くの貯蓄額を保有しているのは、それだけ現役時代の蓄積が大きかったからかもしれない。

一方、勤労者世帯は子どもの養育費や教育費にカネがかかる。さらに住宅ローンの返済で、家計に余裕がない。このため貯蓄額が少なくなってしまうのだろう。こうした状況から言えることは、高齢者世帯がもっと消費支出を増やし、勤労者世帯の負担を軽減できれば、景気はよくなる。政府はこの観点に立った景気対策を実施すべきだということである。

                             (続きは来週サタデー)

      ≪17日の日経平均 = 上げ +165.52円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】  


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-06-19-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第10章 景気って、なんだろう? ⑧

◇ モノの生産量と景気 = 日本は、世界でもトップクラスの工業国です。自動車や家電製品、カメラや食料品・・・。実にたくさんのモノを作っています。これらのモノの生産高を調べた経済指標が、鉱工業生産の統計。景気がよくてモノが売れれば、生産は増えますね。逆に景気が悪くモノが売れないと、生産は減ってしまいます。だから生産の動きを見れば、景気の状態がわかるのです。

この統計は、経済産業省という役所が毎月、487品目の製品について調べています。その結果は、10年を100とする指数の形で発表されます。たとえば16年4月の場合は、この指数が97.0となりました。つまり4月の生産水準は、10年の年間平均より3%低かったことになります。

また、この水準は前月より0.3%増加しています。しかし最近の指数は増えたり減ったり。これは国内でモノの売れ行きがパッとしないうえに、輸出も伸び悩んでいるためです。こうした生産統計からみるかぎり、いまの景気は長期的にみても短期的にみても、あまりよくないと言えるでしょう。

もっとも生産高はいちど減ると、次の月にはその反動で増えることがよくあります。このため景気の状態を知るためには、3か月間とか6か月間に生産の水準がどう変わったかを見る必要があります。なお、この統計は「鉱工業生産指数」と呼ばれていますが、この「鉱」はむかし石炭などの生産が盛んだったころの名残り。いまは「工業生産指数」と考えていいでしょう。
                                 

                               (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2016-06-20-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大嵐がくるのか? = EU離脱を賭けたイギリスの国民投票が、目前に迫った。先週は早くもその余波を受けて、為替・株式市場には大波が打ち寄せている。特に16日には円の対ドル相場が一気に103円台にまで上昇。東京市場の株価は大きく下げた。日経平均は週間1002円の値下がり。週の終り値は2月12日以来の安値に。1週間の下げ幅も2月中旬以来の大きさだった。

16日の急激な円高と大幅な株安は、日米の金融当局がともに「金融政策の変更なし」と発表したことが、直接の原因となった。アメリカの利上げが遠のいたことで、ドルが売られ円が買われた。そのうえ日銀の追加緩和を期待していた一部の投資家が、期待を裏切られたために慌てて円を買い戻した。日米の中央銀行が動かなかった最大の理由は、イギリスの投票結果を見極めたいことにあった。

アメリカの場合、FRBが現行の政策を維持したことはきわめて常識的だった。このため市場に対する影響も比較的小さく、ダウ平均は先週190ドルの値下がりにとどまっている。ただ市場が、イギリスのEU離脱をすでに織り込んだとは思えない。したがって今週の市場も、23日の投票日までは荒れ模様になるだろう。さらにEU離脱が決まれば、次の大嵐に見舞われる。

今週は20日に、5月の貿易統計。21日に、4月の全産業活動指数。24日に、5月の企業向けサービス価格。アメリカでは22日に、4月のFHFA住宅価格と5月の中古住宅販売。23日に、5月の新築住宅販売とカンファレンス・ボードによる5月の景気先行指数が発表される。なお23日には、イギリスの国民投票が実施される。

      ≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ


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円は 100円を超えるのか?
2016-06-21-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ EU離脱なら90円台も = 円の対ドル相場は先週103円台にまで急上昇した。1年10か月ぶりの高値水準。5月末の円相場は111円だったから、わずか2週間で8円も上昇したことになる。FRBが利上げを見送り、日銀が追加の金融緩和に踏み切れなかったことが直接の原因。だが根底にはイギリスの国民投票が近付いて、EUが大混乱に陥るのではないかという不安が増大。安全資産と目される円に買いが集中した。

したがって今週23日の投票で仮にEU離脱票が上回れば、円はさらに買い進まれる可能性が大きい。専門家の間では100円を突破し、99円台に上昇するという見方が強い。100円を超えれば政府による介入もありうるから、99円台で止まるだろうという読みが働いている。日経平均は1万4000円まで下げるという説が有力だ。

投票の結果、残留派が勝てば騒ぎはいったん落ち着く。不安が鎮まり、円も反落する。だが下落は108円から110円どまり、というのが専門家の予想だ。アメリカの利上げは当面できない状態だし、日本の貿易収支は黒字幅を拡大している。したがって円安には限界があるという。日経平均も1万7000円まで回復するという見方が多い。

日本の輸出企業が経営計画で想定している為替レートをみると、トヨタなど自動車メーカーは105円のところが多い。また日立などの電機メーカーは、多くが110円を想定している。このためイギリスのEU離脱が決まると、多額の為替差損が生じる。また残留が決まると、自動車メーカーには為替差益が生まれることになりそうだ。

      ≪20日の日経平均 = 上げ +365.64円≫

      ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ
         

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違和感だらけの 政府経済報告
2016-06-22-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 「回復基調」にこだわる理由 = 政府は先週末、6月の月例経済報告を発表した。最も注目される基調判断は、またしても「緩やかな回復基調が続いている」という表現。さらに景気の先行きについても「緩やかな回復に向かうと期待される」と、意外に楽観的だ。ここ数か月、とにかく「緩やかな回復」で押し通しており、一般人の感覚とはどうもかけ離れているような気がしてならない。

報告の各論をみると、個人消費については「足踏みがみられるが、おおむね横ばい」。生産と輸出はともに「横這い」。企業収益は「高水準だが足踏み」、設備投資は「持ち直しの動き」、雇用は「改善している」という具合。だが、家計の1-3月期の実質消費は前年比1.9%の減少、小売り高も0.3%の減少。全産業の経常利益は9.3%も減った。4-6月期の景気予測調査では、大企業の景況感がマイナス7.9にまで落ちている。

こういう状態が、なぜ「緩やかな回復」と言えるのか。どうしても違和感が付きまとう。そのうえ先行きも「回復」だと書いているが、それなら安倍首相が伊勢志摩サミットで強調した「リーマン前夜の危機感」との整合性は、どう考えたらいいのだろう。月例経済報告は政府の経済に対する正式な見解である。首相の発言とは無関係と言うわけにはいかない。

思い当たることは、ただ1つ。月例報告で「景気は足踏み」とか「停滞」と書けば、アベノミックスの失敗につながりかねない。特に参院選を前にしたいま、そんなことを書いたら大変だ。そこで「緩やかな回復」で押し通すしかない。月例経済報告に対する信頼性は低下しても、担当官庁としては仕方がないか。

      ≪21日の日経平均 = 上げ +203.81円≫

      ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ


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7年ぶりに減少した 個人金融資産
2016-06-23-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 怖い“悪循環”の始まり = 日銀の集計によると、ことし3月末の家計の金融資産残高は1706兆円だった。1年前に比べて10兆円、率にして0.6%減っている。家計の金融資産が減少したのは、リーマン・ショック直後の09年3月以来7年ぶり。株価の低落で、保有する株式や投資信託の価値が目減りしたことが主な原因だった。

資産の内訳をみると、株式・出資金が153兆円で9.9%の減少。投資信託は92兆円で3.7%減少した。この1年間で、日経平均が約13%下落したことを反映している。特にことし1-3月期の株安が大きかった。その一方、家計が保有する現金・預金は894兆円。前年より1.3%増えている。このうち現金は61兆円で、前年より4兆円増加した。

家計の金融資産が減少すると、個人消費は抑制されがちだ。特に高額な商品を中心に需要が落ちることは、過去の経験からも明らかになっている。そういう観点からみると、株価は4-6月期も大幅に下げており、家計の金融資産が減り続けている可能性はきわめて高い。たとえばデパートの売り上げは、4月に3.8%の減少。美術・宝飾・貴金属は7.1%も売り上げが落ちている。

個人消費が抑制されれば、景気は悪くなる。景気が悪化すると、株価は下がる。株価が下がると、家計の金融資産が目減りする。こうした“悪循環”は、早めにその芽を摘み取ってしまいたい。安倍首相は日本経済の“好循環”を強調してきたが、逆に“悪循環”が回り出したら目も当てられない。

      ≪22日の日経平均 = 下げ -103.39円≫

      ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ


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「賭け」に賭けた 投資家たち
2016-06-24-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 世紀の国民投票が始まる = 「留まるべきか、留まらざるべきか」--イギリスの全国民がハムレットばりに悩んだ結果が、まもなく出る。仮に「EU離脱」と決まれば、イギリスだけではなくEU全体に大混乱が起きる。ポンドやユーロは暴落するだろう。そんな予測が高まって世界中の株価が下落し、投機資金は国債に向かった。安全通貨と目される日本円も買われた。

そんな潮目が、先週16日に起きた残留派議員の射殺事件で変わった。それまでは離脱派がやや優勢だった世論調査が、残留派有利に変化したからである。それでも大接戦の状況に変わりはない。イギリスの、そしてヨーロッパの将来を決定する世紀の国民投票。歴史のなかの大きな“賭け”であることに違いはない。

もし残留派が勝利すれば、当面の不安は一掃されるだろう。ポンドやユーロは買い戻され、株価も大幅に反発することが見込まれる。たとえば日経平均の場合、離脱なら1万4000円を割り込む。しかし残留なら1万7000円を超えるという予想が一般的だ。まだ勝負の確率は五分五分だが、それなら残留を信じて円を売り、株を買っておこうかという投資家が現われても不思議はない。

要するに“世紀の賭け”に乗った賭けである。国民投票の有権者は4650万人。日本時間きょう24日の午前6時には投票が締め切られ、東京市場が取り引きを終えるまでには最終結果が発表される見込み。イギリス国民の賭けも投資家の賭けも、勝負はすぐに判明する。

      ≪23日の日経平均 = 上げ +172.63円≫

      ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 貯蓄する 日本人 ④
2016-06-25-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 有価証券は5年で51万円増えた = 2人以上世帯でみると、15年の平均貯蓄額は1805万円だった。内訳では、定期性預貯金が734万円で最も多い。次いで通貨性預貯金が394万円、生命保険などが374万円、有価証券が264万円などとなっている。このうち有価証券は前年より13万円増えたが、定期性預貯金は24万円も減った。低金利政策で、預金しても利子がほとんど付かなくなったからだろう。

ちょうど5年前の10年の記録と比較してみよう。平均貯蓄額は148万円増えている。このうち最も増加したのは通貨性預貯金で、311万円から394万円に増えた。また有価証券も213万円から264万円に増えている。有価証券のなかでも、株式・投資信託は134万円から192万円に増加した。貯蓄額が3000万円以上の世帯では、有価証券の保有比率が2割になっている。

勤労者世帯だけを取り出してみると、平均貯蓄額は1309万円。その内訳では定期性預貯金が最も多く470万円。次いで通貨性預貯金が324万円、有価証券が146万円などとなっている。5年前との比較では、貯蓄額が65万円の増加。そのうち最も増えたのは通貨性預貯金で71万円増えた。有価証券も24万円増えているが、定期性預貯金は5万円減っている。

2人以上世帯と勤労者世帯が5年間でどう変わったかを比較してみると、まず貯蓄総額は2人以上世帯が148万円増加したのに対して、勤労者世帯は65万円しか増えていない。その内訳では、ともに通貨性預貯金と有価証券の伸びが目立っている。また定期性預貯金は、2人以上世帯では27万円増えたが、勤労者世帯では5万円減っている。

                             (続きは来週サタデー)

      ≪24日の日経平均 = 下げ ー1286.33円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】  


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-06-26-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第10章 景気って、なんだろう? ⑨

◇ 個人と景気の関係 = 個人が使うおカネは、人びとの収入や働く人の数と大きな関係があります。このうち個人の収入は、会社からもらう給料、銀行預金の利子や株式の配当、家を貸している場合に入ってくる家賃収入、年金など・・・。これらの収入が増えると、人びとはおカネをたくさん使うようになるのです。

家庭の支出を調べている統計に、家計調査というのがありましたね。じつは、この家計調査では家庭の収入もいっしょに調べています。たとえば16年4月の調査では、サラリーマン世帯の平均収入は48万円。前年の4月に比べると0.7%増えています。

また働く人のことを調べている統計は、労働力調査と言います。これも16年4月の結果でみると、職について働いている人の数は6396万人。1年前に比べると54万人増えています。また働きたいけれども仕事が見つからない人、つまり失業者の数は224万人でした。

働いている人の数が増えたり、1家庭あたりの収入が増加すれば、個人が全体として受け取るおカネも増えますね。そういうときには、個人が使うおカネも増えるので、景気はよくなります。16年4月の場合は収入が増え、働く人の数も増えましたが、増え方が多くありません。この結果からみても、景気の状態はそんなにいいとは言えないでしょう。
                                
                                  (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2016-06-27-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大きかった爪あと = “離脱ショック”の影響は、予想以上に大きかった。イギリスの国民投票でEUからの離脱が決まった24日、日経平均は1286円の暴落を演じた。この下げ幅は金融バブルが崩壊した00年4月17日に次ぐ大きさ。朝方は150円ほど上げていたから、1日を通しての下げ幅は1400円を超えている。終り値は1万5000円を割り込み、1年8か月ぶりの安値に落ち込んだ。

事前の世論調査が残留派優位に傾いたため、先週は円安と株高が先行。24日の朝方も、その流れが続いていた。それが開票とともに離脱派優位に一変したため、市場のショックは倍加された。ポンドとユーロの急落が始まり、東京市場では円の対ドル相場が一時99円02銭まで急騰した。株式市場では6銘柄を除いて全銘柄が下落している。しかし23日までの株高のおかげで、日経平均の週間下げ幅は648円にとどまった。

ニューヨーク市場も同様だった。ダウ平均は24日こそ610ドルも下落したが、週間では274ドルの値下がりにとどまっている。だがイギリスのEU離脱が世界経済にどんな悪影響を及ぼすかは、まだ全く予測できない。したがって今週も、リスク回避の動きは継続するだろう。円が再び100円を超えた場合、協調介入できるのかどうかが大きなポイントになってくる。

今週は29日に、5月の商業動態統計。30日に、5月の鉱工業生産と住宅着工戸数。1日に、5月の労働力調査、家計調査、消費者物価、6月の日銀短観、消費動向調査、新車販売。アメリカでは28日に、1-3月期のGDP確定値、4月のSPケースシラー住宅価格、6月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。29日に、5月の中古住宅販売。1日に、6月のISM製造業景況指数と新車販売。また中国が1日に、6月の製造業と非製造業のPMIを発表する。なお28-29日には、EU首脳会議が開かれる予定。

      ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ

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離脱ショック その先は? (上) 
2016-06-28-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 正式な離脱は2年後 = イギリスは国民投票でEUからの離脱を決めたが、この問題は今後どのように発展して行くのだろう。EUとしても加盟国の脱退は初めてのことで、前例がない。したがって手探りで考えるしかないが、EU側からみた問題は次の3つに集約できそうだ。→ ①イギリスとの関係を再構築するための実務的な交渉②他の加盟国に離脱運動が伝染するのを抑制する対策③EUの基本理念を変更する必要があるかどうかの検討。

EUの基本条約によると、脱退する国はまずEU理事会にその旨を通告する。そのあとEU委員会が審議、EU議会の半数以上が同意、さらに理事会の27か国中20か国の賛成で、ようやく正式に脱退が決定する。これに必要な時間は約2年。この間、同時並行的に脱退国との新しい関係をどうするか交渉で決めて行く。

今回の場合、イギリスのキャメロン首相は10月に辞任する方針。もし次の内閣がEU理事会への正式な通告を行うとすれば、脱退に関する手続きは秋以降、したがって正式な離脱は18年の秋になる見通しだ。イギリスとEUとの実務的な交渉も、ことし10月以降に始まることになりそうだ。

交渉の内容で最も重要なのは、双方が輸入品にかける関税率の取り決めと人の出入国についての規制。現在は輸入関税はゼロ、人の行き来はパスポートの表紙を見せるだけでOKだ。交渉の結果、これらが現行通りになれば、離脱がイギリスとEUの経済に与える影響はきわめて小さくなる。だが専門家の間では、そうなる可能性はほとんど期待できないという見方が強い。なぜだろう。

                                 (続きは明日)

      ≪27日の日経平均 = 上げ +357.19円≫

      ≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ


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離脱ショック その先は? (中) 
2016-06-29-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 離脱ドミノを恐れる = 仮にEUとイギリスの実務的交渉で「関税ゼロの新協定」が成立すれば、イギリスはEUの規則に縛られず拠出金も出さずに、貿易面での優遇措置を享受できることになる。そんな前例を作れば、他のEU加盟国も離脱に踏み切る可能性が大きい。だからEUがイギリス製品の関税をゼロにすることは、絶対にありえない。これが多くの専門家の見解である。

そうでなくても、今回のイギリスの国民投票は、周辺各国の“独立”気運に火を付けた。すでにスコットランドはイギリスから独立するための国民投票を実施、独立したらEUに加盟する方針を明らかにしている。またEU加盟国のなかでも、オランダやデンマークではEU離脱を問う国民投票に向けた動きが高まった。イタリアでは最近の選挙で、反EUを掲げる「5つ星運動」の候補者がローマとトリノの市長に選出されている。

さらにEUの中核であるドイツとフランスでも、国民の間に反EUの意識が強まっているという。こうした動きが拡散し強まって行けば、EUの統率力、求心力は急速に弱まってしまうだろう。EU側としてはイギリスとの関係修復も大仕事だが、それ以上に加盟各国内で噴出し始めた反EUの気運をいかにして鎮めるか。これが当面の大問題になってきた。

反EUの気運は、イギリスの例をみても判るように、難民の受け入れ問題と深く結びついている。また加盟国に対するEUの規制が厳しすぎることも、反感を買う理由となった。したがって難民問題やEU議会と加盟国の関係など、早急に検討すべき問題は多い。しかし、これらの問題はEU創設の基本的な理念と密接に結びついており、その改善や修正は至難の業と言えるだろう。

                                (続きは明日)

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離脱ショック その先は? (下)
2016-06-30-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 抱え込んだ大きな矛盾 = EUの母体となったECSC(ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体)は1951年に、フランスや西ドイツなど6か国によって設立された。それが現在のEUには、離脱を決めたイギリスを含めて28か国が加盟している。結果として、経済力の強い国と弱い国が混在することになった。それを政策的にまとめるのは容易ではない。たとえばギリシャの財政不安問題では、ドイツ国民が「われわれの税金で、なぜギリシャを助けなければならないのか」と不満を爆発させた。

加盟国が増えるにつれて、EUの組織も肥大化した。いま職員は3万人。これらのEU官僚が次々と、新しい政策や規制措置を打ち出してくる。加盟国は拠出金が増大する半面で、主権が削がれて行く。今回のイギリスの国民投票でも「われわれが選挙で選んだわけでもないEU執行部が、勝手に作った法律を押し付けてくる」矛盾が声高に主張された。

EUは中央銀行を設立して、域内の金融政策を統一している。しかし各国の税収能力には大きな開きがあるから、財政政策は統一できない。しかしEUは加盟国の財政赤字には、きびしい注文を付けてくる。こうした財政と金融の不一致も、もともと矛盾をはらんでいた。また加盟28か国のうち、単一通貨ユーロを使っているのは19か国。イギリスなどは主権の侵害だと考え、導入しなかった。これも矛盾の一つである。

イギリスのEU離脱は、こうした矛盾が露呈した結果だとも言えるだろう。メルケル・ドイツ首相とオランド・フランス大統領はこれからEUの結束に全力を挙げるだろうが、こうした矛盾の修正も視野に入れないと、加盟国の根本的な不満は解消しないのではないか。不満が解消しないと、EUは分裂の危険性を抱え込んだままになってしまう。

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