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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
モノが 売れなくなってきた!
2016-07-01-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ “爆買い”鎮静化だけではない = 小売業の成績が、じわじわと悪化している。経済産業省が発表した5月の商業動態統計によると、小売り業の売上高は11兆5430億円で前年比1.9%の減少だった。昨年11月から本年2月を除いて、ずっと前年比マイナスが続いている。1-3月期は前年比0.3%の減少にとどまっていたが、4-6月期は減少幅がもっと拡大することは避けられそうにない。

業種別にみると、燃料小売業が前年比12.8%と大きく減少した。これは原油安の影響によるもの。またデパートなど多種類の商品を扱う小売業が4.0%の減少だった。このうちデパートは5.4%減少で、昨年11月から前年割れが続いている。外国人旅行客の購買単価が16.6%も縮小したことが響いた。しかし衣料品や家具などの売り上げが大きく落ちているし、スーパーの売上高も1年2か月ぶりに減少しているから、外国人旅行客のせいばかりではない。

小売り売上高は、家計がモノに対する支出を抑えることで減少する。その原因は、基本的には家計の収入が伸び悩んでいること。医療費や教育費などサービス分野への支出が増えていること。また経済の先行きが不透明なため、家計が貯蓄を増やそうとしていること。いろいろな原因が重なり合っていると考えられる。

もちろん天候などの影響で、小売り売上高が一時的に変動することも少なくない。だが昨年末からほとんど前年の実績を下回っている状況をみると、モノに対する家計の需要は長期的に縮小していると考えた方がよさそうだ。にもかかわらず、政府はいまだに「景気は緩やかに回復中」の判断に固執している。その一方で安倍首相が「政策を総動員する」と声を張り上げているのだから、国民はどうしても違和感を持ってしまう。

      ≪30日の日経平均 = 上げ +9.09円≫

      ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 貯蓄する 日本人 ⑤
2016-07-02-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 高齢者世帯はお金持ち = 60歳以上の高齢者世帯で世帯主が無職の場合、15年の平均貯蓄額は2430万円だった。前年より58万円増えている。その内訳は定期性預貯金が1105万円、通貨性預貯金が463万円。有価証券は431万円などとなっている。前年に比べると、通貨性預貯金が27万円、有価証券が23万円増えた。その一方で、定期性預貯金は8万円減少している。

これを5年前と比べてみると、貯蓄額は185万円の増加。そのうち通貨性預貯金は82万円、有価証券は71万円増えている。また生命保険などの保有額が417万円と比較的多いことが、この階層の特徴だ。有価証券のうちでは株式・出資金の保有高が多いと推定されるが、この統計ではなぜか集計されていない。

家計調査では、単身者世帯を除いた2人以上世帯、そのうちの勤労者世帯と60歳以上の高齢者世帯という3つの階層について、統計を作成している。この3階層を比較してみると、まず貯蓄額は高齢者世帯が平均2430万円で最も多い。次いで2人以上世帯が1805万円、勤労者世帯が1309万円となっている。

この5年間の増加額をみても、高齢者世帯が158万円、2人以上世帯が148万円増えたのに対して、勤労者世帯は65万円しか増えていない。これは勤労者世帯が子どもの育成費や教育費のほかに、住宅ローンの返済を抱える世代が多いためだと考えられる。次回は各階層の負債について調べてみよう。

                             (続きは来週サタデー)

      ≪1日の日経平均 = 上げ +106.56円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-07-03-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第10章 景気って、なんだろう? ⑩

◇ 景気を知るための統計 = 経済指標や景気指標と呼ばれる統計は、ほかにもたくさんあります。また生産とか収入といったモノやおカネの集計ではなく、景気についての感触調査も盛んに行なわれています。たとえば景気ウォッチャー調査というのは、スーパーの店長やタクシーの運転手さんなど、景気をいつもハダで感じ取っている人に、景気はいいか悪いかを聞いています。

この感触調査で有名なのは、日本銀行がいろいろな会社の経営者に聞いている短期観測調査。短く「短観(たんかん)」とも言われます。最近の短観をみると、これまでいちばん景気の感触がよかった大企業の感触も、しだいに落ち込んできています。

重要な経済指標だけを取り出して組み合わせ、景気の動きをみようと工夫されたのが景気動向指数です。この指数も、最近の結果は前月より悪化することが多くなってきました。生産や消費といった指標が、バラバラな動きをすることがあります。そんなとき、この景気動向指数をみると全体としての傾向を知ることができるでしょう。

また経済指標ではありませんが、政府は毎月1回「月例(げつれい)経済報告」を発表します。これは政府が経済の現状をどう判断しているかを、国民に説明する報告書です。16年6月の月例報告で、政府は「弱さもみられるが、景気は回復基調を続けている」という判断をしています。


                                 (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2016-07-04-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 円高が重荷の東京株式市場 = 世界の株式市場はイギリスのEU離脱ショックを呑み込み、一斉に反発した。ダウ平均は先週549ドルの値上がり。日経平均も5日間の連騰で730円の上昇だった。問題を起こした張本人のイギリスFTSEでさえも、週末には年初来高値を更新している。ただ離脱直前の水準に比べると、ダウ平均があと62ドルにまで回復したのに対し、日経平均は556円も低い。反発力はやや鈍い。

反発力が鈍かった原因は2つ。まずEU離脱のニュースが東京市場にいちばん早く届いたため、その日の日経平均が1300円近くも下落したこと。さらにドルが対ポンドでは大幅に上昇したにもかかわらず、日本円の対ドル相場は逆に102円台にまで上昇したこと。日本の輸出企業は105-110円程度のレートを想定しているところが多く、これが株価の上値を抑え込んだ。

今週はその円相場を左右する重要な指標が発表される。アメリカ労働省が8日に公表する6月の雇用統計だ。5月は非農業雇用者の増加数が3万8000人に激減。FRBによる利上げは遠のいたという見方が強まって、ドル安・円高の大きな要因となった。6月も回復しなければ、円高はさらに進行するかもしれない。

今週は7日に、5月の景気動向指数。8日に、5月の国際収支と毎月勤労統計、6月の景気ウォッチャー調査。アメリカでは6日に、5月の貿易統計と6がウのISM非製造業景況指数。8日に、6月の雇用統計。また中国が10日に、6月の消費者物価と生産者物価を発表する。

      ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ


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なぜ為替介入できないのか (上)
2016-07-05-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本の常識は世界の非常識 = 円高が株価の重石になっている。円の対ドル相場は5月末時点で111円。それが6月に入って急騰、イギリスのEU離脱が決まったときには一時99円台にまで上昇した。麻生財務相はしばしば「必要な手は打つ」と発言したが、これは口先介入。実際に為替介入という伝家の宝刀を抜くことはなかった。なぜ抜かなかったのだろう。どうして抜けなかったのだろう。

もし日本が為替介入していたら、世界中から批判されたに違いない。だから介入できなかった、と言ってしまえばそれまで。だが、その根底には為替水準についての認識の差が存在する。日本では「100円という相場は円高」が常識となっているが、海外諸国からみると「100円は円安]であり、日本の常識は通用しない。

外国為替市場に、現在のような変動相場制が導入されたのは1970年代の前半。為替相場を自由な市場の需給に任せることで、各国間の貿易不均衡を是正することが目的だった。この基本理念に照らしてみると、日本の貿易収支は15年度の11兆円近い赤字から、たとえば4月の収支は8000億円の黒字に改善している。これでは、円安にする必要は全くないことになってしまう。

また実効為替レートという統計がある。これは主要国通貨との交換レートを、その国との貿易額などでウェート付けし算出する指数。日銀も毎月の数字を発表しているが、ことし5月の指数は87.1。これは円相場が、10年平均の水準より10%以上も安いことを意味している。こういう数字を持ち出されると、日本の“円高常識論”は、どうも影が薄くなるようだ。

                               (続きは明日)

      ≪4日の日経平均 = 上げ +93.32円≫

      ≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ


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なぜ為替介入できないのか (下)
2016-07-06-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 企業は想定レートを上げるべし = 円高が進むと、輸出関連企業の業績は悪化する。輸出品の価格が上昇するだけではなく、海外で得た利益を日本に持ち込もうとすると目減りしてしまうからだ。たとえば今年度の想定レートは自動車では105円、電機では110円の企業が多い。したがって実際の相場が100円に上がると、確実に利益は減少する。これを嫌気して、株価は下落する。

1ドル=100円という相場水準が高いか安いかは別として、為替相場が投機によって急速に乱高下することは決して好ましくない。そこで政府はG7(主要7か国)会議に、サーキット・ブレーカー方式の導入を提案してみたらどうだろう。たとえば相場が1週間に10%も上下したら、関係国が協調介入するという仕組みだ。為替水準そのものには触れないので、アメリカなども反対しないのではないか。

もう1つ。日本の輸出関連企業も、想定レートをもう少し引き上げ気味に設定すべきだろう。想定レートを上げると、その期の業績は最初から低くなる。それが嫌だから、経営者はぎりぎりのレートを設定するのだろう。ところが仮にいま95円を想定した自動車メーカーがあったとすると、その企業は途中で経営見通しを下方修正しないで済む。すると株価は下がらない。

ギリシャ財政危機が起こった11年10月31日、円の対ドル相場は75円54銭まで上昇した。そこから考えれば、円の現状はまだまだ安い。これが海外の“常識的な”認識である。アメリカの利上げ予測にも左右されるが、円相場は今後も上がる可能性は大きい。政府も経営者も、この辺で考え方を変えてみたらいかがでしょうか。

      ≪5日の日経平均 = 下げ -106.47円≫

      ≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ


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雇用の状態は 絶好調
2016-07-07-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ アベノミックスとの関連性は? = 雇用関連の経済指標が、最高の水準に到達している。総務省が発表した5月の失業率は3.2%で、ほぼ完全雇用に近い水準。雇用者数は5718万人で、41か月連続で増加。失業者は216万人で、72か月間減り続けている。参院選挙中の論戦でも、自民・公明の与党側は「雇用の状態がいいのは、アベノミックスが成功した証拠だ」と声高に宣伝している。

厚生労働省が発表した5月の有効求人倍率も、1.36倍で前年を0.18ポイント上回った。この数字は、24年5か月ぶりの高水準。求人倍率というのは、全国のハローワークで求職者1人当たり何人の求人数があるかを示した数値。1倍を超えれば、求人数の方が多いということになる。東京都の場合は2倍を超えた。

このように人手不足が深刻になった最大の原因は、生産年齢人口が減少していることに求められる。生産年齢人口というのは15-64歳の働き手。ピークだった1995年の8700万人から、現在は7600万人へと1100万人も減ってしまった。要するに働き手が減ってしまったのだから、人手不足は深刻にならざるをえない。

もう1つの原因は、求職と求人のミスマッチだ。5月の新規求人をみると、教育・学習支援業、宿泊・飲食サービス業、情報通信業、卸・小売業、医療・福祉業などの求人数が多い。だが求職者の側からみると、資格や経験がなかったり、待遇や勤務地に不満があって就職できない。このため求人倍率が高くなっているのが現状だ。こうしたなかで、アベノミックスがどこまで雇用指標の好転に貢献したかを判定するのは、きわめて難しい。

      ≪6日の日経平均 = 下げ -290.34円≫

      ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ


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またしても財源なし : 景気対策
2016-07-08-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 15年度の税収は予算割れ = 安倍首相は「日本経済がデフレに逆戻りするのを防ぐため、今秋にも経済対策を断行する」と、しばしば明言している。これを受けて、経済界では「10-20兆円の財政出動」を期待する声が高まってきた。参院選での公約にもなった形だが、現実は厳しく財源のメドは立たない。

財務省の集計によると、15年度の税収総額は56兆2854億円になる見込み。これは予算額を1385億円下回る。所得税は2171億円、消費税は3142億円、ともに予算額を上回った。しかし年度後半に企業の収益が伸び悩んだため、法人税が9135億円も予算割れになってしまった。

税収は予算額を下回ったが、日銀の納付金など税外収入が4454億円。金利の低下で国債の利払い費など不用になった分が1兆4459億円。これらが国庫にはプラスとなって残る。ここから国債発行の減額分1兆5000億円などを差し引くと、15年度の決算は最終的に2544億円の黒字ということになりそうだ。

安倍首相が言う“秋の経済対策”に使える財源は、いまのところこれだけ。昨年は税収が大きく上振れし、剰余金が1兆6000億円も出たのとはかなり様子が違ってきた。そこで仮に今秋10-20兆円の追加補正予算を組むとすれば、そのほとんどを国債の追加発行に頼らなければならなくなるだろう。安倍首相も与党の幹部も、選挙戦でこの問題に触れた人は見当たらない。

      ≪7日の日経平均 = 下げ -102.75円≫

      ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 貯蓄する 日本人 ⑥
2016-07-09-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 勤労者世帯の負債は755万円 = 15年の家計調査によると、2人以上世帯の平均負債額は499万円で前年より10万円減っている。そのうち勤労者世帯だけを取り出してみると、平均負債額は755万円で前年より1万円減った。やはり子どもの保育費や教育費、それに住宅ローンを抱えた勤労者世帯の借金がかなり多い。年収に対する負債の割合も、2人以上世帯が81.0%なのに対して、勤労者世帯は106.5%と高い。

負債が全くない世帯も当然ある。2人以上世帯の場合、負債のない世帯の割合は全体の61.9%にものぼる。勤労者世帯の場合は46.2%だから、借金のある世帯の方が多い。そこで負債のある世帯だけの平均値を求めると、2人以上世帯では1310万円。勤労者世帯では1403万円となっている。

長期的な傾向を知るために、また10年の記録と比較してみよう。2人以上世帯の場合、10年の平均負債額は489万円だったから、この5年間で10万円増えている。その一方で、年間収入額は616万円で変わっていない。勤労者世帯の場合は、10年の負債額が679万円だったから、5年間で76万円も増えた。年収額は12万円しか増えていない。

ここで注目されるのは、負債を保有する世帯の割合だ。2人以上世帯では、5年前の40.0%から38.1%に減少している。だが勤労者世帯では、逆に52.8%から53.8%へ上昇した。勤労者世帯の借金が増えている原因は、いったい何なのだろう。

                               (続きは来週サタデー)

      ≪8日の日経平均 = 下げ -169.26円≫

      【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-07-10-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第10章 景気って、なんだろう? ⑪

◇ 最終的なものさし = 景気の状態は、最終的にGDP(国内総生産)統計で確認されます。GDPというのは、ある国が1年間にどれだけの経済活動をしたか。その全部を合計したものを、金額で表わした統計です。その国の経済の大きさを示す統計と言ってもいいでしょう。たとえば15年度の日本のGDPは503兆円。アメリカと中国に次いで、世界で第3位の大きさです。

GDPは経済の大きさを表わす統計ですから、景気の状態とは関係がありません。GDPが増えていくスピードが、景気の状態を表わすのです。経済活動が活発だと、GDPは大きく増大します。逆にあまり活発でないと、そんなに増大しません。この増加率を、経済成長率と言います。つまり景気がいいと成長率は高くなり、景気が悪いと低くなるわけです。

日本も1960年代には10%を超える成長率で、好景気が続きました。しかし最近は低成長時代に入ったと言われ、景気はあまりよくありません。つまり世界ではトップ・クラスのお金持ちなのですが、いまの景気はどうもパッとしないのです。

GDPは前に説明したように、結局は個人、会社、外国人、それに政府のおカネの使い方で決まってくるのです。たとえば15年度のGDPは14年度に比べて、2.2%の増加でした。その中身を調べてみると、個人の支出は0.6%減少、会社の設備投資は2.5%増えましたが、輸出は1.2%減ってしまいました。
                                  
                              
       (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2016-07-11-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 気分一新のチャンスだが = 先週はイギリスのEU離脱に伴う余震が発生した。イギリスの不動産ファンドが解約され、イタリアでは銀行の不良債権に関する不安が高まった。今後も余震は発生する可能性が大きい。だが余震の大きさは予想を下回り、金融市場に対する悪影響も最小限度内に収まっている。一方、週末には予想をはるかに上回るアメリカの雇用統計が発表された。

アメリカの雇用統計は、6月の非農業雇用者が28万7000人も増加したという驚くべき内容だった。事前の予想を10万人以上も上回っており、株式市場も一気に明るさを取り戻している。この発表を受けて、ダウ平均は250ドルも上昇。週間では197ドルの値上がりとなった。終り値は1万8000ドルを回復。EU離脱前の水準を上回り、1年2か月ぶりの高値となっている。

対照的に、日経平均は冴えない。先週は576円の値下がりで、1万5000円台を保つのに必死の状態。ヨーロッパからの余震に驚かされ、アメリカの雇用統計は時差の関係で間に合わず。そのうえ円相場が一時100円を突破するなど、いい材料に恵まれなかった。今週はニューヨークの株高に刺激され、参院選の結果をみて気分一新できるかどうか。

今週は11日に、5月の機械受注。12日に、6月の企業物価と5月の第3次産業活動指数。アメリカでは14日に、6月の生産者物価。15日に、6月の消費者物価、小売り売上高、工業生産と7月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が13日に、6月の貿易統計。15日に、4-6月期のGDP速報、6月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。

      ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ


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びっくりポンの 雇用統計 / アメリカ
2016-07-12-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 雇用者増加数が26倍に = アメリカ経済が再び明るさを取り戻した。米労働省が8日発表した6月の雇用統計によると、非農業雇用者の増加数は28万7000人。事前の予想を10万人以上も上回って、関係者を驚かせた。下方修正された5月の増加数1万1000人に比べると、なんと26倍も多い。これでアメリカ経済の先行きに対する安心感が広がり、ダウ平均はこの日だけで250ドルも上昇した。

業種別にみると、余暇・接客サービスや保健・介護部門が大きく伸びたほか、小売り業や通信・情報産業など広い範囲で雇用者が増加している。ただ失業者は前月より34万7000人増え、失業率は4.9%で前月より0.2ポイント悪化した。しかし全産業平均の時給額は25ドル61セントで、前年を2.6%上回った。

非農業雇用者の増加数は景気の動向を最もよく反映する指標と考えられ、FRBも重視している。この増加数が5月には速報値で3万8000人に激減(今回さらに1万1000人に下方修正)、アメリカ経済の先行きに対する不安が強まっていた。その不安が払拭されると同時に、イギリスのEU離脱があってFRBとしては金利を上げられない。株式市場にとっては、2つの心配事が一気に解消。ちょうどいい湯加減になったと言えるだろう。

だが雇用者の増加数が、なぜこんなに大変動したのだろう。その辺の理由について、労働省はいっさい説明していない。したがって7-8月には再び激減することはないのか。一抹の不安は残ったようだ。また雇用統計の発表を受けて、円の対ドル相場は一時101円台に下がったあと、すぐに99円台に上昇した。FRBによる利上げが遠のいたという見方が強まったためだが、財政状態は最悪の日本の通貨がどうして“安全通貨”なのか。首をかしげてしまう。

      ≪11日の日経平均 = 上げ +601.84円≫

      ≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ


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新経済対策への 3つの注文 (上)
2016-07-13-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ まず景気の不調を確認すること = 参議院選挙は、自民・公明の与党が圧勝した。安倍首相はこの結果を「アベノミックスを加速せよ」という民意の表れと受け止め、デフレ脱却を目指して「包括的で大胆な予算を組む」と発言。関係閣僚に新しい経済対策の検討を指示した。日本経済の現状からみて、非常に適切な判断だと評価していい。

新しい経済対策の作成については、注文したいことが3つある。その第1は、日本経済の現状を正しく認識することだ。政府・与党はこれまで「景気は緩やかな回復を続けている」という基調判断を崩していない。にもかかわらず対策を実施するのは、イギリスのEU離脱に伴う悪影響に対処するためだという。だが、こうした説明は明らかに矛盾している。この矛盾を解消しておかないと、補正予算の規模などをめぐって無用の混乱を生じかねない。

第2次安倍内閣が発足したのは、12年12月末だった。直ちに打ち出したアベノミックスの効果で、13年度の実質成長率は2.0%に上昇している。しかし14年度はマイナス0.9%、15年度はプラス0.8%。つまり過去2年間はゼロ成長にも達していない。また鉱工業生産の水準をみると、10年を100とした指数で12年10-12月期は95.9。それが16年1-3月期では96.1と、ほとんど変わっていない。

株価だけは、まだ高値を維持している。第2次安倍政権が誕生した12年12月26日の終り値は1万0230円、最近は1万5000円台を行き来している。ところが勤労者世帯の実収入は、当時の月平均60万6000円が、最近は45万5000円に激減した。これらを総合して判断すると「景気は緩やかに回復]とは、どうしても言えない。選挙も終わったことだし、政府は正しい景気判断を国民に示してもらいたい。

                                  (続きは明日)

      ≪12日の日経平均 = 上げ +386.83円≫

      ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ


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新経済対策への 3つの注文 (下)
2016-07-14-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ バラマキすれば失敗 = 2つ目の注文は、経済対策の内容を事前によく吟味すること。安倍首相は早くも、リニア新幹線の前倒し開業、クルーズ船が寄港できる港湾整備などのほか、子育て支援、年金受給資格の短縮など、いろいろな計画を口にしている。さらに政府は一億総活躍プランだとか骨太方針などを決めているから、予算要求はいくらでも出てくるだろう。だが欲張れば欲張るほど、施策はバラマキになりやすい。

バラマキになれば、民主党政権の二の舞となり失敗する。それを防ぐためには、対策の1つ1つについて経済効果を事前に評価する必要がある。と同時に政治の流れをみていると、どうやら規制緩和の問題が忘れられそうな気配だ。タクシーや民泊について多少の動きがあっただけ。農業や医療の改革については、全く進んでいない。新アベノミックスと銘打つのならば、規制改革も正面から取り上げるべきだろう。

3つ目の注文は、財源についてである。9月の臨時国会に提出される補正予算の規模は、10兆円以上になるという。おそらくは15兆円程度に膨らむのではないだろうか。ところが財源は全くない。財務省の集計によると、15年度の決算では2500億円の剰余金しか生まれない。補正予算の財原は、ほとんど赤字国債の発行に頼らざるをえない。

仮にそうなると、政府は中長期的な財政再建計画の修正を迫られる。いまの計画では、20年度に基礎的財政収支を均衡させることが目標。安倍首相は「経済成長で税収を増やし、この目標は堅持する」と説明しているが、どう考えてもムリだろう。政府は均衡目標年次をもっと先送りするしかない。ごまかしは止めて、正直べースで対応すべきである。

      ≪13日の日経平均 = 上げ +135.78円≫

      ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ


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増え続ける 高齢者世帯
2016-07-15-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 年間所得は300万円を切る = 厚生労働省が発表した国民生活基礎調査によると、6月4日時点で全国の総世帯数は5036万1000世帯だった。このうち高齢者世帯は1271万4000世帯で、全世帯数の4分の1を初めて超えている。高齢者世帯というのは、65歳以上の人だけの世帯と18歳未満で未婚の人が一緒に暮らしている世帯を指す。1989年には305万7000世帯だったので、平成になってから4倍に増えた。

高齢者世帯のうち、独り暮らしは624万3000世帯。全体の49.1%に及んでいる。性別では男が31.3%、女が68.7%でやはり女性が圧倒的に多い。また65歳以上の人は346万8000人。そのうち子どもと同居しているのは1352万6000人。夫婦だけで生活している人は1346万7000人。独り暮らしは624万3000人となっている。

14年の年間所得は、全世帯が平均541万9000円だった。これに対して、高齢者世帯は297万3000円でやはり少ない。05年の年収は301万9000円だったが、毎年すこしずつ減少、とうとう300万円を割り込んだ。所得の種別では、公的年金・恩給が200万6000円で大半を占める。働いて得た所得は60万2000円。資産運用による所得は15万3000円だった。

この調査では「生活が苦しいと感じているか」も調べている。全世帯についてみると「生活が苦しい」と「やや苦しい]の合計は、全体の60.3%に達した。これに対して、高齢者世帯の場合は全体の58.0%で、わずかながら苦しさの度合いが低い。なお同じ調査で、児童のいる世帯は63.5%とやや高い数字が出ている。

      ≪14日の日経平均 = 上げ +154.46円≫

      ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 貯蓄する 日本人 ⑦
2016-07-16-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 負債額は40歳から減少傾向 = 個人にとって最大の借金は、言うまでもなく住宅ローンだ。このため家計の財政状態は、住宅・土地に関する借り入れの大きさによって左右される。15年度の家計調査によると、2人以上世帯の住宅・土地に関する負債額は平均446万円だった。そのうち勤労者世帯は698万円で、いずれの場合も負債額全体の9割を占めている。

2人以上世帯について、世帯主の年齢別にみてみよう。40歳未満の世帯では、平均貯蓄額608万円に対して負債額は942万円。負担感はかなり高い。40-49歳になると、貯蓄額1024万円に対し負債額1068万円とほぼ同額に。50-59歳では貯蓄額1751万円、負債額645万円でかなり落ち着く。60-69歳では貯蓄額2402万円に対して、負債額は196万円に激減する。

負債のある世帯だけを抜き出してみると、2人以上世帯で世帯主が40歳未満の場合は平均負債額が1796万円。そして40歳を過ぎると、返済が進んで負債額は減少に転じる。貯蓄額から負債額を差し引いた純貯蓄額は、40歳未満で平均1268万円の負債超過。50歳未満ではまだ負債超過だが、50歳を過ぎると貯蓄超過に転換する。60歳以上の純貯蓄額は平均946万円だった。

自分の住宅を保有しているかどうかも、財政状態に大きく影響する。勤労者世帯のうち持ち家世帯が占める割合は76.0%、ほぼ4分の3にのぼる。このうち住宅ローンを返済中の世帯は全体の38.1%。平均貯蓄額が925万円なのに対して、負債額は1671万円だった。一方、住宅ローンの返済がない世帯は、貯蓄額が1962万円で負債額は243万円にとどまっている。

                           (続きは来週サタデー)

      ≪15日の日経平均 = 上げ +111.96円≫

      【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】 


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-07-17-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第10章 景気って、なんだろう? ⑫

◇ 高度成長から低成長へ = 日本のGDPは、世界で第3位だと説明しました。これは以前に景気のいい時代が続いて、GDPがどんどん大きくなったからです。そこで今回は戦後の日本が、どのような経済成長を成し遂げてきたのか。言いかえると、過去の景気はどんなふうだったのかを、ざっと勉強してみましょう。

戦争で大きな被害を受けたために、戦後の日本経済はモノ不足とインフレに悩まされました。それでも終戦から10年たった1955年ごろからは経済が復興し、その後は高度成長期と呼ばれる好景気時代を迎えます。たとえば59年から73年までの15年間に、GDPは4.4倍にも増大しました。ピークの61年には、成長率が14.5%にも達しています。

ところが73年の石油ショックをきっかけに、成長率はしだいに低くなって行きます。96年から2011年までの15年間では、GDPはわずかに8.8%しか増えていません。現在も低成長が続いており、15年度の成長率は0.8%でした。一国の経済が大きくなり、人びとの暮らしが豊かになると、成長率はしだいに下がる傾向があるのです。

長期的に成長率が変化するほかに、景気は短い期間の変動も繰り返します。その原因はいろいろですが、ふつうは好景気が続くと会社がモノを作りすぎてしまい、そのため生産を減らすことから景気が下降してしまう場合が多いようです。その結果、こんどはモノが足りなくなると生産が増やされて景気は上昇します。このような短期間の景気の変動を、景気循環(じゅんかん)と呼んでいます。


                               (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2016-07-18-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日経平均は19年ぶりの上げ幅 = 株式市場の空気が一挙に好転した。日経平均は先週、5日間連騰して1391円の値上がり。この上げ幅は1997年11月以来の大きさで、イギリスのEU離脱による下落分を完全に取り戻した。ダウ平均も5日間の連騰で370ドルの値上がり。昨年5月の史上最高値を更新している。英独仏などヨーロッパ市場の株価も大きく上昇した。

株価が上昇に転じた理由は、好材料が出現したというよりも、悪材料が一斉に消滅したためである。たとえばイギリスの騒動も新首相が決まって、小康状態になった。アメリカの景気も雇用状態が改善して、見通しが好転した。FRBによる利上げも遠のいたまま。原油も下げ止まり、新興国の経済も一息ついた。日本でも参院選が終わって、安倍内閣が景気対策を実施する見通しとなった。中国経済にも下げ止まりの気配が出てきたなど。

ダウ平均の場合は史上最高値を更新したが、日経平均は1か月前の水準に戻っただけ。したがってニューヨーク市場では、上げすぎ訂正の動きが出るかもしれない。東京市場の場合は、まだ上げる余地があるとも考えられる。ただ1週間で5円以上も下落した円相場の動向がどうなるか。カギを握るのは、やはり円相場の動きということになりそうだ。

今週は20日に、6月の訪日外国人客数。21日に、5月の全産業活動指数。アメリカでは18日に、7月のNAHB住宅市場指数。19日に、6月の住宅着工戸数。21日に、5月のFHFA住宅価格、6月の中古住宅販売とカンファレンス・ボード景気先行指数が発表される。なお23-24日には、中国の成都でG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。

      ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ


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円相場を決める 力学 (上)
2016-07-20-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 事件が起きると円高に = 円レートが乱高下している。対ドル相場でみると、5月末は111円だった。それが6月に入ると上昇し始め、イギリスのEU離脱が決まった24日には99円台まで急騰した。さらに参院選後は105円前後に下げている。この円相場の乱高下が大きな原因の1つとなって、株価も大きく振れた。いったい、円相場はどんな力によって動いているのだろうか。

いまでも経済学の教科書には「経済が強い国の通貨は上昇する」と書いてある。かつてはその通りで、たとえばアメリカ経済の強さを反映して米ドルだけが常に買われていた。ところが現在は、低成長と財政難にあえぐ日本の通貨が買われる。為替相場を決定する力学が一変してしまったわけで、経済学の教科書も書き換えが必要だ。

過去10年ほどの円相場を振り返ってみると、びっくりする。円の対ドル相場は08年のリーマン・ショック、10年のギリシャ財政危機、11年の東日本大地震、そして今年のイギリスEU離脱。経済にとって悪い事件が発生すると、必ず急上昇している。かつては「有事のドル」と呼ばれたアメリカの通貨に代わって、いまでは日本円が「有事の円」になり変わっているのである。

つい最近のイギリスEU離脱に際しても、この現象が鮮明に現われた。世界の投機マネーは株式や商品を売って、先進国の国債と日本円を買っている。このため先進国の長期金利は下がり、日本円は上昇した。投機筋が日本円を買う理由は、それが“安全資産”だからだという。でも人口減少に悩み、国債を多発している国の通貨が、なぜ“安全資産”なのだろうか。

                             (続きは明日)

      ≪19日の日経平均 = 上げ +225.46円≫

      ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ

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円相場を決める 力学 (下)
2016-07-21-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ “有事の円”はまだまだ続く = 日本円が安全資産とみなされる理由は、いくつかある。まずは物価。日本では21世紀に入ってから、ずっとデフレの状態が続いている。物価が安いということは、通貨の価値が高いことを意味し、それだけ信頼できるわけだ。もう1つは金利。低金利の日本で円を借り、海外で運用する。ところが心配な事件が起こると、その運用を止めて円を買い戻す。この過程で、急激な円高が起こりやすい。

さらに対外収支の問題。15年の国際経常黒字は16兆円もあった。また対外純資産は15年末で340兆円もあり、世界一だ。こうした国の通貨は強いはず。そもそも為替の変動相場制は、通貨の売買価格を市場の手にゆだねて、結果として貿易の不均衡を是正することを目的としている。だから黒字を出している日本の通貨は強いし、その為替レートも安すぎる。アメリカをはじめ主要国はこう考えているから、為替介入すれば批判が殺到しかねない。

このような理由が重なっているから、日本円を安全資産とみる傾向はまだ続きそうだ。逆に事件が落ち着けば、円相場は下落する。イギリスのEU離脱問題が小康状態に入り、アメリカの景気見通しが好転した。その半面で、FRBによる金利の引き上げは遠のいた。原油の国際価格は底入れ、中国の経済不安も落ち着きつつある。このため参院選後、円相場は急速に下落した。

今後も心配な事件が発生しなければ、円相場は緩やかに下落するだろう。しかし、そんな状態が長続きする保証は全くない。なにか問題が起これば、再び円は高騰する。いつ、どこで、どんな事件が発生するかは、誰にも予測できない。だから円相場の予測は、不可能に近い。悪い事件に円高が重なるから、東京市場の株価は余計に下がる。海外市場に比べて東京の成績が芳しくないのは、そのためである。

      ≪20日の日経平均 = 下げ -41.42円≫

      ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ


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2000万人は確実に : ことしの訪日客
2016-07-22-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 1人当たり消費額は減少 = 観光局の集計によると、6月の訪日外国人客数は198万6000人で前年を23.9%上回った。九州への旅行客も増えており、熊本地震の影響も薄れてきたようだ。この結果、1-6月の通算では1171万4000人。昨年より1か月早く1000万人を突破した。ことし1年間では2000万人を超えることが確実な状況だ。

1-6月期の外国人客を国別にみると、最も多かったのが中国で308万人。前年比は41.2%の増加だった。次いで韓国の238万人、台湾の87万人などとなっている。マレーシア、インドネシア、フィリピンからの訪日客も、前年比で30%以上伸びている。主要国で訪日客が前年より減ったのはロシアだけだった。

訪日客が使ったおカネの合計も、1-6月期は1兆8838億円で過去最大を記録した。しかし1人当たりの消費額は約16万円で前年を10%ほど下回っている。これは為替相場が円高になったこと、中国が持ち帰り品の関税を引き上げたこと。それにネット販売が増加したことなどによるものと考えられる。

外国人客の増加は、景気にとってもプラス材料。政府は20年に4000万人の誘致を目標に、クルーズ船を受け入れるための港湾整備を急ぐ計画だ。だが民泊に対する規制の緩和など、体制整備では遅れも目立つ。“おもてなし”の質が低下すれば、せっかくの日本ブームにも影が差しかねない。あまり焦らず、着実に客数を伸ばすことがいい。

      ≪21日の日経平均 = 上げ +128.33円≫

      ≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ


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サタデー自習室 -- 貯蓄する 日本人 ⑧
2016-07-23-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 家計の金融資産は1700兆円 = これまでは総務省が集計している家計調査の結果をもとに、日本人の貯蓄について説明してきた。だが日本人の貯蓄については、もう1つ重要な統計がある。それは日銀が発表している資金循環統計。家計調査が約9000世帯を対象に聞き取りを実施しているのとは違い、資金循環統計は企業や家計など経済の各部門を移動するおカネの流れから、家計の貯蓄についても推計している。

その資金循環統計によると、ことし3月末時点で家計が保有する金融資産は1706兆円だった。昨年3月末に比べると0.6%減少している。ここで言う金融資産には貸金やゴルフ会員権なども含まれており、家計調査の貯蓄よりは範囲がやや広い。11年3月末の残高は1500兆円だったから、この5年間で200兆円も増えたことになる。

資産の中身をみると、現金・預金が894兆円で全体の半分を超えている。次いで多いのが年金・保険の509兆円。株式等は153兆円、投資信託が92兆円などとなっている。このうち株式等は昨年に比べて9.9%、投資信託は3.7%減少した。株価の値下がりを反映したもので、金融資産全体が減少する原因ともなっている。また国債の保有高は14兆円で、18.5%減少。低金利が原因になったと考えられる。

新聞などで「日本人はお金持ち」といった記事がよく見られるが、これはこの資金循環統計を根拠にしたもの。たしかに1700兆円という金額はきわめて大きい。たとえばGDPの500兆円、16年度一般会計予算の96兆円と比べれば、その大きさが判る。国債発行残高が1000兆円に達しても何とかやって行けるのも、これだけの個人資産があるからだと言えるだろう。

                               (続きは来週サタデー)

      ≪22日の日経平均 = 下げ -182.97円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝0敗】  


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-07-24-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第10章 景気って、なんだろう? ⑬

◇ 景気をよくするための政策 = 景気が悪くなったとき、政府や日本銀行は景気を回復させるために、いろいろな政策を実行します。これを景気対策と言いますが、それにはどんなものがあるのでしょうか。まず政府の景気対策は、大きく2つに分けられます。1つは政府自身が、おカネをたくさん支出する方法。もう1つは個人や会社に対する減税です。

景気が悪くなるのは、個人と会社、外国人と政府がおカネの使い方を減らすからでしたね。ところが景気の悪いときに、個人や会社や外国人にもっとおカネを使いなさいと言っても、なかなかムリな話です。そこで政府が予算で決めた以上に、たくさんおカネを使う。あるいは減税で、個人や会社の収入を増やして、おカネを使ってもらう。これを財政による景気対策と言います。

日銀の政策は、金融による景気対策。これも大きく分けると2つあります。1つは金利の引き下げ。金利が下がると、個人や会社は銀行からおカネを借りやすくなり、モノを買ったり工場を建てたりしやすくなります。もう1つは、おカネをたくさん発行することで、これも個人や会社におカネを借りやすくします。

ところが、いま日銀は金利をマイナスにまで引き下げているので、もうそんなには下げられません。一方、政府も財政が大赤字。景気対策を実行すれば、財政の赤字はもっとふくらんでしまいます。それでも最近は世界中が不況になってきたので、対策をとらないわけにはいきません。そんな状況を、新聞は毎日のように伝えています。

                             (続きは来週日曜日)  


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今週のポイント
2016-07-25-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日銀の決定会合に注目 = 日米の株価は先週、高値警戒の売り物をこなして着実に上昇した。ダウ平均は週間54ドル値上がりし、史上最高値を更新して終わっている。アメリカ経済の先行きに対する不安が薄れ、企業業績も回復してきたことが大きい。その半面、イギリスのEU離脱でFRBによる利上げはないという観測が、市場に安心感を与えている。

日経平均は先週129円の値上がり。ニューヨークと違って、こちらは日銀による追加の金融緩和への期待が大きな材料となった。週の半ばには、黒田日銀総裁が、英BBCラジオで「ヘリコプター・マネーは必要ないし、可能性もない」と発言。このため円相場が2円近くも上昇し、株価は下落する一幕もあった。

日銀は今週28-29日に金融政策決定会合を開く。何か新しい政策を打ち出す可能性は低いと思われるが、その場合に市場では失望売りがどのくらい出るか。また小手先の対策が決まっても、株価は下落する可能性が大きいだろう。したがって、とにかく今週の焦点は日銀の決定会合にならざるをえない。

今週は25日に、6月の貿易統計。26日に、6月の企業向けサービス価格。29日に、6月の労働力調査、家計調査、鉱工業生産、消費者物価、商業動態統計。またGRIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が3月末の保有銘柄を発表。アメリカでは26日に、5月のSPケースシラー住宅価格、6月の新築住宅販売、7月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。27日に、6月の中古住宅販売。29日に、4-6月期のGDP速報。EUが29日に、4-6月期のGDP速報と6月の雇用統計を発表する。なお26-27日にはFRBのFOMC、28-29日には日銀の金融政策決定会合が開かれる。

      ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ


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止まらない 貿易の縮小
2016-07-26-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 世界経済が停滞する原因 = 財務省が25日発表した6月の貿易統計によると、輸出は6兆0255億円で前年比7.4%の減少。輸入も5兆3326億円で18.8%の減少だった。この結果、貿易収支は6928億円の黒字となっている。輸出では鉄鋼や自動車、輸入ではLNG(液化天然ガス)などエネルギーが大きく減少した。地域別にみると、アメリカはじめEU,アジア、中国との間で、輸出も輸入も減少している。

こうした貿易の縮小傾向は、昨年の後半から続いている。ことし1-6月期をみても、輸出は前年比8.7%の減少、輸入も17.2%の減少だった。地域別でも、EU向けの輸出が4.0%増加したほかは、アメリカ、アジア、中国のすべてに対して輸出入がともに減少した。輸出よりも輸入の減少率が大きいため、貿易収支は黒字になっている。だが輸出入がこれだけ縮小するのは、きわめて異常だと言えるだろう。

このような貿易の縮小は、日本だけの現象ではないようだ。日銀の調査によると、実質GDPに比べた世界の貿易量は11年から下がり続けているという。要するに経済が成長しても、貿易は伸びなくなっているわけだ。その原因については、生産の現地化が進んで、輸出や輸入が食われていること。新興国の技術力が向上し、先進国との差が縮まったこと。それに先進国で、画期的な新製品が誕生しなくなったこと-―などが考えられる。

先週末、中国の成都で開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議では「イギリスのEU離脱による悪影響を防ぐため、各国はあらゆる対策を講じる」ことで合意した。だが世界経済を縮小均衡に陥れる貿易の減退は、ずっと以前から始まっている。FTA(貿易自由化協定)などが広がるなかで、なぜ貿易が縮小するのか。その対応策は。G20会議では、そんな議論もしてほしかった。

      ≪25日の日経平均 = 下げ -6.96円≫

      ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ
            

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ヘリコプターは 飛ばせない : 日銀 (上)
2016-07-27-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 手詰まりの日本銀行 = 日銀が今週28-29日に開く金融政策決定会合に、世界中の市場関係者が注目している。参院選での圧勝を背景に、安倍首相は「経済対策を最重視する」と宣言した。それならば日銀も協力せざるをえないのではないか。こんな推測が、特に外国人投資家の間で盛り上がった。なかには、究極の金融緩和策であるヘリコプター・マネー採用説まで飛び出す有様だ。

日銀の金融緩和政策は、すでに限界に近付いている。政策金利はマイナス0.1%にまで下げてしまった。その副作用もかなり出ており、これ以上の引き下げには抵抗も強い。量的緩和も国債を買いすぎて、市場での自由な取り引きが阻害され始めた。このため最近になって、日銀は国債の買い入れ数量を予定より減らしているほど。そこで最後の手段とも言えるヘリコプター・マネーが登場したわけだ。

ヘリコプター・マネーにもいろいろな形態があるが、一口に言えば中央銀行による国債の直接引き受けだ。政府が発行する国債を市場を通すことなく引き受けてしまう。現在のように市場を通じて国債を買えば、その代金は銀行に流れる。しかし企業や個人が銀行からの借り入れを増やさなければ、景気は浮揚しない。

これに対して直接引き受けの場合は、代金が政府の手に渡る。政府がそのカネを公共事業や減税に使えば、景気は確実に上昇する。まるで空からおカネをばらまくようなので、ヘリコプター・マネーと名付けらrれた。だが黒田総裁は先週、英BBCラジオのインタビューで「ヘリコプター・マネーは必要ないし、可能性もない」と明言してしまった。すると、どんな政策を打ち出すのか。この点に、世界中の関心が集まっている。

                                     (続きは明日)

      ≪26日の日経平均 = 下げ -237.25円≫

      ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ


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ヘリコプターは 飛ばせない : 日銀 (下)
2016-07-28-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 秋には飛ぶ可能性も = 国債は、国が発行する借用証である。だから、償還期限と金利は明示されていなければならない。しかし日銀が直接引き受ける場合は、償還期限を定めず、金利もゼロとすることができる。こうすれば政府は利子も払わず、返済の義務もない。まさに究極の金融緩和策である。

だが、こんな政策を実行すれば、激しいインフレが起こったり、市場で国債の価格が暴落する危険がある。そこで、これまでは一般に“禁じ手”とされてきた。しかし世界経済の停滞が続くなかで、最近は経済学者の間でも「やってみる価値はあるかもしれない」という声が強まってきている。そして“異次元緩和”を断行した日銀がまず実行するのではないか、という推測が世界中で広まった。

政府は9月の臨時国会に、16年度の第2次補正予算を提出する。その規模は20-30兆円とも言われるが、まだ完全に固まっていない。したがって国債の正確な追加発行額も不明だから、日銀としても動きにくい。このため今週の決定会合では、市場を失望させるとしても、大胆な政策は打ち出さないだろう。

ただ9月になれば、補正予算が成立する。国債の追加発行額も確定するから、日銀としても国債買い入れを拡大する名目が立つ。財政出動に合わせて金融緩和を実行すれば、景気浮揚効果は大きくなる。安倍首相を喜ばせることも出来るだろう。そのときはヘリコプターが飛ぶ可能性もなくはない。

      ≪27日の日経平均 = 上げ +281.78円≫

      ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ


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最低賃金 24円引き上げへ
2016-07-29-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 最高の東京都は時給932円 = 厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会は27日、16年度の最低賃金引き上げ額を全国平均で24円とすることを決めた。この引き上げ幅は、時給で賃上げ幅を示すようになった02年以降で最大。現在の全国平均798円が822円に引き上げられることになる。安倍内閣の賃上げ促進政策に沿ったもので、実際の引き上げは10月からになる見通し。

最低賃金制度は各都道府県の経済状況に応じて、A-Dの4グループに分けて実施されている。たとえば16年度の賃上げ幅も、A(東京、神奈川、大阪など5都府県)は25円。B(茨城、埼玉、京都、兵庫など11府県)は24円。C(北海道、宮城、福岡など14道県)は22円。D(青森、岩手、熊本など17県)は21円という具合。これで全都道府県が700円を超えることになる。

この結果、全国で最低賃金が最も高くなるのは東京で時給932円に。最低は鳥取、高知、宮崎、沖縄で714円に。また4年前と比べてみると、東京は82円、沖縄は61円の上昇となる。この制度は強制的だから、特にバイトやパートの労働者にとっては福音になるだろう。だが半面、中小・零細企業にとっては人件費が増大することになる。

政府はこの最低賃金引き上げを、秋の経済対策の一環に組み込んでいる。しかし対象となる人数は300万人から400万人。所得の増加分は400億円から900億円と見込まれている。この程度だと、景気浮揚効果は微々たるものだ。したがって今回の最低賃金引き上げは、景気対策というよりは、この制度の本来の目的である「労働者の生活安定」のための施策と考えた方がいい。

      ≪28日の日経平均 = 下げ -187.98円≫

      ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 貯蓄する 日本人 ⑨
2016-07-30-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本人は現金・預金が大好き = 先進国の中央銀行はみな資金循環統計を作成しているから、その内容を国際的に比較することが可能だ。たとえば日本とアメリカ、それにEU(ヨーロッパ連合)について、家計の金融資産を比べてみよう。いずれも最近時点で、日本は1706兆円。アメリカは71兆1000億ドル、EUは21兆9000億ユーロだった。これを日本円に換算すると、①アメリカ7465兆円②EU2518兆円③日本1706兆円の順になる。

ただ人口が異なるから、1人当たりにすると、①アメリカ2300万円②日本1350万円③EU500万円の順に。アメリカには及ばないが「日本人はお金持ち」という評価は、この辺から生まれてくるわけだ。さらにアメリカ人は一般的に、多くの負債を抱えている。したがって貯蓄額から負債額を差し引いた純貯蓄額でみると、日本とアメリカの差はもっと縮まると考えられる。

金融資産の内容を比較してみると、国民性の違いがくっきり表れる。とにかく日本の場合は、現金・預金の比重が圧倒的に高く、全体の52.4%を占めている。これに対してアメリカの現金・預金は13.8%に過ぎない。EUは34.4%で、日米の中間だ。

アメリカの場合、比重が高いのは株式・投資信託で、全体の45.7%に達する。日本は14.4%にとどまり、EUはその中間の25.9%となっている。年金・保険などの比率は、3者ともそう変わらない。ここから推察できることは、株価の変動が個人消費に及ぼす影響はアメリカ、EU、日本の順に大きいということだ。

                              (続きは来週サタデー)

      ≪29日の日経平均 = 上げ +92.43円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】  


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-07-31-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第10章 景気って、なんだろう? ⑭

◇ 経済のグローバル化 = 通信や交通の発達で、ある国で起こった経済的な出来事の影響がすぐに世界中の国に伝わるようになりました。たとえば中国経済が不調に陥ると、日本の輸出が減ってしまいます。原油の国際価格が下がると、ガソリンや灯油の値段が安くなりますね。これが経済のグローバル化です。

大きな出来事が起きて、世界中の国が不況になってしまうこともあります。たとえば08年には、アメリカでリーマン・ショックと呼ばれる事件が発生しました。不動産バブルの崩壊です。また10年には、ギリシャの財政破たんが表面化しています。いずれも世界経済に大きな悪影響を及ぼし、回復するまでに長い時間がかかりました。

ことしも6月に、イギリスが国民投票でEUからの離脱を決めるという事件がありました。イギリス経済が不況に陥るという見方が強まり、他のEU加盟国も離脱に動くところがあるのではないかと心配されています。そこで日本を含む主要国は、みんなで協力して悪い影響をできるだけ防ごうと約束しました。

景気の落ち込みを防ぐため、いま日本政府も大型の景気対策を検討中です。9月に開く臨時国会に、補正予算を提出する予定で、その規模は28兆円にのぼると報道されています。現在の日本の景気はあまり良好とは言えません。この対策が効果を発揮して、景気がよくなるといいですね。


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