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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
構造改革は どこへ行った? (下)
2016-09-01-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 生産性を高める政策手段 = 「構造改革」という言葉は経済用語ではなく、その定義もはっきりしない。だが最近では「古い体質の組織を解体し、効率的な新しい組織に生まれ変わらせること」といったような意味に使われることが多い。政策的には「日本経済の生産性を向上させ、潜在成長率を高めること」を目的とする。1980年代の国鉄や電電公社の解体、最近では郵政の民営化などが、その典型である。

アベノミックスは当初、3本の矢から成り立っていた。第1と第2の矢は、財政と金融政策による景気浮揚。そして第3の矢は、それを持続的な成長につなげるための成長戦略。その中核に据えられていたのが、構造改革だった。具体的に想定されたのは、農業と医療の分野。さらに行政改革と地方分権の問題である。

しかし最近の安倍内閣は、こうした構造改革の問題から明らかに逃げている。今回の新経済対策では、働き方の問題やITによる第4次産業革命などが前面に押し出された。その一方で、農業についてはJA全中による地域農協への監査廃止を決めた程度。医療分野や行政改革、地方分権については、全く手が付けられていない。

こうした状況をみて、国民は成長の長期的な継続は可能なのかと心配を隠せないわけだ。政府・与党は最初から、日本経済を揺り動かすような構造改革はムリだと考えていたのだろうか。それとも関係者の強い抵抗にあって、断念したのだろうか。なにしろ農業団体や医師会は、自民・公明党にとっては強力な支持母体なのだから。

      ≪31日の日経平均 = 上げ +162.04円≫

      ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ


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129万人も減った 労働力人口
2016-09-02-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 雇用の過熱は好景気を意味しない = 総務省が発表した7月の労働力調査によると、完全失業率は前月より0.1ポイント下がって3.0%となった。この水準は21年2か月ぶりの低さ。失業者数は74か月連続で前年を下回っている。雇用の状態は過熱気味とさえ言えるだろう。ところが同時に発表された7月の家計調査によると、1世帯平均の消費支出は27万8067円で、実質値では前年を0.5%下回った。

雇用が絶好調なのに、個人消費は伸び悩み。その理由について新聞各紙は、新たに雇用された人の多くが非正規採用者で、賃金の水準が低い。だから失業率は下がっても、支出は伸びないのだと解説している。たしかに、そういう理屈も否定はできない。だが、もっと根本的な理由はほかにありそうだ。

労働力調査をみると、7月時点の労働力人口は6682万人だった。その内訳は就業者が6479万人、失業者が203万人となっている。ここからも判るように、労働力人口は就業者数と失業者数を足したもの。つまり働く気があって実際に働いている人と、働く気はあるが仕事が見付からない人の合計である。

日本の労働力人口は、1997年6月の6811万人が過去最大。総人口の減少とともに、そこから傾向的に減ってきている。この最大値に比べると、7月の労働力人口は129万人も減少してしまった。働く気のある人がこれだけ減ってしまったのだから、人手不足になるのはむしろ当たり前。景気が大きく落ち込まない限り、雇用の過熱気味な状態は続くだろう。

      ≪1日の日経平均 = 上げ +39.44円≫

      ≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ

              
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サタデー自習室 -- 健康寿命の すゝめ ①
2016-09-03-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ “健壽国”を目指そう = 「100歳以上の人が6万人を超えた」「80歳以上の人は1000万人を超えた」――新聞紙上に、こんな大見出しが出ている。たしかに日本人は長寿になった。WHO(世界保健機構)が5月に発表した15年の世界平均寿命ランキングでも、日本人は83.7歳で第1位。日本が有数の“長寿国”であることに間違いはない。

だが1000万人を超えた80歳以上の老人が、どんな生き方をしているのか。なかには“寝たきり”の人もいるだろう。それでは長寿と言っても、あまり意味がない。できれば健康な老後を過ごしたいものだ。この観点から作成されているのが「健康寿命」と呼ばれる統計。何歳まで介護などを必要とせずに、自立して生活できるかを推計している。

言い方を換えると「平均寿命-健康寿命」は、介護が必要な期間ということになる。この期間を「要介護期間」と呼ぶことにしよう。そして健康寿命を延ばし、要介護期間を短縮できれば、世の中はどんなに明るくなることか。まず寝たきりや介護が必要な人が減れば、本人だけでなく家族や周囲の人も幸せになるだろう。

元気な高齢者が経験を活かして仕事に就けば、日本が直面している労働力人口の減少がもたらす悪影響を軽減する助けにもなる。就業者が増えることは、個人消費の拡大につながり、景気のプラス要因にもなるだろう。さらに医療費や介護費用が減少するから、日本の財政再建にも大きく貢献する。いま日本にとって何よりも大事なのは、健康寿命が長い“健壽国”の実現だ。

                                (続きは来週サタデー)

      ≪2日の日経平均 = 下げ -1.16円≫

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-09-04-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第11章 国債って、なんだろう? ⑤

◇ 建設国債と赤字国債 = 前回は、利子の支払い方や元金が返済されるまでの期間、つまり償還期限によって国債が分類されることを勉強しました。きょうは、その他の分類について説明しましょう。それは国債を売って得たおカネを、国が何に使うかで分ける方法です。この分け方では、国債を建設国債と赤字国債に分類することができます。

国は道路や鉄道を造ったり、学校や病院を建てたりします。おカネがたくさん必要ですね。そのために発行する国債を建設国債と呼んでいます。これに対して、予算を組むときにどうしてもおカネが足りない。その不足分を補うために発行する国債が赤字国債です。

建設国債の場合は、結果として国民の生活をよくするための財産が残ります。しかし赤字国債は何も残りません。みなさんの家でも、自動車やテレビを買うための借金ならモノが残りますが、生活費に使ってしまった借金では何も残りませんね。同じ借金でも、使い方によってずいぶん違うと思いませんか。

いま実行されている16年度予算で、国債の発行額を見てみましょう。まず建設国債の発行予定額は6兆円です。ところが赤字国債の方は28兆4000億円も発行することになっています。高齢化が進んで社会保障関係の支出がふくらんだため、こんなに大きくなってしまいました。                 
                       
                                 (続きは来週日曜日)  
 

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今週のポイント
2016-09-05-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 判定不能に陥った市場 = まるでポケモンのように動いて、市場ばかりか金融当局まで眩惑した。アメリカの雇用統計のことである。米労働省が2日発表した8月の雇用統計で、最も注目された非農業雇用者数は15万1000人の増加だった。7月の27万5000人を大きく下回り、市場が予測した18万人にも達しなかった。これで9月の利上げは、あるのかないのか。おそらくFRBの内部でも見解は分かれるだろう。市場も見当が付かない。そんななかでダウ平均は先週97ドル値上がりした。

もし雇用者の増加数が20万人程度だったら、9月中の利上げは確定的になったに違いない。逆に10万人程度だったら、大方の人が利上げは12月までないと考えただろう。だが15万人という増加数は、まことに微妙。利上げをしてもしなくても、どちらの理由にもなりうる立ち位置だ。今週の市場では、どちらの見方が優勢になるのか。

労働省の発表を受けて、為替市場では初め円高になり、その後は円安に進んだ。利上げはないという見方から、ありうるという観測に変わったのだろう。週末には1ドル=104円近くまで反落した。このため株価は上昇。日経平均は週間565円の値上がり。今週は為替市場での利上げ観測がどう変化するかで、株価は大きく動く可能性がある。

今週は5日に、7月の毎月勤労統計。7日に、7月の景気動向指数。8日に、4-6月期のGDP改定値、7月の国際収支、8月の景気ウォッチャー調査。9日に、7月の第3次産業活動指数。アメリカでは6日に、8月のISM非製造業景況指数。また中国が8日に、8月の貿易統計。9日に、8月の消費者物価と生産者物価を発表する。

      ≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ


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イエレン議長の 雇用統計の読み方
2016-09-06-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 21日に利上げを決定できるか = 米労働省が2日に発表した8月の雇用統計は、FRBにとって利上げの障害となるのかどうか。この問題をめぐって、市場の見方は真っ二つに割れているようだ。たしかに発表された雇用統計の内容は、きわめて微妙。FRBは今月20-21日のFOMC(公開市場委員会)で利上げの是非を決めることになるが、イエレン議長はどう考えるのだろうか。これまでの彼女の言動から占ってみよう。

8月の非農業雇用者は15万1000人の増加だった。7月の27万5000人という増加数から大きく減っている。ただ昨年8月も増加数は15万人だった。また過去1年間の月平均増加数は20万4000人で、満足すべき水準を維持している。また失業者数も785万人で、昨年の777万人と変わっていない。イエレン議長は過去の講演で「雇用者数は長期的にみる」と述べているので、この結果が利上げの障害になるとは考えないのではないか。

イエレン議長は、長期失業者の増減には注意を払ってきた。27週以上にわたる長期失業者は、8月の場合200万人。7月の202万人とほとんど変わっていない。昨年8月の219万人に比べれば、むしろ改善している。ただイエレン議長がずっと気にしていた平均時給は、やや伸びが鈍化した。8月は25ドル73セントで前月比3セントの増加。7月は8セント、6月は50セント増加している。

FRBが金融政策を決定するFOMCは、年内あと3回だけ。11月は大統領選挙の直前に予定されており、政治的に利上げの決定は難しい。したがって9月を逃すと、次は12月ということになる。イエレン議長は雇用統計だけで利上げを決めるわけではないから、今後に発表される経済統計やFRBの他のメンバーの意見を聞いて、21日に決断を下すことになる。今回の雇用統計で、利上げを断念したとは全く思えない。

      ≪5日の日経平均 = 上げ +111.95円≫

      ≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ


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実質賃金は6か月連続で増加した、が・・・
2016-09-07-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 消費支出が増えないワケは = 厚生労働省が発表した7月の毎月勤労統計によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年比で2.0%の増加だった。6月も2%増加しており、2か月続けて2%増加したのは6年ぶりのこと。これで実質賃金は2月以来6か月連続で、前年同月を上回った。賃金の上昇は消費支出を拡大し、景気を押し上げる原動力になると期待されている。

しかし現実には、まだその力が発揮されていない。家計調査をみると、2人以上世帯の実質消費支出は6月が前年比2.3%減、7月も0.5%減と相変わらず振るわない。これは、どうしてなのだろう。その大きな理由の1つは、賃金の絶対額がまだ十分に上昇していない点にある。たとえば1人当たり平均の現金給与総額を、10年前の水準と比べてみよう。

7月の現金給与総額は、平均37万3808円。前年より1.4%増加した。内訳は所定内給与が26万0658円、残業などの所定外給与が1万9140円、ボーナスなど特別に支払われた給与が11万3150円となっている。だが06年7月の全く同じ調査をみると、現金給与総額は39万7853円もあった。つまり給与総額は、まだ10年前より2万4000円も少ない。

2%以上の増加がさらに半年以上も続けば、この差額は埋められることになる。だが一般の勤労者は将来の日本経済に不安を持っており、そんなに楽観的にはなれない。したがって政府は、こうした国民の不安感を取り除くことに全力を挙げるべきだ。ただし物価が上がれば、実質賃金は下がってしまう。にもかかわらず日銀が物価上昇にこだわり続けているのは、異様な風景としか言いようがない。

      ≪6日の日経平均 = 上げ +44.35円≫

      ≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ
             

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企業は貯め込んだ 378兆円 (上)
2016-09-08-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 内部留保がGDPの8割に = 企業が巨額の資金を貯め込んでいる。財務省がまとめた15年度の法人企業統計によると、金融・保険業を除く営利法人282万4000社の利益剰余金は377兆8700億円に達した。前年度より23兆5000億円増加。10年前に比べると175兆円も増えている。利益剰余金というのは、毎年の純利益を貯めこんだ累計額。企業が勝手に使える資金で、内部留保とも呼ばれている。

売上金は1431兆5000億円で、前年度より1.1%減った。しかし経常利益は68兆2000億円で5.6%の増加。そこから法人税などを差し引いた純利益は41兆8000億円、前年度より5200億円増えている。こうして貯まった内部留保が378兆円。最近の日本のGDPは約500兆円だから、その8割に近い大きさにまで膨れ上がったことになる。

いま問題になっているのは企業が内部留保の積み上げに懸命となり、設備投資や賃上げに消極的なこと。設備投資や人件費にもっとおカネを使えば、内需が拡大して景気がよくなる。安倍首相も経営者に対して「賃金を増やすよう」要請しているくらいだ。ちなみに法人企業統計によると、15年度の設備投資額は42兆6000億円で前年度比7.1%の増加。また人件費は198兆2000億円で、前年度比2兆3000億円の増加にとどまった。

日本の企業が内部留保の積み上げに努力するようになったきっかけは、1997年のバブル崩壊。金融機関が不良債権の整理を急いだ結果、一般企業に対する貸し渋りや貸しはがしが横行した。この経験から、企業は自衛のために内部留保を厚くしようと考えたわけである。この内部留保をなんとか使わせる方策はないか。近ごろ自民・公明の与党内では、利益剰余金に税金をかける案まで浮上している。

                                     (続きは明日)

      ≪7日の日経平均 = 下げ -69.54円≫

      ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ


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企業は貯め込んだ 378兆円 (下)
2016-09-09-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 海外投資と株主対策には熱心 = 財務省の集計によると、日本企業の海外直接投資残高は15年度末時点で151兆6000億円になった。10年度末では68兆円だったが、その後は急増し5年連続で過去最高額を更新している。特にM&A(合併・買収)が目立ち、15年度だけで11兆円に達した。ただ企業は海外で得た利益を国内に戻さず、現地で再投資する傾向を強めている。

法人企業統計によると、15年度の配当総額は22兆2000億円に達した。前年度より5兆円以上増えている。また自社株買いも15年度は5兆3000億円で、前年度を58%も上回った。自社の株式を買って発行株式数を減らせば1株当たりの価値が上がり、有力な株主対策となる。15年度の場合は、配当と自社株買いの合計が純利益の53%を占めたことになる。

それでも内部留保が増大したため、企業の自己資本比率は1998年度の19.2%から、15年度には39.9%に上昇した。その半面、労働分配率は66.1%で、07年以来の低さとなっている。この点が政治的にも問題視されているわけだが、企業側にも言い分はある。その1つが、いまや利益の半分以上を海外で稼ぐ会社が増えていること。海外で得た利益を国内の人件費には当てにくいという論理だ。

その根底には、日本経済の先行きに対する不安感が存在する。人口が減って行くなかで、どうも日本経済の将来像が判然としない。だから設備投資の思い切った増額にも踏み切れない。安倍内閣の新経済対策にしても、その場しのぎの感じが強い。ほとんどの経営者が、そう考えている。企業の内部留保を引き出すために政府がすべきことは、地に足がついた日本経済の将来ビジョンを一日も早く構築することだろう。

      ≪8日の日経平均 = 下げ -53.67円≫

      ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 健康寿命の すゝめ ②
2016-09-10-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 平均寿命は世界のトップ級 = 最初に日本人の寿命について、おさらいしておこう。厚生労働省の発表によると、15年時点で日本人の平均寿命は女性が87.05歳。男性が80.79歳だった。女性は前年より0.22歳、男性は0.29歳延びて、ともに過去最高となっている。またWHO(世界保健機構)の集計だと、15年の日本人の平均寿命は女性が86.8歳、男性が80.5歳だった。

厚労省によると、女性の平均寿命は12年以来、世界第1位だったが、15年は香港の87.32歳に抜かれて第2位となった。第3位はスペインの85.58歳。一方、男性は世界第1位が香港。アイスランド、スイスに続いて、日本は第4位となっている。しかしWHOがまとめた男女平均では日本が第1位。次いでスイス、シンガポール、オーストリア、スペインの順。いずれにしても、日本人の寿命が世界トップ・クラスであることに変わりはない。

平均寿命というのは、その年に生まれたゼロ歳児の平均的な寿命。だから、いま生きている日本人の平均的な寿命ではない。いま生きている人たちの平均的な寿命は各年齢に応じた年数が推計されており、これを平均余命と呼んでいる。たとえば14年時点での平均余命は、30歳の女性は57.32年、男性は51.21年。60歳では女性が28.68年、男性が23.36歳などとなっている。

日本では1899年(明治32年)から、戸籍法に基づいた平均寿命が算出されている。これをみると、戦前の平均寿命は男女ともに40歳台。50歳を超えたのは1947年となっている。その後は急速に寿命が延びて、1976年には女性が77.35歳、男性が72.15歳に達している。そのあたりから日本人の寿命は、世界のトップ・クラスになった。

                               (続きは来週サタデー)

      ≪9日の日経平均 = 上げ +6.99円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】  


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-09-11-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第11章 国債って、なんだろう? ⑥

◇ 君たちにも買える国債 = お小遣いを貯めて、国債を買ってみませんか。国債には、一般の人が買いやすいように工夫した「個人向け国債」もあります。いまは償還期限が10年で変動金利のものと、償還期限が3年か5年で固定金利のものの3種類が売り出されています。

個人向け国債は、1万円から買えることが最大の特色。これなら君たちにも買えるでしょう。銀行や証券会社あるいは郵便局で、売っています。未成年者でも親のOKがあれば、自分の名前で買うことができますよ。半年ごとに利子をもらえるほか、期限がくれば元金も戻ってくるのは他の国債と同じです。

もう1つ、借り換え国債について説明しておきましょう。建設国債にしても赤字国債にしても、国は新しく国債を発行することになりますね。ところが過去に発行した国債の償還期限がくると、国はその元金を返済するためのおカネが必要になります。そのおカネを作るために、また国債を発行する。これが借り換え国債と呼ばれる国債で、建設国債や赤字国債のような新規国債とは区別されるのです。

いまの16年度予算をみると、建設国債と赤字国債を合計した新規国債の発行予定額は34兆4320億円です。ところが16年度に発行する予定の国債は、総額では162兆2000億円となっています。その差額の大部分が、この借り換え国債なのです。この数字だけを見ても、国の借金のやりくりは大変なことがわかるでしょう。
  

                                 (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2016-09-12-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 動き出した株価“秋の陣” = ニューヨーク市場の株価は先週末、大きく下落した。9日のダウ平均は394ドルの大幅な値下がり。最近の値動きをみると、ダウ平均は7月後半から3ケタの振幅はわずか3回だけ。それも100ドル台の動きにとどまっていた。それが400ドル近くの急落を演じたのは、FRBによる9月の利上げに対する警戒感が突然に高まったためだ。

市場の警戒感に火を付けたのは、FOMC(公開市場委員会)のメンバーでもあるボストン連銀総裁の「FRBは正統な金融政策を追及する」という発言だった。先週のニューヨーク市場では「利上げは12月までない」という観測が強まり、ナスダックの株価は史上最高値を更新している。ボストン連銀総裁の発言は、市場が「利上げなし」で固まることを阻止する狙いがあったと思われる。これでダウ平均は先週407ドルの値下がりとなった。

日経平均は先週40円の値上がり。ボストン連銀総裁の発言は、東京市場が閉じてから伝わった。その影響は今週になってから現われる。さらに東京市場の場合は、日銀の政策検証をどうみるかによっても影響を受ける。日銀が現在の緩和政策を強めるのか、弱めるのか。こちらは黒田総裁自身が盛んに発言しているが、どちらとも判定はしにくい。いずれにしても秋に入って、株価は大きく動き出しそうだ。

今週は12日に、8月の企業物価と7月の機械受注。13日に、7-9月期の法人企業景気予測調査。アメリカでは15日に、8月の工業生産、小売り売上高、生産者物価。16日に、8月の消費者物価と9月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が13日に、8月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。15-16日は、日銀の政策決定会合。

      ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ


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黒田日銀総裁の 独りよがり (上)
2016-09-13-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 率直な反省は聞かれず = 日銀は来週20-21日に金融政策決定会合を開いて、これまで実施してきた金融緩和政策の効果について検証する。だが黒田総裁はその前に各地で講演し、その内容をほぼ明らかにしてしまった。総裁の発言内容と21日に公表される検証レポートが食い違うことは、絶対にありえない。したがって検証レポートは、黒田総裁の講演内容を裏付けるだけの役割に変質してしまった。

黒田総裁は何回かの講演で、次の諸点を強調した。--①物価2%上昇の目標は今後も追及する②金融緩和政策は雇用の面などで成果を挙げたが、物価については効果を挙げていない③その原因は原油安、新興国経済の不調などに求められる④緩和政策を深掘りする余地は十分に残っている⑤マイナス金利政策には副作用もあるが、プラス効果の方が大きい。

日銀は13年4月に異次元緩和を実施。14年10月に追加緩和、さらに今年1月にはマイナス金利政策を導入した。要するに黒田総裁は、これらの政策が全く正しかったと自己弁護しているだけだ。物価が上がらない点については、その責任を外部要因に転嫁。マイナス金利政策の副作用は認めたものの、プラス効果の方が大きいと切って捨てている。

黒田総裁は異次元緩和に踏み切ったとき「物価を2年以内に2%上昇させる」と公約した。だが、それから3年以上たっても、その約束は果たされていない。その理由を原油安や消費増税、あるいは新興国経済のせいにしているが、何も悪い出来事がなければ日本経済は安泰。緩和政策など必要がない。結果的に公約を守れなかったことを、まず率直に認めて反省すべきだろう。

                                    (続きは明日)

      ≪12日の日経平均 = 下げ -292.84円≫

      ≪13日の日経平均は? = 上げ


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黒田日銀総裁の 独りよがり (下)
2016-09-14-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 副作用が大きいマイナス金利 = 黒田総裁はマイナス金利に副作用があることを初めて認めたが、どうも金融機関の収益を圧迫している点だけが頭にあるようだ。このためマイナス金利は、副作用よりプラス効果の方が大きいと主張する。だがマイナス金利の副作用は、もっと広い範囲で深刻に現われている。たとえば年金基金の経営が苦しくなり、年金の将来に対する信頼感をいっそう低下させた。

さらに一般庶民から、安全で堅実な資産の運用手段を奪い去ってしまった。銀行の預金利率はゼロに近い。国債の利回りはマイナスになった。低金利で運用難に陥った保険会社は、一時払い終身保険の発売を停止した。特に定年後の生活費を確保しようと貯蓄してきた中高年層は、支出を節約するしか防衛策がない。こんな状態で、消費支出の拡大を期待する方がムリというものだ。

しかも日銀は、物価の2%上昇目標に固執する。資産が増やせない状態で、物価が上がればどうなるのか。国民の心配は増すばかりである。日銀はこの際、なぜ物価上昇に固執するのか。物価が上昇したとき、国民の生活はどうなるのか。この点についても、明確な考え方を示してもらいたいものだ。

黒田総裁はこれまで好んで“サプライズ型”の政策を実行してきた。ところが今回は、方針を変えて“対話型”の手法に切り替えたように思われる。“想定外”ではなく、事前の“説得型”を選んだわけだ。そのこと自体に異論はない。だが対話型を選んだのならば、もう少し新しい考え方を示す必要がある。従来の路線を正当化するだけの自己弁護に終始したのでは、国民も市場も教えられるところが全くない。

      ≪13日の日経平均 = 上げ +56.12円≫

      ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ


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経常利益は6.8%減る見通し : 16年度
2016-09-15-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ それでも景気は回復基調? = 財務省と内閣府は13日、7-9月期の法人企業景気予測調査を発表した。それによると、大企業の景況判断指数はプラス1.9で、3期ぶりになんとか水面上に頭を出した。製造業はプラス2.9、非製造業はプラス1.4となっている。この景況指数は「会社の状態はよい」と答えた比率から「悪い」と答えた比率を引いたもの。8月15日時点の景況感を、計1万3062社が回答した。

製造業では情報通信のプラス21.7、自動車のプラス12.2などが目立つ。また非製造業業では、公共事業の拡大を当て込んだ建設がプラス15.5だったが、マイナス金利の影響で金融・保険はマイナス10.9に落ち込んでいる。こうした結果をみて、財務省は「景気は緩やかな回復基調を続けている」という基調判断を据え置いた。

ところが16年度の企業業績は、あまり良好とは言えない。全産業で売上高は0.8%の減少。経常利益は6.8%減ると予想している。前回5月調査では4.6%の減益だったから、減益の幅がやや拡大した。主たる原因は円高の進行で、自動車や情報通信機械などの輸出関連産業の収益見通しが悪化した。

当面の景況感は3か月前よりも改善した。それでも16年度を通した業績は、少しずつ悪化している。このような状態を一口で表現すれば、どう考えても「足踏み状態」がせいぜいだろう。それを“緩やかな”という形容詞は付けているものの、なぜ「回復基調」と言うのだろう。なにか意図的なものを感じざるをえない。

      ≪14日の日経平均 = 下げ -114.80円≫

      ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ


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いいチエ 出せるかな : 配偶者控除
2016-09-16-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 来年度税制改正の目玉に = 妻の年収が103万円を超えると、夫が38万円の扶養控除を受けられなくなる。だから妻は年収が103万円に達しないよう、働き方を調整してしまう。これでは家計の収入は伸びないし、女性の労働力も活用できない。こうした現行の税制は1961年に導入されたもの。女性の社会進出が進んだ現状にはふさわしくない。というわけで、政府の税制調査会と自民党の税調がこの問題を取り上げ、改正する方向で議論に入った。

有力なのは現行の配偶者控除制度を廃止し、夫婦の収入を一括して新たな控除制度を作るという案。夫婦のうち収入の多い方から、一定の控除額を差し引くことになる。なるほど、これなら妻がいくら収入をあげても構わない。来年度の税制改正ですんなり決まるだろう、と思ったら大違い。なかなか難しい問題がからんでくる。

まず企業のなかには家族手当を支給しているところも多いが、その7割ほどが配偶者の収入103万円未満を支給条件としている。企業がこの条件を緩和してくれないと、この世帯の収入は減ってしまうかもしれない。また収入が103万円を超えると、厚生年金保険に加入する義務が生じる。その保険料も考慮に入れないと、家計としての損得が判らない。

現在の配偶者控除制度による減税総額は6000億円。財務省はその総額は増やしたくないから、高額所得者には新規の制度を適用しないと主張している。ところがその線引きは容易でない。たとえば夫婦合わせて2000万円で切れば、2000万円の人と1990万円の人で大差がついてしまう。区分を小刻みにして、控除額も段階的にせざるをえない。専業主婦で恩恵を受けている世帯は1500万もある。下手をすれば、選挙の票にも響きかねない。与党もおっかなびっくりである。

      ≪15日の日経平均 = 下げ -209.23円≫

      ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 健康寿命の すゝめ ③
2016-09-17-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 健康寿命も世界第1位 = 厚生労働省の集計によると、13年時点の健康寿命は女性が74.21歳、男性が71.19歳だった。実は厚労省は3年前に、健康寿命の算出を始めたばかり。今回は2度目の集計ということになる。その前回の結果と比べると、この3年間で女性の健康寿命は0.59歳、男性は0.67歳延びた。

健康寿命というのは「介護などに頼らず、自分の力で生活できる年齢」のこと。だから健康寿命が延びることは、きわめて喜ばしい。WHO(世界保健機構)が15年時点で世界194か国を調査した結果でも、日本人の健康寿命は74.9歳で第1位。2位のシンガポール、3位の韓国を引き離している。健康寿命という考え方は、もともとWHOが00年に初めて提唱したもの。そのWHOから、日本は世界一のお墨付きをもらったことになる。

問題は、平均寿命と健康寿命の差だ。この差は、要するに「要介護期間」ということになる。この期間は、10年時点では女性が12.62年。男性は9.13年だった。それが13年時点では女性が12.40年、男性が9.02年と、いずれも少し縮まっている。つまり、この3年間に関する限り、健康寿命の延びが平均寿命の延びを、わずかではあるが上回ったわけだ。

だが今後も、こうした傾向が続くかどうかは全く判らない。人口問題研究所の推計によると、22年の平均寿命は女性が87.87歳に、男性は81.15歳に延びる見通し。その時点でも、要介護期間が短縮されていることが望ましい。このため政府は、20年の健康寿命を10年より1歳延ばすことを目標に掲げた。そのための対策を、いろいろ講じ始めている。

                                   (続きは来週サタデー)

      ≪16日の日経平均 = 上げ +114.28円≫

      【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-09-18-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第11章 国債って、なんだろう? ⑦

国債に頼る財政 =みなさんの家では、借金がありますか。住宅ローンなどの借金が多いと、家計のやりくりも大変ですね。国の場合も、借金が多いと大変です。その大変さを数字で表わす方法はいくつもありますが、きょうは国債依存度(いぞんど)について勉強しましょう。これはある年の予算で、収入のうちのどのくらいを国債に頼っているかを示す数字です。

戦後の日本は東京オリンピックが開かれた1964年度(昭和39年度)まで、国債を発行しませんでした。ですから国債依存度はゼロだったわけです。65年度から国債を出し始め、石油ショックのあとの79年度には、依存度が34.7%にまで上昇しています。その後は景気がよかったため国債の発行は少なくてすみ、91年度の依存度は9.5%にまで下がりました。

ところが94年度からは景気の悪化で国債の発行が急増しています。依存度は03年度に42.9%。09年度は52.5%と、とうとう50%を上回る最悪の水準に達してしまいました。いまの16年度予算では34.4%で、まだ高い水準です。

他の先進国の状況は、どうでしょうか。アメリカは16年の数字が11.9%、ドイツは15年でなんと0.1%です。日本はアメリカやドイツよりも、かなり高くなっていますね。国債依存度という物差しでみるかぎり、日本は世界でも借金に頼る度合いがいちばん大きいと言えるわけです。
    

                                   (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2016-09-19-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 連休の谷間に何が起きるか = 空前絶後のカレンダーになった。今週20-21日、日銀は決定会合を開いて金融政策の総括検証を発表し、追加緩和政策の是非も決める。同時にFRBもこの両日、FOMC(公開市場委員会)を開いて金利引き上げの可否を検討する。日米の中央銀行が同じ日に金融政策を決定し、それが日本の場合は連休の谷間に当たる。まことに稀有な日程だと言えるだろう。

ダウ平均は先週38ドルの値上がり。日経平均は446円の値下がりだった。ヨーロッパ市場の下落や原油価格の反落なども材料になったが、日米両国の金融政策を警戒した為替相場の変動が株価に影響した。今週も日銀がマイナス金利を深掘りしたり、FRBが再利上げすれば、為替相場や株価は大きく動く。また中央銀行が何も決定しなくても、動くだろう。

したがって堅実な投資家は、様子見に転じる。すると商いが縮小し、投機筋の売買で相場は大きく振れやすい。そのうえ厄介なのは、日米の時差が微妙にからむこと。日銀の発表は21日の昼過ぎだが、FRBの発表は日本時間22日の未明になる。この12時間ほどの間に、どんな変化が生じるのか。予測は全く困難である。

今週は21日に、8月の貿易統計と訪日外国人客数。23日に、7月の全産業活動指数。アメリカでは19日に、9月のNAHB住宅市場指数。20日に、8月の住宅着工戸数。22日に、7月のFHFA住宅価格と8月の中古住宅販売、カンファレンス・ボード景気先行指数が発表される。なお21-22日に、日銀の金融政策決定会合。FRBのFOMCが開かれる。

      ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ


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ゼロ × ゼロ = 円高 : 日米の金融政策
2016-09-21-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日銀の政策はきょう判明 = 日米の中央銀行はきょう21日、それぞれの金融政策を発表する。日銀の場合、可能性のある選択肢は①マイナス金利の深掘りなど追加的な金融緩和②政策変更はせず、現状維持--の2つ。一方、FRBの場合は①政策金利を現行の0.25~0.5%から0.5~0.75%に引き上げ②政策変更せず現状維持--の2つだと考えられている。したがって、その組み合わせは4通りあるわけだ。

どの組み合わせになるかによって、まず為替市場が大きく動く。そして株式市場にも影響が及ぶことは間違いない。では、どの組み合わせだと、どういう影響が出ると考えられるのか。あくまで理論的な話になるが、4通りの組み合わせで結果は次のようになると予測することができる。

アメリカが金利の再引き上げに踏み切った場合、日米の金利差が拡大すると見込まれるから、円の対ドル相場は下落する。また金融政策を現状維持とした場合は、その期待が裏切られるから円相場は上昇圧力を受ける。一方、日銀が追加緩和を決めれば円安要因に。現状維持なら円高要因になる。したがってFRBが金利を上げ、日銀が追加緩和すると、円安は大幅に進む。逆に日米がともに現状維持だと、、円高になる。ゼロ × ゼロの場合だけが円高ということになる。

日銀の決定は、きょうの午後1時過ぎには明らかになる。すると組み合わせは2通りに縮小する。最終的な結果は、日本時間で22日午前3時過ぎに発表されるイエレンFRB議長の会見を待たねばならない。その影響はまず22日のニューヨーク市場に現われる。それを受けて23日の東京市場がどのように動くか。台風一過になればいいが。

      ≪20日の日経平均 = 下げ -27.14円≫

      ≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ


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空洞の 新金融政策 : 日銀
2016-09-23-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ メッキはすぐに剥がれる = 日銀は21日の政策決定会合で、新しい金融緩和策の枠組みを決め発表した。市場では日銀が現状を維持するという観測もあったため、この変更を歓迎。円相場は一時103円近くまで下落。日経平均は300円を超える値上がりとなった。そのあとアメリカでは、FRBが利上げの見送りを決定している。これでダウ平均株価は160ドル上げたが、為替相場はドル安・円高に反転した。

FRBが金融政策を決めるFOMC(公開市場委員会)は、このあと10月は休み。11月は大統領選挙の直前なので、まず利上げは決められない。したがって、次の利上げは12月までなくなった。ニューヨーク市場と新興国にとっては、少なくとも今後3か月間は頭痛のタネから解放されることになる。その半面、利上げができなかったことで、アメリカ経済に対する警戒感が湧き出すかもしれない。

日銀の新政策はいろいろ難しい理屈を並べ立てているが、よく読むと中身は空洞だ。そのなかで多少とも意味があるのは、長期金利をゼロにまで上昇させるという点。金融機関の経営や年金・保険などの投資効率は、わずかではあるがよくなる。だが、その改善は微々たるもの。しかも、そうするためには日銀が10年もの国債の買い入れを抑制しなければならない。

その分を補うため、日銀は満期が近い国債も買い入れることになった。すると短中期の金利は下落してしまう。しかも市場に流通する国債の総額はますます減り、債券市場の機能はさらに圧迫されるだろう。そして日銀が購入できる国債の量は、しだいに底をつく。要するに今回の政策変更は、苦し紛れに理屈を捏ね回しただけ。すぐにメッキが剥げて、むしろ円高・株安を促進しかねない。

      ≪21日の日経平均 = 上げ +315.47円≫

      ≪23日の日経平均は? 予想 = 下げ


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サタデー自習室 -- 健康寿命の すゝめ ④
2016-09-24-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 難しい健康寿命の算定 = 平均寿命は死亡率から逆算して求めている。戸籍法によって死亡届は必ず出されるから、死亡率は正確に計算することができる。したがって平均寿命の精度は高い。しかし健康寿命の正確な算定はかなり難しい。まず「健康な状態」をどのように定義するか。次に調査対象になった個人が「自分は健康かどうか」を答える際には、どうしても主観が入ってしまう。さらに、これらを総合して数値化する方式も一定ではない。

健康かどうかを聞く場合、ふつう「日常の生活動作や外出などに影響がありますか」と質問する。しかし「影響がある」とも「ない」とも言える状態の人も多いに違いない。また介護保険の要介護2~5を不健康状態とみなす方法もあるが、これだと65歳未満の人については判定できない。さらに健康状態と不健康状態を繰り返している人などは、処理が難しい。

各国の算定方法も、部分的に異なっている。たとえば日本は「要介護ではない」の尺度も使うが、アメリカやヨーロッパでは「慢性疾患がない」ことを条件にしている。健康寿命は、こうしたある程度の不確かさを前提に作成されているわけだ。その結果、厚生労働省が推定した13年の数値をおさらいしておこう。女性は平均寿命が86.61歳。健康寿命は74.21歳で、健康でない期間は12.40年。男性はそれぞれ80.21歳、71.19歳、9.02年だった。

その正しい意味は、たとえば女性の場合、13年に生まれたゼロ歳児が平均で86.61歳まで生きる。そして74.21歳までは健康でいられる。だが平均寿命から健康寿命を差し引いた12.40年は、健康な生活を送れない--ということだ。この健康でない期間を、どうやって縮めるか。それが最大の課題となっている。

                                   (続きは来週サタデー)

      ≪23日の日経平均 = 下げ -53.60円≫

      【今週の日経平均予想 = 2勝1敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-09-25-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第11章 国債って、なんだろう? ⑧

◇ 借金の重さを計る = 1年間に500万円の生活費が、どうしても必要な家があったとします。しかし家族の収入を合わせても400万円しかありません。仕方なく100万円は借金でまかないました。つまり必要なおカネの20%を借金に頼ったわけです。国の場合、この比率を国債依存度というのでしたね。この比率は、ある1年間に限って借金の重さを示した数字だと言うことができます。

こういう借金生活が何年も続くと、借金の総額はだんだん大きくなって行きますね。国の場合は、この借金の総額を国債発行残高(ざんだか)という数字で表わします。財務省が作った資料によると、15年度末にこの国債発行残高は807兆円にのぼりました。国民1人当たりにすると638万円の借金ということになります。

この借金の総額が、その国にとってどのくらい重荷になっているか。それを示すのによく使われるのが、国の借金をGDP(国内総生産)で割った比率です。その国の経済の大きさに対して、借金の総額がどのくらいあるかを表わす数字と言えるでしょう。特に各国の状態を比較するときに、使われることが多いようです。

日本のGDPに対する借金の比率は、たとえば1970年度(昭和45年度)には、わずか3.7%でした。それが毎年のように増大して、2004年度(平成16年度)にはとうとう100%を突破。17年3月末には232%に達する見込みとなっています。アメリカの111%、ドイツの75%と比べると、その大きさがよくわかります。


                                 (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2016-09-26-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 円相場が100円を超えるか = ニューヨーク市場は、少し安心感を取り戻したようにみえる。FRBによる金利の引き上げが、少なくとも12月まではなくなったからだ。ここ当分は景気と企業収益、原油価格、それに大統領選挙などが株価の主な材料になるだろう。ダウ平均は先週138ドルの値上がりだった。

東京市場の方は、やや不安感を増しているようにみえる。日銀が発表した新たな金融緩和策の枠組みは、あまり好評ではない。たとえば国債の買い入れ目標を現行の年間80兆円から「おおむね80兆円」に変更した。これは買い入れ総額をむしろ減らすのではないか、という疑念を生んでいる。このため株価の上昇は持続せず、円相場は101円前後に急騰してしまった。

財務省と日銀の幹部は休日に緊急会合を開き、一部のマスコミにこれをリークした。為替介入を想起させて、市場を牽制する狙いだった。この芝居で先週の円相場はなんとか100円突破を免れたが、今週はどんな展開になるのだろうか。また今週はOPEC(石油輸出国機構)とロシアなどの産油国が会議を開く。その結果、原油価格が大きく動く可能性もないではない。

今週は27日に、8月の企業向けサービス価格。29日に、8月の商業動態統計。30日に、8月の労働力調査、家計調査、消費者物価、鉱工業生産、住宅着工戸数。アメリカでは26日に、新築住宅販売。27日に、8月のSPケースシラー住宅価格。29日に、4-6月期のGDP確定値と8月の中古住宅販売。また中国が1日に、製造業と非製造業のPMIを発表する。なおOPECとロシアなどの産油国が26日から、原油の増産停止などについて話し合う予定。

      ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ≫ 


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原油価格は 動き出すのか? (上)
2016-09-27-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 産油国が生産調整を協議中 = OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどの産油国がアルジェに集まって、原油の生産調整について協議している。これらの産油国は4月にも同様の会議をドーハで開いたが、このときは合意に失敗。原油の国際価格は上昇しなかった。今回も失敗するだろうという見方が強い半面、成功を予測する専門家も現われている。失敗すれば価格は下がり、成功すれば上がることは間違いない。

前回の失敗は、サウジアラビアとイランの対立が原因だった。なにしろ、この両国は犬猿の仲。国交を断絶しているだけでなく、いまでもシリアやイエメンでは戦闘状態に入っている。イランは原油の増産を主張しており、サウジやロシアの減産要求に応じなかった。こうした状況は現在も変わっていないため、今回の協議も合意は難しいという見方が広がっている。

ところが、そのサウジとイランの高官が最近、ウィーンのOPEC本部でたびたび会談していたというニュースが伝わった。このため今回は合意の可能性が出てきたという見方も流れ始めている。減産の合意はムリでも、現在の生産量を増やさないという凍結宣言でも、会議は成功。さらに次回の会合が設定されるだけでも、原油の国際価格は上昇するとみる専門家も少なくない。

その裏には、産油国の厳しい財政事情がある。現在の40-45ドルといった国際価格では、各国ともに大幅な赤字予算を余儀なくされている。IMF(国際通貨基金)の試算によると、原油の国際価格が66ドルにならないとサウジの財政は均衡しない。UAE(アラブ首長国連合)は71ドル、イランは61ドルが均衡ラインだという。少なくとも60ドルまでは上昇させたいという各国の痛切な願いが、合意の原動力になるというわけだ。

                                    (続きは明日)

      ≪26日の日経平均 = 下げ -209.46円≫

      ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ


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原油価格は 動き出すのか? (下)
2016-09-28-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 失敗すれば円高要因に = ニューヨーク商品取引所のWTI先物相場は、最近1バレル=40-45ドルの範囲に収まっている。この水準は、2月の最安値からみれば7割も高い。しかし一昨年の高値に比べると、まだ6割も低い。しかも現状は圧倒的な生産過剰が続いており、価格が回復する兆候はみられない。EIA(米エネルギー情報局)の推計によると、15年のOPECによる石油収入は4000億ドルで、前年の半分に激減した。

OPECが減産しなければ、原油の国際価格は下がる。その結果、アメリカのシェール産業は衰退するだろう。こういう作戦を考え出したのは、サウジアラビアだった。そのサウジがいま原油価格の下落に、もがき苦しんでいる。たしかに現在でも原油価格が60ドルに上がれば、アメリカのシェール生産量は急増すると予測されている。それでも産油国は価格を上げなければ、食っていけないところにまで追い詰められたわけだ。

今回の産油国会議で少しでも前向きな結論が出れば、原油の国際価格は上昇するだろう。するとエネルギー関連会社の経営が改善する。その他の商品相場にも波及し、新興国も助かる。ニューヨーク市場の株価は上昇し、ドル高・円安が進むと期待される。産油国会議の結果は、世界経済にも大きな影響を及ぼすわけだ。

反対に産油国会議が物別れになった場合は、その逆のことが起こる。原油価格が下がると、市場ではリスク不安が増大して日本円が買われやすくなる。日本の貿易黒字が増えると予想されることも、円買いにつながりやすい。アルジェでいま開かれているOPECとロシアなどの産油国会議は、きょう28日に終わる予定である。

      ≪27日の日経平均 = 上げ +139.37円≫

      ≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ


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個人も企業も 資産が目減り : 株安
2016-09-29-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 個人の資産は37兆円減った = 日銀が発表した資金循環統計によると、家計部門の金融資産残高は6月末時点で1746兆円だった。前年に比べて1.7%の減少で、ことしになってからは2四半期連続の減少となっている。家計の金融資産が2四半期連続で減少したのは、リーマン・ショック後の09年4-6月期以来7年ぶりのこと。保有株式の値下がりが大きく響いた。

資産の内訳をみると、株式等が144兆円で前年比16.6%と大きく落ちた。また投資信託は87兆円で、11.7%減少している。これは株価の下落をそのまま反映したもの。このほか海外の保有株式や投信も、円高が進んだために評価損が発生している。家計の金融資産は昨年末に1783兆円の最高を記録した。そこから半年の間に、37兆円も目減りしたことになる。

一方、個人は相変わらず現金や預金を増やしている。6月末の現金・預金残高は920兆円。前年比では1.2%の増加、9年以上も連続で増えている。このうち現金の保有高は78兆円だった。特にイギリスのEU離脱問題で世界経済の不安定さが増したときに、個人が資産を手元に置く傾向が強まっている。

また企業の金融資産についても、同様のことが言える。6月末の資産残高は994兆円で、昨年末に比べて65兆円減少した。株式や投信の保有高は271兆円。現金・預金残高は242兆円、前年より11.8%も増えている。こうした個人や企業の現金・預金志向を、日銀はどのように考えているのか。黒田総裁の意見を聞きたいものである。

      ≪28日の日経平均 = 下げ -218.53円≫

      ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ


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一転して 減産合意 : OPEC
2016-09-30-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ サウジアラビアが大幅譲歩 = OPEC(石油輸出国機構)は28日、アルジェで臨時総会を開き「加盟14か国の原油生産量を日量3250-3300万バレルに制限する」ことを決めた。OPECの産油量は8月の実績で日量3324万バレルだったから、きわめて僅かではあるが減産協定の形となっている。OPECが減産するのは06年以来8年ぶりのこと。11月末に開く定時総会で正式に決定する。

OPECとロシアは26日からアルジェで、原油の生産調整について話し合っていた。しかし増産に固執するイランが同意せず、交渉は難航。ロシアは見切りを付けて、28日の会議には参加しなかった。この土壇場でサウジアラビアが大幅に譲歩、一部の国の増産を認めたことから合意が成立。会議をOPECの臨時総会に切り替えて、減産協定を承認した。

この決定を受けて、国際原油市場では価格が上昇。ニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)先物相場は1バレル=47ドルを超えた。他の資源価格も反発、ダウ平均株価も続伸している。ドル高・円安も進んだため、29日の東京市場では株価も上昇した。今後も原油価格は続伸し、50ドル台には届きそうだ。しかし60ドルまで上昇するかどうかは、かなり疑わしい。

というのも大きな問題が2つあるからだ。1つはロシアとの交渉がうまく行くかどうか。ロシアも減産に同意するのか。それともロシアには増産を認めるのか。もう1つはアメリカのシェール・オイル。国際価格が上昇すれば息を吹き返して、すぐに生産量を増やすに違いない。この問題にどう対処できるのか。OPEC内で主導権を取り戻したようにみえるサウジアラビアの出方に、注目が集まる。

      ≪29日の日経平均 = 上げ +228.31円≫

      ≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ


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