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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
原油価格は どこまで下がる?
2016-11-01-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ OPECが生産調整に失敗 = 産油国連合は先週28-29日にウィーンで原油生産を調整する会議を開いたが、合意できなかった。今回の会議にはOPEC(石油輸出国機構)14か国のほかに、ロシアやブラジルなどOPECに参加していない6か国も出席。しかしOPEC内部の意見がまとまらず、11月末のOPEC総会まで結論を持ち越すことになった。この結果を受けて、ニューヨーク商品市場のWTI(テキサス産軽質油)の先物価格は、1バレル=48ドル台に急落した。

OPECは9月の臨時総会で、加盟国全体の生産量を日量3250万-3300万バレルに抑えることを決めた。この決定に沿って、今回の会議では各加盟国の生産上限を確定させるはずだった。OPECの盟主であるサウジアラビアは、率先して4%減産することを表明。非加盟国まで招聘したので、決着にはかなり自信があったと思われていた。

ところが案の定、増産を主張するイランとイラクが反対。OPECは結束の乱れを、天下に周知する結果となってしまった。産油国が減産しないと、原油価格は確実に下がる。前回14年に減産を見送った際、原油価格は26ドル台まで下落を続けた。そこで今回はどうなるのか。原油価格の変動は世界経済にも大きな影響があるので、注目のマトとなっている。

前回と違って今回は、結論を1か月延ばしただけ。したがって価格の低落は、それほど大きくならないとの見方が一般的だ。しかし1か月の交渉で、問題が解決する保証は全くない。むしろOPEC内部の亀裂が鮮明になったことから、悲観的な見方も強まっている。今後の見通しは難しいが、40ドル前後までは下がる可能性が強い。11月末に向かってイランやイラクの強硬論が収まらないと、30ドル台への低落も十分に予想される。

      ≪31日の日経平均 = 下げ -21.39円≫

      ≪1日の日経平均は? 予想 = 下げ


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景気拡大が 90か月目へ / アメリカ
2016-11-02-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 7-9月期は2.9%成長 = アメリカの景気が力強さを取り戻した。米商務省が発表した7-9月期の実質GDP成長率は、年率で2.9%と予想を大きく上回った。前4-6月期の1.4%に比べると、2倍以上の伸び率となっている。個人消費が2.1%増加したほか、輸出も10.0%の大幅な伸びを記録した。名目成長率は4.4%の高率、GDPは18兆6510億㌦に達している。個人の可処分所得も前年比で3.6%増加した。

アメリカの景気はリーマン・ショック後の09年6月を底に、長期間の拡大を続けている。10-12月期の成長率もプラスになりそうだから、景気の拡大は実に90か月も続くことになりそうだ。昨年10-12月期とことし1-3月期の成長率が1%を割ったため、循環的にみて「景気は下降に向かう」との見方も強まったが、今回の発表でそんな心配も吹き飛んだ形。

この7年半に及ぶ景気の拡大で、GDPは約16%増大した。年平均にすると2%程度の伸び率だから、低成長には違いない。ちなみに日本のGDPは同じ期間に8.6%しか増加していないから、アメリカの半分ちょっと。アメリカが低成長の“上の部類”だとしたら、日本は低成長の“中の部類”と言えるだろう。

もう1つの特徴は、アメリカも日本も大きな景気変動に見舞われていないこと。成長率が一時的に5%を超えたり、マイナス2%に落ち込むことがなくなった。在庫循環のないサービス部門が拡大したことも原因の1つだろうが、ほかにもっと大きな要因があるような気がする。この点については、政府も経済学者も口を閉ざしているようだ。なぜだろう。

       ≪1日の日経平均 = 上げ +17.38円≫

       ≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ


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雇用は絶好調なのに 景気はよくない理由
2016-11-04-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 求人倍率は25年ぶりの高さ = 総務省が発表した9月の労働力調査によると、就業者数は6497万人で22か月連続で増加した。特に女性の就業者増が目立っている。一方、失業者数は204万人で76か月連続で減少した。この結果、失業率は前月より0.1ポイント低下して3.0%となっている。この失業率は完全雇用に近い水準だと考えていい。

厚生労働省が発表した9月の有効求人倍率は、前月より0.01ポイント上昇して1.38倍となった。この倍率は過去最高の水準である。業種別では、宿泊・飲食サービス、生活関連サービス、建設、医療・福祉などからの求人数が大きかった。地域別にみると、東京都の求人倍率は2.03倍に達した。

このように雇用は絶好調の状態。だが、それが消費支出の増加にはつながらず、景気を回復させる“好循環”を生んでいない。--新聞各紙はみな、こう解説している。たしかに家計は将来の不安に備えて節約志向に走っているから、そうした解説も間違ってはいない。しかし、それだけでは重大な要因が抜け落ちている。

この8年間で、日本の総人口は220万人も減少した。このため労働力人口も、ピークだった19年前に比べると110万人も減ってしまった。これだけの働き手がいなくなったのだから、人手不足になるのは当たり前。さらに求人倍率の場合は、若い人が敬遠したがる職種で高くなっている。こうしてみると、雇用統計が必ずしも景気動向を反映するものではないことが判るだろう。

      ≪2日の日経平均 = 下げ -307.72円≫

      ≪4日の日経平均は? 予想 = 下げ


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サタデー自習室 -- 健康寿命の すゝめ ⑩
2016-11-05-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 地方自治体も動き出す = 都道府県や市町村も財政難に苦しんでいる。総務省の集計によると、地方自治体の借金残高は15年3月末時点で200兆円を突破した。健康寿命が延びて医療や介護に対する支出が減れば、財政的にはプラスになる。そこで近年、地方自治体の間でも住民の健康維持に努力する動きがようやく活発になってきた。

最も一般的なのは、住民の運動量を増やす試み。たとえば千葉県松戸市は、08年に「健康寿命延伸都市」を宣言。市民歩こう運動を年に300回実施しているほか、熟年向き運動教室を開いたりしている。同じ千葉県の浦安市は15年から40歳以上の希望者に、歩数計を配布。歩数に応じて商品券がもらえるポイントを付けている。こうした運動は静岡県三島市や岡山県岡山市も導入した。

高齢者の病気は、心血管系疾患、ガン、糖尿病、それに認知症が多い。その予防に焦点を当てた事例は、たとえば広島県呉市。糖尿病の保健指導を6年前から実施し、実際に患者の減少と歳出削減の効果をあげている。また血圧の抑制に重点を置く自治体も少なくない。高い方の血圧が4ミリ下がると、脳卒中による死者は男性で8.9%、女性で5.8%減るという調査もあるそうだ。

青森県は13年時点で、男女ともに平均寿命が全国でいちばん短かった。県はこれを逆手にとり「短命県返上キャンペーン」を展開している。成功を祈りたい。また岡山県総社市は「国保加入者が1年間診療を受けなかったら1万円を進呈」という制度を打ち出したが、これは厚労省からストップ命令が出た。賞金欲しさに病気でも医者にかからない人が出る危険があるからだ。

                                (続きは来週サタデー)

      ≪4日の日経平均 = 下げ -229.32円≫

      【今週の日経平均予想 =3勝1敗】  

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-11-06-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第12章 デフレって、なんだろう? ① 

◇ 政府もデフレ退治に全力 = 近ごろ「デフレ」という言葉を、よく耳にするでしょう。たとえば「デフレで売れ行きが悪い」とか「デフレで給料が減った」とか。安倍首相も国会の演説で「デフレの克服を最優先の目標にする」と強調しました。この章では、このデフレの問題をいろいろ考えてみましょう。

まずデフレという言葉の意味から。デフレは英語のデフレーション(Deflation)を短くしたものです。一般的な意味は「しぼむこと」です。たとえば風船に針を刺すと、小さくなってしまいますね。この状態がデフレーションです。

経済用語として使うときは「物価が長い間にわたって下がり続ける状態」を指します。次回に詳しく説明しますが、いま日本の物価は下がり続けています。ですから日本経済は「デフレの状態にある」と言えるわけです。では、どうして物価が下がり続けるのでしょう。

第4章の「物価って、なんだろう」を思い出してください。物価が下がるのは、需要が不足していることが原因でしたね。モノの供給に比べて需要が少ないと、物価は下がります。需要が伸びない大きな原因は、働く人々の収入が増えないこと。つまり景気が悪いことを意味します。ですからデフレの克服は、すなわち景気をよくすることだと考えてもいいでしょう。


                                   (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2016-11-07-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ いよいよ大統領選挙 = アメリカ大統領選挙への不安が、世界の市場を覆い尽くした。特にワシントン・ポスト紙とABCテレビが1日に発表した世論調査でトランプ氏の優勢が伝えられると、市場の不安は恐怖の様相にまで発展した。ダウ平均は先週5日間続落、週間では273ドルの値下がり。4か月ぶりに1万8000ドルを割り込んでいる。世界中の市場で、株価や商品市況が下落した。

東京市場にも、不安と恐怖の波は打ち寄せた。円相場が上昇に転じたうえに、9月中間決算が4年ぶりに減益となることが明らかになったため、株式は大きく売り込まれた。日経平均は先週541円の値下がり。こちらも1万7000円を割り込んでいる。トランプ大統領が出現すると、どんな影響があるのか。関係者は一夜漬けの勉強を始めたようだ。

選挙の結果は、日本時間9日深夜には判明するだろう。トランプ氏なら、市場はさらに委縮するに違いない。しかしクリントン氏でも政治基盤が弱くなるとみられ、市場は万々歳というわけにはいかないようだ。特にクリントン氏だと、FRBによる12月の利上げが決定的になるという事情もある。いずれにしても、からっとした秋晴れは望めない。

今週は7日に、9月の毎月勤労統計。8日に、9月の景気動向指数。9日に、9月の国際収支と10月の景気ウォッチャー調査。10日に、9月の機械受注。11日に、10月の企業物価と9月の第3次産業活動指数。アメリカでは11日に、11月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が8日に、10月の貿易統計。9日に10月の消費者物価と生産者物価を発表する。なお8日は、アメリカの大統領選挙。

      ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ≫ 


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途切れた アベノミックス増益
2016-11-08-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 4-9月期は減益が確定的 = 第2次安倍内閣が発足してから、まもなく4年になる。この間、企業の業績はずっと増益基調を維持してきた。アベノミックス効果だと評価していいだろう。だが、その増益基調は途切れることが確定的になった。これまでに公表された企業の中間決算から推計すると、4-9月期は4年ぶりの減益を免れないようである。

日経新聞がこれまでに決算を発表した501社を集計したところ、4-9月期の売り上げ高は前年比7%の減少。純利益は25%の減益となった。円高の進行や新興国の経済不調が響いたという。業種別では精密機械が19%の減益、電気機械も14%の減益となっている。10-3月期については、円高の修正で利益は持ち直すという見方が強い。しかし来年3月期の決算は円相場しだい。厳しい見方をする経営者が多いようだ。

SMBC日興証券も、1部上場の607社について集計した。それによると、売り上げ高は6.6%の減少。営業利益は11.9%の減益、純利益は20.9%の減益だった。純利益でみると、一般機械の43.9%、輸送用機械の38.5%、鉄鋼の74.3%などの減益幅が大きい。一方、医薬品は15.0%、建設は13.8%の増益を維持した。

この推計でも、4-9月期が中間決算としては12年以来の減益となることは確実だという。安倍首相は来週16日の会合で、企業経営者に「来春の賃上げをしっかり」と要請する予定。だが業績が下降したために、企業が大幅な賃上げを実施する見込みは小さくなった。日銀の“黒田マジック”も、神通力を失うことになる。

      ≪7日の日経平均 = 上げ +271.85円≫

      ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ


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突出する 電気・ガス業の給与
2016-11-09-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 飲食サービス業の4倍 = 厚生労働省は7日、9月の毎月勤労統計を発表した。それによると、1人当たりの現金給与総額は26万5325円で前年より0.2%増加した。物価を調整した実質賃金は0.9%の増加となっている。まずまずの結果と言えないこともないが、この程度の改善では個人消費が増大するとは考えにくい。したがって景気指標としては、ほとんど意味を持たない内容だった。

ところで経済指標を見ていると、ふだんは見逃している数字に出会って驚くことがある。今回の発見は、業種別の現金給与総額で電気・ガス業の数値が異常に高いことだった。その平均給与総額は45万1924円。次に高額の情報通信業を、5万円以上も上回っている。最も低い飲食サービス業の11万8630円に比べると、4倍も高いことを発見して驚いた。

東京電力はいま福島第1原発の廃炉、除染、補償費がかさみ、ふつうなら経営は債務超過に陥っているはずだ。そうならないのは、経済産業省の指導で、その赤字分を税金と9電力の料金値上げで補てんしているからに他ならない。もちろん福島の現場で働く5000人もの作業員には、危険手当も払っている。しかし全国の電力会社の社員には、直接の関係はない。

飲食サービス業には、バイトやパートなどの非正規雇用が多い。だから平均給与は低いわけだが、それにしても電力・ガス業との差は大きすぎるのではないか。大事故を起こしたのだから、電力会社の給料は安くすべきだと主張するわけではない。だが15年の給与をみても、電力・ガス業は月平均55万円を超えている。飲食サービス業は12万6600円だ。やはり少し異常だと思わざるをえない。

      ≪8日の日経平均 = 下げ -5.83円≫

      ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ


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トランプ大統領の 経済政策 (上)
2016-11-10-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 底知れぬ不確かさが恐怖に = アメリカの大統領選挙は大接戦の末、共和党のドナルド・トランプ候補が勝利した。このため9日の東京市場では円相場が3円も急上昇、日経平均は一時1000円以上も急落した。トランプ氏が大統領になったら、何をやり出すのか判らない。この不確かさが一種の恐怖感となって、市場は動揺した。いったい、トランプ新大統領はどんな政策を断行しようとしているのだろうか。

今回の選挙はクリントン民主党候補との中傷合戦に明け暮れ、政策に関する発言はあまり伝わってこなかった。それでも選挙綱領や演説のなかから、ある程度の政治姿勢は明らかになっている。まずトランプ氏の基本的な姿勢は、アメリカ第一主義。言い換えれば、グローバル化への反対である。ここからTPP(環太平洋経済連携協定)には絶対反対。NAFTA(北米自由貿易協定)も、アメリカに有利な方向で修正しなければ撤回するという強硬な発言が飛び出した。

内政問題では、景気対策によってGDP成長率を平均3.5%に引き上げ、2500万人の新たな雇用を創出。このため10年間で4兆ドルにのぼる減税を実施する。減税は特に富裕層の税率引き下げに重点を置き、法人税も現行の35%から15%に下げる。また老朽化した都市のインフラを更新、生活環境を改善する。

その一方で、オバマ政権が進めてきた銀行や大企業に対する規制強化には反対。消費者保護法の厳格な適用にも反対している。また医療保険の拡大を狙ったオバマケアは中止。さらに政府との連携なしに金融政策を決めるFRB(連邦準備理事会)の独立性にも批判的だ。このためFRBが12月に政策金利を引き上げられるかどうか。早くも影響が出始めている。

                                (続きは明日)

      ≪9日の日経平均 = 下げ -919.84円≫

      ≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ


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トランプ大統領の 経済政策 (下)
2016-11-11-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 移民問題と貧富の格差が震源 = トランプ新大統領の政策は、日本にどんな影響を及ぼすのだろうか。まずTPP(環太平洋経済連携協定)が消滅することは確実。日本はアメリカを除く他の10か国をまとめて、新たに協定を作り直す覚悟があるのかを問われる。その場合、中国が参加の意志を表明してくる可能性もあるが、それをどう処理するのか。安倍内閣の外交手腕が試されることになるだろう。

次は駐留米軍の経費負担の増額を迫られる問題。これは政治的な問題だが、日本の負担が増えれば財源を考えなくてはならない。トランプ氏は減税や都市インフラの刷新を公約しているが、その財源については触れていない。日本や韓国などに対する安全保障のコストを引き上げ、それを財源の一部にする構想なのかもしれない。だとすれば、アメリカ側の要求はかなり厳しくなる可能性がある。

トランプ候補が選挙戦の最初に発した政策論は、移民の流入を抑えるために「メキシコとの国境に壁を作る」という暴言だった。ところが、この暴言で世間の耳目を引き付け、そこから移民によって職が奪われているという論旨へ誘導。白人男性の票を獲得したうえに、貧富の差を放置する既存の政治家に対する批判票まで掻き集めた。まことに巧妙な戦法である。

ことし6月に実施されたイギリスの国民投票。これもEU離脱という「まさか」の結果に終わった。この発端も移民の流入問題であり、国民の怒りは貧富の差に向けられた。現状を何とかして変えて欲しいという国民の願いが、EU離脱とトランプ大統領という結果を生み出したわけだ。こうした流れは、日本でも都知事選挙で一端を表したのかもしれない。国政レベルでも、可能性があることに注意しておきたい。

      ≪10日の日経平均 = 上げ +1092.88円≫

      ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 健康寿命の すゝめ ⑪
2016-11-12-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 企業も本気になってきた = 社員が健康なら、生産性は間違いなく上がる。社内の空気が明るくなって、企業のイメージもよくなるに違いない。さらに大きいのは、健康保険の負担が減ることだ。いま健康保険料は企業と社員が折半で負担しているが、保険金の給付が急増して保険料率の引き上げが続いている。企業にとっては法人税よりも重荷だし、社員にとっては賃上げの大部分が保険料の増加で消えてしまう。

主として大企業が参加している健康保険組合の組合員は2900万人。その保険料率は07年度が給与の7.2%だったものが、16年度は9.1%に上昇した。また中小企業が作る全国健康保険協会は3500万人が参加。その経営はもっと厳しく、最近は解散する傘下の組合も増えている。

そこで企業も、ようやく社員の健康管理に本気で取り組み始めた。まず目指すのは、健康診断の徹底。大和証券やロート製薬は、そのための最高責任者を任命している。またローソンは健康診断を受けないと、本人はもちろん上司も賞与を1割削減される制度を導入。100%受診に成功したという。さらにストレス・チェックの義務化や、人間ドックの費用負担を実施した企業も少なくない。

次に目指すのは、運動量の増加。マイクロンメモリ・ジャパンでは4000人の従業員に歩数計を支給、歩いた距離に応じて賞品や金券を出している。社内にジムを作ったり、体操教室を開く企業は数多い。さらにガンや糖尿病など特定の病気を予防することに重点を置いた企業も現れ始めている。こうした企業の動きは、これから勢いを増すことになるだろう。

                               (続きは来週サタデー)

      ≪11日の日経平均 = 上げ +30.37円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-11-13-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第12章 デフレって、なんだろう? ②

◇ 2000年から下げ歩調 = 「デフレ」というのは「物価が長期にわたって下がる状態」を指す経済用語でしたね。物価にもいろいろありますが、この場合は消費者物価のうち「生鮮食品を除いた総合指数」を使います。生鮮食品の値段は天候の影響などによって大きく変化するので、これを除いた物価指数でみるわけです。

そこで毎年の「生鮮食品を除いた総合指数」が、どう動いたかを見てみましょう。驚いたことに、この指数は1971年から99年まで29年間にわたって毎年かならず上昇していました。ところが2000年からは全く様変わり。08-10年を除いて、毎年下がっているのです。もう16年間もだいたい下落しているのですから、これは完全に「デフレ」と言えるでしょう。

このように日本の物価は20世紀中は上昇し、21世紀に入ると下落しています。いちばん上昇したのは1974年で、前年に比べて22.5%も上がりました。石油ショックによって、エネルギーの輸入価格が高騰したからです。いちばん下落したのは2009年で、前年より1.3%下がりました。リーマン・ショックで世界各国の景気が、いっせいに悪くなったときのことです。

15年の物価は前年比0.3%の下落でした。たとえば電気代やガス代、ガソリン価格、それに家電などの値段はかなり下がっています。上がったのは保健・医療、教育費でした。デフレは景気が悪いことの反映なので、政府や日銀はデフレ退治に懸命ですが、成果はあがっていません。  

                                  (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2016-11-14-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ ダウ平均は最高値を更新 = 東京市場はさながらトランポリン相場、上下に大きく弾んだ。9日の営業時間がアメリカ大統領選挙の開票と重なったことから、朝方はクリントン優勢で買われた。しかし間もなくトランプ健闘の展開に株価は急落。日経平均は900円を超す下げとなった。ところが、そのあと開いたニューヨーク市場は大幅な株高。これを受けて日経平均も、10日には1000円を超す値上がりとなっている。

結局、ダウ平均は先週5日間の連騰で959ドル値上がりし、過去最高値を更新している。日経平均は469円の上昇にとどまった。トランプ氏の勝利が確定した直後に開いたニューヨーク市場で、なぜ株価が高騰したのだろう。それはトランプ氏が勝利演説で、いっさい暴言を吐かなかったことへの安心感が大きく作用したと思われる。その結果、同候補の景気対策に対する期待が急速に高まった。

今週も振幅は小さくなるが、トランポリン相場が続きそうだ。トランプ氏の言動にも、大きく左右されるだろう。ただ大統領選挙に驚いているうちに、その陰では2つのマイナス要因が動き出した。1つはOPECの生産が増えてしまったために、原油価格がさらに下がり始めたこと。もう1つは日本の企業業績が悪化に転じたことである。

今週は14日に、7-9月期のGDP速報。16日に、10月の訪日外国人客数。アメリカでは15日に、10月の小売り売上高。16日に、10月の工業生産、生産者物価、11月のNAHB住宅市場指数。17日に、10月の消費者物価と住宅着工戸数。18日に、10月のカンファレンス・ボード景気先行指数。また中国が14日に、10月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額。EUが15日に、7-9月期のGDP改定値を発表する。

      ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ


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なぜ 円安になったのだろう?
2016-11-15-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 専門家も首をひねった = アメリカ大統領選挙ではトランプ氏が勝ったのに、どうして円安になったのだろう。選挙の結果も大番狂わせだったが、為替の読みも大きく外れた。大多数の専門家は、事前に「仮にトランプ勝利なら円高。100円をかなり突破する可能性もある」と予想していた。じっさい9日の東京市場では、トランプ氏の優勢が伝えられると、円は101円台にまで上昇していた。それがトランプ氏の勝利確定で、一挙に106円台に急落した。

選挙戦を通じて、トランプ氏はTPP(環太平洋経済連携協定)に反対するなど、保護貿易的な主張を貫いてきた。保護貿易的になれば、アメリカの貿易量は減少しドルの需要は減る。また同氏は中国をはじめとする海外諸国の通貨安を、一貫して批判してきた。さらにFRBの利上げにも反対だから、12月の利上げは困難かもしれない。こうしたことから、専門家は「トランプ氏なら円高」と予想したわけだ。

だが結果は大違いだった。トランプ氏が大々的な景気対策を実行すれば、アメリカの国債増発は免れない。すると長期金利は上昇するだろう。こうした思惑が働き、アメリカの長期金利は直ちに2.1%台に跳ね上がった。すると投機筋は一斉に新興国から資金を引き揚げ、ドルは急騰した。さらにトランプ政権は、企業が海外から資金を国内に移す際の税率を引き下げるとの見方が強まり、ドル高を後押しした。

この結果、ブラジルなどの南米諸国、インドネシアなどの東南アジア諸国の通貨は急落。株価も大きく下落している。円の対ドル相場も、約3か月半ぶりの水準に下落した。ただし専門家の間では、今後の見方が真っ二つに割れている。トランプ・ショックによる円安の流れは、来年いっぱいは続くという予想。反対に年内のうちに、円相場は再び上昇に向かうという推測。こんどはどちらを予測した専門家が、首をひねるのだろうか。

      ≪14日の日経平均 = 上げ +297.83円≫

      ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ


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まだ20年前に届かない GDP
2016-11-16-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 7-9月期は2.2%成長だったが = 内閣府は14日、7-9月期のGDP速報を発表した。それによると、物価の変動を調整した実質成長率は年率換算で2.2%に上昇。4-6月期の0.7%を大きく上回った。これで3四半期連続のプラス成長になったが、景況感に近い名目成長率は0.8%にとどまっている。つまり物価の下落が、実質値を押し上げたわけだ。

内容をみると、個人消費は0.2%しか増加しなかった。企業の設備投資も0.1%の増加にとどまっている。その半面、輸出が8.1%増加。低金利の恩恵を受けた住宅投資が9.6%増加した。したがって成長率を引き上げたのは、ほとんどが外需。政府が意図する内需の拡大による経済の好循環は、全く影を潜めている。

問題は名目成長率が低すぎることだろう。名目成長率が高く、そこから物価上昇を調整した実質成長率が2%強なら、経済は好ましい姿だと言える。しかし今回のように名目成長率が低く、そこから物価の下落を調整した実質成長率が2%強になるのは、あまり歓迎されない。企業の売り上げや利益、個人の所得はすべて名目値だから、名目成長率が低いと景況感は悪くなるからだ。

近年は、こうした状況が続いているようだ。そこで7-9月期の名目GDPの実額を調べてみると、およそ123兆5000億円だった。この金額は10年前の06年7-9月期にほぼ等しい。さらに20年前の1996年7-9月期は125兆2000億円だった。したがって最近の名目GDPは、まだ20年前の水準を回復していないことになる。これでは景況感も、盛り上がらないはずである。

      ≪15日の日経平均 = 下げ -4.47円≫

      ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ


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株価を急騰させた トランプ旋風
2016-11-17-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 財政出動に飢えていた市場 = ニューヨーク市場のダウ平均株価は、7日から7日間の連騰。この間の上げ幅は1035ドルに達した。16日はさすがに小反落したが、終り値は1万8868ドル。あと140ドルで1万9000ドル台に載せる。トランプ新大統領の経済政策に対する期待が、株価を大幅に押し上げた。

株価の大幅な上昇は、金融株とエネルギー株が先導した。IT関連株は初め下げたが、あとになって買い進まれている。この動きは、トランプ氏の選挙戦中の言動に影響されたものだ。というのもトランプ氏は、オバマ政権による銀行への監督強化に反対。またエネルギーについても、再生可能エネルギーではなく石油や石炭を重視すると強調していたからである。

日経平均も10日からは、はっきり上げ歩調に転じた。16日までの上げ幅は1611円に達している。16日の終り値は1万7862円、こちらもあと140円で1万8000円台に到達する。ニューヨークの株高にも影響されたが、円安の効果が大きかった。円の対ドル相場は、大統領選挙直後の101円台から、一気に109円台まで下落した。アメリカの長期金利が上昇したためで、日本の長期金利もあっという間にプラス領域にまで上昇した。

トランプ氏がインフラ支出や減税を、どこまで実施するのかは全く不明。にもかかわらず、市場の状況が一変したのはなぜだろう。それは市場が、財政出動を待ち望んでいたからに違いない。裏返して言うと、金融政策は限界に達して期待できなくなっていると考えられたわけだ。主要先進国は財政の悪化から大々的な財政出動を見送り、景気の浮揚を金融政策に頼ってきた。トランプ氏は久方ぶりに、その呪縛を解き放ったとも言えるのではないか。

      ≪16日の日経平均 = 上げ +194.06円≫

      ≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ


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税収が伸びない! : 4-9月期
2016-11-18-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 景気の停滞が原因 = 財務省の集計によると、4-9月期の税収額は15兆9525億円だった。前年同期に比べると4.8%の減少となっている。年度上半期の税収が前年を下回ったのは、リーマン・ショック直後の09年度以来7年ぶりのこと。下半期に大きく回復しないと、政府が予算で見込んだ57兆6000億円の税収は達成が難しくなるかもしれない。

前年に比べて最も不振だったのは法人税。9月までの税収累計は5900億円で、前年比46.9%の減少だった。このほか所得税も7兆7900億円で、前年比4.0%の減少。消費税も4兆2500億円で、前年より6.9%減少した。これらの税収減少は、いずれも4-9月期の名目成長率が年率0.8%にとどまった結果を反映している。言い換えれば、景気の停滞が税収の面に跳ね返ってきたわけだ。

税収が伸びたのは、景気動向と関係がない相続税や電源開発促進税など。相続税収は前年比35.6%増で5000億円近くに達し、酒税を追い越した。財務省は「まだ年度の見通しは立てられない」とコメントしているが、専門家の間では「年度を通してみると、5000億円から1兆円の予算割れになる可能性が強い」という見方が広まっている。

安倍内閣はこれまで、予算を上回る税の自然増収を活用して、補正予算を編成し景気を支えてきた。安倍首相もこの形を「アベノミックスの果実を有効に利用している」と自画自賛。だが税収が予算に達しないと、こういう政策は実行できなくなる。安倍首相としては、トランプ・マジックが惹き起こした円安の継続を念じるしかない?

      ≪17日の日経平均 = 上げ +0.42円≫

      ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 健康寿命の すゝめ ⑫
2016-11-19-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ いちばん寿命が延びた長野県 = 健康寿命の統計はまだ始まってから日が浅く、統計としては不安定だ。聞き取り調査で「健康ですか」と問われたとき、回答にはどうしても本人の主観が入ってしまう。まだ統計作成の手法には改善の余地が多い。これに対して平均寿命の統計は歴史も長く、かなり安定している。

都道府県別の平均寿命は、1965年から公表されている。その65年時点で、長野県は男性が全国9位、女性が29位だった。それが2013年時点では、男性も女性も第1位に輝いている。反対に沖縄県は65年時点で男女ともに1位だった。それが13年時点では、女性が3位、男性は30位に落ちてしまった。

この48年間には、どの都道府県でも平均寿命が10年以上延びている。しかし、そのなかで長野県と沖縄県の違いはどうして生まれたのだろう。その比較研究を行うことが、健康寿命の延伸につながることは確かだろう。こうした研究のなかから、沖縄県の場合は40-50歳台の死亡率が高いことも明らかになってきている。

健康寿命や平均寿命には、医療体制の問題も大きく関わってくる。ところが研究によると、長野県と青森県の医療体制はほぼ同レベルだという。にもかかわらず長野県は全国一の健康県。青森県は“短命県”と呼ばれるほど。ここからは生活環境や食事、飲酒、運動量などに重点を置いた比較が重要という結論が導き出される。

                                (続きは来週サタデー)

      ≪18日の日経平均 = 上げ +104.78円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-11-20-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第12章 デフレって、なんだろう? ③

◇ アベノミクスが登場 = 物価はモノやサービスに対する需要が不足すると下がりますね。ですから物価が下落する状態、つまりデフレを解消するためには、需要を増やせばいいわけです。ところが景気が悪いので、企業や個人の需要はなかなか増えません。民間がダメなら政府が需要を増やそう。これが政府による財政支出の拡大政策です。

この考え方に沿って、12年末に誕生した安倍内閣は総額13兆1000億円の補正予算を組みました。このおカネは道路やトンネル、学校や橋の補修、さらに災害の復旧に使われました。すると、それだけ需要が増えることになりますね。

民間にも元気を出してもらうために、日銀は金融をほとんど無制限に緩和しました。銀行が安い金利でおカネを貸すことによって、企業が設備投資をしたり、個人が住宅や自動車を買いやすくしようという狙いです。これを金融面からの景気刺激策と言っています。

さらに将来にわたって、日本経済をデフレに陥らない強い体質に変えて行く政策も必要です。新しい技術を開発し、民間の経済活動を妨げているような規制の緩和。こうした将来を見据えた政策を、成長政策と呼んでいます。安倍内閣は、以上のような財政、金融、成長政策を“3本の矢”と表現しました。これがアベノミクスの考え方です。安倍の経済学(エコノミクス)という意味だと覚えておきましょう。


                                  (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2016-11-21-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日経平均は1万8000円固めへ = トランプ旋風は、まだ力を失っていない。ダウ平均は先週20ドルの値上がり。史上最高値の水準で1万9000ドルの大台を前に足踏み状態だったが、売り物をこなして基調はしっかりしている。日経平均は593円の値上がり。急速な円安に助けられて、こちらも1万8000円台を狙う勢い。

ダウ平均は今週、1万9000ドルに挑戦する。FRBによる12月の利上げは確定的になったが、市場は十分に織り込み済みだから売り材料にはならない。トランプ氏の組閣や政権引き継ぎの作業も順調に進んでおり、来週30日に予定されるOPEC(石油輸出国機構)総会に関して悲観的なニュースが流れない限り、大台到達の可能性は高い。

円の対ドル相場は先週、110円台にまで急落した。これで日経平均は、一時1万8000円台に載せた。今年度上半期の企業収益は減益となったが、この水準の円相場が続けば下半期の収益は急回復する。その予想が市場に安心感をもたらしているから、今週も株価は上を向く。1万8000円台を踏み固める展開が期待できるだろう。

今週は21日に、10月の貿易統計と9月の全産業活動指数。25日に、10月の消費者物価と企業向けサービス価格。アメリカでは22日に、10月の中古住宅販売。23日に、10月の中古住宅販売と9月のFHFA住宅価格指数が発表になる。

      ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ


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トランプ経済の アキレス腱 (上)
2016-11-22-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 10年間で5兆ドルの財政支出増 = トランプ次期大統領の経済政策は、大掛かりな財政支出による景気刺激策が中核となっている。具体的には10年間で1兆ドルのインフラ投資で、老朽化した道路や橋、トンネルなどを改修。また10年間で4兆ドルの減税を実施する。これによりGDP成長率を平均3.5%に引き上げ、2500万人の新たな雇用を生み出すことが目標だ。単純計算をすると、財政面から1年に5000億ドル(約55兆円)の刺激を与えることになる。

市場はこの“ケインズ的手法”を大歓迎した。この2週間で、ダウ平均株価は1000ドル近く上昇。日経平均の上昇幅も1000円を上回った。巨額の財政支出を実行するには、国債の大量発行が必要となる。こうした思惑から金利が上昇、アメリカの長期金利は昨年末以来の2.3%台に達した。すると投資家は新興国から資金をアメリカに還流させ、ドル相場が高騰。日本は円安の恩恵を受けているというのが現在の状況だ。

トランプ陣営は「100日計画」という日程表を作成、発表している。来年1月20日に予定される大統領就任式から100日のうちに、こうした施策を決定、実行に移すという計画である。ということは、来年4月中には大規模な経済刺激策が確定する計算だ。その間にインフラ投資減税法案を議会で可決しなければならないが、こんどの選挙で共和党は上下両院ともに過半数を獲得した。共和党の一部には財政支出の拡大に反対の議員もいるが、まず議会の通過に問題はないとみられている。

こうした雰囲気だから、トランプ旋風は大統領就任式ぐらいまで続くという見方が市場でも広がっている。少なくとも現在の強気相場は、年内は続きそうだ。ところが来年になると、トランプ経済政策のアキレス腱が意外なところから表面化する可能性が出てくるだろう。そのアキレス腱とは・・・。

                                 (続きは明日)

      ≪21日の日経平均 = 上げ +138.61円≫

      ≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ


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トランプ経済の アキレス腱 (下)
2016-11-23-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ ドルの高騰に耐えられるのか = トランプ政権は国債を大幅に増発するという観測が強まり、長期金利が急上昇している。この金利高に惹かれてドル資金がアメリカに還流、ドルの為替レートも急激に上昇した。おかげで日本円は1ドル=101円台から110円台に急落したが、ドルは他の通貨に対しても大きく切り上がっている。主要通貨に対する実効レートは大統領選挙前に比べて3%上昇し、13年半ぶりの高値となった。

ドル高が進行すると、アメリカの輸出は減少する。すると企業は直ちに生産を調整するから、雇用にも悪影響が及ぶ。さらに輸入物価が上昇して、国内の物価が上がる。つまり景気は悪くなる一方で、インフレ圧力は増大するわけだ。ドル資金が引き揚げられたことから、新興国の経済も痛手を受けている。これもアメリカの輸出減少につながってしまう。

FRBが12月に政策金利を引き上げることは確定的だが、インフレ傾向が強まれば来年も早めに再利上げという可能性が強くなる。すると、その見通しがまたドル高を招きやすい。トランプ政権が保護貿易的な政策に走れば、これもアメリカの輸出減少と国内物価の上昇を促進することになる。

トランプ新大統領の「100日計画」は、早くても来年5月以降にならなければ、実際の効果を発揮できない。それまでにドル高が進行すると、輸出の減少による悪影響はすぐにもアメリカ経済を直撃するだろう。トランプ政権は最初に直面するこのトラブルを、どうやって乗り切るのだろうか。

      ≪22日の日経平均 = 上げ +56.92円≫

      ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ


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戦後最大のピンチ : 日本外交 
2016-11-25-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 政府・与党は認識しているのか = トランプ次期大統領は、来年1月20日に就任した直後に「TPP(環太平洋経済連携協定)からの離脱を通告する」と表明した。TPPはアメリカが参加しないと成立しない取り決めになっているから、これでTPPは消滅したことになる。安倍首相はトランプ氏との会談で、このことを察知できなかったのだろうか。ペルーで開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)でも「アメリカを翻意させる」と力説。不明を天下にさらけ出した。

このブログでは8月18日の記事で、トランプ氏が当選した場合「日本はアメリカ抜きの新しい協定作りに努力する覚悟を持っているか」と書いた。しかし残念ながら政府・与党内部で、そうした場合の戦略を練る動きは全く見られなかった。しかも現状から判断すると、事態はそれだけにとどまらなくなってきた。

まずトランプ政権は、日米間で新たな貿易協定を結びたいと要求してくるだろう。アメリカは日本車の輸入関税を引き上げ、日本はアメリカ産農産物の輸入関税を引き下げるよう主張してくる公算が強い。これには駐留米軍の問題をからめてくるかもしれない。安倍内閣はこのような可能性について、なにかしらの準備をしているのだろうか。

もっと重大なのは、中国の動向だ。アメリカが手を引いた空白に乗じて、中国がアジア各国に触手を延ばしてくることは明白である。いま推進中のRCEP(東アジア包括経済協定)を核に、TPPに乗りそこなった各国の取り込みを図るに違いない。そのとき日本は、どう対応するのか。下手をすると、アメリカとの関係は薄まり、中国からは冷ややかに扱われかねない。そうなれば、日本は完全に2等国に成り下がる。

      ≪24日の日経平均 = 上げ +170.47円≫

      ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 健康寿命の すゝめ ⑬
2016-11-26-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 長野県にみる長寿の秘訣 = 「全国一の健康・長寿県」ということで、いま長野県に多方面からの注目が集まっている。なにしろ長野県は13年時点の調査で、男女そろって平均寿命が第1位になった。その理由はなんだろうと、他府県からの問い合わせも多い。これに対する長野県の答えは、ズバリ「減塩と野菜の摂取量」である。

いまから30年前、1986年の時点で長野県の成人1人当たり塩分摂取量は1日15.1グラム。全国でいちばん高かった。そこから減塩運動を始め、2010年には11.5グラムにまで減らしている。だが目標は9グラム。現在はその目標を達成するため努力中だ。また長野県の男性が野菜の摂取量で全国一であることは、あまり知られていない。

長野県は健康増進課をいち早く創設。これらの運動を展開してきた。もちろん減塩と野菜だけではなく、きわめて大掛かりな健康対策を推進している。たとえば「信州健康医療総合計画」も、その一つ。栄養、食生活、運動、生活習慣病予防など、多くの部門に数値目標を立て、毎年その進捗状況を発表する。

また「信州エース・プロジェクト」を地域ごとに立ち上げ、住民を巻き込んで「長野県を世界一の健康長寿」地区にしようと活動中。松本市では900人のボランティアがヨガ教室を開いたり、各家庭を回ってみそ汁の塩分濃度を測定しているという。やはり「全国一の長寿県」は一朝には成らず。長い努力の積み重ねと住民の意識改革が必要だ。

                               (続きは来週サタデー)

      ≪25日の日経平均 = 上げ +47.81円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2016-11-27-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第12章 デフレって、なんだろう? ④

◇ 歳出は100兆円を突破 = 景気が悪いために、民間の需要が伸びません。その結果、物価が下がり続けて、日本経済はデフレ状態に陥りました。それなら政府が需要を作り出そう。そういう考え方にもとづいて、安倍内閣は毎年のように補正予算を編成しています。

補正予算というのは、年度の途中で予算を追加することです。16年度は熊本地震の復興費と景気対策のために2回も補正予算を作成、その金額は4兆円にのぼりました。本予算は歳出が96兆6000億円ですから、合計すると100兆円を超えたわけです。これだけのおカネが使われ、いろいろな事業が行われています。

どんな事業が行われるのでしょうか。①防災や減災=トンネルの天井が落下する大事故が起こりましたが、ああいう事故が起きないようにする。地震対策も進める。②新しい技術の開発=省エネや医療の進歩を促進する。③生活向上や地域の活性化=医療制度の改善や子育ての環境をよくする。--などが中心になります。

政府がこういう事業を行うと、たとえば鉄鋼やセメントなどの資材がたくさん使われますね。すると鉄鋼やセメントの値段が上がり、製造する会社の売り上げも増えるでしょう。また働く人も増えて、収入が増加します。こうした人々がモノを買えば、お店の売り上げも増加するというわけです。


                              (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2016-11-28-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ ダウ平均は1万9000ドル載せ = 株価の上昇が止まらない。ダウ平均は先週、1万9000ドル台載せを達成。さらに続伸して史上最高値を更新中。リーマン・ショック後に付けた安値に比べると、実に3倍の高さに到達した。トランプ次期大統領の政策に期待して、金融株や建設株、それにエネルギー株が牽引車となっている。ダウ平均は先週284ドルの値上がり。

その一方、債券市場では国債価格が急落。長期金利は大統領選挙前の1.85%から2.4%台へと上昇した。これは資金が、債券市場から株式市場へ移動したことを意味している。そのうえFRBによる12月の利上げが確定的となったため、ドルが買われた。円の対ドル相場は113円台に急落、選挙前より12円も安くなっている。

この急激な円安と日本株の割安感に注目したのが、海外の投資家。東京市場にどっと資金を投入した。一方、国内の投資家は利益確定売りに走ったようだ。ただ外国人投資家の買いが上回ったために、株価は上昇した。日経平均は先週414円の値上がり。問題はこうした上げ相場がどこまで続くかだ。市場関係者の間では「年内に1万9000円」の声も聞かれるが、まだその断定は早すぎるだろう。

今週は29日に、10月の労働力調査、家計調査、商業動態統計。30日に、10月の鉱工業生産と住宅着工戸数。1日に、7-9月期の法人企業統計と11月の新車販売台数。アメリカでは29日に、7-9月期のGDP改定値と11月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。30日に、10月の中古住宅販売。1日に、11月の新車販売台数とISM製造業景況指数。2日に、11月の雇用統計。また中国が1日に、11月の製造業と非製造業のPMIを発表する。なお30日にOPEC総会、4日には憲法改正をめぐるイタリアの国民投票が予定されている。

      ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ


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トランプ円安の 構造 (上)
2016-11-29-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 出動した投機マネー = アメリカの大統領選挙から3週間、円安の動きが止まらない。先週の東京市場では対ドル相場が一時113円90銭まで下落、約8か月ぶりの安値を記録した。選挙後の下げ幅は12円に達している。この円相場の下落は、ヘッジファンドなどの投機筋による売りが主な原因。それに国内投資家の“提灯売り”も加わった。おかげで株価も上昇を続け、日経平均は1万8000円台に載せている。

仕組みとしての円安の原因は、日米の金利差が拡大したこと。アメリカでは、トランプ次期大統領が合計5兆ドルにのぼるインフラ投資と減税の計画を発表したことで、国債の増発による金利上昇とインフレ予想が急激に高まった。10年もの国債の利回りは先週2.4%にまで上昇している。一方、日銀は景気対策の一環として、長期金利をゼロ%近辺に抑えようとしている。

このため10年もの国債の利回りでみた日米の金利差は、安倍内閣が発足してから最大の2.3%に達している。この金利差をみて、投機筋はドルを買い、円を売ることになった。アメリカに引き揚げられた資金は、通常なら金利が高くなった債券市場に向かうはずだ。ところが現状は、株式市場に注ぎ込まれている。これはトランプ氏が打ち出した大規模な景気浮揚策の方に、投機筋の関心が向いているからだろう。

こうしてニューヨーク市場のダウ平均株価は1万9000ドル台に到達。さらに史上最高値を更新中だ。IT銘柄の多いナスダックや銘柄数の多いSP500も新高値を切り上げている。市場関係者の間では、早くも「ダウ2万ドル」の声もあがっているようだ。こうした“トランプ効果”は、いつまで続くのだろうか。

                                 (続きは明日)

      ≪28日の日経平均 = 下げ -24.33円≫

      ≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ


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トランプ円安の 構造 (下)
2016-11-30-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ ジョーカーが踊る日 = “トランプ円安”は、どこまで続くのだろうか。いま市場では「来年も続く」という楽観派と「年内いっぱい」という警戒派が交錯している。楽観派が根拠の1つにしているのは、アメリカの政策金利引き上げ。12月の引き上げは確実だし、実際にインフレ傾向が強まれば、FRBは来年早々にも次の利上げを考えざるをえない。その一方で日銀は指し値オペまでして金利を抑えるから、日米の金利差はいっそう拡大するという読みだ。

もう1つは、EUの政治的不安。こんどの日曜日に行われるイタリアの国民投票。さらにフランスとドイツでも総選挙が実施される。ここでまた想定外の結果が生じるかもしれない。だからヨーロッパ諸国の株式は、やや買いにくい。それに対して日本の政情は安定している。したがって世界的にリスク警戒感が薄れたいまは、日本円を売って日本株を買うのが適切だという考え方だ。

3つ目は、為替相場がオーバーシュートしやすいこと。つまり、ときとして上下に“行き過ぎ”やすい。株式相場でも商品相場でもオーバーシュートは常に起こるが、過去の経験からみると為替相場のオーバーシュートが最も激しい。日本の場合は、これまで円高のオーバーシュートが目立っていた。裏返しにみると、その間はドル下落のオーバーシュートが長かったことになる。今回はどうなるのか。

警戒派は債券市場にも資金が還流し、近く長期金利の上昇が止まる。すると現在のトランプ円安にもブレーキがかかる。またトランプ次期大統領がドル高に拒否反応を起こし、なんらかの警告を発するかもしれない。そのトランプのジョーカーが就任前に出されるのか、それともホワイトハウス入りしてから飛び出すのか。いずれにしても、そこでトランプ円安は終了するとみるわけだ。

      ≪29日の日経平均 = 下げ -49.85円≫

      ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ


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