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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
ダウ2万ドル台 ⇒ その先は? (下)
2017-02-01-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 鬼の居ぬ間に洗濯中 = ニューヨーク市場の株価は、実体経済の強さにも支えられている。アメリカの景気上昇は、この2月で92か月目。戦後最長の記録を更新中だ。農業を除く雇用者の増加は75か月も続き、所得が伸びているために消費も堅調だ。全米小売業協会の集計によると、11-12月の年末商戦は前年比4.0%の増加だった。設備投資や住宅投資も、底堅い動きをみせている。

企業の業績も堅調に推移している。トムソン・ロイター社の主要500社調査によると、10-12月期の純利益は前年比5.7%の増益だった。金利の上昇と規制緩和期待から、金融業は15%の増益。長らく不振に苦しんでいたエネルギー産業は、原油価格の回復とやはり規制緩和への期待から2年ぶりの増益に転換した。

こうした景気の拡大と企業業績の好調が根底にあるため、市場では株価が2万ドル台に乗せても過熱感がそれほどない。当面は利益確定売りに押される場面もあるだろうが、基調的には強さを維持している。ただ先行きを眺めれば、やはりトランプ政策の副作用が現れる心配は十分にあるだろう。たとえばドル高による輸出への悪影響などは、すでに表面化しつつある。

ドル高や金利上昇がアメリカ経済に及ぼす悪影響は、いずれ必ず出てくる。トランプ政権による保護主義の副作用も、アメリカ経済に跳ね返ってくる恐れが十分にあるだろう。だが、それが顕在化するまでには時間がかかる。それまでは好調な実体経済と企業業績のおかげで、株価はまだ上げる余地を残している。投資家の心境は「鬼の居ぬ間に洗濯をしてしまおう」というところではないか。次の問題は、いつまで洗濯できるかである。

      ≪31日の日経平均 = 下げ -327.51円≫

      ≪1日の日経平均は? 予想 = 下げ≫ 


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人手不足は 全国津々浦々に
2017-02-02-Thu  CATEGORY: 政治・経済
新規求人倍率は2.18倍 = 厚生労働省が31日発表した一般職業紹介状況によると、昨年12月の有効求人倍率は1.43倍だった。前月に比べて0.02ポイントの上昇、前年同月比では0.16ポイントの上昇となっている。バブル崩壊の直前1991年以来の高水準で、人手不足はいよいよ深刻の度を増してきた。しかも人手不足は全都道府県に波及している。

求人倍率というのは、ハローワーク(公共職業安定所)に寄せられた求人数と求職数の倍率。求人数が求職数を上回ると1を超え、数値が上昇するほど人手不足が大幅になる。有効求人倍率新規求人倍率の2種類に分かれ、このうち有効求人倍率には前月から持ち越した人数が含まれる。また新規有効倍率は、その月だけの新しい求人数と求職数を対象にしている。

12月の新規求人倍率は2.18倍だった。全国平均でみて、求人数が求職数の2倍以上になったことを示している。有効求人倍率を都道府県別にみると、最も高かったのは福井県で1.95。次いで富山県、岐阜県と続いている。最も低かったのは北海道と沖縄県の1.12。次いで高知県、鹿児島県だった。東京都は1.45、大阪府は1.30。

人手不足は深刻だが、景気はそんなによくない。たしかに不況なら、求人倍率はこんなに上がらないだろう。だから景気もそこそこだが、そこへ特殊要因が重なって人手不足になっている。たとえばオリンピック需要や震災復興。それに介護師や保育士の不足も加わった。そして最も大きな要因は人口減少による働き手の減少だ。だから人手不足はなかなか解消しない。

      ≪1日の日経平均 = 上げ +106.74円≫

      ≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ


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落日の デパート業界
2017-02-03-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 売り上げは36年ぶりの低水準 = 日本百貨店協会の発表によると、全国百貨店の16年の売り上げは5兆9780億円で前年を2.9%下回った。売上高が6兆円を割り込んだのは1980年以来36年ぶりのこと。ピークだった91年の9兆7130億円に比べると、4割も減少してしまった。専門家によると、売り上げが6兆円を割り込むと利益は出せないという。デパート業界は存続の危機に立たされている。

地域別にみると、10大都市のデパートが売り上げ2.5%減。その他地域のデパートも3.7%減少した。商品別では衣料品の売り上げが5.8%と大きく落ち込んだ。家庭用品も5.2%、食料品は1.0%の減少で振るわず。原因は量販店やスーパー、それにネット通販にも浸食されたためとみられる。また外国人旅行者による爆買いが沈静したことも響いた。

たとえばデパート界の王者といわれた三越伊勢丹も苦戦を強いられている。昨年4-12月期の売上高は3484億円で、前年比2%の減少だった。経費の削減などコストの圧縮に努めたが、営業利益は前年を36%下回った。高島屋も今期は経常利益が4.7%減る見通しを立てている。

だが大丸松坂屋のように、なかには増収増益を見込むデパートもないではない。大丸東京店は立地条件を活かして、東京土産や駅弁の売り場を増やして成功したという。しかし多くのデパートは、店の配置も30年前のバブル時代のまま。1階には宝石や化粧品、地下には食料品が定番となっている。専門家は「かつての栄光を捨てて、立地を活かした特長のある店作り」を推奨しているが、デパート経営者にその勇気があるかどうか。

      ≪2日の日経平均 = 下げ -233.50円≫

      ≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- マイナス金利政策の功罪 ⑤
2017-02-04-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 1年間の功罪を徹底検証 = 日銀がマイナス金利政策を導入してから、ちょうど1年が経過した。この間、マイナス金利政策は日本経済の広範な分野に、さまざまな影響を及ぼしている。恩恵を受けた部門もあったが、痛手を蒙った企業や個人も少なくない。この際、マイナス金利政策の功罪を徹底的に調べてみよう。

まずはマイナス金利政策の恩恵を受けた部門から。昨年1月にマイナス金利政策が始まった途端、顕著に表れた現象は全般的な金利水準の低下だった。たとえば最も標準的な10年もの国債の金利でみると、昨年9月にはマイナス0.08%にまで下がっている。このため、この金利と連動して設定される住宅ローン金利は、10年固定型で昨年1月の1.3%から8月には0.5%に低下した。

金利が下がれば、借り手は増える。たとえば主要8行に対する住宅ローンの申し込みは昨年3月に8万件と、通常の2倍に膨れ上がった。この近辺でローンを借りた人は、明らかにマイナス金利政策の恩恵を享受している。また借り換えをした人も多く、なかには100万円から300万円も負担を軽減できたケースもあったという。

不動産を購入するための融資も急増した。日銀の調査によると、昨年4-9月期の新規融資額は5兆9000億円。前年比で16.8%の増加だった。法人ではREIT(不動産投資信託)向け、個人は家賃収入を目指したマンション購入が圧倒的に多い。不動産市場にとっては大きなプラス要因になっているが、バブルを警戒する声も高まっている。

                                  (続きは来週サタデー)

      ≪3日の日経平均 = 上げ +3.62円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2017-02-05-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第13章 国際収支って、なんだろう? ①

◇国際的な家計簿 =みなさんの家では、お母さんが家計簿をつけているでしょう。おカネがどこから、どれだけ入ってきたか。また食料品や衣類や学校の授業料など、使ったおカネが1か月でどのくらいになったか。その結果、今月はいくら余って貯金できたか・・・。家計簿を見れば、1か月間の収入と支出がすぐにわかりますね。

国際収支というのは、国の家計簿と考えてもいいでしょう。国際というのは「国と国の間の」という意味です。収支は収入と支出でしたね。ですから国際収支は、国と国とのおカネのやりとりを記録した家計簿ということになります。

では、国と国とのおカネのやりとりには、どんなものがあるでしょう。まず貿易がありますね。貿易についてもっと勉強したい人は、このブログの15年2月からの「貿易って、なんだろう?」をもういちど読み返してください。

貿易のほかにも、みなさんが外国へ旅行しておカネを使う。外国人が日本の株式を買う。日本の会社が外国のビルを買う。外国で勉強している子どもに、日本からおカネを送る。いろいろな場合に、日本と外国との間でおカネがやりとりされています。まだありますから、みなさんも何か考えてみてください。

                                 (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2017-02-06-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日経平均は1万9000円割れ = 日米の株価は先週ともに下げたが、ダウ平均は週間22ドルの小幅な下落で、2万ドルの大台を堅持した。その一方、日経平均は週間549円の下落で、1万9000円を割り込んでいる。東京市場の下げが大幅になったのは、2度の円高に見舞われたため。最初はトランプ大統領の移民規制に対する警戒感。2度目はFRBの金融政策に関する姿勢の変化がドル安を惹き起こした。

トランプ大統領の移民規制令は、アメリカ国内でも強い反対論が巻き起こった。政界や一般市民だけではなく、行政府や経済界からも批判が続出している。この混乱が、経済にも悪影響を及ぼすのではないか。この警戒感からドルが売られた。FRBはFOMC(公開市場委員会)後の声明で、今後の利上げ方針について全く触れなかった。このため利上げの観測が薄まり、ドル売りが進行している。

今週は日米首脳会談が焦点。ここでトランプ大統領が、自動車の貿易問題や為替の水準について具体的な要求をしてくるのか。その場合、安倍首相がどう対応するのか。会談は週末なので、そのニュースの影響は来週にならないと出てこない。しかし事前の予想や推測で、東京市場は今週から揺さぶられる可能性が大きい。

今週は6日に、12月の毎月勤労統計。7日に、12月の景気動向指数。8日に、12月の国際収支と1月の景気ウォッチャー調査。9日に、12月の機械受注。10日に、1月の企業物価と12月の第3次産業活動指数。アメリカでは7日に、12月の貿易統計。10日に、2月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が10日に、1月の貿易統計を発表する。なお10日は、ワシントンで日米首脳会談の予定。

      ≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ


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アメリカ中央銀行の 苦悩
2017-02-07-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ とばっちりで進んだ円高 = アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備理事会)が、いま大問題に直面して頭を悩ませている。大問題というのは、トランプ政権との対立関係を覚悟しても、金利の引き上げ政策を貫き通すかどうかの判断。先週1日に開いたFOMC(公開市場委員会)では、どうやら結論を出せなかったようだ。この空気を察知し、為替市場ではドル安・円高が進行。東京市場の株価は大幅安となった。

FOMC後に発表された声明では「雇用は堅調に推移」「消費者や企業の景況感は改善」「経済活動は緩やかに拡大」など、アメリカ経済の強さが強調された。普通なら「したがってFRBとしては、慎重に利上げのチャンスを窺う方針」といった文言が続くはずである。現に前回12月の声明では「17年は3回程度の利上げが適当だ」と、具体的に踏み込んでいた。それが今回は利上げの見通しに全く触れていない。

アメリカ経済は、緩やかな拡大を続けている。そこへトランプ政権のインフラ投資・減税・規制緩和が加われば、景気上昇のスピードは増すに違いない。完全雇用に近い状態で景気がさらに上向くと、物価の上昇も加速する。FRBとしては、現在の利上げテンポを速めてもインフレ予防に動きたい。だが利上げは、トランプ大統領の経済拡大路線と真っ向からぶつかることになる。

また利上げはドル資金の還流を促し、いっそうのドル高を招く。するとアメリカの輸出をさらに抑制することにもなりかねない。では利上げを見送って、インフレを容認するのか。金融政策の決定機関であるFOMCは、この大問題に結論を出せず先送りしたようだ。しかし次回のFOMCが開かれる3月には、結論を迫られることになるだろう。

      ≪6日の日経平均 = 上げ +58.51円≫

      ≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ


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鬼が出るか蛇が出るか : 日米首脳会談 (上)
2017-02-08-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 異例の厚遇が意味するものは? = まるで人跡未踏の秘境探検に出かける心境かもしれない。今週10-11日にトランプ新大統領と会談する安倍首相の心持ちである。会談の主たるテーマは、安全保障問題と経済問題。このうち安全保障問題はマティス国防長官が来日して、ほぼ片付いてしまった。したがって首脳会談では、日米間の貿易をはじめとする経済問題に議論は集中するだろう。

来日したマティス国防長官は安倍首相や稲田国防相との会談で、日米同盟の強化を進めることで一致した。また尖閣諸島が日米安保条約の適用対象であることも確認。さらに米軍駐留費の負担問題については「他の同盟国のお手本になる」とまで持ち上げてくれた。日本側としては、全く言うことなし。首脳会談では、これらの諸点を追認するだけだろう。

安倍首相はトランプ大統領とホワイトハウスで10日に会談したあと、11日にはフロリダ州パームビーチの別荘に移動して首脳同士のゴルフを楽しむ。その移動には大統領専用機が使われるというから、これは全く破格のもてなしだと言っていい。マティス国防長官の言動といい、安倍首相への待遇といい、なにやら「あとが怖い」という気がしないでもない。

経済問題のテーマは、自動車と為替に絞られる公算が大きい。トランプ大統領は1月23日「日本市場でアメリカ車が売れないようにしている」と発言。1月31日には「われわれが座っている間に、日本と中国は通貨安を誘導している」と非難した。安倍首相はこうしたトランプ氏の誤解を解くため、懸命に説得する方針。だがビジネスマン大統領が、素直に説得されるかどうかはきわめて疑わしい。

      ≪7日の日経平均 = 下げ -65.93円≫

      ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ


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鬼が出るか蛇が出るか : 日米首脳会談 (下)
2017-02-09-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 表向きはウィンウィンの関係に = 自動車問題について、安倍首相は「アメリカ車の輸入に全く規制はない」「輸入関税は日本側がゼロ、アメリカ側は2.5%」と説明するだろう。しかし16年の貿易統計をみると、全体の黒字額が4兆円なのに対して、アメリカとの貿易は自動車だけで4兆4000億円の黒字。トランプ大統領から「これを何とかしてほしい」と頼まれたら、安倍首相はどう答えるのか。

為替介入も中国は公然と行っているが、日本は東日本大震災のとき以来やっていない。だが日銀の量的金融緩和やマイナス金利政策が日米間の金利差を広げる結果となり、ドル高・円安を招いていることは事実だ。この点をトランプ大統領から突かれた場合、安倍首相はどう切り返すのか。ちょっと気になる。

今回の訪米に際して、安倍首相はお土産を用意した。一部の報道によると、その内容は「日本はアメリカに対して、10年間で1500億ドルの資金を供与」「高速鉄道事業への技術提供」などで、70万人の雇用を創出するというもの。さらに安倍首相は出発前にトヨタの豊田社長とじっくり懇談しているから、手土産はもっと増えたかもしれない。

日米安保体制の再確認は、オバマ時代からの政策を踏襲したものに過ぎない。だからアメリカ側としては手ぶらで、お土産だけをもらうことになる。したがって首脳会談後、トランプ大統領は「貿易不均衡の是正と為替レートの適正化を要求した」程度を公表するにとどめ、首脳会談は大成功の雰囲気を演出する可能性が強い。だが、その裏で2国間貿易協定に関するどんな取り決めがあったのか、なかったのか。真実は時間が経たないと、明らかにならないだろう。

      ≪8日の日経平均 = 上げ +96.82円≫

      ≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ


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政府の満足は 日銀の不満 : 実質賃金増
2017-02-10-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 理解しにくい日銀の物価目標 = 厚生労働省が発表した16年の毎月勤労統計によると、現金給与総額は月平均31万5372円で前年より0.5%増加した。一般労働者は0.8%増加したが、パート労働者は0.1%減少している。内訳をみると、基本給に当たる所定内給与は0.2%の増加。残業料などの所定外給与は0.6%の減少、ボーナスなど特別な給与は2.0%の増加となっている。目立った点は、物価を調整した実質賃金が0.7%増加し、5年ぶりにプラスを記録したことだろう。

安倍政権は「賃金の上昇⇒消費の拡大⇒経済活動の活発化⇒賃金の上昇」という経済の好循環が生じることを渇望してきた。首相自らがしばしば経済界の首脳に賃上げを要請したのは、このためである。16年の実質賃金が5年ぶりのプラスとなったことは、その兆しが表れたとみることもできるだろう。ただし今後その好循環が発生するかどうかは、かなり疑わしい。

というのも、16年の実質賃金がプラスになったのは、物価が0.2%下落した影響が大きい。ところが17年を展望してみると、物価は原油高や円高で強含みの予想。物価が上昇すれば、実質賃金はまたマイナスの領域に押し戻されてしまう。したがって安倍首相はもちろんのこと、政府部内では物価が上昇しないことを願う声が高い。

一般市民の立場からは当然ながら、物価は安定していた方が暮らしやすい。だが日銀は全く逆の考え方である。金融をどんどん緩和して「物価を2%上昇させること」を、至上の目標としているからだ。だから日銀の考え方からすると、16年の実質賃金がプラスになったことは好ましくない。17年は物価が上昇した方がいい。政府と真逆の方向を目指す日銀を、国民はどう評価すればいいのだろう。

      ≪9日の日経平均 = 下げ -99.93円≫

      ≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- マイナス金利政策の功罪 ⑥
2017-02-11-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ いちばん得したのは財務省 = 残念ながらマイナス金利政策がもたらした極端な金利の低下は、長続きせずに消えてしまった。アメリカのFRBが一昨年末と昨年末に金利の引き上げに踏み切ったため、日本の金利水準も最近は下げ止まりから上昇気味に推移している。この結果、住宅ローン金利がやや上昇。需要の増加も一段落した。不動産向けの貸し出しはまだ増加しているが、その勢いは鈍化している。

しかし全般的に金利の水準は、まだ異常に低い。このため企業は社債の発行を急いでいる。金利が安いうちに、資金を調達しておこうというわけだ。日銀によると、16年の社債発行総額は10兆5000億円で、前年を50%も上回った。平均の償還期限は9.9年に延びている。なかには40年の起債もあった。その半面で、企業は株式の新規発行を前年より6割も減少させた。

国債の金利も大幅に低下した。新規国債の発行は入札によって、価格が決まる。しかし最近は、金融機関が額面より高い値段で応札することが多い。市場に出せば、日銀がもっと高い価格で買い取ってくれ、利ザヤが稼げるからだ。この結果、財務省の懐には額面を上回る資金が転がり込むことになる。さらに金利の低下で、利払い費用も大幅に減少した。

国債の発行で国に流入する金額や既発債の利払いに必要な金額は、すべて予算に計上されている。その予算額を上回る収入や利払い費の減少分は、次の予算の原資に使うことができる。たとえば16年度の第2次補正予算では、国債費を4200億円縮小させた。17年度予算でも国債費を836億円少なく計上している。

                                (続きは来週サタデー)

      ≪10日の日経平均 = 上げ +471.26円≫

      【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2017-02-12-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第13章 国際収支って、なんだろう? ②

◇ 貿易収支は5兆6000億円の黒字 = 国際収支というのは、国と国とのおカネのやりとりですね。そのなかで、いちばん金額が大きいのは貿易収支です。貿易は、輸出と輸入の両面から成り立っています。日本の国内で生産した商品を外国に売るのが輸出。外国で作られた商品を、日本が買い入れるのが輸入です。

さっそく実際の統計を見てみましょう。国際収支の数字は月ごとに集計されていますが、ここでは16年の統計で説明します。月ごとの収支は季節的に変動しますが、年間あるいは年度間の統計なら季節的な要因に左右されません。

16年の輸出は、合計68兆9000億円でした。この輸出額は15年に比べると8.5%減っています。一方、輸入は63兆3000億円でした。前年比では16.6%の減少です。この輸出額から輸入額を引いたものが貿易収支になります。つまり16年の貿易収支は5兆6000億円の黒字でした。

ここで注意しなければいけないのは、貿易収支には2通りの統計があることです。もう1つは貿易統計と言って、全国の港や空港にある税関というお役所が輸出品と輸入品を調べて作っているもの。国際収支のなかの貿易収支は、計算方法が少し違うのです。この計算方法はIMF(国際通貨基金)という国際機関が決めたもので、世界中の国がこの方法を使って国際収支を集計しています。

                                (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2017-02-13-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ トランプ相場・第2弾 = ニューヨーク市場では、ダウ平均・ナスダック・SP500の3株価指数がそろって史上最高値を更新した。トランプ大統領が「今月中に大型減税の具体的な内容を発表する」と言明したためである。法人税の減税だけではなく、所得税制の見直しを含む大規模な改正になることも示唆。これを受けて、市場では景気の先行きに対する期待感が盛り上がった。ダウ平均は先週198ドルの値上がり。終り値は2万0269ドルとなった。

為替市場では、アメリカの景気が拡大する予想からドルが買い戻された。このため円安が進行。さらに日米首脳会談が成功の形で終わるという予想が強まったため、日経平均も大きく上昇した。特に10日は471円と、大発会に次ぐことし2番目の上げ幅を記録。週間では461円の値上がりだった。こうした日米両市場の株高は、トランプ相場・第2弾の幕開けとなるかもしれない。

株高の根底には、日米の企業業績がそろって上向いてきたこともある。いま12月期の決算発表が佳境を迎えているが、その内容は予想以上にいい。さらにその根底には、中国はじめ新興国を含めた世界経済の回復もある。こうした環境の好転もあるので、今週の株式市場は利食い売りをこなして、さらに上方を目指せるのではないか。

今週は13日に、10-12月期のGDP速報。15日に、1月の訪日外国人客数。アメリカでは15日に、1月の工業生産、小売り売上高、消費者物価と2月のNAHB住宅市場指数。16日に、1月の住宅着工戸数。17日に、1月のカンファレンス・ボード景気先行指数。またEUが14日に、10-12月期のGDP改定値。中国が14日に、1月の消費者物価と生産者物価を発表する。

      ≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ


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トランプ税制改革の 見取り図 (上)
2017-02-14-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 30年ぶりの大変革ねらう = トランプ大統領は先週「今月中に大規模な税制改革の内容を発表する」と明言した。改革は法人税と個人税にかかわる広範なもので、大統領は「みんながびっくりするだろう」と自信満々。この発言を受けて、先週の株価は大きく上昇した。その税制改革は、どんな内容になるのか。これまでの情報を集めて見取り図を作ってみよう。

まず法人税の引き下げ。アメリカの連邦法人税は現在35%。これに州の法人税が加わると平均40%を超え、先進国のなかでは高い部類。この連邦法人税を段階的に15%まで減らす。これによって景気の浮揚を図ると同時に、アメリカ企業の海外流出を食い止め、さらに外国企業の誘致を促すことが狙い。ちなみに日本の法人税はいま29.97%だ。

次は資金還流税。アメリカ企業が海外に保有する資金は、2兆6000億ドルあまり。これを本国に引き揚げる際の税率を10%に優遇する。また国境調整税を新設。アメリカ企業が海外で生産した製品を輸入するときには、35%程度の輸入税をかける。その一方、国内の製品を輸出するときには法人税を還付する。

個人税では、まず相続税を廃止。また現在7段階に分かれている所得税を3段階に集約。最高税率を39.6%から33%に引き下げる。特に中間所得層の減税を厚くする計画だ。こうした税制改革は1986年にレーガン大統領が実施したとき以来の大掛かりなもの。だが、その実現のためには、いくつもの障害物を乗り越えなければならない。

                                  (続きは明日)

      ≪13日の日経平均 = 上げ +80.22円≫

      ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ


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トランプ税制改革の 見取り図 (下)
2017-02-15-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 政策実現への障害物 = トランプ税制改革が実行されれば、アメリカ経済には大きな活力が生まれる。だが、その実現までには多くの障害物を乗り越えなければならない。なかでも最大の障害物は財源。トランプ政権としては、まず経済成長の加速によって生じる税の自然増収をアテにしている。さらに国境調整税による増収。研究開発費以外の租税特別措置を全廃する、などの強硬手段も検討しているようだ。

国債の増発も当然ありうる。しかし連邦政府の債務は、すでに20兆ドルに近い。議会は上下両院とも共和党が多数を占めたが、共和党の議員には“小さな政府”の信奉者が多い。財政赤字の大幅な拡大を容認するかどうかは、きわめて微妙だ。この意味では、議会が障害物になるとも言えるだろう。

資金還流税は実施されれば、6000億ドルの資金が還流すると試算されている。この税はブッシュ政権も05年に導入したが、そのときは3000億ドルが還流。ただし大幅なドル高を招いている。また国境調整税は、WTO(世界貿易機構)から“待った”がかかる公算が大きい。不正な輸出促進と輸入抑制で、WTOの規約に違反すると考えられるからだ。

トランプ大統領が、その腕力でこれらの障害物を突破できるかどうか。突破すると、アメリカ経済の拡大は加速する。しかし同時に、ドル高・物価高・金利高の風に吹かれることも確実だろう。こうしたアメリカ経済の変化は、直ちに日本経済にも強い影響を与える。早めに対応策を考えておいた方が賢明である。

      ≪14日の日経平均 = 下げ -220.17円≫

      ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ


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盛り返した企業業績 : 今期は最高益に
2017-02-16-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ トランプ効果で急回復 = 日経新聞の集計によると、上場企業の業績が急激に回復している。今3月期の純利益は、史上最高の水準に達する見込み。これまでに12月期の決算発表を終えた1431社の見通しから推計すると、16年度の純利益は前年度を10%上回る模様だ。特にアメリカの大統領選挙が終わったあとは円安が進み、利益の拡大に大きく貢献した。不安定化した海外経済や円高の影響で一時は落ち込んだ日本企業の業績は、2年ぶりに盛り返す形になる。

昨年秋までの円高傾向もあって、売り上げ高は7年ぶりに減少する。にもかかわらず利益が増大したのは、昨年後半から世界経済に回復の兆しが表れたこと。原油や資源の国際価格が持ち直したこと。昨年末からの円安。加えて企業側がコスト削減と製品の高付加価値化に努力した結果だと考えられる。

業種別にみると、商社や化学、通信や半導体の増益幅が大きい。逆に減益となりそうなのは、電気や自動車など。しかし全体としてみると、5社に1社は最高益になると日経新聞は報じている。売上高純利益率も、初めて4%を超える見通しだ。トランプ効果とこうした企業業績の好転が、株価押し上げの原動力となっている。

ただ首脳会談は成功裏に終わったものの、日米間の貿易協定など、これから何が飛び出してくるかは全く不明。経営者はまだまだ将来への不安感を払拭し切れてはいない。したがって最高の利益が、設備投資や賃金の増額に振り向けられるかどうかは予断を許さない。

      ≪15日の日経平均 = 上げ +199.00円≫

      ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ


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平成とは “平成長” のこと? : GDP
2017-02-17-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 1%しか成長できない = 内閣府の発表によると、16年の実質経済成長率は1.0%だった。15年が1.2%、14年は0.3%しか成長していない。したがって、この3年間の年平均は1%にも及ばないことになる。この調子だと、経済規模が倍増するには100年近くもかかってしまう。日本は完全に“低成長国”になり下がってしまった。

平成に入ってから、日本経済はずっと低空飛行を続けている。景況感に近い名目GDPで調べてみると、1989年(平成元年)から2016年までの27年間に、名目GDPは28.5%増大した。1年平均で約1%という計算になる。低成長と言っても、年平均2-3%ならまだいい。ゼロすれすれの成長が延々と続く状況は、“平成長”と皮肉りたくなる。

16年のGDPを分析すると、個人消費が0.3%しか伸びなかった。設備投資も1.0%増と全く元気がない。成長にいちばん貢献したのは外需だが、それも輸入が1.7%減ったためだから、なんとも気勢が上がらない。企業の利益は最高益を更新する勢いなのに、どうして設備投資や賃金におカネが回らないのだろう。

少子化や人口減少で、日本の潜在成長力が低下したことは確か。だが、それで諦めてしまえば“平成長”が続くだけだ。この際は官民を挙げて、成長率を押し上げるための政策をひねり出すべきだろう。たとえばトランプ政策に刺激されて、日本でも法人税のさらなる引き下げが課題になりそうだ。そのとき労働分配率の低い企業には減税を適用しないぐらいのことは、考えてみてもいい。

      ≪16日の日経平均 = 下げ -90.45円≫

      ≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ


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サタデー自習室 -- マイナス金利政策の功罪 ⑦
2017-02-18-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 本業では利益が出せない銀行 = マイナス金利政策は住宅ローンの借り手や建築・不動産業に、一定の利益をもたらした。また超低金利で社債を発行した企業には恩恵を与え、国債費の大幅な縮小を通じて国庫の負担も軽減させている。だがマイナス金利による恩恵は、いろいろ探してみてもこのぐらいなもの。その半面、副作用は広範な分野に及んでいる。

たとえば金融機関は、経営が一気に苦しくなった。貸出金利が下がる一方で、預金金利はゼロ近くにまで低下しており、これ以上は下げられない。預かったおカネを貸し出して利ザヤを稼ぐ銀行の本業では、利益を出すことが難しくなってしまった。やむなく不動産向けの融資や消費者ローンに精を出している。へたをすると、不良債権を生みやすい分野だ。

4大銀行グループが発表した昨年4-12月期の連結決算をみると、本業の儲けを示す基礎利益は合計1兆3759億円で前年同期を9%下回った。国債の利回りも縮小しているため、売買してもあまり儲からない。余った資金を日銀に預ければ、手数料を取られる。アメリカの国債にもおカネを回してみたが、これも利回りが下がってしまった。

日銀もこの状態を憂慮し、ことしになってから長期金利をプラスの領域にとどめる政策を実施。銀行が本業で少しでも利益が出せるように配慮した。ところが昨年末からアメリカの金利が上昇。これを受けて日本の長期金利にも、上昇圧力がかかっている。このため日銀は長期金利が上がり過ぎないように金融を調節するなど、ややドタバタ気味の対応を迫られている。

                                  (続きは来週サタデー)

      ≪17日の日経平均 = 下げ -112.91円≫

      【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2017-02-19-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第13章 国際収支って、なんだろう? ③

◇ サービス収支は赤字 = 貿易は輸出と輸入から成り立っていますね。つまり自動車とか原油とか小麦とか。いろいろな品物が輸出されたり、輸入されたりした結果が、貿易収支です。ところが国と国との間では、品物のない取り引きもたくさん行われています。

たとえば、あなたがアメリカに行ってホテルに泊まったり、食事をしたり、タクシーに乗ったりしたとき。なにも品物は買いませんが、おカネを払うでしょう。このように品物のやりとりはないのに、おカネのやりとりが発生する。これをサービス収支と呼んでいます。

サービス収支には、品物や人を輸送する代金。通信や情報の料金、大事な品物の輸送にかける保険料、特許の使用料など、いろいろな種類の取り引きが含まれます。16年のサービス収支は、9700億円の赤字でした。

貿易収支とサービス収支を一緒にして、貿易・サービス収支と呼ぶことがあります。16年の貿易収支は、5兆6000億円の黒字でしたね。したがって、この期間の貿易・サービス収支は4兆6000億円の黒字だったという計算になります。

                                (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2017-02-20-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ NYは強気すぎ、TKは弱気すぎ = トランプ大統領の組閣が難産している。イエレンFRB議長が議会で、利上げに前向きな姿勢を表明した。この2つの出来事は、ニューヨーク市場にとっては少なくとも大歓迎する材料ではない。だが東京市場にとっては、将来の円安が望めるから悪材料ではない。にもかかわらず先週のニューヨーク株式は連騰。東京の株価は大幅に値下がりした。

ダウ平均株価は7日間の連騰で、終り値は2万0624ドルに。週間では355ドル値上がりして、史上最高値を更新した。2万ドルの大台に乗せてから3週間なのに、もう2万1000ドルを狙う勢いである。その一方で日経平均は先週144円の値下がり。企業が続々と最高益の決算を発表しているなかで、まことに元気がない。

間もなくトランプ大統領が、30年ぶりの税制改革を公表する。それへの期待感から、今週もダウ平均は上昇するのか。それとも急ピッチの上げを修正するのか。日経平均は好決算を見直して、遅れた分を取り戻そうとするのか。日経新聞の集計によると、上場企業の昨年10-12月期の純利益は最終的に25%の増益となった。

今週は20日に、1月の貿易統計。21日に、12月の全産業活動指数。23日に、1月の企業向けサービス価格。アメリカでは22日に、1月の中古住宅販売。23日に、12月のFHFA住宅価格。24日に、1月の新築住宅販売が発表される。

      ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ


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トランプ大統領の 論拠 : 日米貿易
2017-02-21-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本の反論は通用するか = 財務省は20日、1月の貿易統計を発表した。それによると、輸出は5兆4000億円で前年比1.3%の増加。輸入は6兆5000億円で8.5%の増加だった。この結果、貿易収支は1兆1000億円の赤字となっている。輸入が増加したのは2年1か月ぶり。原油などエネルギー価格の上昇が主な原因。

輸出を地域別にみると、最大の輸出先はアメリカ。前年比では6.6%減少したが、それでも金額は1兆円を上回った。かつては中国が最大の輸出先だったが、最近はアメリカの第1位が続いている。商品別では、自動車の8105億円が大きい。部品まで含めると、輸出額は1兆円を超えた。

アメリカ向けの自動車輸出をみると、台数は11万3910台で前年より11.2%減少した。金額は3149億円で前年比8.4%の減少。しかし自動車部品の輸出も658億円にのぼった。その一方、アメリカからの自動車輸入は1090台。金額では57億円、部品も40億円にとどまっている。部品も含めた収支は、日本側の黒字3700億円という計算になる。

トランプ大統領が固執するのは、こうした自動車貿易の不均衡。日本側は「右ハンドル車を造らないなどアメリカ側に販売意欲がない」「日本のメーカーはアメリカでも大量の車を生産。さらに巨額の投資もしている」と反論する方針のようだ。だが間もなく始まる日米の経済対話で、アメリカ側を説得できるのだろうか。いささか心配になってくる。

      ≪20日の日経平均 = 上げ +16.46円≫

      ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ


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焦点は 再びヨーロッパへ (上)
2017-02-22-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ オランダ総選挙が導火線 = トランプ大統領の登場でアメリカに釘付けされていた世界の関心が、再びヨーロッパに逆流する。イギリスに続いて大陸側の主要国でも、反移民・反EUの流れが定着するのか。その導火線ともなりうるのが、3月15日に実施されるオランダの総選挙。下院の150議席をめぐって、いま選挙戦は最高潮に達している。なかでリードしているのは極右・自由党。ウィルダース党首は「イスラム諸国からの移民停止と反EU」を公約のトップに掲げている。

各種の世論調査は、いずれも自由党がトップ。これを追うのはルッテ現首相が率いる中道右派の自由民主党だが、これまで続けてきた緊縮財政のために景気が低迷。支持率はいま一つ伸びない。ただオランダには31の政党があって、得票は大きく割れると予想されている。このため支持率第1位の自由党にしても、過半数の獲得は困難な情勢だ。

さらに自由党と連立してもいいと表明しているのは、零細な1政党だけ。したがって、結局は第2位の自由民主党が再び連立内閣を組織する公算が強いとみられている。ただし周知のように、昨年はイギリスの国民投票でも、アメリカの大統領選挙でも、世論調査は当たらなかった。その“番狂わせ”が、また起きないとは限らない。

ことしヨーロッパでは、4-5月にフランスの大統領選挙。9月にはドイツの議会選挙。さらに時期は未定だが、年央ごろにイタリアの総選挙。9月にスペイン・カタルーニャ自治区の独立をかけた住民選挙が予定されている。オランダの選挙で過激な自由党の得票数が予想以上に伸びると、これら各国の選挙結果に異常な影響を及ぼすことは否定できない。

                                  (続きは明日)

      ≪21日の日経平均 = 上げ +130.36円≫

      ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ


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焦点は 再びヨーロッパへ (下)
2017-02-23-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ EU崩壊の危険性もゼロではない = フランスの大統領選挙は4月23日に実施される。事前の世論調査では、ここでも極右・国民戦線がトップ。昨年までは第1位だったフィヨン元首相の中道左派・共和党は、ことしに入って苦戦を強いられている。国民戦線のルペン党首は48歳の女性闘士。114の公約を掲げ、特に「不法移民の送還・EU反対」を強調して、支持率を上げている。

ほかに中道・無所属のマクロン氏、中道左派の統一候補となったアモン前国民教育相らも立候補。このため4月23日の投票では、だれも過半数には達しないと予想されている。その場合は1位と2位の2人で5月7日に決選投票が行われるが、ここでは反ルペンの票が結束。結局、ルペン氏の当選はないというのが専門家の予想だ。

ドイツの議会選挙は9月24日。与党のキリスト教民主同盟は、メルケル首相の4期目を目指すことになった。有力な対抗馬は、社民党のシュルツ前ヨーロッパ議会議長。「社会分断の克服」を掲げて、支持率を上げている。まだ選挙までには日数があるので、予測は困難だ。しかし無制限の移民受け入れを主張してきたメルケル首相に対し、キリスト教民主同盟の内部では「年間20万人に制限すべき」との声が高まっている。

このほかヨーロッパでは、ことしイタリアの総選挙、スペイン・カタルーニャ州の住民選挙などの政治イベントが連続する。こうした選挙運動を通じて、反移民・反EUの流れが強まらないとも限らない。特にフランスの大統領選挙でルペン党首が勝つようなことが起きると、EUの結束には決定的なヒビが入る。その僅かな危険性を感じて、ヨーロッパ主要国の国債価格はすでに下落し始めている。

      ≪22日の日経平均 = 下げ -1.57円≫

      ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ


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火災件数は 減っているけれど・・・
2017-02-24-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 有毒ガスの抑制策を = 近ごろは火事が多いと感じていた。逃げ遅れて死亡する人が多いという印象も強かった。ところが消防庁の集計によると、実際は火災件数も死亡者数も年々減り続けている。きっとテレビ・ニュースに映し出される真っ赤な火柱のインパクトが強くて、間違った印象を持ってしまったのだろう。

消防白書によると、15年中の火災件数は3万9111件。火災による死亡者数は1563人だった。10年前の05年は火災件数が5万7460件、死亡者数は2195人だったから、この10年間では火災件数も死亡者数も大幅に減少したことが判る。このうち放火を除く住宅火災についてみても、この10年間で件数は1万7014件から1万1102件に。死亡者数も1220人から914人に減った。

この傾向は喜ばしいが、それでも年間1500人以上が犠牲になっている。しかも高齢者だけではなく、10代や20代の若者の逃げ遅れも多い。いろいろなケースがあって一概には言えないが、逃げる最中に有毒ガスを吸って動けなくなることが少なくないようだ。カベや天井などの建築材料、それに家具なども燃えるとすぐ有毒ガスを排出する。

消費者庁は食品や家電、化粧品、遊具などについては、しばしば「安全でない」という警告を発している。だが燃えた場合に有毒ガスを出す建材や家具についての警告には、お目にかからない。火事の件数を減らすことも大事だが、火災による死亡者数を減らすために建材や家具に「安全マーク」を付けることを考えてみたらどうだろう。

      ≪23日の日経平均 = 下げ -8.41円≫

      ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- マイナス金利政策の功罪 ⑧
2017-02-25-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 生命保険も運用益が激減 = 15年11月に鳴り物入りで上場を果たした ゆうちょ銀行も、収益力の低下で大苦戦している。保有する貯金額は178兆円と、国内では最大。それだけに適当な投資先を見付けにくい。昨年4-12月期の経常利益は前年比19.6%の減少。株価も上場時の初値1631円から、最近は200円ほど低い水準で推移している。

大銀行と違って国際業務を持たない地方銀行の経営は、もっと厳しさを増している。昨年4-12月期の決算では、上場地銀82行のうち60行が減益に陥った。このため業界では、常陽・足利、徳島・香川・大正、横浜・東日本が経営統合に踏み切った。また多くの地方銀行が、営業や資金運用面での提携を進めている。合併や提携は今後も続出するだろう。

生命保険業界にも、寒波が流れ込んだ。お客から集めた保険料をこれまでは国債などの安全資産に投資して利息を稼いできたが、長期金利の低下で稼ぎにならない。一時払い保険や年金保険の発売を中止するなど対策は講じたが、その分だけ販売も縮小してしまった。主要8グループの昨年4-9月期決算では、運用益が前年の半分に減少している。

このように大半の金融機関が、マイナス金利政策によって苦境に追い込まれた。現在はアメリカの金利引き上げが、唯一の光明。だが日銀は長期金利が0.1%を超えないように、日々の金融を調節しているところ。金融機関にとっては、依然として日銀の超低金利政策がノドに刺さった骨となっている。

                                (続きは来週サタデー)

      ≪24日の日経平均 = 下げ -87.92円≫

      【今週の日経平均予想 = 1勝4敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2017-02-26-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第13章 国際収支って、なんだろう? ④

◇ 経常収支と金融収支 = 国際収支というのは、外国とのおカネのやりとりを集計した“家計簿”でしたね。この国際収支は大きく分けると、経常収支(けいじょうしゅうし)と金融収支(きんゆうしゅうし)の2つから成り立っています。すでに勉強した貿易収支とサービス収支は、経常収支のなかに含まれます。

経常収支には、ほかに所得収支(しょとくしゅうし)と移転収支(いてんしゅうし)という項目もあります。所得収支というのは、日本人が外国で働いてもらったおカネや外国の債券や株式から受け取る利子や配当など。また移転収支は、日本の政府が外国に資金を出して援助したり、世界銀行などの国際機関におカネを出す場合など。

ちょっと難しくなってしまいましたが、国際収支は経常収支と金融収支の2つから成り立っていること。また、そのうちの経常収支は貿易収支、サービス収支、それに所得収支と移転収支を加えた4つの項目から成り立っていることを覚えておきましょう。

例によって16年の数字を調べてみました。経常収支の合計は20兆6000億円の黒字でした。このうち所得収支の黒字は貿易・サービス収支の黒字よりも大きく、16兆円に達しています。これは外国から受け取る利子や配当の金額が、とても大きいことを示しています。この結果、経常収支は大幅な黒字になりました。

                                 (続きは来週日曜日)



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今週のポイント
2017-02-27-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ ダウ平均は歴史的な上昇 = ダウ平均株価は先週末までに、11日連続で史上最高値を更新した。今週月曜にも上昇すれば、1987年1月に作った12日間連続で新高値の記録に肩を並べる。小売りや住宅販売など、景気指標が堅調だったことが好感された。加えてトランプ減税に対する期待感も続き、さらにFRBによる利上げが5月以降に遠のいたという観測も市場に安心感を与えた。ダウは週間198ドルの値上がり。

対照的に、東京市場には弱気の虫が住み着いている。企業の業績は絶好調。国内の景況にも、特に悪いところは見当たらない。唯一の懸念材料は円高だが、まだ112円前後を維持しており、大幅に上昇したわけでもない。輸出も回復基調になっている。FRBの利上げが遠のいたことは将来の円高要因になるかもしれないが、それが決定的な売り材料になっているとは考えられない。

トランプ大統領が今週28日、議会で施政方針を表明する。こうしたなかで、ダウ平均がどこまで高値更新の記録を伸ばすのか。PER(株価収益率)は13年ぶりの高さになっているから、そろそろ一休みしてもおかしくはない。一方、東京市場はいつ弱気の虫が退散してくれるのか。理由が判然としないまま弱気相場が続くのは、なんとも気持ちが悪い。

今週は28日に、1月の鉱工業生産と商業動態統計。1日に、10-12月期の法人企業統計と2月の新車販売。2日に、1月の労働力調査、家計調査、消費者物価と2月の消費動向調査。アメリカでは27日に、中古住宅販売。28日に、10-12月期のGDP改定値と2月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。1日に、2月の新車販売とISM製造業景況指数。3日に、2月のISM非製造業景況指数。また中国が1日に、2月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

      ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ


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市場も割れた トランプ評価
2017-02-28-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 株高なのにドル安も進む = アメリカでは、トランプ大統領の支持派と反対派が国中を2分している。と思っていたら、先週は市場もはっきりと2分された。株式市場は連日の新高値更新、ダウ平均は2万ドルに乗せてから1か月あまりで、もう2万1000ドルを狙う位置にまで上昇した。ふつう株式市場に資金が流入すると、債券市場からは資金が流出する。そのため債券価格は下がって金利は上昇。為替市場ではドル高になりやすい。

ところが今回は違った。債券市場にも資金が流入し、債券価格は上がって金利は下落。たとえば10年もの国債の流通利回りは、年2.31%に下落した。金利が下がったためドルは売られ、日本円の対ドル相場は一時111円台に。約2週間ぶりの高値に上昇している。ニューヨークの株価が絶好調なのに東京の株価が冴えなかったのは、これが大きな原因になったようだ。

ニューヨークの株価が上昇したのは、アメリカの景気回復が順調に進み、企業の業績も上向いていることに支えられた。加えてトランプ大統領による景気刺激策に対する期待も大きい。その一方で投資家の半数は、トランプ政策の実現性に疑問を持ち、リスクの少ない債券市場に資金を投入したわけだ。

FRBは2月に開いた政策決定会議の議事録を公表したが、これについても市場の反応は2分した。株式市場は利上げが5月以降に持ち越されたという観測を好感。債券市場は、FRBがトランプ政策の不確実性を指摘した点を重視した。言うなれば、投資家のトランプ政策に対する評価も2分されたことになる。トランプ大統領がきょう行う施政方針演説で、こうした状況はどう変わるのだろうか。

      ≪27日の日経平均 = 下げ -176.07円≫

      ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ


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