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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
サタデー自習室 -- 水の 経済学 ①
2017-04-01-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 人類にとって最大の試練は水不足 = 水の化学式はH₂O。水素原子と酸素原子が結合した物質であることは、よく知られている。また水はあらゆる生命体にとって、生きるためには必要不可欠な物質であることも、よく知られている。だが、その水が地球規模で急速に不足しそうなことは、あまり知られていない。米エール大学のポール・ケネディ教授は「人類にとって、水不足は核戦争より恐ろしい」と、警鐘を鳴らしている。

地球が誕生したのは46億年前。その後の数億年にわたって降り注いだ隕石や彗星が、地球に大量の水をもたらしたと考えられてきた。ただ最近は、地球が誕生したときから水は存在したという研究も発表されている。いずれにしても他の天体とは違って、地球には大量の水が存在する。このため地球は“水の惑星”と呼ばれている。

しかし地球上に存在する水の97.5%は、海の水だ。その量は13億5100万立方㌔㍍。したがって淡水はわずか2.5%、3500万立方㌔㍍しかない。その淡水も大部分が極地や高山に氷の形で堆積する。そこから流れ出した河川や湖沼、あるいは雨水の集積など、人類がすぐ生活に利用できる水は0.01%に過ぎない。

しかも生活にすぐ利用できる水は、地域的にいちじるしく偏在している。たとえばブラジルやカナダは豊富な水に恵まれているが、アフリカ北部から中東にかけては恒常的な水不足に悩まされている。国連によると、この地域を中心に8億8000万人が安全な飲み水を確保できず、毎年200万人の子どもが死亡しているという。

                                 (続きは来週サタデー)

      ≪31日の日経平均 = 下げ -153.96円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】  


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2017-04-02-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第13章 国際収支って、なんだろう? ⑨

◇ 国際収支天井の時代 = いま日本は1兆2000億ドル以上の外貨準備を持っています。ですから外貨の不足を心配するようなことは、まったくありません。でも戦争直後の日本は工場や会社の多くが焼けてしまい、食べ物にもこと欠く時代でした。輸出などはとてもできる状態ではありません。このため外貨準備も、ほとんど持てませんでした。

たとえば戦争が終った4年後、1949年(昭和24年)末の外貨準備はたったの2億2600万ドルでした。それから輸出も少しずつ増えましたが、国際収支はずっと赤字ぎみ。アメリカの援助に頼ったり、IMF(国際通貨基金)から借金をしたり、苦しい時期が続いたのです。

国内の景気がよくなると、工業製品を作るための原料や材料、また食料の輸入が増えて、国際収支はすぐに赤字になってしまいます。すると外貨準備を減らさないために、景気を悪くするような引き締め政策をとらなければなりませんでした。つまり日本経済は、低い国際収支の天井(てんじょう)に何回も頭をぶつけていたのです。

国際収支の天井がなくなったのは、68年(昭和43年)のことでした。この間、64年には東京オリンピックが開かれるなど、日本経済は急速に復興しています。輸出も大幅に伸び始め、68年末の外貨準備高は29億ドルに達しました。終戦から68年までの23年間は、外貨準備の不足に悩まされた「国際収支天井の時代」だと言うことができるでしょう。

                               (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2017-04-03-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 安倍退陣の警戒感も見え隠れ = ダウ平均株価は先週67ドルの値上がり。だが3月の月間では149ドルの下落だった。トランプ大統領の景気対策に対する期待が急速にしぼみ、金融株やインフラ関連株が売られている。その半面で順調なアメリカ経済を再認識する動きが出始め、IT株や景気に敏感な銘柄の選別買いが進んだ。このため、ダウ平均は2万0600ドル台で踏みとどまっている。

日経平均は先週353円の値下がり。3月中では210円の下落となった。年度末の利益確定売りも出たが、外国人投資家の売りもきつい。昨年11月のアメリカ大統領選挙から年末までに、外国人投資家は3兆9000億円を買い越した。それがことしは2兆円を売り越している。特に3月第4週は9500億円の売り越しだった。

こうした状況について、ロイター通信は「外国人にとって、森友問題はきわめて判りにくい。なかには安倍首相の退陣を心配する投資家もいる」と報道した。今週から新年度入り。月末には3月期決算の発表も始まる。東京市場も気分を一新して、2ケタ増益を再評価する方向に進むかどうか。

今週は3日に、3月の日銀短観と新車販売。6日に、3月の消費動向調査。7日に、2月の毎月勤労統計と景気動向指数。アメリカでは3日に、3月の新車販売とISM製造業景況指数。4日に、2月の貿易統計。5日に、3月のISM非製造業景況指数。7日に、3月の雇用統計が発表される。

      ≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ


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雇用と賃金は 曲がり角に
2017-04-04-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 賃金上昇か人手不足不況か = 総務省は先週31日、2月の労働力調査を発表した。それによると、雇用者数は前年同月より48万人増えて5754万人に。これで50か月連続の増加となった。一方、失業者数は前年より25万人減って188万人。こちらは81か月連続で減少している。この結果、完全失業率は2.8%で、22年ぶりの低水準を記録した。雇用者の増加も失業者の減少も、そろそろ限界に近付いている。  

総務省は同じ日、2月の家計調査も発表した。それによると、2人以上世帯の実質消費支出は平均26万0644円。前年を3.6%下回った。そのうち勤労者世帯の実収入は48万4038円で、前年より1.1%増加した。収入の伸びは鈍く、支出が低調な傾向は依然として続いている。安倍首相が願望する“経済の好循環”は、始まる気配が見えない。

こうした状況のなかで、世の中では大きな変化が起き始めている。人手不足に悩むヤマト運輸は扱う荷物の総量を抑えると同時に、大口顧客との間で値上げ交渉を始める方針。大型小売店や飲食チェーン店でも、深夜営業を止める動きが相次いでいる。労働力人口の減少が進み、それだけ人手不足が深刻化してきたことを物語っている。

さらに人手を集めようとすれば、今後は大幅な賃金の引き上げが必要になってくるだろう。そうなれば“好循環”が始まるかもしれない。だが企業が大幅な賃金上昇を許容するかどうか。許容せずに業態の縮小を選ぶ企業が多くなれば、景気は後退する危険性が高くなる。雇用と賃金の問題は、間もなく曲がり角を迎える。

      ≪3日の日経平均 = 上げ +73.97円≫

      ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ


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脱イギリス? 迷う日本企業 (上)
2017-04-05-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 複雑・困難な離脱交渉が始まる = イギリス政府は3月29日、EUに対して「完全に離脱する」と正式に通告した。これによりイギリスは2年後の19年春、完全な形でEUを離脱することが確定した。間もなく離脱に伴う広範な問題の処理と、離脱後の新たな貿易協定をめぐる複雑で困難な交渉が始まる。だが、その行く末はいまのところ全く見通せない。

EUはその基本理念に「ヒト、モノ、サービス、カネの自由な移動」を掲げている。イギリスは国民投票で移民の流入を規制することになったが、これはEUの「ヒトの自由な移動」に違反する。このためイギリスはEUを脱退することになった。だが脱退すれば「モノ、サービス、カネの自由な移動」も失う。モノの輸出入には関税がかかるし、金融の自由な活動もEU内では出来なくなる。

イギリスのメイ首相は、交渉で「モノ、サービス、カネ」の自由度をなるべく多く獲得したい考え。だがドイツのメルケル首相は「いいとこどりは許さない」と、早くも女性首相同士の火花が。EU側としては、イギリスに甘い姿勢を示せば他の加盟国からも離脱を望む声が上がるかもしれない。だから強硬な姿勢は崩せないわけだ。

交渉は難航が必至だとみられている。それに時間がかかる。離脱に伴う問題だけでも、EUに住むイギリス人とイギリスで働くEU諸国民の待遇。企業の処遇。税制から各種の免許など、数限りない。さらに新しいFTA(自由貿易協定)がまとまるまでには、何年かかるか判らない。協定が出来なくても19年春には離脱しなければならないが、そのときには何らかの暫定協定が結べるのか。いまは判らないことばかりである。

                                   (続きは明日)

      ≪4日の日経平均 = 下げ -172.98円≫

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脱イギリス? 迷う日本企業 (下)
2017-04-06-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 暗闇で手さぐりする進出企業 = イギリスには、いま約1000社の日本企業が進出している。日産や日立などの製造業は、古くから現地生産に乗り出していた。三菱UFJなど多くの金融機関は、ロンドンのシティに大きな事務所を構えている。いずれもヨーロッパを統括する本部の色彩が濃い。だが19年春にイギリスがEUから離脱すると、本部の機能は果たしにくくなる。

ドイツやフランスなどEU加盟諸国に対するモノの輸出には、関税がかけられる。ロンドンで取得した金融業の営業免許は、EU域内では通用しなくなってしまう。社員を出張させるにも、EU各国のビザが必要になるかもしれない。こうした事態に直面した日本企業は、みなフランクフルトやパリ、あるいはアムステルダムやブラッセルなどEU側への機能移転を考え始めた。

だが最終的な決断は、なかなか下せない。たとえば新しい貿易協定が出来たとき、EU側の輸入関税は何パーセントになるのか。シングル・パスポートと呼ばれる金融免許の普遍性は、ほんとうに消滅してしまうのか。貿易協定の締結が遅れた場合、どんな暫定協定が結ばれるのか。イギリス政府が残留を促すため、画期的な優遇策を出すかもしれない。こうした点が不明なので、経営者も決断し切れずにいる。

仮にヨーロッパ本部をイギリスから大陸側に移すとなると、大企業の場合は1年程度の準備期間が必要だと考えられる。だとすれば、経営者はイギリスとEUの交渉を睨みながら、18年春には決断しなければならない。このことは日本企業だけではなく、アメリカや中国の企業にも当てはまる課題だ。こうした外国企業の脱イギリスが本格化すれば、イギリスのEUに対する交渉力は弱くなるに違いない。イギリスの命運を左右する最大の問題になってくる。

      ≪5日の日経平均 = 上げ +51.02円≫

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カジノ設置は 住民投票で
2017-04-07-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 美しい日本を損なわないか = 政府はカジノなど統合型リゾートの設置に向けて、立法化の準備を開始した。安倍首相は4日、整備推進本部の初会合で「カジノ運営を適切に行うための規制について検討を始める」よう指示。これに基づいて有識者による推進会議が、6日から議論を始めた。夏までには大枠を固め、秋の臨時国会に法案を提出する方針だ。

カジノなどを含む統合リゾートの設置で、政府は外国人観光客を呼び込むなどの経済効果を期待している。だが暴力団などの介入やギャンブル依存症の増加など、問題点も多い。政府はこうした問題点を、厳重な規制によって防ごうとしているわけだ。しかしデータのない外国の暴力団が侵入してきた場合など、難しい問題もある。また依存症については、本人や家族の申告で利用を制限する案が有力だが、これはザル法に近い。

それ以上に、暴力団やギャンブル依存症が防げればいいのかという問題もある。日本にやってくる外国人旅行者は、果たして何を求めているのか。美しい日本の風景や文化遺産に触れ合いたくて来るのではないのか。だとすればカジノの存在は、こうした日本のイメージを損ねてしまう危険性があるかもしれない。政府には、その検証もしてほしい。

大阪や横浜、それに北海道が、カジノの誘致に積極的だ。たしかに地域振興のために魅力的ではあるのだろう。だがカジノの設置は、究極的に住民のためにならなければならない。この意味で、カジノ法案にはぜひ「住民投票による最終判断が必要」という条文を入れてほしい。さもないと住民の反対運動で、差し止め訴訟のの裁判が起こるかもしれない。

      ≪6日の日経平均 = 下げ -264.21円≫

      ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 水の 経済学 ②
2017-04-08-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 現代も続く水争い = 英語のRIVER(川)とRIVAL(敵)は、語源が同じだという。それほど人類は、昔から水を巡って争ってきたというわけだ。かつてナイル川や黄河の流域には、大河文明が花開いた。これは大河の流域を力で占拠した部族が繁栄した結果として、もたらされたものである。水を制した部族だけが、大きな発展を遂げることが出来たとも言えるだろう。

その後も人々は大きな川や湖の傍らに城を築き、田畑を開墾して村を造った。その城や土地を巡っての争いは、数限りなく起こっている。そんな人類の水争いは、科学の発達した現代も続く。21世紀に入ってからも、たとえばチベットを源流とし、中国を通ってインドシナ半島に達するメコン川の水利権をめぐって、上流の中国と下流のタイ・ラオス・カンボジア・ベトナムの4か国が激しく対立した。

ほかにもナイル川をめぐってエジプトとスーダンが。あるいはインダス川の水利用に関してインドとパキスタンが。戦争を起こすほどではないにしても、深刻な国際紛争を惹き起こしている。こうした事例は、枚挙にいとまがない。なかには話し合いによって解決された例もあるが、多くは長く尾を引いている。

水にまつわる紛争は、アフリカや南米などでも常に生じている。しかし最も多発しているのは、アジア地域だ。というのも、アジアには人類の約6割が居住する。しかし存在する淡水の量は、全世界の36%しかない。そのうえアジア地域は人口の増加率が高く、生活水準の向上も著しいからである。

                                    (続きは来週サタデー)

      ≪7日の日経平均 = 上げ +67.57円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2017-04-09-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第13章 国際収支って、なんだろう? ⑩

◇ 1968年に黒字転換 = いまから50年前の1968年(昭和43年)は、川端康成が日本人初のノーベル文学賞を受賞。セ・リーグでは王貞治が初の首位打者、長島茂雄が打点王を獲得した年でした。日本の国際収支にとっても、この年は記念すべき年となりました。なぜなら日本の国際収支は、この年から大幅な黒字を積み重ねることになったからです。

その前の年、1967年度の国際収支は5億ドルの赤字でした。それが68年度は16億ドルの黒字になり、それから日本の国際収支は黒字基調を続けています。外貨準備も68年末には29億ドルしかありませんでしたが、70年末には252億ドルに増えています。

日本は国際収支の赤字や外貨準備の大きさを心配しなくても済むようになったのです。その結果、経済は急速に拡大しました。世界の奇跡(きせき)と言われた日本の高度成長が実現できたのもこのためです。原動力になったのは、輸出の急増でした。日本製の商品の品質がとてもよくなったために、アメリカをはじめ世界中への輸出が大幅に拡大したのです。

その後、日本の国際収支は何回か大きな嵐(あらし)に会っています。最初は円の為替(かわせ)相場が切り上げられたとき。次は原油の値段が大幅に上がった石油ショック。そして最近では、リーマン・ショックで世界中が不況に陥ったときだと言えるでしょう。

                                 (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2017-04-10-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ シリア攻撃をどう評価するのか = 先週は前半に、FRBの内部で「株価動向には過剰感もある」という意見が出たことが明らかになった。また後半には、3月の非農業雇用者数が予想の半分しか増加しなかったことが判明。さらにアメリカ軍によるシリア空軍基地へのミサイル攻撃という、衝撃的な発表もあった。しかしダウ平均株価は小動きに終始、週間でも7ドルの値下がりにとどまった。

アメリカ軍のミサイル攻撃については、まず原油の国際価格が上昇。債券や金の価格もすぐに値上がりした。また円の対ドル相場も上昇している。しかし株式市場に関しては、多くの投資家がこれらの材料を十分に消化し切れなかったようだ。アサド政権の出方によっては、アメリカがさらに攻撃を拡大するかどうかの見極めが難しいからだろう。

日経平均は先週245円の値下がり。特に6日には年初来安値を記録した。市場では押し目買いの好機という見方もあるが、1万8000円割れは必至という悲観論も出ている。間もなく始まる企業の3月期決算は好調を維持するようだが、円高は進行する可能性が大きい。何か新しい好材料が現れないと、外国人投資家も買ってこないのではないか。

今週は10日に、2月の国際収支と3月の景気ウォッチャー調査。12日に、3月の企業物価と2月の機械受注。アメリカでは13日に、3月の生産者物価とミシガン大学・消費者信頼感指数。14日に、3月の消費者物価と小売り売上高。また中国が12日に、3月の消費者物価と生産者物価。13日に、3月の貿易統計を発表する。

      ≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ


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地政学的リスク の 影響度
2017-04-11-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 一時的なら1か月後には回復 = 先週は新聞紙上に「地政学的リスク」という言葉が、何回となく現われた。辞書を引いてみると「地理的条件と政治現象との関係を研究する学問」とある。なかには「ナチスによる領土拡張の戦略論として使われた」とも書いてあって、ちょっと驚いた。とにかくよく判らない言葉だが、最近は中東やアジアで物騒なことが起こると使われているように思われる。

まず日本時間の4日、シリア北西部の町に化学兵器を使ったとみられる爆撃があった。これで地政学的リスクが高まる。次いで5日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射。地政学的リスクが高まり、円高が進んだ。そして7日朝、こんどはアメリカ軍がシリアの空軍基地にミサイルを撃ち込んだ。これでリスクはさらに高まり、市場では国債・金・原油・円が買われ、株が売られた。

先週5日には、FRBが3月のFOMC議事録を公表。内部では「株価が高すぎる」といった意見もあったことが明らかになった。また7日にはアメリカの3月の雇用統計が発表され、非農業雇用者の増加数が予想の半分にとどまったことも大きく報道された。しかし世界の株式市場はこうした材料にはあまり反応せず、地政学的リスクの方を重視したようである。

過去の地政学的リスクを調べてみると、たとえば01年のアメリカ同時テロ、14年のロシアによるクリミア侵攻など、いずれも発生と同時に株価は急落している。しかし1か月後には株価は下落分を取り戻し、その後は上昇した。これは事件の発生から1か月もすると、リスクの一時的なことが判明してくるからだという。さて、今回はどうだろう。

      ≪10日の日経平均 = 上げ +133.25円≫

      ≪11日の日経平均は? 予想 = 下げ


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景気は いいのか悪いのか (上)
2017-04-12-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 回復期の長さは戦後3番目に = 内閣府は先週7日、2月の景気動向指数を発表した。それによると、一致指数が前月より0.4ポイント上昇。これにより今回の景気回復期は戦後3番目の長さになったことが、統計面では確認された。しかし一般的には好況感に乏しく「景気はいいのか悪いのか判断しがたい」という声も強い。

景気動向指数というのは、生産や販売、雇用などの経済指標を集めて作成する総合指標。内閣府が毎月作成し発表している。この指数が上昇基調にあれば、景気は回復期。下降基調になれば、後退期と判断される。言い換えると、動向指数が上昇基調から下降基調に移る時点が景気の山。下降基調から上昇基調に変わる時点が景気の谷、ということになる。

今回の景気上昇基調は12年12月、第2次安倍内閣の誕生とともに始まった。その後14年春には消費増税の影響で一時的に下降したが、本格的な下降基調に入ったとは認められず、今日に至っている。その結果、指数の上昇基調はこの2月で52か月に到達。1990年前後のバブル経済期に作った51か月を抜いて、戦後3番目の記録となったもの。

仮にこの上昇基調がことし9月まで続けば、1965年から70年にかけての“いざなぎ景気”と並ぶことになる。また戦後最長の記録は、02年から08年にかけての73か月だった。ところが過去の上昇基調時は好況感を伴っていたが、今回の場合はほとんど実感がないと言う人が多い。なぜだろう。

                                  (続きは明日)

      ≪11日の日経平均 = 下げ -50.01円≫

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景気は いいのか悪いのか (下)
2017-04-13-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 全体として足踏み状態 = 景況感が湧かない最大の理由は、経済の拡大テンポが遅すぎることにある。たとえば“いざなぎ景気”のときは、毎年10%を超えるスピードで経済が拡大した。だが今回は年平均の成長率が1%にも満たない。リニア・モーター・カーと自転車ぐらいの違いがある。これでは景況感どころではない。

さらに経済の各部門で、陽の当たるところと当たらないところが明瞭に分かれている。これも現在の景気動向の特徴だ。たとえばアベノミックスが始まった12年12月と現在を比較してみよう。最も好転したのは株価。日経平均は1万0400円から1万8600円に上昇した。また雇用も大きく改善している。就業者数は160万人増加し、失業率は4.3%から2.8%に改善した。

株価の高騰は好調な企業収益にも支えられたが、日銀の金融緩和政策によるところが大きい。雇用の改善は災害復旧とオリンピック需要もあるが、労働力人口の減少が基本的な原因だ。その一方で、陽の当たらない部門の代表は家計である。家計調査によると、13年2月の勤労者世帯の実収入は46万6000円。この2月は48万4000円で、この間に1万8000円しか増えていない。

同じ調査によると、2人以上世帯の平均消費支出は13年2月が26万8000円。ことし2月は26万0600円で、わずかながら減少してしまった。政府や日銀は「景気は回復中」と言い続けているが、実態は“足踏み状態”に近い。経済の拡大テンポが遅いと、どうしても先行きに対する不安を拭い切れない。それが消費支出が伸びない最大の原因になっている。

      ≪12日の日経平均 = 下げ -195.26円≫

      ≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ


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ネットが テレビを追い抜く : 広告費
2017-04-14-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ ことし中に世界でも日本でも = イギリスの調査会社ゼニス・オプティメディアの集計によると、17年のネット広告費は前年より13%増えて2050億ドル(約22兆5000億円)に達する見込み。一方、テレビ広告費は前年比1%増の1920億ドルになると推計される。このため1996年に新聞を抜いて最大の広告媒体となったテレビは、21年ぶりに首位の座をネットに明け渡すことになった。

スマホやパソコンを媒体とするネット広告は、1995年に登場したばかり。そこから驚くべき急成長を遂げ、その広告費は08年には雑誌を、12年には新聞を上回った。広告全体に占めるシェアも、16年には34%、17年は37%に達する見通し。最近は差別やテロ行為を助長するような内容の広告まで現われて社会問題化しているが、それでも増加の勢いは衰えていない。

日本でも、傾向は全く同じ。電通の集計によると、16年のネット広告費は1兆3100億円だった。この金額は新聞の5431億円をはるかに上回るが、テレビの1兆9657億円には及ばない。しかしネット広告費はこのところ年々倍増しており、17年中には順位の逆転が十分にありうる。

16年の状況をみると、テレビ広告費はまだ増加している。しかし新聞や雑誌は、大幅に広告費が減少した。テレビも多少はネットに食われているが、ネットは活字媒体の広告費を大きく取り込んだようにみえる。このため新聞や雑誌も最近は電子媒体の普及に力を入れているが、その大半は有料だ。無料で読者に届くネット媒体に、対抗できるのだろうか。

      ≪13日の日経平均 = 下げ -125.77円≫

      ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ


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サタデー自習室 -- 水の 経済学 ③
2017-04-15-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 人口増と生活水準の向上で需要増加 = 人類の水争いは、21世紀中にはもっと激しくなるかもしれない。20世紀を通じて、地球上の人口はおよそ4倍、取水量は7倍、灌漑面積は6倍に増大した。いま、これら取水の7割が農業、2割が工業、1割が生活に使われている。

世界で取水される量は、25年に5兆2350億立方㍍。00年に比べて3割増えると予測されている。この増加の6割は、アジアの人口増加によるものだ。国連の推計では、現在は世界で7億人が水で一定の制限を受けているが、25年にはこれが30億人に増大する可能性が大きい。

水資源を十分に確保できない地域に住む人口は、00年では全人口の1割程度だった。国土交通省の試算によると、これが25年には3割を超え、50年には4割以上になる。また東大などの研究チームによると、地球温暖化が進んで21世紀後半の平均気温がいまよりも3度上がると、20億人が水不足の状態に陥るという。

気温が上昇して、水が蒸発してなくなってしまうからではない。蒸発した水は、やがて雨となって地上に降り注ぐ。ところが、そのとき雨がどこに降るか。温暖化で降雨量の地域的な格差が拡大することが、水不足の深刻さを増すわけだ。このように水不足の問題は、淡水の偏在が主な原因となって惹き起こされる。

                               (続きは来週サタデー)

      ≪14日の日経平均 = 下げ -91.21円≫

      【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2017-04-16-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第13章 国際収支って、なんだろう? ⑪

◇ 嵐を乗り切った日本 = 最初の大嵐は1971年(昭和46年)にやってきました。それまで世界の通貨制度は固定相場制(こていそうばせい)と言って、アメリカのドルと一定の比率で結ばれていました。日本の円も1ドル=360円だったのです。ところがアメリカは国際収支に大赤字を出して、この制度が続けられなくなってしまいました。このため71年以降、世界は変動相場制(へんどうそうばせい)の時代に入ります。

その結果、円の相場は大幅に上がりました。05年4月には1ドル=79円75銭まで上昇しています。現在は110円ぐらいですね。円の相場が上がると輸出がしにくくなりますから、国際収支には大変なマイナス。でも日本はこうした円高の嵐を、なんとか乗り越えました。

次の大嵐は73年に起きた石油ショックでした。原油を大量に輸入している日本は、輸入代金の急激な増加に苦しみます。たとえば72年の原油輸入額は39億ドルでしたが、74年にはこれが189億ドルにはね上がっています。国中が省エネ努力をしたこともあって、日本はこの嵐もなんとかやり過ごしました。

3番目の嵐は、08年の夏から始まった世界的な大不況です。日本の輸出相手国がみな不況に落ち込んだため、日本の輸出は大幅に減少。このため、09年1月の経常収支は1700億円の赤字となっています。この世界不況も最近はようやく終わって、日本の国際収支は黒字に戻ってきました。ところが、こんどは・・・。

                                  (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2017-04-17-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ リスク急増⇒円高・国債高⇒株安 = イラク、アフガニスタンから北朝鮮。世界中に不穏な空気が広がった。このため市場では一気にリスク回避の動きが強まり、安全資産の国債や金、それに日本円が買われ、株式は売られた。先週はダウ平均が203ドルの値下がり。日経平均も329円の下落だった。

金の国際価格は5か月ぶりの高値。東京市場の10年もの国債は、利回りが0.02%まで下がり4か月ぶりの低水準。円の対ドル相場は108円台へと5か月ぶりの高値を記録した。その一方で、ダウ平均は2か月ぶりの安値に。日経平均は4か月ぶりの安値に落ち込んでいる。トランプ大統領が「ドルは強くなりすぎている」と述べたことが、円高を加速させた。

リスクが高まっている割に、株価の下落が小さいことを指摘する専門家もいる。こうした人たちのなかには、押し目買いのチャンスと主張する人も多い。だが北朝鮮をめぐる動きには、予測できない不気味さがある。今週もリスク回避の動きは続く公算が大きい。やはり北朝鮮の動向が焦点になる。

今週は19日に、3月の訪日外国人客数。20日に、3月の貿易統計。21日に、2月の第3次産業活動指数。アメリカでは17日に、4月のNAHB住宅市場指数。18日に、3月の工業生産と住宅着工戸数。20日に、3月のカンファレンス・ボード景気先行指数。21日に、3月の中古住宅販売。また中国が17日に、1-3月期のGDP速報、3月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。なお23日は、フランス大統領選挙の第1回投票日。

      ≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ


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日本円は 安全資産なのか? (上)
2017-04-18-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ リスク急増で円高・株安に = アメリカ軍が動き出した。まずイラクの空軍基地をミサイル攻撃。次いで空母カールビンソンを中核とする強力な艦隊が朝鮮海域に集結。さらにアフガニスタンのイスラム国拠点に新型の大型爆弾を投下。かくして世界の緊張感は一挙に高まった。金や国債、それに日本円が買われ、株式が売られている。

リスクが高まると、円高が進行する。今回も円の対ドル相場は108円台にまで急騰した。こんなとき新聞は、その説明に「安全資産の円が買われた」と、しばしば書いている。このブログも、それにつられてそう書いてきた。だが金や国債が安全資産というのは判るが、日本円がなぜ安全資産なのだろう。

たとえば01年9月11日に起きた同時多発テロ事件のときなら、理解できないこともない。アメリカは未経験の緊張感に覆われたが、日本はいわば圏外。円が安全通貨とみられても不思議はない。しかし今回は地理的にも近い北朝鮮が、震源地になる可能性を秘めている。現に北朝鮮の高官は「日本も標的になる」と公言したぐらいだ。

外国為替市場で、日本円安全資産だと考えて買っている人がいたら聞いてみたい。こういう人たちは、戦争は絶対にないと確信しているのだろうか。それなら円買いも判らないではない。しかし本当に戦争の心配がないのなら、経済的なリスクも小さいのではないか。どうも矛盾するような気がする。

                                (続きは明日)

      ≪17日の日経平均 = 上げ +19.63円≫

      ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ


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日本円は 安全資産なのか? (下)
2017-04-19-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 円高の真犯人は日銀の低金利政策 = トランプ大統領は、完全に北朝鮮に照準を合わせたようだ。シリアへのミサイル攻撃もアフガニスタンでの大型爆弾投下も、北朝鮮に対する一種の警告だとみられている。こうして東アジアの緊迫感は一気に高まったが、その影響をいちばん受けやすいのは日本と韓国だ。特に韓国の場合は北朝鮮と地続きだから、リスクは日本より大きいはずである。

ところが4月に入ってからの市場動向をみると、韓国のウォン相場はやや下落。総合株価指数は上昇傾向にある。投資家はあまりリスクを感じていないようにも見受けられる。これに対して、日本の市場では円が急騰、株価は下落した。その根本的な原因は、いったい何なのだろう。

突き詰めて行くと、こういう理屈にたどり着く。内外の投機筋は金利の安い日本で円を調達、それを日本以外の国で投資・運用していた。ところが世界的にリスクが高まったため、投資先から資金を引き揚げ、日本円に換えて債務を返済した。その結果、円の需要が増大し、円相場の高騰を招いたという理屈である。

この理屈ですべてを説明できるとは思えないが、ほかに円高の原因はトランプ大統領の口先介入ぐらいしか見当たらない。だとすれば、リスク増⇒円高の主たる原因は、円資金が超低金利で借りられたことにある。日銀のマイナス金利政策が、すべての根源だという結論に達するわけだ。

      ≪18日の日経平均 = 上げ +63.33円≫

      ≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ


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いよいよ始まった 日米経済対話
2017-04-20-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 焦点は農産物と為替 = 日米経済対話の初会合が18日、東京で開かれた。麻生財務相とペンス副大統領との会談では、今後の話し合いを①貿易・投資のルール作り②経済財政・構造政策での協力③個別分野--の3本建てで進めることを確認。同時に別の場所で世耕経済産業相とロス商務長官も会談するという、異例のダブル・シフトになった。ただ今回の会合は始球式のようなもの。実際の厳しい交渉は、5月末ごろからになるとみられている。

というのも、アメリカ側は商務省やUSTR(通商代表部)の人事発令が遅れているため。人事が整うと、ペンス副大統領は北朝鮮問題などをからめて日本側に圧力をかける。ロス商務長官はUSTRとともに、具体的な経済問題で攻勢をかける。こんな役割分担になってくるだろう。

いずれにしても、交渉の焦点は日本の農産物輸入と為替相場になる。このうち農産物の輸入関税引き下げについては、日本側はTPP(環太平洋経済連携協定)で決まった水準を死守する方針。しかし、ここで大きな問題になるのは、日本政府がTPPでの合意内容を明らかにしていないことだ。したがって日米交渉が妥結したとき、日本の国民はその水準をTPPと比較することができない。

為替相場については、適正な水準など決められるはずもない。ただアメリカ側は、日銀の低金利政策が円相場を不当に下げていると指摘してくる可能性が高い。日本側は低金利政策は景気浮揚のために必要だと防戦するだろうが、日銀が国債を買い入れにくくなることは事実だろう。この心理的圧迫が、景気や株価にどう響くか。大きな問題である。

      ≪19日の日経平均 = 上げ +13.61円≫

      ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ


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怯える“6分の1”の確率 : フランス大統領選挙
2017-04-21-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 4候補の支持率がほぼ横一線 = フランスの大統領選挙は、第1回の投票が23日に実施される。有力候補は①国民戦線のルペン党首②無所属のマクロン前経済相③共和党のフィヨン元首相④左翼党のメランション氏の4人に絞られた。ところが、この4候補の支持率は全く伯仲。たとえばル・モンド紙の最新調査では、ルペン氏とマクロン氏がともに22%、メランション氏が20%、フィヨン氏が19%といったぐあい。

問題は4氏が掲げる政策綱領だ。まずルペン氏は反EU、イスラムや移民の排除を公約している。次にメランション氏もEUには批判的、移民の受け入れにも厳しい。これに対してマクロン氏はEU支持派、移民に対しても寛容だ。フィヨン氏もこれに近い。つまりルペン氏あるいはメランション氏が大統領になると、フランスのEU離脱が現実性を増すことになる。

現状では23日の第1回投票で、過半数がとれそうな候補はいない。すると上位2候補の間で、5月7日に決選投票が行われる。現地の分析によると、仮にルペン氏とマクロン氏の決選投票になった場合は、反ルペン氏の票が集結してマクロン氏が勝つ見込みだという。それならEU離脱の心配もなくなるわけだが、実際にはそうもいかない。

仮に4候補の支持率が全く同じだとすると、第1回投票でルペン氏とメランション氏が選ばれる確率は6分の1。そうなると決選投票でどちらが勝っても、EU離脱の危険性が出てくる。それを嫌気して、すでにフランス国債は売られ始めた。そういう意味では、5月の決選投票よりも23日の第1回投票が重要。専門家はそうみている。

      ≪20日の日経平均 = 下げ -1.71円≫

      ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 水の 経済学 ④
2017-04-22-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本の降水量は世界平均の2倍 = もし1時間に100ミリもの大雨が降ったら、必ず洪水の被害が発生するだろう。なにしろ、その地域に1時間で10センチの水が降り注ぐ。地面はその水を吸収し切れず、水は低い方に流れて、あっと言う間に水嵩を増すからだ。そこでクイズを1つ。日本全体に降る雨や雪の量は、年間どのくらいでしょうか。

答えは、平均で1690ミリ。量にすると、6400億立方メートルということになる。このうち利用可能な水は4100億立方メートル。実際に使われている水は809億立法メートルと推計されている。この日本の降水量は、世界平均の約2倍。したがって、日本は水資源に恵まれた国だと言ってもいいだろう。

だが降水量は、年によって大きく変わる。たとえば少雨の年の利用可能な水量は、2800億立方メートルに落ち込んでしまう。また降水量の地域差も大きい。だから古くから人々は河川の氾濫と戦う一方で、水の確保にもチエを絞ってきた。堤防や放水路の建設や貯水池の設置など、全国各地に歴史的遺産が残されている。

瀬戸内海を囲む中国、四国地方は、比較的に雨が少ない。そのうえ河川は急流が多く、水は一気に海へ流れ出してしまう。そこで人々は、各所に溜め池を設置した。いまでもこの地方には6万5000か所の溜め池が存在する。なかで最大の溜め池は香川県の満濃池。弘法大師が改修したと伝えられて有名である。

                                   (続きは5月6日)

      ≪21日の日経平均 = 上げ +190.26円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2017-04-23-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第13章 国際収支って、なんだろう? ⑫

◇ 原発停止で大赤字 = こんどの大嵐は、08年3月の東日本大震災が発生源になりました。福島第1原発が事故を起こして原発の安全性に疑問が生じたため、すべての原発が運転を停止したのです。震災の前は全国で54基の原発が動いており、必要な電力の約3割を供給していました。

原発停止による電力の不足分を補うため、電力各社は火力による発電を増強しました。この結果、火力発電で燃やす石炭や重油、あるいはLNG(液化天然ガス)などの燃料輸入が急速に増大。貿易収支が赤字になってしまったのです。たとえば07年度の貿易収支は10兆2000億円もの黒字を出していました。

それが13年度になると、13兆8000億円の赤字です。この間、輸出も減ったのですが、輸入が14兆円も増えました。その大部分が火力発電用の燃料です。一例をあげると、LNGの輸入額はこの間に3兆5000億円から7兆3000億円に。2倍以上も増えています。

原発が動かない。その分を火力発電で補う。この状態はまだ続いています。ただ貿易の赤字は15年ごろから少なくなり、16年以降は黒字になっています。これは原油価格が大幅に下がったこと、それに円安が進んで輸出が回復したことによるものです。

                                  (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2017-04-24-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ リスク回避と押し目買いの綱引き = 朝鮮半島の情勢が緊迫し、フランス大統領選挙の投票日が迫るなかで、日米の株価はともに上昇した。ダウ平均は先週95ドルの値上がり。小売り売上高や消費者物価が事前の予想を下回るという悪材料も出たが、主要企業の3月期決算では利益が前年を上回るという予測も発表された。リスク回避で投資資金の一部は株式から債券、金に流れたが、この好決算予想をバックに押し目買いが入っている。

日経平均は先週285円の値上がり。このところの下げで、株価の割安感は強まっている。たとえば東証1部の騰落レシオは60%台にまで下がり、PER(株価収益率)も16倍を割っている。絶好の買い場だと考える投資家は多いが、北朝鮮リスクの圧力は大きく、それほど押し目買いは出ていない。その代りに先週は日銀が活発に買い出動して、株価を押し上げた。

今週は23日にフランスの大統領選挙。EU擁護派の候補が勝ち残れば、市場は一安心。しかし25日は北朝鮮人民軍の創建85周年記念日。アメリカの空母カール・ビンソンも日本海に到達する。なにしろ政府が「ミサイル警報が発令されたら」という広報を出しているくらいだから、下値を拾うにも相当の勇気が要るだろう。

今週は25日に、3月の企業向けサービス価格。26日に、2月の全産業活動指数。28日に、3月の労働力調査、家計調査、鉱工業生産、消費者物価、商業動態統計、住宅着工戸数。アメリカでは25日に、3月の新築住宅販売と4月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。27日に、3月の中古住宅販売。28日に、1-3月期のGDP速報。また中国が30日に、4月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

      ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ


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勢い増す 国家分断の濁流
2017-04-25-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ EU崩壊は遠のいたが・・・ = フランス大統領選挙の第1回投票が23日行われ、中道・無所属のマクロン前経済相と極右・国民戦線のルペン党首が勝ち残った。決選投票は5月7日に実施されるが、反ルペン陣営が結束し、マクロン氏が当選すると予想されている。マクロン氏はEU堅持を表明しており、フランスがEUを離脱する可能性はほぼ消滅した。

この結果を受けて、為替市場ではユーロが急騰。東京市場の株価も大幅に上昇した。だが反EU・反移民を掲げたルペン氏が高い賛成票を獲得したことは、見逃せない事実。今後に大きな影響を及ぼすことは間違いない。特に年内に実施されるドイツとイタリアの総選挙に、どう響くかが注目される。

また世界的にみても、一つの重大な傾向が明瞭になった。仮にマクロン氏がフランスの大統領に就任しても、国民の半数に近い人々が反対派に回ってしまう。EUと移民の問題を巡って、フランスは国内が分断される可能性が大きい。すでにイギリスでも同じ問題を巡って、世論は2分されている。アメリカでも、トランプ支持と不支持の人たちが拮抗して対立する状態にある。

こうしてアメリカ、イギリスに続いて、フランスの国内も分断される状況に陥った。そうしたなかで、日本はまだ圏外にある。しかし人手不足を補うため、日本でも外国人労働者の受け入れは急増する可能性が高い。そんなときに外国人の受け入れで国論が二分されるような事態が起こらないよう、政府・与野党はいまから十分な準備と対応をしておく必要があるだろう。

      ≪24日の日経平均 = 上げ +255.13円≫

      ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ


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米抜きTPPは 至難のワザ (上)
2017-04-26-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本にアメリカの代役は務まるのか = アメリカ抜きのTPP(環太平洋経済連携協定)を再構築する。安倍首相はこれまで「アメリカが参加しないTPPは意味がない」と繰り返し発言してきたが、その方針を大転換することになった。来日したペンス米副大統領が「TPPはアメリカにとっては過去のもの。だからアメリカは加わらないが、日本がやるならどうぞ」と囁いたからだという説も広がっている。

政府はまず5月11-12日にカナダで開く主席交渉官会議で、この方針をTPPに参加した10か国に伝える。そのうえで、5月下旬にベトナムで開く閣僚級会合で正式に提案する。最終的には11月に予定されるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で、正式に決定したい考え。このスケジュールについては、10か国の多くがすでに賛同しているという。

問題となるのは、TPP再構築の内容だ。アメリカが抜けたため、協定文は作り直さなければならない。しかし日本政府は、関税の引き下げ率などTPP交渉で決まった具体的な内容については変更しない方針。だが、この点では各国から異論が続出しそうな雲行きである。

たとえばベトナムやマレーシアなどは、アメリカが輸入関税を引き下げることの見返りとして、建設・小売り・金融に対する外資規制を緩和した。そのアメリカがいなくなったのだから、規制緩和はできないと主張するに決まっている。日本がアメリカの代役を務めれば、その問題は解決できるが日本にそんな余裕はない。

                              (続きは明日)

      ≪25日の日経平均 = 上げ +203.45円≫

      ≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ≫  


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米抜きTPPは 至難のワザ (下)
2017-04-27-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 戦略が見えない方針転換 = ある会社の営業部が、町の居酒屋で新年会を開くことにした。会費は1人3000円。ただし部長は1万円、課長は5000円出すことになっていた。ところが部長が急に欠席するという。課長がその分を払ってくれればいいが、そうでなければみんなの会費が高くなってしまう。たとえてみればアメリカ抜きのTPPは、こんな状況だ。

この場合、課長である日本が余分に負担することは、農畜産物の輸入関税をTPPの水準よりさらに引き下げることを意味する。そんなことをすれば、農畜産業界から猛烈な反対運動が巻き起こることは明らかだ。選挙を前に政府・与党としては、動けるはずもない。課長が負担を増やさずに、新年会を開く方策はあるのだろうか。

その一方で、新聞各紙の報道によると、政府はアメリカが考え直してTPPに復帰することを期待しているという。もしそうなら、11か国が集まってTPPの条文を手直しする必要はないはずだ。こうした矛盾点が伝えられるのも、政府に一貫した戦略がないためだとも考えられる。

アメリカ抜きでTPPを実現しようという目標は、決して悪くはない。だが、それにはかなりの負担増を受け入れる覚悟が必要である。また中国が熱意を示しているRCEP(東アジア地域包括的経済連携)や、近く始まるアメリカとの2国間FTA(自由貿易協定)との整合性など。政府はどう考えているのか。どうも確固とした通商戦略が、全く見えてこない。

      ≪26日の日経平均 = 上げ +210.10円≫

      ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ


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小姑みたいな 総務省 : ふるさと納税
2017-04-28-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 自治体をもっと信頼したら = 「返礼品の価格は寄付額の3割までにしなさい」「電子機器や時計、宝飾品はダメ」ー-総務省が全国の自治体に対して、ふるさと納税の返礼品について細かい指示を出した。自治体のなかにはさっそく金額を下げたところもあるが、応じないところも多い。指示に従わない自治体に対して、総務省は個別に指導する方針だ。

ふるさと納税制度は、どこかの自治体に寄付をすると、寄付額から2000円を差し引いた分の税負担が減る仕組み。多くの自治体からは、寄付額に応じた返礼品が受け取れる。08年度から始まり、15年度の寄付額は1653億円に達した。総務省は返礼品を規制することについて「地元住民のために使うという本来の趣旨に合わないから」と説明している。

だが自治体が選定する返礼品は、牛肉やくだもの、電子機器や時計にしても、すべてが地元の生産物だ。返礼品が多額になれば、それだけ地元の産業振興につながる。また返礼品を通じて、地域の知名度も上げられるわけだ。そうした効果も計算に入れて、寄付額の4-5割をお礼としてきたところが多い。

各自治体は、それなりに計算し、知恵を絞ってきた。ところが総務省の規制は、こうした自治体の自己努力を抑圧してしまう。もっと地方自治体を信頼してもいいのではないか。この問題に限らず、総務省は自治体の活動に口を出し過ぎるきらいがある。これでは地方の創生など覚束ない。

      ≪27日の日経平均 = 下げ -37.56円≫

      ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2017-04-30-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第13章 国際収支って、なんだろう? ⑬

◇ 所得収支が大幅な黒字 = おわりに16年の国際収支をみておきましょう。まず経常収支の総計は20兆6500億円の黒字でした。このうち貿易収支は5兆5800億円の黒字。輸出は68兆9000億円で前年比8.5%減少しましたが、輸入は63兆3000億円で16.6%も減少しました。

輸出も減りましたが輸入の減り方がとても大きく、貿易収支が黒字になったわけです。輸入の減少は、原油やLNG(液化天然ガス)の輸入価格が大幅に下がったことによるものです。一方、サービス収支は旅行部門が黒字でしたが、その他が赤字だったため9700億円の赤字。この結果、貿易サービス収支は4兆6000億円の黒字となっています。

また所得収支は海外での証券投資収益が減少したため、前年に比べると黒字が2兆7000億円ほど縮小しました。それでも黒字額は16兆円と、きわめて大きな金額になっています。これは主として日本の企業が、海外での投資活動を拡大した結果と言えるでしょう。

日本の経常収支は過去20年以上にわたって、ずっと黒字を続けています。貿易収支が赤字を出しても、所得収支がその分を補って全体を黒字に押し上げているからです。しかも所得収支の黒字は増加する傾向にありますから、よほどのことがない限り経常収支の黒字は今後も持続するでしょう。

      ≪28日の日経平均 = 下げ -55.13円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】

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