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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
今週のポイント
2017-05-01-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ “有事の円高”は修正された? = 先週の株価は予想以上に反発した。フランスの大統領選挙でEU離脱の危機が薄まったことから、週の前半に大きく上げている。トランプ大統領の税制改革案が発表されたが、実現性に対する疑問もあって市場の評価はまちまち。一方、北朝鮮の戦争リスクに関して、投資家の多くは様子見の姿勢を強めている。

ダウ平均は先週393ドルの値上がり。日経平均も576円の上昇だった。こうしたなかで、注目されるのが円相場の動き。これまでは国際情勢が緊迫感を強めると、安全資産だと言われて円が買われた。しかし今回、円の対ドル相場はほとんど動いていない。さすがに北朝鮮の場合は、地政学的にみて円を安全資産とみるわけにはいかない。為替市場は従来の考え方を、こう変えたのだろうか。

アメリカ経済は、いま微妙な局面を迎えている。個人消費が勢いをなくし、GDPも減速した。にもかかわらず物価は騰勢を強めている。こうした状況で、FRBは利上げを強行するのか。トランプ政権の税制改革を、議会が認めるのか。ニューヨーク市場は、いくつもの問題に解を求めなければならない。一方、来週の東京市場は連休で休眠状態に入る。

今週は1日に、4月の新車販売台数。アメリカでは1日に、4月のISM製造業景況指数。2日に、4月の新車販売台数。3日に、4月のISM非製造業景況指数。4日に、3月の貿易統計。5日に、4月の雇用統計。またEUが3日に、1-3月期のGDP速報を発表する。なお7日は、フランス大統領選挙の決選投票日。

      ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ≫ 


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「たら、れば」の トランプ税制改革案 (上)
2017-05-02-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 法人税は2兆ドルの減税を目指す = トランプ米大統領は先週、大規模な税制改革の基本方針を発表した。その中核は法人税の大幅な引き下げ。現在35%の連邦法人税を一気に15%まで下げる。これによる減税額は10年間で約2兆ドル、企業の負担は単純平均で年間2000億ドル(約22兆円)も軽減される。これまで先進国のなかで最も高かったアメリカの法人税は、日本やヨーロッパ諸国を追い越して最も低い水準になる。

だが基本方針が発表された日、ニューヨーク市場の株価は小幅ながら値下がりして終わった。大幅減税は大歓迎だが、どうにも財源が見当たらない。「出来たらいいな」程度の感触しか残らなかったからである。財源の問題について、ムニューシン財務長官は「経済成長率が3%台に戻れば、10年で2兆ドルの税収増が期待できる」と説明したが、市場は「出来ればいいね」ぐらいの反応しか示さなかった。

法人税に関連しては、アメリカ企業が海外に留保している資金を国内に戻す場合、1回に限って35%の税率を10%に軽減する。この措置によって資金が国内に還流し、設備投資や配当に向けられることを期待するわけだ。同様の措置は05年にも実施され、このときは1200億ドルの資金が還流した。しかし結果として、大幅なドル高を招いている。今回も実現すれば、かなりの円安要因になるだろう。

輸出品については税金を下げ、輸入品の税金は上げる。問題となった国境調整税は見送られた。輸入物価の高騰を懸念する小売り業界の反対が強かったため。またドル高の進行要因となるので、取り止めにしたと思われる。国境調整税が導入されると日本の輸出にも大きな影響が出るが、今回は一応その心配がなくなった。

                                   (続きは明日)

      ≪1日の日経平均 = 上げ +113.78円≫

      ≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ


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「たら、れば」の トランプ税制改革案 (下)
2017-05-03-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 史上最大の減税政策 = 個人所得税についても、大幅な税制改革を断行する。現行の最高税率39.6%を35%に引き下げ、7段階ある税率階層を10%、25%、35%の3段階に集約する。また基礎控除も引き上げることにしている。これにより高所得者と低所得者に大きな恩恵が及ぶようにし、消費の増大につながることを期待した。このほか相続税は全廃。株式譲渡益などにかかるキャピタル・ゲイン課税も、現行の23.8%から20%に引き下げる。

仮にこうした減税がすべて実行されると、減税総額は約4兆ドルにのぼると試算されている。01年に実施されたブッシュ減税の約4倍という規模だ。このためトランプ政権は「歴史に例を見ない減税だ」と、アピールに余念がない。しかし4兆ドルもの財源をどこに見出すのか。そこが明瞭でないから、関係者も「たら、れば減税」だと受け取ってしまう。

法人減税については、共和党も20%への引き下げを提案している。ただ党内の財政節度重視派と民主党が反対に回れば、成立の見込みはなくなる。そこでトランプ大統領がオバマ・ケアの廃止を断念すれば、引き換えに民主党が賛成に回る可能性がないではない。ただし個人所得税などの財源や成立の可能性については、全く五里霧中と言っていい。

いずれにしても、この問題の決着は早くても秋以降になりそうだ。これも「たら、れば」の話になってしまうが、もし法人税の引き下げと相続税の全廃が実現したら、国際的に税率の引き下げ競争が巻き起こる公算が強い。法人税が高すぎると、企業が海外に逃避しやすい。相続税は主要国では姿を消すから、日本人も資産を海外へ移すようになるかもしれない。

      ≪2日の日経平均 = 上げ +135.18円≫

      【今週の日経平均予想 = 1勝1敗】  


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「人手不足 = 好景気」 は 幻覚
2017-05-04-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 求人倍率はバブル期並み = 人手不足が、ますます深刻になってきた。総務省が発表した3月の労働力調査によると、就業者は6433万人で51か月連続の増加。失業者は188万人で、同じく51か月続けて減少した。失業率は2.8%と完全雇用に近い状態を示している。一方、厚生労働省が集計した3月の有効求人倍率は1.45倍。バブル期だった1990年11月以来の高水準に達している。

常識的に言うと「人手不足は好景気が続いた結果、労働力に対する需要が強まり過ぎて生じる」現象である。だが現在は世間一般に、好景気という感じは乏しい。じっさい90年の経済成長率が5.57%だったのに対し、ここ数年の成長率は1%前後にとどまっている。日本経済の拡大スピードは当時の5分の1以下に減速しており、好況感は生まれにくい。にもかかわらず、人手不足は進行する。なぜなのか。

答えは、働き手が減少しつつあることに求められるだろう。就業者と失業者を合計した労働力人口は97年のピークから減り続け、この3月には6621万人となった。この間に180万人も減少している。さらに今後も急速に減少して行く見込みだ。したがって現在の人手不足は労働力に対する需要超過よりも、供給不足による面が大きいと言える。

政府や日銀は、こうした雇用統計の結果は景気の回復を示すものであり、アベノミックスの成果だと強調する。安倍首相に対する忖度なのかもしれない。だが中小企業の経営者などは「景気はいい」などと聞かされると、逆に「自分の会社は取り残されている」と感じてしまう。その結果は守りの姿勢に入り、設備投資や賃上げに二の足を踏むようになる。


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サタデー自習室 -- 水の 経済学 ⑤
2017-05-06-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本人は1人1日平均290リットルを使用 = 国土交通省の推計によると、日本の水使用量は13年度で802億立方メートルだった。用途別にみて最も多いのは農業用水で540億立方メートル。次いで工業用水が476億立方メートル、生活用水が151億立方メートルとなっている。ただ工業用水は多くが再利用されており、その分を除くと111億立方メートルにとどまる。

水の総使用量は1990-95年がピークで、年間の使用量は889億立法メートルに及んでいた。その後は耕作面積の減少や節水技術の進歩で、農業用水と工業用水の使用量は減る傾向にある。特に大量の水を使う化学工業、鉄鋼業、紙・パルプ工業で、再利用技術が向上した影響が大きい。一方、生活用水の使用量は横ばい傾向を続けている。

日本の水道普及率は、13年度末で97.7%にのぼる。このため生活用水のほとんどは、水道の使用によるものだ。用途別にみると、最も多いのが風呂で全体の40%、次いでトイレが22%、炊事が17%、洗濯が15%などとなっている。国民1人が1日で使う平均の使用量は289.6リットル。四国が最大で317リットルなのに対し、最低は北九州の257リットル。その原因はよく判らない。

国連の統計によると、世界の水の使用量は16年で3983立方キロメートル。日本は81.5立方キロメートルだった。使用量が多いのはインドが761立方キロメートル、中国が608立方キロメートル、アメリカが486立方キロメートルなど。総人口や耕作面積の差によるが、人口で割ってみても日本の使用量は割と少ない。

                                 (続きは来週サタデー)


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2017-05-07-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第14章 景気対策って、なんだろう? ①

◇ 「景気」とは経済活動の状態を示す言葉 = 最初に「景気とは何か」について、おさらいをしておきます。みなさんは「景気がいい」とか「景気が悪い」という言葉を、よく聞くでしょう。たとえば「あの会社は景気がよさそうだね」とか「あの商店街は景気が悪いね」とか。このように「景気」という言葉は、会社やお店の経済活動が活発かどうかの状態をを示しています。世界や国全体、あるいは一部の地域、それに個人の経済活動についても使われる言葉です。

それでは「景気がいい」状態とは、具体的にどういう状態でしょうか。それは、おカネの出入りが活発な状態と考えていいでしょう。たとえばパン屋さんの場合、売り上げが増えておカネが入ってくる。だから小麦粉など材料の仕入れも増えて、おカネが出て行く。こういう状態が強まって行くと、利益も増えます。これが「景気のいい」状態。反対に活動が弱まって行くと「景気は悪く」なります。

日本全体の景気は、ふつう経済成長率で計ります。たとえばある1年間に、日本中の会社や個人がどのくらい経済活動をしたか。これを表すのがGDP(国内総生産)と呼ばれる統計です。このGDPが前の年に比べてどう変化したかを示すのが、経済成長率。前年より大きく伸びれば景気はいいし、前年を下回れば景気は悪いということになります。

一国の経済は、常に拡大したり縮小したりします。経済の拡大期は景気もいいわけですから、放っておいても安心です。しかし経済の拡大スピードが遅くなったり縮小したりすると、景気は悪くなってしまいますね。こんなときに政府や日銀が世の中におカネを放出して、景気の悪化を防ぐ。これが景気対策と言われる政策です。

                                  (続きは来週サタデー)   


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今週のポイント
2017-05-08-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ ダウは2万1000ドルを回復 = ダウ平均株価は先週4つのイベントに直面しながら、週間では66ドルの値上がり。終り値では2か月ぶりに2万1000ドルを回復した。4つのイベントとは、1-3月期のGDP速報、FRBの政策決定会合、4月の雇用統計、そしてフランスの大統領選挙である。このうちGDP速報とフランスの選挙は株価にとってマイナス要因、FRBと雇用はプラス要因として働いた。

1-3月期の実質成長率は年率0.7%に急減速。しかし4月の非農業雇用者数が21万1000人も増えたことで、景気の先行きに対する不安感はほぼ消え去った。FRBが金利を据え置いたことは、すでに織り込み済み。フランスの選挙は8日にならないと結果が出ないため、不安要因として残っていた。株価はこうした4つの要因をこなして、小幅に上昇したわけである。

フランスの選挙でマクロン候補が勝てばEU離脱の可能性がなくなり、ニューヨーク市場の株価は今週も上昇傾向を維持するだろう。一方、日経平均は先週249円の値上がり。連休の谷間だったが、下値を拾う動きは予想以上に強かった。ただ気になるのは、東京の国債市場が機能を停止したこと。これが今週の為替市場にどんな影響を及ぼすのか、注目して行きたい。

今週は8日に、4月の消費者態度指数。9日に、3月の毎月勤労統計。10日に、3月の景気動向指数。11日に、3月の国際収支と4月の景気ウォッチャー調査。アメリカでは11日に、4月の生産者物価。12日に、4月の消費者物価、小売り売上高と5月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が8日に、4月の貿易統計。10日に、4月の消費者物価と生産者物価を発表する。なお9日には、韓国の大統領選挙が実施される。

      ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ


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金融引き締めの 行程表 / アメリカ
2017-05-09-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 年末には国債など売り戻しへ = アメリカの中央銀行であるFRBは5月3日のFOMC(連邦準備理事会)で、政策金利の据え置きを決定した。この措置は市場の予想通りだったため、関係者には素直に受け入れられている。その一方でイエレン議長はじめFRB幹部の言動から、FRBが想定する今後の引き締め計画の行程表がかなり明らかになってきた。

FRBは一昨年12月から、金融政策を引き締めの方向に転換した。その後は昨年12月とことし3月にも、政策金利を小幅に引き上げている。この3月の利上げ時に、イエレン議長は「年内にあと2回の引き上げをしたい」と意中を漏らした。さらに最近になって「年末からは資産の売却を始めたい」とも述べている。

仮にこの計画通りなら、6月には4回目の金利引き上げを実行しなければならない。なぜなら12月の資産売却と利上げを同時に行うと、引き締め効果が強くなりすぎる。そこで市場は「6月と9月に利上げ。そのあと間を置いて12月に資産の売却」という行程表しかないと考え始めた。

景気動向も、この行程表を支援する状況にある。1-3月期のGDP成長率は0.7%に急減速したが、その後に発表された4月の雇用統計は大きく持ち直し、景気の先行きに対する不安感は一掃されたようだ。こうしてアメリカの金融引き締めが予定通りに進行すると、日米間の金利差は拡大。為替市場ではドル高・円安の力が働くはずだが、どうなるか。

      ≪8日の日経平均 = 上げ +450.00円≫

      ≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ


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国債市場を枯死させた 日銀 (上)
2017-05-10-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 消失した長期金利 =権威ある日経新聞の電子版。いつも載っている経済指標欄の長期金利が「・・・」と記載されていた。1日の朝から終日、そして2日の午前中も。長期金利は住宅ローンや地方債の金利が連動する、きわめて重要な指標だ。それが1日半にもわたって消えたのは、前代未聞のことである。と言って日経新聞のミスではない。実際にこの間、長期金利は消滅していたのだ。

長期金利は、市場で取引される10年もの国債の売買価格で決まる。買い物が多ければ国債の価格は上がり、利回りは下がる。売り物が多ければ、その逆になる。その際に算出される利回りが、長期金利。先週1-2日はちょうど連休の谷間で市場の参加者が少なく、売買が成立しなかった。このため長期金利は「・・・」になってしまった。

だが長期金利が消えた根本的な理由は、ほかにある。それは流通する国債の数量が、極端に減少していること。その原因は、日銀が大量の国債を買い占めていることにある。日銀は13年4月に異次元緩和を始めて以来、これまでに500兆円もの国債を買い入れた。この額は、国債発行総額のじつに4割に当たる。

特に最近の買い入れ額は、新規に発行される国債の額を上回っている。したがって市場で流通する国債の額は、日に日に減少しているわけだ。本来、国債市場は1か月に1000兆円の商いがあるほどの巨大市場。それが連休の谷間だったとはいえ、商いがゼロになった。この現象は、近い将来に重大な問題を惹き起こす可能性があることを暗示している。

                                 (続きは明日)

      ≪9日の日経平均 = 下げ -52.70円≫

      ≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ


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国債市場を枯死させた 日銀 (下)
2017-05-11-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 異常事態はいつまで続く = 長期金利が少し上昇すると、日銀は国債の買い入れを増やして金利の動きを止めてしまう。このため国債の流通価格は、ほとんど変動しなくなった。投資家にとってはウマ味がなくなったわけで、市場への参加者も少なくなる。要するに国債市場は、日銀のコントロール下に置かれてしまったと言ってもいい。こんな異常事態は、いつまで続くのだろうか。

日銀も現状が異常な状態であることは、よく認識している。しかし、どうしようもない。もし国債の買い入れを減らせば、市場は自由度を取り戻す。だが金利は上昇してしまい、景気対策としての量的金融緩和は役割を終えることになる。アベノミックスも崩壊するわけで、日銀としてはとても決断できない。

政府が国債をさらに増発すれば、事態は改善する。だが現在の経済状態では、その実現性はない。それよりも起こりうるのは、アメリカが注文を付けてくることだ。日銀の国債買い入れは金利をゼロ近辺に釘付けし、円安を促す役割も演じている。近く始まる日米の経済会合で、トランプ政権がこの点を攻撃してくる可能性は決して小さくない。

近い将来に景気が大幅に改善すれば、日銀も国債の買い入れ量を減らせるだろう。だが景気が回復しないと、日銀の国債保有量はどんどん膨らみ、国債市場はさらに枯渇。その機能を全く停止する日を迎えるかもしれない。そのとき東京の株式市場、為替市場、ひいては日本経済全体にどんな影響が及ぶのか。いまから予想はできない。

      ≪10日の日経平均 = 上げ +57.09円≫

      ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ


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小学校にお願いしたら : 保育所不足
2017-05-12-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 1教室を空けてもらえないか = 保育所に入れず、順番待ちをしている待機児童の数が減らない。厚生労働省の調査によると、その人数は昨年4月時点で2万3553人。都道府県別では、東京都の8466人が突出している。その東京都のなかでも、いちばん多いのが世田谷区で8466人の待機児童を抱えていた。いまでも人口の増加が続いている世田谷区は、全国でも有数の激戦区だろう。

その世田谷区には、区立の小学校が63校ある。人口が23区でもトップだから、学校の数も多い。小学校の生徒数も、ここ4年間で2600人ほど増えている。しかし1クラス当たりの生徒数は、少ない学校で21.8人。多いところでも36.2人だ。1クラスの生徒数は、少ない方がいいに決まっている。だが1クラスの生徒数を2-3人増やすことで、なんとか教室を1つ空けてもらえないものだろうか。そこに保育所を併設する。

人口減少・少子化の波は、こうした激戦区にも間もなく押し寄せる。現に世田谷区の場合も、幼稚園の数はもう減り始めている。小学生の数もやがて減るだろう。そのときは保育所だけでなく、小学校の一部を高齢者向けの施設としても開放する。いまから、そういう体制作りを始めておくことは、世田谷区にとってもマイナスではないだろう。

世田谷区の小学校は、すべて耐震工事を終えている。小学校の構内ならば、警備もしやすい。小学生と乳幼児の触れ合いが生まれるかもしれない。近隣の住民から「声がうるさい」と苦情がくることもなさそうだ。問題は小学校が文部科学省、保育所が厚生労働省の管轄にあること。この両省が、この問題で話し合ったことはあるのだろうか。

      ≪11日の日経平均 = 上げ +61.46円≫

      ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ


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サタデー自習室 -- 水の 経済学 ⑥
2017-05-13-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本の水道水は安全で美味しい = 日本を訪れた外国人がまず驚くのは「電車が時刻表通りに来ることと、水道の水を安心して飲めること」だという。たしかに公園の水飲み場でも、子どもたちが群がって飲んでいる。日本人にとっては当たり前のことだが、世界ではむしろ珍しい現象だ。水道水を安心して飲める国は、世界中を探しても10数か国しかない。

世界の地下水は、大別して硬水と軟水に分けられる。カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分を多く含むのが硬水。少ないのが軟水だ。日本の水道水はすべて軟水。ヨーロッパ大陸諸国の水道水は硬水だ。もちろんフランスやドイツの水道水も飲むことはできるが、慣れないと下痢を起こしやすい。

日本の水道水は高度な浄水処理をしたあと、殺菌消毒までしてある。しかも無味無臭に近いから、安心して美味しく飲めるわけだ。だが、その日本の水道水も地域によって軟水の度合いがかなり違うことを知っている人は少ないだろう。化学的に、軟水は1リットル当たりのミネラル含有量が120ミリリットル未満と決められている。

そこで各都道府県の水道水について、ミネラルの含有度を調べてみると――。いちばんミネラルを多く含んでいるのは沖縄県の水道水で、含有度は84.006ミリリットル。次いで千葉県が81.775ミリリットル。少ないのは愛知県が26.476ミリリットル、山形県が27.801ミリリットルなど。酒どころと言われる地方の含有度が低いようだ。なお東京都は65.304ミリリットル、大阪府は44.084ミリリットルである。

                                   (続きは来週サタデー)

      ≪12日の日経平均 = 下げ -77.65円≫

      【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】                 

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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2017-05-14-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第14章 景気対策って、なんだろう? ②

◇ 財政面では予算の増額か減税 = 景気対策は政府が実施する財政政策と、日銀が行う金融政策に分けられます。このうち、まず財政政策について説明しましょう。財政面からの景気対策は、すべて予算を通じて実行されます。たとえば、ある年度の予算額が前年度の予算額より1割多くなったとします。すると政府が世の中に放出するおカネは、前の年より1割多くなりますね。これが景気の押し上げ要因になるのです。

予算は年度の途中でも、増やすことができます。これを増額補正予算と言って、年度の途中で景気が悪くなったり大災害に見舞われたときに編成されます。これも追加された金額だけおカネが放出されますから、経済に与える影響は当初の予算を増額した場合と同じですね。国の歳出も、同じ額だけ増えることになります。

財政面からの景気対策には、減税という手法もあります。所得税や法人税、消費税などの税率を引き下げると、個人や企業の手元にその分だけおカネが残ります。そのおカネが使われることによって、景気は押し上げられるわけですね。国の財政からみると、減税した金額だけ歳入が減ることになります。

このように財政面からの景気対策には、予算の増額と減税という2つの方法があります。ところが、この方法はいずれも予算に関係するので、国会の承認が必要です。すると政府が実施を決めても、本当に実行されるまでに何か月もかかることがあります。これに対して日銀が行う金融面からの景気対策は、決めたらすぐに実行できるという利点があるのです。

                                (続きは来週日曜日)
   

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今週のポイント
2017-05-15-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ カベに再挑戦する日米の株価 = フランス大統領選挙の結果が判明した先週8日、日経平均は450円の大幅高となったが、ダウ平均は5ドルしか上がらなかった。その原因は、ダウ平均が先々週末に2万1000ドルを回復していたことにあるだろう。3月初め以来の高値に戻したため、利益確定売りが大量に発生。その傾向は週末まで続いた。結局、ダウ平均は週間110ドルの値下がり。カベに押し戻された形である。

日経平均は先週438円の値上がり。週初の大幅高で2万円台まであと100円に迫ったが、こちらもカベに突き当たった形。21世紀に入ってから、日経平均は00年と15年の2度にわたって2万円を超えた。今回は3度目の挑戦だが、やはりカベはなかなか厚い。それでも週の終り値は、2万円まであと116円というところに踏みとどまっている。


EU分裂の危機は薄れ、北朝鮮を巡る緊迫感もやや下火に。市場のリスク感応度は大きく低下した。ニューヨーク市場ではナスダック株価が新高値を更新しており、ダウ平均は2万1000ドルに載せる可能性が大きい。日経平均も2万円を超えるだろう。とにかく3月期決算をみると、企業の業績は絶好調を続けているのだから。

今週は15日に、4月の企業物価。16日に、3月の第3次産業活動指数。17日に、3月の機械受注。18日に、1-3月期のGDP速報。19日に、4月の訪日外国人客数。アメリカでは15日に、5月のNAHB住宅価格。16日に、4月の工業生産と住宅着工戸数。18日に、4月のカンファレンス・ボード景気先行指数。またEUが16日に、1-3月期のGDP改定値。中国が15日に、4月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。

      ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ


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絶好調が続く 企業決算
2017-05-16-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 最終利益は21%増で過去最大に = 上場企業の3月期決算発表が終盤に入った。日経新聞がこれまでに発表を終えた1332社を集計したところ、連結純利益は前年比21%の増益になる見通し。さらに18年3月期の純利益も4%の増益が見込まれ、利益の総額は2年度にわたって過去最大になりそうだという。

業種別にみると、石炭や鉄鉱石など資源価格が回復したことで商社の利益が大幅に増加した。また震災復旧やオリンピック需要を抱えた建設業も利益を伸ばしている。ただ小売り業は消費の伸び悩みと人手不足のために、やや減益。また自動車や電機は、円高の影響を受けて利益が縮小した。

こうしたなかで注目されるのは、製造業の円高に対する抵抗力がかなり強まったこと。円の対ドル相場は、ここ1年で10円ほど上昇した。以前ならもっと利益を減らしたと思われるメーカーも、減益幅を目に見えて縮小することに成功した例が多い。トヨタやソニー、シャープなどがその好例である。生産体制の効率化によるコスト削減が実を結んだ。

ただ利益の多くを、海外生産で生み出した企業も少なくない。そして海外で生んだ利益を国内に戻さず、現地で再投資する傾向も強まってきた。これだと利益が国内での設備投資や人件費には回らない。トランプ大統領はアメリカ企業が海外に置いたままの資金を、国内に還流させる政策を実施しようと計画している。日本も同様の措置を考えた方がいいのでは。

      ≪15日の日経平均 = 下げ -14.05円≫

      ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ


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給与は なぜ上がらないのか?
2017-05-17-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 総額は10年前より4400円少ない = 厚生労働省が発表した3月の毎月勤労統計によると、1人当たりの現金給与総額は27万7512円だった。前年同月に比べると0.4%減少している。内訳をみると、基本給である所定内給与が0.1%減、残業などの所定外給与が1.7%減、賞与など特別に払われる給与が3.6%減とすべて減少した。

基本給を雇用の形態別にみると、正社員が0.1%の減少。パートタイムも1.4%の減少となった。正社員の基本給が減少したのは3年ぶりのこと。2%以上の賃上げが行われたにもかかわらず、どうして給与が減ってしまったのか。また人手不足が深刻化しているのに、パートの給与がどうして減ったのか。

厚労省は「増加が大きかった昨年3月の反動」と説明しているが、とても納得はできない。そこで発表の内容を精査してみると、労働時間数が平均144.4時間。前年比で1.9%も減っている。過重労働に対する批判の目が厳しくなったためなのだろうか。それにしても正社員の基本給が減るのは、かなり異常だという気がする。

3月は消費者物価が0.3%上昇した。この結果、実質賃金は前年比0.8%も減少している。調べてみると、3月の現金給与総額は10年前の3月より4410円少なかった。これでは個人消費の増加などは望めない。政府は企業が最高益で人手不足の時代に、なぜ給与が増えないのか。もっと真剣に原因を究明して対策を講じるべきである。

      ≪16日の日経平均 = 上げ +49.97円≫

      ≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ


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減産協定を 延長へ : OPEC
2017-05-18-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 価格の上昇は見込めそうにない = OPEC(石油輸出国機構)は来週25日にウィーンで開く定時総会で、原油の減産協定延長を決定する見通しとなった。最大の産油国であるサウジアラビアとOPEC非加盟のロシアが、事前に話し合い協定の延長で合意したためである。クウェートなど他のOPEC加盟国も、すでに賛成の意向を表明した。

原油の国際価格を引き上げるため、OPECは昨年11月に原油の減産で合意。ロシアなどの非加盟国も、これに同調した。実際の減産はことし1月から日量120万バレルを目標に実施され、これまでのところ目標をやや上回る減産が達成された模様。しかし原油の国際価格は上がらない。ニューヨーク商品市場のWTI(テキサス産軽質油)先物相場は、依然として1バレル=50ドルを下回る水準で推移している。

現行の減産協定は6月末で失効する。このため協定を延長しないと、価格が暴落する懸念も出てきた。そこで協定を延長し、本年末か来年3月末まで減産体制を続けることにしたもの。しかし、この措置でも原油価格の上昇は難しいという見方が大勢を占めている。というのも、アメリカのシェール生産が増加する見込みだからだ。

EIA(米エネルギー情報局)の発表によると、アメリカの原油生産量は日量931万バレルと、1年9か月ぶりの水準にまで回復している。さらに来年末には1012万バレルまで増加する見通しだ。そうなると米シェールの増産分が、OPECなど産油国連合の減産分を完全に上回ることになってしまう。したがって価格の上昇は期待できず、WTIも50ドル前後で推移するという見方に落ち着くわけだ。

      ≪17日の日経平均 = 下げ -104.94円≫

      ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ


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もう3分の1以上が 内定している!
2017-05-19-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大卒採用ルールは守れない? = いくら人手不足の時代だとはいえ、ちょっと驚く話には違いない。来年春に卒業する予定の大学生は、すでに3分の1以上が就職の内定を受け取っているというのだ。リクルートキャリア社の調査によると5月1日時点で、就職を希望する大学生の34.8%が内定もしくは内々定の通知を獲得している。

この比率は、昨年の同じ調査に比べて9.8ポイントも高くなった。経団連は学業の妨げになることを防ぐため、企業側が面接などの採用活動を6月1日まで実施しないよう申し合わせている。だが経団連に加盟していない外資系企業や中堅・中小企業などには、規制が行き届かない。また経団連に加盟している大企業のなかにも、水面下で採用活動を進めているところが少なくないという。

内定率の内訳をみると、文科系が31.5%、理科系が41.6%。やはり求人の多い理科系の内定率がかなり高い。また男女別では男性が36.2%なのに対して、女性は33.1%となっている。さらに大学院生も41.9%で、けっこう高い内定率だった。

かつての採用戦線は、景気が悪化すると下火になった。だが今回の人手不足は労働力人口の減少によるものだから、長く続くだろう。企業のなかには、年2回の採用や通年採用に踏み切るところも出てきた。一方、3年生から始まるインターンシップ制も普及する気配をみせている。経団連の申し合わせは、風前の灯火のようだ。

      ≪18日の日経平均 = 下げ -261.02円≫

      ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 水の 経済学 ⑦
2017-05-20-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ “仮想水”という考え方 = 夕食でポテト・チップスをつまみながらビールを飲み、牛どんを食べた。そこで「あなたは約2000リットルの水を消費しました」と言われたら、だれでもウソだと思うだろう。だが“仮想水”という考え方によると、そういう計算になる。要するに大麦やホップ、じゃがいもや牛が育つまでには大量の水が必要だ。その分を計算に入れる考え方である。

たとえば牛肉1キログラムを得るには2万0600リットル、大麦1キログラムには2600リットルの水が必要だと計算されている。特に日本は食料の輸入大国だ。その食料が生産されるまでに、外国では大量の水が消費された。したがって日本は食料の輸入を通じて、水も輸入したことになる。東大生産技術研究所の試算によると、その量は年間427億トン。国内で食料生産に使う農業用水の8割に達するという。

この“仮想水”という考え方は、1990年代にロンドン大学のアンソニー・アラン教授が提唱した。食料の輸出入が各国の水資源に与える影響を調べることが目的だった。最近はこの考え方を使って「だから日本は水不足の国なのだ」と主張する学者もいるが、感覚的にはピンとこない。

たしかに輸入した分の食料を日本国内で育成すれば、それだけの水を消費するだろう。けれども、たとえばオーストラリアで育った牛は、消費した水の大部分を現地で還元している。また“仮想水”は食料に限って考えているが、日本が輸出する鉄鋼や化学製品の生産には大量の水を消費する。

                                    (続きは来週サタデー)

      ≪19日の日経平均 = 上げ +36.90円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   

                
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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2017-05-21-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第14章 景気対策って、なんだろう? ③

◇ 金融面では利下げと量的拡大 = 金融面からの景気対策は、日本銀行が実施します。その手法は大きく分けて、金利の引き下げと量的な緩和の2つ。いずれも日銀が決めればすぐに実行できるので、時間がかかりません。原則として国会の承認が必要な財政面からの景気対策に比べれば、スピードという点ではかなり優れています。

日銀は短期の金融市場に介入し、おカネを供給して金利を引き下げます。すると金融機関がこの市場で調達する資金の金利が下がり、貸出金利などの短期金利が一斉に下がります。貸出金利が下がると企業や個人の借り入れが増え、このおカネが設備投資や消費に回って景気がよくなる。これが利下げの景気浮揚効果です。

量的な金融緩和は、日銀が市場から国債や株式などを買い入れ、その代金が市中に出回るようにします。おカネがたくさん流通しますから、やはり設備投資や消費が活発になると期待されるわけです。いま日銀はデフレ退治に懸命となっており、金利の引き下げと量的緩和の両方を同時に実行しています。

金融政策を決定するのは、日銀の政策委員会です。総裁と2人の副総裁、それに6人の審議委員で構成され、通常は月に1度のペースで開く政策決定会合で、金融政策を決定しています。呼び名や構成人数は異なりますが、アメリカやヨーロッパ諸国の中央銀行も同じような組織です。  

                              (続きは来週日曜日)               

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今週のポイント
2017-05-22-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ カベに跳ね飛ばされた株価 = 日経平均は先週16日の取引時間中、2万円の大台にあと2円というところにまで接近した。そのとき市場関係者の多くは、これで2万円台載せは確実だと思ったに違いない。ところが利益確定売りに押されて下げているうち、こんどはトランプ大統領の弾劾騒ぎが勃発。結局、週間では293円の値下がりとなってしまった。

大統領の弾劾騒ぎで、ダウ平均も17日は370ドルの大幅な下げとなった。しかし、あとは反発し週間では92ドルの値下がりにとどまっている。これはアメリカ企業の業績が好調を維持しているためで、下値の抵抗力が強いことも判明した。ただトランプ大統領の経済政策には、ますます期待が持てなくなっている。この失望感は、まだ尾を引くだろう。

何か新しい好材料が出ないと、2万円台載せは難しい。東京市場では、こんな見方が広まっている。先週は予想を上回る1-3月期のGDP速報も発表されたが、市場はほとんど反応しなかった。トランプ経済政策と同様、アベノミックスも賞味期限切れになっていることを、総理官邸は感じ取っていないように思われる。

今週は22日に、4月の貿易統計。23日に、3月の全産業活動指数。26日に、4月の消費者物価と企業向けサービス価格。アメリカでは23日に、4月の新築住宅販売。24日に、4月の中古住宅販売と3月のFHFA住宅価格。26日に、1-3月期のGDP改定値が発表される。なお23日には、トランプ大統領が予算教書を議会に提出。また25日はOPEC総会、26日にはG7サミットが開かれる。

      ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ≫  

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一時の アダ花? : GDP 1-3月期 (上)
2017-05-23-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 1年ぶりの高い成長率 = 内閣府が発表した1-3月期のGDP速報によると、年率に換算した実質成長率は2.2%だった。事前の民間予想を上回り、昨年1-3月期以来の高い伸び率となっている。これで5四半期連続のプラス成長。まずまずの成績だと評価してもいいはずだが、発表があった日の株式市場はほとんど反応しなかった。なぜだろう。

内訳をみると、いずれも年率換算で個人消費が1.4%の増加。企業の設備投資は0.9%増、住宅投資は3.0%増だった。一方、政府の公共投資は0.3%の減少。輸出は8.9%の増加となっている。この結果、経済成長に対する寄与度は内需が1.6%分、外需が0.4%分となり、内外需のバランスもよかった。

ただ、すべてが満点というわけではない。たとえば個人消費は、昨年が台風の影響で伸び悩んだことの反動だという指摘もある。また設備投資はプラスだったものの、前年比では急減した。また輸出の伸び率も縮小している。このように問題点を挙げればキリはないが、最近の実績としてはそんなに悪くはない。

問題は今後の見通しにある。先ごろ発表された3月の家計調査では、消費支出額が前年比で1.3%も減少した。こんな傾向が続けば、4-6月期の個人消費は落ち込む心配がないではない。またトランプ大統領の弾劾騒ぎで円相場は上昇しており、輸出の先行きも楽観を許さない。内外需ともにブレーキがかかれば、成長率は鈍化してしまうだろう。

                             (続きは明日)

      ≪22日の日経平均 = 上げ +87.52円≫

      ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ


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一時の アダ花? : GDP 1-3月期 (下)
2017-05-24-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ アベノミックスはどこへ行った = 1-3月期だけの成長率をみると、日本の実質成長率2.2%という数字はアメリカやEU諸国を上回っている。だが今後もその優位を維持できるかということになると、どうも形勢は不利なようだ。なにしろ少し長い目でみると、成長のスピードが遅すぎる。5四半期にわたってプラス成長はしたものの、その平均伸び率は1.45%にとどまっている。

現在の景気回復は、第2次安倍内閣が発足した12年12月から始まった。政府によると、景気の拡大はこの2月で51か月に及んだ。戦後3番目に長い回復期間で、もし8月まで続くと1965年に始まった“いざなぎ景気”を抜くという。だが当時の成長率は年平均で10%以上、今回は1%にも満たない。

成長スピードが遅すぎると、不測の事態が起これば成長率はすぐマイナスに落ち込むだろう。経営者はそれを恐れて、設備投資や人件費にカネを使いたがらない。個人も将来の生活費を心配して、貯蓄に励む。これでは安倍首相の言う「経済の好循環」は生まれにくい。

アベノミックスが始まったとき、人々の心には将来への強い希望が点灯した。このため経済は活況を取り戻し、株価も上昇した。しかし4年半が経過し、アベノミックスの賞味期限はすでに切れてしまっている。そして1%未満の経済成長が“常識”になった。しかも悪いことに、政府は現状を是認し何も考えていないようにみえる。景気という観点からすると、これが人々の将来に対する希望を奪っているのではないか。

      ≪23日の日経平均 = 下げ -65.00円≫

      ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ


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トランプ流 財政政策の骨格 : 予算教書
2017-05-25-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 歳出規模は454兆円 = ホワイトハウスは22日、2018年度(本年10月-来年9月)の予算教書を発表した。それによると、歳出規模は4兆0940億ドル(約454兆円)で、前年度比1%の増加。歳入は3兆6540億ドルで、4400億ドルの赤字予算となっている。ただ、この赤字幅は17年度に比べると27%減少した。長期的には27年度に財政の黒字化を達成する計画だ。

歳出では対外援助と環境予算を大幅に削減。また低所得向けの医療保険や食料配給券などの福祉関係費も、大胆に減額する。さらに消費者を法外な金融取り引きから保護する部局を廃止、証券取引を監視するSEC(証券取引委員会)の予算もカットした。たとえば医療保険では8000億ドルの歳出削減を見込んでいる。その一方、国防関係費は540億ドルの増額を要請した。

景気対策はほぼ公約通りに実行する。法人税率は35%から15%に引き下げ。所得税率は10%、25%、35%の3段階に簡素化する。インフラ投資は道路、橋、空港などの建設費として地方政府に総額2000億ドルを補助する計画だ。この結果、経済成長率は21年までに3%へと上昇する。

成長率の上昇で税収が増加、18年度も前年度比6%の税収増を見込んでいる。したがって、この財政計画が成功するかどうかは、3%の成長率を実現できるかどうかにかかっている。もう1つの問題点は、言うまでもなく議会がこうしたトランプ構想をどこまで受け入れるかだ。議会で大きな修正を受ければ、全体像は全く狂ってしまうだろう。

      ≪24日の日経平均 = 上げ +129.70円≫

      ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ


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まだフランスの 3分の1 : 外国人客数
2017-05-26-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 韓国人が中国人を上回る = 観光局の集計によると、4月の訪日外国人客数は257万8900人で、単月としての過去最高記録を更新した。1-4月の累計では911万6000人、前年を16.4%上回っている。一時の中国人による“爆買い”は影を潜め、花見や登山などの“体験型”が増えている。この結果、1人当たりの消費支出は減少しているが、旅行客数の増加で全体としての消費額は低下していない。

訪問客を国別にみると、1-4月の合計では韓国が227万人でトップ。次いで中国が218万人、台湾が145万人と続いている。16年は中国が韓国を大きく引き離していたが、ことしは韓国がやや優勢。いま日中関係よりも日韓関係の方が難しい局面を迎えているが、訪日する人数にはほとんど影響していない。

外国人客数は、5月13日時点で1000万人に達したという推計も出ている。この調子だと、ことしは2700万人にのぼるという予想もある。16年の総数は2404万人だったから、ことしも2ケタの伸び率になりそうだ。政府が目標としている「20年に4000万人」も、どうやら視野に入ってきた。

こうみてくると「日本も観光大国になった」と思われがちだが、世界は広い。15年の統計でトップのフランスは8445万人。仮に訪日客数が4000万人になったとしても、15年の番付に入れるとまだ第6位。中国やイタリアにも及ばない。ただ、それだけ糊代は大きいわけだから、オリンピック後も見据えた観光戦略をじっくりと進めて行こう。

      ≪25日の日経平均 = 上げ +70.15円≫

      ≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ


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サタデー自習室 -- 水の 経済学 ⑧
2017-05-27-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 地下水が枯渇する恐れ = いま世界中の専門家がいちばん心配しているのは、地下水が枯渇してしまうこと。雨水や雪解け水が地面に浸み込み、帯水層にたまった水が地下水だ。その地下水を人間が汲み上げて使っている。人口の増加とともに汲み上げる水量も多くなるから、世界中の多くの地域で地下水は減少する傾向にあるわけだ。

カナダやオランダの研究チームが12年に、783か所の帯水層を調査した。その結果、たとえばガンジス川の上流域では補給量の54倍もの地下水が汲み上げられていた。また黄河の流域では、この比率が7.8倍。関東平野は1.2倍、大阪平野は1.9倍という結果が出ている。世界全体の平均でみても、補給量の3.5倍の水が汲み上げられていた。

国土交通省の推計によると、日本は年間約92億立方メートルの地下水を使用している。その内訳は生活用水が28.4%、工業用水が28.3%とほぼ同じ。農業用水が25.6%など。全体の使用量は減少する傾向にある。特に工業用水は、この40年間に3分の2にまで減った。再利用の技術が進んだからである。

世界的にみると、地下水は汲み上げ量の増加で減少している。とりわけ南アジアでは、その傾向が強い。ただ日本の場合は人口が減ることもあって、使用量が増加する心配はそれほど大きくない。むしろ地下の水源量は、降雨量や降雪量によって左右されることになりそうだ。

                                   (続きは来週サタデー)

      ≪26日の日経平均 = 下げ -126.29円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】   


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サンデー実験室 = 孫に聞かせる経済の話 (改訂版)
2017-05-28-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第14章 景気対策って、なんだろう? ④

◇ 高度成長期の景気対策 = 日本経済は1960年代から70年代にかけて、実質GDPが毎年10%以上も拡大する高度成長期を迎えました。しかし、その時代でも景気対策はひんぱんに実施されていたのです。景気がよくなりすぎると、輸入が増えて国際収支は赤字に。すると外貨準備が底をつくので、政府・日銀は財政支出を抑制したり、金利を上げたりして景気を引き締めます。

その効果が出て景気が下降すると、こんどは財政支出を増やしたり、金利を引き下げます。その結果、景気が上昇すると、また引き締め。当時はこうした引き締め策と刺激策の繰り返しでした。カネ不足の時代だったために、日銀の金融政策は大きな効果を発揮しています。ですから日銀の景気対策は金利の変更だけ。量的緩和などは必要ありませんでした。

こうした状況は70年代の後半以降、一変します。まず73年の石油ショック、さらに85年のプラザ合意による円の切り上げ。日本経済の成長率は急速に鈍化し、景気対策もほとんど刺激策の連発といった状況に変わってしまいました。しかも財政政策も金融政策も、以前のような効果をあげにくくなっています。

日本の成長率がなぜ落ち込んだのか。「経済が成熟したから」と言ってしまえばそれまでですが、その原因はきわめて複雑です。また財政面や金融面からの刺激策が、なぜ効きにくくなったのか。その理由も簡単ではありません。次回はその辺の考え方について触れてみましょう。

                                (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2017-05-29-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ ダウは新高値を目指す = 自爆テロの暗いニュースに明け暮れた一週間だったが、そんななかでもダウ平均は週間275ドルの値上がり。終り値でも2万1000ドル台を確保した。過去2回は大台の維持に失敗したが、今週は3度目の正直に向かって挑戦。さらにあと35ドルに迫った史上最高値を目指す。日経平均も先週は96円の値上がり。だが東京市場は見送り気分が強く、2万円台に突き進む元気はない。

ニューヨーク市場では、6月の利上げ説が常識になっている。4月のGDP成長率が上方修正されたため、この常識は確信に近いものとなった。しかし市場は完全に織り込んでおり、場況にはあまり響いていない。長期的にはアメリカ経済の拡大が続き、企業の好業績が維持される証拠だと好感されている。

FRBが6月に政策金利を引き上げれば、ドル高・円安になるという期待は裏切られた。為替市場でも利上げは完全に織り込み済みで、円の対ドル相場は自爆テロの影響などでむしろ上昇した。東京市場が元気をなくしているのは、このためかもしれない。しかし日本企業の業績も絶好調の水準。もう少し元気が出ても、おかしくはない。

今週は30日に、4月の労働力調査と家計調査。31日に、4月の鉱工業生産と住宅着工戸数。1日に、1-3月期の法人企業統計と5月の新車販売台数。2日に、5月の消費動向調査。アメリカでは30日に、5月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。31日に、4月の中古住宅販売。1日に、5月のISM製造業景況指数と新車販売台数。2日に、5月の雇用統計と4月の貿易統計。また中国が3日に、5月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

      ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ


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歓迎すべき G7の“亀裂”
2017-05-30-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 本音の出し合いはむしろ進化 = イタリアのシチリア島で開いたG7(先進7か国)首脳会議が27日、共同宣言を採択して閉幕した。共同宣言の骨子は①テロ防止で結束②北朝鮮を最優先事項と位置づけ③自由貿易の重要性を認識、保護主義と闘う④温暖化防止に関するパリ協定については、アメリカの見直し作業を理解する--など。テロ対策や北朝鮮問題では一致したが、貿易や温暖化防止では不協和音が発生した。

というのも、貿易問題ではトランプ米大統領が各国に対して「アメリカ並みの関税引き下げ」を強く要求。またパリ協定についても態度を留保したためである。にもかかわらず共同宣言で「保護主義と闘う」と明記されたのは、各国首脳がアメリカの主張を互恵主義と拡大解釈したためだろう。苦しい妥協の産物だったことは否定できない。

このため日本の新聞各紙は「薄氷を踏む合意」とか「玉虫色の決着」とか書いて、G7の影響力が低下したと解説している。そもそもG7は、1973年の石油ショック対策で協力するために作られた組織。それから44年もたって色あせてきた感じは免れない。しだいに慣れが生じ、事務方が事前の折衝で合意できる問題だけを議題に載せる傾向が強まっていた。

それがトランプ大統領の登場で一変した。トランプ流の本音が、会議を掻き乱したわけである。だが本来、G7は先進国の首脳や財務相が本音をぶつけ合う場のはず。それによって、各国首脳がそれぞれの考え方を理解することに最大の意義がある。こういう見方からすれば、今回のG7会議の“亀裂”はむしろ歓迎すべきことだと思う。

      ≪29日の日経平均 = 下げ -4.27円≫

      ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ


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人手不足でも 賃金下がる 怪!
2017-05-31-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ ナゾを放置する政府 = 総務省は30日、4月の労働力調査を発表した。それによると、雇用者数は5757万人で前年比57万人の増加。失業者は197万人で28万人減少した。雇用者の増加は52か月連続、失業者の減少は83か月連続である。また厚生労働省が発表した4月の有効求人倍率は1.48倍で、43年ぶりの高さとなっている。人手不足は、全く和らぐ気配さえない。

総務省は同じ日、4月の家計調査も発表した。それによると、2人以上世帯の消費支出は29万5929円。実質値は前年比で1.4%減少した。減少は昨年3月から14か月の連続となっている。また勤労者世帯の実収入は47万2047円で、前年比では1.7%減少した。こちらは小幅な増減を繰り返しているが、1-4月の通算では1.9%の減少となっている。

人手が不足すれば、ふつうは賃金が上昇するはず。だが現実はそうならない。考えられることは、新たに雇用された人は非正規での採用が多く、賃金水準が低い。また正規の雇用者も団塊の世代が定年で退職し、全体の平均年齢が下がっていることなど。しかし労働力調査は雇用だけを調査し、家計調査は収入と支出だけを調べているから、両方の関連性は明らかにならない。

賃金が上がらなければ、消費支出は増えない。すると安倍首相の言う「経済の好循環」は始まらない。政府は首相の意向を“忖度”して、この関連性について、もっと研究すべきではないか。とにかく同じ総務省が集計している労働力調査と家計調査が、全くそっぽを向いている現状は直ちに改めてほしいものだ。

      ≪30日の日経平均 = 下げ -4.72円≫

      ≪31日の日経平均は? 予想 = 下げ


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