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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
明るさを増した 小売り業
2017-11-01-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 売上高が11か月連続で増加 = 経済産業省が30日発表した9月の商業動態統計によると、商業販売額は37兆8760億円で前年比3.3%の増加だった。このうち卸売り業は26兆5900億円で3.7%増、小売り業は11兆2860億円で2.2%増となっている。これで小売り業の売り上げ増加は、7年ぶりに11か月連続を記録した。経産省の判断は「持ち直しの動きがみられる」と慎重だが、小売り業界の明るさは確実に増していると言えるだろう。

9月の小売りを業種別にみると、自動車関連小売り業が5.9%の増加。これで自動車関連の前年比増加は、14か月続いたことになる。医薬品・化粧品小売り業は5.8%の増加。織物・衣服・身の回り品小売業も5.0%の増加だった。訪日外国人客による買い物や、気温の低下による秋冬もの衣料品の販売増が貢献した。

業態別では、デパートとスーパーを合わせた大型小売店の売り上げが1兆4968億円。前年比1.8%伸びたが、ここでも外国人客による購買が大きかった。またコンビニは9781億円で2.1%の増加。なんとコンビニは55か月にわたって前年比増を記録している。家電大型専門店の売り上げは3158億円、前年を1.2%上回った。

天候の影響などがあったため、経産省は慎重な判断を下したのだろう。しかし最近は世界同時好況のおかげで、輸出主導型の景気拡大が進行し始めている。その効果もあって、小売り販売も堅調に推移する可能性が高い。こういう状況では、政府もやや強気の判断を示した方がいいと思うのだが。

      ≪31日の日経平均 = 下げ -0.06円≫

      ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ

          
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経済成長は さらに減速? / 中国 (上)
2017-11-02-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 国有企業の改革を徹底へ = 中国の共産党大会が終了した。今回の大会は習近平体制を強化するための人事固めに終始、経済に関する具体的な目標の設定はなかった。それでも3時間に及んだ演説のなかで、習総書記は「国有企業の改革を加速化させる」と強調している。ここから想定できることは、中国政府が経済成長率のさらなる鈍化を覚悟のうえで、基幹産業の近代化を強引に進めるという基本的な姿勢だろう。

統計局が共産党大会に合わせるように発表した7-9月期の実質成長率は、年率で6.8%だった。1-9月期では6.9%。これで政府が目標としている17年の6.5%前後という成長率は、十分に達成する見通しとなった。ただ、この成績は党大会に向けて、政府がムリヤリ成長率の底上げを図ったように見受けられる。

というのも1-9月期の成長要因をみると、民間の投資が振るわなかった一方で、政府のインフラ投資が異常に増えていること。また個人の消費支出も高水準を維持したが、これは減税や住宅投資の促進策に支えられたとみられるからである。だが、こうした景気刺激策が中国経済の体質を悪化させたことは、きわめて明白だ。

いま中国経済が抱えている大問題は2つ。1つは鉄鋼やセメントなど基幹産業の老朽化と過剰設備。もう1つは住宅を中心とする不動産バブルの問題だ。政府は早くからこれらの問題を重視し、それなりの対策も講じてきた。しかし共産党大会に向けて成長率のカサ上げを優先、ことし1-9月間は対策を一時停止した形となっていた。そして共産党大会は終わった。

                           (続きは明日)

      ≪1日の日経平均 = 上げ +408.47円≫

      ≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ≫ 
 
         
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経済成長は さらに減速? / 中国 (下)
2017-11-03-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大企業に党が直接介入できる仕組み = 老朽化した過剰設備の筆頭は、国有企業と民間企業が乱立状態にある鉄鋼産業。政府はこれまでに1億2000万トン近い過剰設備を廃棄させた。ところが、それでもまだ2億トンの設備が過剰だ。しかも共産党大会を控えてことし1-9月間には、政府が成長率を維持するため巨額のインフラ投資を実行。このため鉄鋼への需要が高まり、設備廃棄はストップしてしまった。

もう1つの問題は、住宅を中心とする不動産バブル。ここでも政府は成長率を下支えするため、減税や住宅ローンの頭金を低く抑えるなどの促進策をとった。最近はバブルの崩壊を恐れてローンの抑制策を実施したことで、北京や上海などでは住宅価格が上げ止まっている。しかし地方都市では、なお価格の上昇が止まらない。

鉄鋼産業でも住宅産業でも、地方に行けば行くほど地元の有力者との結びつきが深く、中央の政策が行き届かない。そこで習政権は、実に思い切った措置を断行した。大企業に対して定款を変更し、社内に共産党の委員会を設置するよう命令したのである。これにより会社の経営方針は、直ちに中央政府に伝わることになる。なお、この命令は外資系の会社にも適用されるという。

5年に1度の共産党大会が終了。権力を集中した習総書記は、明らかに鉄鋼、石炭、セメントなど基幹産業の近代化と、不動産バブルの解消に全力をあげる。その結果は失業者を増大させ、景気を悪化させる。しかし習政権はそれを承知のうえで、改革を進めるだろう。したがって経済成長率は、今後6%に向けて鈍化せざるをえない。

      ≪2日の日経平均 = 上げ +119.04円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝0敗】   


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プ レ ー ト
2017-11-04-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ これまでの あらすじ ◇

1) 地球が寒冷化の危機 = 21世紀の半ば、地球は厚いメタン・ガスに覆われ、冷え込んでしまった。食料不足に見舞われた人類は、移住できる星を探るために、宇宙船を飛ばした。ぼくはその宇宙飛行士の1人。4.2光年離れたダーストン星にたどり着く。

着陸時に事故が起こり、ぼくは重傷を負った。しかし、この国の医療技術は完璧で、1週間のうちに歩けるようになる。どんな病気でもケガでも治してしまうので、この国の人たちは死ななくなってしまったんだそうだ。

ダーストン星はベートンという名の恒星の周りを回っている惑星だ。住民はむかし別の星から移住してきた人たちの子孫で、人口は1000万人ほどしかいない。

2) マーヤという名のロボット = ぼくの世話をするために日本語が判るように改造されたのが、マーヤという名前のロボットだ。ロボットとは言っても、顔や体つき、それに皮膚の艶やかさは人間並み。この国のロボット技術は素晴らしい。

マーヤは左胸に「71」と書かれたプレートを付けている。ロボットだけではなく、人間の胸にもプレートが。病院のブルトン院長は「48」、賢人会議の議長を務めるウラノス博士は「12」だった。そして、ぼくの左胸にも「66」のプレートが。この数字は、いったい何を表しているのだろう。

3) UFOの正体 = ウラノス博士は、地球のことを実によく知っていた。以前からUFOを飛ばして、地球の情報を収集していたのだという。地球が寒冷化した原因についても、正確に知っていた。

そのウラノス博士は真剣な表情で、ぼくに向かって「君には頼みたいことがある」と言い放った。その説明をする前に「ダーストンのことをよく勉強しろ」とも言う。緊張の瞬間だった。

                        (続きは明日)

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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2017-11-05-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第1章  ダー ス ト ン 星 

≪6≫ ノアの方舟 ウラノス博士の話は続いた。「実は、われわれの祖先も300年ほど前に、同じような経験をしたんじゃ。君の星、地球は海底のメタン・ハイドレードを掘り過ぎて、メタン・ガスの噴出を止められなくなったことが原因だったね」

よく知っているなあ。UFOで集めた情報なのか。それとも、ぼくの頭脳から記憶を抽出したんだろうか。もしそうなら了解も得ないで、他人の記憶を勝手に取り出すなどとは、けしからん話だ。だが命を助けられたのだから、文句も言えないか。

「われわれの祖先は、ここから70光年離れたチャイコ星からやってきた。そのチャイコ星では300年ほど前、大変なことが起こったんじゃ。原子力発電で使った放射性廃棄物を、各国は共同で海底深くに埋めて処理していたが、大地震で海底のマグマがこの廃棄物処理場を飲み込んでしまった。その結果、いくつかの活火山が放射性物質を噴き出すようになり、人間は住めなくなってしまったんじゃ。

そこで先祖たちは超大型の宇宙船を大量に建造し、国ごとにいくつかの星に分散移住した。地球人の言う“ノアの方舟”じゃね。こうして、われわれの祖先が、この星に到達したというわけだ。そこのところを、きちんと知っておいてほしい」

われわれ地球人から見れば、ウラノス博士たちは宇宙人ということになる。でも“ノアの方舟”まで知っているし、外見は地球の人間とあまり変わりはない。不思議だ。

地球人がこのプロキシマb星を発見したのは、2016年のこと。観測機器の性能がが飛躍的に向上したため、ほかにも数多くの惑星が発見された。しかし地球との距離は、近いものでも39光年。プロキシマb星だけが、4.2光年で格段に近かった。ただし、この星には致命的な欠陥があると、科学者たちは指摘していた。それは恒星であるプロキシマ・ケンタウリが暗く、プロキシマb星は人間が住むには温度が低すぎると考えられたのだった。

それでも国連が調整して、主要国は5機の宇宙船で5つの惑星を探査することになり、日本はプロキシマb星を担当することになった。そして、ぼくがいま、ここにいる。そこで、明るい太陽のような恒星ケンタウリを指さして。

――この恒星は、もっと暗いと思っていたんですが。
「あはは、地球人がやってくると困るから、宇宙空間に特殊なバリアを張って、地球から見ると暗い星に見えるようにしたんじゃよ。君の宇宙船は、それに衝突した。宇宙にバリアを張る技術は、やっと30年前に完成させたんだよ」

ウラノス博士は豪快に笑ってみせた。

               (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2017-11-06-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 外国人の買いに踊る株価 = 株価の上昇が止まらない。日経平均は先週531円の値上がり。終り値は21年4か月ぶりの高値となった。なにしろ10月に入ってから先週末までの23営業日で、下げたのはわずかに2日だけ。この間の上げ幅は2183円に達している。買っているのは主として外国人投資家。ヘッジファンドから政府系ファンド、年金基金まで、一斉に東京市場に乗り出してきている。

ダウ平均も着実に値を切り上げ、史上最高値を更新中だ。先週は105ドルの値上がり。日米ともに、企業の好調な決算発表が株価上昇の原動力となっている。その根底には世界同時好況と、政治・経済上のリスクが影を潜めたことがある。この点に関しては、トランプ米大統領のアジア歴訪中に、北朝鮮が何か動きをみせるのか。油断はできない。

リスクが高まらなければ、株価上昇の環境は保持される。日経平均は96年6月の高値2万2666円を超えて、さらに2万3000円に迫るかもしれない。その途中で多くの投資家が「もう」と考えれば、株価は調整に入る。そのとき「まだ」と考える投資家が増えれば、株価は再上昇することになる。

今週は7日に、9月の毎月勤労統計。8日に、9月の景気動向指数。9日に、9月の国際収支と機械受注、10月の景気ウォッチャー調査。10日に、9月の第3次産業活動指数。アメリカでは10日に、11月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が8日に、10月の貿易統計。9日に、10月の消費者物価と生産者物価を発表する。

      ≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ

        
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景気拡大は どこまで続く? / アメリカ
2017-11-07-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 減税法案と利上げが関門 = 米商務省の発表によると、7-9月期の実質成長率は年率換算で3.0%だった。前4-6月期の3.1%からやや減速したものの、ハリケーンの影響にもめげず3%台を維持。これでプラス成長は14四半期続いている。個人消費、企業の設備投資、輸出が、そろって順調な伸びを示した。特に設備投資は6四半期連続で増加している。

今回の景気拡大は、リーマン・ショック後の09年7月から始まった。したがって、この9月で8年3か月の長期回復を達成したことになる。さらに10-12月期も拡大が続く公算はきわめて大きい。戦後の記録は、91年から01年にかけての10年連続。ウォール街などでは、早くも記録の更新を期待する声が聞こえている。

いまヨーロッパ諸国や日本、さらには中国、インド、ブラジルなど、世界の多くの国々が経済のプラス成長を達成している。いわゆる世界同時好況の状態だ。その機関車は、言うまでもなくアメリカの景気拡大。だからアメリカの景気拡大がいつまで続くかは、同時好況の寿命にもかかわってくる。だが年末年始にかけて、景気拡大には2つの難関もみえてきた。

その1つは、議会での審議が始まったトランプ減税法案。期待が大きいだけに、成立が長引くと景気には冷水が浴びせられる。もう1つは、FRBによる政策金利の引き上げ。退任することが決まったイエレン議長が、最後の仕上げとして12月に利上げを決断することは決定的。この利上げで投資資金が債券市場に向かうと、株価は下降に転じるかもしれない。この2つの関門を抜ければ、アメリカの景気は10年目の継続に向けて走ることになる。

      ≪6日の日経平均 = 上げ +9.23円≫

      ≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ≫ 

         
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実質賃金は 4か月連続で減少
2017-11-08-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 名目賃金は増加しているのに = 厚生労働省が7日発表した9月の毎月勤労統計によると、名目賃金に当たる現金給与総額は従業員1人当たり平均で26万7427円だった。前年同月を0.9%上回っている。このうち所定内給与は24万2143円で0.7%の増加、所定外給与は1万8913円で0.9%の増加だった。しかし消費者物価が上昇したことにより、実質賃金は0.1%の減少となっている。これで実質賃金の減少は4か月連続。

現金給与総額を就業形態別にみると、一般労働者は34万2005円で0.6%の増加。パートタイム労働者は9万6557円で1.1%増加した。ところが残業料に当たる所定外給与は一般労働者が0.7%増加しているのに、パートタイム労働者は6.1%も減少している。経営者は人手不足で困っているはず。それなのにパートの残業が大幅に減ったのは、なぜなのだろう。

一方、現金給与総額のうち賞与などに当たる特別に支払われた給与は、1人平均6371円。このうち一般労働者は8943円だったが、パートタイム労働者はわずか480円だった。賞与という性格から考えてパート労働者への支給額が少ないことは理解できるが、この格差はひどすぎるのではないだろうか。これでは人が集まらない。

実質賃金が減少すると、個人の消費支出も拡大しない。景気にとっては、マイナス材料だ。だが名目賃金が増加しても、物価が上昇すると実質賃金は下がってしまう。9月の場合も、物価の上昇がもう少し小幅だったら、名目賃金は増加したはずだ。ところが日銀はもっと物価を上げることを、金融政策の目標に掲げている。その矛盾をどう説明したらいいのだろう。

      ≪7日の日経平均 = 上げ +389.25円≫

      ≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ
     

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固いバブルと 柔らかいバブル
2017-11-09-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 現状はまだ固いバブルだが = 日経平均株価は7日、大幅に上昇し2万2938円で取り引きを終えた。この水準は1992年1月以来、25年10か月ぶりの高さである。株価は10月に入ってから上げ足を速めており、この間の上げ幅は2582円に及んでいる。世界の投資資金が出遅れ気味の東京市場に殺到した形であり、明らかにバブルの様相を呈していると言っていい。

株価の上昇は、好調な企業業績に支えられている。92年当時、上場企業の経常利益は合計11兆円だった。それが現在では38兆7000億円に増大している。株価が行き過ぎかどうかをみるのに使われるPER(株価収益率)も、当時は50倍を超えていたが、現在は20倍に届いていない。ここから判断すると、現在のバブルは実体面の裏付けもあるようだ。

バブルには、皮膜の固いものと柔らかいものがあると考えられる。たとえば柔らかいバブルの典型は、08年にリーマン・ショックを惹き起こしたサブプライム・ローン。価値の低い住宅債券が引っ張りダコになり、高値で売買された。バブルは大きくなりと皮膜が伸びて柔らかくなり、いずれ自発的に崩壊する。

現在のバブルは、まだ小さく皮膜も固い状態だ。だが固いバブルでも、限度を超えた力が加われば崩壊する。たとえば北朝鮮による具体的な挑発行動、中国経済の急激な失速、あるいはアメリカやユーロ圏の金融引き締め。こうした問題で想定外の影響が発生すると、投資資金が一斉に引き揚げられ、固いバブルでも崩壊する可能性がある。

      ≪8日の日経平均 = 下げ -23.78円≫

      ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ


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補正予算は 騙しのテクニック
2017-11-10-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 本予算の規模を小さくみせる手法に = 安倍首相は1日の初閣議で「17年度の補正予算編成」を関係閣僚に指示した。人づくり革命に向けた保育園の建設促進、貿易自由化に備えるための農林水産業対策、中小企業の生産性を向上するためのIT投資支援などが、予算に盛り込まれる見込み。予算の規模は2-3兆円になるとみられている。年内に編成作業を終え、来年の通常国会に提出する予定だ。

必要な施策に予算を付けるのはいい。だが、なぜ補正予算を組まなければならないのか。もともと補正予算というのは、年度の途中で災害など想定外の事態が生じた場合に編成するもの。たとえば東日本大震災や熊本地震のときには、復旧費として数兆円の補正予算を組んでいる。だが今回は、そういう突発的な事件は起こっていない。

政府はいま18年度の予算編成作業も行っている。一般会計の規模は98兆円前後。17年度の当初予算に比べると、社会保障の自然増加分5000億円程度の増加になる見込み。政府は、社会保障以外の予算を17年度並みに据え置く方針。こうして財政再建にも努力していることを、内外に示そうとしているわけだ。

そのために保育園の増設費などは、本予算から切り離して補正予算で処理してしまう。仮にこれらの費目を本予算に入れれば、規模が100兆円を超えてしまう。それを隠すためのテクニックとして、補正予算が利用されるようになった。だが財政的には、全く意味がない。こんな手法で国民を騙すのは、止めた方がいい。

      ≪9日の日経平均 = 下げ -45.11円≫

      ≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ


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プ レ ー ト
2017-11-11-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ これまでの あらすじ ◇

1) 地球が寒冷化の危機 = 21世紀の半ば、地球は厚いメタン・ガスに覆われ、冷え込んでしまった。食料不足に見舞われた人類は、移住できる星を探るために、宇宙船を飛ばした。ぼくはその宇宙飛行士の1人。4.2光年離れたダーストン星にたどり着く。

着陸時に事故が起こり、ぼくは重傷を負った。しかし、この国の医療技術は完璧で、1週間のうちに歩けるようになる。どんな病気でもケガでも治してしまうので、この国の人たちは死ななくなってしまったんだそうだ。

ダーストン星はベートンという名の恒星の周りを回っている惑星だ。住民はむかし別の星から移住してきた人たちの子孫で、人口は1000万人ほどしかいない。

2) マーヤという名のロボット = ぼくの世話をするために日本語が判るように改造されたのが、マーヤという名前のロボットだ。ロボットとは言っても、顔や体つき、それに皮膚の艶やかさは人間並み。この国のロボット技術は素晴らしい。

マーヤは左胸に「71」と書かれたプレートを付けている。ロボットだけではなく、人間の胸にもプレートが。病院のブルトン院長は「48」、賢人会議の議長を務めるウラノス博士は「12」だった。そして、ぼくの左胸にも「66」のプレートが。この数字は、いったい何を表しているのだろう。

3) UFOの正体 = ウラノス博士は、地球のことを実によく知っていた。以前からUFOを飛ばして、地球の情報を収集していたのだという。地球が寒冷化した原因についても、正確に知っていた。

そのウラノス博士は真剣な表情で、ぼくに向かって「君には頼みたいことがある」と言い放った。その説明をする前に「ダーストンのことをよく勉強しろ」とも言う。緊張の瞬間だった。

                    (続きは明日)                                                                                                                                            ≪10日の日経平均 = 下げ -187.29円≫
                                                     
       【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】    
  

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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2017-11-12-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第1章  ダー ス ト ン 星 

≪7≫ 驚くべき寿命100歳制度 = 帰りの車のなかで、ぼくは目を閉じてウラノス博士の話を反芻していた。隣のマーヤも黙りこくっている。そっと腕をつつくと「私も初めてあんな話をお聞きしました」と言って、うなだれてしまった。ロボットなのに、人間的な感情を持っているのかしら。

博士は最後に、ダーストンの建国にまつわる話をしてくれた。声が低くなり、顔つきも悲しげになったのが印象に残っている。そして、その内容は実にショッキングなものだった。博士の長い物語を要約すると・・・。

博士たちの祖先が住んでいたチャイコ星では300年前、放射性物質が拡散する事故が発生した。そのころまでに科学技術は非常に発達していたので、人々は国ごとに大型宇宙船をいくつも建造。それぞれ遠くの星を目指して脱出し始めた。博士たちの祖先も続々とこのダーストン星に移住してきたが、100年近くかかっても運べた人数は100万人足らず。残る900万人はチャイコ星とともに滅亡した。

ダーストン星に到着できた人は、第1級の知識や技術を持った人たち。しかも若者が中心だった。彼らは力を合わせて、新しい星での国造りに励む。まず労働力を確保するため、人間と同じように考え働けるロボットを量産した。そしてロボットや機械を動かすための電源エネルギーの確保。さらに高度な医療技術の開発にも、全力をあげたのだった。

その結果、100年ぐらいの間に素晴らしい国を建設することができた。ところが、そこで起きたのが人口問題。完璧な医療技術のおかげで人が死ななくなったために、人口は1000万人に接近するほど急増してしまった。ダーストン星は地球の3分の2ほどの大きさだが、ほとんど全部が海なのだ。陸地は面積が北海道と九州を合わせたぐらいの、この島だけ。いくらロボットたちが農耕に精を出しても、1000万人以上の人間は養い切れない。

チャイコ星で暮らしていた祖先たちは、子孫を守るために自らが犠牲になった。その崇高な精神を受け継いで、われわれもなんとかしなければいけない。そう考えた200年前の賢人会は、常識では思いつかない決断に踏み切った。人々の寿命をすべて100歳にするという提案である。この提案は直ちに国民投票にかけられた。結果は51%の賛成で可決された。

「この国の憲法第1条を見てごらん。そこには『ダーストン国民は平和で満ち足りた生活を保障される。すべての国民の寿命を100歳と定める』と書いてある」

ウラノス博士はこう言って、長い物語を終えた。       

                 (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2017-11-13-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日経平均は9週連続の上昇 = 先週のハイライトは、9日の木曜日だった。日経平均は午前中468円上げて2万3000円を突破、しかし午後は急転859円の下げ。結局、終り値は45円安となった。売り買いが入り乱れたため、東証1部の売買代金は5兆円に。この日の地合いを受けて、10日の株価も大きく下げている。ただ週前半の上昇が利いて、日経平均は週間142円の値上がり。9週間連続の上昇となった。

ダウ平均の上昇は8週間でストップした。先週は117ドルの値下がり。大幅減税法案に関して上院と下院の意見が折り合わず、その成立が危うくなってきた。法人税などの大幅減税は株価を押し上げる材料となっているだけに、市場は冷水をかけられた形。このニュースをきっかけに、利益確定売りがどっと現われたようだ。

こうした先週からの流れを受けて、今週の株価はどう動くのだろうか。反発するのか。それとも調整を続けるのか。なにしろ株価の上昇ピッチが速すぎる。特に東京市場は9週間連続の上げで、この間3400円も上昇した。先行きのことを考えれば、この際はもう少し調整しておいた方がいいように思うが。さて、どうなるだろう。

今週は13日に、10月の企業物価。15日に、7-9月期のGDP速報と10月の訪日外国人客数。アメリカでは14日に、10月の生産者物価。15日に、10月の消費者物価と小売り売上高。16日に、10月の工業生産と11月のNAHB住宅価格。17日に、10月の住宅着工戸数。またEUが15日に、7-9月期のGDP改定値。中国が14日に、10月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。

      ≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ


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小休止か 大天井か : 株価
2017-11-14-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 世界同時好況の枠組みに変化なし = ニューヨーク市場のダウ平均株価は先週117ドル値下がりした。これで8週連続の株価上昇がストップ。東京市場の日経平均株価は先週も142円上げて9週連続の上昇を記録したが、後半は下げ歩調に。今週も300円の下落で始まった。このため市場関係者の間では、これが上り坂の途中の一休みなのか、それとも今後は下り坂に差し掛かるのか。判断の迷いを生じているようだ。

日米ともに、高値を警戒した売りが出たことは間違いない。ニューヨークの場合は、大型減税法案の成立が危うくなったというニュースが売りのきっかけになった。しかし東京の場合は、これといったきっかけもない。ただ10月以降の急ピッチな上げに対する警戒感から、売り物が膨らんでいる。

今回の株価上昇は、世界同時好況が基本的な原因。企業の収益が拡大し、それが株価を押し上げた。その土台はまだ崩れてはいない。したがって株価は依然として、上り坂の局面にあると考えられる。東京市場の売買手口をみると、売ったのは主として海外のヘッジファンドだった。短期の利益を追求するヘッジファンドは売ったが、長期的な投資を目指す政府系ファンドや年金基金などは売っていない。

10月以降の株価連騰期間中、日銀は2日間しかETF(上場投資信託)を買わなかった。それだけ予定した購入計画に余まりが出たことになる。仮に年内にその分を購入すれば、株価を500円引き上げる効果がある。もし株価が下落すれば、通常より多くのETFを買い入れることもできるはずだ。こうした見方も、楽観派を勇気づけている。

      ≪13日の日経平均 = 下げ -300.43円≫ 

      ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ


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企業の利益は いぜん膨張中
2017-11-15-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 4社に1社が過去最高の儲け = 4-9月期の決算発表がピークを越えた。日経新聞がこれまでに発表された上場企業の決算を集計したところによると、売上高は前年比で9%の増加。経常利益純利益は、ともに24%の大幅な増加だった。製造業では電機、機械の増益率が高く、非製造業では商社と建設、不動産の利益が大きく伸びている。全体的にみても、4社に1社の割合で過去最高益を記録した。

製造業の場合は、円安の影響も大きい。たとえばソニーは純利益が前期の5.2倍に。またトヨタも減益見通しから増益予想に転換している。商社の場合は、世界経済の好転による資源価格回復の恩恵を受けた。建設や不動産は、災害復旧に加えてオリンピック需要が全体の底上げに貢献している。

企業の利益が増えると、1株あたりの利益が増加する。日経平均は10月初めから先週末までに2500円近くも上昇しているが、そのPER(株価利益率)はまだ15倍前後。ダウ平均の20倍前後に比べると、非常に低い。それだけ現在の株価に対する割高感は小さく、買いの余地が広いことを示している。

一方、増加した利益が従業員の賃金に回されることが期待されている。賃金が増えて消費に回れば、経済に好循環が生まれると考えられるからだ。安倍首相も経済界に対して、何度も賃上げをするよう要請している。だが結果は、あまり芳しくない。なぜ利益が増えても、経営者は賃上げを躊躇するのか。政府はその原因を徹底的に研究する必要がある。

      ≪14日の日経平均 = 下げ -0.98円≫

      ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ


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輸出が支えた GDP ; 7-9月期
2017-11-16-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 頼みの個人消費は1.9%の減少 = 内閣府が15日発表した7-9月期のGDP速報によると、実質成長率は年率換算で1.4%だった。これでプラス成長は7四半期連続となったが、4-6月期の2.6%に比べるとスピードは半減している。最も重視された個人消費はマイナス1.9%、住宅投資もマイナス3.5%に落ち込んだ。企業の設備投資はプラス1.0%だったが、勢いは弱々しい。政府の公共投資もマイナス9.7%と、成長率の足を引っ張った。

内需が全滅状態となったなかで、ひとり頑張ったのが輸出。年率で6.0%の増加を記録。輸入が6.2%減少したために、成長率を大きく下支えする形となっている。輸出が伸びたのは、アメリカやEU諸国、それに中国や新興国の経済が堅調に推移したため。こうした世界同時好況の恩恵を受けたにもかかわらず、内需の不振で低成長が続いてしまった。

個人消費の伸び悩みは「長雨や台風の影響によるものだ」と内閣府は説明している。だが同時に発表された7-9月期の雇用者報酬は実質値で前期比0.5の増加。4-6月期の1.0%増から、これも半減した。こうした収入の伸び悩みとの関係は無視して、消費の鈍化をすべて天候のせいにしてしまうのは、どうかと思う。

国際的に比較してみると、7-9月期のGDP成長率はアメリカが3.0%、ユーロ圏が2.4%だった。日本の1.4%はいかにも低すぎる。そこで気になるのは、政府をはじめ与野党の政治家、経済界までが「低成長でも仕方がない。1%台の成長率でもプラスなら我慢しよう」といった考えに、甘んじているように思われることだ。デフレから脱却できない真の原因は、そこにあるのではないか。

      ≪15日の日経平均 = 下げ -351.69円≫

      ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ


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凄まじい ネット通販の破壊力
2017-11-17-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 1日の売り上げが2兆9000億円 = 中国では11月11日が“独身の日”。独り者が自分で自分に贈り物をする日なのだそうだ。ネット通販各社は、毎年この日に大幅値引きサービスを実施する。そして、ことし最大手のアリババ集団は、なんと1日で1700億元を売り上げたという。日本円にすると約2兆9000億円。東京・大阪・名古屋のデパートを合計した年間売上高よりも多いから驚きだ。

中国の人口は12億人以上。土地も広い。しかもスマホや携帯の普及率が高い。だからネット通販が伸びる条件が、世界で最も整っていると言えるだろう。現在、ネット通販が消費全体に占める割合は15%。アメリカの7%、日本の5%に比べても非常に高い。UNCTAD(国連貿易開発会議)の試算によると、中国のネット市場規模は70兆円、アメリカは40兆円だという。

ネット通販が増えれば、従来型の小売り業は浸食される。中国ではここ数年の間に、多くの都市で有名なデパートが閉店した。たとえば最近も大連の新世界百貨店が倒産。デパートに来る客を目当てに商売していた周辺の小売店も軒並み店を閉じた結果、繁華街がゴースト・タウンに変貌してしまった。

アメリカや日本でも、ネット通販拡大の影響は出始めている。アメリカではメーシーズ百貨店などが売れ行き不振に陥った。日本のデパートも苦戦しているところが少なくない。デパートだけではなく、専門店や大型小売店にも影響が及び始めた。中国を先頭に、ネット通販は確実に小売業界の地殻変動を惹き起こそうとしている。

      ≪16日の日経平均 = 上げ +322.80円≫

      ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ


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プ レ ー ト
2017-11-18-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ これまでの あらすじ ◇

1) 地球が寒冷化の危機 = 21世紀の半ば、地球は厚いメタン・ガスに覆われ、冷え込んでしまった。食料不足に見舞われた人類は、移住できる星を探るために、宇宙船を飛ばした。ぼくはその宇宙飛行士の1人。4.2光年離れたダーストン星にたどり着く。

着陸時に事故が起こり、ぼくは重傷を負った。しかし、この国の医療技術は完璧で、1週間のうちに歩けるようになる。どんな病気でもケガでも治してしまうので、この国の人たちは死ななくなってしまったんだそうだ。

2) マーヤという名のロボット = ぼくの世話をするために日本語が判るように改造されたのが、マーヤという名前のロボットだ。ロボットとは言っても、顔や体つき、それに皮膚の艶やかさは人間並み。この国のロボット技術は素晴らしい。

マーヤは左胸に「71」と書かれたプレートを付けている。ロボットだけではなく、人間の胸にもプレートが。病院のブルトン院長は「48」、賢人会議の議長を務めるウラノス博士は「12」だった。そして、ぼくの左胸にも「66」のプレートが。この数字は、いったい何を表しているのだろう。

3) 全国民の寿命が100歳 =ダーストン星はベートンという名の恒星の周りを回っている惑星だ。住民は300年ほど前に別の星から移住してきた人たちの子孫。移住は大型宇宙船で行われたが、それでも人口の1割ぐらいしか運べなかった。

残った9割の人々は、放射能汚染のために死滅したという。自分たちが犠牲になって、1割の人を新天地へ送り出した。このダーストン国では先祖の崇高な精神を受け継ぎ、人口を抑制するため驚くべき決断に踏み切った。それが死ななくなった国民の寿命を、すべて100歳にするという異常な制度の導入である。

                  (続きは明日)    

      ≪17日の日経平均 = 上げ +45.68円≫                                               
   
      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】    
  

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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2017-11-19-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第1章  ダー ス ト ン 星 

≪8≫ 胸番号の秘密 快適な20階建てマンションの最上階。今夜はぼくの手術をしてくれた医師ブルトン氏の招待を受けている。ぼくがこの国のことを理解できるようにと、ウラノス科学院長が配慮してくれたのだそうだ。

テーブルの上には、肉と野菜の料理。グラスには、ワインに似た液体も注がれている。電燈のようなものはいっさいないが、天井や四方のカベそのものが発光していた。40畳ほどの部屋には、戸棚もテレビも置いていない。ただ窓際の角に小さな机があって、その上に真っ赤な大輪のダリアのような花が活けてあった。素っ気ない感じだが、光線の柔らかさが心地よく落ち着く。マーヤもぼくの隣に座っているが、彼女は飲んだり食べたりはしない。

ブルトン氏は病院で見た白衣姿とは違って、柔和な紳士。茶系のガウンに光るプレートの数字は「48」だから、いま52歳ということになる。隣に座った奥さんを紹介してくれた。ぽっちゃり系の美人で、黄色のガウン。赤いプレートの数字は「52」だ。乾杯のあと、ブルトン氏がゆっくりした口調で話し始めた。

「ウラノス院長とお会いになって、どうでしたか。立派な人物だったでしょう」
――ええ、300年前の祖先がチャイコ星から移住してきたときの話。200年前の国民投票で全国民の寿命を100歳と決めたこと。ほんとうに驚くと同時に、深い感銘を受けました。

「私たちは幼いころから家でもその話を聞かされ、学校でも歴史として習います。妻や子どもたちを宇宙船に乗せるため、チャイコ星に残った夫や親の言動など。この国の人々は、決して忘れません。その証しとして、みんなが胸にプレートを付けているのです。これも200年前に、当時の賢人会が決めました」

――でも、なんで年齢ではなく、100から年齢を引いた数字になっているのでしょうか。
「まあ、食べながらお話しましょう。やはり昔の賢人会が、そう決めたのです。理由はいろいろありますが、寿命はだれもが100歳。残りの人生を大切にするため、あと何年生きるのかを常に意識するようにしたのだと言われています。人生設計を立てるのにも、とても役立ちますね」

――100歳で死ぬのはイヤだという人は、いないのですか。

そう尋ねたとき、目を大きく開いた夫人が会話に割り込んできた。

                   (続きは来週日曜日)

          
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今週のポイント
2017-11-20-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ あと2週間は調整する? = 株価は典型的な調整局面に入った。日米の株価は先週、やや大き目な上下動を繰り返しながら下落。日経平均は週間285円の値下がり。ダウ平均も64ドル値下がりした。トランプ減税法案の行く方や中国経済の減速傾向などが下げ材料になったが、要は10月以降の上げ過ぎ訂正の動きだと考えることができる。東京市場の方が上げ過ぎていたから、それだけ調整も大きくなった。

日経平均の場合は先々週2万3000円に達したときから、利益を確定する売り物が膨らんだ。国内の個人投資家も売ったようだが、海外ヘッジファンドの売りが大きい。多くのヘッジファンドは12月決算。それに備えて、利益の確定を急いだとみられる。この決算対策は12月に入ると終わるので、あと2週間ほどは調整局面が続くかもしれない。

ただ12月になると、世界のカネの流れに変化を生じる可能性がある。というのもFRBが4回目の利上げに踏み切るからだ。資金が株式市場から債券市場に流れたり、新興国からアメリカに引き揚げられたりするかもしれない。その影響の大きさはまだ推測できないが、要注意であることに間違いはない。

今週は20日に、10月の貿易統計。21日に、9月の全産業活動指数。アメリカでは20日に、10月のカンファレンス・ボード景気先行指数。21日に、10月の中古住宅販売戸数。22日に、11月のミシガン大学・消費者信頼感指数が発表される。

      ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ
 

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行き先不明の トランプ減税法案
2017-11-21-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 問われる大統領の統率力 = トランプ米大統領が“史上最大”と自負する大幅減税法案は、成立するのかしないのか。全く宙に浮いた形となっている。というのも下院は減税法案を可決したが、上院は実施を1年遅らせて19年とする法案をまとめたからだ。これが与党と野党の対決というのなら、よくある話。だが今回は共和党の下院と上院が、真っ二つに割れてしまった。トランプ大統領の統率力が問われる問題に発展している。

アメリカ下院は先週16日、税制改正法案を可決した。その内容は①法人税率を35%から20%に引き下げる②所得税率の分類を10-39.6%の7段階から、12-39.6%の4段階へ簡素化する③相続税を段階的に廃止する――など。法人税については、トランプ大統領が公約した15%への引き下げは見送られたが、それでも大幅減税となることに変わりはない。実施はもちろん18年からだ。

上院も似たような法案をまとめて、審議に入った。ところが実施は19年からという内容。これでは18年は減税がない。理由は財政の赤字拡大を抑制するため。仮に下院の法案が成立すると、減税の規模は今後10年間で1兆5000億ドル(約171兆円)にのぼる。アメリカ政府の債務残高は、ことし9月末で20兆ドルにも及んでいる。この財政悪化を問題視する共和党議員が上院には多いため、減税を先送りする法案がまとまってしまった。

これから共和党内で上下両院の交渉が始まるが、年内に妥協できないと減税法案は廃案になってしまう可能性もある。その成否をめぐって、ニューヨーク市場の株価も上げたり下げたりしている昨今だ。まだ共和党の指導者が話し合っている段階だが、間もなくトランプ大統領の出番になりそう。表に出てくるか裏で工作するかは判らないが、とにかく調整力・統率力を試されることになるのは確か。その結果は、政治と経済の両面に大きな影響を及ぼすことになる。

      ≪20日の日経平均 = 下げ -135.04円≫

      ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ


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追い詰められた メガバンク (上)
2017-11-22-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 人員・店舗の大幅削減へ = メガバンクが一斉に、経営の大改革に踏み切ることになった。みずほフィナンシャル・グループは①現在7万9000人いる従業員を、26年度末までに6万人に削減する②現在500ある店舗を、24年度末までに400に減らす――と発表して世間を驚かせた。また三菱UFJグループは、現在500ある店舗を今後6年間で半減することを検討中。さらに三井住友グループも、19年度末までに人員を4000人削減する方針だ。

先ごろ発表された4-9月期の決算をみると、これらメガバンクの業績は決して悪くない。たとえば三菱UFJは6269億円、三井住友は4201億円、みずほは3166億円の連結純利益をあげている。だが問題は、その内容。利益の大半は保有株式の売却や貸倒引当金の戻し分、海外投資に関係した為替差益やカード・ローンなどから生み出された。いずれも長期にわたって利益を生むような要因ではない。

銀行の本業は、預金と貸し出しの業務にある。ところが、この本業が急速に悪化した。たとえば、みずほフィナンシャルの4-9月期決算では、この本業の儲けを示す業務純益が1907億円。前年同期に比べて41%も減少している。これでは行き詰まることが目に見えている。メガバンクの経営者はこうした状態に強い危機感を持ち、高コスト体質にメスを入れる決断を下した。

業務純益が悪化した原因は、日銀のマイナス金利政策にある。預金金利はゼロに近づいたが、貸出金利も急降下してしまった。みずほ銀行の4-9月期でみると、預金と貸し出しの金利差はわずか0.81%にまで落ちている。1億円の預金を集めて貸し出しても、81万円しか儲からない。そこで生き残るためには人員と店舗の削減で、とにかくコストを下げるしかないということになった。

                    (続きは明後日)

      ≪21日の日経平均 = 上げ +154.72円≫

      ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ


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追い詰められた メガバンク (下)
2017-11-24-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ マイナス金利の副作用 = いまから20年前、1997年に北海道拓殖銀行が不良債権を処理し切れずに倒産した。あくる98年には、日本長期信用銀行と日本債券信用銀行も。この金融危機をきっかけに、当時の大銀行は経営基盤の強化を目指して次々と合併した。その結果、現在の3グループからなるメガバンク体制が確立している。合併の効果もなくはなかったが、当然ながら人員は増加した。それが超低金利の恒常化で、急に重荷として顕在化したと言える。

低金利のために本業で稼げなくなったメガバンクは、一時は国債の売買で利益をあげた。しかし日銀の買い入れで、国債の流通量が激減。利ザヤも薄くなって、商売にならない。地方の企業に目を付けたが、これも経営難にあえぐ地方銀行が必死で防戦。コストの安い地銀の捨て身の営業に、勝つことは難しい。

それではと、個人向けのカード・ローンにも力を入れた。最高10%以上の金利を稼げるカード・ローンの残高は、この3月末で5兆6000億円にも達した。しかしカード・ローンは不良債権にもなりやすく、金融庁が規制に乗り出す。銀行側も最近は、やむなく自粛せざるをえなかった。さらに余った資金を日銀に預ければ、その一部にマイナス金利が適用されてしまう。

日銀のマイナス金利政策は、16年2月から始まっている。それから間もなく2年。その副作用が、あらゆる角度から銀行の経営を圧迫し始めた。最近では日銀の内部でも、副作用について心配し始めたと伝えられる。だが物価2%の目標を捨てられない日銀には、どうすることもできない。結果として、メガバンクが従業員を何万人も減らすことになってしまった。その影響は想像以上に大きい。

      ≪22日の日経平均 = 上げ +106.67円≫

      ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ


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プ レ ー ト
2017-11-25-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ これまでの あらすじ ◇

1) 地球が寒冷化の危機 = 21世紀の半ば、地球は厚いメタン・ガスに覆われ、冷え込んでしまった。食料不足に見舞われた人類は、移住できる星を探るために、宇宙船を飛ばした。ぼくはその宇宙飛行士の1人。4.2光年離れたダーストン星にたどり着く。

着陸時に事故が起こり、ぼくは重傷を負った。しかし、この国の医療技術は完璧で、1週間のうちに歩けるようになる。どんな病気でもケガでも治してしまうので、この国の人たちは死ななくなってしまったんだそうだ。

2) マーヤという名のロボット = ぼくの世話をするために日本語が判るように改造されたのが、マーヤという名前のロボットだ。ロボットとは言っても、顔や体つき、それに皮膚の艶やかさは人間並み。この国のロボット技術は素晴らしい。

マーヤは左胸に「71」と書かれたプレートを付けている。ロボットだけではなく、人間の胸にもプレートが。病院のブルトン院長は「48」、賢人会議の議長を務めるウラノス博士は「12」だった。そして、ぼくの左胸にも「66」のプレートが。この数字は「100から年齢を引いた数字」だと聞いて驚いた。

3) 全国民の寿命が100歳 =ダーストン星はベートンという名の恒星の周りを回っている惑星だ。住民は300年ほど前に別の星から移住してきた人たちの子孫。移住は大型宇宙船で行われたが、それでも人口の1割ぐらいしか運べなかった。

残った9割の人々は、放射能汚染のために死滅したという。自分たちが犠牲になって、1割の人を新天地へ送り出した。このダーストン国では先祖の崇高な精神を受け継ぎ、人口を抑制するため驚くべき決断に踏み切った。それが死ななくなった国民の寿命を、すべて100歳にするという異常な制度の導入である。プレートの数字は、残りの人生を大切に生きるための証しなのだという。

ダーストン星での奇妙な体験は、まだ始まったばかりだ。

                  (続きは明日)    

      ≪24日の日経平均 = +27.70円≫                                               
   
      【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】    
  

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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2017-11-26-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第1章  ダー ス ト ン 星 

≪9≫ 幸せな100年の人生 = 「私たちは物心がついたときから、お前の寿命は100年だと教えられてきました。そのとき子供たちは『100年しか生きられないから悲しい』なんて、誰も思いませんよ。みんな『100年も確実に生きられるんだ』と喜びます。その喜びを、大人になっても持ち続けているんです。だから昔の賢人たちが決めたことに疑問を持ったり、反対を唱える人は誰もいません。

もっと昔の人は、病気や怪我でいつ死ぬか判りませんでした。可愛い子どもを病気で亡くしたり、幼い子どもを残して事故で死んでしまう若い親たち。考えただけでも、ほんとうに可哀そうですね。そんな悲劇にいつ襲われるかしれない人生と、100年の寿命が安全に保障される人生と、どちらが幸せかは明らかでしょう。もしいま国民投票をやっても、95%以上の人が賛成すると思いますわ。ねえ、あなたも同感でしょ」

最初に顔を合わせたときは、何やら野蛮人でも見るような目付きだったブルトン夫人だったが、いまは興奮の面持ちで喋りまくる。マーヤもいつもより早口で、通訳してくれた。水を向けられたブルトン院長は、うなづいて話を引き継いだ。こんどはマーヤの口調もゆっくりになる。

「人口は1000万人ですから、毎年10万人が100歳になる計算です。そして子どもを欲しがる若い人には、年間10万人の赤ちゃんが授かるようになっている。だから人口はいつも1000万人に保たれるのです。もう1つ医学的に補足しておきますと、この国の人は満100歳に近づくと、自然に静かな休息を欲するようになる。遺伝子操作で、みな生まれたときからそうなるようにプログラムされているんです。

ですから死ぬことに対する恐怖感はありません。みんな満100歳の10日前ぐらいになると、いそいそとして特別な病院へ向かいます。そこでは宗教的な行事も何もありません。ただ100年を無事に生きたことを感謝し、子どもや孫へと世代交代する喜びを噛みしめるのです」

胸に「50」のプレートを付けた女性ロボットが、皿を運んだり片づけたりしている。マーヤと似たような感じだが、どこか違っている。それにロボットの場合は、年齢差が感知できない。マーヤとそのロボットの顔を見比べながら、聞いてみた。

――ロボットも胸に番号を付けていますね。ロボットも100歳で死ぬんですか?
「あゝ、それには別の理由があるんです。でも私が話すよりは、メンデール教授に聞いた方がいい。科学大学院の学長で、この国の科学技術を取り仕切っている人です。ご紹介しますから、会いに行ってください」と言って、ブルトン医師はロボットたちに目くばせした。

                       (続きは来週日曜日)     

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今週のポイント
2017-11-27-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 上昇ペースは鈍ったものの = ダウ平均は先週200ドルの上昇。日経平均も154円の値上がりだった。日米の株価はともに先々週は下落したが、すぐに上昇に転じている。ただ高値圏に入っているだけに、上昇のペースはひところに比べるとかなり鈍った。それでもダウ平均は週央に史上最高値を更新。日経平均も2万2500円台まで戻している。市場の空気は、まだ強い。

市場の強気は、企業の好業績に支えられている。株高でアメリカの年末商戦も、順調に滑りだしたようだ。そうしたなかで、FRBによる12月の利上げが近づいてきた。株価への影響はまだ現われていないが、為替の面では円の対ドル相場がやや上昇してきた。理論的には円安要因になるはずだが、市場が利上げを十分に織り込んでいるための結果だろう。

世界同時好況の基盤には、全く変化がみられない。ヨーロッパやアジア諸国の株価も、上昇基調を維持している。ただ資源の国際価格も回復しており、原油相場もじわじわと上がってきた。こうした状況のなかで、FRBは12月12-13日のFOMC(公開市場委員会)で政策金利の引き上げを決定する予定。ここで世界経済の潮目に変化が起きなければ、株価は次の上昇気流に乗る可能性が大きい。

今週は27日に、10月の企業向けサービス価格。29日に、10月の商業動態統計。30日に、10月の鉱工業生産と住宅着工戸数。1日に、10月の労働力調査、家計調査、消費者物価、7-9月期の法人企業統計、11月の新車販売。アメリカでは27日に、10月の新築住宅販売。28日に、11月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数と9月のFHFA住宅価格。29日に、7-9月期のGDP改定値。1日に、11月のISM製造業景況指数と新車販売。また中国が30日に、11月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

      ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ≫         

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10週間連続で上昇 : ガソリン価格 (上)
2017-11-28-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 2年3か月ぶりに140円台乗せ = 資源エネルギー庁の集計によると、11月20日時点のレギュラー・ガソリン店頭価格は全国平均で1リットル=140円10銭だった。これで10週間連続の値上がり。この間の値上がり率は7%に達している。また140円台に乗せたのは2年3か月ぶりのこと。ことしの年末年始は、車での移動費が高くなりそうだ。

地域別にみて、最も高くなったのは沖縄県で147円60銭。次いで長崎県が147円20銭。安いのは埼玉県の136円10銭と高知県の136円40銭。地方によって、値段にかなりの開きが生じている。このうち沖縄や長崎は、輸送コストと関係がありそうだ。また埼玉は激戦区だからだろう。ちなみに東京都は141円30銭だった。

価格の上昇は、言うまでもなく原油の国際価格が高騰したことによる。ニューヨーク市場のWTI(ウエストテキサス産軽質油)相場は、11月に入って1バレル=57ドル台の高値を付けた。2年4か月ぶりの水準で、6月下旬の安値からみると3割以上も上がっている。これは世界的な原油の需給構造に、いくつかの変化が生じたためだ。

まず供給面では、OPEC(石油輸出国機構)の減産協定が延長される見込みになったこと。その一方で増産を続けてきたアメリカのシェール業界が、ハリケーンの被害を受けて減産を余儀なくされたこと。いずれも原油生産の伸び悩み要因になるわけで、原油の国際価格を押し上げる結果となった。

                          (続きは明日)

      ≪27日の日経平均 = 下げ -54.86円≫

      ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ


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10週間連続で上昇 : ガソリン価格 (下)
2017-11-29-Wed  CATEGORY: 政治・経済
世界同時好況で需要が増加 = OPECの減産については、盟主サウジアラビアの政情不安が問題視されている。サウジの内情がガタつけば、OPECの結束は乱れるという予測だ。しかしムハンマド皇太子は着々と地歩を固めているようにみえ、OPECの減産協定が破れる可能性は小さい。これは価格の押し上げ要因。その一方、アメリカのハリケーン被害は間もなく復旧する。これは価格の押し下げ要因として働く。

もう1つ、原油価格を押し上げている要因に世界同時好況がある。先進国だけではなく、新興国の景気も一斉に上向いており、これが石油の需要を増やしていることは確実だ。この点についての調査報告はまだないが、同時好況が続く限り原油の国際価格は強含み傾向を持続するだろう。その結果、価格がどこまで上昇するか。

過去の経験からみても、WTI相場が1バレル=60ドルを超えてくると、日本経済には問題が生じる。まず輸入金額が膨張して、貿易収支の赤字要因になりやすい。輸入金額の支払いを通じて日本人の購買力が海外に流れ、景気にとってはマイナス要因になる。さらに国内では、企業や家計の光熱コストが増加する。また全般的に、物価の上昇を招きかねない。

日銀が発表した10月の企業物価は、前年比3.4%の上昇だった。この上昇幅は9年ぶりの大きさ。主な原因は石油・石炭・LNG(液化天然ガス)の値上がりで、これらの製品は15.8%も上昇した。卸売りの段階で上がった物価は、間もなく小売り段階へと波及する。ガソリンや灯油だけでなく原油関連製品が値上がりすれば、企業も家計も苦しくなる。喜ぶのは、一部の石油関連企業と日銀だけだろう。

      ≪28日の日経平均 = 下げ -9.75円≫

      ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ


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乱暴な 賃上げ促進の税制改正
2017-11-30-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 社会主義国も顔負け? = 政府は企業の賃上げを促進するため、新年の通常国会に「所得拡大促進税制」の見直し案を提出する方針。具体的には3%以上の賃上げを実施した企業に対して、税額控除を増やす形で実質的な法人税率を25%に下げる。その一方で賃上げに熱心でない企業に対しては、法人税を軽減する租税特別措置の適用を停止する。要するにムチとアメによって、企業に3%以上の賃上げを強要する政策だ。

たしかに企業は400兆円を超える内部留保を貯め込んでいる。これをもう少し賃上げに振り向ければ消費が増大し、経済の“好循環”が始まるだろう。安倍首相がかねて強調している理屈だ。この考え方自体は正しいと言える。だが、それにしても税制を利用して企業の経営に介入するやり方は、いかがなものか。先進国では前例がない。どこかの社会主義国では、あるのかもしれない。

こうした乱暴な税制が実現した場合、大企業は事業をますます海外に移して、利益を国内に戻さなくなるかもしれない。また非正規雇用を増やして、賃上げによる負担を軽減するようになる可能性も大きい。さらに利益が小さく賃上げ余力に乏しい企業が、税制上の不利益を被ることになる。中小企業にとっては、経営の圧迫要因になることは明らかだ。

巨大な利益を貯め込んだ企業が、なぜ賃上げに消極的なのか。それは人口減少が進んで行く日本経済の将来に不安を感じるからだろう。その不安を払拭するために、アベノミックスでは構造改革を断行して潜在成長率の引き上げを図るはずだった。それが遅々として進まないために、自由経済を否定するような税制改正を思い付いたのではないだろうか。

      ≪29日の日経平均 = 上げ +110.96円≫

      ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ


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