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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
懲りない 立憲民主党の「原発ゼロ法案」 (下)
2018-03-01-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 民主党時代からの悪いクセ = 国民感情に配慮して原発に対する依存度は、できるだけ下げたい。しかし必要な電力の供給は確保する必要がある。実は安倍内閣も、この問題では苦慮しているのが現状だ。当初は再生可能エネルギーの普及に期待したが、強制買い取り制度の運用で失敗を重ね、いまだに「エネルギー基本計画」の作成もできない状態にある。野党にとっては絶好の攻撃材料だが、対策が欠如した原発ゼロ法案などを公表すれば、お互いさま。迫力のある攻撃は不可能になってしまうだろう。

高い理想を掲げるが、実現は出来ない。これが民主党時代から引きずっている悪弊である。天下を取ったときも、民主党は沖縄の基地問題や消費税率の見直し、社会保障政策などで、この悪弊を露呈。結局は有権者に見放された。今回の原発ゼロ法案作成は、この失敗をまた繰り返しているように見受けられる。

“原発ゼロ”を掲げれば、他の与党との共闘がしやすくなるという思惑もあったに違いない。しかし理想では同調できても、具体論では一致できない。これまた民主党系の歴史が教えるところだろう。たとえば法案に書き込んだ「30%の電力節約」などは、選挙が近づけばすぐに党が分裂する根拠になる。

国民の大多数は「原発はない方がいい」と考えている。だが「耐乏生活を送っても原発はゼロがいい」と言う人は、そのうちのごく一部だ。多くの人は「生活のレベルを落とさずに、原発をゼロにする方法はないものか」と、政治家に期待をかけている。こうした国民の感情を理解できなければ、立憲民主党が政権をとることはないだろう。

      ≪28日の日経平均 = 下げ -321.62円≫

      ≪1日の日経平均は? 予想 = 下げ


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日経が載せた2つの記事 : 企業業績
2018-03-02-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 読者は混乱したが = 日本経済新聞の27日付け朝刊(東京版)2面に「12月期企業 円高重荷 業績伸び鈍化」という記事が載った。12月決算企業を集計すると、18年12月期の純利益は前年比4%の増益にとどまる見通し。17年12月期の30%増益から、伸び率が大幅に鈍化するという内容だ。円高で輸出採算が悪化し、内需関連企業も人件費の高騰で利益が圧迫されるためだと解説している。

ところが同じ朝刊の21面を見ると、そこにも企業業績に関する記事が載っていた。こちらの方は「今3月期営業益 3度の上方修正30社超」と、きわめて景気がいい見出し。18年3月期の純利益予想は昨年4-6月期決算時点では14%の増益だったが、4-12月期決算時点では30%の増益に上方修正された。この間3回も上方修正した企業は、30社を超えているという内容だ。

一方は「利益が鈍化」という記事、もう一方は「増益率が上方修正」という記事。もしかすると、読者は混乱したかもしれない。だが、よく読むと2つの記事に矛盾はない。片方はあと1か月後に締め切りがくる3月期決算企業の話。もう片方は10か月後に決算される企業の話だ。2つの記事を合わせて読むと、企業の業績は「これまでは好調だったが、これからは伸びが鈍化しそう」ということが判る。

しかし3月期決算予想の記事では、今後の見通しに触れていない。読者がいま知りたいのは、圧倒的に数が多い3月期決算企業の「今後の見通し」だろう。仮にこの2つの記事が同じ面に掲載されていたなら、読者はかなり奇異な印象を受けていたはず。それを避けるために別のページに載せたのだとすれば、不親切な編集と言わざるをえない。

      ≪1日の日経平均 = 下げ -343.77円≫

      ≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ


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トランプ大統領の 自己矛盾
2018-03-03-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 北朝鮮と銃規制の微妙な関係 = アメリカでは銃の乱射事件が頻発している。公共施設や学校で、なんの罪もない子どもたちまでが犠牲になっている。なんとも悲惨な出来事だ。しかしトランプ大統領が「学校の教師にも銃を持たせればいい」と語ったというニュースには、唖然とするしかなかった。日本人には、どうしても理解できないアメリカの銃社会である。

三島由紀夫が1970年に割腹自殺した。そのときアメリカ人たちは「刀で自分の腹を切るとは、なんて野蛮な国民なのだ」と言って、日本人を批判した。だが「自分の国の大統領をライフルで撃ち殺すのと、どちらが野蛮だろう」と反論すると、たいていのアメリカ人は沈黙した。お互いに感性や哲学が異なっており、理解は難しいと結論付けるしかなかったことを覚えている。

そこで疑問が1つ。トランプ大統領は北朝鮮に対して核を放棄するように迫っているが、理念に矛盾はないのだろうか。北朝鮮は自衛のために核を保有するのだと主張している。この考え方は、アメリカの銃規制反対の論理と似ているように思われてならない。国際問題と国内問題は違うのだろうか。

断わっておくが、北朝鮮の核保有を擁護しているわけではない。北朝鮮は核を放棄すべきだが、それを迫るトランプ大統領の心のなかに銃規制反対の論理がちらつくことはないのだろうか。アメリカ人の考え方は尊重するにしても、この矛盾は気になってしまう。アメリカが銃規制に乗り出せば、矛盾は解消に向かうのだが。

     ≪2日の日経平均 = 下げ -542.83円≫

     【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】  


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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2018-03-04-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第3章  経 済 が な い 世 界 

≪22≫ キラキラの歴史博物館長 = 玄関前で出迎えてくれた館長は、陽の光に照らされて輝く銀色のローブを着た女性だった。すらりとした体形で、顔立ちはすこぶる整っている。全く同じ背格好の女性ロボットと腕を組んだまま、微笑みながらお辞儀をしてくれた。こちらも慌ててお辞儀をする。

「よくいらっしゃいました。私が館長のショッピーです。このロボットはラフマ。生まれたときから一緒で、一心同体の関係です。どうぞ、よろしく」

歴史博物館は郊外の森のなかに、忽然と聳え立つ大きな建物だった。ルーブル博物館のような近代的な建築物ではなく、むしろ大英博物館に近い感じ。建物の周りは広大な広場になっていて、大勢の人が散策したり、なかにはシーツを広げて弁当を食べている家族もいる。こんなに大勢の子どもを見たのも初めてだ。

やや薄暗い館内に入っても、ショッピー館長のローブは光ったまま。落ち着いた感じの応接室に通された。ぼくのマーヤはなにやら緊張しているようだ。

「ガーシュさんから伺いましたが、貴方はこの国でおカネが使われないことに興味をお持ちなんですね。もちろん、昔はおカネが流通していました。しかし、だんだん流通量が減って、全く使われなくなったのは、いまから100年ほど前のことです。
この博物館には政治や社会、科学や芸術など、いろいろな資料館があります。経済資料館もありますから、あとでご案内しましょう」

――すると、いまの人たちはおカネを使ったことがないわけですね。でも、それでうまく行くんでしょうか。ちょっと信じられないんですが。

「地球人の貴方からみれば、無理もないことかもしれませんね。でも人々の生活に必要な物資は食料でも機械でも医療品でも、みんなロボットが作っています。その原料もロボットたちが生産しています。ロボットに給料は要りません。ですから人々は、おカネを払わずに何でも手に入れることができるのです。ただロボットが働くためには、電力が必要ですね。けれど、この電力も太陽光発電ですべて賄えます。

したがって、おカネの要らない社会が実現した最大の要因は、ロボットの能力を人間並みにまで進化させたことだったと言えるでしょう。あとで科学資料館をご覧になれば判りますが、この国のロボットも最初のうちはコンピューターを人間の形に組み込んだだけのものでした。それが人間と同じ能力を持つようになったのは、人間の脳内構造をDNAごとロボットに移植する技術が開発されたからなのです。それが約100年前。そして、おカネが姿を消しました」

                           (続きは来週日曜日)    


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今週のポイント
2018-03-05-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ ワシントン発の竜巻2本 = ダウ平均株価は先週772ドルの大幅安を演じた。週の前半はパウエルFRB新議長が議会で証言。アメリカ経済の順調な回復を強調し過ぎたため、市場では「ことしの利上げは3回でなく、4回になる」という見方が急増した。さらに後半はトランプ大統領が、鉄鋼とアルミに輸入関税をかけると発表。世界経済に対する悪影響が心配された。ニューヨーク市場は、ワシントン発の2本の竜巻に相次いで襲われた形になった。

日経平均も先週は711円の値下がりとなった。ニューヨーク株価の大幅安、日本の鉄鋼・アルミの対米輸出に対する影響、米中間で経済摩擦が強まる懸念。加えて円相場が105円台にまで上昇したことが、株安の要因となった。このうち円相場は、FRBによる金融引き締め、トランプ大統領の保護貿易政策の両方から上昇圧力を受けている。

FRBの利上げ加速に対する警戒は、いまに始まったことではない。だから市場も少し時間が経てば、織り込んで行くに違いない。しかし輸入制限の問題は、相手国の対応しだいでは問題が際限なく広がってしまう。市場がそのあたりまで見極めるには、長い時間がかかりそうだ。特に中国が、どんな反応をみせるのだろうか。

今週は7日に、1月の景気動向指数。8日に、10-12月期のGDP改定値、1月の国際収支と2月の景気ウォッチャー調査。9日に、1月の家計調査と毎月勤労統計。アメリカでは5日に、2月のISM非製造業景況指数。7日に、1月の貿易統計。9日に、2月の雇用統計。また中国が8日に、2月の貿易統計。9日に、2月の消費者物価と生産者物価を発表する。

      ≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ


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トランプ保護貿易の 衝撃度 (上)
2018-03-06-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 中間選挙対策の第1弾 = トランプ大統領は1日、鉄鋼には25%、アルミニウムには10%の輸入関税をかけると発表した。すべての国からの輸入に適用、無期限に実施する方針。通商拡大法232条に基づき、安全保障上の見地から輸入を規制すると説明している。この発表を受けてEU、カナダ、中国などは猛反発。輸入制限が実施されれば、報復措置をとる姿勢を明らかにした。最悪の場合は、世界貿易戦争に発展する危険性も否定はできない。

アメリカはこれまでも、中国などからの不当に安い製品には反ダンピング税を課してきた。しかし反ダンピング税は個々の商品に課税するため、効果には限界がある。また第3国経由で輸入されると、課税がむずかしい。そこで今回はすべての鉄鋼・アルミ製品を対象とし、すべての国からの輸入品に適用することになった。

ただ安全保障を理由とする通商拡大法232条の発動は、きわめて異例なことだ。これまでには1982年に、リビアからの原油輸入を禁止した例があるだけ。それだけにEUなどの反発は強く、アメリカ国内からも「やり過ぎではないか」という批判の声が上がっている。ニューヨーク市場の株価も、貿易戦争への発展を懸念して大幅に値下がりした。

トランプ大統領の最大の狙いは、ことし11月に予定される中間選挙対策だろう。その証拠に、この発表は鉄鋼・アルミ業界の代表者をわざわざホワイトハウスに招いて行われた。一昨年の大統領選挙では、鉄鋼やアルミ産業が多い北西部で“アメリカ・ファースト”をぶち上げ、これが勝利に大きく貢献した。今回の発表は、この経験から導き出された選挙対策第1弾だと考えられる。つまり第2弾もありうるわけだ。

                           (続きは明日)

      ≪5日の日経平均 = 下げ -139.55円≫

      ≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ


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トランプ保護貿易の 衝撃度 (下)
2018-03-07-Wed  CATEGORY: 政治・経済
貿易戦争を誰が止める? = アメリカ政府の鉄鋼・アルミ輸入制限に対して、素早く反応したのはカナダとEU。カナダのフリーランド外相は「対抗措置をとる」と言明。EUのユンケル欧州委員長は、アメリカ製の二輪車など商品の固有名詞を挙げて「報復措置をとる」と声明した。トランプ大統領は今週中に通商拡大法232条の発動に署名する予定だが、その途端にカナダやEUが対抗措置を発表する可能性はきわめて高い。

中国政府はまだ「無謀な政策だ」と批判するにとどまっているが、カナダやEUが対抗措置をとれば同調する公算が大きい。日本政府は「日本の輸出がアメリカの安全保障を脅かすとは思えない」と抗議しただけで、相変わらずの様子見だ。しかしカナダやEUに同調する国が増え、アメリカがまたそれに対抗すれば世界は貿易戦争に突入することになる。

報復的な輸入制限が拡大すれば、世界の貿易量は縮小。経済状態も悪化する。しかも経済的な対立が、政治的な問題に発展しないという保証はない。世界的な現在の安全保障体制にヒビが入る危険性さえ、全く否定できないだろう。喜ぶのは、北朝鮮の専制君主だけということになりかねない。

いまのトランプ大統領には、何を言ってもムダだろう。対応策はEUやカナダなどが、しばらく報復措置を我慢すること。そのうちにアメリカ国内でも、自動車産業やビール業界が原料の値上がりで不満を募らせるかもしれない。さて、誰がEUやカナダを説得するのか。先進国の首脳では古株となった安倍さん、出番ではありませんか。

      ≪6日の日経平均 = 上げ +375.67円≫

      ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ


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値上げの春に 考えること (上)
2018-03-08-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 庶民の物価と日銀の物価 = やっと春がきたら、値上げラッシュもきてしまった。電気とガスの料金は、3月に続いて4月も上がる。3月から4月にかけては、ビール・冷凍食品・アイスクリーム・パックご飯・トイレットペーパー・・・。それにテーマパークの入場料や宅配便・引っ越し料金も。値上げの理由はいろいろだが、原油など原料価格の上昇と人件費の高騰が大きい。

物価が上がれば、家計は圧迫される。同じ1万円札でも、使い出が目減りしてしまうからだ。だから家計にとっては、物価は上がらない方が望ましい。ところが政府・日銀は、物価を2%まで上昇させようと懸命に努力している。ここで問題なのは、庶民にとっての物価と政府・日銀が言う物価は違うということだ。

総理府は毎月、消費者物価指数を作成して発表している。たとえば1月の統計をみると、まず総合指数は前年比で1.4%の上昇だった。ここから生鮮食品を除いた指数というのがあって、これが前年比0.9%の上昇。さらに生鮮食品とエネルギーを除いた指数だと、前年比は0.4%上昇。そのうえ食品全部とエネルギーを除いた指数では、0.1%の上昇だった。

生鮮食品の値段は天候に左右されやすい。エネルギーは国際価格によって決まる。だから、これらを除いた物価指数も作成している。そして政府・日銀は、特に生鮮食品とエネルギーを除いた指数をコア指数と呼んで重視する。1月の場合は、0.4%しか上昇していない。しかし家計にとって、生鮮食品とエネルギーは重要な支出項目だ。これらを含めると、1.4%も上昇している。この感覚の差が、いまの日本経済に大きな問題を持ち込んでいるのではないだろうか。

                              (続きは明日) 

      ≪7日の日経平均 = 下げ -165.04円≫

      ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ


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値上げの春に 考えること (下)
2018-03-09-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 金利2%なら17兆円の収入増 =  理論的に言えば、物価はふつう需要と供給の関係で決まる。したがって景気がよく需要が強いときには、物価は上がりやすい。また物価は、原料価格や人件費の高騰によっても押し上げられる。家計が影響を受けるのは、この両方がもたらす物価変動だ。これに対して政府・日銀は景気を重視するから、需給によって生じる物価変動に着目する。

政府・日銀が、需給による物価変動を重視すること自体に問題はない。だが、そのために日銀が2%の物価上昇を目標とする金融緩和政策を推進すると、大きな副作用が発生する。そのうちの1つが、銀行に預金しても利子が付かなくなったことだ。いま個人の預金額は約860兆円。仮に2%の利子が付けば、家計は年間17兆円の収入増加になる。ゼロ金利から5年、家計は80兆円以上も“正常な状態なら得るべき所得”を失ったと言えるだろう。

総合指数でみた物価は、年々1-2%ほど上昇する。このため給与所得だけではなく、年金収入も目減りする。さらに利子所得はゼロ。これでは家計は節約するしかない。だから消費は増えず、景気はよくならない。この間、株を買って儲けることができた人はいい。しかし大多数の人々は、日銀のゼロ金利政策に泣かされている。

原材料やエネルギーの価格が上がっても、末端では個人が節約に走る。そうなると、個人を相手とする小売りやサービス業者は仕入れ価格を転嫁できないから、商売が苦しくなる。こんな状態を続けていいものか。日銀は再考すべきだろう。安倍さん、消費税の再引き上げどころではありませんよ。

      ≪8日の日経平均 = 上げ +115.35円≫

      ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ


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日本人を食い物にする カジノ計画
2018-03-10-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ “美しい日本”を忘れるな = 政府は今国会に提出するカジノ開設を含むIR(統合型リゾート)実施法案の原案をまとめた。そのなかでは、日本人がカジノに入場できる回数を1週間に3回、あるいは4週間に10回以内に規制。また日本人に対しては、2000円の入場料を徴収するなどの措置が導入されている。これはギャンブル依存症の人が増えるのを防止するための方策だという。

統合型リゾートの建設は、25年に予定される大阪万博に向けて、訪日外国人旅行客の誘致策として計画された。しかし外国人客だけではカジノの経営は成り立たない。そこで日本人にも来場してもらいたいが、ギャンブル依存症の人が増えるという理由で反対論も強い。その批判を回避しようと作成したのが、この日本人に関する規制案だ。

だが、こうした規制策で日本人のギャンブル依存症が増えない保証は全くない。この点について政府は「依存症の治療や更生についても責任を持つ」と言っている。冗談じゃない。そんなことにまで責任を持ったら、病院代や更生施設にいくらカネがかかるか分からない。カジノ経営のために日本人を食い物にしておいて、挙句の果てにそんなことにまで税金を使おうとする無神経さにはあきれるほかはない。

外国人客が増えれば、経済的にはプラスになる。だが外国人に“美しい日本”を見て好きになってもらうことも、大事な効果だろう。カジノがあれば、その効果はむしろ減るのではないだろうか。ギャンブルを楽しみたい人は、ラスベガスやマカオに行けばいい。美しい自然や人情に触れたい人だけが、日本を訪れればいいのでは。

       ≪9日の日経平均 = 上げ +101.13円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】   


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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2018-03-11-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第3章  経 済 が な い 世 界 

≪23≫ ボランティア = 銀色のローブに身を包んだショッピー館長とロボットのラフマは、ぴったり身を寄せてテーブルの向こう側に座っている。こちら側のぼくとマーヤの間は、やや離れている。距離を詰めようかと迷ったが、思いとどまった。

――でも館長、働いている人の給料はどうしているのですか。病院のブルトン院長や科学大学院のメンデール教授、それに貴女も。

「この国では約3割の人たちが、たしかに働いています。でも、みんな報酬など貰っていない、いわゆるボランティアですよ。正確に言えば、お医者さんや大学の先生、大工場の責任者などは決まった仕事を毎日こなしています。ほかに道路の清掃をしたり、子どもの勉強をみたり。こういう人たちは不定期なボランティア活動をしています。

みんな欲しいモノは何でも手に入りますから、報酬などは必要ないのです。自分で世の中のためになることをしたい。そう考えて仕事をしているんです。子どものときからやりたいことを決めて、専門コースで知識や技術を身に着ける人も少なくありません。医師や学校の先生、ロボット工学の技術者などですね。だから、おカネは必要ないんです。お解りでしょうか」

――ということは、約7割の人が遊んで暮らしている?
「そう言えないこともありません。しかし大抵の人は、趣味に没頭しています。たとえば鳥や虫や植物の研究。大きな望遠鏡で夜空の星を観察したり、なかにはカビの培養に精を出したり。その成果を発表することに、生きがいを感じているわけです。
ところで申し訳ありませんが、きょうはこれから子どもたちに歴史の話をしなければなりません。明日また来ていただければ、ゆっくり館内をご案内しましょう」

最初から気が付いていたが、ショッピー館長とラフマの胸には≪29≫のプレートが。だから2人とも71歳ということになるが、とても若々しい。2人が地球にいてテレビのニュース・キャスターになったら、大評判をとるだろうなんて考えてしまった。

その晩、マーヤとこんな話をした。
――あの2人は、どういう関係なんだ。すごく親しそうだったね。
「私も女性とロボットのラブラブ関係を見たのは初めてです。男性とロボットが兄妹か夫婦のように親しくなっているのは、ときどき見かけるのですが。そういう人たちが、正式に結婚できることを望んでいるのは間違いないでしょう。賢人会の議論は、どうなっているのでしょうね」

――ショッピーさんとラフマも、そうかしら?
「ご自分で、お聞きになってみたらいかが」

それはちょっと遠慮しておこうと思った。同時に「マーヤはどうなんだ」という質問も、呑み込んでしまった。

                           (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2018-03-12-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 消化し切れなかった市場 = トランプ大統領は先週8日「北朝鮮の金正恩労働党委員長と5月までに会談する」と発表。世界に衝撃を与えた。同じ日、トランプ大統領は鉄鋼・アルミに輸入関税をかける文書に署名。ただし「カナダとメキシコは除外。その他の国も協議に応じる」と言明した。朝鮮半島に静けさが戻り、アメリカの保護貿易に緩和の糸口が見える。株式市場にとっては、いずれも大きな好材料だった。

だが市場の受け止め方は限定的だった。この2つのニュースを受けて、9日の日経平均は一時500円以上も上昇したが、終り値は101円の値上がり。ダウ平均も441ドルの上昇にとどまっている。米朝首脳会談では「また騙されるのでは」という疑問の影が付きまとう。関税協議でも「トランプ大統領は新しい要求を交渉材料にするのでは」という懸念が見え透いた。市場はこうした影を意識し、2つのニュースを十分に消化できなかったようだ。

結局、先週はダウ平均が798ドルの値上がり。日経平均は288円の上昇だった。こうした影は長く付きまといそうだから、今週も市場の消化難は続くだろう。ただ朝鮮半島の緊張緩和は、当面の円相場を下落させる公算が大きい。そして株式市場の注目点は、企業の収益動向。特に18年度の収益見通しへと移動して行く。

今週は12日に、1-3月期の法人企業景気予測統計。13日に、2月の企業物価と1月の第3次産業活動指数。14日に、1月の機械受注。アメリカでは13日に、2月の消費者物価。14日に、2月の小売り売上高と生産者物価。16日に、2月の工業生産と住宅着工戸数、3月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が14日に、2月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。

      ≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ

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6回目の利上げは 確実に : FRB
2018-03-13-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 強すぎるアメリカの雇用市場 = アメリカ労働省が発表した2月の雇用統計は、農業を除く雇用者の増加数が多すぎて関係者を驚かせた。雇用者の増加数は、なんと31万3000人。事前予想の20万人をはるかに上回った。建設、製造、小売りなど広範な部門で増加しており、アメリカの景気拡大が予想以上に強いことを示している。失業率も4.1%で、17年ぶりの低水準。雇用者の平均時給は前年比2.6%の増加だった。

アメリカの中央銀行であるFRBは、今月20-21日に金融政策を決定するFOMC(公開市場委員会)を開く。こんなに強い雇用統計が出たため、ここで政策金利の引き上げが決まることが確定的になった。FRBは15年末から5回にわたって金利を引き上げてきており、今回引き上げれば6回目。金利は年1.75%の水準になる。

市場関係者は、むしろ“その後”に関心を寄せ始めた。これまでのFRBの方針は「18年中に3回の利上げ」だったが、これが「4回」に増えるのかどうか。トランプ大統領の大規模減税とインフラ投資の影響で、物価にも上昇圧力がかかってきた。平均時給の伸びが鈍かったため「3回説」も根強いが、いま市場では「4回説」が「3回説」を上回りつつあるようだ。

年4回の引き上げ予想が定着すると、市中の長期金利は確実に3%を上回るだろう。仮にそうなると、債券投資の方が株式投資よりも有利になる可能性が出てくる。またアメリカの債券市場を目指して、新興国から資金が移動し始めるかもしれない。来週のFOMCが近づくにつれて、長期金利の動きから目を離せない。

      ≪12日の日経平均 = 上げ +354.83円≫

      ≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ


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回復基調は 続いているのか?
2018-03-14-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 企業予測調査にみえた翳り = 内閣府と財務省は12日、1-3月期の法人企業景気予測調査を発表した。それによると、大企業の景況感指数は3.3で、前回10-12月期の6.2から大きく縮小している。特に製造業は9.7から2.9に低下した。中小企業の指数も、前回のマイナス2.3から今回はマイナス9.9に悪化した。しかし財務省は季節的な影響もあるので「緩やかな回復基調が続いている」という基調判断を変えていない。

法人企業景気予測調査というのは財務省と内閣府が共同で、四半期ごとに実施している大規模な調査。今回は2月15日を基準日として、全国1万2800社から回答を得た。景況感指数は、前回時点に比べて「景況が上昇した」と答えた企業の構成比から「下降した」と答えた企業の構成比を差し引いた数字。

この調査では、4-6月期の見通しについても聞いている。その結果は、大企業が0.3へとさらに悪化する見込み。特に製造業は、マイナス1.5にまで低下する。たしかに調査が実施された時期は、アメリカの長期金利上昇で株価が大幅に下落した直後。企業の経営者も、将来の見通しに不安を抱いたのかもしれない。

だが、それにしても大企業・製造業の見通しがマイナスにまで低下するのはやや異常。財務省は「なぜ回復基調が続いていると判断するのか」の理由を、もっと丁寧に説明する必要があるのではないか。そこのところを省略すると、多くの人たちがこの調査から不安を読み取ってしまう心配がある。

      ≪13日の日経平均 = 上げ +144.07円≫

      ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ


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トランプ貿易政策の 正体
2018-03-15-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 安倍首相の“お土産”はなに? = トランプ大統領は鉄鋼に25%、アルミに10%の輸入関税をかける文書に署名。23日には発効することになった。たとえば鉄鋼の場合、アメリカで消費された輸入品の割合は00年の約2割が11年には3割に増大した。このまま放置すると、アメリカの安全保障に影響するというのが輸入制限の理由である。突然のこの発表に全世界は驚き、報復措置の応酬が心配された。

ところがアメリカ政府は、その直後に「カナダとメキシコは除外」と発表。オーストラリアも対象外としたようだ。また「その他の国も交渉の余地がある」ともコメントしている。カナダとメキシコを除いた理由は、NAFTA(北米自由貿易協定)の見直しを進めているため。NAFTAはトランプ大統領が「再交渉に応じなければ脱退する」と脅して、むりやり再交渉の場に引きづり込んだという経緯がある。

アメリカがNAFTAの再交渉で、何を要求しているかは全く不明だ。しかし要求を通すために、関税問題を持ち出しているだろうことは想像に難くない。ここから類推すれば、EUや日本に対しても関税免除と引き換えに、新たな要求をしてくる可能性は十分に考えられる。日本については、農畜産物と自動車の輸入拡大、軍事装備品の購入増などが中核だろう。

そうしたなかで安倍首相は4月上旬にも訪米し、トランプ大統領と会談する予定だ。しかし、こんどはゴルフ道具を手土産に「よろしく」というわけにはいかない。と言って「農畜産物や兵器の購入増加」を、大っぴらにするのも不自然だ。考えられるのは、近く始まる日米間の通商交渉で“何か”を譲歩するという裏約束か。安倍さんの外交能力が、まともに問われることになりそうだ。

      ≪14日の日経平均 = 下げ -190.81円≫

      ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ


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青森県に 拍手を! : 健康寿命 (上)
2018-03-16-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 山梨県と愛知県が好成績 = 厚生労働省は先週、16年の健康寿命を発表した。それによると、男性は72.14歳、女性は74.79歳。13年時点の調査に比べて男性は0.95歳、女性は0.58歳延びている。都道府県別にみると、男性の第1位は山梨県の73.21歳で、前回に続いて首位を確保。女性の第1位は愛知県の76.32歳で、3年前の第18位から急伸した。

健康寿命というのは、介護など他人の力を借りずに自力で生活できる期間。元気で過ごせる期間が長くなるから、生きがいのある高齢者が増えることになる。また医療費や介護費用が減るから、国や自治体の財政負担も軽くなる。このため、いま自治体では健康寿命の延長を目指して、いろいろな施策を講じているところが多い。

平均寿命と健康寿命の差は、介護などの支援が必要な期間となる。このブログでは、これを「不健康期間」と名付けた。全般的に平均寿命も延びているが、健康寿命の延びの方が大きく、不健康期間も短くなった。16年の場合、不健康期間は男性が8.84年。女性は12.35年。13年に比べて男性は0.18年、女性は0.05年短くなっている。

この調査には地震の影響で、熊本県が入っていない。したがって調査の対象は46都道府県となるが、最下位は男性が秋田県の71.21歳。女性が広島県の73.62歳だった。男性の第1位と最下位の差は2.00歳、女性は2.70歳。これが平均値だから、その差はけっこう大きい。

                              (続きは明日)

      ≪15日の日経平均 = 上げ +26.66円≫

      ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ


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青森県に 拍手を! : 健康寿命 (下)
2018-03-17-Sat  CATEGORY: 政治・経済
最下位から第34位に浮上 = 都道府県別の順位はかなり変動しているが、そのなかで目立ったのが青森県の男性の健闘。前々回10年の調査では最下位だったのが、今回は34位まで浮上した。6年前の健康寿命は68.95歳。それが今回は71.64歳まで改善している。青森県は平均寿命もいちばん短く、10年ほど前から県民の健康増進に力を入れてきた。

青森県は“短命県”の汚名を返上しようと、健やか力推進センターを設置して、県民の生活指導に力を注いだ。特に塩分の取り過ぎに注意することを徹底させたという。ほかの数々の対策とともに、その効果がようやく表れてきたのだろう。青森県の成績向上は「やれば出来る」という証拠にもなる。今後も頑張ってほしいものだ。

青森県のほかにも長野県など、健康対策に力を入れている自治体は少なくない。そういう自治体に、いくつかの提案がある。まず対策の効果を測定して、お互いにその結果を交換すること。次に県民の状態は国よりも自治体の方がよく知っているのだから、県民の健康寿命は独自に調査したらどうか。また健康寿命が延びた結果、自治体の社会福祉支出にどんな影響があったかも発表してもらいたい。

都道府県が独自で健康寿命を計測するには、市町村の結果を積み上げ計算することになるだろう。すると市町村単位の健康寿命も明らかになり、隣同士の自治体間でいい意味の競争が生まれる。健康寿命への取り組みは、まだ始まったばかり。これからは国や都道府県よりも、末端の市町村が自分で考え努力する時代になることが望ましい。

      ≪16日の日経平均 = 下げ -127.44円≫

      【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】    


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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2018-03-18-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第3章  経 済 が な い 世 界 

≪24≫ コン棒からコンピュータ―へ = 歴史博物館は石造りの宏大な建物だ。天井が高い真ん中のホールは、運動会が開けるほどの広さ。そこから四方に幅広の廊下が突き出しているから、空から見ると大きな十文字型をしているはずだ。その1つの廊下の左側に経済資料館の部屋が並び、右側は科学資料館になっている。相変わらずラフマと腕を組んだままのショッピー館長と一緒に、動く歩道に乗っていちばん奥の部屋まで進んだ。

古びたコン棒やヤリ、弓矢などが所狭しと並べられていた。壁には畑を耕したり、動物を追いかける古代人の大きな絵。ここでショッピー館長が説明を始めると、珍しくマーヤが口ごもった。
「この部屋は『自然・・経済の時代』だと申しておりますが、それで意味が解りますか」と聞いてくる。
――あゝ、農耕や狩猟など自然だけを相手にしていた時代という意味だろう。

地球だって、昔はそうだったんだから判っているよ。こう言いたかったが、黙っていた。するとショッピー館長が「地球人もわれわれと同じような環境で進歩してきたはず。そうですよね」と、鋭く指摘した。その通りと言うしかない。

「この自然経済時代は、3000年以上も前から始まりました。終わったのは、いまから550年ほど前。圧縮空気によるポンプや蒸気機関が発明されて、機械経済時代に入ったのです。その時代の様子は、次の部屋に詳しく展示されています」

頭のなかで、めまぐるしく計算する。地球の産業革命はたしか1760年代だった。いまから300年ほど昔ということになる。ということは、この星の方がその時点で250年も進んでいたということか。

「自然経済時代の進化は、とてもゆっくりでした。でも機械経済時代には進化が加速し、電力がエネルギーの主流になったのです。そしてコンピューターが発明され、すべての機械が電脳化されました。これが350年ほど前のこと。つまり、われわれの先祖がこのダーストン星に移住してくる直前です。

そのころまでに、ロボット工学も高いレベルに達していました。人間の代わりに工場などで働くロボットは、完全に仕事をこなすようになりました。ただ当時のロボットは、人間の形をしたコンピューターだったと言えるでしょう。私たちは、この時代のロボットを機械的ロボットと呼んでいます」

――そのロボットが350年ぐらい前から、一大進化を遂げたんですね。
「その通り。ロボット工学と医学がドッキングしたのです。その結果、ロボットの頭脳構造のなかに、人間のDNAが組み込まれました。機械経済時代は終わり、人間は働く必要のない経済レス時代が始まったのです」

ショッピー館長はそう言うと、いとおしげにラフマの肩をやさしく抱いた。

                            (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2018-03-19-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 政治に神経を使う市場 = 「森友学園問題は、安倍内閣の屋台骨を揺さぶり始めた」と、多くの外国人投資家は考えている。その結果は、利益確定の売り。にもかかわらず株価が下落しないのは、日銀や年金基金などの買いによるものだ――市場関係者は最近の動きを、こう分析した。出来高は細っている。日経平均は先週207円の値上がり。

ニューヨーク市場にも、政治の影が伸び始めた。トランプ政権の保護貿易的な政策、さらにティラーソン国務長官の突然の更迭に象徴される政権内部の不協和音。加えて今週21日のFRBによる金利引き上げ。金融引き締めのテンポが、さらに速まるのかどうかへの警戒感。こちらも市場の膠着感は強まってきている。ダウ平均は先週389ドルの値下がり。

佐川元理財局長の国会証言は、近く実現する見通し。それで森友学園問題がいっそう過熱するかどうか。特に前後に発表されるであろう各種マスコミの内閣支持率が急落するようだと、外国人投資家の日本株離れは加速するかもしれない。その一方で国内の個人投資家が、割安感を頼りに出動するかどうか。今週の見どころになりそうだ。

今週は19日に、2月の貿易統計。20日に、2月の訪日外国人客数。22日に、1月の全産業活動指数。23日に、2月の消費者物価。アメリカでは21日に、2月の中古住宅販売。22日に、2月のカンファレンス・ボード景気先行指数。23日に、2月の新築住宅販売が発表される。

      ≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ


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揺らぐ“安倍一強” : 海外投資家の見方
2018-03-20-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本人より重大視するわけ = 日経平均株価は1月下旬から下げ基調にある。1月23日の高値からみると、先週の終り値は2500円近くも値下がりした。その最大の原因は、外国人投資家が売りに回ったこと。この程度の下げで持ちこたえているのは、日銀や年金基金が買い支えに出動しているからだ。では、なぜ海外投資家が日本株を売り始めたのか。その理由として、専門家は円高の進行と政治不安の増大を挙げている。

円の対ドル相場は、1月下旬から2円70銭ほど上昇した。このため海外投資家は輸出関連株を中心に利益確定売りを出したが、3月に入ると内需株からも手を引き始めた。これは森友学園問題に火が付いたことを、嫌気したためだとみられている。この問題がさらに燃え上がれば、安倍一強体制が揺らぎかねない。するとアベノミックスに象徴される財政・金融面からの積極政策は、継続が難しくなる。

海外投資家が思い浮かべるのは、1998年に選挙に大敗して政権を退いた橋本内閣の事例。その後の日本経済は、長期にわたるデフレに陥った。現在の状況は、そのときの状態によく似ていると指摘する外国人も少なくない。したがって森友問題の終息が見えてくるまでは、リスクを避けたいという姿勢になる。

政治不安と株価下落の関係を考えるとき、日本人はロッキード事件による田中首相、リクルート事件による竹下首相の退陣劇を思い出す。いまの森友事件は、それに比べればスケールが小さい。だから安倍首相の退陣にまでは繋がらない。平均的な日本人の感覚は、まだこの程度だろう。もちろん、事件の発展しだいでは「外国人の嗅覚の方が鋭かった」ということになる可能性もないではないが・・・。

       ≪19日の日経平均 = 下げ -195.61円≫

       ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ


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アメ車の輸入は1万8500台 : 昨年
2018-03-22-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ トランプ大統領をどう説得する? = 鉄鋼とアルミに輸入関税をかける大統領令は、あす23日に発効する。アメリカ政府はカナダ、メキシコ、オーストラリアの3か国については適用を免除。その他の国についても「交渉の余地がある」と表明したが、いまのところ何の動きもない。4月に訪米する安倍首相に、交渉条件を突きつける公算も大きくなってきた。

アメリカの日本に対する要求は、おそらく軍用装備品の購入増、農畜産物と自動車の輸入増加だろう。そこで自動車と食料品について、日米間の貿易がどうなっているかを調べてみた。財務省が発表した17年の貿易統計によると、アメリカ向けの輸出は15兆1000億円。アメリカからの輸入は8兆1000億円だった。収支尻は7兆円と、日本側の大幅な黒字となっている。

自動車だけを取り出してみると、日本車の対米輸出は174万7000台。金額にして4兆6000億円に達している。その半面、アメ車の輸入はわずか1万8500台。金額も5300億円に過ぎない。全体の黒字額の6割が、自動車によるものだ。日本はアメ車の輸入に関税をかけていない。しかしアメリカは燃費や排ガス規制が、非関税障壁になっていると批判する。だが燃費や排ガス規制は世界の流れでもある。日本も譲歩は難しい。

食料品はアメリカ側の大幅な黒字。日本の輸出が900億円しかないのに、輸入は1兆4000億円もある。ただ自動車の赤字に比べると、食料品の黒字は少ない。アメリカはそこに不満を持っているが、日本としても国内事情からそう大きく輸入を増やせない。結局は武器など軍用品の購入増がカギ。その金額をめぐっての駆け引きになりそうだ。

      ≪20日の日経平均 = 下げ -99.93円≫

      ≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ


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黒田日銀総裁の 光と闇 (上)
2018-03-23-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 異次元緩和の輝きは消滅 = 黒田日銀総裁の再任が決まった。任期は23年4月までの5年間。日銀総裁の再任は、山際総裁以来57年ぶりのことである。ゼロ金利と国債の大量買い入れという大胆な金融緩和政策を引っ提げて5年前に登場した黒田総裁は、世界中を驚かせたと言ってもいい。アベノミックスの一翼を担って、株価の上昇や雇用の増大に大きく貢献したことも事実である。

たとえば5年前と現在を比べると、日経平均株価はほぼⅠ万円の値上がり。名目GDPは約1割の増大。失業率は25年ぶりの低さに。企業の利益は過去最高の水準に達している。世界同時好況の影響にも恵まれたが、”黒田バズーカ”と呼ばれた超金融緩和政策がそれなりの効果を発揮したことは確かだろう。

だが、この異次元緩和も時の経過とともに、すっかり色あせてしまった。日銀がいくら現金を供給しても、企業や個人の借り入れは一向に増えない。かつての栄光は遠くにかすみ、その明るさは刻々と薄れて行く。しかし日銀はこれ以上に金利を下げられないし、国債の購入を増額することもできない。

その一方で超緩和政策の副作用は、時とともに累積する。財政はますます規律を失い、銀行は本業では儲けられなくなった。債券市場は日銀に乗っ取られ、株式市場も日銀への依存度を強めている。このように日銀が現在の政策を続けていると、その政策の効果はどんどん薄まり、副作用はどんどん強まる。これが、いま日銀が陥っている重大なジレンマだろう。

                           (続きは明日)

      ≪22日の日経平均 = 上げ +211.02円≫

      ≪23日の日経平均は? 予想 = 下げ


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黒田日銀総裁の 光と闇 (下)
2018-03-24-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 安倍首相と心中する形に = 黒田総裁は“異次元緩和”の余韻が残るなかで、任期を全うしたかったのかもしれない。世界を見渡せばアメリカは着々と金融引き締めを進め、EUも緩和政策から離脱しようとしている。ところが日銀は身動きがとれない。緩和策の強化はムリだし、といって緩和策からの脱出もできない。ただ副作用が累積して行くのを眺めるばかり。そんなときに再任が決まってしまった。

実は黒田総裁の再任は、安倍首相の強い意向によるものだ。まず「ここで日銀総裁を交代させれば、アベノミックスは失敗した」と受け取られる可能性がある。さらに9月の自民党総裁選と来年の消費税再引き上げを控えて、景気の失速は許されない。したがって黒田流の緩和政策は持続されなければならない。安倍首相の心情は、こうだったのだろう。

その線に沿って、安倍首相は副総裁に若田部早大教授と雨宮日銀理事を任命した。この2人は名だたるリフレ派。つまり現行の緩和政策の推進論者である。こうして黒田総裁は、緩和政策からの脱出も封じられてしまった。日銀の金融政策はいっそう硬直的になり、その副作用が累増して行く公算が大きい。

副作用のなかで意外に大きいのは、預金金利がゼロになったこと。たとえば定期預金に2%の利子が付けば、預金者は年間17兆円の収入を得ることができる。それがなくなったから、家計は節約に走り消費が伸びない。黒田総裁の再任に反対した野党は「物価2%の達成に失敗したこと」を理由に挙げたが、これはお角違い。突っ込むべきことは、ゼロ預金金利の弊害だったろう。

      ≪23日の日経平均 = 下げ -974.13円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】   


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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2018-03-25-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第3章  経 済 が な い 世 界 

≪25≫ マネー全盛期  = 再び動く歩道に乗って、いちばん奥の部屋に戻る。そこでラフマが天井の一角を指さすと、部屋の雰囲気ががらりと変わった。展示されていたコン棒や弓矢が美しい色の貝殻や石に変わり、壁の大きな絵も古代人がウサギと貝殻を交換する図柄に一変した。

「こんどは通貨の歴史です。貝殻や石などの自然物から、人間が鋳造した金属のコイン。さらに近世に入ると、中央銀行が発行する紙幣が使われるようになります。地球では、どうだったのでしょうね」

ショッピー館長の言葉に、うなずくばかり。そう、中学や高校で習った通りだ。地球の人間もこの国の人たちも、全く同じ道を歩んで進歩してきたんだ。不思議だなあ。

そんなことを考えているうちに、ショッピー館長は急ぎ足で行ってしまう。まるで「この辺の歴史はよくご存じでしょうから」と言っているようだ。この人はぼくの知識を、どのくらい知っているのだろう。頭のなかをすっかり見透かされているようで、ちょっと気持ちが悪い。

「この辺りからは、400年ほど前の展示が始まります。機械経済時代が成熟期に入り、社会や経済や政治までがものすごい勢いで変わり出しました。私たちはここからチャイコ星が放射能で汚染されるまでの約80年間を『滝つぼ前時代』と名付けました。つまり河の流れが滝つぼに近づいて異常に速くなり、最後にはこのダーストン星への脱出となるわけです。
そのころの政治体制は、選挙による議会制民主主義でした。政府は景気を悪くすると、選挙で負けてしまう。ですから財政・金融面からの景気刺激策をとり続け、中央銀行には超金融緩和策を継続するよう要求したのです」

この話も、ぼくが飛び出す前の地球の状況によく似ているなあ。日本でも、ぼくが生まれたころ『異次元緩和』とか『ゼロ金利』なんていう言葉が流行っていたらしい。この国では300年以上も前に、そんな経験をしたんだ。

「景気対策が長いこと続き、財政・金融の両面から大量のおカネが世の中に供給されました。その結果、おカネを中心とする新しい経済領域が誕生したのです。私たちはこれを“マネー経済領域”と名付けました。経済の歴史は3000年以上も前にさかのぼりますが、ずっとモノを作ったり運んだりすることが中心の“古典的経済領域”にとどまっていたのです。
そこにマネー経済領域が加わり、猛烈な勢いで膨張しました。株価や貴金属の値段が高騰し、景気の好調が持続したようにみえました。ところが結局は、これが社会や政治に大変動を惹き起こすことになります」

                              (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2018-03-26-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 貿易戦争の拡大に怯える市場 = 世界の株式市場は、時ならぬ春の嵐に見舞われた。トランプ大統領が中国からの輸入品に高関税を課す制裁措置を決定。また鉄鋼・アルミについての輸入制限も発動した。これに対して中国側も、アメリカからの輸入品に報復関税をかけると発表。貿易戦争が一気に燃え上がる危険性が高まってきた。このため世界の株式市場は、軒並み大幅に値を下げている。

中国に対する制裁措置が発表された22日、ニューヨーク市場ではダウ平均が724ドルの大幅な下げを演じた。終り値では1か月半ぶりに2万4000ドルを割り込んでいる。あくる23日も425ドルの続落だった。この警戒感はヨーロッパ、アジアにも飛び火し、23日の日経平均は974円の大幅安に。5か月ぶりに2万1000円を下回った。円相場も1年4か月ぶりに104円台まで上昇している。

結局、ダウ平均は先週1413ドルの大幅下落。あのリーマン・ショック直後以来の週間下げ幅を記録した。日経平均も1059円の値下がりだった。アメリカ政府は中国に対する商品別の関税率などを近く発表する。中国も報復関税の拡大を検討中と伝えられる。したがって、貿易戦争がすぐに鎮静するような状況にはない。当面は米中両国の出方と、それが企業の収益にどんな影響を与えるか。そこに注目して行くしかないだろう。

今週は27日に、2月の企業向けサービス価格。29日に、2月の商業動態統計。30日に、2月の労働力調査、鉱工業生産、消費者物価。アメリカでは27日に、3月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。28日に、10-12月期のGDP確定値。また中国が30日に、3月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

       ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ


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世界貿易戦争の 勃発 (上)
2018-03-27-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ トランプ大統領の二丁拳銃 = とうとう世界貿易戦争が始まってしまった。引き金を引いたのはトランプ大統領。二丁拳銃のうち一丁は中国に、もう一丁は中国を含む全世界に照準を合わせている。特に狙われた中国は、いち早く報復措置を発表。EUやカナダなども、一斉に非難の声をあげた。しかしトランプ大統領は、聞く耳を持たない。世界の株式市場は、貿易戦争の拡大を恐れ大幅に下げている。

トランプ大統領は先週22日、通商法301条を発動。中国から輸入する情報通信機器・家電・家具・玩具など1300品目に25%の関税をかけると発表した。対象品目の詳細は15日以内に公表され、規模は最大600億ドルにのぼる見込み。理由は、中国に進出した米企業が不当な技術移転を要求されたり、米企業の買収に中国政府の資金が使われたこと。これら知的財産権の侵害で、アメリカは年間500億ドルの損害を被っていると説明している。

中国政府の反応は素早かった。報復措置として第1弾は果物やワインなど120品目に15%の関税、第2弾は豚肉など8品目に25%の関税を上乗せする。これらの規模は約30億ドル分。さらにアメリカ側の出方によっては、輸入額の大きい大豆などの農産物も規制。アメリカ国債の購入減額も考えると示唆している。そこまで行くと、アメリカの長期金利が跳ね上がる事態になるかもしれない。

こうした輸入制限措置は、中国国内の物価を急騰させる危険性を持っている。だが中国政府は、強硬な姿勢を崩そうとはしない。一方、アメリカ側も300機の対中輸出を成約したボーイング、大量の機材を売り込んでいるキャタピラーなどの業績はどうなるのか。不安が不安を呼んで、先週のダウ平均株価は1400ドルも急落した。ヨーロッパやアジア市場の株価も大幅に下げている。
 
                                (続きは明日)

      ≪26日の日経平均 = 上げ +148.24円≫

      ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ


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世界貿易戦争の 勃発 (中)
2018-03-28-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 適用除外は巧妙な策略 = トランプ大統領が中国製品への制裁的な輸入制限を発表したあくる日、こんどは全世界を対象にした鉄鋼とアルミの輸入制限が発効した。輸入する鉄鋼製品に25%、アルミ製品に10%の関税をかけるという内容。安全保障上の理由から、通商拡大法232条を適用した。ところがアメリカ政府は同時に、カナダ・メキシコ・EU・韓国・オーストラリア・アルゼンチン・ブラジルは適用除外にすると発表している。

このうちオーストラリアはアメリカ側が貿易黒字を出しており、適用除外とした理由が明白だ。だが残りはすべてFTA(自由貿易協定)を交渉中、あるいは交渉を始める対象になっている。その交渉で譲歩しないと「鉄鋼とアルミの輸入関税を免除しないぞ」と脅しているに等しい。その証拠に、アメリカ政府は「本当に適用除外にするかどうかは4月末に決定する」と漏らしている。

日本は適用除外国に入らなかった。その理由は必ずしも明らかではない。しかし推量すれば、アメリカ側は近く日本に対してもFTAの締結を迫ってくるはず。しかも4月になると、安倍首相が訪米する。放っておいても、日本は何らかの“お土産”を持参してくるだろう。トランプ大統領はこう考えているのではないだろうか。

日本のアメリカ向け鉄鋼輸出量は、17年で190万トン。国内生産量用の2%に過ぎない。しかも鉄道のレール、油田用のパイプ、自動車のボディなどアメリカでは生産量が少ない鋼材が多い。このため業界では関税をかけられても、影響は限定的だとみている。ただアメリカ市場から締め出された各国産の製品がアジア市場に殺到すると、値崩れが起こりやすい。これが日本の鉄鋼メーカーにも影響することを、いまから警戒している。

                                 (続きは明日)

      ≪27日の日経平均 = 上げ +551.22円≫

      ≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ


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世界貿易戦争の 勃発 (下)
2018-03-29-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ アメリカ・ファースト vs 中国第一 = 各国間の貿易戦争は、これまで何回も勃発している。日本の輸出を、アメリカが制限したケースも少なくない。戦後は繊維に始まり、鉄鋼、電機、自動車がヤリ玉に挙がった。ただ、ほとんどの場合、日本側が輸出を自主規制して問題を鎮静させている。またアメリカの貿易赤字を解消させるため、主要国が一致して為替を切り上げたこともあった。有名なプラザ合意である。その根底には、最大の経済国であるアメリカが不調になれば、世界全体が損失を被るという共通の認識があった。

ところが今回は、少しばかり様相を異にする。主たる相手が中国だからだ。もちろん中国も、貿易戦争がプラスにならないことは十分に承知している。しかしメンツを重んじる国だから、自主規制などはできない。またトランプ大統領が「世界第2位の経済大国にのし上がってきた中国を、ここらで叩いておこう」と考えていることも、よく承知している。したがって、柔軟な姿勢はとりにくい。

不幸なことは世界を見渡しても、こうした状況下で“調停役”になれる政治家がいないこと。ドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領、イギリスのメイ首相。いずれも国内に大きな政治問題を抱えており、それどころではない。日本の安倍首相も、森友問題で足元が揺らいでいる。ロシアのプーチン大統領は、中国寄りの姿勢を鮮明にした。

米中が報復の応酬を重ねれば、世界貿易は縮小し、経済も危うくなる。米中ともにその危険性はよく判っているから、水面下では解決に向けての話し合いも始まっているとも伝えられた。しかし世界第1位と第2位の経済大国が争うと同時に、アメリカ・ファーストと中国第一のぶつかり合いとなっている。そんなに簡単に話がまとまるとは思えない。

      ≪28日の日経平均 = 下げ -286.01円≫

      ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ


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二極分化の 上昇 : 公示地価
2018-03-30-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大きい外国人観光客の増加 = 国土交通省が発表した18年の公示地価によると、ことし1月1日時点の全国の地価は前年比0.7%の上昇だった。このうち住宅地は0.3%の上昇で、10年ぶりの上昇。商業地は1.9%の上昇で、3年連続の上昇となっている。相変わらず3大都市圏の上昇率が高いなかで、今回は3大都市圏以外の地方圏も0.041%とわずかながら26年ぶりに上昇したことが目立つ。

たとえば東京圏の住宅地は1.0%の上昇、商業地は3.7%の上昇。いずれも5年連続の上昇だった。東京オリンピックを控えての再開発や需要増加が、地価を押し上げている。その一方、地方圏では外国人観光客の増加が、予想以上に地価に影響した。その好例は北海道のニセコ・リゾート。倶知安町では、住宅地も商業地も上昇率は全国1位。ともに30%を超えた。

このように地価の上昇は、3大都市圏と地方のリゾート地に二極分化している。その原動力がオリンピックと外国人観光客だとすれば、この勢いはまだ続くだろう。一部では値上がりを見込んだ投機によるバブル化の現象もみられるが、国交省では「多くが実需に基づいており、健全な動きだ」と分析している。

公示地価というのは、国交省が土地取引の目安を示すため、毎年1月1日時点の地価を1平方メートル単位で発表している。地元の不動産鑑定士が評価し、国交省の土地鑑定委員会が集計して公示する。今回は2万6000か所の地点を評価した。地価が上がると、景気がよくなったように思えるのは確かだ。しかし喜ぶのは、土地を売る人だけ。売る気のない多くの人は、固定資産税や相続税が高くなるので喜べない。

      ≪29日の日経平均 = 上げ +127.77円≫

      ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ


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「中食」が 大幅に増加中 : 家計調査
2018-03-31-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 弁当類の伸びが目立つ = 総務省が家計調査を使って、過去30年間に食料購入の内容がどう変化したかを算出した。物価の変動は調整している。それによると、1987年から2016年までの間に大きく増加したのは「中食」で、70.2%も増えている。その半面「内食」は19.6%減少した。また「外食」は、ほぼ横ばいとなっている。

と書くと「えっ、中食ってなんだ」と思う人がいるかもしれない。昔はレストランやそば屋で食べることを「外食」と言い、中食や内食という言葉はなかった。まず外食に対して、家で調理して食べるのが「内食」。その中間、つまり調理済みのものを買って帰り、家で食べるのが「中食」というわけだ。その中食が増えている。

中食が増加した理由について、総務省は何も説明していない。だが夫婦共働きの世帯が増えたためと考えて、間違いはないだろう。主婦も主夫も、家で調理する時間が少なくなったからに違いない。また子どもが自分で調理済みの商品を購入するケースもあるのだろう。いずれにしても、社会の変化を反映した現象である。

調理済み食品のなかでは、弁当類の購入が増加した。1987年には調理済み食品の18.8%を占めていたが、2016年には27.2%の比率に拡大した。その他の調理済み単品で目立つのは、ウナギのかば焼きが6.8%から2.2%に急落したこと。これは価格の上昇と関連しているのだろう。ただハンバーグも2.0%から1.0%に落ちている。その原因は、ちょっとわからない。

      ≪30日の日経平均 =上げ +295.22円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】 


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