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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2018-04-01-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第3章  経 済 が な い 世 界 

≪26≫ 貧富の格差  = ショッピー館長の熱心な講義が続く。ラフマはうっとりした表情で聞き入っているが、マーヤは大忙し。いろんな経済用語が出てくるから、大変なのだろう。

「マネー経済領域にある株式とか貴金属の価格は、どんどん上がりました。中央銀行が大量のおカネを放出したからです。コンピューターに任せておいても、莫大な利益が転がり込む時代でした。でも、この流れに乗ってお金持ちになったのは、ほんの一握りの人たち。人口の9割近い人たちは、相変わらず古典的経済領域のなかでモノ作りやサービス業に従事していました。マネー経済領域に入って儲けようとしても、投機に必要な資金を持っていなかったからです。

もちろん、古典的経済領域で働いていた人のなかにも、大成功を収めて大金持ちになった人はいました。でも、こういう人たちは大変な努力の末に成功したのです。ですから一般の人からは羨望の目で見られましたが、尊敬もされたのです。
しかしマネー経済領域での成功は、元手になる資産とコンピューターの知識さえあれば可能でした。仕事なんかしなくても、寝ているうちにコンピューターが稼ぎ出してくれる。そのおカネで、人々が汗水流して働き大きくした会社の株式を買い占めてしまう」

――貧富の差が拡大したのですね。その結果、人々の不満が鬱積して行く。
「その通りです。不満の矛先は政治に向けられました。そんな社会を創ってしまった政治が悪いというわけですね。そこで政府は低所得者に補助金を支給したりして、大衆の怒りを鎮めようとしました。しかし結局は財政が破たんして増税。貧富の差はいっそう拡大したのです」

なんだか、ぼくが宇宙に飛び出す前の日本の状況に似ているなあ。それから、どうなるのだろう。
「たくさんの政党が乱立し、みな有権者の支持を得ようと独自の政策を発表しました。減税だとか、生活費補助の引き上げだとか。なかには医療費や教育費、さらには交通費の無料化まで。けれども議会では互いに足を引っ張りあって、何も決めることができません。そこで数人の賢人による政治制度の方がいい、という世論が一気に高まったのです」

――国民投票で賢人会のメンバーが選ばれたのは、いまから350年ぐらい前のことだと聞いています。それから賢人会による政治がずっと続いているわけですが、うまく機能しているのですか。
「なにしろ決定が素早くなりました。ですから国民の多くは満足していると思います。そして、この賢人会による政治が成功した裏には、ロボットの存在が大きいことを忘れてはなりません」

                             (続きは来週日曜日)

             
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今週のポイント
2018-04-02-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 不安定な状態で新年度入り = 株価は大幅に反発して17年度を終えた。日経平均は先週836円の値上がり。前週の下落分を8割がた取り戻した。年度末の終り値は2万1454円。前年比で2545円、率にして13.5%の上昇だった。このため東証1部の年度末の時価総額は647兆円、前年比で79兆円増加している。一方、ダウ平均も先週は570ドル値上がりした。

世界同時好況の恩恵を受けて、日経平均の17年度の成績は予想以上によかったと言えるだろう。ただ、ことし2月からは下げ基調が続いている。年度中の高値は1月23日の2万4124円だったが、年度末の水準はそれより2670円低い。株価が下げ基調に入った原因は、主として政治的な問題

まず北朝鮮を巡る動き、次いでトランプ大統領が打ち出した保護貿易政策。この2つが世界の株式市場に大きな影響を与えた。先週はこの2つの問題に前向きの動きが見えたため、株価が反騰した。加えてアメリカではフェイスブックとアマゾンに対する規制強化、日本では森友問題が悪材料となっている。これらの問題はいずれも、まだ決着が見えない。不安定な状態のまま、新年度入りすることになる。

今種は2日に、3月の日銀短観と新車販売台数。6日に、2月の毎月勤労統計と景気動向指数。アメリカでは2日に、3月のISM製造業景況指数。3日に、3月の新車販売台数。4日に、3月のISM非製造業景況指数。5日に、2月の貿易統計。6日に、3月の雇用統計が発表される。

      ≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ


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一時的な鈍化なのか : 日銀短観
2018-04-03-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大企業・製造業の判断は2年ぶりに悪化 = 日銀は2日、3月の企業短期経済観測調査の結果を発表した。それによると、最も注目される大企業・製造業の業況判断指数はプラス24で、前回12月調査の26を2ポイント下回った。この指数が前回を下回るのは8四半期ぶりのこと。トランプ大統領の保護貿易政策など環境の悪化を受けた一時的な鈍化なのか、それとも景気が循環的にピークを過ぎたのか。判断はむずかしい。

大企業・製造業の先行き見通しはプラス20で、さらに鈍化する見込み。大企業・非製造業の判断もほぼ同じ傾向で、現状判断指数は23。前回より2ポイント悪化した。先行き見通しもプラス20に落ちている。このように経営者の業況判断が悪化することは、あらかじめ予測されていた。というのも調査が行われた2月26日―3月30日には、外部環境に大きな変化が起きていたためである。

特に円相場が大幅に上昇したことの影響は大きい。この調査によると、大企業・製造業の想定為替レートは、17年度が110円67銭、18年度が109円66銭となっている。ところが最近の相場は、104円―106円の水準に跳ね上がった。このため経常利益も全規模の平均で、17年度の7.1%増益が18年度は1.5%の減益予想に変化している。

当然、設備投資計画も慎重にならざるをえない。全規模の合計でみると、17年度は4.0%の増加だったものが、18年度は0.7%の減少見込みに。こうした点からみると、景気が下降局面に入る可能性も完全には否定できない。ただ全ては外部環境しだい。米朝会談の結果やアメリカの貿易戦略など、どんな結末になるかで変わってくるのだろう。

      ≪2日の日経平均 = 下げ -65.72円≫

      ≪3日の日経平均は? 予想 = 下げ


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株価を揺さぶる 恐怖指数
2018-04-04-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 悪材料は3つの政治問題 = 株式市場や為替市場では最近“恐怖指数”という言葉が、よく引き合いに出される。この指数が上がると、株価や為替相場の変動が大きくなり、株安や円高になりやすい。ことしは2月から株安と円高が進んだが、このとき恐怖指数は上昇していた。先週は株価が反発、円も下落したが、恐怖指数は下がっている。このため関係者は恐怖指数の動きに注目、この指数に連動する投資信託まで発売された。

恐怖指数はVIXと呼ばれ、シカゴのオプション取引所が考案した指標。投資家の不安感を数値化したもので、主要500社の取り引きデータを基に算出する。先進国の市場では同様の指標が開発されており、日本でも日経新聞が主要225銘柄のデータを使って算出。日経VI(Volatility Index)として発表している。

市場を取り巻く環境が平静な場合、恐怖指数は10-20を示している。それがことし2月6日には50を超え、日経平均は1000円を上回る暴落となった。アメリカの長期金利が跳ね上がり、前日のダウ平均が1175ドルも下げたためだった。それが先週末の日経VIは22.55まで低下している。市場を取り巻く環境が、それだけ平静さを取り戻してきたわけだ。

いま日経VIを動かしている要因は、政治的な3つの問題。北朝鮮、アメリカの保護貿易、そして森友問題。このうち北朝鮮は南北会談や米朝会談がセットされて、緊張感が和らいだ。米中間の貿易戦争も、話し合いによる解決の見方が出てきた。森友問題もピークは越えた感じがある。このため日経VIは低下した。しかし3つの政治問題は、いずれも決着したわけではない。いつまた恐怖指数が上昇しても、おかしくはない状況である。

      ≪3日の日経平均 = 下げ -96.29円≫

      ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ


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次の標的は 日本 : トランプ貿易戦略 
2018-04-05-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 為替条項も要求してくる? = アメリカの通商代表部は先週末、トランプ大統領と議会に「貿易障害報告書」を提出した。そのなかで、日本については①コメやジャガイモなど農産品の市場開放②自動車の非関税障壁を撤廃③羊肉の輸入規制を解除――などを強く要求している。このうち自動車に関しては、日本政府の承認手続きに問題があると指摘した。総じて想定外の主張は見受けられない。やはり焦点は農産物だろう。

一方、アメリカ政府は先週、韓国とのFTA(自由貿易協定)見直し交渉がほぼ合意に達したと発表した。アメリカ側が韓国からの輸入鉄鋼には関税をかけない代わりに、韓国はアメリカ向けの鉄鋼輸出を17年実績の7割に自主規制する。トランプ大統領が在韓米軍の削減まで持ち出した脅しに、韓国側はあっさり屈した形だ。

驚いたのは、FTAの付帯協定として「為替条項」が付記されたこと。通貨の切り下げを禁ずるという内容で、この種の取り決めが貿易協定に盛られるのは珍しい。罰則規定などはないが、韓国の通貨が下落した場合、アメリカはその詳細な経緯を報告するよう求めることができる。トランプ大統領が特にご執心だったようだ。

さて、安倍首相は今月中旬にも訪米し、トランプ大統領と会談する。アメリカ側は待ってましたとばかり、いろいろな要求を突き付けてくるだろう。それに対して、どうも“ゼロ回答”とは行かなくなってきたようだ。特に為替条項などを押し付けられると、日銀は立場がなくなる。ゼロ金利政策のおかげで「円安になった」と自ら宣伝してきたからである。安倍外交の真価が問われる場面が近づいてきた。

      ≪4日の日経平均 = 上げ +27.26円≫

      ≪5日の日経平均は? 予想≫= 上げ


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世話を焼き過ぎる 総務省 : ふるさと納税
2018-04-06-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 自治体の良識に任せたら = 総務省は1日付けで各都道府県知事に当てて、ふるさと納税に関する大臣通知を送った。その内容は、①寄付額に対する返礼の割合を3割までにとどめること②地場産品以外の送付について良識ある対応をとること――の2点。このうち①は昨年4月に出した大臣通知の繰り返し、今回は新しく②が追加された。大臣通知には強制力も罰則もないが、影響力は決して小さくはない。

ふるさと納税は、寄付額から2000円を引いた額が所得税や住民税から控除される制度。寄付額の総計は16年度に2844億円、前年度比で72%も増えた。この金額は群馬県や栃木県の地方税収に匹敵する。一方、返礼品の費用は総額1090億円、寄付額に対する比率は38.4%だった。総務省はまずこの比率を30%以下に落とすよう要請している。

寄付は大都市の住民が地方の自治体向けに行うケースがほとんど。このため大都市の税収が減って、新たな問題を惹き起こしている。たとえば16年度の場合、横浜市は55億5000万円の流出超過になった。総務省が再び大臣通知を出した背景には、こうした大都市側の税収減少があったようだ。

たしかに地方自治体が寄付金集めのために、高額の家電製品や宝飾類、あるいは他の地域から物品を購入して返礼するのは行き過ぎだろう。だが「地域に関心を持ってもらうことが何より大切だ」という自治体側の考え方も、理解できないではない。いずれにしても、総務省の介入はお節介の度が過ぎる。これでは逆に、自治体の自主性が失われてしまう。大都市の税収減少が問題ならば、寄付額から差し引く2000円を増額したらいい。

      ≪5日の日経平均 = 上げ +325.87円≫

      ≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ


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政治家の人数 = 3万5202人
2018-04-07-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 圧倒的に多い無所属 = いま日本には、政治家と呼ばれる人が何人ぐらいいるのでしょうか。総務省が発表した昨年末時点のデータを基に、国会議員から村議会議員までを計算してみました。その総合計は3万5202人。この人数が多いと考えるか少ないと感じるかは、人さまざまでしょう。改めて印象付けられたのは、無所属の政治家が圧倒的に多いという日本の特色でした。

まず国会議員ですが、衆参両院を合わせると707人です。第1党は自民党で412人。過半数を大きく上回っています。無所属の議員は「無所属の会」とか「無所属クラブ」に入っている人を含めると、衆参両院で27人。そんなに多くはありません。しかし都道府県知事になると、47人中46人が無所属。都道府県議会の議員は合計2614人で、このうち無所属は501人。比率は19.2%となっています。

さらに市区町村長は1733人ですが、無所属はなんと1727人。全体の99.7%にも達しています。また市区町村議会の議員は3万0101人で、無所属議員は2万1247人。比率は70.6%でした。このように都道府県の知事と市区町村長は、ほとんどが無所属であることが判ります。アメリカやヨーロッパ諸国で、こんな現象はみられません。まことに日本的な風潮だと言えるでしょう。

たしかに知事や市長の立候補者をみていると、自民・公明・立憲民主・社民党の共同推薦が目立ちます。地方選挙だから「国政とは関係ない」という論理なのでしょうか。でも有権者は困ります。憲法の改正に賛成なのか反対なのか。立候補者の考え方が判りません。こんな有権者をバカにした与野党の“相乗り候補”には、票を入れないようにしませんか。

      ≪6日の日経平均 = 下げ -77.90円≫

      【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】  


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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2018-04-08-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第3章  経 済 が な い 世 界 

≪27≫ ロボットの実力 = 「初代の賢人会議長に選ばれたのは、バックさんという人でした。ほら、ここに肖像画が飾ってあります。この人はとても評判のいいお医者さんであると同時に、ロボット工学の専門家でもありました。このため議長に就任すると、ロボットの能力を人間並みに引き上げることに全力を挙げたのです。

科学者や技術者、医者を集めて、ロボットの人間化を研究させました。ロボットの頭脳はコンピューターの回路にほかなりませんが、そこに人間の神経回路とDNAを写し込む作業です。この画期的な研究はバックさんが亡くなったあとも続けられ、いまから100年前にほぼ完成しました。

バック議長は初め、労働力不足を補うことを目的に研究させたのです。しかしロボットの精度が上がるにつれて、生産や流通の仕事はほとんどがロボットによって肩代わりされました。その結果、多くの人々が職を失いましたが、食料や衣料などが無料で配られたので大きな問題は起こっていません。

――バックさんの政策が功を奏したわけだ。いまの“経済のない世界”が見えてきたことになりますね。それで肖像画が飾ってある。

「そう。とても偉い人だったと、国民のみんなが考えています。さらにバック議長は、各家庭にもロボットを配置するよう指示していました。これで人々は家事や育児からも、しだいに解放されたのです。そして重要だったのは、この家庭に配属されたロボットが、賢人会と国民の間の意思疎通に活用されたことでしょう。

つまり、賢人会の決定事項はすぐにロボットを通じて、各国民に伝えられた。また人々の意見は、逆にロボットから賢人会のコンピューターに集められたのです。これで政治に対する国民の不満も、ずっと少なくなりました。言い方を変えれば、いつでも国民投票が実施されているようなものですね。だから時間ばかり浪費する議会などは、完全に必要なくなってしまったのです」

――なるほど、なるほど。究極の民主主義とも言えるわけだ。そして250年も、その体制が続いているのはロボットのおかげでもあるわけですね。

「この次の部屋では、そのロボットの進化の歴史をご覧になれますよ」

ショッピー館長は、こうしたダーストン国の歴史を誇らしげに説明してくれた。ラフマは相変わらず、館長にぴったり寄り添っている。ぼくのマーヤは少々くたびれ気味だ。

                          (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2018-04-09-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 貿易戦争に荒れる市場 = 米中間の貿易戦争が緊張度を増し、株価の振幅が拡大している。たとえば4日のダウ平均は午前中510ドルも下げたが、終り値では230ドルの上昇となった。貿易戦争の進展を心配していたところへ、ロス商務長官の「武力戦争でも最後は交渉で終わる」という発言が伝わったためである。理由はどうであれ、このように日中の値幅が拡大することは、市場の不安定な空気を反映したものだ。

ダウ平均は先週170ドルの値下がり。貿易戦争のほかに、トランプ大統領がアマゾンの商法を批判したことも影響した。一方、日経平均は113円の値上がり。貿易戦争に対する警戒感も強いが、日銀や年金基金の買い出動と円相場の下落が、株価の下支えになっている。ただ市場の空気は、やはり重苦しい。

現在の米中両国の姿勢からみると、たとえ水面下の交渉があったとしても、決着までにはかなりの時間がかかりそうだ。問題はその間の緊張感に、世界経済が耐えられるかどうかだろう。仮に耐えられなければ、世界同時好況は終局を迎える。そうなれば、長期にわたった株価の上昇局面も基盤を失う。市場が心配するのは、この点である。

今週は9日に、3月の消費動向調査と景気ウォッチャー調査、2月の国際収支。11日に、3月の企業物価と2月の機械受注。アメリカでは10日に、3月の生産者物価。11日に、3月の消費者物価。13日に、4月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が11日に、3月の消費者物価と生産者物価。13日に、3月の貿易統計を発表する。

      ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ


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「目には目を」の闘い : 米中貿易戦争 (上)
2018-04-10-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 第3ラウンドまできた報復合戦 = 米中貿易戦争は3月22日、トランプ大統領が中国から輸入する情報機器など1300品目に25%の関税をかけると発表して、火ぶたが切られた。さらにあくる23日には、中国を主たる狙いとした鉄鋼とアルミに対する輸入関税も発効。これに対して中国は4月2日、果物や豚肉などアメリカからの輸入品128品目に最大25%の報復関税をかけると発表した。これが第1ラウンドである。

さらに4月3日になると、こんどはUSTR(米通商代表部)が中国の知的財産権侵害に対する制裁関税の内容を発表した。情報通信機材など1300品目に25%の関税を上乗せするという内容。これに対し中国は4日、アメリカ産の大豆や小麦、航空機など106品目に25%の報復関税を上乗せする案を発表した。これが第2ラウンドである。

それでもまだ終わらない。トランプ大統領は5日、中国製品に1000億ドル分の関税を追加する案を検討中と発表した。これが第3ラウンド。これに対して中国はすぐ反発の姿勢はみせたが、具体的な反応はまだない。このように米中間の貿易戦争は、わずか半月の間に第3ラウンドまで進んでしまった。しかし第1ラウンドと第2・第3ラウンドの間には、大きな相違点がある。

というのも第1ラウンドの措置は、両国ともに即実施している。ところが第2・第3ラウンドは、案の内容を発表しただけで実施はしていない。特に第3ラウンドについて、アメリカは「実施の案を検討中」と言うにとどめている。つまり第1ラウンドでは“殴り合い”の喧嘩になったが、その後は“口先の脅し”だけ。こんな相違点があるから、米中両国は水面下で交渉を進めているのではないかという推測も強くなっている。

                              (続きは明日)

      ≪9日の日経平均 = 上げ +110.74円≫

      ≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ


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「目には目を」の闘い : 米中貿易戦争 (下)
2018-04-11-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 問題は世界経済の耐久力 = アメリカ側は主要閣僚が、しばしば「交渉による解決」を示唆している。たとえばムニューシン財務長官は「中国側とは定期的に連絡をとっている」と発言した。このため、すでに水面下の交渉が進行中との見方も広まっている。株式市場は米中両国政府による報復関税の応酬と交渉説の狭間にあって、揺れ動いているというのが現状だ。

ここで気になるのが、USTRが発表した制裁関税の発動スケジュールだ。約1300品目に25%の関税を上乗せする計画について、5月下旬まで一般の意見を聞くと言っている。つまりアメリカ側の第2ラウンドは、5月末までは実行されない。中国側もその対抗措置を、前倒しで実行することはないだろう。このこと自体は冷却期間ができるわけで、好ましいことに違いない。

だが逆に言うと、米中貿易戦争についての警戒や不安が、少なくとも5月末まで続くことになりかねない。そこで問題は世界経済が、そこまで耐えられるかどうかだろう。すでに株式市場の恐怖指数は、平常とされる20を超えて上昇してきた。鋼材や大豆、トウモロコシ、豚肉、それに海運市況までもが下落している。世界の貿易量も縮小する方向だ。

こうした状況で、企業経営者の多くが将来に不安を感じると、株価は下がり景気は悪化しやすくなる。そこまで行くと、世界同時好況のワク組みは崩壊せざるをえない。現状はその瀬戸際にあると言えるだろう。アメリカの経営者は大規模減税への期待もあって、まだ強気だと伝えられる。日本の経営者はどうだろうか。

      ≪10日の日経平均 = 上げ +116.06円≫

      ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ


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日銀が断トツの 大株主に
2018-04-12-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 3月のETF買い入れは過去最大 = 日銀の発表によると、3月末時点のETF(上場投資信託)保有額は18兆9348億円だった。前年に比べて約6兆円の増加。特に3月中の購入額は8300億円を超し、月間としては過去最大を記録した。アメリカの長期金利上昇や米中間の貿易戦争で、3月の株式市場は大揺れ。日経平均は月間614円の値下がりだったが、これだけの下げで済んだのは日銀の大量購入があったためだ。

日銀が発表したETFの保有額は、購入時点の簿価を積算したもの。これを現在の株価で計算し直すと、約24兆円に膨れ上がる。株価の値上がりで、日銀は5兆円も儲かったわけだ。東証1部の時価総額は現時点で約649兆円。したがって、日銀はその3.7%を保有していることになる。日本最大の大株主であることに間違いない。

正確に言うと、日銀は法律によって民間会社の株主になることを禁じられている。このため市場でETFを買うときは、信託銀行に委託する。だから法律的には、信託銀行がETFを保有しているわけだ。しかし実質的に購入の主体は日銀であり、保有者も日銀である。しかも買うことはあっても売ることはない特別な大株主なのだ。

日銀によるETFの保有が増えるにつれて、その副作用も明白になってきた。まず株式市場が本来の需給関係を反映しなくなったこと。次にETFのなかには業績が芳しくない会社も含まれているが、日銀の買いでその銘柄も値上がりしてしまうこと。日銀は今年度も6兆円のETFを買い入れる方針だから、副作用の方もそれだけ強まって行く。

      ≪11日の日経平均 = 下げ -107.22円≫

      ≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ


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円高ストップは 天の佑け
2018-04-13-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 予想に反して円安傾向に = 円の対ドル相場は、3月下旬から下落気味に推移している。年初は113円台だったレートが3月中旬には104円台まで上昇、多くの専門家が「100円も覚悟すべし」と警告していた。社内の想定レートを、あわてて100-105円に切り上げた経営者も少なくなかったに違いない。だが現実の為替レートはそこで円高がストップ、現在は107円台で推移している。どうしてだろう。

本来ならば、米中間の貿易戦争がドル安・円高を加速させても不思議ではなかった。それが逆に円安となった原因は、いろいろ挙げられている。まず投機筋のドル売り持ちが6年半ぶりの高水準に達し、これ以上のドル売りを仕掛けにくくなっているという技術的な説明。さらに北朝鮮を巡る緊張がゆるみ、有事の円買いが下火になったこと。FRBによる利上げの頻度が増えそうだという観測の高まり・・・。

あとから理屈はついてくるが、為替相場を形成する要因はもっと複雑なのかもしれない。たとえば今回の場合も、ユーロの対ドル相場が上げ止まったことも関係しているだろう。とにかく為替相場を決定する要因は数多く、要人のちょっとした発言から気象変動まで。昔から「当たらないものは、宝くじと為替相場」と言われるくらいだ。

仮に現在の円相場が100円になっていたら、企業の業績見通しは一気に悪化。株価はもっと下落し、景気の見通しも暗くなっていたに違いない。そうならなかったのは「天の佑け」と言うべきか。しかし安心は禁物。為替相場はいつ、どのように動くかは予測できないと考えておいた方がいい。

      ≪12日の日経平均 = 下げ -26.82円≫

      ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ


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安全なビルを 明示してほしい
2018-04-14-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 東京の古いビルは3割が倒壊の恐れ = 新宿区・紀伊国屋ビル、中野区・中野ブロードウェイ、千代田区・科学技術館、板橋区・日大板橋病院・・・。大地震のとき倒壊する恐れがあるビルの、ほんの一例です。東京都が旧耐震基準で建てられた1981年以前の主要なビル852棟を調べたところ、震度6以上で倒壊する危険性があるビルは251棟もありました。地震の際、こんなビルに逃げ込んだら危ないということになります。

同様の調査は、他の大都市でも行われました。その結果、たとえば大阪市は全体の21%に当たる44棟、名古屋市では全体の15%が危険と判定されています。これら危険と判定されたビルのなかには、さっそく耐震工事を実施したところ、あるいは解体に踏み切ったケースもないではありません。しかし耐震工事や解体には、巨額の費用がかかります。

東京都や大阪市は、こうしたビルの耐震工事を促すために、あえて危険なビルの名前を発表しました。しかし工事はあまり進捗していないというのが現実です。またビル名を公表しても、一般の人たちには浸透していません。たくさんのビル名を覚えていて、地震のときは近寄らないようにすることなどは至難の業でしょう。

発想を転換して、安全なビルにマークを付けるようにしたらどうでしょうか。人は通勤にしても買い物にしても、同じ道を歩くことが多いようです。ビルにマークが付いていれば、ひとりでに覚えてしまいます。地震のとき、どのビルに逃げ込めばいいか。とっさに判断できるようになるでしょう。不安全マークの設置には抵抗もあるでしょうが、安全マークなら反対もないのでは。

      ≪13日の日経平均 = 上げ +118.46円≫

      【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】  


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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2018-04-15-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第3章  経 済 が な い 世 界 

≪28≫ 人間を超える? = 次の部屋に入ると、壁際にロボットが100体あまりも整列していた。その壮観に目を奪われる。隣のマーヤも息を呑んでいた。ショッピー館長が、いちばん手前のロボットを指して説明を始める。

「これは350年ほど前、チャイコ星で造られた初期のロボットです。ご覧のように、背が低く動物に似ているでしょう。体は金属製で真っ白に塗られています。前に立った人間に『こんにちは』ぐらいの挨拶はできますが、まだ足がなくて車で動いています。可愛いいロボットのご先祖さまですね。
 
でも20年もたつと、この通り。2足歩行で、走ることもできるようになりました。背が高くなり、形も人間並みになっています。ここで見かけより進歩したのは、脳内構造です。記憶力と分析力では、人間を完全に上回りました。ですからチェスのような競技をやらせると、人間の方がどうしても負けてしまう。競馬の予想でも、圧倒的に当たる確率が高い。この結果、チェスや競馬などのゲームやギャンブルは、しだいに廃れてしまったのです」

そういえば、日本でも将棋に強いロボットが現われて話題になっていた。あれから将棋は廃れて行ったのだろうか。

「そして315年前、私たちの祖先がチャイコ星を脱出したころには、いわゆる機械的ロボットは完成していました。いろんな工場に大量のロボットが配置され、人間は多くの労働から解放されたのです。しかし生産工程で不具合が生じるとロボットは対応できず、少数の人間が管理者として必ず働いていました」

――その次は、ロボットの完全な人間化ですね?

「はい、その研究はチャイコ星時代の最後の10年間に集中的に行われました。そして私たちの祖先がダーストン星に移住したころには、実験的には成功していたと言われています。ダーストン時代になってからも研究は続けられ、いまからほぼ100年前に人間並みの判断力と感性を持ったロボットが世に送り出されています」

ショッピー館長はラフマとマーヤの顔を覗き込みながら、こう付け加えた。
「いまのロボットたちは、自分で新しい知識を吸収し、思考のレベルを高めることができます。経験を積むことで、少しづつですが自分を改造する能力さえ持っています。だから、こんなに愛らしいラフマがここにいるんです。
でもロボットたちは、いずれ人間をあらゆる点んで超えて行く可能性も少なくありません。これから人間とロボットが、いかに共存していけるか。これが大問題。人間とロボットとの結婚問題も、ここから発生しているのです」

                            (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2018-04-16-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 落ち着きを取り戻した市場 = 株式市場に落ち着いた動きが戻ってきた。ダウ平均は先週427ドルの値上がり。ただ前日比が上下とも500ドルを超えた日はなかった。1か月ぶりのことである。北朝鮮・米中貿易戦争・IT企業の規制問題などが小康状態になって、市場に安心感が広がったためだろう。新しくシリアへの軍事介入問題が飛び出してきたが、先週の時点では市場はまだ消化し切れずに模様眺めの状態だった。

日経平均は先週211円の値上がり。こちらも前日比が150円を超えた日はなかった。3か月ぶりのことである。また円の対ドル相場も107円台の半ばで安定していた。しかし東京市場の場合は、政局の混迷という不安材料を抱え込んでいる。このため国際環境が小康状態になっても、ニューヨークほど元気にはなれない。

日米ともに、今週あたりから3月期の決算発表が本格化する。アメリカの調査では、1-3月期の利益は2ケタの増益に。4月以降の見通しも、大規模減税への期待もあって悪くはない。一方、日本企業の3月期決算は10%弱の増益だが、18年度の見通しは必ずしも明るくない。この差も、日米の株価に反映され始めたような気がする。

今週は18日に、3月の貿易統計。20日に、3月の消費者物価と2月の第3次産業活動指数。アメリカでは16日に、3月の小売り売上高。17日に、3月の工業生産と住宅着工戸数。19日に、3月のカンファレンス・ボード景気先行指数。また中国が17日に、1-3月期のGDP速報、3月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。なお17日には、フロリダで日米首脳会談が行われる予定。

       ≪16日の日経平均は? 予想 = 下げ
      

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株価のカギは 業績予想
2018-04-17-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 円相場をどう見通すか = 荒れていた株式市場に落ち着きが戻ってきた。先週末の日経VI(恐怖指数)は18.46まで低下している。この指数は10-20が平常値と言われているから、平常な状態の上の方にまで回復したわけだ。市場が落ち着きを取り戻した原因は、投資家に不安を与えていた複数の事件が、そろって緊張感を緩めたからである。

たとえば北朝鮮は米朝会談が行われるまで、核実験やミサイル発射はしないだろう。米中間の貿易戦争も第1ラウンドの関税引き上げは実施されたが、第2ラウンドは少なくとも6月までは実行されない見通しになった。新たに米英仏3国のシリア軍事介入という事件が発生したが、戦線が拡大する兆候はない。国内の森友・加計問題も決着がつかないまま、倒閣にまでは至らないようだ。こうして緊張感は、ひところより薄らいだ。

しかし、これらの問題は解決したわけではない。時限爆弾のように、いずれは爆発するかもしれない。したがって株式市場にとっては、いぜん悪材料である。だから日経VIは、平常値の下の方までは下がらない。こうした状況のなかで、当面の株価を押し上げる唯一の要因は、これから本格化する企業の3月期決算。それも決算の内容ではなく、19年3月に向けての業績予想だろう。

すでに18年3月期の経常利益は、前年比8-9%の増益という予想が固まっている。そこで19年3月期の予想がこの水準を維持できないと、株価の押し上げ要因にはなりにくい。その18年度の予想は、経営者が通期の円相場をどう見るかによって大きく変わってくるだろう。仮に100円近くを想定する企業が多くなると、増益率は縮小せざるをえない。これから始まる決算発表で、各企業がどんな想定レートを打ち出してくるか。そこがポイントになる。

      ≪16日の日経平均 = 上げ +56.79円≫

      ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ≫ 


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70ドル台うかがう 原油価格 (上)
2018-04-18-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 中東情勢の悪化で一段高 = 原油の国際価格が高騰している。ニューヨーク商品取引所のWTI(テキサス産軽質油)先物価格は先週5日間の続伸、週末には一時1バレル=67.71ドルと3年4か月ぶりの高値を付けた。主たる原因は、アメリカがシリアに対するミサイル攻撃に踏み切るという予想が強まったため。米英仏3か国による攻撃は土曜日に強行されたが、これで原油価格はさらに上昇。近日中に70ドル台に載せるという見方が広まっている。

国際原油価格は、昨年秋から上昇基調に入っている。昨年12月には1バレル=52ドル近辺だったものが、ことし1月末には62ドルに。その後は一時的に反落したが、3月からは再び上昇に転じた。価格を押し上げた原因は、OPEC(石油輸出国機構)とロシアによる減産協定の実施。それに世界同時好況の影響で、需要が堅調に推移したことが大きかった。

そこへ最近になって、シリアを中心とする中東情勢の緊迫化が加わった。トランプ大統領はシリアを支援するイランに対しても強硬な姿勢を示しており、中東の情勢は先行き不透明さを増している。原油の生産や輸出に支障が出るかもしれない。そうした思惑から、投機筋が先物を買い始めた。先物の買い越し額は、すでに過去最高の水準に達している。

そんななかIEA(国際エネルギー機関)が「OECD(経済協力開発機構)加盟国の原油在庫量が減少した」と発表。一方、サウジアラビアの要人は「ロシアとの減産協定は19年も実施する方向で、さらに10年間の長期協定にすることも検討中」と発言した。これらの動きも原油価格を押し上げる一因であり、70ドル説の根拠ともなっている。

                            (続きは明日)

      ≪17日の日経平均 = 上げ +12.06円≫

      ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ


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70ドル台うかがう 原油価格 (下)
2018-04-19-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本経済への影響は大 = アメリカのシェール増産は、原油価格の上昇を抑制する。IEA(国際エネルギー機関)が2月に発表した報告書によると、アメリカのシェール石油生産量は過去6年間で74%増加した。このまま増産が続くと、アメリカの原油生産は18年中にもサウジアラビアやロシアを抜いて世界最大になる可能性があるという。にもかかわらず原油価格が上昇したのは、OPEC・ロシアによる協調減産と世界同時好況による需要増加が、シェールの抑制効果を上回ったからに他ならない。

OPECとロシアは減産したにもかかわらず、価格の上昇で収入を増やすことに成功した。したがって協調減産は19年も継続される公算が大きい。このため世界の好況が続く限り、原油価格は上昇すると予想される。ただ価格が上昇すればアメリカのシェール生産も増加すると考えられるので、国際原油価格が急騰する可能性は小さい。

そうは言っても、原油価格が70ドルを上回ってくると、日本経済には大きな影響が出てくる。まず原油やLNG(液化天然ガス)などエネルギーの輸入価格が高騰する。財務省の貿易統計によると、17年の燃料輸入額は15兆8400億円に達した。価格が上がれば輸入額は膨張し、国内の購買力がそれだけ海外に流出することになる。

燃料の価格上昇は、電力とガスの料金に転嫁される。東日本大震災で原発が稼働しなくなってから、電気・ガス料金は上がる一方。震災前と比べて、家庭用の電気料金は約4割、産業用の電力料金は約5割も上昇した。国際原油価格の高騰は、さらなる値上げ要因となるわけだ。ガソリンの小売価格も、すでに2年半ぶりの高さになっている。こうしたエネルギー価格の上昇は家計を圧迫し、企業の競争力を低下させる。

      ≪18日の日経平均 = 上げ +310.61円≫

      ≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ


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頼りは 外国人労働者 : 農業・介護・建設
2018-04-20-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 恐る恐るの受け入れ改革案 = 総務省が発表した昨年10月1日時点の人口推計によると、日本の総人口は1億2670万人だった。前年より22万7000人減っている。外国人の純流入数が過去最大の14万7000人に達し、人口の減少幅をかなり縮小した。日本に住む外国人の数は205万8000人。そのうちの25万7000人が技能実習生で、主として農業・介護・建設部門で働いている。これらの分野は、いまや外国人なしでは成り立たなくなってしまった。

技能実習生というのは、発展途上国へ技術を移転する目的で作られた在留資格。国別ではベトナムが10万5540人で最も多い。次いで中国、フィリピンが続く。現在の制度では、実習生の在留期間は5年まで。帰国して習得した技術を活用することが期待されているからだ。ところが最近の人手不足で、日本の現場は5年で実習生を手放せなくなっている。

そこで政府も、この制度を改正することになった。その内容は、5年が経過してもさらに在留を5年延長できる。しかも、その時点で試験に合格すればさらに延長でき、家族を呼び寄せることが出来るようにするというもの。要するに制度上は、勉強さえすれば永久に日本で働けるようになる。秋の臨時国会に入国管理法の改正案を提出、来年4月から実施する方針。

ところが問題は5年後に資格を再延長するとき、実習生はいったん帰国しなければならないと定めていること。これは継続的に日本で働くとなると、移民労働者と変わらなくなる。これを避け、あくまで技術移転の目的を貫き通すという意図がここにある。だが実態はすでに移民労働者と何も変わらない。こんな姑息な手段で対応すると、外国人は日本を敬遠するかも。

      ≪19日の日経平均 = 上げ +32.98円≫

      ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ≫ 


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財務次官の不可解な行動 : セクハラ事件
2018-04-21-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 女性記者と何回も会食したイミは? = テレビ朝日は19日、福田財務次官によるセクハラ発言の被害者が自社の女性記者だったと公表した。当の福田次官は、セクハラの事実を否定したまま辞任。これで一般の人たちは、事件がヤマを越えたように感じただろう。しかし財務省と取材記者の関係をよく知っている人たちは、大きな疑問を持つに違いない。この事件には、もっとウラがある?

テレ朝の発表によると、女性記者は「1年半ほど前から数回にわたり、取材目的で次官と会食した」。そのたびに女性記者はセクハラ発言をされて脅威に感じ、録音した。上司に相談したが公表は難しいと言われ、その録音を週刊新潮に流したという。これについてテレ朝は「取材で得た内容を第三者に流したことは遺憾だ」と陳謝している。

だが財務次官が取材記者と2人だけで会食することは、相手が女性であれ男性であれ、極めて異例なこと。しかも1年半の間に数回というのだから、前代未聞と言えるだろう。その場所もソバ屋とか焼き鳥屋といったレベルではないらしい。会食費はいったい誰が支払ったのだろう。テレ朝は取材費として、その会食費を認めたのだろうか。

ここで福田氏のセクハラ発言を擁護する気は全くない。むしろ1人の女性記者と何回も会食を重ねたことについては、仕事以外の目的さえ感じられる。一方の女性記者も、1年半にわたって取材するような問題があったのかどうか。脅威を感じたら、会食に応じなければ済むことだ。この事件はテレビや新聞で大きく報じられているが「なぜ2人が何回も会食していたのか」という視点からの解説には、まだお目にかからない。

      ≪20日の日経平均 = 下げ -28.94円≫

      【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】  


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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2018-04-22-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第3章  経 済 が な い 世 界 

≪29≫ ロボット博士 = 広大な歴史博物館を歩き回ったものだから、少々くたびれた。まだ明るさが残っている前庭に出ると、冷たい空気が心地いい。ショッピー館長は71歳のはずだが、平気な顔をしている。と、そのときラフマが館長に何かささやき、館長はすぐ反応した。マーヤが「誰かを見付けたようですね」と説明してくれる。

「ラフマがいい人を見付けてくれました。リストン博士と言って、ロボット工学の第一人者です。こっちに来るよう頼みましたから、しばらく待つことにしましょう」とショッピー館長。おそらく、その人は100メートル以上も先にいたのだろう。そんな遠くにいる人も、ロボットは見付けてしまうんだ。感心していると、リストン博士がやはりロボットを連れて飄然と現われた。

背は低く丸顔、頭はツルツルで白い髭を長く伸ばしている。見たところ風采は上がらない。だが胸のプレートは「45」だから、まだ若い。庭の片隅にある喫茶店のようなところに陣取ると、さっそく喋り出した。

「あんたのことは、賢人会のウラノス議長から聞いているよ。さっきから私の頭を観察しているようだが、この方が洗うのにも楽だからね。あっははあ。病院に行けば、髪の毛なんかすぐに生やしてもらえる。それほど、この国の医療技術は発達しているんじゃ。

実はその医学の発達こそが、ロボットの進化に最も貢献したんだ。たとえば人間の皮膚が損傷したときには、シリコンとコラーゲンなどを合成して造った人工の皮膚で修復する。この素材をロボットの全身に張り付けることは簡単だった」

――それでロボットが、見た目にも人間らしくなったんですね。

「それだけではないよ。ロボットの皮膚の内側に毛細血管のような管を張り巡らせ、体内に設置したポンプから暖かい液体を流すことで、触ったときも人間と同じようになる。ここにいるラフマやマーヤの手足も、人間と同じ感触だろう。
ただ頭脳や神経系の圧縮技術が進まなければ、ロボットの人間化は困難だった。最初のうちロボットの頭脳や神経は、頭のてっぺんから足のつま先までぎっしり詰められていたんだ。それが圧縮技術の進歩で、いまではほぼ頭部だけに集中している。これによって心臓のようなポンプを体内に設置する余裕ができた」

――もの凄い技術の進歩ですね。そのうえ脳内の電子構造に、人間のDNAまで組み込むことに成功した。
「その通り。そしてロボットたちは、自分で知識を吸収し、自分で思考や感情を進化させることができる水準に到達したわけだ」

――となると、ロボットの弱点は、人間によって電源を切られることだけですか?

「いやあ、そうは言えないんだ。ロボットは将来、自分で体内に太陽光を取り込み発電するようになる可能性がある、と私はにらんでいるんじゃ」

                              (続きは来週日曜日)

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今週のポイント
2018-04-23-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 政局と業績予想を気にしながら = 日経平均は先週384円の値上がり。4週間の連騰で、1か月半ぶりに2万2000円台を回復した。北朝鮮からの脅威が和らぎ、日米首脳会談からも表面上はさしたる悪材料が飛び出さなかった。円相場も安定的に推移している。このため日経VI(恐怖指数)は16台にまで下がり、外国人投資家も買い越しに転じているようだ。

こうしてみると、東京市場の株価は順調に戻しているように見える。だが投資家の頭上には、政局と業績予想という2つの重しが。スキャンダラスな事件が重なって国会の審議は停滞、安倍内閣の支持率は大きく下がっている。政局に敏感な外国人投資家は、支持率がさらに下がるようだと売りに回る可能性が高い。決算発表で18年度の業績予想が落ち込むと、株価の割安感も消えてしまう。

ダウ平均は先週98ドルの値上がり。大規模減税に対する期待感はまだ持続しているが、FRBによる利上げのテンポが速まりそうなこと。保護貿易政策がアメリカ経済に及ぼす悪影響。トランプ大統領のフェイスブックやアマゾンなどに対する規制強化の動きなど、心配な材料が表面化してきた。そこを突破して2万5000ドルに進めるかどうか。

今週は24日に、3月の企業向けサービス価格。25日に、2月の全産業活動指数。27日に、3月の労働力調査、鉱工業生産、商業動態統計、住宅着工戸数。アメリカでは23日に、3月の中古住宅販売。24日に、3月の新築住宅販売と4月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。27日に、1-3月期のGDP速報が発表される。なお27日には南北朝鮮の首脳会談が開かれる予定。

       ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ


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ウラが読めない 日米首脳会談
2018-04-24-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ あまりにもキレイに終わり過ぎた = トランプ大統領と安倍首相の日米首脳会談は、何事もなく無事に終了した。共同声明でも記者会見でも、想定外の問題は出ずじまい。特に貿易問題ではトランプ大統領の強硬な姿勢が予想されていただけに、市場も拍子抜けしたほど。しかし本当に何もなかったのか、疑いを持つ人は決して少なくない。

貿易問題ではトランプ大統領がFTA(2国間の自由貿易協定)を主張、安倍首相はアメリカのTTP(環太平洋経済連携協定)復帰を要請した。その結論は出ず、両国は新しい通商交渉を始めることになった。だが貿易協定の形には、2国間と多国間しかありえない。新しい通商交渉はやはりFTAの締結に向かうしかない、と両首脳は了解したのではないか。

アメリカ側の資料によると、17年の対日貿易赤字は688億ドル(約7兆4000億円)だった。トランプ大統領はこの赤字を何割か減らすよう、日本側に要求したのではないか。また自動車や牛肉など農産物の輸入拡大を求めたのでは。これらの要求は今後の通商交渉で具体的に出てくるが、安倍首相はトランプ大統領に前向きの言質を与えたのではないか。

為替問題が提起されなかった点も、きわめて不思議だ。トランプ大統領は会談の内容をすべて表に出さないことで、安倍首相に“貸し”を作ったのではないか。こうした疑問はすべて想像上の産物であり、事実だという証拠は全くない。近く始まるライトハイザー米通商代表部代表と茂木経済再生相による通商交渉で、しだいに明らかになるだろう。

       ≪23日の日経平均 = 下げ -74.20円≫

       ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ


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東北4県に“非常事態宣言”を : 人口減少
2018-04-25-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 21世紀になって計67万人減る = 人口の東京圏集中と地方の過疎化が止まらない。総務省が発表した昨年10月1日時点の人口推計によると、前年に比べて人口が増加したのは東京・埼玉・千葉・神奈川などの7都県だけ。その一方で、青森・秋田・岩手・山形の東北4県は、いずれも1%を超える人口の減少を記録した。地方創生を旗印に掲げた安倍内閣の施策は、あまり効果を挙げていない。

東北4県の昨年10月の人口は、合計すると463万1000人。これを2000年の統計と比較してみると、66万7000人も減っていることが判る。この減少数は、島根県の人口にかなり近い。つまり、この4県は21世紀になってからの17年間に、島根県民に近い人口を失ったことになる。これはきわめて異常な緊急事態と言えるのではないだろうか。

たとえは悪いかもしれないが、仮に大震災で人々が県外に避難し人口がこれだけ減ったら、政府は直ちに補正予算を組んで大掛かりな対策に乗り出すだろう。この際は発想を転換し、東北4県を「人口対策特区」に指定。徹底的に支援してみたら、どうだろう。このために10兆円の補正予算を組むことに、どれほどの反対があるだろうか。

対策の第1は、出生率を上げること。出産・育児から高校を卒業するまでの教育費を、すべて無料にする。第2は農業と観光業を重点的に支援する。工業の誘致は近隣県の人口を減らすことになるから、あまり感心しない。問題の財源は、特別国債を発行して日銀が全額引き受ければいい。日銀はその分、一般国債の買い入れを減らせばいい。とにかく“非常事態”だという意識を持つことが重要だ。

       ≪24日の日経平均 = 上げ +190.08円≫

       ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ


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緩和政策の縮小始める : 日銀 (上)
2018-04-26-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 国債もETFも買い入れ減らす = 日銀が市場から買い入れる国債とETF(上場投資信託)の金額を、大幅に減らし始めた。特にETFについては、この4月から購入額をめっきり減らしている。市場ではこれを“異変”と感じている人が多いが、日銀はまだ何の説明もしていない。しかし実体的には超金融緩和政策の変更であり、今後も購入減額が続けば市場にその影響が現われることは避けられない。

デフレからの脱却を目指して、日銀は16年7月から年6兆円を目標にETFを購入してきた。月平均でみれば5000億円ということになる。ところが、この4月は第3週が終わった時点で1400億円しか買っていない。これまで日銀はTOPIXが午前中に0.2%を超えて値を下げると、午後に買い出動することが多かった。それが4月はその経験則が破られ、たとえば20日まで12日間連続で出動しなかった。たしかに“異変”である。

国債の方は、昨年から買い入れ減額が始まっている。日銀が保有する長期国債は、ことし3月末で426兆5674億円。3月は国債が大量に償還されたため、保有額は2月末より4兆円ほど減っている。前年比でも49兆4000億円の増加にとどまった。日銀は年間80兆円の国債を買い入れることにしていたから、実際の購入額は30兆円以上も少なかったことになる。

国債に続いてETFの購入まで減らしたものだから、市場では「日銀がいよいよ超金融緩和政策の修正に着手したのではないか」という見方も強まっている。しかし日銀からは何の説明もない。また国債市場にも株式市場にも、いまのところ目立った影響は認められない。このため日銀の真意について、いろいろな憶測が飛び交い始めた。

                             (続きは明日)

       ≪25日の日経平均 = 下げ -62.80円≫

       ≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ


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緩和政策の縮小始める : 日銀 (下)
2018-04-27-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 実験なのか本番なのか? = 黒田日銀総裁の言う“異次元緩和”は、時とともにその副作用が強まってきた。市場に出回る国債の量が極端に減り、利回りはゼロ近辺に張り付いて動かない。このため金融機関の経営が圧迫され、年金生活者などは預金の利子を得られない。株式市場では需給のバランスが崩れ、経営不振の企業の株価までが上がってしまう。日銀自身も、こうした超緩和政策の悪影響に気付き始めた。

しかし日銀は「物価が2%上昇するまで緩和政策は止めない」と宣言してしまったから、表立って政策の変更は言い出せない。そこで何も言わずに緩和政策の縮小を始めたのではないか。市場にどんな影響が出るか、実験を試みているのかもしれない。だから市場に影響が出るまでは、買い入れの縮小を続けるのではないか。さまざまな見方が飛び交い始めている。

さらに来年10月には、消費税の再引き上げが予定されている。消費増税は、景気を悪化させる公算が大きい。そのときに備えて、国債やETFの買い入れ余裕をできるだけ増やしておく。こんな推測まで聞かれるようになった。アメリカのFRBは着々と金融引き締めを進めており、ヨーロッパのECBも緩和政策からの離脱を鮮明にした。日本だけが置き去りにされたくないという気持ちも、日銀にはあるのだろう。

とにかく副作用を大きくしないためにも、日銀が緩和政策の縮小を試みることは結構だ。しかし何の説明もなしに政策を変更するのは、いかがなものか。市場に何か影響が出たら止めるというのも、いかにも姑息だ。緩和政策を永久に続けることは不可能で、いずれは止めなければならない。この際は思い切って「物価2%の目標」を、捨て去ったらどうだろう。

       ≪26日の日経平均 = 上げ +104.29円≫

       ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ


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新聞は 1日たてば ただの紙
2018-04-28-Sat  CATEGORY: 政治・経済
☆ 紙面改革に精を出すべし = 新聞の発行部数が、大幅に減少している。日本ABC協会が集計した日刊紙の総販売部数は、昨年11月時点で3663万部。前年に比べて126万部も減った。テレビやネットに浸食された結果だといわれるが、新聞自体も本当に読者のニーズに応えているのか。真剣に点検してみる必要があるだろう。たとえば――。

一部の新聞は夕刊に、まだ前場の株価を大きく掲載している。その夕刊が読者の手元に届くころには、もう市場の取り引きは終わっている。だから「前場で200円上げ」と報じた夕刊を手にしながら、テレビの「終り値は100円安」という画面を見ることになりかねない。これでは旧聞であり、新聞とは言いがたい。

天気予報も同様だ。新聞が載せる天気予報は、どうしても数時間前のデータで作成される。テレビやネットが流す情報とは、正確性の面でも太刀打ちできない。このように時間差の点でテレビやネットに勝てない情報は、すべて捨て去るべきだ。そのスペースを使って、もっと読者が読みたがる情報を開発してもらいたい。

社説にも問題がある。全く解説の域を出ない社説。たとえば「イスラム国はテロを止めろ」という類いの、相手の耳には届きそうにない一方的な主張など。読者をバカにしているように思われる。もう1つは死亡記事。○○議員の母とか、××社長の父とか。載せるのが悪いとは言わない。載せる基準が曖昧で、読者は“コネ”を感じ取る。それが新聞の中立公正にまで響くことが怖い。

       ≪27日の日経平均 = 上げ +148.26円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   


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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2018-04-29-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第3章  経 済 が な い 世 界 

≪30≫ 貧富の概念なし = ぼくの部屋が、きょうは珍しく華やかな社交場になった。中央に長いテーブルが置かれ、卓上にはきれいな花とケーキや飲み物が。いろいろな色のローブを身にまとった女性ばかりが、7人も座っておしゃべりしている。マーヤの発案で、あのショッピー館長とガーシュおばあちゃんが、近所の女性たちを招集してくれたのだ。

ガーシュおばあちゃんが立ち上がると、おしゃべりはピタリと止んだ。とても97歳とは思えない立ち居振る舞い。みんなから尊敬されている様子が、それだけで感じられる。
「この地球から来た若い男性は、ダーストン国の人々の生活にとても興味を持っていらっしゃいます。きょうはみなさんの生活意識について、なんでも正直に話してあげてください」

そこからはショッピー館長が司会役に回る。ぼくの方を向いて「どうぞ質問を」と言うので、ちょっと緊張してしまった。立ち上がってお礼を言い、なぜダーストン星に来たのかの経緯を簡単に説明した。
――なんでもタダで手に入れることが出来、働かなくても済むようになって、みなさんは「他人よりもいい生活をしたい」という気持ち、言い換えると虚栄心といった感情はお持ちなのでしょうか。

水色のローブを着た40歳ぐらいの女性が手を挙げた。ショッピー館長が「この方はお子さんが2人、ボランティアで図書館の管理をしています」と説明してくれた。名前はややこしいので、仮にAさんとしておこう。

Aさん「虚栄心がないと言ったらウソになるでしょう。たとえば顔をもう少し細面てにしたいとか、ショッピー館長のような光るローブが欲しいとか、もう少し大きい家に住みたいとか。でも整形手術を受ければ、顔は替えられる。銀色のローブも発注すれば、すぐに届く。家だって手に入る。だから欲を出せばキリがないから、実行しないだけ。そういう意味では、強い虚栄心はありませんね。みなさん、どうですか」

残りの女性たちが、一斉にうなずいた。ぼくも判ったような気がしたが、どうもすっきりしない。そこで次の質問。
――では劣等感もないのでしょうか。

ピンクのBさんが答えてくれた。50歳ぐらい。子どもはなく、特に仕事はしていないという。
「他人のことを羨ましいと感じることはありますよ。ただ、その人と同じレベルにまで生活水準を上げようと思えば、すぐにできます。ですから劣等感というほどのものはありません。とにかく、この国ではおカネ持ちと貧乏人の区別はつきませんから」

――すると貧富の差は全くない?
「貧富の差どころか、貧乏とか富裕とかいう考え方が成り立たないのです」

                             (続きは来週日曜日)


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