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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
今週のポイント
2018-10-01-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 最後の楽園になった東京市場 = ニューヨークは足踏みしたが、東京は続伸した。ダウ平均は先週285ドルの値下がり。日経平均は250円の値上がり。ダウが伸び悩んだのは、史上最高値を更新して高値警戒感が出たところへ、FRBが政策金利を引き上げ。さらに最高裁判事の承認を巡る政局の混迷を嫌気したもの。ヨーロッパや中国の株価も下落しており、残る投資先は円安が進み割安感のある東京市場だけとなった。

豊富な資金を持て余す投資ファンドが、東京市場に目を付けるのは当然の成り行きだったろう。日経平均は3週間にわたって大幅な上昇。この間の上げ幅は1800円を超えた。先週の終り値2万4120円は、1月に付けたことしの高値まであと4円。これを上回れば、1991年11月以来26年10か月ぶりの水準に肩を並べる。

東京市場の活況は、いつまで続くのだろう。ニューヨークの株価が再上昇し始めれば、資金は引き揚げられるかもしれない。大幅に下落すれば、東京も下げざるをえない。ダウが足踏みを続け、円相場が113円台を維持すれば、東京の楽園環境は長持ちする。ただ米中貿易戦争の実害は、確実に拡大する。株価の方向性は、間もなくはっきりするだろう。

今週は1日に、9月の日銀短観と新車販売。2日に、9月の消費動向調査。5日に、8月の家計調査、毎月勤労統計、景気動向指数。アメリカでは1日に、9月のISM製造業景況指数と新車販売。3日に、9月のISM非製造業景況指数。5日に、9月の雇用統計と8月の貿易統計が発表される。、

       ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ


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  「経済なんでも研究会」は、きょうから13年目に入ります。ここまで続けられたのも、読者の皆さまのご支援・ご協力によるものです。厚く御礼申し上げます。今後とも、よろしくお願いします。

 ☆ 日経平均予想は過去12年間で2060勝903敗。勝率は6割9分5厘でした。相変わらず7割が大きなカベになっています。
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中堅・中小の先行き悪化 : 日銀短観
2018-10-02-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 大企業よりも景気に敏感 = 日銀は1日、9月の企業短期経済観測調査を発表した。最も注目される大企業・製造業の景況判断指数はプラス19で、3か月前の前回調査より2ポイント悪化。大企業・非製造業もプラス22で、前回より2ポイント悪化している。ただ先行き見通しについては、製造業、非製造業とも現状と変わらないという結果が出た。また18年度中の大企業の設備投資は前年度比13.4%伸びる見込みで、景況判断の低下は台風や地震などの自然災害による一時的な現象だという見方が強い。

今回の調査は、全国9900社の企業を対象に、9月28日までの1か月にわたって行われた。このうち大企業は約1900社、中堅・中小企業は約8000社となっている。景況判断指数は「業況がいい」と答えた回答の割合から「悪い」と答えた回答の割合を差し引いた数値。大企業・製造業の場合は昨年12月の調査がピークで、その後は3四半期にわたって数値が低下している。

目についたのは、中堅・中小企業の先行き判断が悪化したこと。中堅企業では3ポイント、中小企業では5ポイントの低下が見込まれている。設備投資計画についても、中堅企業は17年度の12.0%増から18年度は9.0%増に鈍化。中小企業は0.5%減から8.4%減へと、マイナス幅が広がる。

一般的に言って、景気が下降する際には、大企業よりも中堅・中小企業の景況感の方が早く悪化する。今回の数字がそういう現象の表れだとはまだ言えないが、注意する必要があることは確か。短観を見る場合、いつもは大企業・製造業に注目が集まるが、ときには中堅・中小企業を重視した方がいいこともある。

       ≪1日の日経平均 = 上げ +125.72円≫

       ≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ


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利上げは あと5回 / アメリカ
2018-10-03-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 微妙な円相場への影響度 = アメリカの中央銀行であるFRBは先週26日の政策決定会合で、政策金利を0.25%引き上げ年2.25%とすることを決めた。15年末にゼロ金利を抜け出してから、これで9回目の利上げ。今後については、ことし12月と来年は3回、20年は1回という見通しを公表している。この通りに行けば、利上げはあと5回。20年春ごろには、3.5%の金利で打ち止めとなる見込みだ。

今後の見通しは、政策決定会合に出席した委員による現時点での予想。したがって仮にインフレ傾向が強まれば、利上げの回数は増える。また景気の状況が悪化すれば、回数は減る可能性がある。それにしても、こういう形で中央銀行が今後の見通しを発表するのは異例と言えるだろう。一般に予見が広まれば、金融政策の心理的効果は薄れてしまうからだ。

FRBは逆手をとって、利上げの心理的効果をむしろ薄めようとしている。いま利上げが大きなインパクトを発揮すると、長期金利が上がってしまう。すると景気に悪影響が及んだり、新興国からの資金流出が激しくなりかねない。それを避けるために、FRBはわざわざ今後の見通しを公表しているわけだ。

この戦術は成功し、市場の目は今回の利上げよりも将来の金利動向に向いている。このため先週は利上げにもかかわらず、長期金利はほとんで動かなかった。アメリカの金利が上がれば、ふつうならドル高・円安になる。しかしFRBのこの作戦によって、為替市場でもドルは上がらなかった。ただ、この効果がいつまで持続するかは予測できない。もし呪縛が解ければ、円相場は下落することになるだろう。

       ≪2日の日経平均 = 上げ +24.86円≫

       ≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ


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消費増税に 3つの条件 (上)
2018-10-04-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 景気が悪化すればまた延期 = 消費税は来年10月、現行の8%から10%に引き上げられる予定。あと1年に迫ったいま、政府・与党も小売業界も、その準備に本腰を入れ始めた。だが増税を実現するためには、3つの条件がある。第1は景気の状態が順調であること。第2は増税によって、景気が下降しないこと。そして第3は増税で生じる財源の使い道を、国民が納得することである。

日本の消費税は、1989年4月に税率3%でスタートした。その後97年4月に5%、14年4月に8%へと引き上げられ今日に至っている。この14年の増税時には、1年半後には10%に再引き上げすることも決めていた。しかし安倍首相はその後2度にわたって、10%への増税を延期している。いずれも景気の状態が、思わしくなかったためだ。

景気の状態が弱いときに消費税を上げれば、景気は確実に悪化する、だから安倍首相の判断は、正しかったのだろう。だが今回はどうだろう。たしかにオリンピック需要などもあって、企業業績と雇用状態は絶好調。株価も27年ぶりの水準を回復した。しかしGDP成長率は、延期を決断した当時とほぼ同じ。これから米中貿易戦争の影響も、確実に表われてくるだろう。

そのためもあって、政府・与党は景気対策を手厚くする。まず年内と来年春の2回、補正予算を組むことになった。災害復旧とインフラ補強が名目だが、この合計5兆円を超す補正予算で景気を下支えする方針。さらに100兆円を超す来年度予算で、景気対策に万全を期す構えだ。その結果、安倍首相が最終判断を下す来年春の景気動向が、好調を持続するかどうか。もし3度目の延期になれば、安倍首相の統率力には暗い影が射すことになる。
               
                           (続きは明日)

       ≪3日の日経平均 = 下げ -159.66円≫

       ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ≫ 

                  
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消費増税に 3つの条件 (中)
2018-10-05-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 消費の反動減をいかに抑えるか = 消費増税を実施すると、人々は増税前の駆け込み需要に走る。増税後はその反動で、需要が落ち込んでしまう。この現象は過去の増税時に必ず見られたが、特に税率を5%から8%に引き上げた前回14年のときは激しかった。14年4-6月期の個人消費額は実質で前年比17.2%も減少、増税前の水準に戻るまで4年もかかっている。これがデフレの長期化につながったことは間違いない。

そんなことが再現したら大変だ。そこで政府・与党は、いま衆知を集めて反動の抑制策作りに取り組んでいる。すでに決まっているのは、軽減税率の導入だけ。軽減税率というのは、食料品や飲料水など重要な生活必需品についての税率を8%のまま据え置くこと。その分だけ反動減を抑制できるほか、低所得層の負担を軽減できる。

消費増税の負担感は、所得の低い人ほど重くなる。そこで年間所得78万円以下の年金生活者に、一律6万円の現金を支給する案も浮上している。対象者は約800万人。財源をどうするかが課題だ。また住宅と自動車についても減税し、実質的に購入者の負担が増えないようにする案も有力。ただ地方の税収減をどう補うか。減税の終了時に駆け込みが起こらないかといった問題点も提起されている。

さらに小売店の売り方に対する指導も変える。これまでは「増税分を価格に上乗せするよう」指導してきたが、今回は「すぐに価格を上げる義務はない」という方針を周知させる。また自粛を要請してきた「消費税還元セール」も解禁する。これらの対策には法律や税制の改正を必要とするものもあるから、政府は遅くとも年末までには最終決定しなければならない。

                               (続きは明日)

       ≪4日の日経平均 = 下げ -135.34円≫

       ≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ


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消費増税に 3つの条件 (下)
2018-10-06-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 増税しても財政状態は悪化? = 消費税の税収は、急速に増大している。税率3%でスタートした89年度の税収は3兆3000億円だったが、18年度は17兆5000億円になる見込み。税収全体の約3割を占める。これを10%の税率に引き上げると、約5兆6000億円の増収に。しかし消費の反動減を抑え、景気を維持する対策には、合計10兆円もの費用がかかりそうだ。すると増税しても初年度は支出の増加で、財政はさらに悪化してしまう。

まず対策費の使い方に問題はないのだろうか。たとえば自動車税や燃費税を軽減して、消費増税分を相殺する案。駆け込みや反動減は抑えられるかもしれないが、自動車減税を永久に続けることはできない。すると自動車減税が終了する時点では、駆け込みや反動減が発生して、景気を不自然に変動させてしまう。

さらに増税によって生じる増収分の使い方。消費税収はもともと、社会保障費と財政再建にのみ使われると決められていた。それを安倍内閣は、大学生の教育無償化にまで使おうと考えている。「誰もが高等教育を受けられる社会の建設」と言ってしまえば、聞こえはいい。しかし雨後の筍のように出現した大学に、タダで学生を送り込むだけではないのか。巨費を投じて、若者を4年間遊ばせる結果にならないのだろうか。もっと検討する必要があると思う。

何がなんでも景気の好調を持続させ、来年10月には消費税を10%に引き上げる。どんな手を使っても、増税による景気の後退を防ぐ。安倍首相をはじめ政府・与党の考え方である。消費税の引き上げが必要なことは理解できるが、「引き上げてしまえばいい」というその姿勢には、どうも納得がいかない。

       ≪5日の日経平均 = 下げ -191.90円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】  


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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2018-10-07-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第5章 ニッポン : 2060年代

≪53≫ 主婦業 = マーヤは完全に、日本の主婦になった。ぼくの食事を作るために、町へ買い物に行く。そのために車の運転も始めた。自動運転車だが、まだ人間の補助が必要だ。ダーストン星のように、道路と側壁が車を誘導するシステムにならなければ、完全自動車にはならない。そうなるまでには、200年ぐらいかかるのだろう。

ときにはマヤ工業の専務として、ビジネス相手とも付き合っている。明るく頭の切れる女性経営者だと、評判はいいらしい。なにしろ、よく働く。日本には「寝食を忘れて働く」という表現があるが、もともと彼女には寝も食も必要ない。

ぼくの方は反対に、だんだん世間から逃げている。テレビや雑誌記者に“空白の5年間”を追及されるたびに、ウソをつかなければならない。政治家と違って「記憶にありません」と答えることに、嫌気がさしたからである。

それでも仕事の用があったりして、2人で都心に出ることもある。そんなとき電車に座っているぼくたちは、仲のいい中年の夫婦に見えたに違いない。ただ困ったことに、2人で食事はできない。夫だけが飲み食いし、妻は水にも手を着けないという光景は、きっと変に思われるからだ。

仕事の方は、きわめて順調。鉄道はリニアから在来型の新幹線へ、高速道路も全国の幹線から支線へと、急速にマヤ路床が普及して行った。それどころではない。学校や病院、それに一般の家庭からも、引き合いが来るようになった。なにしろ新しい太陽光パネルは、発電効率が従来型の20倍も高い。

製造・販売を一手に引き受けたJRリニア新幹線会社は、工場の拡張・増設に大わらわ。2年もしないうちに、本業のリニア鉄道より路床生産の売り上げが大きくなってしまったほどである。こうした奇跡とも言える業況は、海外の新聞やテレビでも大々的に報道された。

ぼくたちのマヤ工業は、この生産に全く関係していない。見学者が来れば最初に建てた小さな工場に案内し、実験データなどを専用のロボットに説明させるだけ。ただし新合金の製造に欠かせないダーストニウムだけは、わが社からすべて供給している。

そのダーストニウムはわが社の倉庫に厳重に保管されているが、常に補充されていた。不思議に思っていたが、あるときマーヤに聞いてみると・・・。

UFOのロボットたちが、深夜に運び込んでいるの。あの山梨工場は人里離れているから、決して見つかりません」

                               (続きは来週日曜日)
        

          
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今週のポイント
2018-10-08-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 株式市場に新たな環境 = ダウ平均株価は先週前半に上げて史上最高値を更新したが、後半は反落した。週間では11ドルの値下がり。上昇の要因は、NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉が決着したこと、米中貿易戦争がやや落ち着きを取り戻したこと、それに好調な企業業績の持続など。反落は主として高値警戒によるものだろう。先々週は前半に下げ、後半に戻している。今週はどちらのパターンになるのだろう。

ただしニューヨークの株式市場を取り巻く環境は、明らかな変化をみせている。まず長期金利が3.23%にまで上昇した。金利が上がると、住宅販売が抑えられる。新興国経済への影響も、大きくなる。また原油の国際価格も、4年ぶりの高さに上昇した。企業や個人の負担が重くなる。さらに世界的な半導体の供給過剰が問題視され始めた。

日経平均は先週336円の値下がり。週初には27年ぶりの高値を回復したが、あとは反落して終り値では2万4000円台を割り込んでいる。こちらも好調な企業業績に下支えされているが、金利高や原油高はやはりマイナス材料だ。今週はアメリカの株価と円相場によって、日経平均の方向は定まるだろう。

今週は9日に、8月の国際収支と9月の景気ウオッチャー調査。10日に、8月の機械受注。11日に、9月の企業物価。12日に、8月の第3次産業活動指数。アメリカでは10日に、9月の生産者物価。11日に、9月の消費者物価。12日に、10月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が12日に、9月の貿易統計を発表する。

       ≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ


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中間選挙の 危険度 / アメリカ
2018-10-10-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 共和党は下院で劣勢 = アメリカの中間選挙が11月6日に実施される。4年ごとに行われる大統領選挙の中間に実施されるためにそう呼ばれ、下院の全部と上院の3分の1が改選される。今回はトランプ大統領に対する信任投票の色彩が濃く、それだけに大統領自身も地方遊説に全力をあげている。しかし現在の情勢は、与党の共和党が上院では過半数を維持するものの、下院では民主党が優勢のようだ。

たとえばリアル・クリア・ポリティックス社の調査によると、上院100議席(現在は共和51、民主49)は非改選を含めて共和48、民主44議席が見えている。しかし下院435議席(現在は共和235、民主193、欠員7)は民主200、共和189が優勢となっている。もちろん、まだ投票日まで1か月近くあるから、この状況が続くとは限らない。

こうした状況に、神経を尖らせているのがウォール街である。というのも、終盤の逆転を狙ってトランプ大統領が想定外の奇手を打ち出す可能性が小さくないからだ。たとえば内政では、大規模な追加減税や最低賃金の引き上げなど。また外交では中国に対する貿易戦争の強化や、自動車に対する高関税など。何が飛び出してくるか、見当がつかない。

仮に共和党が下院で敗北すると、いわゆる“ねじれ議会”になる。するとトランプ大統領が計画している追加の大減税や、医療制度の改革などは実現が難しくなるだろう。貿易戦争や移民の抑制は、どうなるか。少なくとも“アメリカ・ファースト”には、ブレーキがかかりそうだ。その影響が読みにくい。投資家は新たな難問を抱え込むことになった。

       ≪9日の日経平均 = 下げ -314.33円≫

       ≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ


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原油高騰の 危険度 (上)
2018-10-11-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 国際価格が4年ぶりの高さに = 原油の国際価格が高騰している。ニューヨーク商品取引所のWTI(テキサス産軽質油)の先物価格は、10月に入ってから1バレル=75ドル前後の高値で推移している。この水準は昨年の2倍、16年初に比べると3倍の高さ。このため日本国内でも電気・ガス料金、ガソリン価格の上昇を招いているが、特に新興国の経済には深刻な影響を及ぼし始めている。

今回の価格高騰は、主として供給不足が原因となっている。まずベネズエラが経済危機に陥り、原油の生産も激減した。ところがOPEC(石油輸出国機構)は、加盟国に増産を要請せずベネズエラによる不足分を補充しなかった。加えてトランプ大統領が、イランに対する経済制裁を強化。EUや日本に対して、11月からイラン原油の輸入を停止するよう要請した。

専門家の間では「今回の原油高騰は長引くだろう」という見方が強まっている。供給不足を惹き起こしている原因が、みな一過性のものではないと考えられるためだ。価格が上昇すればアメリカのシェール生産は増加するが、それには時間がかかりそう。需要超過よりも供給不足で生じる価格上昇の方が、タチが悪いと言う専門家も多い。

じっさい新興国にとって、原油の値上がりは厳しい。アメリカの金利上昇で資金が流出し、いまは通貨防衛のために何度も利上げしている国も多い。そこへ原油高が加わると、輸出競争力が低下し、国内のインフレは加速する。その結果、景気が悪化して原油の需要も減少すれば、原油の国際価格も下がるだろう。だが、そうなれば世界経済はもっと厳しい事態に直面することになってしまう。

                               (続きは明日)

       ≪10日の日経平均 = 上げ +36.65円≫

       ≪11日の日経平均は? 予想 = 下げ


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原油高騰の 危険度 (下)
2018-10-12-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本の損失も実は膨大 = 原油価格の直近の底は16年2月、1バレル=26ドルまで下落していた。最近の水準は、その3倍弱。こうした価格の高騰で喜ぶのは、産油国ばかり。非産油国は、いろいろな形で損害を被っている。そのなかでアメリカはガソリンの値上がりで消費者の負担が増える一方、シェール生産に弾みがつくというメリットも。全体としての勘定は、そう大きな損失とはならない。

最も大きな損失を受けているのは、インドやブラジル、南アフリカやインドネシアといった新興国だ。アメリカの金利高で資金が引き揚げられ、通貨防衛に悪戦苦闘しているところへ、輸入原油の高騰が重なった。こういう事態は、おそらく初めての経験だろう。輸出競争力が低下する一方で、国内のインフレが進行している。各国は防戦におおわらわだ。

日本の場合は経済の基盤が強いうえに、巨大な対外債権を保有している。このため資金の還流は起こりにくい。現に株式市場への投資資金も、そこそこ流入している。したがって、新興国のような苦しい事態は表面化しない。だが見方を変えると、日本もきわめて大きな損失を受けていることが判る。

貿易統計をみると、最近の鉱物性燃料の輸入額は月1兆8500億円。2年前に比べて7000億円も増えた。単純計算すれば、年8兆円以上になる。これだけの購買力が、電気料金やガソリン代の高騰を通じて産油国に移転しているわけだ。仮にこれだけの金額が国内の消費に充てられれば、デフレなどはとっくに消えているはずである。

       ≪11日の日経平均 = 下げ -915.18円≫

       ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ


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お節介すぎる TVの天気予報
2018-10-13-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本人をダメにする? = 猛暑やら台風やらで、この夏はテレビの天気予報を見る回数がめっきり増えた。最近の予報はよく当たるので、とても役立っている。だが予報の元は気象庁が発表するデータだけなので、内容の差別化はきわめて難しい。そこで各テレビ局は、何とか特色を出そうと懸命だ。その結果が天気予報番組のバラエティ化になってきたように思うのだが、どうだろう。

その一環かもしれないが、近ごろの天気予報はお節介すぎる。花粉情報や洗濯情報ぐらいはいいが、たとえば「半袖でいいでしょう」とか「折りたたみ傘を持って行った方がいい」とか。人によって暑さに対する感じ方は違うだろう。半袖にするか、傘を持って行くかぐらいは、自分で決めたらいい。子どもの時からテレビの言う通りにする習慣が付くと、自分で考える力が衰退し、日本人はダメになるかも。

差別化は、気象に関する知識でやったらいい。たとえば「高気圧や低気圧はどこで、どうして生まれるのか」「台風はなぜ時計の反対回りなのか」「南半球ではどっち回り」・・・。若い女性が愛嬌を振りまく番組ではなくて、一種の教養番組にしたらどうだろう。その方が視聴率も上がるのでは。

もう1つ、難しい問題がある。それは降雨量や風速など災害に関する予報が、ややオーバーに伝えられる傾向がみられること。被害を最小限に食い止めるためには、オーバー目の予報が有効なのかもしれない。だがオーバーな警報がいつも出されると、人々はしだいに慣れてしまう。この重大な問題をどう解決するか。気象庁もテレビの天気予報担当者も、真剣に考えるべきだろう。

       ≪12日の日経平均 = 上げ +103.80円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】  


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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2018-10-14-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第5章 ニッポン : 2060年代

≪54≫ 神の粉 = ある日、JRリニア新幹線会社のお偉方がやってきた。革命的な新素材の話はあっという間に海外にも広まり、共同生産したいという申し込みが相次いでいるのだと言う。そこで海外にも、あのダーストニウムを供給してもらえないかと頼みに来たのである。

その辺のことになると、ぼくには何とも言えない。同席したマーヤの方を見ると、彼女は「結構です」ときっぱり返事した。ただ「海外の会社と共同で建設する工場の場所と生産規模を教えてください。ダーストニウムは、こちらから必要な分を直接送ります」と付け加えていた。もう立派な女性経営者である。

2068年のうちに、海外企業との合弁工場はアメリカ、フランス、中国、タイ、そしてサウジアラビアにも建設された。このころになると世界的に原油の埋蔵量が乏しくなり、産油国も太陽光発電には大きな関心を持っていたからだ。

マーヤは国内の工場だけでなく、海外にもダーストニウムを発送する仕事に追われるようになった。ダーストニウムはドラム缶に入れて、海外には航空便で送る。ドラム缶に入れる量はそれぞれの工場の生産量に合わせて、正確に計量される。だから工場で、この粉を使い残すことはない。

ダーストニウムは、見たところ何の変哲もない黄色い粉である。手のひらで掬うと、指の間から砂のように零れ落ちる。だが、その魔法の力は想像外だ。鉄やプラチナなど数種類の金属を一定の比率で混ぜ合わせた合金に、この粉を入れる。すると合金の強度と磁性が極端に高くなる。また、この合金で造った細い繊維を特殊な強化ガラスに織り込むと、きわめて発電効率がよい太陽光発電基盤が出来上がる。

合金に混ぜる量は、ごく僅かだ。1キロメートルの路床を製造するのに、カップ1杯ほどで十分。だから東京ー福岡間のリニア路床を敷くのにも、ドラム缶1つで足りた。

違う日、またJRリニアの役員が飛んできた。「外国の企業が科学者を集めて、ダーストニウムの分析を始めたそうです。特許も取っていないそうですが、大丈夫ですか」

マーヤは落ち着き払って、こう答えた。「どんな天才が研究しても、あの粉を製造できるまでには200年かかるでしょう」

じっさい、海外でダーストニウムが生産されることはなかった。そして科学者たちの間で、この物質は“神の粉”と呼ばれるようになった。

                             (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2018-10-15-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 反発力の強さに注目 = ニューヨーク株式市場は先週10日、突然の暴風雨に見舞われた。ダウ平均は832ドルの大幅安。この嵐は11日も吹き荒れ、9-11日の3日間で1434ドルの下落となった。ただ12日には287ドル反発して終わっている。長期金利が3.24%に上昇し、企業の負担が増えると心配されたこと。米中貿易戦争で中国経済の成長鈍化が進むと懸念されたことが、暴落の引き金となった。ダウ平均は週間1107ドルの値下がり。

時ならぬ秋の嵐は、世界中に波紋を播き散らした。ヨーロッパやアジア各国の株価も急落。特に上海市場の総合株価指数は4年ぶりの安値に落ち込んでいる。日経平均も11日には915円の大幅安、2万3000円を大きく割り込んだ。ただ、こちらも12日には104円の反発で終わっている。日経平均は週間1089円の値下がり。

今後の見通しについて、市場では強弱の意見が交錯している。年末にかけて「まだ株価は上昇する」という見方も意外に根強い。その一方で「長期にわたった上げ相場は終了した」という見方も増えてきている。ダウ平均や日経平均が、今週少なくとも下落分の半分を取り戻せるかどうか。もし取り戻せないと企業業績の展望が悪化し、大相場の天井を告げる可能性が大きくなるだろう。

今週は16日に、9月の訪日外国人客数。18日に、9月の貿易統計。19日に、9月の消費者物価。アメリカでは15日に、9月の小売り売上高。16日に、9月の工業生産。17日に、9月の住宅着工戸数。18日に、9月のカンファレンス・ボード景気先行指数。19日に、9月の中古住宅販売。また中国が16日に、9月の消費者物価と生産者物価。19日に、7-9月期のGDP速報と9月の小売り売上高、鉱工業生産、固定資産投資額を発表する。

       ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ


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あなたは強気? 弱気? : 株価見通し (上)
2018-10-16-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 市場では強気派と弱気派が伯仲 = 世界中の株価が、先週は大幅に下げた。きっかけは、ニューヨーク市場の株価が週央10日に急落したこと。この日のダウ平均は832ドル、翌日の日経平均は915円の下げを記録した。株安の波は、ヨーロッパからアジア各国にも伝播している。株価の不安定度を示すVIX(恐怖指数)が急上昇し、専門家の間では「長期にわたった株高は終わった」という声も聞かれ始めた。

ただダウ平均も日経平均も、先週末12日には大きく反発して引けた。このため「株価は意外に底堅いから、押し目買いが出て戻すだろう」とみる楽観論も、いぜんとして強いようだ。特にニューヨークに比べて割安感が強い東京市場では、強気の見方がやや優勢のように見受けられる。

「株価はまだ高くなる」と考える強気派の基本的な根拠は、日米ともに景気の上昇が続き、企業の業績が極めていいことだ。たしかに雇用や個人消費は、堅調を維持している。先週の株価急落はアメリカの金利上昇が原因だったが、これは心配のし過ぎ。コンピューターによるシステム売りが過剰に働いたが、その影響はもうなくなっている。

同様の現象は、ことし2月にも起こっている。このときダウ平均は2日間で1800ドル以上も下げたが、すぐに回復した。だから今回も急ピッチの上げに伴う調整で、間もなく上昇路線に戻る。仮に調整が長引いたとしても、そうなればFRBが利上げのテンポを緩めるだろう。これが強気派の考え方だ。一方、弱気派は――。

                            (続きは明日)

       ≪15日の日経平均 = 下げ -423.36円≫

       ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ


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あなたは強気? 弱気? : 株価見通し (下)
2018-10-17-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 決め手は今後の決算見通し = アメリカの景気拡大は、もう10年も続いている。そろそろ終了しても、決しておかしくはない。じっさい、トランプ大減税の効果は来年半ばには消滅する。そのころになると、高金利の作用で住宅や自動車の売れ行きが鈍化するだろう。株価は半年先の景気を先取りして動くことが多い。だから長期にわたった上げ相場も、この辺で打ち止めに――弱気派の頭のなかには、こういう想定が膨らんできている。

米中貿易戦争の影響も、しだいに大きくなってくるに違いない。中国だけでなく、新興国はアメリカの高金利がもたらす資金の流出と原油高に悩んでいる。アメリカの中間選挙で民主党が下院の過半数を獲得すれば、トランプ大統領が追加の景気対策を打ち出すことは困難になるだろう。IMF(国際通貨基金)も、来年の世界経済見通しを下方修正した。

弱気派にとって、心配のタネは尽きない。ただ今回の株価調整はリーマン・ショックのような激動型ではなく、上下動を繰り返しながら緩やかに下降する緩慢型になるという見方が強い。それだけに株価の方向を見極めることが、より難しいとも言えるだろう。では何が株価を占うカギになるのだろう。

間もなく、日米ともに7-9月期の決算発表が本格化する。事前の調査によると、日米ともに20%前後の増益になる見通しだ。だが問題は、経営者たちが今後をどう予想しているかだろう。日本の場合は来年3月の通期予想、アメリカの場合は来年1-6月期の予想。決算発表の場で公開されるこの将来予想が明るければ、株価についても強気派が勢いを増す。予想が暗いと、株価の見通しでも弱気派が増える。

       ≪16日の日経平均 = 上げ +277.94円≫

       ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ


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新アベノミックスの登場 (上)
2018-10-18-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 消費増税に2つの景気リスク = 安倍首相は15日の臨時閣議で「消費税を来年10月、現行の8%から10%に引き上げること」を最終決定した。1年も前に決定したのは「準備に十分な時間をかけるため」と説明しているが、来年の地方統一選挙や参院選への影響を考慮した結果であることは明らかだ。また、この臨時閣議では18年度の第1次補正予算も了承した。消費増税とは無関係のように見えるが、実は重要な関連性がある。

消費税の引き上げには、全く性質の異なる2つの景気リスクがある。1つは増税前に駆け込み需要が起こり、増税後はその反動で消費が落ち込んでしまうことだ。この現象は過去の増税時に必ずみられたが、特に税率を5%から8%に引き上げた14年の場合は激しかった。消費の減退で景気が停滞、回復するまでに4年もかかっている。

この失敗を繰り返さないようにと、政府はいくつもの対策を講じる方針。たとえば酒類と外食を除く食品と飲料は、増税せず8%の税率に据え置く軽減税率。住宅や自動車については、増税後に減税や補助金で負担をなくす。また中小の小売り業に限り、現金を使わない消費者に2%分のポイントを供与、その分を政府が補てんする――などなど。こうした対策で、増税前後の消費をできるだけ平準化する。

もう1つの景気リスクは、増税そのものとは関係がない。日本の景気自体が、何らかの理由で下降してしまうことだ。仮にそんな状態になれば、増税などできるはずがない。それを防ぐためには、しっかり景気対策を講じておくこと。金融政策は限界にきているから、財政支出を増やすしか手段はない。その第1弾が、補正予算なのである。

                               (続きは明日)

       ≪17日の日経平均 = 上げ +291.88円≫

       ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ


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新アベノミックスの登場 (下)
2018-10-19-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 頼みの綱は財政支出だけ = 第1次補正予算の規模は9356億円。そのうちの7275億円を、地震・台風・豪雨などによる災害の復旧。残り1081億円は、公立小中学校のエアコン設置とブロック塀の改修に充てる。この使途なら野党の反対もなく、臨時国会ですぐ成立するだろう。さらに政府・与党は18年度の第2次補正予算を、次の通常国会に提出する方針。国土強靭化のためのインフラ投資が中心となる。

国土強靭化も、必要な事業には相違ない。だが、その内容は道路や橋梁、堤防などの公共事業だから、本来なら本予算に組み込むべきもの。国会での議論は長引くかもしれない。そこで政府は第1次補正と切り離して、通常国会へ提出することにした。規模も5兆円前後には膨らむだろう。というのも前回14年の増税前には、5兆5000億円の補正を組んでいた。1次と2次を合わせて、それを下回るわけにはいかない。

加えて19年度の本予算にも、消費増税対策が盛り込まれる。住宅や自動車に対する減税や補助金、中小小売り業の準備に対する支援、さらには低所得層への現金給付まで。その中身はまだ決まっていないが、ここでも5兆円以上は必要になってくるだろう。すると18年度の2つの補正予算と合わせて、財政支出は110兆円にも達する可能性が大きい。

景気が停滞してまたまた増税が出来なくなると、安倍首相の政治生命にもかかわってくる。だから安倍内閣は必死で景気を支えようとしているわけだ。しかし4年前に世間を驚かせたアベノミックスと違い、今回は金融が働けない。手段は財政支出だけとなった。それでも景気を支えるための安倍流経済政策、つまり新アベノミックスであることに違いはない。

       ≪18日の日経平均 = 下げ -182.96円≫

       ≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ


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野放しになった 就職・採用活動 
2018-10-20-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 「青田買い」「種もみ買い」の復活? = 経団連が大学生の採用・面接などの解禁日を定めた指針を、21年春から廃止すると発表した。加盟会社から「この指針に従っていると、いい学生が採れない」という不満が強まったためである。政府は混乱を避けるため、企業・大学と協力して当面は「3年生の3月1日に会社説明会、4年生の6月1日に面接を解禁」という現行の経団連指針を踏襲する方針。だが実効性は全く期待できない。

経団連の加盟社は、大企業を中心に1376社。中堅・中小企業をはじめ外資系企業やベンチャー企業などは、ほとんど加盟していない。だから経団連が加盟社だけに指針を守らせることには、もともとムリがあった。政府が乗り出してきても、結果は同じ。むしろ経団連の撤退で、就職・採用活動は完全に野放しになったという認識が広まっている。

経団連は「21年春から廃止」と言っているが、実際には来年から野放し状態になるだろう。かつて1960年代にも、企業が競って早く内定を出す「青田買い」「種もみ買い」が大問題となった時代があった。今回も、その再燃が懸念される。具体的には、インターンシップがその温床になりそうだ。

欧米の先進国は、みな通年採用。新卒、既卒のほか他企業に就職している人材を、1年中いつでも採用する。日本経済もこれだけグローバル化しているから、その方向へ進まざるをえない。いまはその過渡期で、混乱も生じる。迷惑するのは学生たちと、中小・零細企業だろう。特に学生には、就職先をじっくり選ぶ観察力が重要になってくる。

       ≪19日の日経平均 = 下げ -126.08円≫

       【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】  


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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2018-10-21-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第5章 ニッポン : 2060年代

≪55≫ 使命感 = マーヤはJRリニア新幹線会社と協力して、相変わらず寝食を忘れて働いていた。と言って、ぼくが遊んでいたわけではない。ダーストン星での経験を活かして、どうしたら日本をもっと素晴らしい国に変えられるか。最近はそれがぼくの天職だと、ひしひしと考えるようになった。

まず手を着けたのは、ヒト型ロボットの量産化だ。山梨県の実験工場の隣に、ロボット製造工場を建設した。2069年春のことである。そのころの日本では、各方面でロボットが活躍していた。ホテルやデパートでの受付や案内。事務所や家庭の掃除。だが、その形態は可愛い人形や動物に似せたものが多く、ヒト型ロボットはあまり発達していなかった。

ぼくが造ったのは、身長170センチの人間の形をしたロボット。断わっておくが、マーヤのような人間性を持ったロボットではない。人間と見分けが付かないようなマーヤ型のロボットは、人間のDNAを移植しなければ造れない。それには医療技術の発達が必要だから、地球では200年後の子孫たちが取り組む課題になるのだろう。

そんなロボットが出現すると、ダーストン星でみたように人間とロボットの結婚問題など、別次元の問題が生じる。ぼく自身がマーヤと結婚しているくせに言いにくい話だが、そんな世界が必ずしもいいとは思っていない。地球でも200年後には、そんな問題に直面することは確かだが。

と言うことで、ぼくが造ったのは機械的ロボットの究極版。見た目は人間に近いが、金属製であることは一目瞭然だ。もちろん、設計図はマーヤの記憶から取り出した。体内のプログラムを入れ替えれば、いろいろな用途に適合するからとても便利だ。ぼくは3種類のプログラムを使って、ガードマン用、ロボット製造用、そして農水産業用のロボットを量産し始めた。

ガードマンは試験的に、この工場と例のダーストニウムを保管した倉庫を警備させた。するとイノシシが近づいてもカラスが飛んできても、頭から光線を発射して完全に追い払ってしまう。広告を出したら、博物館や宝石店から注文が殺到した。

ロボット製造用ロボットは、ぼくの工場に配備してロボットの製造を無人化した。さらに農水産用ロボットは、農作物の栽培や魚類の養殖に当たる。人手不足に悩む長野県の農家と静岡県の養殖業者と提携して、もう基礎的な実験は終えた。来年になれば、本格的にロボットだけでコメや小麦の栽培、マグロやタイの養殖を始めることが出来るだろう。

                                (続きは来週日曜日)


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今週のポイント
2018-10-22-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 強気と弱気が綱引き中 = ダウ平均は先週16日、548ドルと大幅に上昇した。7-9月期の決算発表が始まり、大手銀行などの業績が予想以上に伸びたことが材料になった。しかし、この日以外の株価は冴えず、週間の上げ幅は104ドルにとどまっている。日経平均も16-17日は上昇したが、あとの日は売られて週間では163円の値下がりとなった。

株価の売り材料になったのは、主として外部要因。米中貿易戦争の先行き不安、資金流失に悩む新興国経済に対する警戒感が強まると、株価は下げている。特に4年ぶりの株安と10年ぶりの為替安に見舞われ、成長鈍化もはっきりしてきた中国経済への懸念が高まった。東京市場でも、いわゆる中国関連銘柄の下落が目立っている。

日米ともに、企業の業績は最高の水準を維持している。したがって決算発表が進むにつれて、株価が上昇する場面もありそうだ。その半面、外部要因の悪化も進行しそう。株価をめぐる強気と弱気の綱引きは、もう少し続くだろう。ただ先週の株価は、10月になってからの大幅安を半分も取り戻せなかった。ここからみると、強気派はやや劣勢と言えるかもしれない。

今週は22日に、8月の全産業活動指数。25日に、9月の企業向けサービス価格。26日に、東京都区部の消費者物価。アメリカでは24日に、9月の新築住宅販売。25日に、9月の中古住宅販売。26日に、7-9月期のGDP速報が発表される。

       ≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ


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三重苦の 中国経済 (上)
2018-10-23-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ すべての指標が下向きに = 中国統計局の発表によると、7-9月期の実質GDP成長率は年率6.5%だった。前期より2ポイントの低下で、リーマン・ショック後09年1-3月期以来の低い伸び率となっている。地方政府や国有企業の債務超過を是正するためインフラ投資を抑制していたところへ、米中貿易戦争の影響が重なった。このため固定資産投資、個人消費、輸出など、すべての項目が悪化している。

設備やインフラ、不動産投資を総計した固定資産投資は、1-9月間で前年比5.4%の増加。1-6月間の6.0%増から目立って減退した。特にインフラ投資は3.3%増にまで落ち込んでいる。小売り売上げ額は1-9月間で9.3%の増加。これも1-6月間の9.4%増から、わずかだが減少した。輸出も元相場が大きく下落したにもかかわらず12.2%増で、1-6月間の12.5%増から縮小している。

景気の減速と米中貿易戦争の影響で、株価は2月から下降局面に入った。最近の上海総合指数は、4年ぶりの安値に沈んでいる。特に外国人投資家の売りが激しいようだ。人民元の対ドル相場も10年ぶりの安値に。輸出にはプラスだが、国内の物価は押し上げられる。9月の消費者物価は前年比2.5%の上昇。素材や食品が上がっており、個人消費を冷え込ませる心配も出てきた。

株価の低迷、元相場の下落、そして成長率の低下。いま中国経済は、この三重苦に憑りつかれた。しかも米中貿易戦争の悪影響はこれから本格化するから、見通しもよくない。中国経済の停滞は、アジア諸国や日本、さらには欧米など世界中にマイナス効果を及ぼす。中国政府はなんとか三重苦から逃れようと、いろいろ対策を打ち出した。だが、その結果はまだ少しも見えてこない。

                             (続きは明日)

       ≪22日の日経平均 = 上げ +82.74円≫

       ≪23日の日経平均は? 予想 = 下げ


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三重苦の 中国経済 (下)
2018-10-24-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 自動車・マンション・携帯も冷え込む = 中国人民銀行は10月上旬、預金準備率を引き下げ、大手銀行の場合は14.5%になった。この措置で7500億元(約12兆円)の資金が市中に放出されたという。準備率の引き下げは、ことし3回目。流動性の増加額は2兆2500億元に達したとみられている。政策の妥当性はともかくとして、初動だけは早かったと言えるだろう。

政府も財政面から手を打った。個人所得税を10月から年3200億元(約5兆1000億円)減税。法人についても、研究開発費について減税した。また11月からは、輸入関税の引き下げも実施する予定。物価上昇を抑制し、個人消費の減少を防ぐことが主たる目的となっている。ただ地方政府と国有企業の債務増加を避けるため、インフラ投資は行っていない。

これらの政策効果は、まだ表われてこない。たとえば9月の新車販売台数は239万台で、前年を11.6%も下回った。3か月連続の前年割れで、ことしは通年でも昨年を下回るかもしれない。マンションの売れ行きも不振。なかには高級車を景品に売り出す業者もいるという。携帯電話の出荷台数も、17か月連続で前年割れとなった。

こうした中国経済の成長鈍化は、世界に影響を広げ始めた。日本の場合も自動車や機械、電機メーカーが、相次いで中国向けの販売計画を下方修正している。これを反映して、市場では中国関連銘柄の株価が下落した。中国の状況がさらに悪化すると、世界同時不況の引き金にもなりかねない。株式市場はこうした危険性にも、警戒感を抱き始めている。

       ≪23日の日経平均 = 下げ -604.04円≫

       ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ


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大混乱の予感 : イギリスのEU離脱 (上)
2018-10-25-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 解のない連立方程式 = 来年3月29日、イギリスがEUから離脱することは確定している。だが離脱後の関係をどうするかが、全く決まらない。EUは12月に首脳会議を開くが、これが最後のチャンス。だが、ここで決まる可能性はきわめて小さい。もし決まらないまま離脱の日を迎えると、イギリスはEU加盟国としての特権をすべて失う。ヨーロッパはむろんのこと、全世界が大混乱に陥る危険性は限りなく大きい。

EUは先週17-18日、ベルギーで首脳会議を開き、この問題を討議した。ところが進展はゼロ。12月の首脳会議に問題を持ち越した。ここでも合意に達しないと、議会の承認を得る時間がなくなり、3月29日を迎えてしまうことになる。そうなれば無秩序のまま離脱することにならざるをえない。

合意ができなかった大きな問題点は2つ。1つ目はイギリスのメイ首相が主張する「EUと自由貿易地域を創設、他の諸国とはFTA(2国間の自由貿易協定)を結ぶ」という提案。EUからは離脱するので、EUに対する分担金は支払わない。また移民の流入制限も、独自に実施するという内容だ。EU側からみれば「イギリスのいいとこ取り」であり、他の加盟国に真似されてはたまらない。だから絶対に受け入れられない。

2つ目はEU加盟国のアイルランドと、イギリスの一部である北アイルランドの国境問題。両方とも同じ島にあるため、EU側は「北アイルランドも加盟国並みにしたら」と提案しているが、イギリスは「国家を分断される」と猛反対だ。この2点について、先週の首脳会議では少しの進展もみられなかった。それだけではなく、イギリス国内のもっと込み入った事情が、問題解決の大きな障害になっている。

                              (続きは明日)

       ≪24日の日経平均 = 上げ +80.40円≫

       ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ


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大混乱の予感 : イギリスのEU離脱 (下)
2018-10-26-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 八方ふさがりのメイ首相 = イギリス国民は16年の国民投票で、EUからの離脱を最終決定した。だが、この国民投票では「離脱後の関係」については何も決めていない。このため現在の民意は「EUと完全に縁を切る」という強硬派と、「自由貿易の関係は続けたい」という穏健派に2分されている。メイ内閣の閣僚や議会でも、強硬派と穏健派が伯仲。だからメイ首相はEUとの交渉で、「自由貿易」も「移民規制」も落とせない。

仮に何らかの条件が整って、EUとの間で離脱協定が成立できたとしよう。だが、その場合も協定がイギリス議会で承認される可能性はそう高くない。強硬派と穏健派のどちらかが反対すれば、議会でつぶされてしまう危険性がある。またメイ内閣は、北アイルランドの弱小政党との連立で成立した。この政党が反旗を翻せば、内閣は潰れてしまう。メイ首相はEUとの会議では白い目で見られ、国内では強硬・穏健の両派から突き上げられ、進退窮まっているようにみえる。

もしイギリスが無秩序状態でEUを離脱すれば、企業や個人がイギリスで取得した営業権やパスポートは3月30日以降、効力を失う。イギリスとEUの間で「自由なヒト、モノ、カネの移動」が出来なくなるわけだ。特に企業はEUで営業権を取り直す必要があり、そのためには拠点をイギリスからEUのどこかへ移さなければならない。

すでにイギリスに本拠を構える海外企業は、対応策に乗り出している。たとえばドイツのBMWは、イギリスからの撤退を決めた。日本企業も、パナソニックはヨーロッパ本社をロンドンからオランダに移転。日立は生産拠点をイタリアに集中する。金融機関も一部の機能を大陸側に移し始めた。今後は12月のEU首脳会議を見据えて、こうした動きが加速するに違いない。それでも来年3月には、大混乱に陥る可能性は高い。

       ≪25日の日経平均 = 下げ -822.45円≫

       ≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ


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軽減税率の 複雑怪異
2018-10-27-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 外食は贅沢なのか? = 消費税が来年10月、現行の8%から10%に引き上げられる。その際、政府は軽減税率制度を導入する方針だ。軽減税率というのは、生活必需品である食品と飲料については、税率を8%のままに据え置く仕組み。庶民にとっては、嬉しい政策である。ところが酒類と外食は“贅沢”だから、例外とすることになった。これで話はいっぺんに解りにくくなる。いったい、外食って何なんだろう。

国税庁によると、外食とは「飲食設備のある場所で、飲食料品を飲食させるサービスの提供」である。なるほどレストランや寿司屋やソバ屋が、これに該当することは理解できる。だが社員食堂や屋台のおでん屋も、この定義に当てはまるから消費税は10%になるという。どうして社員食堂や屋台のおでんやが、贅沢なのだろう。

コンビニには、店内にイートイン・スペースを設けているところが多い。弁当を買って持って帰れば税率は8%だが、イートインで食べれば10%になってしまう。お客が8%の税率で弁当を買い店内で食べたら、店員は「あと2%分の税金を払ってください」と請求するのだろうか。店の外にあるベンチで食べたら、店内で立ち食いしたら。疑問は尽きない。

寿司やソバを店内で食べたら10%、出前を取ったら8%。列車のなかで食堂車に行けば10%だが、座席でワゴン販売を買えば8%になる。ところが座席にメニューが置いてあり、それを注文すると10%になるというからご用心。たかが2%の差だと言うなかれ。積み重なれば、年に何万円にもなるかもしれない。

       ≪26日の日経平均 = 下げ -84.13円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】  


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新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2018-10-28-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第6章 ニッポン : 2070年代

≪56≫ 大活躍 = 名古屋の銀行に3人組の強盗が拳銃を持って押し入り、人質を取って立てこもった。ところが、この銀行のフロアには、マヤ工業製のガードマン型ロボットが配置されていた。強盗が「床に伏せろ」と威嚇しても、ロボットは言うことをきかない。そこで犯人の1人がロボットに向けて拳銃を発射。その瞬間、ロボットの頭から光線が出ると、強盗団はみな意識を失って倒れてしまった。

オランダのアムステルダムでは、夜間に有名な宝石店のガラスが破られ、軽機関銃を持った男たちが侵入した。だが、ここでも店内に配置されていたロボットが、光線で男たちを眠らせてしまう。ロボットは軽機関銃の乱射もはね返したと、現地の新聞は大々的に報じていた。

2070年代の初め、世界中の国が治安の悪化に悩まされていた。長く続いた不況のために、人々の心が荒れてしまったためだろう。日本も例外ではなかった。しかし高齢化の進展で、若い警察官は集まらない。財政も苦しいから、警察力の増強もままならない。

ある晩、マーヤがこんなことを尋ねてきた。「貴方はなぜ、ガードマン型と農水産型のロボットしか造らないの。ダーストン国のように、医療型や教育型のロボットも造れるのに」

――いまの世相をみていると、人々がいちばん求めているのは治安の回復だと思うんだ。それで、まずガードマン型の普及に力を入れる。銀行や店舗に配置するだけでなく、街のなかを巡回する“お巡りさん”ロボットも増やせば、犯罪だけでなく、事故や火災を早く見つけて通報できるだろう。

「海外ではマヤ製ロボットの内臓プログラムをコピーして、同じようなガードマン型を造り始めたらしいわ。特許を取ってないから、仕方がないけれど」

――ああ、ぼくらの生産台数には限りがあるからね。海外でも独自に造れば、それだけ治安の回復が早くなるだろう。ただ海外の製品には、ダーストニウム合金が使えない。だから機関銃や手りゅう弾でやられれば、ロボットの方が負けてしまう。結局、日本製の方が品質がいいことに、いずれ世界中が気付くだろうね。

「素晴らしい。でも貴方も相当の悪になったみたい」  こう言って、マーヤはぼくの腕のなかに飛び込んできた。

                            (続きは来週日曜日)  


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今週のポイント
2018-10-29-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 下降局面に入った世界の株価 = 世界中の株価が一斉に下げ始めた。ダウ平均は先週756ドルの値下がり。終り値は年初の水準を割り込んでいる。日経平均は先週1347円の大幅安。一時は2万1000円を下回る場面もあった。ヨーロッパ各国、中国、その他の新興諸国でも株価は値下がりし、世界中を見渡しても株価が年初より高いところは見当たらない。要するに、世界同時株安の状態に陥った。

アメリカやヨーロッパ、日本の景気動向は、そんなに悪くない。企業は相変わらず、記録的な高収益をあげている。にもかかわらず株価が下げ始めたのは、世界経済の将来に対する警戒感が膨れてきたからだ。これまで現在の景気と企業業績を重視する強気派と、将来を警戒する弱気派のせめぎ合いが続いてきた。それがここへきて、弱気派の勢いが強まったとも言えるだろう。

リーマン破綻のようなショックではない。したがって好調な企業業績の発表を手掛かりに、株価は一時的に反発する可能性も大きい。しかし世界経済の悪化という外部環境が、じわじわと利いてくる。このプレッシャーによって、株価は上下しながら下降して行くことになりそうだ。その道程は、今週から少しづつ見えてくる。

今週は29日に、9月の商業動態統計。30日に、9月の労働力調査。31日に、9月の鉱工業生産と住宅着工戸数、10月の消費動向調査。1日に、10月の新車販売台数。アメリカでは30日に、10月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。1日に、10月のISM製造業景況指数。2日に、10月の雇用統計と9月の貿易統計。またEUが30日に、7-9月期のGDP速報。中国が31日に、10月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

       ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ


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世界同時不況の 足音 (上)
2018-10-30-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 頼みのアメリカ経済にも注意報 = ニューヨークの株式市場では、いま奇妙な現象が起きている。好決算を発表した企業の株価が、急落してしまうのだ。その好例はアマゾン。7-9月期の決算発表で純利益が前年の11倍になったという驚くべき好成績を発表したが、株価は大幅安となった。こうした事例は枚挙に暇がない。なぜ、こんな現象が起きるのだろうか。

それは投資家の多くが過去の好業績よりも、将来の見通しを最重視するようになったからだ。決算発表に際して、多くの企業経営者が慎重な見通しを公表したことで、投資家が神経質になってしまった。そして経営者が慎重になったのは、アメリカ経済の将来に不安を持ち始めたからに他ならない。

アメリカ経済の現状は、決して悪くはない。7-9月期の実質GDP成長率は3.5%で、なお高い水準を維持している。9月の失業率は3.7%で、49年ぶりの低さだ。景気の拡大期間は11月で113か月目に入る。だが、ここへきて高金利と米中貿易戦争の悪影響が少しずつ表面化してきたことも確か。経営者は不況の足音に、耳を傾けるようになった。

高金利で住宅や自動車のローン金利が上昇、これが中古住宅や新車の販売に響き始めた。また貿易戦争の結果として、物価が全般的に上がってきている。鉄鋼や木材などの原材料に加えて、輸送費などの上昇も目立っている。これが企業のコストを引き上げ、個人消費にブレーキをかけることは避けられそうにない。さらに来年になると、トランプ減税の効果が消滅する。長く続いた景気と株価の上昇局面も、間もなく終わりを迎えるのでは。こんな警戒論が、急速に高まってきた。

                              (続きは明日)

       ≪29日の日経平均 = 下げ -34.80円≫

       ≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ


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世界同時不況の 足音 (中)
2018-10-31-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 減速が続く中国経済 = 中国では新車の販売台数が急減し、関係者は頭を抱えている。9月の販売台数は239万台。3か月連続で前年割れとなり、減少率も11.6%と2ケタに拡大した。通年でみても、ことしは前年を下回る可能性が大きい。中国は世界最大の自動車市場、そこに広がってきた暗雲は各国の自動車メーカーやディーラーに衝撃を与えている。

中国経済は、昨年から緩やかな減速を続けている。習政権が地方政府や国有企業の過剰債務を是正するため、インフラ投資を抑制したことが主な原因。つまり計画的な成長の減速だったと言っていい。ところが、ことし春からはこれに米中貿易戦争の悪影響が加わった。このため7-9月期のGDP成長率は6.5%にまで低下している。

政府はこれ以上の減速を食い止めようと、個人と法人に対する大幅減税を実施。金融面でも預金準備率を3回にわたって引き下げ、多額の流動性を市中に放出した。しかし株価は年初来22%も下げ、なお下げ止まらない。その半面でインフレや不動産バブルの崩壊も心配されている。海外企業のなかには、生産拠点をタイやベトナムへ移す動きも出始めた。

米中貿易戦争が終結しない限り、こうした状況は深化する可能性が強い。中国経済が不調に陥れば、東南アジア各国の輸出は減る。それがいつまで続くのか、見通しが立たない。経営者は先行きに不安を感じ、守りの経営に徹するようになる。こうして“世界同時不況”の温床が、徐々に作られて行くことになる。

                                  (続きは明日)

       ≪30日の日経平均 = 上げ +307.49円≫

       ≪31日の日経平均は? 予想 = 上げ


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