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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
人手不足は この先どうなる (3)
2019-05-01-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 高齢者のケースは複雑多岐 = 総人口が減少する一方で、高齢化も急速に進行している。総務省の人口推計によると、昨年10月時点で65歳以上の人口は3558万人。総人口に占める割合は28.1%だった。これら65歳以上の高齢者は、どのくらい働いているのだろう。ことし3月の労働力調査によると、就業している人は884万人。10年前よりも321万人増えた。就業率は24.7%だから、4人に1人は働いていることになる。

就業者を男女別にみると、男性は526万人で就業率は33.9%。女性は357万人で17.7%だった。このように人手不足の緩和という面では、高齢者も女性に次いで貢献していると言えるだろう。日経新聞の調査では、70歳以上の高齢者でも働きたいと思っている人は3割にのぼる。高齢者の労働力化は、今後も続くに違いない。

政府も高齢者の就職を応援する。たとえば、企業に義務付ける継続雇用年齢を現在の60歳から65歳に引き上げる。公務員の定年を65歳に引き上げるなど、いま法制化を進めているところだ。しかし高齢者の場合は人によって、体力的にも能力的にも差があることは否定できない。たとえば週2日しか働けないとか、長距離や混雑時の通勤はムリだとか、個人によって条件はいろいろ異なる。

したがって、高齢者の就職を増やすために最も重要なのは、企業側の対応ということになるだろう。65歳以上あるいは70歳以上の人でも、現役並みに働ける人にはそれなりの待遇をする。その一方で高齢者の希望に応じて、柔軟な勤務体制を用意する。そんな配慮が行き渡れば、高齢者が働きに出るチャンスは広がるに違いない。

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人手不足は この先どうなる (4)
2019-05-03-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 外国人が頼みの綱 = 女性や高齢者の働き手が増えても、人手不足は解消しそうにない。政府もこのことに気付き、出入国管理法を改正。積極的に外国人労働者を誘致することになった。今後5年間に34万5150人、このうち19年度は14業種に4万7550人を受け入れる方針。すでに外食・宿泊・介護の3業種については、日本語や知識についての試験が始まっており、間もなくこの新制度による外国人労働者が職場にお目見えする。

総務省の集計によると、19年3月末時点で日本に居住する外国人は273万人だった。国籍は中国、韓国、ベトナムの順に多い。このうち留学生と技能実習生が、ともに約33万人ずつ。居酒屋や建設現場で見かける外国人労働者は、これらの人たちがバイトをしている姿だ。つまり日本はこれまで正式には、外国人労働者の流入を認めていなかった。

それが出入国管理法の改正で、法律的に流入を認めることになったわけ。この政府による方針転換は、きわめて意義深い。しかし安倍首相も強調するように、まだ移民は認めていない。したがって新制度で誘致された外国人労働者は、いくら働いても日本の国籍を得ることができない。これが外国人労働者の不満につながらないか。

いま東南アジアの若い労働力は、中国や韓国、ドイツやカナダでも 引っ張りだこ。賃金や住居などの待遇面。さらには社会にうまく溶け込めるか。あるいは国籍取得の可能性などが、競争条件になってくるだろう。最初に来日した外国人が「日本は働きやすいよ」と感じて宣伝してくれるようにならないと、制度は作っても人が集まらなくなる。

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人手不足は この先どうなる (5)
2019-05-05-Sun  CATEGORY: 政治・経済
◇ どうやっても解消しない = 景気や為替の予測に比べると、人口推計の確度はずっと高い。厚生労働省がその人口推計で、40年の就業者数は現在の経済状態が続けば、17年に比べて1285万人減少する。経済成長率が上がり、女性と高齢者の参入が増えても、506万人の減少になると発表した。最も楽観的な推計でも、就業者は500万人も減ってしまうわけだ。

総人口が減少して行くなかでは、女性と高齢者の働き手が増えたとしても、今後20年間に就業者が100万人も増加することは難しいだろう。厚労省の推計に入っていない外国人は、今後5年間に34万5000人を誘致するというのが政府の計画。そのペースだと、20年間では140万人だ。そんなに来てくれるかどうかも判らないし、計画を大幅に拡大すると、地域住民との摩擦が起きかねない。

残る手段は、生産性の向上だけ。IT化やロボット化が進み、労働者1人当たりの生産性が上昇すれば、それだけ人手は不要になる。だが、この部分も厚労省の楽観的な推計のなかで、年平均2.5%の向上として取り込まれている。それ以上の向上は、実際問題として不可能に近い。

どこからみても、40年時点の就業者数は100万人単位で減少する。また40年までの今後20年間も、人手不足は継続すると覚悟しなければならない。要するに人手不足は政府が言うように景気がいいからではなく、人口が減って行くためなのだ。唯一、人手不足が解消されるのは、経済が大きな不況に陥ったときだけだろう。だが、そんな状態は誰もが望みはしない。


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今週のポイント
2019-05-07-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 連休明けの株価は下落 = 長い連休中に海外の株価に異変があったら嫌だから、休み前に持ち株を売っておく。だから連休前の株は下がる。そして連休中に何もなければ、休み明けに買い戻す。だから連休明けの株価は上がる。――多くの人がこう考えていたが、この予想は見事にはずれた。まず連休前に株価は下がらなかった。日経平均は先々週58円の値上がりだった。

連休中の海外情勢は、きわめて平穏だった。日本に関係したのは、アメリカ政府がイラン産原油の禁輸に関する適用除外を2日で撤廃すると通告してきたことぐらい。ダウ平均も先々週の16ドル安に続き、先週も38ドルの値下がりで推移した。しかもイラン産原油の禁輸が再通告されたにもかかわらず、原油の国際価格はやや緩み気味。円の対ドル相場は、ほとんど動かなかった。

ところが連休も終わりに近づいた5日、トランプ大統領が突如として「中国製品に対する関税の引き上げ」を発表した。連休前の売り逃げがなければ、連休後の買戻しはない。加えて米中貿易戦争が激化するという予想外の事態。過去の経験でも、連休後の株価は下落することが多かった。今回もそのジンクスから逃れられない。

今週は7日に、4月の新車販売。9日に、4月の消費者態度指数。10日に、3月の家計調査と毎月勤労統計。アメリカでは9日に、3月の貿易統計と4月の生産者物価。10日に、4月の消費者物価。また中国が8日に、4月の貿易統計。9日に、4月の消費者物価と生産者物価を発表する。

       ≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ


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トランプの 切り札 : 対中関税上げ (上)
2019-05-08-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 副首相はきょう訪米するのか = トランプ大統領がまたまた“関税”という名の切り札を投げつけた。「中国製品2000億ドル分にかけてきた10%の輸入関税を、今週10日から25%に引き上げる」と5日のツイッターで発表。さらに制裁関税をかけていない3250億ドル分についても「速やかに25%の関税を課す」と述べている。理由は米中貿易交渉の進展が遅すぎるというもの。

つい3日ほど前のツイッターでは「米中交渉は極めて順調。歴史的な取り引きになりつつある」と、ご機嫌だったトランプ大統領。態度が一変したから、市場も虚を突かれた形。上海市場で株価が5%の急落となったほか、欧米や東南アジア市場の株価も大幅安となった。長い連休が明けた東京市場でも、7日は令和入りの祝賀ムードもすっ飛んでいる。

米中両国は昨年末から、閣僚級の貿易交渉を継続している。最初の期限は3月1日だったが、しだいに延長。この間に中国側は、アメリカ産の農産物やLNG(液化天然ガス)の輸入を大幅に増やす。外資の技術移転強要を禁ずる外商取引法を成立させるなど、かなりの歩み寄りをみせた。しかし国有企業に対する政府の補助金廃止と、中国側が協定違反した場合の罰則条項の2点では、まだ決着がつかないと報じられている。

閣僚級の交渉を率いるのは、アメリカ側がライトハイザーUSTR(通商代表部)代表、中国側が劉鶴副首相だ。これまでワシントンと北京で何度も会議を開いてきたが、いまの予定ではこの8日にワシントンで協議することになっている。トランプ大統領の切り札に対して、中国側は「話し合いを続ける」と冷静に応じているが、8日の会議に劉鶴副首相が出席するかどうかは明らかにしていない。

                                (続きは明日)

       ≪7日の日経平均 = 下げ -335.01円≫

       ≪8日の日経平均は? 予想 = 下げ


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トランプの 切り札 : 対中関税上げ (下)
2019-05-09-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 2度びっくりの可能性はないのか = 米中貿易交渉で最大の難問は、国有企業やハイテク産業に対する中国政府の補助金だろう。アメリカ側としては、これを見逃せば軍事面や宇宙開発面で遅れを取る危険性がある。一方の中国側は、習政権の基本的な産業政策である「製造2025」を達成できなくなる恐れがある。両者とも引くに引かれぬ状態だが、結局はどこかで手を打たなければならない。

今後の見通しは、大きく3つに分かれるだろう。1つ目は、中国側が大幅に譲歩してアメリカの制裁関税から逃れようとするケース。すでに中国はアメリカ向けの輸出減退で、大きな損害を受けつつある。これ以上の関税引き上げがあると、経済成長率6%の確保も難しくなってくるに違いない。劉鶴副首相が8日のワシントン会議に出席し、その意向をアメリカ側に伝えれば、トランプ大統領の切り札は引っ込められることになる。

2つ目は、交渉が決裂し高関税が発動されるケース。世界経済は、かなりの打撃を受けることになる。IMF(国際通貨基金)の試算だと、アメリカの成長率は0.6ポイント、中国は1.5ポイント下がるという。このような事態がどのくらい続くかにもよるが、日本経済への悪影響も大きい。消費税引き上げはすっ飛ぶに違いない。

3つ目は、アメリカ側がある程度は譲歩して、交渉を決着させるケース。すでにそのシナリオを作成済みなのかもしれない。トランプ大統領がわざと強硬な手段に出ておいて、そのあと決着すれば世界は2度びっくり。株価は急騰するだろうし、トランプ大統領の評価も上がる。この可能性は小さいかもしれないが、ありえないことではない。

       ≪8日の日経平均 = 下げ -321.13円≫

       ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ


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大統領の横ヤリ : 困惑するFRB
2019-05-10-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 強すぎる雇用統計の数字 = トランプ大統領がFRBに対する“口撃”を強めている。かつては「中国よりもタチが悪い」と非難していたが、最近は「金利を1%下げろ」と具体的に数字を挙げて要求する始末。周辺からは「中央銀行の独立性を侵害する行為だ」という批判も強まっているが、大統領は素知らぬ顔。FRBのパウエル議長は「いまは金利を上げるときでも下げるときでもない」と、防戦におおわらわだ。

アメリカの景気は、堅調を維持しているように見受けられる。GDP成長率は昨年10-12月期の2.2%から、ことし1-3月期には3.2%へと加速。労働省が先週3日発表した4月の雇用統計では、失業率が3.6%で49年ぶりの低水準に。雇用者の増加数も26万3000人と、予想を大幅に上回った。金利を下げる必要性は全くなさそうだ。

ただ米中貿易戦争の影響で、自動車や鉄鋼などの生産は頭打ち。上場企業の業績も、1-3月期は5%程度の減益になる見込み。こうした陰りが広がれば、来年の大統領選挙にも響きかねないと、トランプ陣営は心配するわけだ。市場も「雇用情勢が強すぎるから、利下げはない」という見方と「政治的圧力で、利下げはあるかも」という見方が拮抗。株価は史上最高値を目前にして、足踏みを続けている。

トランプ大統領には、隠し玉もあった。それはFRBの理事に、側近を送り込んでしまうこと。FRBの理事は議長以下7人で構成されるが、現在は2人が空席。そこへ側近のエコノミストと実業家を送り込もうとしたが、なんと2人ともが脱税や不倫疑惑でアウトになってしまった。いまトランプ大統領は、改めて清廉な人を選んで送り込もうと画策している。

       ≪9日の日経平均 = 下げ -200.46円≫

       ≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ

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新車販売は 世界的に下り坂
2019-05-11-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ メーカーは生き残りを賭けた競争へ = 業界団体の集計によると、1-4月間の国内新車販売台数は660CC以上の登録車が120万3574台で、前年を0.5%下回った。また軽自動車は70万9117台で、前年比は0.8%の増加だった。前回の消費税引き上げ時には半年前から駆け込み需要が発生したが、今回はそれがない。登録車については政府の減税方針が功を奏しているのだろう。しかし減税されない軽自動車にも駆け込みがみられないことに、関係者は首をひねっている。

この数字からみる限り、日本の新車需要は前年並みで落ち着いている。だが海外に目を向けると、欧米の自動車メーカーは販売の不振と業績の悪化に苦しみ始めている。アメリカではGMなど大手3社の1-3月期の新車販売台数は、輸出や現地生産も含めて前年比4%の大幅な減少となった。業績も軒並み大きく悪化している。19年の国内販売予想も芳しくない。

ヨーロッパでも状況は同じ。ドイツの大手3社も、1-3月期はそろって減益に。特にBMWは純利益を75%も減らしている。フランスのルノーを含めた独仏の大手5社では、平均8%の減益になったと伝えられる。これら欧米のメーカーは、特に中国での販売不振が業績に響いたようだ。この点、これまでのところ日本車は中国市場で健闘している。

米中貿易戦争、中国の経済不振、排ガスや燃費に対する規制強化、カー・シェアリング。こうした阻害要因が重なったうえに、EV(電気自動車)の開発競争が激化し、コストが増大した。これら自動車メーカーの経営を圧迫する要因は、今後もいっそう強まりそうだ。昨年度に2兆5000億円という巨額の利益を生みだしたトヨタ自動車の豊田章男社長が「トヨタといえども安心はできない」と強調したのは、こうした情勢を見据えたうえでの発言である。

       ≪10日の日経平均 = 下げ -57.21円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】   


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今週のポイント
2019-05-13-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ ロス・タイムに期待する株式市場 = 世界中の株価が下落した。言うまでもなく米中貿易協議が難航し、アメリカが中国製品2000億ドル分に対する輸入関税を25%に引き上げたからである。ダウ平均は先週563ドルの値下がり。日経平均も914円と大きく下げた。中国や東南アジア、それにヨーロッパの市場でも、株価は軒並み下落している。ただ10日にアメリカの関税引き上げが実施されたあと、ニューヨークや上海は悪材料が出尽くしたことを理由に反発したが、東京市場は続落して終わっている。

アメリカの高関税は、10日以降に中国から積み出される商品に適用される。それ以前に船舶で積み出された商品には適用されず、これらの商品がアメリカの港に陸揚げされるまでには2-4週間かかるという。この間は、いわばサッカーで言うロス・タイムだ。市場はこの間に、米中協議が進展し合意に達することに期待をかけている。

今週はこのロス・タイムの1週間目だ。早々と協議が合意に至る可能性はまずない。したがって市場は、協議を巡るいろいろな憶測に一喜一憂することになりそうだ、東京市場も反発して始まるかもしれないが、大勢としては弱含み。円相場が上昇の気配を示していること、それに景気の先行きに注意信号が点滅し始めたことが、その根底に存在する。

今週は13日に、3月の景気動向指数。14日に、3月の国際収支と4月の景気ウオッチャー調査。16日に、4月の企業物価。17日に、3月の第3次産業活動指数。アメリカでは15日に、4月の工業生産と小売り売上高。16日に、4月の住宅着工戸数。17日に、4月のカンファレンス・ボード景気先行指数と5月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が15日に、4月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。

       ≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ


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景気はすでに 後退局面に (上)
2019-05-14-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 3月の景気動向指数が「悪化」 = 内閣府が13日発表した3月の景気動向指数によると、景気の現状を表す一致指数が99.6となり、前月より0.9ポイント低下した。このため景気に対する基調判断は、前月の「下方への局面変化」から「悪化」へと引き下げられた。この「悪化」という表現は、すでに景気は後退局面にある可能性が高いことを意味している。企業業績も減益に傾くなど、景気はすでに下降局面に入ったとみて間違いなさそうだ。

景気動向指数というのは、生産や消費など9つの経済指標を基に、内閣府が作成している。一致指標の推移をみると、16年10月から18年8月までは、23か月連続して「改善」が続いた。その後18年9月から12月までは「足踏み」の判定。ことし1-2月は「下方への局面変化」と、しだいに下方修正されてきた。

景気が昨年9月から下向きになったのは、輸出の伸び悩みで工業生産が落ち込んだことが主な原因。具体的には、鉱工業生産・投資財出荷・耐久消費財出荷・商業販売額などの経済指標が悪化した。中国の経済成長が鈍化しつつあるところへ米中貿易戦争が始まって、日本経済にも悪影響を及ぼしている。

ことしに入ってから、輸出は目立って減少し始めた。1月から3月まで、前月比で8.4%、1.2%、2.4%と連続の減少。特に中国向けが大きく減っている。このため自動車や半導体関連の製造機械を中心に、工業生産も減少している。1月から3月をみると、3.4%減、0.7%増、0.9%減という足取りだった。

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       ≪13日の日経平均 = 下げ -153.64円≫

       ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ


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景気はすでに 後退局面に (下)
2019-05-15-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 金融不安の予防がカギ = 景気動向指数が「悪化」に転じても、政府が直ちに景気後退入りを認めるとは限らない。政府が不況だと宣言すれば、民間の空気はさらに冷え込む。また景気対策の必要にも迫られるからである。来週20日には1-3月期のGDP速報が発表されるが、それをみたうえで下旬に月例経済報告をまとめる予定。これまで「緩やかな回復」で通してきた基調判断を、どう修正するのか。

たしかに工業生産は、4-5月には上向くと予測されている。失業率や求人倍率など、雇用関係の指標は絶好調だ。しかし半面、米中貿易戦争は泥沼化の様相を示し、これでは中国経済の回復は期待できそうにない。アメリカでも日本でも、企業業績は減益に転じている。株価も大きく下げた。油断は禁物である。

次の焦点は、景気の下降が短いか長いか。浅いか深いかだろう。安倍首相はしばしば「リーマン・ショック級の不況が来ない限り、10月に予定された消費税の引き上げは実施する」と強調している。そんな大不況の恐れはないのだろうか。過去の経験からみると、そのカギは金融不安が生じるかどうかだろう。

景気の後退が続くと、いわゆる不良債権が顕在化してくる。これが金融不安を惹き起こすと景気の下降は長引き、その回復には長い時間と大きな犠牲が必要になってしまう。この点に関して心配なのは、日本の金融機関が不良債権になりやすい投資物件を大量に抱えていること。少なくとも金融庁は、その顕在化を予防することにいまから全力を注ぐべきである。

       ≪14日の日経平均 = 下げ -124.05円≫

       ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ


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21世紀の“冷たい戦争” : 米中摩擦 (上)
2019-05-16-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 中国製品すべてに25%の高関税 = ワシントンで開いた閣僚級の米中貿易協議は、妥協点を見出せなかった。すかさずアメリカは、新たに3000億ドル分の中国製品にも25%の関税をかけると発表。これで中国からの輸入品には、すべて25%の関税が課されることになる。スマホやパソコンなどの電子製品も含まれており、中国に部品を供給している日本企業にも大きな影響が出ることは免れない。中国側も報復関税をかけると発表した。

トランプ大統領は当初「対中貿易で巨額の赤字が続いていることには耐えられない」と、赤字の縮小を強調していた。中国側もこの点では、アメリカ産の農産物やLNG(液化天然ガス)の輸入を増やすなど、協力的に対応。協議はスムーズに進行した。しかしアメリカ政府部内の対中強硬派が、中国の産業政策に注文を付け始めたために、交渉は厳しさを増すこととなった。

中国では、中央政府や地方政府が国有企業やハイテク企業に補助金を出して支援している。このうち国有企業では、補助金を受けた鉄鋼メーカーが製品を過剰生産。安値で輸出するため、鉄鋼製品の国際価格が下落していた。アメリカはこれを「政府による不当な支援だ」と非難。習政権も鉄鋼など国有企業の近代化を図るために、是正しようと考えてはいる。しかし既得権の喪失に反対する内部勢力も強く、一挙に補助金を廃止できないでいるのが現状だ。

一方、ハイテク企業に対する補助金は、半導体・ロボット・宇宙設備・EV自動車・新素材・バイオ医療などの企業に支出されている。これは共産党が15年に発表した「中国製造2025」計画に基づく、産業育成策の根幹をなす政策。したがって習政権としては、絶対に止められない。そこへアメリカが手を突っ込んできたから、協議は不調に終わってしまった。

                            (続きは明日)

       ≪15日の日経平均 = 上げ +121.33円≫

       ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ


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21世紀の“冷たい戦争” : 米中摩擦 (下)
2019-05-17-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 資本主義と社会主義の対決 = 中国は2049年に建国100年を迎える。いま問題となっている「中国製造2025」計画は、この100周年までに10の分野のハイテク産業を世界最高の水準にまで育て上げることを目標にしたもの。それには政府の指導と補助金は欠かせない。仮にアメリカの圧力に屈して、この計画を放棄することになれば、強大な権力の集中に成功した習近平氏でさえも失脚の危険性がある。だから譲れない。

中国は社会主義国である。その基本的な経済思想は、重要な土地や企業は国家が所有し、共産党の指導のもとに国が管理・運営することにある。したがって国有企業やハイテク企業に国が介入し、補助金を出すことに何ら不思議はない。だがアメリカ側からみると、こうした“不当な”補助金政策を容認すれば、技術開発の面で中国に後れを取る危険性がある。だから黙認は出来ない。

現在の世界経済は、資本主義を標榜するアメリカがリードしている。だから世界で商売がしたいなら、アメリカ流のやり方に従えということになる。中国側もそれは判っていて、組織や情報発信の面でもグローバル化を進めてきた。しかし今回の米中貿易協議では、社会主義と資本主義の相違点が掘り下げられて、岩盤に突き当たったようにも思われる。

戦後の世界では、ソ連が崩壊しベルリンの壁が消滅するまで、いわゆる“冷戦”が続いていた。その当時の東西対立は、双方ともに相手側の主張は認めず、共存する意識などは全くなかったと言っていい。しかし現在は、互いに相手の存在を認めたうえでの競争になっているように思われる。近く予定される米中首脳会談では、岩盤に穴を開けられるだろうか。

       ≪16日の日経平均 = 下げ -125.58円≫

       ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ

            
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少子・高齢化が進む : 中国
2019-05-18-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 総人口も間もなく減少へ = 中国の総人口は、昨年末時点で13億9538万人だった。前年より530万人増えている。言うまでもなく世界一の人口大国だが、少子化の進行で間もなく人口の増加はストップ。20-21年をピークに、その後の人口は減少に向かう。一方では高齢化も進んでおり、まるで日本の現象を模写したよう。しかし日本の10倍以上の人口を抱え、1人当たりGDPはまだ日本の4分の1しかない中国にとって、この人口問題は想像以上の重しになる危険性を秘めている。

少子化の進行で、18年の出生数は1523万人にとどまった。これは毛沢東が大躍進政策に失敗して食糧難に陥った1961年以来の低水準。原因は中国政府が1978年から推進してきた「一人っ子政策」にある。この政策は15年に「二人っ子」に緩和されたが、その効果は全く表われていない。しかも数少なくなった女性が出産適齢期を迎えたから、少子化はますます加速してきている。

その一方で、高齢化も目立ってきた。昨年末時点で、65歳以上の人口は1億6658万人。前年よりも827万人増えた。総人口に対する比率は11.9%に達している。今後は60年代生まれの人たちが高齢者の仲間入りするが、60年代生まれは2億人を超える。高齢化のスピードは加速化し、日本を上回るものと予測されている。

少子・高齢化が進むと、若い労働力が不足する。年金や医療など福祉関係の財政負担が急増するなど、日本と同じ問題が起きるだろう。経済成長率も低下せざるをえない。いま中国はアメリカとの関税引き上げ競争に全神経を使っているが、この問題をクリアしたとしても、そのあとには人口の急減という実に困難な構造問題に直面することになる。

       ≪17日の日経平均 = 上げ +187.11円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   


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今週のポイント
2019-05-20-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 「5月は売り」のパターンか = 米中貿易戦争が一段と激化し、先週の株価は初めから大きく下げた。その後は反発に転じたけれども、戻し切れずに終わっている。ダウ平均は週間178ドルの下落、日経平均は95円の値下がりだった。5月に入ってからダウ平均は829ドルの下げ、日経平均は1009円の下落。特に日経平均は10連休のあと、9営業日のうち2日しか上昇していない。「5月は売り」の格言が、現実味を帯びてきたようだ。

ダウ平均が週初に急落したのをみて、トランプ大統領は「中国との協議は成功すると感じている」とリップ・サービス。さらにFRBに対しては「中国との競争に勝つためにも、1%の利下げが必要だ」と要求した。市場はこれで反発の手がかりを掴んだが、実際に利下げされるかどうかは全く不明。ただ市場の利下げ期待は、急速に膨らみそうだ。

日本株の割安感が、顕著になってきた。東証1部でみると、半分以上の銘柄のPBR(株価純資産倍率)が1倍を割ってきている。にもかかわらず買いにくいのは、実体経済の先行きに不安があるためだ。景気動向指数では「景気が悪化」と認定され、3月期決算の結果も減益がはっきりした。そのうえ消費増税が控えている。

今週は20日に、1-3月期のGDP速報。21日に、4月の外国人客数。22日に、4月の貿易統計と3月の機械受注。24日に、4月の消費者物価と3月の全産業活動指数、5月の政府月例経済報告。アメリカでは21日に、4月の中古住宅販売。23日に、4月の新築住宅販売が発表される。なお25日には、トランプ米大統領が来日。

       ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ


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毒まんじゅう型の GDP成長率
2019-05-21-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 政府は毒を無視するのか =内閣府は20日、1-3月期のGDP速報を発表した。それによると、実質成長率は年率換算で2.1%。民間の事前予測は平均マイナス0.3%だったから、予想外に高い成長率を達成したことになる。昨年10-12月期の1.6%成長に続いて、2四半期の連続プラス成長。このように見た目には美味しそうなまんじゅうだが、実は中身には猛毒が・・・。

発表の中身をみると、いずれも年率換算で個人消費はマイナス0.4%、企業の設備投資はマイナス1.2%。内需を支える2本柱が、ともにマイナス成長だった。個人消費は暖冬と食料品の値上げ、設備投資は中国経済の不調による影響が大きい。その半面、住宅投資が4.5%の増加、公共投資も6.2%増加した。これで消費と設備投資のマイナスを、なんとか補った形となっている。

成長率を大きく引き上げた要因は、外需にあった。輸出は9.4%も減少したが、輸入が17.2%と予想以上に減退した。この結果、GDPは計算上プラスになったが、輸入の減少は内需の伸び悩みを反映したもの。つまり個人消費と設備投資、それに輸出が減少。しかも内需の停滞を反映して、輸入が大幅に減った。これらの現象は、景気の悪化を的確に示している。

政府は今週24日に、5月の月例経済報告を発表する。政府首脳の発言から推量すると、今回も「景気は緩やかに回復している」という従来からの景気判断を踏襲しそうだ。参院選あるいは同日選挙を前に、弱音は禁物だと考えるからだろう。だが、その根拠に1-3月期の2.1%成長を持ち出すとすれば、まんじゅうの毒に目をつぶり国民をだますことになる。

       ≪20日の日経平均 = 上げ +51.64円≫

       ≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ


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企業決算に 中国の影が
2019-05-22-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 2年連続で減益になる予想 = 上場企業の3月期決算発表が終了した。日経新聞の集計によると、金融を除く全産業の純利益は2.8%の減益だった。このうち製造業は7.9%の減益。非製造業は4.5%の増益となっている。製造業も前半は好調だったが、後半になって急ブレーキがかかった。これは中国経済の変調によるもので、自動車や電機の業績が悪化している。商社・通信・サービス・不動産など、中国と関係が少ない非製造業は堅調を持続した。

20年3月期の見通しでも、全産業の純利益は1.4%の減益になる見込み。やはり製造業は5.8%の減益で、非製造業は4.1%の増益になる。そうなれば、2年連続の減益ということになるが、これは現時点での見通しにすぎない。米中貿易戦争が今後どう展開するのか、中国経済の不調はいつ止まるのか。あるいはイギリスのEU離脱問題、円相場の動向など、環境の変化で企業の業績は大きく動きそうだ。

アメリカでも企業業績はピークを過ぎた。調査会社リフィニティブの集計によると、主要500社の1-3月期の純利益は4.7%の減益になった。減益は11四半期ぶりのこと。トランプ政権による法人減税の効果が一巡したこと、自動車など中国向けの輸出が減少したこと、それにエネルギーや人件費が経営を圧迫したと説明されている。

このほかヨーロッパやアジアの主要企業も、減益決算となったところが多い。要するに、世界的に需要が減退し始めたのだろう。その大きな要因は、中国の成長鈍化。その鈍化の程度を決める要因が、米中貿易戦争という構図になっている。したがって今後の企業業績は、やはり米中交渉の帰趨にかかっていると言うしかない。

       ≪21日の日経平均 = 下げ -29.28円≫

       ≪22日の日経平均は 予想 =上げ


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減り続ける 中国向け輸出
2019-05-23-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 代わってアメリカ向けが急増 = 財務省は22日、4月の貿易統計を発表した。それによると、輸出は6兆6600億円で前年比2.4%の減少。輸入は6兆6000億円で6.4%の増加だった。この結果、貿易収支は604億円の黒字となったが、前年に比べると90.3%も縮小している。大きな特徴は、中国向けの輸出が減少した一方で、アメリカ向けの輸出が急増したことだ。

中国向けの輸出は1兆2300億円で、前年より6.3%減少した。米中貿易戦争の影響が色濃く表れており、品目でみると半導体製造装置が41.0%、金属加工機械が32.0%減っている。中国製の電気・電子製品がアメリカで売りにくくなったことから、中国のメーカーが設備投資を手控え始めたためだろう。

その半面、アメリカ向けの輸出は1兆4100億円。前年比で9.6%も伸びた。品目をみると、半導体製造装置が83.2%、自動車も8.4%増加した。これまで中国から輸入してきた半導体を、自国で生産するアメリカのメーカーが増えているためだと考えられる。だが日本にとって、こうした傾向が定着することは決して望ましいことではない。

まず輸出の減少は、景気の足を引っ張ることになる。次に中国のアメリカ向け輸出が減退することは、中国で生産している日本企業の対米輸出も困難になることを意味している。さらにアメリカ向けの輸出が増加すると、これから本格化する日米貿易交渉でアメリカ側の立場が有利になる。現に4月の対米黒字額は7232億円で、前年比17.7%の増加となった。

       ≪22日の日経平均 = 上げ +10.92円≫

       ≪23日の日経平均は? 予想 = 下げ


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米中双方の アキレス腱は?
2019-05-24-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 中国は失業増、アメリカは株価下落 = トランプ大統領は、中国からの輸入品すべてに25%の関税を課すことになった。中国側もこれに対抗して、アメリカ製の600品目に最大25%の報復関税をかける。両国はまだ交渉を続けているが、解決の糸口はいぜん見えない。こうした関税引き上げ競争はすでに両国の経済に悪影響を及ぼしており、互いに我慢比べの様相を濃くしてきた。

高関税の影響は、まず貿易面に現われる。中国税関総署が発表した4月の貿易統計をみると、アメリカ向けの輸出は前年比13%の減少。アメリカからの輸入は26%と大きく減った。しかし中国の総輸出額に占めるアメリカの割合が19%なのに対し、アメリカの中国向け輸出は8%ほどなので、痛手は中国側の方が大きいかもしれない。

またIT関連を除けば、中国の輸出品は価格競争力が弱い雑貨・家具・玩具などが多い。これらの製品の多くは、中国側が上乗せ関税分を値引きして負担しているようだ。一方、アメリカの輸出品は自動車やIT製品が多く、報復関税はそのまま上乗せされ、市場価格は上昇しているという。

ただ程度の差はあっても、両国ともに打撃は受けている。たとえばトランプ政権も、中国向け輸出が激減した大豆生産農家に対しては補助金を支給した。こうして両国とも、いまは我慢比べの態勢。そうしたなかで習政権が最も恐れるのは経済成長率がさらに低下し、失業者が増大すること。一方のトランプ政権が恐れるのは、株価の下落で選挙を前にして大統領の支持率が落ちること。FRBに「1%利下げしろ」と迫っているのも、そのためだ。

       ≪23日の日経平均 = 下げ -132.23円≫

       ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ


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ガリレオは いないのか : 月例経済報告 
2019-05-25-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 政府は「緩やかな景気回復」に固執 = 政府は24日の経済関係閣僚会議で5月の月例経済報告を了承、公表した。最も注目された基調判断は「緩やかな景気の回復が続いている」という表現で、従来からの認識を変えていない。月例経済報告は、政府の最終的な景気判断。第2次安倍内閣が発足した13年7月以降、ずっと続けてきた「景気回復」の判断を今回も踏襲した。茂木経済財政相は「戦後最長の景気回復が途切れたとは考えていない」と強調している。

しかし中国経済の不調に米中貿易戦争の影響が加わって、日本の輸出と生産は明らかに減退しつつある。景気動向指数も「景気は悪化」という診断を下した。このため今回の月例報告では、輸出と生産についての判断を先月の「一部に弱さがみられる」から「弱さが続いている」に修正した。にもかかわらず「回復中」なのは、雇用と企業収益が堅調だからだという。だが雇用が堅調なのは、人口が減少しているため。企業が儲けを出してきた海外の景気も下向きになっている。

客観的にみれば、現状で「回復中」と判断するには無理がある。しかし政府・与党としては、7月の参院選あるいは同日選挙を控えて「景気は危ない」とは、口が裂けても言えないのだろう。10月に予定する消費増税についての反対論も強まるに違いない。また政府自身が警戒論を打ち出せば、政策的に対応する必要性も出てくる。だから、ここは「緩やかな回復」で、押し通すしかない。

その結果、景気対策が遅れてしまったことは、過去に何度も経験している。現在の世界経済あるいは国内経済の動向から判断して、5月の月例経済報告の内容には疑問が残る。政府部内にも、そう考える人は少なくないのでは。17世紀の大学者ガレリオ・ガレリイは地動説に賛成し、ローマ法王庁から糾弾された。そのため謝罪文を書いたが、周囲の人たちに「それでも地球は回る」と叫んだという。いまの霞が関に、ガリレオはいないのかしら。

       ≪24日の日経平均 = 下げ -33.92円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   


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今週のポイント
2019-05-27-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 5月はやはり下げが続く = ダウ平均は先週178ドルの値下がり。これで5月に入ってから4週間の続落となった。押し目買いも入って大きく下げる日は少なかったが、買い材料も乏しい。たとえば先週も、米中貿易戦争の見通し難、製造業の景況感が悪化、FRBによる企業債務増への警告などが売り材料になっている。この警告は国債への資金移動を生み、長期金利が下落して円高の原因になっているから、注意が必要だ。

日経平均は先週133円の値下がり。こちらも10連休が明けてから、3週連続の下落となった。輸出や生産の減退で景気に対する警戒感は強まっているが、政府は「緩やかに回復」の判断を崩さない。このため市場では「同日選の有無にかかわらず消費増税はある」「しかし財政面からの景気テコ入れは必要」との見方が強まった。増税で影響を受けない銘柄、財政支出で恩恵を受ける銘柄が物色されている。

トランプ大統領が滞日中に、どんなニュースを発散するのか。ここに関心は集まっているが、今週はヨーロッパからも目が離せない。イギリスのメイ首相が辞任を表明。EUのヨーロッパ議会選挙の結果が、27日には明らかになる。もし現在のEU執行部を支持する主流派が過半数を獲れないと、EUそのものの体質が変化してしまう可能性が大きい。

今週は26日に、4月の企業向けサービス価格。31日に、4月の労働力調査、鉱工業生産、商業動態統計、住宅着工戸数。アメリカでは28日に、5月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。30日に、1-3月期のGDP改定値。また中国が31日に、5月の製造業と非製造業のPMIを発表する。なお中国は6月1日、対米報復関税を実施の予定。

       ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ


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過大な企業の借金に 警告 : FRB議長
2019-05-28-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 景気が悪化すると金融不安に = パウエルFRB議長は先週アトランタで講演、そのなかで「企業の債務は過去最高の水準に達しており、もし景気が悪化すると金融不安を惹き起こす危険がある」と警告した。この発言で、ニューヨーク市場の株価は下落。安全資産と目される国債が買われた結果、長期金利が低下して円の対ドル相場が上昇するという現象を生んだ。

アメリカ企業の債務総額は15兆ドル(1700兆円)を超えた。パウエル議長によると「債務は増え続けており、質の悪いものに集中し始めた」という。問題なのは、これらの企業債務がCLO(ローン担保証券)として、金融機関や個人に売られていること。あのリーマン・ショックを惹き起こしたCDO(住宅ローン証券)と、その構図は完全に一致している。

いま世界経済は米中貿易戦争の影響などで、下向く傾向をみせている。だが米中間で合意が成立する可能性もあって、景気が急激に悪化する様子は見られない。だが景気の悪化が続き債務の返済が滞ると、ローン証券が紙くずとなって金融不安が発生する。景気はV字型に下降し、その回復に長い時間を要することはリーマン時に経験した通り。

さて、こうした怖ろしい金融不安を招く危険性があるのか。それとも、まだ安心していていいのか。パウエル議長は、自問自答する形で答えている。ー-「真理はその中間だろう」と。その意味が「危険度は50%」なのかどうかは定かでないが、必ずしも安心はできないだろう。そして、この種の危険性が日本でも蓄積していることを忘れてはならない。

       ≪27日の日経平均 = 上げ +65.36円≫

       ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ


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テリーザ・メイ首相の 壮絶な最期
2019-05-29-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ イギリスは混迷の極致に = イギリスのテリーザ・メイ首相が、とうとう降板に追い込まれた。これまでEU離脱を巡っていくつもの方策を議会に提案してきたが、ことごとく否決。最後は再度の国民投票案まで持ち出したが、これもダメ。地方選挙では保守党が大敗するなど、自分が率いる保守党内からも辞任を要求される始末だった。6月7日に党首を辞め、次期党首が決まりしだい首相の座も明け渡す。

保守党は7月中に次期党首を選出する予定。現在の下院で保守党は過半数を割っているが、それでも第1党だ。したがって次期党首が、首相に選ばれることは間違いない。最近の世論調査では、ロンドン市長と外相を務めたことがあるジョンソン氏が最有力。EU離脱の強硬派だから、この人が首相になれば「合意なき離脱」の可能性が強くなるだろう。

それにしても、イギリス議会は“解のない方程式”だ。大別して何があっても離脱する強硬離脱派、EUとの経済関係は維持しながら離脱する穏健離脱派、それに残留派の3グループに分けられる。しかし、どんな具体案が出されても、このうちの2派が反対するから、まとまるはずがない。誰が首相になっても、同じなのではないか。

とにかく「離脱はしたいが、アイルランド国境問題は現状維持」という全く矛盾した発想の議員が多すぎる。これでは解決のしようがない。首相の問題ではなく、議会が異常だと言ったらイギリス人は怒るだろうか。矢尽き刀折れて退陣したメイ首相に拍手を送りたいと思うのは、日本人的な感覚に過ぎるのだろうか。

       ≪28日の日経平均 = 上げ +77.56円≫

       ≪29日の日経平均は? 予想 = 下げ

            
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崖っぷちの 地方銀行 (上)
2019-05-30-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 上場地銀の7割が最終減益に = 地方銀行の多くが、経営難に苦しみ始めた。全国地方銀行協会の集計によると、協会に加盟している63行の3月期決算では、最終利益の合計が6211億円。前年より21%減少した。全体の7割に近い41行が減益となっている。また上場している78行について調べてみても、55行が減益決算だった。今後の経営環境は、さらに厳しさを増すとみられている。

地方銀行というのは、主として都道府県を単位とした地域に根差す金融機関。明治時代の国立銀行を発祥とする銀行もあれば、昭和になって相互銀行から転換したものもある。したがって資金量などの規模は千差万別。たとえば横浜銀行や静岡銀行の時価総額は5000億円を超えているが、島根銀行や豊和銀行は50億円に満たない。

経営が苦しくなった原因は、いくつかある。まず人口の減少。要するに、借り手も貸し手も少なくなってきた。次に日銀のゼロ金利政策。貸出金利が上げられず、本業では儲けが出なくなってしまった。さらに証券や不動産などの投資物件でも、利回りが縮小した。このように環境が厳しくなると、金融機関同士の競争が激化。ますます利益を出しにくくなってきている。

今後の見通しも厳しい。人口の減少は続き、金利は上がらない。安全な投資先だった国債も、利子が付かないから買えない。地銀全体の国債保有高も約20兆円と、8年前の半分に減っている。貸倒引当金も積み増さなければならない。こうした状況を踏まえて、日銀はこんな報告書を公表した。ー-「28年度には、地銀の約1割が最終赤字に転落する」

                            (続きは明日)

       ≪29日の日経平均 = 下げ -256.77円≫

       ≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ


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崖っぷちの 地方銀行 (下)
2019-05-31-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 店舗の統廃合や合併、人員整理へ = 人口の減少、ゼロ金利政策、競争の激化――これらの悪条件は、なにも地方銀行に限ったものではない。全国規模で展開するメガバンクや、地銀よりずっと狭い地域を基盤とする信用金庫も経営は苦しく、業績は悪化している。だがメガバンクは海外市場でも活動し、信用金庫は地銀よりも地域との密着性が強いという特性を持っている。多くの地銀には、これがない。

もちろん例外はあるものの、地銀の多くは競争力が弱い。歴史的に、地域の“顔”として安住してきたからである。そこへ大競争時代が訪れ、地銀はメガバンクと信用金庫に挟み撃ちされることになった。優良で規模の大きい顧客はメガバンクに、優良で規模が小さい顧客は信用金庫に奪われるというケースが続出している。

一般的に言って金融機関は、貸し出し難に陥ると信用度の低い顧客にも貸し付けるようになる。また証券や不動産投資でも、しだいに質の悪い物件に手を出すことになりやすい。景気が上昇しているうちは問題が起きないが、景気が下降に転じると、これらの案件は不良債権になることが多い。

金融庁や日銀は、いま地銀の経営破たんを警戒し始めている。金融機関の破たんは一気に伝染し、金融不安を惹き起こしかねないからだ。その予防のためにも、地銀の効率化が急がれる。店舗の統廃合や人員整理が進み、合併も盛んに行われるだろう。5年後に上場地銀の数が、いまの半分になったとしても驚くことはない。

       ≪30日の日経平均 = 下げ -60.84円≫

       ≪31日の日経平均は? 予想 = 上げ


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