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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
与野党の猿芝居? : 議員歳費の削減
2019-06-01-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 自主返納でお茶を濁すことに = 自民・公明両党は参院議員の歳費削減について、国民民主党の提案を受け入れた歳費法の改正案を国会に提出。成立を図ることになった。その内容は「参院議員が歳費の一部を返上しても、公職選挙法で禁じた寄付には当たらないことにする」というもの。これだと強制力はなく、議員が自主的に返納するかどうかを決めることになる。当初の歳費削減という考え方は、完全に骨抜きになりそうだ。

参議院は昨年、公職選挙法を改正。世論の強い反対を押し切って、定数を6増加した。ことし7月の参院選では、このうち3議席の増加が実現する。有権者の批判を恐れた自民・公明党は当初、この3人分の経費を捻出するため「議員歳費の削減」を法制化しようと考えた。具体的には月額129万4000円の議員歳費を、今後3年間にわたって7万7000円ずつカットするという内容。

ところが野党側は「もともと定数の増加には反対だったので、受け入れられない」という珍妙な理屈をこねて拒否。法案によっては強行採決さえ厭わない自民・公明党も、今回は黙って引き下がった。そこへ国民民主党が骨抜きの妥協案を持ち出し、自民・公明党が飛びついたという構図になっている。

近く国会に提出される“自主返上案”は、その付則に「返上の目安は7万7000円」と書くそうだから、お笑い種だ。新聞やテレビは立候補者の全員について「いくら返納するのか」を、きっちり調べて報道してもらいたい。もちろん歳費を全額返納したっていいわけだ。そんな人が出てきて当選したら、困ったことになるかもしれないが・・・。

       ≪31日の日経平均 = 下げ -341.34円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   


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今週のポイント
2019-06-03-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日米ともに5月は全週下げ = ダウ平均は先週675ドルの下げ。日経平均も516円の下落だった。これで5月の5週間は、日米の株価がすべて値下がりしたことになる。月間でみると、ダウは1778ドル、日経平均は1658円の下落。全週下げた割には、小幅な下げだったと言えるかもしれない。それでもダウは2万5000ドルを割り込み、日経平均は2万円の大台割れが心配される水準にまで低下した。やっぱり、ことしも「5月は売り」だった。

米中貿易戦争に決着のメドが立たないこと、欧州議会選挙でポピュリズム政党が伸長したこと、さらにトランプ大統領がメキシコに対して制裁関税を課したこと。これらの国際情勢が、すべて売り材料になってしまった。加えて東京市場の場合は、日米貿易交渉に対する警戒感、それにアメリカの長期金利が下がったことによる円高の進行も作用した。

1か月間も株価が下落したことで、ニューヨーク市場ではFRBの金利引き下げを期待する声が強まっている。今週あたりから、FRBがどう反応するのかに関心が高まるだろう。東京市場ではいっそう明確になった割安感に、内外の投資家がどう動くのか。日経平均は2万円が抵抗線になるのか。6月も、株価の予測はむずかしい。

今週は3日に、1-3月期の法人企業統計と5月の新車販売台数。7日に、4月の毎月勤労統計、家計調査、景気動向指数。アメリカでは3日に、5月のISM製造業景況指数。5日に、5月のISM非製造業景況指数。6日に、4月の貿易統計。7日に、5月の雇用統計が発表される。

       ≪3日の日経平均は? 予想 = 下げ


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市場は 景気後退を織り込み中 (上)
2019-06-04-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 中国経済の下期回復は期待薄 = 株式市場では、ことしも「5月は売り」の格言が通用した。ダウ平均も日経平均も、5週連続で下落。月間の下げ幅はダウが1778ドル、日経平均が1658円となった。この格言はヘッジファンドの多くが5月決算で、利益確定の売りを出すためと言われる。だが、ことしは少し様子が違う。投資家は明らかに世界的な景気後退を意識し、リスクから遠ざかろうとし始めたように思われる。

株価の下げ材料となったのは、まず米中貿易戦争の見通し。アメリカが中国向けの制裁関税を強化したのに対して、中国も直ちに報復関税で応酬した。今月下旬のG20大阪会議でトランプ大統領と習主席が面談しても、いまの情勢では前向きな結果は望めないという見方が圧倒的に強まっている。さらにトランプ大統領は、メキシコに対しても関税攻勢を開始した。

関税の引き上げ競争は、言うまでもなく貿易を阻害する。周辺国を含めて輸出が減少すれば、各国の景気には下向きの圧力が加わる。そのうえ多くの企業が高関税を逃れようと、生産拠点の移動を開始する。これによって従来の供給ルートが維持できなくなるが、これが関係国に与える影響も意外に大きい。

こうした混乱のなかでも、特に焦点となるのは中国だ。その中国経済は昨年後半から不調に陥り、GDP成長率が鈍化している。ただ中国政府による巨額の財政支出によって、ことし後半からは回復に向かうという見方も強まっていた。しかし米中貿易戦争が長引けば、その期待も吹き飛ぶだろう。最近の株式市場はその可能性を認識し、中国を中心とする世界的な景気後退に備える準備をしているように思われる。

                               (続きは明日)

       ≪3日の日経平均 = 下げ -190.31円≫

       ≪4日の日経平均は? 予想 = 上げ


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市場は 景気後退を織り込み中 (下)
2019-06-05-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ アメリカ経済が下向けば世界同時不況へ = IMF(国際通貨基金)は4月の報告書で「中国経済は19年後半に、成長の再加速が見込まれる」と、きわめて楽観的な見方を公表した。中国政府による大規模な景気対策が、効果を挙げると考えたからである。しかし米中貿易戦争が長引くにつれて、こうした楽観論は消滅した。事実、中国の生産や小売り高はなお縮小し続けている。4月の新車販売台数は、前年より15%も減った。

中国経済の不振で、日本の輸出が激減。製造業は売り上げや利益の縮小に悩み始めた。非製造業は頑張っているが、景気は全体として後退期に入ったという見方も強くなっている。このような傾向は、韓国や台湾、東南アジア諸国でも同様だ。また中国向けの輸出が多いEUの景気も下向きで、ドイツでさえもゼロ成長に陥っている。

こうしたなかで、アメリカだけは好況を維持している。しかしトランプ減税の効果は、そろそろ消失する。関税引き上げ競争の悪影響は、アメリカ自身にも及んできた。小売り売上高は伸び悩み、最近の調査だと製造業の景況感指数も10年ぶりの低さに落ちてきた。トランプ大統領がFRBに利下げの圧力を加えているのも、不況の到来を心配しているからに他ならない。

現在の行き詰まった局面を打開するには、なんと言っても米中貿易戦争の終結が必要だ。しかし中国側は保有するアメリカ国債を大量に売ったり、レアメタルの禁輸をほのめかすなど、徹底抗戦の構え。市場はこうした状況を織り込み始め、安全資産の国債や日本円に資金を移しつつある。5月だけではなく、「6月も売り」になるかもしれない。

       ≪4日の日経平均 = 下げ -2.34円 ≫

       ≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ


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市場 vs FRB の駆け引きが始まる
2019-06-06-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 早くも「7月0.5%下げ」の観測 = FRBのパウエル議長は4日、シカゴで講演し「貿易交渉がアメリカ経済の成長に及ぼす影響を注視し、強い雇用の維持と2%の物価上昇目的に向けて適切な行動をとる」と発言した。株式市場はこれを好感、4日のダウ平均は512ドルの大幅な上昇。これを受けて5日の日経平均も368円値上がりした。ただアメリカの長期金利が低下したため、円の対ドル相場は一時107円台にまで上昇している。

このパウエル発言は「アメリカ経済が実際に後退しなくても、その危険性があれば金融を緩和する」という“予防的な利下げ”を意味するものと解釈されている。そして市場では「年内に利下げ」「9月に利下げ」「7月に利下げ」などの観測が、あっという間に飛び交い始めた。利下げの幅については、0.5%の見方が多いようだ。

過去の経験からすると、FRBが予防的緩和の姿勢を見せると、市場では「それほど景気は危ないのか」という心配が強まり、株価は一時的に下げる。早期に大幅な利下げを求める“催促”が始まるわけだ。ところがFRBは、なるべき遅く、小幅な利下げで済ませたい。そこで市場とFRBの心理的な綱引きが始まる。

トランプ大統領は、どう出るのか。パウエル議長は貿易交渉を心配のタネに挙げたが、これはある意味ではトランプ政策に対する批判。トランプ氏が黙っていられるかどうか。1%の利下げを強く主張してきただけに、何かをつぶやきたくなるのでは。市場対FRBの駆け引きにトランプさんが参入してくると、情勢はもっと複雑になる。

       ≪5日の日経平均 = 上げ +367.56円≫

       ≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ


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レアアース戦争か !? (上)
2019-06-07-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 中国がアメリカ向け禁輸の脅し = 中国共産党機関紙の人民日報は「アメリカが中国のレアアースで造った製品を用いて中国の発展を抑え込もうと考えているなら、中国人民は決して納得しない」という趣旨の論説を掲載した。これはアメリカ向けのレアアース輸出を規制する可能性を示唆したものと受け取られている。仮に禁輸が実行されれば、米中貿易戦争はさらに深刻化する。また日本に対する影響も、計り知れないほど大きい。

レアアースというのは、希土類と称される一群の元素。まことに不思議な力を持っており、たとえばセリウムは自動車用の排ガス触媒に混ぜると効果が格段にアップ。ランタンはレンズの透過率を高めるし、ネオジムは磁石の磁性を大幅に強める。要するにAIやハイテク製品には欠かせない原料だ。

ところがレアアースの生産量は、中国が圧倒的に多い。全世界の7割を占め、オーストラリアやアメリカの生産量を大きく引き離している。アメリカは自国の生産だけでは足りず、18年には中国から1万5000トンを輸入した。トランプ大統領の中国に対する制裁関税でも、レアアースについては関税引き上げを除外している。

したがって仮に中国がレアアースの禁輸を強行すれば、アメリカは報復する可能性が強い。ただレアアースの禁輸は、中国にとっても被害が出る。第三国経由でアメリカに流れるのを防ぐためには、全世界向けに禁輸しなければならない。そうなれば貴重な輸出資源を失うことになる。ただ中国がハラをくくって、禁輸を実行する可能性は否定できない。その場合、世界的にレアアースは不足する。いちばん打撃を受けるのは、日本かもしれない。

       ≪6日の日経平均 = 下げ -2.06円≫

       ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ


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レアアース戦争か !? (下)
2019-06-08-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 海底資源はどこへ行った = いまやAIやハイテク製品の生産には欠かせないレアアース。最大の産出国である中国が輸出規制に乗り出せば、最も大きな被害を受けるのは日本かもしれない。そこで思い出されるのは、日本の海底資源だ。古い新聞をめくってみると、たとえば11年1月の日経紙面には「海底資源 採掘へ着々」という記事。また13年3月には朝日が「目覚めよ 資源の海」と題する特集を載せている。

レアアースについては昨年春、東大・早大などの研究チームが南鳥島の沖で行ったレアアース泥の分布調査の結果を発表。推定埋蔵量は1600万トンで「世界需要の数百年分に当たる」と、各紙が大々的に報道した。しかも効率よく回収する技術も確立したというから、とにかく素晴らしい。

だが、その後に実用化されたというニュースは一向に見当たらない。レアアースだけではない。経産省は13年3月「愛知県沖で海底のハイドレートからメタン・ガスの採取に成功。18年度に商業化を目指す」と発表したが、これまた続報はなし。ほかにもコバルトやマンガンなどの希少金属についても、発見の段階にとどまっている。

発見しても実用化に至らないのは、なぜだろう。おそらくは採掘コストが高く、商業ベースに乗らないからだろう。しかし、こういうときこそ政府が支援すべきではないか。日本は戦後“傾斜生産方式”をとって、経済を復興させた。安倍内閣は票集めのための財政支出ばかりでなく、日本の将来を見据えた方策にもカネを投じるべきである。なにしろ大学無償化と同じくらいの支出で、レアアース産業を立ち上げることができるのだから。

       ≪7日の日経平均 = 上げ +110.67円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】  


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今週のポイント
2019-06-10-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 雇用の悪化が株価を上げた = ダウ平均は先週1169ドルの大幅高。7週間ぶりの上昇が、昨年11月下旬以来の上げ幅となった。終り値は2万6000ドルに接近している。パウエルFRB議長が週初、利下げの可能性を示唆したことが最大の材料になった。また週末には5月の雇用者増加数が7万5000人に激減したというニュースが流れたが、これも金融緩和を早めることにつながるとの見方から、株価を押し上げた。

日経平均は先週284円の値上がり。こちらも大型連休明け以来5週間ぶりの上昇だが、ダウに比べると上げ幅はきわめて小さかった。これはアメリカの利下げで、円高になるかもしれないという心配。中国経済不振の影響が、アメリカよりも大きく出ていること。さらに日本経済自体の先行きに、不透明感が強まっていることの反映だろう。

ニューヨーク市場の場合、雇用状況の悪化は本来ならば株価にとっては悪材料のはず。ところが市場に利下げ期待が蔓延していると、こういう現象がしばしば起きる。だが景気の先行きに対する心配も強まるから、この現象は長続きしない。今週は景気見通しに関する議論が、市場の内外で活発化するのではあるまいか。

今週は10日に、1-3月期のGDP改定値と5月の景気ウオッチャー調査。12日に、5月の企業物価と4月の機械受注。13日に、4-6月期の法人企業景気予測調査と4月の第3次産業活動指数。アメリカでは11日に、5月の生産者物価。12日に、5月の消費者物価。14日に、5月の工業生産、小売り売上高と6月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が10日に、5月の貿易統計。12日に、5月の消費者物価と生産者物価。14日に、5月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。

       ≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ


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カネ余りのなかの 株安
2019-06-11-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 緩やかな下げが特徴に = 株価は5月以降、下げ基調に入っている。たとえばダウ平均は5週連続で下落したあと、先週はパウエル発言のおかげで反発した。続落した割には下げ幅が小さく、この間の下落幅は560ドルにとどまっている。日経平均も連休明けから下げ模様だが、ここまでの下げ幅は1400円に達しなかった。このように今回の株安は、ゆっくりしたテンポなのが大きな特徴となっている。

株価を下落させた原因は、世界経済の先行き不安が高まったこと。その主たる原因は、米中貿易戦争の激化にある。だが貿易戦争は、いずれ終結する可能性がなくはない。また関税の引き上げ競争は一気に経済を破壊するわけではなく、時間をかけて徐々に悪影響を及ぼす。さらに景気がはっきりと下降に転じれば、どの国の政府も政策的に対応するに違いない。

市場はこう考えるから、売り一色にはならない。たとえば先週のダウ平均をみても、週末に発表された雇用統計が予想外に悪化したのに、株価は上昇した。雇用者の増加数が極端に落ち込んでも、これで景気が急降下するとは考えられない。むしろFRBは利下げしやすくなった、と市場は判断したからである。

カネ余りのなかの株安は、このように動きが鈍い。この先も、こうした状況は続くだろう。しかし株価が急落する危険性もないではない。それは景気がすこしづつ下降して行くなかで、金融不安が発生した場合である。経営が苦しくなった金融機関は、しだいに信用度の低い物件への投資を増やす。その投資物件が破たんするとき、第二のリーマン・ショックが起こりうる。その確率はアメリカでも日本でも、確実に上昇しつつある。

       ≪10日の日経平均 = 上げ +249.71円≫

       ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ


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エネルギー無策 (上)
2019-06-12-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 電源比率目標を作成できず = 政府は先週7日の閣議で、19年度版エネルギー白書を承認した。ことしの白書の主なテーマの1つは、地球温暖化防止のためのCO₂排出削減。日本の取り組みは遅れており、16年の1人当たり排出量は9.0トン。OECD(経済協力開発機構)加盟35か国中で、27番目の成績だった。これは火力発電への依存度が高いことが原因で、白書は「再生可能エネルギーの普及を促進するためには、新しい制度の導入が必要だ」と訴えている。

石油・石炭・LNG(液化天然ガス)を燃料とする火力発電への依存度が高いのは、原子力や再生可能エネルギーによる発電が増加しないためだ。東日本大震災前の10年度と17年度を比べてみると、原子力発電の比率は25.1%⇒3.1%へと急減。再生可能エネルギーは水力を含めて、9.4%⇒16.0%とやや増加。この結果、火力発電の比率は65.4%⇒80.7%に増大してしまった。

このような燃料別の発電比率は、国の経済の根幹にかかわる重大な指標である。たとえば火力発電の比率が高ければ、それだけCO₂の排出は多くなるし、莫大な代金が産油国に支払われることで購買力が流出、景気の上昇を抑えてしまう。だから政府はエネルギー政策の基本として、3年ごとに「電源比率目標」を作成することにしている。

経済産業省が15年に作成した電源比率目標は「30年度に原子力20-22%、再生可能エネルギー22-24%、火力56%」という内容だった。だが現状から判断して、原子力や再生エネルギーがこの目標を達成するのは全くムリ。しかし政府は新しい電源比率目標を、4年たったいまも作れない。どうやって原子力や再生エネルギーを伸ばしたらいいのか、考え付かないからである。白書でも問題提起はしたが、チエはない。無策である。

                             (続きは明日)

       ≪11日の日経平均 = 上げ +69.86円≫

       ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ≫  

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エネルギー無策 (中)
2019-06-13-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 失敗続きの太陽光発電政策 = 再生可能エネルギーの本命は、太陽光発電。その普及を促進しようと、政府は12年にFIT制度を導入した。これは電力会社に、太陽光で発電した電気を強制的に買い入れさせる制度。ところが、その買い取り価格を1㌔㍗時=42円という破格の高値に設定したことが、大失敗の始まりになった。電力会社は買い取り分を、そのまま電気料金に上乗せする。このため電気料金が高騰、企業や一般家庭の負担が急増した。

驚いた経産省は、どんどん買い取り価格を引き下げ、ことし4月からは14円に。しかし、この間の買い取り総額は3兆6000億円に達している。しかも買い取り契約は20年有効としたので、引き下げた価格は新規参入の分にしか適用されない。現行の14円という価格は、通常の電気料金を下回る。これでは新規の参入者を阻止するに等しい。資源エネルギー庁は、いったい何を考えているのだろうか。

行政がこんなに激しく条件を変更したのでは、産業は育たない。発電パネルなどを製造する関連企業も、一時は世界一の生産量を誇ったが、いまや見る影もないありさまだ。国内市場はほとんど外国製品に席巻されている。こうした状態をもたらしたFITについて、ある専門家は「世界のエネルギー政策史上でも最悪」と酷評しているくらいだ。

風力や地熱などの再生エネルギー発電も、大きくは伸びていない。その結果、現在の電源比率は太陽光が5%程度。再生エネルギー全体でも8%程度にとどまっている。今後それを伸ばすために、白書では「新しい制度の導入が必要だ」と書いているが、その具体的な手段については触れていない。これでは「30年度に再生エネルギーが22-24%に増えること」など、どう考えても不可能だ。

                                (続きは明日)

       ≪12日の日経平均 = 下げ -74.56円≫

       ≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ


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エネルギー無策 (下)
2019-06-14-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 触らぬ神の原子力 = 政府は原子力発電を、将来にわたっての“基幹電源”と位置付けている。にもかかわらず、エネルギー政策の責任官庁である経産省・資源エネルギー庁は、原発に対しては一貫して「触らぬ神に祟りなし」の姿勢。たしかに原発問題は、政治的にも社会的にも難しい側面を持っている。だが主管官庁がこんな姿勢だから、原子力発電の将来像はだれにも描けなくなってしまった。

東日本大震災の前、日本では54基の原発が稼働していた。その電源比率は25.1%で、全体の約4分の1を占めていた。それから現在までに20基が廃炉に。残る34基のうち、原子力規制委員会の審査に合格して再稼働しているのは9基。電源比率は3.1%に急落した。しかも規制委員会は、テロ対策の不備を理由に稼働中の9基についても停止を求める方向だという。

経産省といえども、規制委員会に圧力をかけるわけにはいかない。しかし規制委員会の動きを察知し、電力会社に早めの対策を講じるよう指導することは出来たはずだ。さらに福島原発の事故で生じた汚染土や汚染水の処理、放射性物質の最終処理など問題は山積しているが、経産省・資源エネルギー庁は何一つ積極的には行動していない。そこからは、問題を先送りする姿勢しか見えてこない。

要するに、経産省のエネルギー政策は失敗の連続。その結果、太陽光発電では①最初に参入した業者だけに大儲けさせ②企業と家庭の電気料金を高騰させ③再生可能エネルギーの普及を挫折させた。また原子力でも④見通しを真っ暗にした。このため⑤重要な電源比率の将来図を描けず⑥CO₂の排出を減らせず⑦貿易の赤字要因を温存した。白書では、これらの点に全く触れず、改善方策も示していない。やはり“世界史に残る無策”である。

       ≪13日の日経平均 = 下げ -97.72円≫

       ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ


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不毛な 国会論争 : 老後「2000万円」
2019-06-15-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 与党も野党も国民の方を向いていない = 「老後の生活には2000万円が不足」という金融庁の報告書をめぐって、国会では激しい論戦が続いている。まず野党側は、安倍内閣の言う“年金100年あんしん”は嘘だったのかと追及。安倍首相は「平均2000万円という数字が独り歩きして、国民全体に心配をかけた」と弁明。最後は麻生財務相が「政府としては、この報告書を受け取らない」と言明。報告書そのものを抹殺してしまった。何も生み出さない、まことに無意味な論戦である。

2000万円という数字が正しいかどうかは別として、国民は「老後の生活が厳しいことは、よく知っている。だから、この報告書の言わんとすることも、よく理解できる。また2000万円という数字は平均値であって、誰もが2000万円不足するなどと考える人はいない。たとえば平均寿命が85歳になったからといって「みんな85歳まで生きる」と思わないのと同じだ。

要するに、国民の感じはこの報告書に近い。それなのに与野党は論戦の末に、この報告書を葬り去ってしまった。野党側はとにかく、政府に頭を下げさせることしか考えていない。政府側も参院選を前に、臭いモノには蓋をすることに専念した。テレビで見ていた国民の多くは、苦々しい感じをぬぐえなかったろう。

野党側は政府・与党に、この報告書を認めさせるよう誘導すべきだった。その結果、2000万円は大変だから、不足額を少しでも減らすために、どんな政策をとったらいいか。そこへ議論を持って行くべきだった。そういう姿勢がないから、野党の支持率は上がらない。そればかりか、各省庁が“政府に都合の悪いような報告書”は出しにくいような雰囲気を作ってしまった。

       ≪14日の日経平均 = 上げ +84.89円≫

       【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】     


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今週のポイント
2019-06-17-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 穏やかになった株式市場 = ダウ平均は先週106ドルの値上がり。日経平均も232円の上昇だった。これで日米の株価は、ともに6月に入ってから連騰。5月の5週続落に比べれば、様変わりの状況となった。だが、この変化は数字の上だけのこと。市場からは活気が消え失せている。値動きは小幅になり、出来高は減少した。というのも世界経済の先行き不安が強まるなかで、当面の買い材料は乏しいからだ。

先々週はパウエルFRB議長の利下げ容認発言が出て、ニューヨーク市場は活況に推移した。だが1週間たつと、この材料も生気を失う。先週の市場では「利下げは7月」の声が圧倒的に強まり、さらに「年内2回説」も常識のようになった。FRBがこうした市場の催促にどう応えるか。下手をすると、失望売りを誘いかねない。

ホルムズ海峡でのタンカー攻撃事件は、ショッキングなニュースだった。しかし謎が多すぎて、市場も消化難。今週以降の展開を見守るしかなさそうだ。ただ、この問題が与える影響は、アメリカよりも日本の方がずっと大きい。また東京市場の場合は、今週あたりから参院選に関する情報ラッシュに見舞われる。

今週は19日に、5月の貿易統計と訪日外国人客数。20日に、4月の全産業活動指数。21日に、5月の消費者物価。アメリカでは18日に、5月の住宅着工戸数。20日に、5月のカンファレンス・ボード景気先行指数。21日に、5月の中古住宅販売と6月の製造業PMIが発表される。なお19日には、パウエルFRB議長が所見を表明する予定。

       ≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ


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ホルムズ海峡の 謎 : タンカー攻撃
2019-06-18-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 犯人はどこの誰なんだ? = まるで名探偵ポワロが活躍する推理小説のようだ、安倍首相がイランを訪問中に起こった、タンカー攻撃事件。アメリカはいち早く「イランの革命防衛隊による犯行」と決めつけたが、イラン側は完全に否定した。たしかにイランがこの時点でこんな事件を起こして、どんな得があるのか。ちょっと理解に苦しむ。そのイランは「敵対する周辺国か、アメリカのでっち上げ」だと主張する。

事実関係にも、不明な点が多い。魚雷や機雷が爆発したようだが、飛翔体が直撃したという船員の証言もある。いずれにしても、これらの爆発物はどこから発射されたのか。正確に着弾しているところからみて、おそらくは近くにいた船舶あるいは潜水艦から発射された公算が大きい。それなら衛星写真で、特定できるのではないだろうか。

アメリカはイランが関与した証拠として、イランの革命防衛隊が不発だった機雷を回収する動画を公表した。だが、この動画はだれが、どうやって撮影したのか。これだけの写真を撮ることができれば、その小舟が回収した機雷をどこに運んだかを追跡できたのではないか。運んだ先が判れば、犯人の特定につながるはずだ。

この海域では、しばしば海賊による襲撃が発生している。だが今回の攻撃は大掛かりな近代兵器を使用したもので、海賊レベルの襲撃を超えている。そこで国際的にも大きな反響を呼んだわけだが、実は5月12日にもサウジアラビアのタンカーが同様の攻撃を受けていた。しかし日本の新聞、テレビでは報じられなかった。この点にも、?を付けておきたい。

       ≪17日の日経平均 = 上げ +7.11円≫

       ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ


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株主優待に走る 経営者たち (上)
2019-06-19-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 配当総額は14兆3000億円に = 企業経営者の多くが、いま株主優待の充実に精を出している。その手段は、配当の増額と自社株買いの2つ。いずれも結果的には、株価の下支えに役立っている。世界経済の先行きに注意信号が灯っているにもかかわらず、株価がそれほど下落しない原因の1つになっているようだ。経営者はなぜ株主優待を重視するのだろうか。この傾向は、いつまで続くのだろうか。

野村証券が上場企業3700社を対象に集計したところ、18年度の株主配当総額は14兆3000億円だった。前年より10.1%増加しており、これで過去最大の記録を6年連続で更新した。個別の企業でみると、トヨタの支払い総額が3400億円で最大。次いでソフトバンクとNTTがともに1800億円となっている。なかにはホンダや富士通のように、減益でも増配した企業も少なくない。

投資家にとって、配当率が高いことは大きな魅力。したがって高配当の銘柄には、買いが入りやすく、売りが出にくい。また機関投資家の多くは、配当金ですぐに株式を買い増す傾向が強い。このため配当率が高い銘柄は、比較的に下がりにくい。もっとも専門家によると、世界経済に不安が見え始めた現状では、個人投資家はすぐに再投資せず様子見に向かうだろうという。

経営者が株主優待を重視するのは、長期保有の株主を増やして経営の安定化を図るため。特に海外投資家の強い要望に応える必要もあったといわれる。また会社の役員は、大量の自社株を保有しているのがふつうだ。そこで配当率を高くすれば、株主総会で問題視されずに、自分たちの収入を増やすことが出来る。企業の利益が高水準を維持する限り、株主優待の傾向は続くだろう。

                               (続きは明日)  

       ≪18日の日経平均 = 下げ -151.29円≫

       ≪19日の日経平均は? = 上げ


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株主優待に走る 経営者たち (下)
2019-06-20-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 自社株買いも急増中 = 日経新聞が上場企業を対象に集計したところ、18年度の自社株買いの総額は6兆0680億円にのぼった。前年度の3倍近くに達しており、日銀のETF(上場投資信託)購入額を上回っている。個別の企業をみると、NTTドコモが1兆1500億円で断トツ。次いでヤフーが2000億円だった。19年度の計画を集計しても、総額はすでに3兆4000億円に達している。

自社株買いというのは、文字通り企業が自分の発行した株式を市場から買い入れること。それだけ流通する株式数が減少し、1株当たりの価値が高まる。買い入れた株式を金庫株として保有するケースもあるが、消却する場合も多い。こうすると資本金が減少、ROE(自己資本利益率)が上がるから、株価の強い上昇要因になる。株主は喜ぶわけだ。

この10年間でみると、主要企業400社は471兆円を稼ぎ、そのうち91兆円を配当や自社株買いなどの株主還元に充てている。だが、それでも欧米の企業に比べると、まだまだ少ない。たとえばアメリカの主要500社はこの10年間に1300兆円を稼いだが、株主還元の総額はなんと1300兆円を超えている。

このように株主優待は増大する傾向にあり、それが株価を下支えしていることは間違いない。しかしアメリカでは最近、これに対する批判も高まってきた。特に民主党は「貧富の差を拡大する制度だ」と主張。株主優待を規制する法律の制定を呼びかけている。これが大統領選挙で、一つの争点になるかもしれない。日本では、まだ批判は聞かれないが・・・。

      ≪19日の日経平均 = 上げ +361.16円≫

      ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ


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最悪のパターン : 5月の貿易
2019-06-21-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 輸出は6か月続けて減少 = 財務省が19日発表した5月の貿易統計は、きわめて芳しくない内容だった。輸出は5兆8400億円で前年比7.8%の減少。輸入は6兆8000億円で1.5%の減少。この結果、貿易収支は9700億円の赤字となっている。米中貿易戦争の影響もあって、中国経済が不調に陥ったことが最大の原因。アメリカ向けを除いて、ほぼ全地域向けの輸出が伸び悩んだ。

商品別にみると、半導体製造装置が30.4%の大幅減少。次いで自動車部品が11.8%、鉄鋼が8.7%減少した。また地域別にみると、アメリカ向けが3.3%の増加。EU向けは7.1%、アジア向けは12.1%、中国向けは9.7%の減少となっている。EUやアジア諸国向けも、これらの地域からの中国向け輸出が減退したためとみられている。

輸出の減少は、これで昨年12月から6か月連続となった。5月の円相場は、昨年同月より1.8%の円安だった。にもかかわらず、輸出の減少が止まらない。しかも輸入の減少が小幅になってきたため、貿易収支の赤字は拡大しつつある。たとえば1-3月期の貿易赤字は5600億円だったのに対し、5月は単月で1兆円に近い赤字となった。

貿易赤字の拡大は、景気の悪化要因になる。1-3月期は輸出も減ったが、輸入がそれ以上に減少した。このため貿易赤字は小幅に抑えられ、GDP成長率もプラスを維持することができた。しかし5月のような赤字が続くと、GDP成長率もマイナスに落ち込む危険性がある。消費増税を目前にして、4-6月期のGDPはどうなるのだろうか。

       ≪20日の日経平均 = 上げ +128.99円≫

       ≪21日の日経平均は? = 上げ


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徘徊老人を 探知しよう
2019-06-22-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 認知症の行方不明者は1万7000人 = 「白いワイシャツに紺色のズボン、眼鏡をかけていて・・・」――夕方になると、街の防災無線から聞こえてくる。迷子ならぬ徘徊老人探しの放送だ。警察庁の発表によると、昨年1年間に警察に届け出のあった認知症の行方不明者は1万6927人。前年より1064人増えている。女性よりも男性の方が多く、地域別では大阪府、埼玉県、兵庫県の順だった。

大半の人が見付かっているが、まだ消息不明の人も。また508人の死亡が確認されている。政府は「認知症対策の新たな大綱」を、この18日に作成したばかり。そのなかでは、地域の見守り体制作りなどを盛り込んでいる。地方自治体でも、不明者の情報をメールで流したり、顔写真のデータベースを作成するなど、対策に乗り出したところが少なくない。

話は少し飛ぶが、最近は飼い犬や飼い猫にGPS(位置情報計測システム)発信機能を持ったマイクロ・チップを埋め込むことが、常識になりつつあるという。愛するペットがいなくなっても、この機能を使えば居場所がすぐに特定できるわけだ。価格も5000円から1万円ぐらいで、そんなに高くはない。

人間の場合、チップを埋め込むことには問題もあるだろう。だがベルトやネックレスにチップを装着すれば、本人の反対も少ないに違いない。政府もつまらぬことに手間と費用をかけるより、この方策に補助金を出す方が効率的だ。ここ数年ずっと増え続けている徘徊老人が減少し、防災無線の放送も減ることになる。

       ≪21日の日経平均 = 下げ -204.22円≫

       【今週の日経平均予想 = 1勝4敗】   


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今週のポイント
2019-06-24-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 金融相場に沸くNY市場 = ダウ平均は先週630ドルの値上がり。これで6月に入ってからは3週間の連騰。この間の上げ幅は1900ドルを超え、先週末の終り値は史上最高値まであと100ドルちょっとに迫っている。上げた材料は、ほとんどがFRBによる利下げ期待だけ。市場では7月の利下げが確実視され、完全な金融相場が展開された。

ニューヨーク連銀が先週初に発表した製造業の景況指数は、予想をはるかに下回った。ふつうならば、これで株式は売られ国債が買われたはず。ところが株は下がらず、国債は上がらなかった。市場は金融緩和だけに集中し、景況指数には神経が行き届かなかったようだ。と言うより、意識的に景況指数を無視したのかもしれない。

日経平均は先週142円の値上がり。こちらも3週連騰だが、その間の上げ幅は657円にとどまっている。中国経済の減速で輸出が大幅に落ち始め、アメリカの金利低下予想で円高が進んだ。ニューヨーク市場が活況でも、それを写し切れないのはそのためである。今週は週末にG20大阪会議。新しい風が吹き込むかどうか。

今週は25日に、5月の企業向けサービス価格。27日に、5月の商業動態統計。28日に、5月の労働力調査、鉱工業生産、住宅着工戸数。アメリカでは25日に、4月のFHFA住宅価格、5月の新築住宅販売、6月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。27日に、1-3月期のGDP確定値、5月の中古住宅販売が発表される。28-29日は、大阪でG20首脳会議。

       ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ


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金融緩和に 転換 / アメリカ (上)
2019-06-25-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 市場に押し切られたFRB = アメリカの中央銀行であるFRBは先週19日「世界経済への逆風は強まっている。先行きの不確実性も増しており、FRBは成長持続へ適切な措置をとる」という内容の声明を発表した。これはFRBが、政策金利の引き下げに前向きになったと解釈される。喜んだのは投資家で、先週のダウ平均は史上最高値にあと100ドルの水準にまで上昇。国債が買われて、長期金利は下落した。

FRBは1か月前に発表した声明で「金融政策のカジ取りは、様子見が適当だろう」と述べていた。それが1か月後に大きく変化したのは、市場に押し切られたからである。5月の声明内容に不満を抱いた市場は、株価の続落という形でFRBに早期の利下げを催促した。5月のダウ平均は1800ドル近くの下落だった。

FRBとしても、株価の続落は防ぎたい。そこで今回は「適切な措置をとる」と言わざるをえなかった。すると市場はこれで7月の利下げは確実と解釈し、金融相場が展開する。6月に入ってからのダウ平均は2000ドル近くも上げている。こうなると両者の駆け引きは、市場の判定勝ち。現在2.5%の政策金利は動いていないのに、市中金利は続々と下げ始める。実態的には、すでに金融緩和政策がスタートしたような状況だ。

波乱要因は、今週末のG20大阪会議だ。ここで米中首脳会談が実現し、仮に貿易戦争に終結の見通しが生じると、FRBは利下げする大きな根拠を失うことになる。ただ現在の推測では、そんな楽観説は全くない。だとすれば、7月の利下げはますます確実性を増すことになる。ただし、このケースでも市場とFRBの葛藤に幕が引かれるわけではない。

                               (続きは明日)

       ≪24日の日経平均 = 上げ +27.35円≫

       ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ


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金融緩和に 転換 / アメリカ (下)
2019-06-26-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本円にも上昇圧力が = 利下げを巡る市場対FRBの駆け引き・第1ラウンドは、市場の判定勝ちに終わった。しかし休む間もなく、直ちに第2ラウンドが始まる。こんどは7月に予想される利下げの幅。それに9月と12月にも、追加の利下げが実施されるかどうか。現在の政策金利は2.5%と低い。だからFRBは出来れば0.25%と、小出しにしたい。しかし市場はそれで満足するかどうか。さらに年内1-2回の追加利下げを、催促することになるだろう。

FRBが姿勢を金融緩和へ転換させたことは、早くも世界中に影響を及ぼし始めた。おひざ元のニューヨーク市場では、10年もの国債の利回りが、2年7か月ぶりに2%割れ。住宅ロ-ンなどの金利も低下した。この動きはすぐさまヨーロッパにも飛び火。ドイツの長期金利はマイナス0.7%で過去最低。フランスでも長期金利が初めてマイナス圏に落ち込んだ。

もちろん、日本も例外ではない。東京市場の10年もの国債利回りは先週末、マイナス0.195%まで低落。しかしニューヨークに比べると下げ幅が小さいため、円の対ドル相場は107円にまで上昇した。円高を阻止するためには、日銀が国債の買い入れを増やして金利を下げるしかないが、これ以上の金利低下は銀行経営に打撃を与えるなどの副作用が大きい。日銀の金融政策には、手詰まり感が出ている。

FRBが7月に利下げすれば、リーマン・ショック後の08年12月以来の金融緩和政策ということになる。そして、いったん金利を下げれば、その後も追加の利下げに追い込まれることは過去の経験からも明らかだ。その結果、どこまで金利を下げたら、アメリカ経済は安泰になるのか。その答えは、米中貿易戦争の行くえしだい。仮に貿易戦争が長期にわたって続くようだと、金利をマイナスにまで下げても追いつかないだろう。

       ≪25日の日経平均 = 下げ -92.18円≫

       ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ


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G20首脳会議の 存在価値
2019-06-27-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ “おまけ”だった2国間交渉に焦点 = G20サミット(主要20か国首脳会議)が28-29日の両日、大阪湾の人工島・咲洲で開かれる。リーマン・ショック直後の08年11月にワシントンで第1回会議が開かれてから、今回で14回目。だが、この間に会議の存在価値は大きく変貌した。せっかく同じ場所に来たのだからと、首脳同士が話し合って2国間の問題を解決する。この言わば“おまけ”だった2国間交渉に、世界の注目が集まるようになってしまった。

第1回会議では、リーマン・ショックによる世界不況を克服するため、20か国が景気対策を講じることで一致した。11年11月にフランスのカンヌで開かれた第6回会議では、ユーロ危機を抑え込むために結束することで合意している。しかし14年にロシアがクリミアに侵攻したあたりから、加盟国同士の対立が多発するようになった。

この種の多国間による首脳会議は、欧米先進国と日本が参加し現在も存続するG7が最初だった。しかし中国やインドなど巨大化した新興国を取り込まないと問題を解決できないようになり、G20が誕生した。ところが参加国が多くなると、経済の発展段階が相違するため意見がまとまりにくくなる。このためG20は無力であり、不必要との批判も高まっていた。

大阪会議でも、貿易や海洋汚染、巨大AI企業対策などが話し合われる。しかし結果は、総論賛成・各論不一致になることが目に見えている。だが、その裏ではトランプ大統領と習金平主席の米中会談。さらに米ロ、日ロなどなど、いくつもの個別会談が予定されている。いずれも秘密会談だから、本会議とちがって当事者が発表しないと内容は判らない。しかし世界の耳目は、これらの“おまけ”会談に集中しているのが現実だ。

       ≪26日の日経平均 = 下げ -107.22円≫

       ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ


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なぜ増えない? 法人税収
2019-06-28-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 18年度の税収は過去最大に = 新聞各紙は27日付けの朝刊で一斉に「18年度の税収総額が過去最高になる」と報じた。18年度の税収は間もなく締め切られるが、それによると総額は60兆5000億円に達する見込み。これはバブル期の90年度に記録した過去最高の60兆1000億円を上回る。政府が見込んでいた59兆9000億円よりも6000億円ほど多くなる。大変に結構な話だが、その内容を読むといくつか疑問が湧いてくる。

報道によると、所得税の伸びがいちじるしく、前年度比で4000億円程度の増加が見込めるという。その半面、法人税と消費税は伸びが鈍いそうだ。だが18年度を振り返ってみると、企業の業績は絶好調で利益は史上最高の水準を維持していた。一方で家計の収入は増えていない。たとえば家計調査によると、18年度の勤労者世帯の実収入は前年度比で0.9%の減少だった。

にもかかわらず所得税が大幅に増え、法人税が伸び悩んだのはどうしてだろう。たとえば財務省が公表した4月末時点での租税・印紙収入額をみると、所得税は前年同期比で5.4%の増加。法人税は7.6%の増加となっている。そのあと5-7月には3月期決算企業の法人税がどっと入ってくるはずだ。

収入が増えないのに所得税が伸びたのは、株式や債券の売買が増えた結果かもしれない。しかし法人税が最終的に伸び悩むという予想は、不可解である。新聞各紙が同じように書いているのは、おそらく財務省か国税庁の担当者が、そう話したからなのだろう。それが正解なのか、それともミスなのか。1か月後には、答えが判明する。

       ≪27日の日経平均 = 上げ +251.58円≫

       ≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ


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これでは勝てない : 野党の選挙公約
2019-06-29-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 有権者はもう騙されない = 参院選を前に、各政党の公約が出揃った。選挙の焦点は、自民・公明の与党が現議席を守れるかどうか。野党が議席を伸ばして、与党の勢力を縮小できるかどうかだろう。だが経済政策に関する野党の公約を見る限り、野党の勝利は覚束ない。どうしても公約の実現性に、疑問を生じてしまうからである。

立憲民主党は、①最低賃金を5年以内に1300円に引き上げる②保育・介護従事者の賃金増加など。国民民主党は、①児童手当を18歳にまで延長、月1万5000円に②低所得の年金生活者に月5000円③賃貸住宅で暮らす年収500万円以下の世帯に月1万円の補助。共産党は、①最低賃金を直ちに1000円に引き上げる②公的年金のマクロ経済スライドを廃止③小学校就学前の子どもの医療費を無料化――などを公約に掲げた。

一見すると、どれも魅力的な政策のようだ。しかし共通する最大の欠点は、財源に関する検証がないこと。政策の実行にはどれほどの財源を必要とするのか。それをどうやって調達するのかを、真剣には考えていないようだ。この3党は、いずれも消費税の引き上げには反対している。このため立憲民主党と共産党は、法人税を引き上げると書いた。また国民民主党は、子ども国債の発行を主張している。

だが世界中の国が、いま法人税の引き下げに動いている。こんなときに日本が法人税を引き上げたら、どういうことになるのか。またマイナス金利のもとで、子ども国債を買う人はいるのだろうか。有権者の多くは、すぐにそう考えるに違いない。財源の伴わない公約は、絵に描いた餅。こんな公約を発表しているようでは、野党に勝ち目はない。

       ≪28日の日経平均 = 下げ -62.25円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   


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今週のポイント
2019-06-30-Sun  CATEGORY: 政治・経済
◇ ダウ平均は最高値更新か = 世界中が注視した大阪での米中首脳会談。両国は中断していた貿易交渉を再開、トランプ大統領は「当分の間、関税の引き上げは行わない」と言明した。今後の交渉がどういう決着をもたらすかは、いぜんとして不透明。だがアメリカが中国製品のすべてに制裁関税をかけるという最悪の事態は、ひとまず回避された。株式市場はもちろん大歓迎、今週の株価は大きく上昇する可能性がきわめて大きい。

先週の株式市場は、米中会談の様子見で足踏み状態に推移した。ダウ平均は週間119ドルの値下がり。それでも史上最高値まで、あと200ドルあまりの水準に踏みとどまっていた。したがって今週は、一気に最高値を突き抜ける可能性が強い。ただニューヨーク市場の場合は、株価が勢いを取り戻すとFRBによる利下げが遠のくかもしれないという心配が頭をもたげる。そこで今週末に発表される6月の雇用統計も見逃せない。

日経平均は先週17円の値上がり。この6月中にダウ平均が1800ドルも上げたのに対して、わずか675円の上昇にとどまっている。中国経済の不調で輸出が伸び悩んでいること、円高がやや進行したことが原因だ。米中貿易交渉の再開で、見直し買いをどの程度まで呼び込めるか。その勢いが弱々しいと、こんどは国内経済への不安が改めて心配になってくる。

今週は1日に、6月の日銀短観、新車販売、消費者態度指数、国税庁の路線価。5日に、5月の家計調査、景気動向指数。アメリカでは1日に、6月のISM製造業景況指数。3日に、5月の貿易統計と6月のISM非製造業景況指数。5日に、6月の雇用統計が発表される。

       ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ


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