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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
早くも オリンピックの反動が : 建築業 (上)
2019-08-01-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 6月の就業者は9万人の減少 = 総務省は30日、6月の労働力調査を発表した。それによると、就業者数は6747万人で前年に比べて60万人増えている。これで78か月の連続増加。また完全失業者は162万人で6万人の減少。失業率は2.3%で、前月より0.1ポイント改善した。相変わらずの人手不足状態が続いており、雇用情勢には非の打ちどころがないようにみえる。

発表によると、女性の就業者は3003万人に。前年より53万人増えて、初めて3000万人を上回った。就業者全体の増加のうち、9割近くが女性だったことになる。特に65歳以上の女性就業者は359万人、09年に比べると145万人も増加した。この結果、就業者全体に占める女性の割合は44.5%にまで上昇している。ー-新聞各紙は、こうした点を重視した記事を載せたところが多い。

その一方、この調査の内容をよく読むと、全く違った部門で重要なデータを発見することができた。それは就業者の増減を業種別にみた部門。多くの業種で就業者が増えているなかで、建築業の就業者数は504万人。前年比で9万人の減少となっている。5月は5万人の増加だったから、その落ち込み方は小さくない。

そう言えば、オリンピックまであと1年を切った。メイン会場の国立競技場は9割がた出来上がった。他の競技場や付属施設も完成したところが多い。つまりオリンピックの建築需要は、もうピークを過ぎた。建築業の就業者が減ったのは、そのせいではないか。そう考えて、関連するデータを調べてみると・・・。

                               (続きは明日)

       ≪31日の日経平均 = 下げ -187.78円≫

       ≪1日の日経平均は? 予想 = 下げ


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早くも オリンピックの反動が : 建築業 (下)
2019-08-02-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 株・鉄鋼・生コン・合板は値下がり = 「株価は先を読んで動く」とよく言われるが、建築業の株価は早くから下げ始めた。たとえば鹿島建設、大林組、大成建設といったゼネコンの株価は、17年11月がピーク。そこから現在までに、みな4割前後の値下がりとなっている。すべてがオリンピック需要の剥落を予想したためとは言い切れないが、その影響が大きいことは確かだろう。

建築用資材などの値下がりは、最近になって始まった。たとえば建築用鋼材の価格はずっと値上がりしていたが、この春からは値下がりに転じている。H型鋼や鉄筋コンクリート用の棒鋼の値下がりが特にきつい。また生コンの出荷量は6月、東京地区で3年ぶりの減少。輸入合板の価格も、2年10か月ぶりに下落した。

このうち鉄鋼については、中国が景気を刺激するため増産政策をとり、供給が過剰になって値下がりしたという側面もある。また住宅着工が5月は8.9%も減少。この影響で建築資材に対する需要が減退した。だから、すべてがオリンピック関連とは言えないが、住宅着工の減少にはオリンピックに向けたマンションの建設なども含まれている。

建築業界にとって、次の大型プロジェクトは25年の大阪万博。だが、それまでには時間がありすぎる。そこで大手ゼネコンは、都市再開発に力をいれようとしているが、どうしても需要に中だるみを生じることは避けられそうにない。その時期が消費増税による個人消費の減退と、ぴったり重なりそうだ。政府・日銀は「必要なら」とか「躊躇なく」とか言うだけでなく、具体的に対策を用意するべきではないのか。

       ≪1日の日経平均 = 上げ +19.46円≫

       ≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ


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常時オリンピック体制は いかが?
2019-08-03-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 交通規制やテレワーク = 1年後のオリンピックに備えて、首都高速道路の交通規制やテレワーク(在宅勤務)の奨励といった実験的な試みが相次いで実施された。このうち交通規制は7月24日と26日の両日、首都高の外苑など4箇所の入り口を終日閉鎖。またテレワークは24日に、官公庁や大企業を中心に行われた。さらに通勤時の混雑を緩和するため、出勤時間の繰り上げや繰り下げを実施した企業も多い。いずれもオリンピック時の交通渋滞を緩和することが目的だ。

国土交通省の発表によると、都心の交通を規制した結果、首都高速道路の交通量は前年同日より約7%、都内の一般道では約4%減少したという。目標は首都高で30%、一般道で10%の削減なので、まだ不足。政府は高速道路の料金を時間帯によって変えるなどの措置も加えて、再び実験する方針だ。

このような実験中に、事故や被害が出たという報告はない。しかし政府や東京都には、もう少し綿密な事故や被害の調査を行ってほしい。その結果、ほんとうに大きなマイナスがないと判明したら、発想を一変してみたらどうだろう。つまりオリンピックが終わったあとも、こうした体制を続けられないかどうか。

たとえば最初は、毎月24日だけでいい。首都高の入り口を何か所か閉鎖し、時間帯別の料金を設定する。テレワークの社員を増やし、時差出勤も実行してもらう。順調ならば、少しずつ実行日を増やして行く。これからの実験はオリンピックだけを考えるのではなく、東京を住みよい街にするためという目標意識を持って実行してもらいたい。

       ≪2日の日経平均 = 下げ -453.83円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】   


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今週のポイント
2019-08-05-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ ダブル・パンチを食らった株式市場 = FRBは先週31日、政策金利を0.25%引き下げて2.25%にすると発表した。この決定は予想通りだったが、パウエル議長が記者会見で「長期的な引き下げ局面の始まりではない」と述べたことに、市場は大きなショックを受けた。次の利下げが期待できなくなったからである。あくる1日、こんどはトランプ大統領が「中国製品3000億ドル分に9月1日から10%の関税をかける」と声明。市場はまた大きくぐらついた。ダウ平均は先週707ドルの値下がり。終り値は2万6500ドルを割り込んでいる。

このダブル・パンチは、東京市場にも影響した。ただパウエル議長の発言では、円の対ドル相場が予想に反して下落。トランプ声明では、大きく上昇した。このため1日の日経平均は小幅に上昇したが、2日は大きく下げている。週間では571円の値下がり。週末の円相場は106円台半ばに。約7か月ぶりの高値となっている。

今週の株価は、下げ過ぎの訂正に動くのか。それとも、下げ止まらないのか。その力関係は微妙だが、そんなときの援軍になるのはやはり企業の業績だろう。これから6月期の決算発表はピークを迎えるが、アメリカの場合は減益率が予想より縮まりそう。反対に日本の場合は、予想より悪化する気配が感じられる。

今週は6日に、6月の家計調査、毎月勤労統計、景気動向指数。8日に、6月の国際収支と7月の景気ウオッチャー調査。9日に、4-6月期のGDP速報。アメリカでは5日に、7月のISM非製造業景況指数。9日に、7月の生産者物価。また中国が8日に、7月の貿易統計。9日に、7月の消費者物価と生産者物価を発表する。

       ≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ


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ワナにはまった FRB議長
2019-08-06-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ また利下げの大合唱が始まる = FRBは先週31日、政策金利を10年ぶりに0.25%引き下げ、年2.25%とすることを決めた。しかし、その日のダウ平均株価は300ドル以上も下げている。金利を下げたのに株価が大幅に下落するのはかなり異常だが、それにはそれなりの理由があった。というのも利下げを発表したあとの記者会見で、パウエル議長が余計なひと言を口外してしまったからである。

政策金利の0.25%引き下げは、市場が完全に予測していた。このため利下げの発表があっても、株価はほとんど動かなかった。ところが直後の記者会見で、パウエル議長が「これは長期的な利下げ局面の始まりではない」とポロリ。すでに次の利下げを予想し始めていた市場には、強い失望感が広がった。株価が急落したのは、このためである。

近年の株式市場は、常に金融政策の先取りをして動いている。たとえば今回の利下げも、数週間前から読み込んでいた。さらに9月には次の利下げがあることさえも、しだいに織り込みつつあったと言える。だから、こうした予想通りなら株価はあまり動かないし、予想が外れると大きく動くことになりやすい。

市場が先読みをするようになったのは、中央銀行が“市場との対話”を重視するようになったためだ。金融政策の影響を緩やかに浸透させることが目的で、1980年代後半にFRBのグリーンスパン議長あたりが始めたようだ。しかし最近は、その弊害も現れてきた。今回もパウエル議長は、対話を念頭に置いて一言付け加えたのだろう。だが市場は“催促”をすれば、金利は下がると知っている。だから間もなく利下げの大合唱が始まることは目に見えているし、パウエル議長がこのワナから逃れることは至難の業だろう。

       ≪5日の日経平均 = 下げ -366.87円≫

       ≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ


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対韓国 輸出優遇除外策のヘソ
2019-08-07-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ なぜ肝心な説明をしないのか? = 政府は2日の閣議で、外国為替・貿易法を改正し「韓国を輸出優遇対象国から外す」ことを決めた。28日から施行する。これによって韓国向けの輸出は、半導体材料だけでなく食品や木材を除く全製品が、経産省による個別審査の対象になりうることになった。韓国側は慰安婦や徴用工問題に対する報復だと厳しく非難。日本製品の不買運動が広がるなど、日韓関係は戦後最悪の状態に陥っている。

日本政府はこの措置について「韓国の輸出管理体制が不十分で、安全保障上の見地から実施した」と説明。韓国側が主張するような慰安婦や徴用工問題に対する報復ではない、という姿勢を貫いている。ただ日韓関係を悪化させた根本原因が、これらの歴史認識問題にあることは誰の目にも明らか。「関係なし」という説明は、ちょっと苦しい。

世界中の人々が、日本のことをよく知っているとは限らない。そういう人たちにも日本の立場を理解してもらうためには、いまの政府の説明では物足りない。何かヘソとなる部分が欠けているように思われる。それは「韓国の輸出管理体制が不十分」であることの具体的な事例を挙げていないこと。これがないと「言いがかり」だとか「報復」だとか、思われてしまう懸念が大きい。

この点を明示すれば、日韓間の大多数の取り引きは問題ないことがはっきりするだろう。その指摘が正しいものであり、韓国側がそれを是正すれば、摩擦は解消に向かうかもしれない。そうなれば世界中の国が、日本の措置を納得してくれる。それとも日本政府の側に、韓国側の不備を公表できない何らかの理由があるのだろうか。

       ≪6日の日経平均 = 下げ -134.98円≫

       ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ


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「平均寿命」よりも「健康寿命」を
2019-08-08-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 古すぎる厚労省の感覚 = 厚生労働省の発表によると、18年の日本人の平均寿命は女性が87.32歳、男性が81.25歳だった。前年に比べて女性は0.05歳、男性は0.16歳延びており、ともに過去最高。厚労省では「日本人の3大死因となっている癌、心疾患、脳血管疾患での死亡率の低下が主な原因だ」と説明している。さらに仮にこれらの病気で亡くなる人がゼロになれば、女性の平均寿命は5.55歳、男性は6.70歳延びるとも試算した。

だが国民の多くは、いまや「平均寿命」にそんなに大きな関心は持っていない。寿命が延びると「老後が大変だな」と思うぐらいが、関の山だろう。日経新聞はその辺を考慮したのか、18年の出生者が91万8397人で過去最低になったという統計を、この記事に付け加えていた。老後の必要経費だけでなく、社会福祉費の負担の問題も示唆したわけだ。

多くの国民の関心は「平均寿命」よりは「健康寿命」に向いている。健康寿命というのは、介護を必要とせず自立して生きられる限度の年齢だ。この寿命が延びれば病気で苦しむ人が少なくなるばかりか、医療費や介護費が減るので国や自治体の負担も軽減される。この寿命の延長を、最優先課題として取り上げている自治体も少なくない。

日経新聞も、この記事のなかで健康寿命の数値を紹介している。だが、その数値は16年時点のもの。だから、その数値と18年の平均寿命を比較しても、この1年間に健康という観点からみての事態が改善したのかどうかは判らない。厚労省が「健康寿命」の調査を3年に1度しか実施しないからである。国民の健康に責任を持つ厚労省は、まず自らの意識を改革し、健康寿命を毎年調査するべきではないか。

       ≪7日の日経平均 = 下げ -68.75円≫

       ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ


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関税 + 通貨 その次は? : 米中摩擦
2019-08-09-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 限界が見えない恐ろしさ = アメリカ政府は5日、中国を「為替操作国」に指定した。中国元の対ドル相場が11年ぶりに7元を下回ったためで、米財務省は「中国が輸出を有利にするため、元安に誘導した」と非難。これに対して中国側は「アメリカの関税引き上げで元相場が下落した。意図的に操作はしていない」と、強く反発している。これにより米中間の経済摩擦は、「関税」の分野を超えて「通貨」の分野にまで広がった。

トランプ政権は今後、中国に対して「為替介入を止めるよう」圧力をかけて行く。これに中国がどう対応するかが、最大の焦点になる。たしかに関税引き上げ競争の結果、放っておけば元安が進行する公算は大きい。そこで中国が7元を超えた元安にならないよう、逆の為替操作を行うかどうか。もし放っておいて元安が進行すれば、アメリカは制裁措置の実行に乗り出すだろう。

どんな制裁措置が、考えられるのか。まず9月1日に予定している第4弾の関税引き上げで、追加の税率を既定の10%ではなく、たとえば一気に25%に引き上げる。あるいは特定の品目について、輸入数量を制限する。これに対して中国側がたとえば保有しているアメリカ国債の売却を始めれば、こんどは摩擦の分野が「金融」にまで拡大する。

こうした想定は、あくまで理論上の推測に過ぎない。そこまで行けば、世界経済は崩壊の危機に瀕する。だがトランプ政権の「いま中国を叩いておかなければ、いずれ中国に負けるかもしれない」という思いはきわめて強い。そして中国も、そのアメリカの思いを察知し始めた。それだけに米中経済戦争の終結点は、全く見えてこない。それが世界同時株安となって現われている。

       ≪8日の日経平均 = 上げ +76.79円≫

       ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ


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ソウル市民の良識を 見習おう
2019-08-10-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 撤去された“反日”の垂れ幕 = 「ボイコット 日本」と大書された垂れ幕1100本が5日朝、ソウル市中区の目抜き通りを埋め尽くした。中区役所が製作、街灯に吊り下げたもの。だが6時間後には、すべてが撤去された。市民から「役所が率先して反日感情を煽るのはおかしい」という抗議が殺到したためである。徐良鎬区長は「日本政府と日本国民を同一視し、日本国民にいらぬ誤解を与えかねない懸念について謙虚に受け止めた」と釈明した。

経済産業省は8日、半導体材料の韓国向け輸出案件を認可したと発表した。韓国への輸出管理を厳しくしてから、はじめての認可。これに関して世耕経産相は「正当な取り引きだと認定した。ここからも判るように、今回の措置は禁輸ではない」と説明した。だが韓国を優遇対象国からはずしたとき、なぜ、この説明をしなかったのだろう。なんらかの意図があったのか、それとも単なる不親切か。

安倍首相は、日韓首脳会談の可能性を聞かれて「韓国がまず国と国との約束を守ることだ」と突き放している。要するに「韓国は約束を守らない」と非難しているわけだ。しかし、この発言を韓国の国民が聞くと、「韓国人は約束を守らない」と言われているように聞こえはしないだろうか。こんな些細なことからも、国民感情は形成される危険がある。

たとえば安倍首相には「約束を守らない韓国政府、あるいは文在寅政権」と、正確に言ってほしい。ソウルの区長さんが言っているように「政府と国民を同一視しない」ために。輸出管理の問題にしても「韓国向け輸出の一部にみられる不当な取引を排除するために」と、初めから目的を明示した方がよかった。日本側も、もう少し気を付けよう。

       ≪9日の日経平均 = 上げ +91.47円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   


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今週のポイント
2019-08-12-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 世界同時株安の様相 = アメリカ財務省が突如として、中国を「為替操作国」に指定。米中間の摩擦が「貿易」から「通貨」にまで広がった。市場はこれに驚き、週初5日のダウ平均は767ドルと、ことし最大の値下がりとなった。ただ、その後は大きく反発した日もあって、ダウ平均は週間198ドルの下落にとどまっている。しかし先々週の大幅な下げと合わせると、この2週間の下げ幅は900ドルを超えた。

日経平均も、先週は402円の値下がり。こちらも先々週からの通算では、1000円に近い下落となった。反発した日もあったが、ニューヨークに比べると反発力はきわめて弱い。円相場が1円ほど上昇したこと。長期金利がマイナス0.225%まで低下したこと。それに減益決算の企業が増えてきたことなどが、投資家の警戒心を強めている。

ヨーロッパの先進国やアジアの新興国にも、株安の波が押し寄せた。景気の悪化を予防するため、インド・タイ・ニュージーランドなどが次々と政策金利を引き下げたが、こんどは資本の流出が心配されている。いつか来た道の“世界同時株安”時にみられる現象だ。ただ今回は「さらに株価の急落が続く」という見方は少ない。米中経済戦争の影響で世界経済の状況はしだいに悪化するが、リーマン時のようなショックに見舞われる確率は小さいと考えられるからである。

今週は13日に、7月の企業物価と6月の第3次産業活動指数。14日に、6月の機械受注。アメリカでは13日に、7月の消費者物価。15日に、7月の小売り売上高と工業生産、8月のNAHB住宅市場指数。16日に、7月の住宅着工戸数と8月のミシガン大学・消費者信頼感指数。またドイツが14日に、4-6月期のGDP速報。中国が14日に、7月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。

       ≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ


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新型の “世界同時株安” かも?
2019-08-14-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ リーマン時のような急落はなし = 世界の株価は7月半ば以降、下降局面に入っている。特に8月になってからは、神経質な動きが続く。先進国や中国だけではなく、新興国の株価も下げて“世界同時株安”の様相を呈してきた。このため市場の一部では、リーマン・ショック並みの株価暴落を警戒する声さえ上がっている。しかし株価の反発力は意外に大きく、いまのところ急落する気配は見えていない。

最近の株安は、主として米中経済戦争の激化が原因。トランプ大統領が、中国製品3000億ドル分に9月から10%の関税をかけると発表。さらに米財務省は5日、中国を「為替操作国」に指定した。ダウ平均は、この日767ドルとことし最大の下落。下げはヨーロッパ諸国や中国、日本、さらに新興国市場にも広がった。しかし、この週のダウ平均はあと反発し、週間198ドルの値下がりにとどまっている。

株価に反発力がある原因は、大きく2つ考えられる。まずは投資家が保有する資金量が膨大なこと。リーマン・ショック後の各国中央銀行による金融緩和政策で、その量は何倍にも増加した。「為替操作国」のような悪材料が出ると、資金の多くはリスクの大きい株式市場から引き揚げられ、金や先進国の国債あるいは日本円などに移される。だが時間が経てば、また株式市場に戻ってくる。

リーマン・ショックは金融不安だったから、その回復には時間がかかった。投資家もその間は、リスクの大きい株式市場には戻りにくい。ところが今回の米中経済戦争は、その影響で世界経済が沈み込むまでには時間がかかる。その間に株式市場で儲けるチャンスは十分にあると、投資家は考えるはずだ。それでも時間とともに世界経済の悪化が進むと、株価も長期的に下落せざるをえない。いまの反発力がどこまで保持されるか、やはり安心は出来ない。

       ≪13日の日経平均 = 下げ -229.38円≫

       ≪14日の日経平均は? 予想 = 上げ


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最低賃金 901円 の功罪 (上)
2019-08-15-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 賃金総額は2600億円の増加に = 今年度の最低賃金引き上げ額が決まった。厚生労働省の発表によると、引き上げ額の全国平均は27円。この結果、最低賃金は901円となり、前年度より3.1%上昇した。引き上げ率は、4年連続で3%を超えている。都道府県別にみると、最低賃金の最高は東京都の1013円、次いで神奈川県が1011円。最低は鹿児島県など15県の790円となっている。

最低賃金というのは、法律で義務付けられた最低の時給。労使双方の代表と学者で構成する委員会が、毎年いまごろ改定の目安を作成。それを基に、都道府県が引き上げ幅を決定する。たとえば最低賃金が1円上がったとすると、週40時間働いた場合は40円。今回は平均27円上がったので、一週間で1080円の増加になるわけだ。

過去の実績をみると、12-18年の6年間に最低賃金は125円上昇している。政府の試算によると、これによる賃金支払いの増加額は1兆2200億円。このうち9200億円が、消費支出につながったと考えられている。この試算をもとに今回のケースを推計すると、賃金支払いの増加額は約2600億円にのぼる。

安倍内閣は「賃金上昇→消費の増加→経済の拡大」という好循環を目指しており、できるだけ早く全国平均で1000円の最低賃金を実現したいと考えている。今回も2600億円の所得増加が期待できるわけで、その方向に一歩前進したと言えるだろう。しかし同時に企業の負担も2600億円増えることになる。特に中小企業の対応は、決して楽ではない。

                              (続きは明日)

       ≪14日の日経平均 = 上げ +199.69円≫

       ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ


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最低賃金 901円 の功罪 (下)
2019-08-16-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ むずかしい中小・零細企業の保護 = 東京都は1013円、鹿児島など15県は790円。今回の改定でも、最低賃金の差は223円もある。大都市と地方では物価や生活環境などが大きく違うから、格差を生じるのは当然という意見もある。しかし格差が大きいと、労働力の大都市集中はさらに進む。地方の自治体がそれを防ごうとして最低賃金を上げれば、こんどは中小・零細企業が人件費の増加に耐え切れなくなってしまうだろう。

すでに大都市との隣接地域では、大きな問題が起こっている。たとえば東京都の東村山市と埼玉県の所沢市は、歩いても15分ほどの距離。ところが東京都と埼玉県の最低賃金は87円も違う。放っておけばバイトやパートの働き手は、みんな東村山に行ってしまう。だから所沢市の企業や商店は、時給を東京都並みにしなければならなくなった。こんな例は全国いたるところで多発している。

バイトやパートなどの不正規雇用は、中小企業や零細企業に多い。たとえば最低賃金が27円上がると、1人当たりの人件費は年間5万4000円ほど増加することになる。10人を雇用していれば、年に54万円の出費増加。経営者にとっては、死活の問題だろう。仮に倒産が増えれば、失業者が増加する。現に韓国では、こうした現象が社会的に大きな問題となった。

このため政府は、中小・零細企業を対象に設備投資に補助金を出したり、減税するなどの対策を講じる方針だ。しかし、こうした保護政策が行きすぎると、生産性がきわめて低いゾンビ企業までが生き延びてしまう。そのうえ10月からは、消費増税の影響も絡み合ってくる。最低賃金の連続的な引き上げが、政府の思惑通り経済の好循環につながるかどうか。予断は許さない。

       ≪15日の日経平均 = 下げ -249.48円≫

       ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ


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ハラをくくった 中国 : 対アメリカ
2019-08-17-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ トランプの落選を待つ戦略に = 中国のアメリカに対する姿勢が、明らかに変わってきている。トランプ大統領は1日、中国製品のほとんど全部に10%の関税をかける第4弾の制裁措置を発表した。ところが中国側はこの措置を激しく非難したものの、これまでのような報復措置はとっていない。アメリカからの農産物輸入を停止したとも伝えられているが、中国側は無言のままである。

人民元の対ドル相場が5日、11年ぶりに7元を割り込んだ。アメリカ財務省はさっそく中国を「為替操作国」に指定し、厳しく非難した。ところが元相場は、その後も7元を下回ったまま。上海市場の元相場は、人民銀行が毎朝決める基準相場によって左右される。この基準相場が中国側の言う通り「アメリカの関税引き上げで、元の需要が減った」からなのか。それともアメリカの言うように「為替操作」なのかは判らない。しかし中国側が、アメリカの批判を“無視”したことは明らかだ。

これまでの米中交渉で、アメリカは中国に対して「国有企業への補助金政策などを止めるよう」強く要請してきた。しかし中国にとって補助金政策は経済対策の要諦であり、絶対に放棄できない。このため中国側は、これに固執するトランプ政権との話し合いを断念したのではないか。そこで7月末に2か月ぶりに上海で開いた米中間の閣僚交渉でも、全く進展はみられなかった。

時を稼いで、来年11月の大統領選挙でトランプ氏が落選するのを待つ。習政権は秘かに、こういう基本姿勢に転じたのではないか。だからムキにならずに、時を稼ぐ。一方のトランプ陣営もそれを察知していて、「中国は組しやすい民主党の勝利を願っている」と、選挙戦のスローガンに使う。そして中国へは、圧力を強めざるをえない。その結果、世界経済を覆う黒雲は、しだいに濃さを増しながら長く停滞することになりそうだ。

       ≪16日の日経平均 = 上げ +13.16円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝0敗】   


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今週のポイント
2019-08-19-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 市場の環境は悪化の一途 = ダウ平均株価は先週14日、800ドルの大幅下落を演じた。ことし最大の下げ幅である。10年もの国債の利回りが2年もの国債の利回りを下回る“逆イールド”現象が、12年ぶりに発生。景気後退の前触れだと警戒された。ほかにもドイツやイギリスの成長率がマイナスに落ち込むなど、悪材料が続発した。あと反発した日もあって、ダウ平均は週間411ドルの値下がり。

日経平均も上下動を繰り返しながら、週間では266円の値下がり。これで3週連続の下落となった。ニューヨーク株の軟調やヨーロッパ経済の不調を嫌気したほか、円相場が7か月ぶりに105円に接近したことも売り材料になった。また4-6月期の企業決算発表が進むにつれて、減益幅が拡大してきたことも重荷になってきている。

7月半ば以降の株価は、大きく下げたあと反発するパターンの上下動を繰り返している。だが結局はズルズルと下げる形に。リーマン・ショック時のような切迫感はないので、反発もしている。しかし市場を取り巻く環境は日に日に悪化しているから、株価は上昇し切れない。こうした環境に変化の兆しはなく、多くの市場関係者は「相場は長期的な下降局面に入った」と感じ始めているようだ。

今週は19日に、7月の貿易統計。21日に、7月の訪日外国人客数。22日に、6月の全産業活動指数。23日に、7月の消費者物価。アメリカでは21日に、7月の中古住宅販売。22日に、7月のカンファレンス・ボード景気先行指数。23日に、7月の新築住宅販売が発表される。なお21日からは、日米貿易交渉の閣僚会議。

       ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ


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“逆イールド”に 怯える市場
2019-08-20-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 景気後退の前触れなのか = ダウ平均株価は先週14日、ことし最大800ドルの下落を演じた。ドイツやイギリスがマイナス成長に陥ったというニュースもあったが、市場が最も警戒したのはこの日に現われた“逆イールド”と呼ばれる現象。具体的には、債券市場で10年もの国債の利回りが1.57%にまで低下し、2年もの国債の利回りを下回ったことを指す。この現象は景気後退の前触れとみられており、00年や07年のときも発生してから1年ほどでアメリカ経済は不況に落ち込んでいる。

ふつう金利は、償還期限が長いほど高くなる。その間に償還不能など予期しない事態が起こりやすくなるからだ。ところが景気後退が近づくと、全体として金利は下がる。債券価格は上がるので、長期債を買っておけば儲かると考えられるわけだ。このため“逆イールド”は、景気後退の前兆になる。市場関係者は、そう信じ込んでいるようだ。

アメリカの長期金利が低下したため、今回は主要国の金利も下げている。その結果、14日にはイギリス、カナダ、ノルウェー、香港でも“逆イールド”現象が発生した。東京市場でも発生しているが、日本の場合は日銀の買い入れで国債の流通量が少なくなっており、景気との関連性を見出すことは難しいらしい。

投資家は景気後退が近づいたとみると、株式市場から資金を引き揚げる。その資金の行き先として、比較的安全な長期国債を考える。すると国債の価格は上がり、利回りは下がる。“逆イールド”が発生する理由としては、こうも考えられるだろう。しかし、そうだとしても、“逆イールド”が、景気後退の前触れ現象となることに変わりはない。

       ≪19日の日経平均 = 上げ +144.35円≫

       ≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ≫ 


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急減した 製造業の利益
2019-08-21-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 電機は74%の減益 = 上場企業の4-6月期の決算が、ほぼ出揃った。日経新聞が金融を除く1584社の業績を集計したところ、全体の純利益は前年比15%の減少となった。このうち非製造業は38%の増益だったが、製造業は45%の減益となっている。米中経済戦争による影響が大きく、製造業では紙・パルプを除く全業種が減益に陥った。製造業の利益が、これほど急激に落ち込むことは珍しい。

業種別にみて最も減益率が大きかったのは、利益が74%も減った電機。次いで鉄鋼が56%、自動車・部品と一般機械がともに21%の減益となっている。たとえば電子部品9社のうち、増益を記録したのは村田製作所だけ。また自動車メーカー7社では、トヨタとスバルを除く5社が減益決算だった。

一方、非製造業は15業種中8業種が増益だった。特に増益率が大きかったのは通信で、利益は97%増とほぼ倍増している。建設は19%、サービスは5%の増益だった。いずれも米中経済戦争の影響は受けにくい業種である。ただ非製造業でも、陸運・不動産・小売り・商社は減益だった。

問題は今後の見通しだ。来年3月通期の予想では、製造業が8%の減益、非製造業が5%の増益。全体では3%の減益になると見込まれている。ただ米中経済戦争に終結の見通しがないまま、製造業の減益幅がもっと広がる可能性はないのか。また非製造業も、消費増税で増益を維持できるのか。楽観は禁物だろう。

       ≪20日の日経平均 = 上げ +114.06円≫

       ≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ


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金(きん)が 40年ぶりの高値に
2019-08-22-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 世の中が暗くなると輝く性質 = 東京や大阪の貴金属店で、金(きん)の売買がきわめて活発になっている。金の価格が急騰しているからだ。たとえば田中貴金属店の買い取り価格は、6月初めには1グラム=4900円だったものが、今月16日には5553円に跳ね上がった。世界的に金に対する需要が増大し、国際価格が大きく上昇したことを反映している。

ニューヨーク商品取引所の金先物価格は先週、1オンス=1530ドルの高値を付けた。6年4か月ぶりの水準で、年初に比べても18%の上昇。主な理由は、アメリカの金利低下、世界経済の見通し悪化、それに国際緊張の高まりだという。金には利息が付かないから、他の商品の利回りが低下すれば相対的に有利さが増す。また景気の悪化や国際緊張は、最も安全性の高い金への資金移動を促すことになる。

今月に入ってから、株式や原油、それに新興国の通貨などが大きく売られた。逆に価格が上昇したのは、金と日本円、それにアメリカ国債である。このうち上昇率が最も大きかったのは、やはり金だった。21世紀になってからの金の国際価格をみると、最低は08年春に付けた693ドル。最高は11年の1897ドルとなっている。ここからみると、現状はかなりの高値圏だと言えるだろう。

人類が4000年もかかって掘り出した金の総量は約18万トン。オリンピック・プールで4杯分しかない。しかも容易なことでは変質しない。だから貴重なことは確かだろう。でも通貨が不要になるかもしれないAIの時代に、存在感を示すのはなんとも不思議。そのうえ世間の不安が増せば増すほど輝きを増すのだから、びっくりするしかない。

       ≪21日の日経平均 = 下げ -58.65円≫

       ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ


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「韓国人旅行客が減少」の 報道ぶり
2019-08-23-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ ニュース画面に見る統計との違和感 = 観光庁は21日、7月中に来日した外国人観光客の人数を発表した。それによると、総数は298万1200人で前年比5.6%の増加。単月としては過去最大を記録した。相変わらず順調な伸びを続けているが、そんななかで目立ったのが韓国人旅行客の減少。前年比では7.6%の減少となっている。日韓関係の悪化が原因とみられ、マスコミはこの点を中心に報道した。

国・地域別にみると、最大は中国で105万0500人。前年比では19.5%も増加している。2位は韓国の56万1700人。次いで台湾、香港、アメリカと続いている。伸び率が大きかったのはフィリピンで30.5%。あとベトナム、中国、スペイン、ロシアの順だった。これらの諸国は、いずれも訪日人数で月間最大の記録となっている。

韓国の訪日客数は、1-7月の通算でも4.3%減少している。これが最近の日韓関係を反映していることは明らかだろう。そこで新聞やテレビは、九州と釜山を結ぶ高速フェリーや博多の飲食街などを一斉に取材した。その結果は「韓国人客がほとんど姿を消した」という話や映像ばかり。

たしかに韓国人客は、九州や北海道に行く人が多い。だから特定の宿や店では、大きな打撃となったに違いない。しかしマスコミがそういうところを探して取材すると、あたかも韓国人客が激減したような報道になってしまう。だが統計によれば、韓国人客の数は1割も減っていない。この数字を頭に入れながらテレビの画面を見ていると、大きな違和感を生じてしまうのだが。

       ≪22日の日経平均 = 上げ +9.44円≫

       ≪23日の日経平均は? = 上げ


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消費増税後の 景気はどうなる
2019-08-24-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 政府の見通しはかなり楽観的 = 消費税が引き上げられたあと、景気はどうなるのだろうか。前回14年4月の増税後、景気は長らく停滞した。こんどは大丈夫なのか。前回は3%、今回は2%の引き上げだから、影響は3分の2に減るはずだ。また政府は前回の失敗に懲りて、軽減税率の導入やポイント還元制度など影響を緩和する方策をとっている。ただし米中経済戦争など、日本経済を取り巻く環境は当時に比べると極端に悪化した。

内閣府が発表した年央経済見通しによると、19年度の実質成長率は0.9%、20年度は1.2%となっている。やはり消費増税の影響で、19年度の下期はかなり減速するとみているようだ。しかし、その落ち込み方は意外に小さい。これは増税前の駆け込み需要が大きくなく、したがって増税後の反動減も小さいという判断に基づいているらしい。

もっとも、政府としては「増税後の反動減が大きく、景気は悪化する」とは、口が裂けても言えない。そう言えば、追加の景気対策が必要だということになってしまうからである。たしかに前回に比べれば駆け込み需要も少ないから、消費税の影響に限ってみれば景気の落ち込み方は鈍いかもしれない。

ところが米中経済戦争の影響もあって、世界経済は明らかに悪化し始めている。輸出は減少し、製造業の業績は下向きになった。消費者の態度指数も、過去10か月連続で低下している。しかもオリンピック需要も、すでにピークを超えた。こうした経済的環境の悪化を、政府の予測では軽視しすぎているのではないか。増税によって、19年度下期の成長率がマイナスに落ち込むとみる方が正解なのではないか。

       ≪23日の日経平均 = 上げ +82.90円≫

       【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】   


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今週のポイント
2019-08-26-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 束の間だった雨の切れ目 = 先週のニューヨーク市場は久しぶりに悪材料もなく、週初から買いが優勢だった。ところが金曜日になって、中国がアメリカの第4弾制裁関税に対する報復措置を発表。アメリカ製品5078品目について、5-10%の関税を追加した。これに対してトランプ大統領は直ちに対抗、すでに実施している第1-3弾の税率を25%から30%へ引き上げ。さらに9月に予定する第4弾の関税率も、10%から15%に引き上げると発表した。

これで久しぶりに小康状態を保っていた米中間の緊張は、いっぺんに吹っ飛んだ形。ダウ平均は金曜日だけで600ドル以上も下落した。結局、週間では257ドルの値下がり。米中間の関税引き下げ競争は、想定外の深みにまで突入。今後も早期に解決する見込みは全くなくなった。このため今週の市場は、初めからどしゃ降り状態のなかで始まることになる。

中国の発表は、東京市場が終わってからだった。このため日経平均は、その影響を受けていない。先週は292円の値上がりで終わっている。しかし今週はその影響をモロに受けて始まる。円相場も1円ほど上昇しており、今週はどの程度の下げで踏みとどまるかが焦点となりそうだ。

今週は27日に、7月の企業向けサービス価格。30日に、7月の労働力調査、鉱工業生産、商業動態統計、住宅着工戸数。アメリカでは27日に、6月のFHFA住宅価格と8月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。29日に、4-6月期のGDP改定値と7月の中古住宅販売。また中国が31日に、8月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

       ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ


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我慢比べなら 負けない? 中国 (上)
2019-08-27-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 泥沼に落ち込んだ米中経済戦争 = 中国政府は先週23日、アメリカ製品5078品目・750億ドル分について5-10%の関税を上乗せすると発表した。アメリカの関税引き上げ第4弾に対する報復措置で、9月と12月とに分けて実施する。中国はすでにアメリカ製品1100億ドル分に高関税をかけており、これでアメリカからの輸入品のほぼすべてに報復関税がかけられることになった。

これに対してトランプ大統領は直ちに反撃。第1-3弾で中国製品2500億ドル分に課した25%の関税を30%に引き上げるほか、9月から実施する第4弾の関税率を予定していた10%ではなく15%にする方針を打ち出した。米中経済戦争はついに泥沼に陥り、さらに数量制限や通貨面での争いに発展する危険性も出てきている。

中国がアメリカから輸入している主な品目は、農水産物・冷凍食品・日用品・医薬品・工業原料・自動車・原油など。その多くはアメリカ以外の国から代替輸入することが可能だ。これまではアメリカに対する貿易黒字を拡大させすぎないために、輸入しているという面もあった。だからアメリカ製品が高くなっても、それほどの問題はないと思われる。

アメリカが第1-3弾の関税引き上げで対象としたのは、半導体・光ファイバー・家具・家電・果物など。しかし第4弾では、スマホ・パソコン・ゲーム機などの消費財が多い。しかも、ほとんどが代替輸入が難しいという。だから物価は上がりやすくなり、消費者の不満も出やすくなる。つまりモノの流通という面からだけみると、中国の方が我慢しやすいと言えるだろう。

                            (続きは明日)

       ≪26日の日経平均 = 下げ -449.87円≫

       ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ


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我慢比べなら 負けない? 中国 (中)
2019-08-28-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 持久戦になる公算が大 = 米中経済戦争は長引き、我慢比べになりそうだ。その場合、双方のアキレス腱は何だろう。まずアメリカのとっての問題点は、物価が上昇しやすくなること。たとえばスマホは、流通する9割が中国製。関税分だけ値上がりする可能性は大きい。こうして物価が上昇すれば、人々は支出を抑制する。すると、経済はインフレと不況が共存するスタグフレーションに陥りやすい。

アメリカの景気は、すでにピークを過ぎたのかもしれない。4-6月期の実質成長率は2.1%だったが、企業の設備投資は3年ぶりのマイナスとなっている。製造業の景況感指数は6月、2年9か月ぶりの低水準に落ちた。そこへ中国製品の取扱量が減少すれば、関連する企業の業績は下向きとなり、失業者も増加しかねない。選挙を控えて、トランプ大統領としては最も避けたいところである。

中国の場合は、アメリカ製品が高くなれば他の国から代替輸入しやすい。だから物価の上昇や関連企業の業績悪化は、アメリカほど心配する必要はない。しかし怖ろしいのは、企業活動が国外に移転してしまうこと。すでに外国企業だけではなく、中国の民間企業の一部が、タイやベトナムなどに脱出し始めている。

この傾向が強まれば、景気は悪化し失業者も増大する。そうなれば中国の成長率は、政府が目標とする6%を割り込むことは必至だろう。所得の向上や経済構造の改革など、基本的な政策にも狂いが生じ、国民の不満が高まることも心配になってくる。習近平主席としては、最も避けたいところだ。

                              (続きは明日)

       ≪27日の日経平均 = 上げ +195.04円≫

       ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ


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我慢比べなら 負けない? 中国 (下)
2019-08-29-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 勝負を決める最大のポイントは? = 中国では最近、現政権の幹部と過去に政権を担った長老による秘密会議が開かれた。内容はいっさい公開されていないが、米中経済戦争についても議論されたことは確かだろう。その結果、習主席は①社会主義経済政策の根幹である「中国2025」に関しては全く譲歩しない②アメリカの関税引き上げに対しては報復し、徹底抗戦する③結果として成長目標を達成できなくても我慢する――ことで、合意を取り付けたのではないだろうか。

これで共産党内部の意思統一は完了した。習政権としては、あとは持久戦に持ち込み、トランプ大統領の再選阻止に全力を挙げる。そのためには関税引き上げ競争が激化し、アメリカ国民の不満が高まった方が望ましいとさえ考えているのではないだろうか。その習主席にとって最大のリスクは、経済成長率が下がり過ぎること。特に企業の脱出が進行して成長率が5%に近づくようだと、やはり指導力を疑われることになりかねない。

トランプ大統領にとっても、最大のリスクは景気の悪化である。不況になれば、来年の大統領選挙に悪影響を及ぼすことは必至。だからFRBを責め立てて、大幅な利下げを断行させようとしている。ところが関税引き上げで物価が上昇すれば、利下げはしにくくなってしまう。自らが播いたタネではあるが、苦しいところに違いない。

関税引き上げに対する批判も、選挙には影響してくる。すでに小売業協会をはじめ、自動車・石油・衣料品・靴・家電・大豆などの業界団体が、反対や批判の態度を表明した。こうした動きを抑え込み、トランプ氏が再選を果たすための方策は何か。それは「いま中国を叩いておかないと、経済だけでなく、軍事や宇宙の面でも負けてしまう」という持論を、有権者の過半数に納得してもらえるかどうか。その一点にかかってくるだろう。

       ≪28日の日経平均 = 上げ +23.34円≫

       ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ


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日米交渉は アメリカの判定勝ち
2019-08-30-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ “奥の手”を温存したトランプ大統領 = 日米2国間の貿易交渉が、大筋で合意した。9月末までの署名・成立を目指す。注目された日本側の農産物輸入は、すべてTPP(環太平洋経済連携協定)並みに自由化。たとえば牛肉は、現在38.5%の関税率が33年には9%にまで段階的に引き下げられる。すでにTPPでは26.6%に下げられているので、アメリカ産についても協定が発効すれば、即時この水準が適用される。

一方、アメリカ側は広範囲の工業製品について関税を撤廃する。ただ乗用車にかかる2.5%、ピックアップ・トラックにかかる25%という関税は変更なし。また大統領権限で実施できる輸入自動車に対する追加関税や数量制限についても、日本に対して適用しないという約束はしなかった。トランプ大統領は“奥の手”を温存したわけである。

日本側は9月の署名に向けて、こうした大統領権限を日本には適用しない確約を取り付けたい方針。だが、その望みは全くムリだろう。現にトランプ氏は「現時点では考えていないが、あとになってやるかもしれない」と、脅しともとれる発言をしている。ここまでが精一杯と言ってしまえばそれまでだが、“奥の手”を封じられなかったことで、日本側は判定負けになった形だ。

最後に日本側は、アメリカ産のトウモロコシ250万トンを購入することになった。日本国内で害虫の被害が広がり、飼料用のトウモロコシが不足するからだという。だが、これはトランプ大統領の票田であるアイオワ州が中国向けに売れず、苦境に陥っていることへの支援。こんなお土産まで付けても、トランプさんは隙をみせなかった。

       ≪29日の日経平均 = 下げ -18.49円≫

       ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ


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「廃炉から国民を守る党」は いかが?
2019-08-31-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 電気料金への上乗せを拒否しよう = 東京電力が福島第2原発1-4号機を、すべて廃炉にすることを正式に決めた。事故で放射能まみれになった第1原発1-6号機はすでに決定済みなので、これで福島県の原発は完全に姿を消すことになった。ただ廃炉の完了までには、40年以上の歳月を要する見込み。また第2原発4基の廃炉にかかる費用は、合計4100億円にのぼると試算されている。

東日本大震災が起こる前、日本では54基の原発が稼働していた。そのうち福島第2原発を入れて、これまでに廃炉と決まった原発は24基。残る30基のうち、原子力規制委員会の審査を受けて合格したのは9基だけ。あとの21基は審査待ちとなっているが、そのうちの半数ぐらいは老朽化のために廃炉となる可能性が高い。

東京電力は廃炉のための費用を積み立ててきたが、まだ1900億円以上が不足。これを10年にわたって分割、償却する方針だ。しかし財源を捻出できず、結局は電気料金に上乗せすることになるとみられている。廃炉費用が見積もりを上回れば、その分も上乗せされるだろう。こうした状況は、廃炉にする原発を抱えた他の電力会社でも同じ。

「原発は安い電源」と宣伝し、大いに儲けてきた電力会社。それが「後始末のための費用は、消費者にお願いします」というのは、あまりにも身勝手だ。ここは一つ「NHKから国民を守る党」ではないが、「廃炉から国民を守る党」でも作ってもらいたいもの。そうでもしないと、燃料棒から放射性廃棄物の処理費まで、国民にツケが回ってきてしまう。

       ≪30日の日経平均 = 上げ +243.44円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   


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