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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
今週のポイント
2019-09-02-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 薄商いが続く東京市場 = ダウ平均は4週間ぶりに反発。先週は692ドル値上がりして、2万6000ドル台を回復した。ところが東京市場は円相場がやや下落したにもかかわらず、日経平均は週間7円の値下がり。出来高もずっと2兆円を下回り、8月としては5年ぶりの薄商いとなった。特に外国人投資家の様子見が続いている。

ニューヨークでは、パウエルFRB議長が講演で「景気拡大を維持するために、適切に行動する」と述べたことを好感。またトランプ大統領が、米中協議の再開を示唆したことも買い材料になった。しかし9月のFRBによる利下げは、ほぼ織り込み済み。トランプ発言は、その信憑性を疑問視する声も少なくない。したがって今週も株価の騰勢が持続するかどうかは、断定しにくい。

外国人投資家は、日本経済の将来に不安を感じているようだ。米中経済戦争のほか、消費増税後の景気を懸念している。このため様子見になりがちで、特に長期投資は見送られている。日本株についての割安感という議論も、どこかへ消えてしまった。米中交渉に進展がみられない限り、今週もこうした雰囲気から抜け出すことは難しそうだ。

今週は2日に、4-6月期の法人企業統計と8月の新車販売。6日に、7月の家計調査、毎月勤労統計、景気動向指数。アメリカでは3日に、8月のISM製造業景況指数。4日に、7月の貿易統計。5日に、8月のISM非製造業景況指数。6日に、8月の雇用統計。また中国が8日に、8月の貿易統計を発表する。

       ≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ


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追い詰められた パウエル議長
2019-09-03-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 「史上最悪のFRB議長」になるリスク = パウエルFRB議長は先週23日の講演で「経済拡大を維持するために、適切に行動する」と述べた。市場はこの発言で9月の利下げが確定的になったと受け取り、ダウ平均は上昇。だが、その直後にトランプ大統領が「中国の報復関税に対抗措置をとる」と表明したため、株価は大幅に下落した。このことは市場が現状では、金融緩和よりも貿易戦争の方を重視していることを明示している。

パウエル議長の利下げ示唆が軽視されたのは、市場が9月の0.25%引き下げをすでに織り込んでいた結果でもある。したがって0.25%の利下げを実行しても、株価はほとんど上昇しない。するとトランプ大統領からまた「中国よりもタチが悪い」と酷評されることは必至だろう。では思い切って、0.5%の利下げに踏み切れるのだろうか。

たしかに関税引き上げの影響で、アメリカ経済には景気後退の危険が迫っている。自動車をはじめ製造業の状態は明らかに下向き。個人消費にも陰りがみえ始めた。しかし、その一方で関税引き上げが物価の上昇を惹き起こす可能性も大きい。仮にインフレの進行が始まるとすれば、パウエル氏は「大統領の脅しに屈し、インフレを助長させた史上最悪のFRB議長」と、後世の人から烙印を押されかねない。

0.25%にとどめておくべきか、それとも0.5%引き下げるべきか。関税の大幅な引き上げは、経済にきわめて大きな影響を及ぼす。それを金融政策で対処することは、なんとも無理な話。しかし0.25%の引き下げでは大統領が激怒し、市場も失望する。と言って0.5%の引き下げには、大きなリスクを伴う。パウエル議長の心は乱れているだろうが、FOMC(公開市場委員会)が終わる今月18日には、決断しなければならない。

       ≪2日の日経平均 = 下げ -84.18円≫

       ≪3日の日経平均は? 予想 = 下げ


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氷河期に突入した 製造業
2019-09-04-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 非製造業で支え切れるか = 関税戦争の影響で世界中の製造業が苦境に立たされているが、日本の製造業も急速に冷え込んだ実態が明らかになった。財務省が2日発表した4-6月期の法人企業統計によると、金融・保険を除く全産業の経常利益は前年同期比で12.0%の減少だった。このうち製造業は27.9%の大幅な減少。非製造業は1.5%の減少にとどまっている。

売上高をみても、製造業は1.2%の減少。非製造業は1.0%の増加だった。大幅な減益となった製造業は、設備投資も6.9%の減少。非製造業は7.0%の増加と、対照的な結果を残している。製造業の業績悪化は,言うまでもなく米中両国の関税引き上げ競争が主たる原因。その影響が比較的小さい非製造業に、かなり支えられた形となっている。

製造業のうちでも特に利益を減らしたのは、やはり輸出に依存している業種。たとえば情報通信機械は98.2%、鉄鋼は94.3%、電気機械は44.4%の減益だった。増益だったのは食料品の0.2%増加だけという、散々な結果となっている。一方、非製造業でも情報通信業は11.5%、建設業は7.3%の減益だった。

米中経済戦争は長引きそうだから、製造業の苦境はまだ続くだろう。そこで非製造業が頑張って、今後も全体の下支え役になれるかどうか。その見通しは、かなり厳しい。というのも製造業の冷え込みが続けば、その影響は少しずつでも非製造業に及んで行く。さらに10月からの消費増税は、非製造業の方に重くのしかかるからだ。こんな状態になっても、政府はまだ「景気は順調に回復」と言い続けるのだろうか。

       ≪3日の日経平均 = 上げ +4.97円≫

       ≪4日の日経平均は? 予想 = 下げ


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“合意なき離脱”に猛進 / イギリス (上)
2019-09-05-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ ジョンソン首相の異常な執念 = 「何があっても10月31日には、EUから離脱する」と、叫び続けてきたジョンソン首相。これに対して「合意なき離脱には反対」の、野党を中心とする一大勢力。イギリスでは、この両派がEU離脱を巡って最後の攻防戦を展開しようとしている。残された日は少ないが、その行方はいぜん混とん。見通しは全く立たない。

ジョンソン首相の“奇策”が、大きな議論を巻き起こした。夏休みが終わってイギリス議会は、9月3日に再開された。しかしジョンソン首相は10日ごろに再び議会を休会し、10月14日まで開かないことを決定。これはこの3月に、野党が出した「合意なき離脱の回避」動議が成立し、メイ前首相が動きを封じられてしまったことの二の舞を避けるための異常な手段。「民主主義の自殺行為」だとか「憲法違反」の批判も巻き起こったが、ジョンソン首相はどこ吹く風と受け流した。

だが野党側も負けてはいない。3日に再開した議会に、すかさず「離脱の延期を政府に義務付ける」動議を提出。与党からも造反者が出て、あっさり可決された。この動議は法案化されて審議されるが、成立する可能性はきわめて大きい。その場合、ジョンソン首相は解散・総選挙に踏み切る方針だ。ただ解散の前倒しには、下院の3分の2の賛成が必要。現状では、結果を予測できないという。

仮に総選挙が行われるとすれば、これは“合意なき離脱”の是非を問う国民投票と同じことになる。もしジョンソン氏の率いる与党が勝てば、“合意なき離脱”の実行は確定的に。逆に野党が勝てば、“秩序ある離脱”を求めて、イギリスはまたまたEU側と交渉しなければならない。総選挙になるとすれば、投票日は10月14日になる予定だ。

                              (続きは明日)

       ≪4日の日経平均 = 上げ +23.98円≫

       ≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ


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“合意なき離脱”に猛進 / イギリス (下)
2019-09-06-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 強固な岩盤はイギリス人魂 = EUは現在28か国が加盟、5億1200万人を擁する世界最大の単一市場だ。イギリスも1973年に加盟した。しかし近年はEUが定めた数々の規制や、特に移民の受け入れ方針などに対する不満が高じ、16年の国民投票でついに離脱を決定した。その根底には、ドイツとフランスが主導するEUの支配下には置かれたくないというイギリス人の歴史的・民族的な感情が、深く作用しているように見受けられる。

いま最大の問題となっているのは、メイ前首相とEUが合意したアイルランド国境に関する“安全策”。アイルランド島で国境を接するEU加盟国のアイルランドとイギリス領の北アイルランドを、どう処置するか。この両者は同じ民族で、国境に税関や検疫所を設けることには、きわめて強い抵抗がある。そこで解決策が見つかるまで、北アイルランドをEU加盟国並みに扱うというのが、いわゆる“安全策”だった。

ところが領土の一部である北アイルランドを、EUの支配下に残すことは許されない。そのくらいならば、たとえ大きな経済的損失があっても、北アイルランドを含めた離脱。それが結果的に“合意なき離脱”になっても、やむを得ない。これがジョンソン首相の考え方であり、国民の半数が同調する基本的な理由だろう。

総選挙が10月14日に実施されるかどうかは、まだ不明。仮に実施されてジョンソン氏の与党が勝てば、イギリスは“合意なき離脱”に向けて突っ走るに違いない。ただ野党が勝っても、離脱の期限が延長されるだけ。すぐに同じことが、繰り返されることになる。イギリス人の気質からだけ判断すると、結局は秩序がなくてもイギリスはEUを飛び出すことになりそうだ。

       ≪5日の日経平均 = 上げ +436.80円≫

       ≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ


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“減税”もある! 消費増税
2019-09-07-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 理解に苦しむ事例が多すぎる = いよいよ来月から、消費税が10%に引き上げられる。政府は経済に及ぼす悪影響を少しでも緩和しようと、いろいろな対策を講じた。だが軽減税率にしてもポイント付与にしても、その内容は細かすぎて複雑怪奇。矛盾していたり、理解に苦しむものも少なくない。小売り業者も消費者も消化不十分だから、店頭ではトラブルが起きる心配もないではない。

牛丼店などの外食チェーンは、軽減税率への対応が分かれた。一部は店内での料金を引き下げ、持ち帰りの料金と同じにする。しかし、そうしないチェーンもあるので、お客は税込みの料金表をよく見る必要に迫られる。また、よく引き合いに出されるコンビニのケース。お握りを8%の税率で買って、いったん外へ。すぐ戻ってきてお茶を10%の税率で買い、店内のテーブルで食べたらどうなるのか。国税庁に問い合わさなければ、わからない。

中小小売店でキャッシュレスの買い物をすると、5%のポイントが付与されることになった。たとえば1000円の弁当を持ち帰りで買うと、税込み支払額は1080円で現在と変わらない。しかし10月以降はカードを使うと、50円分が帰ってくる。つまり実質的には80円だった消費税が30円に。これは減税に他ならない。だが中小小売店でもポイントが付かない店もあるから、これも消費者が見分けなければならない。

水道水には10%の消費税がかかる。しかしボトルに入った飲料水には軽減税率が適用され、税率は8%のまま。また医薬品は10%だが、いわゆるサプリメントは健康“食品”なので8%の税率だ。これなど、ちょっと理解に苦しむ。低所得者にとっては不利な税制改正になったと言えるだろう。医薬品はお持ち帰りだから、8%というわけにはいかないか。

       ≪6日の日経平均 = 上げ +113.63円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】   


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今週のポイント
2019-09-09-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 利下げ0.5%に賭けたNY市場 = アメリカでは、製造業を中心に景況感の悪化が目立ってきた。FRBが発表した地区連銀の経済報告では、12連銀のうち7連銀で「製造業の減速」が指摘されている。またISM(サプライマネジメント協会)の製造業景況指数は、3年ぶりに50を割り込んだ。8月の非農業雇用者数も13万人の増加にとどまっている。にもかかわらず株価は上昇、先週のダウ平均は394ドル値上がりした。

中国に対する第4弾の関税引き上げが発動されたが、同時に閣僚級の交渉再開も発表された。イギリスのEU離脱は、またまた延期されそうな雲行き。香港のデモも小休止になった。このように国際的なリスクは、多少とも緩和されている。そこへアメリカ経済への注意信号が点滅し始めた。これでFRBは中旬の会議で、0.5%の利下げに踏み切るだろう。市場はこの一点に期待を寄せたようだ。

日経平均は先週495円の値上がり。ニュ―ヨークの市況に引きずられた面が強い。加えて円相場が少し下落したことも幸いした。企業の減益傾向が明白となったが、株価はこれに目をつぶった形。今週もこんな地合いが続くかもしれないが、来週にはFRBの利下げが発表になる。そのあと目標がなくなると、株価はどう動くのだろうか。

今週は9日に、4-6月期のGDP改定値、7月の国際収支、8月の景気ウオッチャー調査。11日に、7-9月期の法人企業景気予測調査。12日に、8月の企業物価、7月の機械受注と第3次産業活動指数。アメリカでは11日に、8月の生産者物価。12日に、8月の消費者物価。13日に、8月の小売り売上高と9月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が10日に、8月の消費者物価と生産者物価を発表する。

       ≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ


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製造業は すでに景気後退 / アメリカ
2019-09-10-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 比重はGDPの11%と小さいが = 米中経済戦争の影響で、アメリカの製造業が苦境に陥っている。サプライ・マネジメント協会(ISM)が集計した8月の製造業景況指数は49.1で、好不況の境となる50を3年ぶりに割り込んだ。またFRBが発表したベージュブック(地区連銀経済報告)では、全米12地区のうち7地区が「製造業は鈍化」と報告している。自動車、鉄鋼、電機、半導体など幅広い業種で業績が下向いており、アメリカの製造業が景気後退に入ったことは間違いない。

この結果、全体の設備投資にも陰りがみえてきた。4-6月期のGDP成長率は2.0%だったが、企業の設備投資は3年ぶりにマイナスとなっている。また8月の農業を除く雇用者増加数は、予想を大きく下回る13万人にとどまった。ここでも製造業の伸びの急減が主たる原因になったと指摘されている。

アメリカのように成熟した経済では、製造業が全体に占める比重はきわめて小さくなっている。GDPに占めるその比重は約11%に過ぎない。これに対してサービス業は、約70%の比重だ。その中核となっている小売業は、いまのところ関税戦争の影響が薄いためにまだ売上高は伸びている。しかし安心は出来ない。

というのもトランプ政権が9月から発動した第4弾の関税引き上げは消費財が中心。その影響はこれから現われてくるからだ。また製造業の雇用が伸びなければ、消費支出も次第に減ってくる。ISMの非製造業景況指数はまだ50を上回っているが、その水準は2年11か月ぶりの低さに落ちた。鉄鋼や自動車などの生産工場が集中しているのは、主としてトランプ大統領の票田地帯。これが選挙にどんな結果をもたらすのか。

       ≪9日の日経平均 = 上げ +118.85円≫

       ≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ


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成長率は 大幅な下方修正 : 4-6月期
2019-09-11-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 米中経済戦争の黒い影 = 内閣府は9日、4-6月期のGDP改定値を発表した。それによると、年率換算した実質成長率は1.3%。速報値の1.8%から大幅に下方修正された。前1-3月期の2.2%成長に比べても、鈍化は著しい。理由は法人企業統計の調査で、企業の設備投資が予想以上に減退したことにある。この調査で、設備投資は前年比6.9%の減少だった。

この結果、GDP統計でも企業の設備投資は、速報値の1.5%増が0.2%増に引き下げられている。他の需要項目をみると、最もウエートが大きい個人消費支出は2.4%増で、速報値と変わらなかった。また住宅投資は、速報値の0.2%増から0.1%増へと下方修正。その一方で、公共投資は1.0%増から1.8%増へと上方修正されている。

企業の設備投資が減退したのは、米中経済戦争の影響が大きい。中国向けを中心に輸出が伸び悩んだことから、製造業の業績が悪化。米中交渉の見通しも判然としないことから、設備投資意欲が阻害されたものと考えられる。GDPの速報値が発表された8月上旬の時点ではまだ表面化していなかったが、ここへきて経営者の不安がGDP統計にも反映されるようになったと言えるだろう。

問題は先行きだ。米中経済戦争は長期化する兆候をみせているから、設備投資の鈍化傾向は今後も続く可能性が大きい。現状は輸出との関係が薄い内需が、成長を支える形になっている。GDPの需要項目で言うと個人消費だが、その動向が10月からの消費増税でどうなるか。設備投資に加えて個人消費までが不調になると、成長率は確実にマイナスに転落する。最大の関心事だ。

       ≪10日の日経平均 = 上げ +73.68円≫

       ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ


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陥し穴にはまった 郵政民営化 (上)
2019-09-12-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 株価の暴落でお先真っ暗 = いまから15年前の04年9月、小泉内閣が郵政民営化を閣議決定した。これを受けて07年4月に、国営だった郵便・貯金・保険の3事業が民営化。国はその後の10年間に、保有する株式の大半を売却することになった。そして07年10月には、日本郵便・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険の3社を傘下に抱える日本郵政グループが誕生している。

このグループの株式保有関係は、ちょっとややこしい。まず親会社の日本郵政が日本郵便の株式を100%、ゆうちょ銀行の株式を89%、かんぽ生命の株式を65%保有する。その親会社・日本郵政の株式を、国が57%保有するという構図だ。国は民営化を進めるため、これまでに保有する約45億株のうち10億5000万株を売り出している。

ことしも政府はこの9月に、第3次の売り出しを予定していた。特に今回は1兆2000億円の収入を見込み、これを東日本大震災の復興資金に充当することを決めている。ところが、思わぬ大問題が発生した。かんぽ生命が顧客の不利になると判っていながら、18万件もの不都合な契約を結んでいたという事件が発覚。

日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の株価が暴落した。この3社の時価総額は15年2月のピーク時で19兆円を超えていた。それが現在では、半分程度にまで減っている。これでは政府も、株式を売り出すわけにはいかない。政府の株式保有比率が減らないと、郵政グループの民営化は進められない。計画は一頓挫、お先真っ暗になった。

                                  (続きは明日)

       ≪11日の日経平均 =上げ +205.66円≫

       ≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ


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陥し穴にはまった 郵政民営化 (下)
2019-09-13-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 修復には何年もかかる? = 日本郵政グループは、いま大きな問題をいくつも抱えている。たとえば郵便局は、電子メールなどの普及で取扱量の減少が止まらない。その半面、ネット通販が増大して宅配便は人手不足。その調整がうまくできない。土曜日の郵便配達を止めたいが、それには法律の改正が必要だ。ゆうちょ銀行が年6000億円、かんぽ生命が4000億円の販売手数料をを郵便局に支払うことで何とかつじつまを合わせているが、銀行にとっても生保にとっても、これが大変な重荷となっている。

日本郵政としては、全国に展開する郵便局や社宅を活用して、不動産業務にも乗り出したい。また海外にも進出したい。だが、これも法律改正が必要で、そのためには民営化が条件になってくる。今回の第3次株式放出でその基盤を固める計画だったが、かんぽ生命の思わぬ不祥事で、その戦略も挫折してしまった。

日本経済全体が活況を持続している時代ならば、事態の修復はそれほど難しくないのかもしれない。しかし将来展望が不透明な現状では、正常化には多くの時間を要しそうだ。なにしろ3社の株価を、いまの2倍にしなければ話が始まらない。関係者は修復に要する時間は「1年や2年では済まないかも」とみているようだ。

今回の不祥事は、日本郵政グループが「まだ親方日の丸意識から抜け出せていない証拠」だと指摘する人も多い。だとすると問題の修復には、さらに多くの時間が必要になるかもしれない。たしかに大事件を惹き起こしたにもかかわらず、責任官庁である総務省からは何のコメントもなし。もちろん責任を追及する声も上がらなかった。15年前に民営化を閣議決定した小泉純一郎元首相は、いま何を想うのだろうか。

       ≪12日の日経平均 = 上げ +161.85円≫

       ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ


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中小企業って 何だろう??
2019-09-14-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 実はものすごく複雑な定義 = 消費増税に伴って、キャッシュレス決済のポイント還元制度が始まる。小規模な店舗では5%が還元されるから、消費者にとっては見過ごせない。なにしろ現在たとえば1万0800円の代金が、実質的には1万0300円になる計算。うまく活用すれば、10月からは増税でなく、減税になるとも言えるわけだ。

この5%のポイント還元を実施するのは、中小企業のお店だけ。新聞などでは、中小企業というのは「資本金5000万円以下もしくは従業員50人以下」の商店と解説しているところが多い。ところが、この記事を読んで「これが中小企業の定義だ」と覚え込んだら、大間違い。中小企業の定義は、ものすごく複雑なのだ。

「資本金5000万円以下もしくは従業員50人以下」というのは、中小企業基本法による小売業の場合を指すだけ。同法では、製造業・建設業・運輸業などは「資本金3億円以下もしくは従業員300人以下」と定義されている。またサービス業は「5000万円以下もしくは100人以下」となっているから、5%還元の出来るお店も小売り業とは微妙に違ってくる。

調べてみると驚いたことに、中小企業を定義づけた法律は21もあった。たとえば法人税法では「資本金1億円以下」であり、会社法では「資本金5億円未満かつ負債総額200億円未満」となっている。ポイント還元を実施するお店は、国から補助金を受けられる。このため、資本金をあわてて5000万円に減らす企業も少なくないそうだ。

       ≪13日の日経平均 = 上げ +228.68円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   


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今週のポイント
2019-09-16-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日米ともに株価は連騰 = ダウ平均株価は先週422ドルの値上がり。先々週から続けて8日間の連騰となっている。18年5月以来の記録で、この間の上げ幅は1100ドルに達した。終り値はことし7月の史上最高値まで、あと139ドルの水準に迫っている。アメリカとヨーロッパの金融緩和。それに米中間の閣僚級協議の再開を前に、両国が強硬な姿勢をやや和らげたことが投資家を安心させた。

日経平均も先週は789円の値上がり。こちらも先々週から数えて9日間の連騰。17年10月以来の記録だった。この間の上げ幅は1368円に達した。終り値は4か月半ぶりの高値となっている。ニューヨークの株価が上がると、東京の割安感が改めて意識される。加えて円相場が1円ほど下落したことも、買い材料になった。

アメリカも日本も、実体経済の動きは芳しくない。にもかかわらず株価が上がるのは、カネ余りだからに他ならない。今週も18日にはFRBが2度目の利下げに踏み切るだろう。それを材料に、株価はさらに連騰記録を伸ばすのか。それとも実体経済の陰りに目が行き、いったんは調整に入るのか。そんなとき、中東情勢が一気にキナ臭くなった。

今週は18日に、8月の貿易統計と訪日外国人客数。19日に、7月の全産業活動指数。20日に、8月の消費者物価。アメリカでは17日に、8月の工業生産と9月のHAHB住宅市場指数。18日に、8月の住宅着工戸数。19日に、8月の中古住宅販売と9月のカンファレンス・ボード景気先行指数。また中国が16日に、8月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。なお18日には、FRBが利下げを決定する見込み。

       ≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ


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危険! サウジ攻撃の 延焼性 (上)
2019-09-18-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 原油の国際価格が急騰 = サウジアラビアの重要な石油関連施設が14日早暁、無人機に攻撃されて炎上した。東部のアブカイクとクライスにある2箇所の精製工場とみられ、損害は甚大。サウジ政府によると、日産570万バレルの生産停止に追い込まれたという。この量はサウジが生産する原油の約半分、世界全体の供給量の5%に当たる。ニューヨークやロンドンなどの国際市場では、たちまち原油価格が10%以上も急騰した。

隣国イエメンの反政府勢力フーシが、犯行声明を出した。しかしアメリカはいち早く、イランの犯行だと断じている。その根拠は、被害の状況からみて無人機は北東方向から侵入したと判断されること。またイエメンからだと1000キロ以上も飛行したことになり、正確に重要な施設を破壊することは難しいなど。しかし、とにかくイランがフーシ派を支援していることは間違いなく、無人機を供与していることも確かだとみられている。

サウジ政府によると、施設の修復には「数週間かかる」という。この間は世界的に原油の供給量が減るわけで、アメリカ政府は非常用に備蓄している原油の放出を決めた。最近の原油価格はOPEC(石油輸出国機構)の減産にもかかわらず、世界的な需要の減退とアメリカのシェール増産で、ずっと1バレル=60ドルを下回っていた。それが今回の事件で100ドルに向かうという見方も出始めている。

サウジアラビアの原油生産量は、世界全体の12.7%を占める。日本にとっては最大の原油輸入先で、全体の38%がサウジ産油だ。したがってサウジの生産量が長期にわたって回復しなかったり、国際価格が高騰すれば、日本への影響はきわめて大きい。景気にとっては大きなマイナス要因、円相場にも上昇圧力が働く。しかも今回の無人機による攻撃事件は、これから多方面に燃え広がる危険性を持っている。

                                 (続きは明日)

       ≪17日の日経平均 = 上げ +13.03円≫

       ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ


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危険! サウジ攻撃の 延焼性 (下)
2019-09-19-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 当面の焦点はサウジの報復 = 原油の供給面だけからみると、被爆したサウジアラムコ会社の重要施設が、サウジ政府の言う通り「数週間で復旧できる」のかどうか。テレビ画面で見た限り、損傷はもっと大きいような印象を受けた。復旧が長引けば、世界経済に与える悪影響も予想以上に大きくなる危険性がある。国際原油価格がどこまで上がるかを、慎重に見守る必要がありそうだ。

政治的には、予測不能な点が多い。まずサウジアラビアが報復手段に訴えるのかどうか。おそらく報復する可能性が強いが、イエメンを攻撃するのか。それともイランに照準を合わせるのか。いずれにしても無人機の製作拠点などを徹底的に破壊する作戦に出るのではないか。そうすると中東での緊張感は、一気に高まることになる。

サウジアラビアがその準備を整える前にも、無人機による再攻撃があるかもしれない。こうした情勢に陥ったとき、トランプ大統領がどんな行動に出るのかも不明である。サウジとイランが一触即発の状態になった場合、もしアメリカがサウジを全面的に支援すれば、問題はアメリカ対イランの直接対決に発展しかねない。イランがホルムズ海峡を閉鎖する手段に出る可能性だって、否定はし切れない。

イエメン国内のフーシ派は、ことし5月と8月にもサウジのパイプラインや天然ガス施設を攻撃したことがあった。しかし損傷はそれほど大きくなく、サウジは報復を限定的なものにとどめている。だが今回の傷跡は大きく、大規模な報復に出る危険性は高い。最悪の場合は、第5次中東戦争になる結果も否定はできない。日本はエネルギーの確保に向けて、対応策の立案を急いだ方がいい。

       ≪18日の日経平均 = 下げ -40.61円≫

       ≪19日の日経平均は? 予想 = 下げ


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景気は↘ 株価は↗ どうして?
2019-09-20-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 実体経済との乖離が進む株価 = 世界経済はゆっくりしたスピードで悪化している。米中経済戦争の影響で輸出が縮小。生産の減退で、特に製造業の状態が悪い。その一方で非製造業が頑張っているから、全体の景気が急落することは免れている。しかし世界全体の景気が下降局面に入っていることは明らかだ。IMF(国際通貨基金)も最近の試算で、19年と20年の世界の成長率予測を下方修正した。

景気が下向けば、企業の業績が悪化することは当然だ。たとえば主要企業の4-6月期の決算をみると、アジア諸国の純利益は21%の減少。日本の上場企業も7.3%の減益となった。アメリカはまだ3.8%の増益を維持しているが、ここ数年の2ケタ増益からみると業績はかなり悪化している。先行きについても、悲観的な見方が次第に広がってきた。

企業の業績が下向けば、株価は下がるはずである。ところが最近の株価は、まるで好景気のさなかのように上昇している。たとえばダウ平均は、先週末まで8日間の連騰。史上最高値まであと140ドルにまで迫っている。日経平均も9日間の連騰。ほぼ2万2000円の水準を回復した。なぜだろう。

最大の要因は、想像を絶するほどの世界的なカネ余り。そして次の要因は、米中経済戦争やイギリスのEU離脱問題などが長く続いたことで、投資家が慣れてきたこと。こうした国際問題は必ずしも緊張の連続ではなく、時たま中休みを生じる。すると投資先をなくしていた過剰な資金が、どっと株式市場に戻ってくる。こういう循環が続いて、株価は上昇してきた。だが株価と実体経済の乖離は、次第に拡大しつつある。どこかで限界に達すると思うのだが・・・。

       ≪19日の日経平均 = 上げ +83.74円≫

       ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ


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100歳以上が 7万1238人に
2019-09-21-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 長生きすればいいわけではない = 厚生労働省は9月15日時点の人口を推計して発表した。それによると、総人口は1億2617万人で前年比26万人の減少。このうち65歳以上の高齢者は3588万人で、前年より32万人増えた。全人口に占める割合は28.4%、25年には30%に達する見込みだ。国際的にみても2位のイタリア23.0%、3位のポルトガル22.4%より、かなり高い。

厚労省はまた100歳以上の人口も発表した。それによると、満100歳を超えた長寿者の人数は7万1238人。1963年の統計では、わずかに153人だったが、98年には1万人を突破。さらに平成の30年間には23倍に増えて、7万人台に載せている。医療や生活環境の向上が貢献した。人口比率で最も多いのは高知県、次いで鹿児島県となっている。

ただ、いちばん気がかりなことは、100歳以上のお年寄りが健康な生活を送っているのかどうか。7万人のうち、どれほどの人が元気で暮らしているのか。人口を推計する場合は、健康かどうかまでを推定することは難しい。しかし100歳以上の調査は各自治体からの報告を積み上げているので、健康度の調査は簡単にできるだろう。

ふつう、高齢者の健康度は“健康寿命”で計られることが多い。これは介護を必要とするかどうかが、見極めの基準になっている。だが100歳以上の人にとって、この基準は厳ししぎるに違いない。たとえば介護は受けていても、杖を突けば歩けるか。自分の意志でモノが食べられるかなど、新しい指標を作ったらどうだろう。本格的な長寿社会を迎えて、人口統計も視点を改めるべきである。

        ≪20日の日経平均 = 上げ +34.64円≫

        【今週の日経平均予想 = 1勝3敗】   


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今週のポイント
2019-09-23-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 手がかりを失ったNY市場 = FRBは18日、追加の利下げを決定した。だが引き下げ幅は最小の0.25%だったため、完全に織り込んでいた市場の反応は鈍かった。むしろ0.5%の引き下げを期待していた投資家を失望させたほど。また次官級で再開した米中間の貿易交渉も、全く進展なし。ニューヨーク株式市場は、この2つの手がかりを失った形で4週間ぶりに反落した。ダウ平均は先週284ドルの値下がり。

日経平均は先週91円の値上がり。これで3週間の続伸、5か月ぶりに2万2000円台を回復した。アメリカの利下げにもかかわらず、円相場が50銭ほどの上昇にとどまったこと。サウジアラビアの石油関連施設炎上が、価格の急騰を招かなかったことが安心材料になっている。しかし市場の空気は、そんなに明るくはない。

買い材料には乏しいが、投資先がないので株価が少し下がれば買いが入る。だがアメリカでも日本でも、実体経済と株価の乖離が進んでいる。だから大幅な上昇は望めない。今週もニューヨークでは、こんな状況が続くだろう。一方、東京は来週に迫った消費税の引き上げに全神経が集中せざるをえない。個人消費の動向が判明する10月半ばまでは、警戒感が付きまとうだろう。

今週は25日に、8月の企業向けサービス価格。27日に、東京都区部の消費者物価。アメリカでは24日に、9月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。25日に、8月の新築住宅販売。26日に、4-6月期のGDP確定値と8月の中古住宅販売が発表される。

       ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ


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トランプ大統領の 大きな誤算
2019-09-25-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 中国の耐久力を見誤った = トランプ大統領が中国製品に対する関税引き上げ第1弾を発動したのは、昨年7月だった。その後も第4弾まで輸入規制を拡大。現在では輸入する中国製品のほとんどに、高い関税がかけられている。このため中国の対アメリカ輸出は大幅に減少、たとえば8月の輸出額は前年比16%も減った。鉱工業生産が低迷し、GDP成長率も政府が目標とする6%を割り込みそうだ。ところが中国政府は音をあげず、貿易交渉でもアメリカに譲歩をしてこない。

この中国の粘り強さは、トランプ大統領にとって予想外だったに違いない。歴史的にみても、中国人の耐久力の強さは証明されている。しかも現在の中国は共産党の一党独裁で、財政や金融政策を意のままに動かせる。企業や国民の不満も、割と簡単に抑え込める。習近平主席は、長老会議で一任を取り付けるなど万全の態勢を整えていた。

ひるがえってアメリカの状況をみると、中国製品の流入を抑制したにもかかわらず、鉄鋼や自動車の業績は一向によくならない。中国側の報復関税によって、農業は大きな打撃を受けている。また消費財の値上がりで、小売り業界や消費者からの苦情も出始めた。ところが財政は議会、金融はFRBが権限を握っているから、トランプ大統領といえども中国のようにすべてを動かすことはできない。

来年11月には大統領選挙。もう前哨戦はスタートした。このまま進んで行くと、米中経済戦争は大統領選挙のマイナス要因になりかねない。そこで戦術転換。その第1歩として、強硬派のボルトン補佐官を切り捨てた。新しい方向は、懐柔戦術だろう。さて具体的に、どんな手を打つか。いまトランプ氏は、その具体策とタイミングを計ることに腐心しているに違いない。

       ≪24日の日経平均 = 上げ +19.75円≫

       ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ


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悪路にはまった 自動車産業 (上)
2019-09-26-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日本以外は軒並み販売不振 = 世界中の自動車メーカーが、新車の販売不振に苦しんでいる。特に凋落が著しいのは、世界最大の市場である中国と、第5位のインド。ほかにアメリカやヨーロッパ諸国、東南アジアなどでも、販売台数の前年割れが目立っている。その原因はいろいろだが、共通点は景気が下降していること。そうしたなかで、日本だけが前年比プラスの傾向を保っている。

中国の8月の新車販売台数は196万台。前年比で6.9%の減少だった。これで前年割れは14か月連続。昨年は年間ベースで28年ぶりに前年を下回ったが、ことしも前年割れとなるのは確実とみられている。景気の減速で家計債務が増大していること。米中経済戦争への不安。さらに株価の下落などが原因だ。政府は交通渋滞を緩和するための発売規制を撤廃するなどの対策を講じているが、その効果はまだ現われていない。

インドの状態は、想像を絶するほどだ。7月の新車販売台数は前年比30%減、続いて8月も33%の減少となった。大手金融機関が債務不履行を惹き起こし、自動車ローンを借りにくくなったことが最大の原因。この結果、タタ自動車が4-6月期決算で最終赤字に転落。この1年半で、270の販売店が倒産した。世界のなかの市場規模も、ドイツに抜かれて4位から5位に落ちている。

アメリカの新車販売も、4-6月期は前年比1.5%の減少。EUは5月までで9か月連続の前年割れとなった。またインドネシアは7月に前年比17%の減少、マレーシアも26%の減少となっている。こうしたなかで、日本は7月が前年比4.1%、8月が6.7%と増加を続けている。ただ10月以降は消費増税の影響が、どう現われるか。見通しは難しい。

                               (続きは明日)

       ≪25日の日経平均 = 下げ -78.69円≫

       ≪26日の日経平均は? 予想 = 上げ


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悪路にはまった 自動車産業 (下)
2019-09-27-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 歴史的な転換期に突入? = 世界的な自動車販売の不振は、各国経済の鈍化が主たる原因だ。加えて国ごとに、固有の問題点も指摘されている。たとえばインドの金融不安によるローンの貸し渋り、中国の過剰になった個人の債務など。だが、それだけではなく現在の自動車業界は、歴史的にみて大きな転換点にさしかかったという見方も強まっている。

たとえば急速に発展してきたEV(電気自動車)化の問題。11年ごろから急増しており、18年には世界で140万台近くが売れた。ガソリン・エンジンに比べると電気モーターの構造は圧倒的に簡単で、異業種が新規に参入しやすい。それだけ競争は激しくなる。従来からの自動車メーカーは、むしろ不得手なバッテリーの分野で競わなければならない。

さらに自動運転の問題。技術開発は進んだが、完璧な安全性はまだ望めない。もし事故が起きると、メーカーの賠償責任はどうなるのか。事故を起こした車種の売れ行きは、致命的に減少してしまうだろう。ほかにもガソリン車についての排ガス規制。また車を保有しないシェアリングの普及。若者の車離れ・・・業界にとっては大問題が山積している。

T型フォードが発売されてから110年あまり。自動車産業は、多くの国にとって経済を支える主柱となった。メーカーだけでなく、部品や販売など関連産業も幅広い。その自動車業界がいま販売不振に悩んでいるが、これが一時的な現象なのか。それとも大変動が起こる前触れなのか。転換期に突入した可能性の方が強いと思う。

       ≪26日の日経平均 = 上げ +28.09円≫

       ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ


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進次郎氏 大臣修行の旅立ち
2019-09-28-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 環境大臣ではモノ足りない? = 小泉進次郎氏が環境相に就任してから10日。早くも話題をまき散らしている。まず就任直後の記者会見では、福島原発の汚染水について原田前環境相が「海洋放出しかない」と発言したことを批判。海洋放出はしないという姿勢を明らかにした。続いて22日には国連本部で開かれた気候変動問題に関する会合で演説。温暖化ガスの排出抑制について「日本は本気でやる」と大見えを切っている。

しかし環境相の権限は、きわめて限られている。汚染水を放出するかどうかの決定権は経済産業省が握っており、環境省は海が汚染されなければ仕事にならない。温暖化ガスの放出抑制も、管轄は経産省。たとえば再生可能エネルギーを増やす政策をとるかどうか、の決定権も環境省にはない。

進次郎氏が、個人の意見を述べるのは勝手だ。だが大臣として公の場で発言すると、ふつうの人は政府の方針が変わると判断してしまう。特に国連でのスピーチは、聴衆が外国人だ。日本の環境省がどんな権限を持っているかなど、知る由もない。話の内容が正しいとしても、これは一種のフェイク・ニュースになってしまう。

聡明な進次郎氏のことだから、この辺のことは十分にご存じなのだろう。でも、やっぱり言い方にはもう少し注意した方がいい。また閣僚の一人として、総理大臣や経済産業大臣を説得することも可能だ。有権者の多くは、若い大臣の突発的な発言よりも、そういう能力に期待しているのではないか。

       ≪27日の日経平均 = 下げ -169.34円≫

       【今週の日経平均予想 = 2勝2敗】   


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今週のポイント
2019-09-30-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ いよいよ10月入り = ダウ平均は先週115ドルの値下がり。これで4-9月期は891ドルの上昇となった。FRBの政策金利引き下げや米中交渉の再開などに助けられたが、基本はカネ余りによる金融相場。しかし世界経済は下向いているので、上値は重かった。10月に入っても状況は変わらず、米中交渉に進展がみられるか。10月末に予定されるイギリスのEU離脱がどう転ぶかなどが、いぜん焦点となるだろう。

日経平均は先週200円の値下がり。4-9月期では673円の上昇だった。ただ、こちらは9月になってから割安感が意識され、28日までの上昇幅は1100円を超えている。国際的な環境はニューヨークと同じだが、東京の場合は消費増税の影響が不安要因の一つになってしまう。まだPER(株価収益率)は12倍台と低いが、大幅な上昇はムリだろう。

あす10月1日は、中国の建国70周年。ここで習政権が財政面からの景気テコ入れ策を打ち出すかどうか。また中国では7連休となるので、来日する旅行者数は増えるに違いない。ただ全体としてみれば、株価と実体経済との乖離はますます増大して行く。たとえば1日に発表される日銀短観、4日に発表されるアメリカの雇用統計が、その乖離を浮き彫りにするかもしれない。

今週は30日に、8月の鉱工業生産と商業動態統計。1日に、9月の日銀短観と新車販売、8月の労働力調査。2日に、9月の消費動向調査。アメリカでは1日に、9月のISM製造業景況指数。3日に、9月のISM非製造業景況指数。4日に、9月の雇用統計と8月の貿易統計。また中国が3日に、9月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

      ≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ


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