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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
大きかった 駆け込み需要
2019-11-01-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 心配な10月以降の反動減 = 消費増税前の駆け込み需要は、事前の予想を上回る大きさだった。経済産業省が30日発表した9月の商業動態統計によると、小売業の販売高は12兆5890億円。前年比で9.1%の増加だった。前回14年4月の引き上げ時には直前3月の増加率は11.0%だったから、それに近い駆け込み需要があったことになる。今回は軽減税率の導入などにより抑えられるとみられていたが、実際の伸び率は意外に高くなっていた。

業種別にみると、機械器具小売業が37.9%の増加と高い伸び。冷蔵庫・洗濯機・エアコン・テレビ・パソコンなどが、大きく売り上げを伸ばしている。自動車小売業は16.9%の増加。医薬品・化粧品小売業も16.4%の販売増加だった。また業態別では、デパートが22.1%の増加。家電量販店は52.4%と大きく伸びた半面、駆け込むような商品が少ないコンビニは0.2%の減少となっている。

消費税率が5%から8%に引き上げられた前回14年には、駆け込み需要の反動減が長く続き、経済の低迷を長引かせた。政府はこれに懲りて、今回は消費の平準化を図る方策をいろいろと導入。このため今回は駆け込み需要も3-5%の増加にとどまるという見方が大勢を占めていた。にもかかわらず、こういう結果が出たことは驚きをもって迎えられている。

問題は10月以降の反動減だ。米中経済戦争の影響で、いま日本の輸出は大きく落ち込んでいる。そこへ消費の減退が加われば、景気は急激に下降しかねない。政府は台風・大雨の被害対策として2-3兆円の補正予算を組もうと考えているが、もっと本格的な景気対策が必要になるかもしれない。

       ≪31日の日経平均 = 上げ +83.92円≫

       ≪1日の日経平均は? 予想 = 下げ


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予測不能! イギリスの行き着く先
2019-11-02-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 12月12日の総選挙は決まったが = イギリス下院は29日、総選挙を12月12日に実施する特別法案を賛成多数で可決した。ジョンソン首相が提出したこの法案に、最大野党の労働党が一転して賛成したためである。EU離脱の可否を巡る判断を再び国民に問う形となったが、最終的にどんな結果に落ち着くかは全く予測不能。いぜんとしてロンドンは、深い霧に包まれている。

これまで解散・総選挙に反対してきた労働党が、急に賛成に回った。これについて、労働党のコービン党首は「EUが離脱期限を1月31日まで延長したことによって、“合意なき離脱”が避けられる見通しになったため」と説明している。この言い方から判断すると、労働党は“合意ある離脱”なら賛成するようにも思われる。もしそうなら、総選挙での争点は離脱に対する可否ではなくなってしまうだろう。

その一方で労働党は「総選挙で勝ったら、再び国民投票で離脱の可否を問う」とも言っている。つまり総選挙の結果では「離脱か残留か」は決まらないことになる。片やジョンソン首相が率いる保守党の方は、総選挙で勝てば1月末までに断固として離脱する姿勢だ。ここでは「国民投票の結果を総選挙で再確認できるのか」が問題になりかねない。

いま保守党の議席は298で、過半数の325議席には達していない。選挙の結果でも過半数に届かなければ、他の党と連立を組まなければならないことになる。しかし「離脱賛成」を掲げる政党は、ほとんどない。さらに保守党のなかには“残留派”もいる半面、労働党のなかには“離脱派”もいる。選挙の結果どうなるかは、全く見通せない。

       ≪1日の日経平均 = 下げ -76.27円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   


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今週のポイント
2019-11-04-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 史上最高値の更新ねらうダウ = ダウ平均は先週389ドルの値上がり。週末の株価は、7月に付けた史上最高値まで12ドルの水準に接近した。SP500は新高値を更新している。FRBによる3度目の利下げと、米中首脳会談で部分合意が文書化されるという期待が株価を押し上げた。企業の業績が予想ほど悪くならないという見通しも、安心材料になっている。

日経平均は先週51円の値上がり。ニューヨーク市場の活況に引きずられて年初来高値を更新したが、利益確定売りも現われて押し戻された。アメリカの金利低下で為替がやや円高に振れ始めたことも、警戒要因となっている。10月は5.4%の上昇だったが、11月もこの調子が続くかどうか。

ダウ平均は今週、おそらく新高値を更新するだろう。だがFRBのパウエル議長は、予防的利下げの一旦停止を示唆したから、当面は金融緩和を買い材料にはできなくなる。よくみると、マクロ経済にもミクロ経済にも好材料は見当たらなくなっている。残るは米中経済戦争の鎮静のみ。すると市場の視点は、来月スペインで実現しそうなトランプ・習会談に集中することになるだろう。

今週は8日に、9月の毎月勤労統計、家計調査、景気動向指数。アメリカでは5日に、9月の貿易統計と10月のISM非製造業景況指数。8日に、11月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が8日に、10月の貿易統計。9日に、10月の消費者物価と生産者物価を発表する。

       ≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ


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雇用情勢に 一条の影
2019-11-06-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 一時的な陰りなのか? = 総務省が1日発表した9月の労働力調査によると、完全失業率は2.4%で前月より0.2ポイント悪化した。正規に雇用された職員・従業員数は3481万人だったが、前年より9万人減少している。また厚生労働省が同じ日に発表した有効求人倍率は1.57倍で、相変わらず水準は高いが前月より0.02ポイント低下した。新規の求人数は前年比1.5%の減少、特に製造業の11%減が目立っている。

アメリカ労働省が発表した10月の雇用統計によると、最も注目される非農業雇用者の増加数は12万8000人だった。製造業の雇用者は3万6000人減っている。GMの長期ストによる影響が大きい。一方、保険・介護部門の雇用者は3万4200人増加している。これで雇用者の増加数は、1-10月間の平均で16万7000人となった。昨年の月間平均22万3000人に比べると、かなりペースは落ちてきている。

今回の景気上昇期にあっては、日米ともに雇用の堅調ぶりが大きな特徴となっている。その理由は①若者が力仕事を敬遠しがち②高齢化で医療・介護の仕事が急増③生産年齢人口の伸び悩みーーなど。このうち生産年齢人口の伸び悩みは、日本では少子化ガ原因。アメリカではベビーブーム時代に生まれた4200万人が、今後10年間に退職することが原因だ。

日米ともに、雇用の状態はまだまだ堅調。したがって、心配をするのは時期尚早だろう。だが雇用を堅調にしている3つの原因は、少しも変わっていない。それなのに雇用者数や求人倍率がやや緩んだのは、やはり景気が悪くなってきた兆しなのかもしれない。その意味では、今後の雇用動向には注意が必要だ。

       ≪5日の日経平均 = 上げ +401.22円≫

       ≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ


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カネ余り相場の 実態 (上)
2019-11-07-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 株式・債券・原油・金がそろって値上がり = ニューヨーク市場では、いま歴史的にみても珍しい現象が起きている。株式と債券、それに原油と金の価格がそろって上昇。いずれも年初来2ケタの値上がりだ。こんなことは、かつてなかった。世の中にあり余ったおカネが、行き先を求めて4つの市場に流れ込んだ結果である。こうした異常な現象は、いつまで続くのだろうか。

株式市場をみると、ダウ平均はほぼ史上最高値の水準で推移している。年初からの上げ幅は4000ドル、率にして17%だ。SP500も新高値を更新した。債券や原油、金も大きく値上がりしている。過去の経験からすると、投機資金はこれらの市場を循環することが多い。たとえば株が下がると資金は株式市場から金市場に移り、金の価格が上昇した。ところが今回は、すべての市場にカネがとどまっている。だから、どこも下がらない。それだけ資金量が豊富な証拠だろう。

資金の最大の供給源は、各国中央銀行による金融の大幅な緩和である。BIS(国際決済銀行)の調べによると、アメリカ・ヨーロッパ・日本の国債発行残高は約37兆ドル。その多くを中央銀行が買い入れている。その結果、日米欧の中央銀行による資金供給量は、ことし7月末で11兆6000億ドル(約1300兆円)にのぼった。これらの資金の一部は金融機関に滞留、信用創造を通じて肥大している。

QUICKファクトセット社の推計によると、日米欧に中国を加えた主要企業が保有する手元資金は12兆ドル。これらの資金がすべて市場に出てくるわけではないが、一部は投機にも使われている。また企業の自社株買いが盛んだが、これも資金の大きな供給源になっている。ほかにも各国の年金ファンドや一般から資金を集めるヘッジファンドなど、資金の供給源は数え切れない。

                                  (続きは明日)

       ≪6日の日経平均 = 上げ +51.83円≫

       ≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ


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カネ余り相場の 実態 (下)
2019-11-08-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 怖ろしいのはバブル崩壊 = 「10月の雇用者増加数が12万人台にまで縮小」「7-9月期の企業業績は減益」「米中経済摩擦は長期化」ー-常識的には、いずれも株価の引き下げ要因だ。ところが株価は下がらない。市場は「雇用者増加数は予測より大きかった」「企業業績はすぐ回復する」「米中関係はこれ以上悪くならない」という理屈をつけて、買い材料に変えてしまう。売っても資金を回す先がないからだ。

アメリカと中国に加えて、EUまでが関税引き上げ競争に参入。世界の貿易量は縮小し、製造業が苦境に立たされている。そこで市場は貿易関連で悪いニュースが伝わると外需株を売り、内需株に乗り換える。貿易関連の状況が小康状態になると、また外需株を買い戻す。そうして株価は上昇するが、しだいに実体経済との乖離は広がらざるをえない。

世界各国の経済に、下向きの圧力が加わっていることは確かである。各国の経済指標をみても、暗い数値が増えてきた。IMF(国際通貨基金)やOECD(経済協力開発機構)などの国際機関も、経済予測を次々と下方修正している。景気が悪くなると、金融機関は安全度の低い企業への貸し出しを増やしやすい。安全度の低い企業は、比較的高い金利の社債を出して資金を確保しようとする。

こうして金融バブルが進行する。だが景気の悪化に耐えられず安全度の低い企業が行き詰まると、バブルは崩壊する。金融機関が不良債権を処理し切れなくなると、金融不安が発生する。リーマン・ショックの再来だ。そのショックがいつ来るかは不明だし、必ず来るとも断定はできない。しかし最近の株価をみていると、バブルは不気味に成長していると思われる。

       ≪7日の日経平均 = 上げ +26.50円≫

       ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ


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女性の地位が低すぎる 日本
2019-11-09-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ アジアのなかでも最低ランク = 「日本は先進国のなかで最低」ー-昨年末、WEF(世界経済フォーラム)がこんな報告書を発表して話題になった。ジェンダー・ギャップ、つまり男女格差が最も著しいという指摘である。ところがマスターカード社が最近発表した同様の調査をみると、日本はアジア・太平洋地域14か国のうち12番目という結果だった。先進国どころか、新興国に比べても成績不良ということになる。

この調査は①事業を経営しているか②管理職の割合③労働力参加率④高等教育への入学率⑤正規社員率ーーの5項目について、男性を100とした女性の数値を算出している。対象となった国・地域は、オーストラリア・中国・香港・インド・インドネシア・日本・マレーシア・ニュージーランド・フィリピン・韓国・インド・台湾・タイ・ベトナム。

この5項目中、日本は②管理職では15.0で最低。③労働力参加率と⑤正規社員率では7番目。④高等教育への入学率と①事業経営は12番目という結果だった。このため総合点では64.8という成績で、14か国中12番目。第1位はオーストラリアで83.3。タイやフィリピンも日本より上で、日本より悪かったのは韓国とインドだけだった。

政府は85年に男女機会均等法を成立させ、その後も数多くの対策を講じてきた。しかし結果が付いてこないのは、なぜだろう。産休や育休、保育所の問題など、いろいろ議論されているが、どうも政策目標が目先の人手不足解消に向き過ぎているように思われる。もっと女性自身が「男性に伍して働きたい」と思うようになる政策が、求められるのではないか。

       ≪8日の日経平均 = 上げ +61.55円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】  


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今週のポイント
2019-11-11-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ トランプ頼りの株価上昇 = ダウ平均は先週334ドルの値上がり。3週間の連騰で、史上最高値を更新した。7-9月期の企業業績は、わずかながら減益に。それでも株価は続伸した。このため市場内では「バブルの様相が強まった」という声も出始めたが、それでも「年内は上がる」とみる投資家は少なくない。その根拠は、米中交渉の進展と財政面からの景気対策への期待。要するにトランプ頼りというわけだ。

1株利益が大幅に減り、今後の見通しも引き下げたキャタピラー社。その株価が大幅に上がって、市場関係者を驚かした。米中交渉の進展に賭けた結果だろう。だがトランプ大統領や政府高官から出てくる情報は、楽観と悲観の繰り返し。実際に進展するかどうかは、まだ確認できない。そこで市場は、大統領選挙前の景気対策にも期待するようになった。

日経平均は先週541円の値上がり。こちらは5週間の連騰で、年初来高値を切り上げている。企業業績は2期連続の減益となるが、お構いなし。ニューヨークの活況に追随している。アメリカの短期金利が上昇して、円相場が下落したことも買い材料となった。今週も上昇するかどうかは、ニューヨーク次第。そのニューヨークは、米中交渉次第という構図だろう。

今週は11日に、9月の国際収支と機械受注、10月の景気ウオッチャー調査。13日に、10月の企業物価。14日に、7-9月期のGDP速報。アメリカでは13日に、10月の消費者物価。14日に、10月の生産者物価。15日に、10月の小売り売上高と工業生産。またイギリスが11日に、7-9月期のGDP速報。ドイツが14日に、7-9月期のGDP速報。中国が14日に、10月の工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。

       ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ


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権謀術数の渦 : 米中経済交渉 (上)
2019-11-12-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 政府部内から異なる発言が続出 = 「交渉は順調に進んでいる」と言うそばから「合意などしていない」という発言。それも新聞やネットの憶測ではなく、米中両国の当事者から出てくるのだから驚いてしまう。内部の意見が割れているのだろうか。いや、両国が相手の出方を窺うために、いろいろ秘術を尽くしている感じも濃厚だ。そして決着はどうなるのだろうか。真相はまだ藪のなかである。

11月1日時点では、明るさが広がっていた。アメリカのクドローNEC(国家経済会議)委員長が「農業・金融。為替の分野で、協議はほぼ完了した」と発言。中国商務省も「中核的な関心事で共通認識に達した」と応じている。トランプ大統領も記者会見で「協議は順調に進んでいる」と説明した。

ところが7日になると、情勢は一変する。中国商務省が「追加関税の段階的な撤廃で一致した」と発表すると、ホワイトハウス報道官はこれを容認するコメント。しかしナバロ大統領補佐官は、その直後に「関税を一部でも撤廃する合意はない」と強く否定した。トランプ大統領も「撤廃には同意していない」と反論している。

これまでの交渉で、農業・金融・為替の問題と知財・技術移転・補助金の問題を切り離す。まず第1段階は、農業などだけで部分合意する。ここまでは煮詰まったように見受けられる。ただ中国側が関税の段階的な撤廃を条件としているのに対し、アメリカ側は難色を示しているようだ。しかしアメリカも中国も、実はもっと深い意図をもって駆け引きに明け暮れているように思われる。

                               (続きは明日)

       ≪11日の日経平均 = 下げ -60.03円≫

       ≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ


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権謀術数の渦 : 米中経済交渉 (下)
2019-11-13-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ カギは1年後の大統領選挙 = 農業・金融・為替の分野に限った第1段階の部分合意は、もともと今月16-17日にチリで予定されたAPECの会場で、トランプ・習の両首脳が文書に署名するはずだった。ところが治安上の理由でAPEC会議が流れたため、両首脳はどこかに会談の場所を設定しなければならない。トランプ大統領は習主席をアイオワ州に招き、農民層の票固めに利用したかった。中国側は利用されることを嫌って、この提案を拒否。まだ会場選びは終わっていない。

株式市場がバブル色を強めたため、米中交渉について「進展」のニュースを流せば株価は上がる。「不調」のニュースを出しても、株価が大きく下がることはない。1年後の大統領選挙を考えると、こういう状況で「第1段階で合意」するのがいいか、それとも来年に持ち越した方が得策か。トランプ氏としては、考えどころだろう。一方、中国側も「大統領選挙が近づくほどトランプ氏が焦り出すこと」は承知の上だ。

大きな問題は、トランプ大統領が12月15日にスマホなど1600億ドルの中国製品に15%の追加関税をかけると宣言していること。中国側は部分合意の条件にその撤廃ないし延期を要求しているが、アメリカ側はまだ応じていない。このため話がこじれてきたようだが、アメリカも中国も合意を急いでいるようには思われない。むしろ相手側が疲れるのを、待っているようにさえ感じられる。

トランプ大統領は「不調」と言っておいて周囲を心配させ、突然「成功」と発言して株価を急騰させた。また反対に「合意」を急にひっくり返すこともある。その場合、頭にあるのは常に大統領選挙だ。どちらが選挙にとって有利なのかで決めている。中国側もそれを十分に心得ていて、口には出さないが「宿敵トランプ氏の落選」を念じて行動しているように思われる。

       ≪12日の日経平均 = 上げ +188.17円≫

       ≪13日の日経平均は? 予想 = 下げ


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見当つかない 増税後の反動減
2019-11-14-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 高額の家電と化粧品は急減か = 消費増税前の駆け込み需要が大きければ、それだけ増税後の消費は減退する。その程度が大きければ大きいほど、景気は強く足を引っ張られる。このため政府も企業経営者もその程度を知りたいと計測しているが、どうも答えがはっきり出てこない。というのも分野によって動きが異なり、楽観的な見方と悲観的な見方が交錯しているからだ。また増税の前後に襲来した台風の影響も、計測を狂わす要因になっている。

内閣府が11日発表した10月の景気ウオッチャー調査によると、景気の現状判断指数は前月より10ポイントも急降下して36.7となった。前回の消費増税があった14年4月の38.4を下回っている。特に家計関連の判断指数は、前月より12.7ポイントも下がっている。この結果からみる限り、10月の反動減は決して小さくはない。しかし台風の影響を除外すると、どうなるかは不明だという。

それより少し前に総務省が発表した9月の家計調査によると、世帯平均の消費支出は30万0609円。前年を9.5%上回った。前回の増税時14年3月の7.2%よりも大きい伸び率である。ただ駆け込みによる消費支出増は、日用品などでは前回より少なく、冷蔵庫や洗濯機などの家電製品、あるいは高額の化粧品などに偏っていた。

こうした動向を受けて、日用品・雑貨業界では「影響は前回より小さい」とみる関係者が多い。これに対して家電や化粧品業界では「むしろ前回より大きいのでは」と判断している。結局、全体としてみると「前回より影響は小さい。しかし事前に予想されたよりは大きい」ということになりそうだ。政府による早めの景気対策が望まれる。

        ≪13日の日経平均 = 下げ -200.14円≫

        ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ


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補正予算は 防災に限るべし
2019-11-15-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 本予算との区別を明確に = 安倍首相は先週8日の閣議で「新しい経済対策の策定と19年度補正予算の作成」を指示した。経済対策は世界経済が下降局面に入ったことを踏まえて、オリンピック後の景気下支えまでを念頭に置いた政策。また補正予算は、台風などの災害復旧とインフラの強化に使われる。関係省庁が12月上旬までに、内容を詰めることになっている。

世界経済には、冷たい風が吹き始めた。元凶となっている米中経済戦争が終息するまでには、相当な時間がかかりそうだ。中国やヨーロッパの景気も下向いている。そんな環境のなかで、日本も消費増税の影響、オリンピック需要の反動を乗り切らなければならない。そこで新しい経済対策を策定することは、必要不可欠だ。

台風など自然災害の被害も大きかった。その復興補助としては、すでに19年度予算の予備費から1300億円を捻出した。しかしダムや堤防など、インフラの補強も緊急の課題となっている。そのために補正予算を組むことも、やむを得ない。ただ補正予算の組み方には問題がある。本来ならば本予算に計上すべき支出を、補正予算に紛れ込ませる傾向が強まっているからだ。

たとえば18年度の第2次補正予算は、総額2兆7000億円。このうち3000億円は農業補助、2000億円は中小企業支援、その他にも4600億円が使われている。防災には1兆円しか充てられていない。これは政府が、本予算の規模をできるだけ増やさないための方策だと考えられる。しかし、そんな姑息な手段を続けていると、補正予算に対する世間の風当たりも強まるだろう。補正は防災関係に限ってもらいたい。

       ≪14日の日経平均 = 下げ -178.32円≫

       ≪15日の日経平均は? 予想 = 下げ


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増税のおかげで プラス成長
2019-11-16-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 10-12月期はマイナス成長に = 内閣府は14日、7-9月期のGDP速報を発表した。それによると、実質成長率は年率でプラス0.2%。4-6月期の1.3%から大きく減退した。数字の上では4四半期連続のプラス成長となったが、この間の成長率はわずか0.35%に過ぎない。ほとんどゼロ成長だったと言っていい。しかも成長率がプラスになったのは、消費増税前の駆け込み需要があったおかげだ。

需要項目別にみると、GDPの6割を占める個人消費は年率でプラス1.4%。前期のプラス2.3%から大きく後退した。駆け込み需要があった割には、伸び率が小さくなっている。企業の設備投資は、前期のプラス2.8%からプラス3.5%に増加した。しかし輸出が前期のプラス2.0%からマイナス2.6%へと大幅に減少、全体の足を引っ張った。

米中経済戦争の影響などで、世界経済が変調している。このため輸出が大幅に減少、GDPのマイナス要因となった。これを内需が埋め合わせる形となったが、個人消費が伸び悩んでしまった。もし増税前の駆け込み需要がなかったら、7-9月期の成長率はマイナスになっていた可能性が大きい。

問題は10-12月期が、どうなるかだ。米中間の対立が完全に解消する見込みはまずないから、輸出の低迷はまだ続くだろう。その一方で個人消費は、駆け込み需要の反動で減退する可能性が強い。したがって、マイナス成長に落ち込むことは避けられそうにない。その落ち込みの程度が、どのくらいになるのか。まだ測定は困難である。

       ≪15日の日経平均 = 上げ +161.77円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】   


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今週のポイント
2019-11-18-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 2万8000ドルを達成したダウ平均 = 環境の悪さにもめげず、株価は上昇した。ダウ平均は先週324ドルの値上がり。4週間の連騰で、終り値はとうとう2万8000ドルに乗せた。米中交渉は進展せず、主要企業の業績も下向き始めた。FRBは利上げも利下げもしない姿勢。好材料には乏しいが、カネ余りのせいで登りつめてきたと言えるだろう。ただ、ここまでくると警戒感も強まってくる。

ニューヨーク市場では先週、珍しい現象が起きた。ダウ平均の12日の終り値が、前日の終り値と1セントも変わらなかったのである。だが印象的だったのは、その日にトランプ大統領が「米中交渉の合意は近い」と講演したこと。にもかかわらず、株価は全く動かなかった。株価を上げようとするトランプ・マジックも、神通力を失ってきた感じがする。

日経平均は先週89円の値下がり。先々週まで5週間の連騰だっただけに、さすがに一服した。9月期の決算発表も終わりに近づき、業績の下方修正が目立っている。ここまでは外国人投資家が日本株の割安感に惹かれて買ってきたが、東証1部のPER(株価収益率)も15倍を超えてきた。上げ基調を維持するためには、何か新しい材料が必要だろう。

今週は20日に、10月の貿易統計と訪日外国人客数。21日に、9月の全産業活動指数。22日に、10月の消費者物価。アメリカでは18日に、11月のNAHB住宅市場指数。19日に、10月の住宅着工戸数。21日に、10月の中古住宅販売とカンファレンス・ボード景気先行指数が発表される。

       ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ


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