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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
株価はいつ下げ止まるのか : 新型肺炎
2020-02-01-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ SARSの場合との違いは? = 投資家は経済の先行きに不安を感じると、直ちに資金の投下先を変更する。たとえば中東地域で戦火が上がったり、米中経済戦争の緊張度が増したりすると、株式市場からは資金が引き揚げられ、金や国債市場に投入されることが多い。今回の新型肺炎は、戦争や経済摩擦とは全く性格を異にしている。しかし投資家の行動は、ほぼ同じだ。

武漢市で発生した新型肺炎のニュースが市場を驚かせたのは、先週20日の月曜日夜だった。この日の日経平均株価の終り値は、まだ2万4000円台をキープ。ところが2週間後の現在、株価は2万3200円にまで落ち込んだ。ほぼ800円の値下がりだ。一方、ニューヨーク市場はこの日、キング牧師誕生記念日でお休み。前週末のダウ平均は2万9300ドルを超えて、史上最高値を更新中だった。それが現在は2万8200ドルで、この間に1000ドル以上も下げている。

SARSは同じ中国で02年11月に発生、03年7月に終息した。異常事態は約9か月間続いたわけである。ところが日経平均は最初の5か月は下落したものの、03年4月からは急速に上昇した。当時の株価はバブル崩壊で相当に売り込まれていたこと、イラク戦争が瞬時に終わったこと、それにSARS拡大の勢いが止まったことが、大幅な反発の原因だった。

このように、SARSは株価の下げ局面で発生している。これに対して、新型肺炎は上げ局面で発生した。もっと大きいのは、世界経済に占める中国の比重が、当時より格段に大きくなっていること。中国経済の鈍化が加速したり、生産拠点としての能力が低下すると、世界全体が大きな打撃を被るだろう。市場はそれを懸念する。とにかく新型肺炎の拡大スピードが、一日も早く鈍ることが最重要だ。

       ≪31日の日経平均 = 上げ +227.43円≫

       【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】   


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今週のポイント
2020-02-03-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日米とも大幅に続落 = 新型肺炎の伝染が加速したため、日米の株価は大幅に続落した。なにしろ感染者数は1週間で10倍に増え、1万人を超えている。このためダウ平均は先週734ドルの値下がり。日経平均も622円の値下がりとなった。武漢市で肺炎が発生してから2週間。この間の下げ幅はダウが1092ドル、日経平均が836円となっている。大きく下げたあとは反発もしているが、下げ止まらない。

東京市場の場合は、中国人旅行者の減少を危惧する感じが強い。このため高級衣類や宝飾品、運輸やホテル、飲食やレジャー関連の銘柄が売られている。いわゆるインバウンド関連銘柄だ。一方、ニューヨークの場合は、中国経済の混乱を心配している。このため需要の減少が見込まれる石油や航空、機械関連の銘柄を中心に売られた。

ニューヨーク株式は2週間前まで、史上最高値を更新し続けていた。SP500種のPER(株価収益率)は18.8倍にも達していたから、自律調整の力も加わったようだ。東京市場の株価は出遅れ気味だったから、高値調整の感じは薄い。しかし間もなく始まる12月期の決算発表は、あまり明るくなさそうだ。いずれにしてもコロナ・ウイルスの感染者の増加に歯止めがかかるまでは、株安の傾向は止まらないだろう。

今週は3日に、1月の新車販売。7日に、12月の家計調査、毎月勤労統計、景気動向指数。アメリカでは3日に、1月のISM製造業景況指数。5日に、12月の貿易統計と1月のISM非製造業景況指数。7日に、1月の雇用統計。また中国が3日に、1月の製造業と非製造業のPMI。7日に、1月の貿易統計を発表する。なお4日には、トランプ大統領の一般教書演説。

       ≪3日の日経平均は? 予想 = 下げ


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SARSをはるかに超えた 新型肺炎
2020-02-04-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 1週間に100倍以上のスピードで蔓延中 = 新型肺炎の伝染力は、専門家の推測をはるかに上回っている。中国政府の発表によると、3日午前0時の時点で中国国内の感染者は1万7205人、死亡者は361人に達した。中国以外の26か国・地域でも180人以上の感染者が確認されている。驚くべきは、その感染力。たとえば中国での患者数は、1月24日の830人から31日には1万1791人へと14.2倍の急増ぶりをみせた。

中国では南部の広東省や香港を中心に、SARS(重症急性呼吸器症候群)と呼ばれる疫病が猛威を振るったことがあった。発生は02年11月で、9か月後の03年7月に終息している。WHO(世界保健機関)のまとめによると、このSARSの感染者は8096人、うち774人が死亡した。今回の新型肺炎は死亡率こそSARSより低いが、感染者数ではすでにはるかに多くなっている。

問題は新型肺炎の感染者増加率が、いつになったら鈍るかということだろう。増加率が鈍化すれば、終息のメドもついてくる。この点で注目したいのは、国立感染症研究所がウイルスの分離に成功したというニュースだ。これで簡易検査法や治療薬、予防ワクチンの製造にも道が開かれる。ただワクチンの製造には時間がかかり、間に合いそうもない。

ここからは全く素人の考え。SARSもワクチンが間に合わなかったが、それでも終息した。この種の呼吸器疾患ウイルスは高温多湿に弱く、それで7月に終息したのではないか。国立感染症研究所では分離したウイルスを使って、ぜひ確かめてもらいたい。確認できればオリンピックへの影響も小さくなるし、全世界の人たちへ安心感を与えることができるだろう。

       ≪3日の日経平均 = 下げ -233.24円≫

       ≪4日の日経平均は? 予想 = 下げ


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景気は 後退局面に突入した! (上)
2020-02-05-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 成長率は2期連続マイナスへ = 日本経済が景気後退期に突入したことは、間違いなさそうだ。まず昨年10-12月期の実質成長率が、マイナスになったことは確実。内閣府は17日にGDP速報を公表するが、その前に発表された民間調査機関の予測平均値はなんとマイナス4%という低さ。すでに発表されたアメリカはプラス2.1%、EUもプラス0.4%だった。そんななかで、日本だけがマイナス成長に落ち込む。

マイナス成長に落ち込んだ原因は、中国をはじめとする世界経済の減速、それに消費増税と大型台風の影響が加わった。経済産業省が31日に発表した10-12月期の鉱工業生産は、前期比で4.0%の大幅な低下。商業動態統計でも、小売り売上高は前年比3.8%の減少となっている。また財務省が発表した法人企業景気予測調査をみると、19年の経常利益は6.3%の減益になる見込みだ。

断わっておくが、以上は昨年10-12月期の状況である。そこへことしになって、新型肺炎の問題が発生した。中国からの訪日客が激減し、デパートや専門店の売れ行きが落ち込んでいることは、毎日のように報道されている。さらに中国国内では旅行規制などで大混乱。生産工場の休業も長引いており、世界に対する製品や部品の供給にも支障が出始めた。

新型肺炎の流行はまだ衰えをみせないから、こうした状況は持続すると覚悟しなければならない。輸出や生産は回復せず、消費の盛り上がりも期待できない。すると1-3月期のGDP成長率は、マイナスになる可能性がきわめて大きい。欧米流に言うと、2期連続のマイナス成長は「景気後退」である。

                          (続きは明日)

       ≪4日の日経平均 = 上げ +112.65円≫

       ≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ


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景気は 後退局面に突入した! (中)
2020-02-06-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 甘すぎる政府の景気判断 = 欧米諸国では、GDP成長率が2四半期連続でマイナスに陥ると「景気後退」と判定する国が多い。だが日本では内閣府が毎月発表する景気動向指数を、景気の局面を判断する基準にしている。しかも専門家による判定会議は数か月後に開かれるので、結論はきわめて遅い。その景気動向指数は昨年10月と11月には低下。あす7日には1月分の発表があるが、おそらく低下が続くだろう。

さらに奇妙なのは、政府がこれとは別に「月例経済報告」という公式見解を公表していることだ。原案は閣議に提出され、了承を得て発表される。この月例報告はずっと「景気は回復している」という見解に固執しており、1月分の報告でも「景気は緩やかに回復」という基調判断だった。ところがGDP成長率も景気動向指数も、さらには月例経済報告の原案も作っているのは内閣府だから、話はややこしい。

安倍首相をはじめ主要な経済閣僚が、ほんとうに「景気は緩やかに回復中」と考えているのかどうか。もし政府が「回復は終わった」と言えば、心理的に悪影響を及ぼすと懸念しているのかもしれない。また「直ちに景気対策を」の声が上がるのを警戒してのことだろうか。真相はどうも判らない。

しかし政府の認識が甘く、景気対策に失敗した例は数多い。景気が下降局面に入ったとき、早めに手を打てば対策の規模も小さくて済む。だが対応が遅れれば遅れるほど、コストは大きくなってしまう。かつては金融面からの支援もあったが、いまは日銀が動けなくなっている。甘すぎる政府の景気判断には、危険が付きまとうと知るべきだろう。

                              (続きは明日)

       ≪5日の日経平均 = 上げ +234.97円≫

       ≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ


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景気は 後退局面に突入した! (下)
2020-02-07-Fri  CATEGORY: 政治・経済
景気対策基金を創ったらいかが = 「政府の景気に対する認識は甘い」と批判したら、安倍首相は「そんなことはない。対策もちゃんと講じている」と反論するに違いない。19年度の補正予算と20年度の本予算で、災害復旧から消費増税による需要減少、さらにはオリンピック後の景気対策まで、十分な手当てが済んでいると説明するはずだ。どうも安倍首相は官僚が作ったこの説明を信じ切っているようだが、ほんとうに大丈夫なのだろうか。

政府の説明によると、これらの景気対策による総事業規模は26兆円にのぼるという。だが、これが怪しい。というのも19年度の財政支出総額は、補正予算を含めると105兆1000億円だった。これに対して今回の対策による支出総額は105兆8500億円で、わずかに7500億円しか増えていない。これで景気を押し上げる効果があるのだろうか。

そこで提案がある。景気対策基金を創ったらどうだろう。たとえば予算とは別に、財務省に20兆円程度の基金を創設しておく。もちろん新しい法律を作って、国会の承認も得ておく。財源は特別国債の発行しかないだろう。そして仮に景気がはっきりと下降に転じた場合、政府は国会の同意を得て、この基金から必要な金額を早急に支出できるようにする。

新型肺炎はいつ終息するか、現状では見当がつかない。もし短期で終息すれば、基金を使う必要はない。長引いて景気が悪化すれば、適宜に発動する。こういう仕組みを作っておけば、景気対策が手遅れになる危険性を小さくすることが可能だろう。また企業や個人も、心理的に安心できる。長い目でみれば、財政支出の総額も少なくて済むのではないか。

       ≪6日の日経平均 = 上げ +554.03円≫

       ≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ


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最初の善兆か?? : 新型肺炎
2020-02-08-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 中国で疑いある人の増加が鈍った = 新型コロナ・ウイルス肺炎の蔓延は、いぜんとして勢いが衰えない。日本国内の感染者数は7日時点で86人。1週間で70人増えている。東京湾に停泊中のクルーズ船には3600人近くの乗客・乗員が閉じ込められており、武漢市からは第4次の帰国チャーター便も帰ってきた。感染者の人数は、まだまだ増加しそうだ。

中国本土での感染者拡大も止まらない。国家衛生健康委員会の発表によると、感染者数は6日時点で3万1161人で、3万人を突破。死亡者も717人に増えている。このうち発生源となった武漢市の感染者数は、4日時点で8351人。全国の約3分の1を占めている。特に武漢市では死亡率が高く、関係者の間で問題になっているという。

中国以外の国・地域の感染者は、6日時点で27か国、合計254人となっている。内訳では、日本の45人が最も多い。このため太平洋の島国ミクロネシアは、日本からの入国を規制すると発表した。日本に次いで感染者が多いのは、シンガポール、タイ、香港、韓国など。香港とフィリピンで、それぞれ1人ずつの死者が出ている。

そんななかで注目されたのは、中国で「疑わしい人」の増加数が縮小し始めたこと。国家衛生健康委員会の発表によると、4日だけで「新たに感染が疑われる人」は3971人増えた。しかし2日と3日には5000人以上増えていたのが、3000人台の増加に収まったという。これが終息の兆しなのかどうかは判らないが、真っ暗闇のなかのかすかな光明ではある。この数字が順調に縮小して行くことを祈りたい。

       ≪7日の日経平均 = 下げ -45.61円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   

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今週のポイント
2020-02-10-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ はしゃぎ過ぎの株式市場 = 日米の株価は、予想を大きく超えて反発した。ダウ平均は先週846ドルの値上がり。新型肺炎による下落分を完全に取り戻して史上最高値を更新したが、最終日には反落した。ただ新型肺炎による被害は世界に拡大中。さしたる好材料も出なかったのに、株価は急騰した。その根底には、トランプ大統領が選挙を前に景気対策を打ち出すだろうという期待。FRBも利下げに傾くだろうという期待があったと解説されている。

最終日には1月の雇用統計が発表され、非農業雇用者の増加数は22万5000人。事前の予測を大きく上回った。ところが株価は反落した。高値を警戒した利益確定売りが出たことは確かだが、雇用の好調で景気対策利下げに対する期待が薄れたことも値下がりの一因になったという。つまりニューヨーク市場は、金融緩和に頼る“カネ余り”相場の様相を濃くしているようだ。

日経平均は先週623円の値上がり。こちらも具体的な好材料に欠けたまま、ニューヨークの活況に引きずられた。新型肺炎の蔓延が止まらないなかで、こうした一見はしゃぎ過ぎの相場は、どこまで続くのだろうか。どこかで実体経済の悪さとの乖離に気付くことになるだろうが、なにしろカネの投資先に困っている投資家が多いから、もう少しは続くのかもしれない。

今週は10日に、1月の景気ウォッチャー調査。13日に、1月の企業物価。14日に、12月の第3次産業活動指数。アメリカでは13日に、1月の消費者物価。14日に、1月の小売り売上高と工業生産、2月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が10日に、1月の消費者物価と生産者物価を発表する。

       ≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ


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漂流する 豪華クルーズ船
2020-02-12-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 少なくとも5-6隻が行き先不明 = 豪華クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が横浜港に着いてから10日。まだ船内には3600人の乗客・乗員が、閉じ込められたままだ。続いて日本に寄港しようとしていた「ウエステルダム」は、日本政府が石垣島への入港を拒否。現在は寄港を認めてくれる国を探して、台湾の沖合を南下中だという。武漢市で突如として発生した新型肺炎は、クルーズ船の乗客・乗員、運営会社に思わぬ悲劇をもたらしている。

ことし1月以降に中国を訪れたクルーズ船は21隻。そのうち11隻が、福岡・長崎・那覇など日本の港に停泊した。これら11隻の乗客は合計で約5万人。そのほとんどが国内ツアーに参加したとみられるが、新型肺炎の感染は報告されていない。そこへ「ダイヤモンド・プリンセス」の事件が発生。日本政府はその後、中国に寄港したクルーズ船の日本国内への入港は認めない方針だ。

日本だけではない。台湾・韓国・フィリピン・ベトナムなども、一斉に中国に立ち寄ったクルーズ船への対応を厳しくした。ミクロネシアなどは、日本へ寄港した船の入港も拒否している。このためイタリア船籍の「コスタ・セレーナ」と「コスタ・ベネチア」の2隻は、いま次の寄港地を求めて東シナ海を回遊中。アメリカの「シーボーン・オペレイション」は2日に香港を発ったあと、いまだにベトナム沖を航行しているという。

このように入港を許可してくれる国を探して“さまよっている”クルーズ船は、現状で5-6隻。新型肺炎の感染が広がれば、この数はさらに増える可能性がある。楽しい船旅を夢見て出発した乗客たちは、とんだ悲劇に襲われたものである。またクルーズ船に対する信頼感も、いつになったら回復できるのだろう。豪華クルーズ船業界も、漂流し始めたようだ。

       ≪10日の日経平均 = 下げ -142.00円≫

       ≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ


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時代遅れの 賃金統計
2020-02-13-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 給与は20年前より3万円も減った = 厚生労働省が発表した19年の毎月勤労統計によると、労働者1人当たりの平均賃金である現金給与総額は月平均で32万2689円だった。前年に比べると0.3%の減少、給与が前年より減ったのは6年ぶり。このうち正社員は42万5288円で0.3%の増加だったが、パートは9万9758円で前年と変わらなかった。それでも全体の給与総額が減少したのは、賃金の低いパートの人数が増えたためである。

安倍首相は経済界に対して、たびたび賃金の引き上げを要請してきた。勤労者の所得が増えれば消費が増大し、景気が良くなるからである。しかし、なかなか実現はしない。もっと長い目でみると、給与の水準はむしろ下がっている。たとえば10年前の現金給与総額は31万5294円で、昨年よりはやや低い。だが20年前は35万3679円で、昨年を3万円以上も上回っていた。

毎月勤労統計というのは、厚労省が常用雇用者が5人以上いる全国3万3000の事業所を対象に毎月行っている大掛かりな調査。最近はパートタイムで働く労働者が急増。19年の調査では、労働者全体の31.53%を占めている。このため全体の平均賃金は、どうしても下がってしまう。この点は時代の流れを反映していると言えるだろう。

だが毎月勤労統計には、大きな欠陥がある。それは労働者の年齢構造を、全く反映していないことだ。いま団塊の世代が定年に達し、少子化で学卒者も減る傾向にある。すると正規雇用者の平均年齢は下がるが、そのことが統計には現われてこない。たとえば39-41歳の平均賃金を算出して前年と比べれば、生活水準に密着した賃金動向が判明する。現在の統計では賃金の水準が低く出過ぎて、いたずらに節約志向をあおっているのではないか。安倍さん、どう思いますか。

       ≪12日の日経平均 = 上げ +175.23円≫

        ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ


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カード切れになった トランプ大統領
2020-02-14-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 市場は10兆ドルのインフラ投資に反応せず = トランプ大統領は10日、21年度(20年10月-21年9月)の予算教書を議会に送付した。歳出総額は4兆8290億ドル(約530兆円)で、前年度比0.8%の増加となっている。このなかで、インフラ投資を10年間で1兆ドル支出するという景気対策を打ち出した。高速道路や鉄道に8100億ドル、高速通信や水道に1900億ドルを振り向けている。

そのほか防衛費は5.7%の増加、メキシコ国境のカベ建設には20億ドルの支出を要求している。その一方で、社会保障費などは0.3%削減。この結果、財政赤字を5年後には半減させると約束した。野党の民主党は防衛費の削減と社会保障費の増額を主張しているから、議会の審議ではこの辺が最大の対立点になると思われる。

トランプ大統領にしてみると、10年間に1兆ドルのインフラ投資は、大統領選挙を前に繰り出した“切り札”だったに違いない。だが専門家による評価はいま一つ。今後5年間に毎年3%成長することが土台となっているために、全体の構想が甘すぎると受け取られたようだ。市場もこの予算教書をほとんど無視、好材料とは認めていない。

空振りとなった形のインフラ投資。トランプ大統領は選挙前に、まだ何枚かの“切り札”を使いたいところ。しかし中国は新型肺炎で、揺さぶりをかけにくい。中東情勢で強腰に出ても、選挙の票にはなりにくい。カナダやメキシコ、日本との貿易交渉も終わってしまった。どうやらカード切れになったらしい。あとはFRBに圧力をかけて、金融を緩和させるか。トランプ大統領の新しいカード探しが始まろうとしている。

       ≪13日の日経平均 = 下げ -33.48円≫

       ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ


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ギャンブル依存症に 保険適用なんて
2020-02-15-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ バカ言ってんじゃねーよ! = 厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会は先週「20年度の診療報酬改定案」をまとめ、加藤厚労相に答申した。内容の中核は医師らの技術料を0.55%引き上げることにあったが、ここに「ギャンブル依存症の治療に公的保険を適用する」という一項も潜り込ませている。政府はこの答申を受けて4月から実施する方針だが、全く冗談じゃない。

ギャンブル依存症というのは、パチンコや競馬などのギャンブルにのめり込み、日常生活に支障が出ても止められない一種の病気。いま日本では約320万人いると言われる。この時点で公的保険の適用案が飛び出したのは、政府が推進中のIR(統合型リゾート)にカジノが開設されることと無関係ではありえない。

健康保険や国民健康保険などの公的医療保険は、加入者が病気になった場合にみんなで助け合って負担を軽くする制度。しかし高齢化の進展などでみな大赤字。国や地方自治体が、税金で赤字を埋めている。それでも赤字のため、出産費用やインフルエンザ予防接種、花粉症治療などは適用の対象になっていない。

IRの開発についての世論調査は、圧倒的に反対が多い。それでも政府が推進するのは、IRで儲かる地方自治体や関係業界からの圧力が強いからだろう。しかしカジノを作れば、ギャンブル依存症は増えるに決まっている。その病気の温床を作る一方で、病人が出たら保険金を使って治療する。なんとも不思議な考え方だ。与野党の議員が黙り込んでいるのも不思議だ。もうギャンブルに毒されてしまったのだろうか。

       ≪14日の日経平均 = 下げ -140.14円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】   


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今週のポイント
2020-02-17-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ コロナ肺炎と企業業績に揺れる市場 = 株式市場は、新型肺炎の状況を伝えるニュースと企業業績の見通しを軸に上下動した。ダウ平均は先週296ドル上昇して、いぜん史上最高値の水準を維持している。一方、日経平均は先週140円の値下がり。1月23日以来、ずっと2万4000円割れが続いている。注目されるのは新型肺炎に対する受け取り方が、日本とアメリカでは異なってきたことだ。

新型肺炎に対する警戒感は、病気そのものの広がり方と、それが中国をはじめ世界経済に及ぼす悪影響の2つに向けられる。このうちアメリカでは国内の感染者がまだ10人程度なので蔓延に対する関心度は低く、経済的な影響が重視されている。しかし日本では、両方に強い警戒感が出始めた。また企業業績の見通しも、アメリカより日本の方がかなり悪い。

そんな環境のなかで日本ではきょう17日、昨年10-12月期のGDP速報が発表される。事前の民間予測ではマイナス成長となっていたが、マイナス幅が大きいと市場にもショックが走るだろう。これまで大量の資金を投入して相場を支えてきた投資家の行動に、変化を生じるかどうか。今週はその結果が、見極められることになるだろう。

今週は17日に、10-12月期のGDP速報。19日に、1月の貿易統計と訪日外国人客数、12月の機械受注。21日に、1月の消費者物価と12月の全産業活動指数。アメリカでは19日に、生産者物価と住宅着工戸数。20日に、1月のカンファレンス・ボード景気先行指数。21日に、1月の中古住宅販売が発表される。

       ≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ


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