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経済に関する話題なんでも。ニュースの分析・批評・解説など。大胆な予想や提言も。ご意見、ご批判は大歓迎です。
経済なんでも研究会
今週のポイント
2020-03-02-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 「底が抜けた」世界の株価 = 世界中の株価が暴落した。ダウ平均は先週3583ドルの値下がり。週間の下げ幅としては過去最大で、下げ率も12%を超えてリーマン・ショック後に次ぐ大きさだった。終り値の2万5409ドルは昨年6月の水準。また日経平均も先週は2244円の値下がり。終り値は2万1143円で、昨年9月の水準に逆戻りしている。ヨーロッパやアジア市場の株価も、軒並み大幅に下落した。

新型コロナ肺炎が世界中に蔓延。その経済的な損失が予想以上に大きいことが、改めて認識された。しかも肺炎のピークが見通せず、損失の予測も不可能な状態。このため市場では、売りが売りを呼ぶ展開となってしまった。ニューヨーク市場のトレーダーの一人が「底が抜けたようだ」とつぶやいていたのが、現状を最もよく表現している。

株価がここまで下がると、底値拾いの買いも入るに違いない。また各国の政府や中央銀行は、株価対策に言及するだろう。この結果、株価が反発する可能性も少なくはない。しかし肺炎の流行に終息の兆しが現われなければ、株価が下降局面から抜け出ることは困難だ。ここ当分は、金融市場にも“緊急事態”が続くだろう。

今週は2日に、10-12月期の法人企業統計と2月の新車販売。3日に、2月の消費動向調査。6日に、1月の家計調査と景気動向指数。アメリカでは2日に、2月のISM製造業景況指数。4日に、2月のISM非製造業景況指数。6日に、2月の雇用統計と1月の貿易統計。また中国が7日に、2月の貿易統計を発表する。

       ≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ


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想像を絶する 急降下 : 中国経済 (上)
2020-03-03-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ PMI調査が記録的な低水準に = 中国経済が、想像を絶する勢いで下降している。国家統計局が先週末に発表した2月のPMI景況調査によると、製造業の指数は前月より14.3ポイント低下して35.7に。非製造業も24.5ポイント低下して29.6に落ち込んだ。この指数が、これほど大幅に低下するのは全く異例なこと。製造業も非製造業も、リーマン・ショック時の水準を下回り、過去最低となっている。

新型コロナ肺炎の蔓延で、湖北省や浙江省で大々的な隔離対策がとられたのは2月に入ってから。人や物の移動が厳しく制限され、多くの工場が生産停止に追い込まれた。このため部品の供給が遮断されて、中国全土の経済活動が阻害されている。また商品の流通に支障が出て、個人消費も急速に減退した。

こうした状況を反映した初めての経済指標が、PMI景況調査。国家統計局が全国約3000社の企業を対象に、仕入れ担当者の景況感を聞き取り調査している。具体的には新規受注や生産など13項目について聞いているが、2月の調査では10項目が悪化した。一般に50を下回ると景気は悪化とみられているが、結果は製造業、非製造業ともに50をはるかに下回った。

いったい1-3月期のGDP成長率は、どこまで鈍化するのだろう。専門家の間では、年率3.5%程度に下降するという見方が強い。中国統計局は16日に、生産や小売り、投資などの重要な2月の経済指標を発表する予定。その結果、GDP成長率の予測はもっと下方修正されてゼロに近づくかもしれない。中国は大変な事態に陥ってきた。

                               (続きは明日)

       ≪2日の日経平均 = 上げ +201.12円≫

       ≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ


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想像を絶する 急降下 : 中国経済 (下)
2020-03-04-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 不良債権と失業の増大が怖ろしい = 中国政府と人民銀行は、景気対策を次々と打ち出している。政策金利や預金準備率を引き下げたり、企業の社会保険料支払いを免除したり。しかしリーマン・ショック後に実施したような巨額の財政支出は、見送っている。これは実際にインフラ工事を行う地方政府の借金が50兆元にも迫り、限界に達しているからだ。これ以上に債務が増えると、財政が破たんする地方政府が続出することは目に見えている。

地方政府だけではない。国有企業や民間企業も借金づけになっており、すでに債務不履行に陥った企業も少なくない。民間企業の債務不履行額は、昨年1600億元に達した。それでも金融機関は倒産を防ぐために、貸し出しを続けるケースが多い。その結果、金融機関の不良債権は7兆元にものぼると推定されている。仮に景気がV字型に下降すれば、金融機関の経営が行き詰まり、信用不安が発生する危険さえ孕んでいる。

景気が悪化すれば、失業者は増える。中国では全国的な失業状態の調査が実施されておらず、主要都市での推計だけが発表されている。しかも出稼ぎで大都市に流入してきた農民は、カウントされないことが多い。その結果、現状の失業率は3-5%台となっている。だがGDP成長率が急激に低下すれば、失業率は上昇するに違いない。失業者が増えれば、政府に対する国民の不満は強くなる。この点は、社会主義国でも同様だ。

まずアメリカとの経済摩擦。加えてコロナ肺炎。その結果、成長率がV字型に低下すれば、金融機関の経営破たんで信用不安が起きるかもしれない。失業者が急増すれば、国民の不満が爆発しかねない。政府と中央銀行が、この危機をうまく乗り越えられるかどうか。習近平政権にとっては、文字通りの正念場を迎えている。

       ≪3日の日経平均 = 下げ -261.35円≫

       ≪4日の日経平均は? 予想 = 下げ


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「金融政策は無力」の 証明 (上)
2020-03-05-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 投資家の異常な反応 = アメリカの中央銀行であるFRBは3日、臨時の政策決定会合を開いて、政策金利の0.5%引き下げを決定した。新型コロナ肺炎による経済の落ち込みを防ぐためで、FRBが臨時の決定会合を開くことはきわめて異例。また通常なら0.25%とする引き下げ幅を、2倍の0.5%にしたことも異例の措置だった。同時にG7の財務相・中央銀行総裁は電話で会談し「すべての適切な政策手段を用いる」という共同声明を発表した。

ところが、その日のニューヨーク市場では、ダウ平均株価が786ドルも下がってしまった。前日のダウ平均は8日ぶりに反発、1294ドルも上昇していた。その反動という側面もあるかもしれないが、大幅な利下げが発表された日に株価が急落するという現象は、これまたきわめて異例だろう。FRBとしてはアテが外れたことになるが、投資家はなぜこんな行動に出たのだろう。

投資家の異常な反応はまだある。たとえば3日の東京市場。前日のニューヨーク市場では、ダウ平均が過去最大の上昇を記録。円相場も円安に振れていた。にもかかわらず、日経平均は261円の値下がりとなっている。しかも市場にとって、大きな悪材料が出現したわけでもない。日米の株価が、こんな形で相反したことは珍しい。なぜなのか。

アメリカの利下げは、中小企業の借り入れ負担軽減や住宅ローンの引き下げには効果がある。しかし「金利が下がったからと言って、コロナ肺炎が終息に向かうわけではない」と、多くの投資家は考えたようだ。むしろFRBが慌てて利下げするほど、コロナ肺炎の悪影響は厳しいと受け取った人も多い。また日経平均の下落も「G7の共同声明には、協調利下げは含まれない」という推測が強まったことが原因だという。

                              (続きは明日)

       ≪4日の日経平均 = 上げ +17.33円≫

       ≪5日の日経平均は? 予想 = 上げ


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「金融政策は無力」の 証明 (下)
2020-03-06-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 残る手段は量的緩和と財政出動 = 新型コロナ肺炎が経済に及ぼす悪影響を懸念して、世界の株価は2月半ば以降、大幅に値下がりした。たとえばダウ平均は、2月後半の2週間だけで4000ドルも下落している。この間、投資家たちが公的な支援策を待ちわびていたのは間違いない。その最初の対応が、サウジアラビアで2月23日に開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議だった。だが発表された共同声明には「全ての利用可能な政策手段を用いる」とあっただけ。市場は失望し、株価は下がり続けた。

3日に発表されたG7財務相・中央銀行総裁会議の共同声明も「全ての適切な政策手段を用いる」と述べるにとどまった。10日前のG20会議と同じである。具体的な政策手段の表明は何もない。投資家たちは失望すると同時に、もはや主要国による同時利下げなどは実行が不可能なのだと確信。株を売り続けた。

じっさいECB(ヨーロッパ中央銀行)も日本銀行も、政策金利はすでにマイナス。これ以上の利下げは銀行経営を危うくするなど、大きな危険を伴う。余裕のあったFRBだけが利下げに踏み切ったが、さらに利下げを追加する余地は少ない。要するに、世界の中央銀行による政策金利の引き下げには頼れないと、投資家ははっきり悟ったわけだ。

残る手段は、中央銀行による量的金融緩和と政府による財政出動ということになる。だが日銀の例をみても判るように、量的緩和は副作用も大きく、バブルの原資を増やすだけ。コロナ不況を抑える力はない。また財政出動も国債の増発を伴うから、各国ともに反対論が強い。要するに、政府・中央銀行はタマ切れの状態だ。投資家たちは、そのことを思い知らされた。

       ≪5日の日経平均 = 上げ +229.06円≫

       ≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ


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拝啓 安倍総理殿  「ここに全力を」
2020-03-07-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ コロナ不安の最大の根源 = 新型コロナ肺炎の感染者が、とうとう1000人を超えました。でも本当は、もっとずっと多いのではないか。この疑問が社会不安の最大の原因になっています。たとえば北海道の感染者数は発表では81人ですが、権威ある研究機関は960人だと推定しています。では全国では1万人を突破する? こうした罹患者が街中を歩いているのではないか。この心配が、大きな不安を惹き起こしているのです。

理由が検査体制の不備にあることは、明らかでしょう。東京都では1日220件。全国でも900件しか検査できないと報じられています。韓国では1日で1万2000件を検査しているそうですが、日本ではなぜこんなに少ないのですか。大病院や民間の研究機関は、多数の検査器具を保有している。しかし国立感染症研究所がコロナ・ウイルスの検体を流さないから検査が出来ないと、テレビで専門家が話していました。本当なのでしょうか。

日本では検査体制が不備なため、隠れた感染者が野放しになっている。こんな話が海外にも伝わり、いま日本は「最も危ない国の一つ」だと考えられ始めました。外務省によると、日本からの入国・入域制限を行っているのは24か国・地域。入国後に自宅待機などの行動制限を行っているのは53か国・地域にのぼる。アメリカも近く、何らかの規制措置をとる見込みだといいます。

政府も検査体制の改善には、努力しているのでしょう。しかし問題が発生して1か月以上もたつのに、1日900件しか検査できない状態なのは異常です。どこかに大きなネックがあるのでしょう。安倍さんは総理大臣の権限を使って、素早くこの問題を調査し、その内容を国民に公表してください。さもないと国民は必要以上に行動を自己規制し、消費は急減するでしょう。また海外の日本に対する信用もガタ落ちする危険があります。

       ≪6日の日経平均 = 下げ -579.37円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】   


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今週のポイント
2020-03-09-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ NY市場は大揺れの末に上昇 = 1日としては過去最大の1294ドル上昇、次の日は786ドル反落。そして1173ドル上昇して、次の日は970ドルの下落。先週のダウ平均は大揺れに揺れたが、週間では455ドル値上がりした。ISM非製造業の景況感が1年ぶりの高水準になったり、スーパー・チュ―ズデーの結果ウォール街に厳しいサンダース候補が劣勢になっとことが買い材料。その反動とコロナ肺炎に対する警戒感が、売り材料となった。

この大波を受けて東京市場も揺れ動いたが、日経平均は週間393円の値下がり。輸出や消費、景気動向指数など、アメリカと違って経済指標がすべて下向いた。加えてコロナ肺炎が拡大、海外投資家の間ではオリンピック中止の予想も出始めている。3月期決算の予測がしだいに下方修正されていること、円相場の上昇も悪材料になった。

株価の揺れ動きは、今週も続くだろう。アメリカでもコロナ肺炎に対する警戒感が急速に高まってきたから、株価への下押し圧力も強まりそうだ。資金がアメリカ国債に集中し、長期金利が0.9%を割り込んでいる。その結果は、円高の進行。したがって、東京市場の環境は、今週も重苦しい。

今週は9日に、1月の国際収支、10-12月期のGDP改定値、2月の景気ウォッチャー調査。12日に、1-3月期の法人企業景気予測調査、2月の企業物価。13日に、1月の第3次産業活動指数。アメリカでは11日に、2月の消費者物価。12日に、2月の生産者物価。13日に、3月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が10日に、2月の消費者物価と生産者物価を発表する。

       ≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ


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株は まだ下がる! (上)
2020-03-10-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 日経平均は1年2か月ぶりに2万円を割った = 日経平均のことしの高値は、1月20日に付けた2万4084円だった。それから50日、この間に株価は4300円も下落している。昨年秋から景気が下降し始めたのに加えて、新型コロナ肺炎の影響が追い討ちをかけた。下げがきつかっただけに、市場では「そろそろ底入れか」という期待の声も聞かれないではない。しかし、その期待はちょっと甘そうだ。

株価は大幅に下落したが、必ずしも直線的に下げたわけではない。大きく乱高下しながら下落した。これは金融緩和政策によって豊富な資金を手中にした投資家が、何か好材料が出ると活発に買ったからである。確かに反発力は強いので「底入れ近し」という見方も出てくるのだろう。こうした底入れ期待派のなかには、SARSの経験を重視する人も多い。

SARS(重症急性呼吸器症候群)は今回のコロナ肺炎とよく似たウイルスが惹き起こす伝染病で、02年11月から03年7月にかけて流行した。中国南部で発生し、37か国で8000人以上が罹患。900人以上が死亡している。このとき世界の株価は、流行がピークを過ぎた03年4月から反騰に転じた。

最近、中国では感染者の増加数が激減。このためコロナ肺炎は流行のピークを過ぎたのではないかという憶測も流れ始めた。しかし確認はされていない。その一方で感染者は全世界に広がり、WHO(世界保健機構)によると、感染者数は10万人を超えた。SARSの10倍を超える猛威を振るっており、たとえ中国での流行がピークを過ぎたとしても、世界での感染者はまだ増えて行く。したがってSARSの経験は、どうやら役に立たない。日経平均は2万円を割り込んだが、まだ下がる。

                            (続きは明日)

       ≪9日の日経平均 = 下げ -1050.99円≫

       ≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ


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株は まだ下がる! (下)
2020-03-11-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ これから続出する悪材料 = 消費増税の影響などもあって、昨年10-12月期のGDP成長率はマイナス7.1%にまで急降下した。中国経済の鈍化で輸出が減少、企業の生産や設備投資も縮小している。政府はいぜんとして「景気は緩やかに回復」という見方を捨てないが、景気が昨秋から下降局面に入ったことは明白だ。そして重要なのは、日本経済はその時点ではまだコロナ肺炎の影響を受けていなかったという事実である。

コロナ肺炎が騒ぎになったのは、2月に入ってから。訪日旅行客の減少や部品供給ルートの寸断、さらには個人消費の急激な減退など、経済面での悪影響はすべて2月になって発生した。これら2月の経済活動を反映した経済指標は、これから続々と発表される。そのほとんどが、株式市場にとっての悪材料となるだろう。

コロナ肺炎の流行は、3月に入ると世界的に拡大した。したがって3月の経済活動は、2月よりも阻害されたと考えられる。このため3月の経済指標が発表される4月の状態は、いっそう暗くなるかもしれない。また企業の3月期決算が、想定以上に悪化する可能性もある。しかも政府や日銀には、有効な対策手段がない。

ただ日経平均が2万円を下回ると、さすがに売られ過ぎの感じが強くなる。このため買戻しの動きも活発になるから、株価は大きく上下動するものの、一直線で下降することはないだろう。あくまでコロナ肺炎がいつ終息の兆しを見せるのかによるけれども、日経平均の当面の防衛ラインは1万8500円ぐらいか。

       ≪10日の日経平均 = 上げ +168.36円≫

       ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ


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OPEC の 崩壊 (上)
2020-03-12-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 原油価格の歴史的な急落 = 週明け9日のニューヨーク市場で、WTI(テキサス産軽質油)の先物価格が1バレル=27ドル台にまで下落した。前週末比では34%の急落である。きっかけは6日にウィーンで開いたOPEC(石油輸出国機構)とロシアなどとの会合で、原油の減産計画が合意されなかったこと。現在の減産計画も破棄され、サウジアラビアは逆に増産に転じると伝えられたために、市場は売り一色になった。

サウジアラビアを盟主とするOPECとロシアを中心とする非加盟国は、原油価格の低下を防ぐため17年から協調減産を実施してきた。この組織はOPECプラスと呼ばれ、現在も18年10月の生産水準に比べて日量170万バレルの減産を実行している。OPEC側は6日の会合で、コロナ肺炎の影響で世界の原油需要が減ると予測されることから、さらに減産量を日量150万バレル増やそうと提案した。ところがロシアが反対し、会議は決裂。さらに現行の減産も、3月中に終わることになってしまった。

ロシアが反対したのは、減産で原油収入が減ることを嫌ったため。またアメリカのシェール石油が伸びるのを抑えるためだと解説されている。こうしてOPECプラスと呼ばれる組織は、完全に瓦解した。一方、サウジアラビアも原油収入は増やしたい。ロシアが増産するなら、こちらも増産で外貨を稼ごうということに一変した。おそらくクウェートやイラン、イラクなども増産に転じるだろう。そこで供給過剰は必至。市場は売りに回った。

減産で価格が下がれば、産油国の台所は苦しくなる。するとオイル・マネーは株式市場から引き揚げられるかもしれない。また原油価格の下落は、エネルギー産業の経営を圧迫する。こうした連想が働いて、株価全体を押し下げる要因ともなった。だがOPECプラスの崩壊と原油価格の急落は、それ以外の面でも世界経済に不気味な光彩を投げかけている。

                              (続きは明日)

       ≪11日の日経平均 = 下げ -451.06円≫

       ≪12日の日経平均は? 予想 =  上げ


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OPEC の 崩壊 (下)
2020-03-13-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 心配な信用不安の発生 = ある意味では「新型コロナ肺炎のウイルスが、OPECプラスを崩壊させた」と言えるのかもしれない。さらに原油価格の維持という唯一共通の目的を失ったOPECそのものも、事実上は崩壊したとみることが出来る。その影響は多岐にわたり、きわめて大きい。まずサウジアラビアは、脱石油構想の原資となるはずだった「サウジ・アラムコ」の株価を維持できるかどうか。これに失敗すると、この構想を推進してきた実力者のムハンマド皇太子の立場も微妙になりかねない。

OPEC内部では原油の増産競争が始まり、利害が相反する。サウジアラビアとイランの関係は現在でも険悪だが、もっと悪化するに違いない。とにかく中東情勢は不安定の度を増すことになるだろう。原油価格の低落は、一見すると日本にはプラスのように見えるが、供給源が不安定になることは決して好ましいことではない。

最大の問題は、信用不安が生じないかどうか。アメリカの中小シェール企業は、大量の社債発行によって起業している。これらの低格付け債は複雑な仕組み債券として広く売られており、倒産する企業が続出すると信用不安を起こしかねない。リーマン・ショック時と同じ構造だ。また産油国のなかには債務不履行に陥る国も出てくる可能性があり、この場合も金融不安を惹き起こす。

原油価格の急落とOPECの事実上の崩壊。専門家のなかには、これを「石油時代の終わり」と指摘する人もいる。自動車のEV化に象徴されるように、世界は確かに“脱石油”に動いている。そうした環境のなかで、取り残されているのが日本。長いこと「脱石油、脱中東」と言い続けているが、実態は少しも変わらない。もしかすると、OPECの崩壊で結果的にいちばん被害を被るのは、日本かもしれない。

       ≪12日の日経平均 = 下げ -856.43円≫

       ≪13日の日経平均は? = 下げ


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死者が語る コロナ肺炎の危険度
2020-03-14-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ いま危機なのはイタリアとイラン = 韓国の健康保険公団理事長ともあろう人が「日本はコロナ肺炎の感染者数を隠ぺいしている」と、のたまわった。余計なお世話ではあるけれども、確かに日本の検査体制は大きく遅れており、そう言われても仕方がないところがある。では死亡者数の推移によって、各国の汚染状態を測定できないか。死亡者数なら隠ぺいは難しい。そう考えて、いろいろ調べてみた。

まず日本時間13日午前0時の死亡者数。1位は中国で断トツの3169人。続いて2位はイタリアで827人、3位はイランで429人。アメリカは37人で7位、日本は26人で8位となっている。この数字を1週間前と比べてみると、最も増加したのはイタリアで720人も増えている。次いでイランが322人、中国は157人の増加。またアメリカは26人、日本は14人の増加にとどまっている。

ただ、こうした単純な比較では、人口の大小が加味されない。そこで各国について100万人当たりの死亡者を計算してみると、1位はイタリアの13.6人。2位はイランの5.2人。中国は3位で2.2人という結果が出た。また日本は7位で0.2人、アメリカは8位で0.11人となっている。1週間前と比べても、イタリアは11.8人増、イランは3.9人増と増加の幅が大きい。

死亡者数の推移や比較だけで、コロナ肺炎の危険度を完全に把握は出来ない。しかし少なくとも7-13日の1週間でみれば、イタリアとイランの危険度が高いことは明らかだろう。中国が峠を超えたことも示唆している。日本やアメリカのような低い致死率が続けば、ふつうの風邪とそう変わらない。今後の推移を見守って行くことにしよう。

       ≪13日の日経平均 = 下げ -1128.58円≫

       【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】   


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今週のポイント
2020-03-16-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ パニックに陥った株式市場 = 連日1000ドルを超える上下動を繰り返したダウ平均株価。先週は2679ドルの大幅安に終わった。大きく下げたあとは大量の底値買いも入ったが、コロナ肺炎の恐怖に怯えたパニック売りには太刀打ち出来なかった。終り値の2万3186ドルは、2月中旬に付けた史上最高値より6400ドルも低い水準。今週は下げ止まりの兆しをみせるのだろうか。

コロナ肺炎の流行が、アジアからヨーロッパに拡散した。このためトランプ大統領はイギリスを除くヨーロッパ各国からの入国を禁止。これが市場の恐怖感を掻き立てた形となっている。さらにOPEC(石油輸出国機構)とロシアが減産合意に失敗、原油価格が急落したこと。またアメリカやヨーロッパ諸国の対応策が十分でないという反応も、株価を大きく下げる原因となった。

日経平均も、先週は3319円の大幅な値下がり。1週間の下げ幅としては過去最大となった。ニューヨークと同様に、こちらもパニック状態。円相場が一時103円台にまで上昇したこと。それにオリンピックの延期説が強まり、株価を押し下げた。ただ中国ではコロナ肺炎の蔓延がピークを過ぎた気配であること、株価水準が下がり過ぎたという見方が強いこと。今週はパニックも収まり、株価の大底が見えてくるかもしれない。

今週は16日に、1月の機械受注。18日に、2月の貿易統計と訪日外国人客数。19日に、2月の消費者物価と1月の全産業活動指数。アメリカでは19日に、2月の工業生産と小売り売上高、3月のNAHB住宅市場指数。18日に、2月の住宅着工戸数。19日に、2月のカンファレンス・ボード景気先行指数。20日に、2月の中古住宅販売。また中国が16日に、2月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。

       ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ


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歴史的な 惨状! ; 中国経済
2020-03-17-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 生産・小売り・投資がすべてマイナスに = 新型コロナ肺炎が中国経済に与えた打撃の大きさが、初めて明らかになった。中国統計局が16日発表した1-2月の主要な景気指標をみると、鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資が揃って前年を大きく割り込んでいる。こんな経済の急激な縮小はリーマン・ショック時にもなかったことで、まさに歴史的な惨状と言っていい。

中国では春節による大きな変動を調整するため、毎年1-2月の統計をまとめて発表している。したがってコロナ肺炎の影響を反映した主要指標の発表は、これが初めて。発表によると、鉱工業生産は前年比13.5%の減少。小売り売上高は20.5%の減少、固定資産投資額は24.5%の減少だった。コロナ肺炎の影響で経済活動が低下することは予想されていたが、ここまで悪化するとは驚くしかない。

このところ中国では、コロナ肺炎の感染者増加数が急激に減少している。武漢をはじめ上海、広州などの大都会でも、企業活動が再開された。このため3月の経済活動は、やや改善するとみられる。しかし減少幅は縮まるにしても、マイナスの領域から脱することは困難だろう。すると1-3月期のGDP成長率は、ゼロ前後に落ち込む公算が大きい。

また中国の経済活動が改善するとしても、同様の経済的な惨状がイタリア、スペイン、フランスなどEUの主要国で発生する確率は高い。その結果、世界同時不況の状態は長引くものと考えられる。日本ではまずコロナ肺炎を終息させることが先決だが、こうした世界不況の影響を十分に配慮して、経済政策を準備する必要がある。オリンピックの延期も含めて。

       ≪16日の日経平均 = 下げ -429.01円≫

       ≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ


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消費税を一時ゼロに : 景気対策 (上)
2020-03-18-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 経済損失もパンデミックに = 新型コロナ肺炎のウイルスはヨーロッパで増殖、WHO(世界保健機関)はついにパンデミック(世界的な大流行)を宣言した。同時に経済の下降・縮小も全世界に広がっており、その損失もパンデミックの様相を呈している。各国の政府・中央銀行はとりあえず応急対策を打ち出し、さらに抜本的な景気対策の内容を検討中。だが景気の落ち込み方が激しいだけに、よほどの対策を実行しなければ経済を回復軌道に乗せることは難しそうだ。

旅行制限や大規模イベントの中止などによって、関連業種の売り上げが落ち込んでいる。また小中高校の閉鎖で給食業者が営業停止に追い込まれたり、パートに出られなくなった保護者も少なくない。こうした人たちの資金繰りや所得を補償するため、政府は1兆6000億円の財政支出を決定。日銀は市中銀行に対する短期融資を拡大した。だが、これらはあくまでも対症療法であって、景気対策ではない。

コロナ肺炎がまだ問題化していなかった昨年10-12月期、GDP成長率はマイナス7.1%まで落ち込んでいる。そこへ新型ウイルスが飛び出したのだから、20年あるいは20年度の景気が相当に悪くなることは必然だろう。したがって、その景気を回復させるために必要な政策費が、巨額にのぼることは避けられない。

この点について、安倍首相は14日夜の記者会見で「機動的に必要かつ十分な経済財政政策を間髪入れずに講じる」と述べた。大変に結構である。だが問題は、財政支出の規模とその方法、そして財源をどうするかに絞られる。また、いつ実施するかも重要な問題だろう。こうした点を考慮すると、消費税の大減税が最も効果的であることが浮かび上がってくる。

                             (続きは明日)

       ≪17日の日経平均 = 上げ +9.49円≫

       ≪18日の日経平均は? = 上げ


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消費税を一時ゼロに : 景気対策 (下)
2020-03-19-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 特別国債を日銀が直接引き受け = FRBは政策金利をゼロに引き下げ、日銀はETF(上場投資信託)などの買い入れ限度を2倍に引き上げた。だがダウ平均も日経平均も、大幅に続落した。この程度の金融政策では、景気の悪化は防げない。さらに金融政策ではもう景気の悪化は防げないと、市場が判断したためである。すると残るは財政政策しかない。

財政出動の話になると、いつもネックになるのが財源をどうするかだ。しかし今回はそんなことを言ってはいられない。コロナ対策特別国債を発行して、日銀がこれを直接引き受ける。現在のように日銀が市場を通して買い入れると、長期金利が変動する。それが市中金利や円相場に跳ね返ると、厄介な現象が起こりかねない。それよりも日銀が額面で引き受ければ、国債費も不要になるだろう。問題もあるけれど、議論している暇はない。

どんな対策を講じたらいいのか。政府は各家庭に現金5万円を配る案を検討しているようだが、これは愚策。いまのように旅行やイベントが規制されている状態では、おカネをもらっても使いようがない。また補正予算を組んで公共事業を増大しようとしても、人手不足がネックに。所得税や住民税の減税も、実現するまでに時間がかかり過ぎる。

効果的なのは、消費税の減免だろう。20年度予算で消費税収の見積もりは21兆7000億円。景気対策には少なくともこの程度の金額が必要だから、思い切って税率をゼロにしてしまう。この方法なら、たとえば5月からとか6月からとか、年度の途中でも実行できる。コロナ肺炎の終息が長引けばゼロ期間を延ばし、終息すれば止める。相対的に貧困層の負担感が余計に軽減されるので、野党も賛成しやすいに違いない。

       ≪19日の日経平均 = 下げ -173.72円≫

       【今週の日経平均予想  = 1勝3敗】   


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死者が語る コロナ肺炎の危険度 (2)
2020-03-21-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ 中国は終息に近づく? = 前回に続いて新型コロナ肺炎の危険度を、死亡者の推移から計測してみた。感染者の数は検査の密度によって違いが出るが、死亡者の数は危険度の大きさをより正確に反映すると考えられるからである。日本時間20日午前0時の時点で各国の発表を集計してみると、まず死亡者の人数は1位が中国で3245人。次いでイタリアが2978人、3位はイランで1284人となっている。続いてスペイン、フランスの順。日本は40人で、8か国中でいちばん少なかった。

ただし20日までの1週間に増加した人数を比べてみると、大きく変化したことが判る。増加数が最も大きかったのはイタリアで、なんと2151人も増えた。続いてイランが855人、スペインが683人の増加となっている。中国はわずか76人にとどまっており、この調子だと来週はイタリアの死亡者数が中国を抜いて1位になることは確実だと思われる。

この傾向は、すでに人口100万人当たりの死亡者数には明瞭に表われている。1位はイタリアで49.1人ときわめて高い。続いてスペインが16.4人、3位がイランの15.7人だった。中国は2.27人で、8か国中5位にとどまっている。アメリカは0.5人で7位、日本は0.3人で8位だった。この増加数を前週と比べてみると、中国の0.07人増が最も少ない。

これらの数字から読み取れることは、まず中国が終息の状態に近づいたらしいこと。イランの危険度は高いままだが、それよりも急激に危険度が高まっているのはイタリアとフランス。さらにアメリカも危険水域に入りつつあるように見えることだ。その一方で、100万人当たりの死亡者増加数は韓国が0.5人、日本が0.1人できわめて落ち着いている。

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今週のポイント
2020-03-23-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ トランプ相場も吹っ飛んだ = ニューヨーク市場のパニック心理が収まらない。ダウ平均は先週18日、約3年1か月ぶりに2万ドルの大台を割り込んだ。トランプ大統領が就任した17年1月の水準に戻っている。そこからダウ平均は1万ドル近く上昇したが、ここ1か月の間にその分が消えてなくなった。さらに週末にも下落は続き、ダウ平均は週間最大4012ドルの大幅な値下がり。終り値は1万9000ドルに接近している。

新型コロナ肺炎がヨーロッパに広がり、アメリカは海外からの入国を規制せざるをえなくなった。またニューヨーク市をはじめ多数の地域が、人々の移動を抑制し始めた。アメリカ人にとっては、この戦時中のような規制措置が大きなショックとなっているようだ。この不安が嵩じて、投資家は国債や金なども現金に変える動きを強め、ドル相場が急騰する事態を招いている。

日経平均も先週は878円の値下がり。ただ先々週のように1日1000円を超すような上下動はなくなり、やや落ち着いてきたようにも見受けられる。これは日本のコロナ感染状態が比較的に安定していること、それにドル高で円安が進行したことによると考えられる。しかし世界の状態はまだ悪化しており、実体経済の収縮も続いているから、全く楽観は出来ない。

今週は26日に、2月の企業向けサービス価格。27日に、3月の東京都区部・消費者物価。アメリカでは24日に、2月の新築住宅販売とPMI製造業景況指数。25日に、1月のFHFA住宅価格k。26日に、10-12月期のGDP確報値が発表される。

        ≪23日の日経平均は? 予想 = 下げ


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第2段階に入った コロナ不況 (上) 
2020-03-24-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 各国は信用不安の回避に必死 = 株価の急落に喘ぐニューヨークの金融市場。関係者の間に先週、新たな緊張感が走った。これまで投資家は株式や原油を売り、その資金を安全度の高い国債や金に振り向けてきた。それが突如として、国債や金からも資金を引き揚げ始めたからである。すべてを現金化して、手持ちする。恐怖感が一定の限度を超えると、過去にもこういう現象が起きている。その結果、ドルが不足すると企業のカネ繰りが困難になり、倒産や失業が急増してしまう。

これが信用不安と呼ばれる現象。新型コロナ肺炎は学校の閉鎖やイベントの中止、また人々の行動が制限されたことによって、企業や個人の収入を低下させた。これがコロナ不況の第1段階。状況はさらに悪化して、信用不安という第2段階に突入したわけである。この状態を放置しておくと、企業の倒産が激増し、金融機関も経営難に陥る。つまり金融危機へと発展してしまう危険性が高い。

そうなったら大変。各国の政府・中央銀行は、信用不安を阻止するために必死の対策をとり始めた。中央銀行は金融機関に対して、ほとんど無制限に融資する。企業が資金不足に陥らないようにするためだ。たとえばドイツ銀行は、金融機関に対して無制限の信用供与を発表。日銀も金融機関が保有する国債など5兆3000億円を買い入れる方針だ。

また企業の多くは短期の資金を手当てするため、CP(コマーシャル・ペーパー)という約束手形を発行している。この市場からも資金が引き揚げられ、CPの買い手が姿を消してしまった。そこでアメリカのFRBはCP市場に参入、CPを直接買い取ることになった。中央銀行がCP市場に直接参入するのは、きわめて珍しい。このように、いま各国はなりふり構わぬ姿で、信用不安の払しょくに懸命となっている。

                              (続きは明日)

       ≪23日の日経平均 = 上げ +334.95円≫

       ≪24日の日経平均は? 予想 = 上げ


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第2段階に入った コロナ不況 (下)
2020-03-25-Wed  CATEGORY: 政治・経済
◇ 次は景気回復を目指す第3段階へ = 信用不安を回避しながら、深く傷ついた実体経済の立て直しを目指す。これが第3段階。JPモルガン証券の試算によると、アメリカのGDP成長率は1-3月期にマイナス4%、4-6月期にはマイナス14%にまで沈下する。日本の成長率も、同じように落ち込む見通しだ。これを立て直すためには、巨額の財政支出が不可欠だろう。ここで注意すべき点は、第1段階での生活補助的な政策と第3段階での景気対策は全く違うということ。必要な金額も違うし、第1段階では有効な金融政策は第3段階では無力なことだ。

すべては財政政策にかかってくる。その規模や具体的な方法、そして実施時期をいつにするか。たとえば生活水準を維持するため、必要な世帯に5万円の現金を配ることは役に立つ。しかし全世帯に20万円ずつ配っても、行動が制限されている状態では個人消費が増えることは期待できない。所得減税にしても、同じことだ。

思い切って、消費税をゼロにしたらどうだろう。すでに政界の一部では、消費減税論も出始めている。しかし税率を8%とか5%にせよという主張が多いようだ。だが、そんな減税ではとても足りない。税率をゼロにすれば、総額21兆円の減税になる。欧米諸国ではGDPの1割程度の財政支出増を検討しているという。日本に当てはめると、55兆円ということになる。

難しいのは、実施のタイミングだ。行動制限の最中だと、消費は増えにくい。最も効果的なのはコロナ肺炎に終結の兆しが現われたときだが、その見極めは微妙だろう。機を逸すると、景気はいっそう悪化してしまう。さらに日本の場合は、オリンピック延期の悪影響が加わりそうだ。この戦後最大の難局を乗り切る処方箋を描けるかどうか。政治家の資質が問われることになる。

       ≪24日の日経平均 = 上げ +1204.57円≫

       ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ


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壊滅の危機? : 世界の観光産業
2020-03-26-Thu  CATEGORY: 政治・経済
◇ 出入国制限で消えた旅行者 = 観光局の集計によると、2月に日本を訪れた外国人観光客は108万5000人。前年に比べて58.3%も減少した。国・地域別にみると、中国からの旅行者は8万7200人で87.9%の減少。ほとんど10分の1に落ち込んでしまった。韓国も14万3900人で79.9%の減少、台湾も22万0400人で44.9%の減少だった。東南アジア諸国のほとんど、アメリカやヨーロッパ諸国からの旅行者も軒並み大きく減少している。

言うまでもなくコロナ肺炎の影響だが、各国がまだ出入国をそれほど強く規制していなかった2月でさえ、このありさま。3月以降は、もっと減少すると覚悟しなければならない。なにしろ日本も中国、韓国、ヨーロッパのほとんどの国、イラン、エジプトからの入国を厳しく規制している。さらに26日からは、アメリカに対しても規制することになった。

そのアメリカやヨーロッパ諸国なども、同様に厳しい入国規制を実施している。だから外国人旅行者の蒸発は日本だけではなく、世界的な現象になっている。UNWTO(国連世界観光機関)によると、19年の国際観光旅行者は総計14億6000万人にのぼった。それが20年にはどこまで減るのか、全く見通せない状況に陥っている。

外国人旅行者の激減で、航空会社・ホテル・外国人向けの飲食店・小売業は、存亡の危機に立たされた。同時に観光収入の減少は、国の財政にも痛手を与える。観光庁の資料によると、GDPに占める観光収入の割合は、日本が1.9%。ところがスペインは10.7%、フランスは3.7%など、依存度が高い国ほど打撃は大きい。特に東南アジアのタイ・台湾・シンガポールなどは、観光収入がなくなると、財政危機に陥りかねない。

       ≪25日の日経平均 = 上げ +1454.28円≫

       ≪26日の日経平均は? 予想 =下げ


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商品券のバラマキは 愚の骨頂
2020-03-27-Fri  CATEGORY: 政治・経済
◇ 消費者心理にうとい政治家の発想だ = コロナ不況対策の主軸として、商品券の配布が急浮上している。なぜ商品券なのかについて、麻生財務相は「現金だと貯金に回されてしまうからだ」と説明した。だが、この理屈は全くおかしい。現金で払うべきところを商品券で払えば、現金が手元に残る。その現金を貯金に回せば、同じではないか。商品券を印刷する分だけ、コストがかかってしまう。

不況対策は、大きく2つに分けられる。1つはイベントや旅行の自粛、学校の休校などで、収入を失った人への緊急支援。この場合は貯金どころではないから、商品券でも現金でもすぐに使うだろう。使う方の身にしてみれば、現金の方が便利なことは明かだ。また、この緊急支援が貯金に回るようなことがあれば、それは配分の対象に問題があったということになるだろう。

もう1つは、本格的な景気対策としての商品券配布。この場合は1人当たり20万円とか30万円と、金額は大きくなる。しかし商品券を使って、残った現金を貯金する構図は同じ。期限付きの商品券でムリに買わせれば、あとの反動が出ることは必至だろう。いずれにしても、イベントの自粛や行動制限が実施されている状態では、個人消費が回復するとは思われない。

では商品券や現金の配布ではなく、減税をしたらどうだろう。しかし所得税や住民税の減税は、所得区分の問題がからんで法律改正に時間がかかる。また非課税世帯には、恩恵が及ばない。残る手段は、消費税の一時ストップのみ。税率をゼロにすれば、21兆円の減税効果がある。低所得層ほど負担感が減るし、だいいち世の中の空気が明るくなるだろう。

       ≪26日の日経平均 = 下げ -882.03円≫

       ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ


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死者が語る コロナ肺炎の危険度 (3)
2020-03-28-Sat  CATEGORY: 政治・経済
◇ アメリカが感染爆発の危機に = 新型コロナ肺炎による死亡者数。日本時間27日午前0時の集計によると、1位はイタリアの7503人、2位はスペインの4089人。この両国の死亡者数は、3位の中国3287人を上回った。続いてイラン、フランスの順となっている。アメリカは990人で6位、日本は57人で10位だった。1週間前と比べた増加数でも、イタリア、スペイン、フランス、イラン、アメリカの順となっている。

人口の差を加味して100万人当たりの死亡者数をみても、イタリアは123.8人で圧倒的に多い。次いでスペインが87.6人、イランが27.3人、フランスが20.5人。続いてアメリカが3.0人に上昇してきた。日本は0.45人で8位となっている。前週と比べた増加数でも、この順は変わっていない。ただ日本は0.15人の増加、中国は0.03人の増加で7位と8位が入れ替わった。

これらの数字から読み取れることは、まだ感染爆発の渦中にあるのは、イタリア、スペイン、イラン、フランスの4か国。そこへアメリカが近づく気配を見せている。一方、中国は危機を脱したようだ。それにしてもイタリア、スペイン、フランスの現状はすさまじい。専門家が解説しているように、ハグやキスの習慣だけが原因なのだろうか。

中国式の強権による都市封鎖が、効果的らしい。いまイタリアやスペイン、フランスでも、大掛かりな都市封鎖が実行されている。数週間後には、その効果が現われるのだろうか。その半面、アメリカや日本では強権による都市封鎖は実行がかなり困難だ。ある程度の行動規制で、爆発的感染を防げるのかどうか。あと2-3週間で、結果が判明するだろう。

       ≪27日の日経平均 = 上げ +724.83円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】   


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今週のポイント
2020-03-30-Mon  CATEGORY: 政治・経済
◇ 株価は大幅に反発したものの・・・ = ダウ平均は先週2463ドルの大幅な値上がり。上昇率は12.8%に達し、1938年以来の記録となった。週初と週末には下げたが、火―木曜日の3日間で4000ドル近くも上げている。FRBが金融機関への無制限融資を発表、さらに議会が2兆ドル(220兆円)の超大型景気対策を成立させたことで、買い気が一気に高まった。終り値は2万1600ドルまで戻している。

日経平均も先週は2837円の値上がり。7週間ぶりの上昇で、1週間の上げ幅としては過去最高。ニューヨーク市場の大幅な反発に引きずられたほか、日銀のETF(上場投資信託)買い入れが株価を押し上げた。日銀の買い入れは3月に入ってから、累計1兆円を超えている。このため朝方は下げても、午後には上げる不自然な動きが多い。

ダウ平均は2月の史上最高値から先週初までに、1万0960ドルも値下がりした。それを先週の急騰で3割近くも取り戻している。このため投資家の間では「大底は過ぎた」という見方もちらほら。しかしコロナ肺炎の伝染力に衰えがみられないため、大方の市場関係者はまだ今後の株価に不安を持っている。今週はコロナ不況を反映した経済指標が続々と発表される。二番底の懸念も消えてはいない。

今週は31日に、2月の労働力調査、鉱工業生産、商業動態統計、住宅着工戸数。1日に、3月の日銀短観、新車販売。アメリカでは30日に、2月の中古住宅販売。31日に、3月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。1日に、3月のISM製造業景況指数。2日に、2月の貿易統計。3日に、3月の雇用統計、ISM非製造業景況指数。また中国が31日に、3月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

       ≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ


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株は また下がる (上)
2020-03-31-Tue  CATEGORY: 政治・経済
◇ 今週からは悪材料が続々 = 先週は世界の株価が、大幅に反発した。日経平均は2837円の上昇で、1週間の上げ幅としては過去最大。新型コロナ肺炎の影響で下げた分の38%を取り戻している。このため市場の一部では「株価は大底を打ったのでは」という声も聞こえたが、それは楽観のし過ぎ。今週からは、コロナ肺炎によって打撃を受けた日本経済の実態が次々と明らかになる。株価にとっては、イバラの道が続くだろう。

たとえば、きょう31日には2月の労働力調査、鉱工業生産、商業動態統計。また、あす1日には3月の日銀短観と新車販売台数が発表される。2月の場合、コロナ肺炎は中国での蔓延が中心。日本でもクルーズ船が関心のマトになっていた。中国からの部品供給が途絶えて生産中止に追い込まれた工場も出始めていたから、鉱工業生産は低下したに違いない。

さらに雇用や小売りの面に、悪影響がどのくらい表われているのか。政府はこれまで堅調に推移してきた雇用情勢を重視、景気は「緩やかに回復中」の判断を続けてきた。しかし雇用者数や失業率、あるいは同時に発表される有効求人倍率にも、悪化の兆候が見られそうだ。新車の販売も明らかに落ち込んでいる。

専門家が最も注目しているのが、日銀の短観。大企業・製造業の景況判断指数は、これまで7年間にわたってプラスを維持してきた。しかし民間調査会社の予測では、マイナス10に急減する見通し。企業の3月期決算も間もなく確定するが、大幅な減益は避けられない。このように景気の下降を示す経済指標が続出するなかで、株価だけが上昇する可能性はゼロに近い。こうした環境は、4月以降も続くのだろうか。

                              (続きは明日)

       ≪30日の日経平均 = 下げ -304.46円≫

       ≪31日の日経平均は? 予想 = 下げ


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