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経済なんでも研究会
新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2018-03-18-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第3章  経 済 が な い 世 界 

≪24≫ コン棒からコンピュータ―へ = 歴史博物館は石造りの宏大な建物だ。天井が高い真ん中のホールは、運動会が開けるほどの広さ。そこから四方に幅広の廊下が突き出しているから、空から見ると大きな十文字型をしているはずだ。その1つの廊下の左側に経済資料館の部屋が並び、右側は科学資料館になっている。相変わらずラフマと腕を組んだままのショッピー館長と一緒に、動く歩道に乗っていちばん奥の部屋まで進んだ。

古びたコン棒やヤリ、弓矢などが所狭しと並べられていた。壁には畑を耕したり、動物を追いかける古代人の大きな絵。ここでショッピー館長が説明を始めると、珍しくマーヤが口ごもった。
「この部屋は『自然・・経済の時代』だと申しておりますが、それで意味が解りますか」と聞いてくる。
――あゝ、農耕や狩猟など自然だけを相手にしていた時代という意味だろう。

地球だって、昔はそうだったんだから判っているよ。こう言いたかったが、黙っていた。するとショッピー館長が「地球人もわれわれと同じような環境で進歩してきたはず。そうですよね」と、鋭く指摘した。その通りと言うしかない。

「この自然経済時代は、3000年以上も前から始まりました。終わったのは、いまから550年ほど前。圧縮空気によるポンプや蒸気機関が発明されて、機械経済時代に入ったのです。その時代の様子は、次の部屋に詳しく展示されています」

頭のなかで、めまぐるしく計算する。地球の産業革命はたしか1760年代だった。いまから300年ほど昔ということになる。ということは、この星の方がその時点で250年も進んでいたということか。

「自然経済時代の進化は、とてもゆっくりでした。でも機械経済時代には進化が加速し、電力がエネルギーの主流になったのです。そしてコンピューターが発明され、すべての機械が電脳化されました。これが350年ほど前のこと。つまり、われわれの先祖がこのダーストン星に移住してくる直前です。

そのころまでに、ロボット工学も高いレベルに達していました。人間の代わりに工場などで働くロボットは、完全に仕事をこなすようになりました。ただ当時のロボットは、人間の形をしたコンピューターだったと言えるでしょう。私たちは、この時代のロボットを機械的ロボットと呼んでいます」

――そのロボットが350年ぐらい前から、一大進化を遂げたんですね。
「その通り。ロボット工学と医学がドッキングしたのです。その結果、ロボットの頭脳構造のなかに、人間のDNAが組み込まれました。機械経済時代は終わり、人間は働く必要のない経済レス時代が始まったのです」

ショッピー館長はそう言うと、いとおしげにラフマの肩をやさしく抱いた。

                            (続きは来週日曜日)

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