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経済なんでも研究会
新次元・SF経済小説 【 プ レ ー ト 】
2018-05-13-Sun  CATEGORY: 政治・経済
第3章  経 済 が な い 世 界 

≪32≫ 爆発した議論 = ぼくが女性たちにこんな質問をし、マーヤがそれをダーストン語に通訳したとたん、会場は騒然となった。
――いま話題になっているロボットとの結婚問題について、みなさんはどう思いますか?

Aさんが立ち上がり、大声で喋り始めた。Cさんも負けていない。内容は解らないが、どうやら賛成論と反対論をぶつけ合っているようだ。ほかの女性たちも一斉に何か叫んでいる。ぼくはあっけにとられて、見守るしかなかった。マーヤも目を丸くしている。すると97歳のガーシュおばあちゃんが、すっくと立ちあがり両手を叩く。

「みなさん、お静かに。この問題で興奮するのは判りますが、みんなが一斉に喋ったのではマーヤも通訳ができません。地球から来たお客さんもびっくりされていますよ。私が司会を務めますから、一人ずつ話してください」

これで話が見えるようになった。すごいお年寄りだ。その結果をまとめてみると、賛成論は・・・。
「ロボットは、いまや家族同然。子どもたちも、よくなついています。そのロボットを人間と差別するのは、決して良くありません」
「ロボットたちが、人間の男性との結婚を望んでいることは事実です。しかし結婚してもセックスは出来ず、子どもを産むこともありません。ですから家庭のなかで、親子問題が発生する危険は全くないのです」
「法律的に結婚することでロボットが本当に家族の一員になれれば、プラスにはなってもマイナスになることはないでしょう」

一方、反対論は・・・・。
「人間の妻が焼きもちを焼く心配があります。それに家庭のなかで、どちらが主導権を握ることになるのでしょうか」
「もし男性がロボットの方を可愛がったら、悲劇が起こるかも」
「そう、男性は夜どちらの女性と一緒の寝床に入ったらいいんでしょうか」
「結婚すれば、ロボットはますます母性愛を増大させるでしょう。人間の妻はいつでもそれを意識せざるをえません。これは可哀想ですよ」

さらに互いに反論が続出。議論は延々と続いた。最後にガーシュさんが、これまで沈黙を守ってきたショッピー館長の方を向いて尋ねた。
「貴女とラフマの関係は世間でも有名ですが、この問題について一言」

「私たちは結婚しているようなもの。法律とか戸籍とかは関係ありません。ですから反対はしませんが、あまり興味はないのです」

ショッピー館長はラフマの肩を抱きながら、こう言って嫣然と微笑んだ。

                          (続きは来週日曜日)
    

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