◇ 政府は毒を無視するのか =内閣府は20日、1-3月期のGDP速報を発表した。それによると、実質成長率は年率換算で2.1%。民間の事前予測は平均マイナス0.3%だったから、予想外に高い成長率を達成したことになる。昨年10-12月期の1.6%成長に続いて、2四半期の連続プラス成長。このように見た目には美味しそうなまんじゅうだが、実は中身には猛毒が・・・。
発表の中身をみると、いずれも年率換算で個人消費はマイナス0.4%、企業の設備投資はマイナス1.2%。内需を支える2本柱が、ともにマイナス成長だった。個人消費は暖冬と食料品の値上げ、設備投資は中国経済の不調による影響が大きい。その半面、住宅投資が4.5%の増加、公共投資も6.2%増加した。これで消費と設備投資のマイナスを、なんとか補った形となっている。
成長率を大きく引き上げた要因は、外需にあった。輸出は9.4%も減少したが、輸入が17.2%と予想以上に減退した。この結果、GDPは計算上プラスになったが、輸入の減少は内需の伸び悩みを反映したもの。つまり個人消費と設備投資、それに輸出が減少。しかも内需の停滞を反映して、輸入が大幅に減った。これらの現象は、景気の悪化を的確に示している。
政府は今週24日に、5月の月例経済報告を発表する。政府首脳の発言から推量すると、今回も「景気は緩やかに回復している」という従来からの景気判断を踏襲しそうだ。参院選あるいは同日選挙を前に、弱音は禁物だと考えるからだろう。だが、その根拠に1-3月期の2.1%成長を持ち出すとすれば、まんじゅうの毒に目をつぶり国民をだますことになる。
≪20日の日経平均 = 上げ +51.64円≫
≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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成長率を大きく引き上げた要因は、外需にあった。輸出は9.4%も減少したが、輸入が17.2%と予想以上に減退した。この結果、GDPは計算上プラスになったが、輸入の減少は内需の伸び悩みを反映したもの。つまり個人消費と設備投資、それに輸出が減少。しかも内需の停滞を反映して、輸入が大幅に減った。これらの現象は、景気の悪化を的確に示している。
政府は今週24日に、5月の月例経済報告を発表する。政府首脳の発言から推量すると、今回も「景気は緩やかに回復している」という従来からの景気判断を踏襲しそうだ。参院選あるいは同日選挙を前に、弱音は禁物だと考えるからだろう。だが、その根拠に1-3月期の2.1%成長を持ち出すとすれば、まんじゅうの毒に目をつぶり国民をだますことになる。
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