◇ 自動車と不動産が苦境に = 中国経済の成長鈍化が止まらない。国家統計局が15日発表した4-6月期のGDP実質成長率は、前期より0.2ポイント低下して6.2%となった。リーマン・ショック直後の不況時を下回る水準で、中国が四半期ごとのGDPを公表するようになった1992年以来の最低。習政権が目標としている6.0-6.5%の範囲内には収まっているが、これ以上減速すると「20年のGDPを10年の2倍にする」という公約は実現が難しくなる。
同時に発表された経済指標も、総じてよくない。鉱工業生産は1-6月間で前年比6.0%の増加。1-3月間の6.5%から減退した。特に自動車と半導体の減産が大きい。設備・インフラ・不動産投資を合計した固定資産投資は、1-6月間で5.8%の増加。これも1-3月間の6.3%増から、はっきり減少している。小売り売上高だけは1-6月間が8.4%の増加で、1-3月間の8.3%増をやや上回った。
輸出も1-6月間では1.3%の減少。1-3月間の1.4%増加からマイナスに転じている。ただ貿易統計をみると、少し奇妙な動きに気付く。貿易戦争の影響で1-6月間の対アメリカ輸出は8.1%の減少だった。しかし全体の輸出は0.1%増えている。これはベトナムなど東南アジア向けの輸出が急増したため。アメリカに向けた迂回輸出の疑いも、否定はできなそうだ。
新車の販売台数は18年に前年比2.8%の減少となったが、ことし1-3月期も11%の減少だった。また不動産もバブルがはじけ、北京や上海の住宅価格は4-9%下落している。100社を超す自動車メーカーの淘汰が始まっており、不動産業者の倒産も少なくない。自動車と不動産の立ち直りには時間がかかるから、成長率の鈍化はまだ続きそうだ。政府は対策に懸命だが、やり方を間違うと抱え込んだ“過剰債務”という爆弾が爆発しかねない。
(続きは明日)
≪17日の日経平均 = 下げ -66.07円≫
≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
☆Please click here ⇒
同時に発表された経済指標も、総じてよくない。鉱工業生産は1-6月間で前年比6.0%の増加。1-3月間の6.5%から減退した。特に自動車と半導体の減産が大きい。設備・インフラ・不動産投資を合計した固定資産投資は、1-6月間で5.8%の増加。これも1-3月間の6.3%増から、はっきり減少している。小売り売上高だけは1-6月間が8.4%の増加で、1-3月間の8.3%増をやや上回った。
輸出も1-6月間では1.3%の減少。1-3月間の1.4%増加からマイナスに転じている。ただ貿易統計をみると、少し奇妙な動きに気付く。貿易戦争の影響で1-6月間の対アメリカ輸出は8.1%の減少だった。しかし全体の輸出は0.1%増えている。これはベトナムなど東南アジア向けの輸出が急増したため。アメリカに向けた迂回輸出の疑いも、否定はできなそうだ。
新車の販売台数は18年に前年比2.8%の減少となったが、ことし1-3月期も11%の減少だった。また不動産もバブルがはじけ、北京や上海の住宅価格は4-9%下落している。100社を超す自動車メーカーの淘汰が始まっており、不動産業者の倒産も少なくない。自動車と不動産の立ち直りには時間がかかるから、成長率の鈍化はまだ続きそうだ。政府は対策に懸命だが、やり方を間違うと抱え込んだ“過剰債務”という爆弾が爆発しかねない。
(続きは明日)
≪17日の日経平均 = 下げ -66.07円≫
≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
☆Please click here ⇒

| ホーム |